JP4141091B2 - 流体圧伝動装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/38Control of exclusively fluid gearing
    • F16H61/40Control of exclusively fluid gearing hydrostatic
    • F16H61/4008Control of circuit pressure
    • F16H61/4026Control of low pressure

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容積型ポンプおよびモータの吐出口・吸込口を通路で連結して、駆動力をポンプから流体圧を介してモータに伝える流体圧伝動装置(ハイドロ・スターティク・トランスミッション、通称、HST)に関し、特に、車両の駆動装置に適用する場合に好適な流体圧伝動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から可変容積型ポンプおよびモータの吐出口・吸込口を通路で閉回路に連結して、駆動力をポンプから流体圧を介してモータに伝える流体圧伝動装置(ハイドロ・スターティク・トランスミッション、通称、HST)は知られており、フォークリフトや作業車に採用されており、例えば、日刊工業新聞社刊「油圧技術便覧−改訂新版−」(昭和51年1月30日初版発行)の第523頁〜527頁に開示されるものがある。そして、同第527頁の図7−7には、可変容積型ポンプと定容積型モータを組合せた例が記載されている。
【0003】
図5は、同資料の回路を示した油圧回路図である。図5において、110は図示しない前後進レバーに操作されて容積が正吐出・ニュートラル・逆吐出と変化する可変容積型ポンプ、120はその出力軸が負荷すなわち車両の駆動装置にあっては図示しない駆動車輪に連結されている定容積型モータ、130,131は閉回路を構成する通路である。135はチャージポンプ、105は可変容積型ポンプ110およびチャージポンプ135を駆動する原動機、140は閉回路の通路130,131内の圧力が所定圧以上となるとき他方の通路130,131へ連通させる高圧リリーフバルブ、138,139はチャージポンプ135からチャージ通路137を介して供給された流体を閉回路の通路130,131へ供給するチェック弁、141はチャージ通路137から図示しないケース内を冷却すべくケース内へ開口した通路142中に設けられた低圧リリーフバルブである。さらに、閉回路の一方の通路130とチャージ通路137とはオリフィス153をもつ中立回路151で連通されている。
【0004】
そして、原動機105が始動されてチャージポンプ135および可変容積型ポンプ110を駆動し、チャージポンプ135はチャージ通路137、チェック弁138,139を介して閉回路の通路130,131中に流体を充填し、可変容積型ポンプ110はその前後進レバーで設定された流量を吐出する。すなわち、ニュートラルの場合には、吐出流量は基本的になく、通路130,131には流体が流れず、定容積型モータ120は回転しない。
【0005】
前後進レバーを前進に操作すると、可変容積型ポンプ110が例えば通路130に流体を吐出し、その流体で定容積型モータ120を回転させ、車両を前進させる。定容積型モータ120から流出た流体は通路131を還流して可変容積型ポンプ110に再び吸込まれる。
【0006】
逆に、前後進レバーを後退に操作すると、可変容積型ポンプ110が前進とは逆に通路131に流体を吐出し、その流体で定容積型モータ120を逆に回転させ、車両を後退させる。定容積型モータ120から流れ出た流体は通路130を還流して可変容積型ポンプ110に再び吸込まれる。
【0007】
そして、前後進レバーから可変容積型ポンプ110までのリンケージのガタやフリクションにより、前後進レバーをニュートラルとしていても可変容積ポンプ110を完全に吐出量がゼロの状態とすることはリンケージ形状に高精度を要求するため、前後進レバーがニュートラル位置にあれば可変容積型ポンプ110から微小の吐出流量があっても定容積型モータ120が回転することがないようにする必要がある。
【0008】
このため、微小の流体を通路130から通路131へ中立回路151のオリフィス153を介して還流させるようにしている。なお、可変容積型ポンプ110の吐出流量が増加していくと、オリフィス153の絞り効果により通路130の圧力が上昇し、この圧力が車両の起動圧力(車両を動かすために必要な圧力)に達したとき、定容積型モータ120は回転を開始し車両が動き出すようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来例にあっては、通路130と通路131とをオリフィス153をもつ中立回路151で常に連通させているため、定容積型モータ120に負荷側から回転入力があったときにも、定容積型モータ120からの吐出流体が通路130に流れ込み前記中立回路151を介して通路131に還流させ、定容積型モータ120の回転を停止させることができなかった。このように負荷側から定容積型モータ120に回転入力がある場合とは、例えば、坂道で車両が停車する場合であり、パーキングブレーキを効かせていない場合には車両は制動されずその自重で坂下に向かってずり下がろうとする。
【0010】
このような場合、原動機105が運転されている場合には運転手が座席に在席しており車両のずり下がりを止めるべくペダルブレーキを作動させるのであるが、運転手が原動機105を停止しパーキングブレーキをかけ忘れて車両を離れたときには上記の車両のずり下がりを防止することができない。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、原動機の停止時には、車両の移動を阻止するようにした流体圧伝動装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、可変容積型ポンプとモータとのポート同士を互に通路により連通させた閉回路と、この閉回路の各通路にチャージポンプからの流体を所定圧で供給するチャージ通路と、を備えた流体圧伝動装置において、前記チャージ通路は、閉回路の夫々の通路にチェック弁を介して連通されており、前記いずれか一方のチェック弁は、オリフィスを介して吐出流体を閉回路の通路からチャージ通路へ流出させる中立回路が形成されると共に前記中立回路を開閉する中立バルブを摺動自在に内蔵して備え、前記中立バルブは、チャージ通路の圧力により開放位置へ付勢され且つバルブスプリングにより遮断位置へ付勢される切換弁により構成され、前記チャージ通路の圧力が所定値を超えているとき開放して、可変容積型ポンプからの吐出量の一部を中立回路を介して閉回路の通路からチャージ通路へ流出させ、前記チャージ通路の圧力が所定値以下に低下したとき前記中立回路を閉じて、前記閉回路をチャージ通路より遮断することを特徴とする。
【0015】
の発明は、前記オリフィスはチェック弁の弁体に配置され、中立バルブはチェック弁体内にあって前記オリフィスを開閉するものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、中立回路にチャージ通路の圧力が所定値以下に低下したとき閉じる中立バルブを設けたため、原動機が停止しチャージ通路にチャージ圧力が供給されなくなると、中立バルブは遮断位置に切換わり、可変容積型ポンプ・モータおよび通路からなる閉回路はチャージ通路から遮断され、モータに外部から駆動力が働いても、閉回路の通路内の圧力上昇によりモータの回転は阻止される。このため、車両を坂道の途中に停車させてもずり下がりを生じない。
【0017】
また、中立バルブは、車両の停止状態をチャージポンプの吐出圧で判断し、チャージポンプの吐出圧で作動するため、エンジン停止状態を検出する新たな検出手段やこの検出手段により作動し中立バルブを駆動するアクチュエータを必要とせず、安価に構成できる。
【0018】
また、中立バルブ自体にオリフィスを設けているため、中立回路中にオリフィスのためのスペースが必要なく、中立回路の通路構成が簡単となる。
【0019】
しかも、チェック弁内に中立バルブを内蔵させるものであるため、通路形状に何ら加工などの変更を加える必要がなく、製造原価を低減できるとともに従来のチェック弁を本発明の中立バルブ付チェック弁に取り換えるのみで実施できる特徴を有する。
【0020】
の発明では、チャージ通路と閉回路の通路とにまたがっているチェック弁体にオリフィスを設けているので、別にオリフィスを形成するための部材や新たな通路を設けることを必要としなく、部品数も少なくでき、この点でも安価に構成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用した液圧回路図の1例を示す。
【0023】
図1において、二点鎖線で囲った部分は流体圧伝動装置1を示し、流体圧伝動装置1において、10は入力軸11により駆動される可変容積型ポンプであり、図示していない斜板の傾きを矢印の傾きで示し、この矢印の傾きに応じて吐出量が変更でき、矢印が垂直ではニュートラル状態であり、図示の傾きでは図中下方のポートから流体を吸入し上方のポートから吐出し、図示とは逆の傾きの場合には図中上方のポートから流体を吸入し下方のポートから吐出する。この斜板は前後進レバー2によりその傾きが操作され、前後進レバー2をN位置にするとき斜板は傾きゼロとなり、F位置にするとき斜板は図示の傾き状態となり、R位置にするとき斜板は図示状態とは反対の傾きとなる。
【0024】
20は定容積型モータであり、出力軸21に連結され、出力軸21は車両の駆動装置、具体的には、終減速機3等を介して駆動車輪4に連結されている。そして、例えば、図中上方から流体の供給を受けた場合車両を前進させる方向に回転し、図中下方から流体の供給を受けた場合には車両を交代させる方向に回転し、夫々の回転速度は流体の供給量に比例する。そして、可変容積型ポンプ10のポートと定容積型モータ20のポートとは通路30,31で連結され、閉回路を構成している。
【0025】
35はチャージングポンプであり、可変容積型ポンプ10とともに原動機5に連結された入力軸11により駆動され、チャージングポンプ35からチャージ通路37を介して供給された流体を閉回路の通路30,31へチェック弁38,39を介して供給する。これにより、閉回路内は吸込側であっても所定圧力以上に保持され、吸い込み負圧に起因するキャビテーションが防止されている。また、チャージポンプ35は流体伝動装置1外に設けたオイルタンク6からサクションパイプ7を介して流体を吸込み、チャージ通路37は流体圧伝動装置1外のオイルフィルタ8を有するチャージパイプ36を経由しており、その後、流体伝動装置1のチャージ通路37へ戻るように構成している。
【0026】
40は閉回路の通路30,31同士を所定圧以上で連通させる高圧リリーフバルブであり、41はチャージ通路37から流体圧伝動装置1の図示しないケース内を冷却すべくケース内へ開口した通路42中に設けられた低圧リリーフバルブである。50は閉回路の一方の通路30とチャージ通路37とを連通させる中立通路51中に配置された中立バルブを示し、遮断位置52とオリフィス通路53をもつ連通位置54とを備え、バルブスプリング55により遮断位置52に付勢されると共に、チャージ通路37の圧力によりバルブスプリング55に抗して連通位置54に移動するようにされている。従って、この中立バルブ50は、チャージ通路37の圧力がチャージポンプ35の作動で所定以上ある場合、すなわち、エンジン5が回転している場合にはオリフィス53をもつ連通位置54にあり、エンジン5が停止してチャージポンプ35の作動が停止しているときは遮断位置52に位置する。なお、流体圧伝動装置1のケース内の流体はドレインパイプ9によりオイルタンク6に戻されるようになっている。
【0027】
以上の構成になる第1の実施形態は以下のように作動する。
【0028】
前後進レバー2をニュートラルN位置にして、車両の原動機5を始動させると、原動機5に連結された入力軸11によりチャージポンプ35が駆動され、チャージポンプ35から吐出された流体はチャージパイプ36、チャージ通路37およびチェック弁38,39を通って閉回路の通路30,31に供給される。その余剰流量は低圧リリーフバルブ41を開放して通路42を通って流体圧伝動装置1のケース内に流入してケース内を冷却した後、ドレインポート9を介してオイルタンク6へ流れ、低圧リリーフバルブ41により、チャージ通路37内および閉回路を構成する通路30,31内はチャージ圧Pcに保たれる。そして、中立バルブ50はチャージ圧力Pcを受圧してバルブスプリング55に抗してオリフィス53を持つ連通位置54に切換えられる。
【0029】
可変容積型ポンプ10は前後進レバー2がニュートラルN位置であるため、基本的には流体の吐出は行わないが、微小量吐出していたとしても、その流体は中立回路51の中立バルブ50が連通位置54にあるため、オリフィス53・チャージ通路37・チェック弁39を介して閉回路の他方の通路31に還流され、通路30と31を同圧に維持し、定容積型モータ20を駆動することはない。
【0030】
前後進レバー2を前進F位置に操作すると、可変容積型ポンプ10の斜板が傾斜され、可変容積型ポンプ10は図中下方のポートから流体を吸込み図中上方のポートから流体を吐出する。この吐出流体は一部が中立回路51のオリフィス53を介して前述のごとく通路31に還流するものの、当該オリフィス53の通路抵抗により通路30内の圧力が上昇して定容積型モータ20に供給される。この吐出流体の圧力が車両の起動圧力(車両を動かすために必要な圧力)に達したとき、定容積型モータ20は回転を開始し車両は動き出す。前後進レバー2を後退R位置に移動させた場合も前進時と同様に作動する。
【0031】
車両を停止すべく、前後進レバー2をニュートラルN位置に切換え、原動機5を停止させチャージポンプ35および可変容積型ポンプ10を停止させると、閉回路の通路30,31の流体は流れないため、定容積型モータ20も停止する。チャージ通路37内の圧力が低下し、これに伴って中立回路51の中立バルブ50がバルブスプリング55の作用で遮断位置52に切換わり、可変容積型ポンプ10・通路30,31・定容積型モータ20からなる閉回路はチャージ通路37から遮断される。
【0032】
従って、パーキングブレーキを作動させないで、車両が登り坂の坂道に停車した場合には、駆動車輪4から後退方向への回転力が終減速機3、出力軸21を介して定容積型モータ20に作用し、定容積型モータ20には前進時とは逆の回転力が作用し、図1中上方のポートに流体を吐出しようとして通路30中の圧力を上昇させる。通路30内の流体はチェックバルブ38と遮断位置52にある中立バルブ50とにより流出が阻止されているため、通路30内の圧力上昇で定容積型モータ20の回転は規制され、車両の坂下方向へのずり下がりは生じない。なお、中立バルブ50やポンプ・モータの各摺動部からの微小漏れは防止することができず、それに相当する許容される程度の僅かな移動は時間の経過とともに生ずる。
【0033】
また、パーキングブレーキを作動させないで、車両が下り坂の坂道に停車した場合には、駆動車輪4から前進方向の回転力が終減速機3、出力軸21を介して定容積型モータ20に作用し、定容積型モータ20は前進時と同じ回転力が作用し、図1中下方のポートに流体を吐出しようとし、通路31中の圧力を上昇させる。通路31内の流体はチェックバルブ39により流出が阻止されているため、通路31内の圧力上昇で定容積型モータ20の回転は規制され、車両の坂下方向へのずり下がりは生じない。なお、この場合にあっても、ポンプ・モータの各摺動部からの微小漏れは防止することができず、それに相当する許容される程度の僅かな移動は時間の経過とともに生ずる。
【0034】
本実施形態にあっては、車両の停止状態をチャージポンプの吐出圧で判断しているため、特別な検出手段を必要とすることなく、チャージ圧に応じて作動するバルブを挿入するのみで構成でき、特別な検出手段やアクチュエータを必要とせず、安価に構成できる。
【0035】
図2ないし図4は、本発明の第2の実施形態を示し、図2は断面図、図3は図2のIII−III部分の断面図を示す構成図、図4は本発明の特徴部分を示す部分拡大図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0036】
図2および図3において、可変容積型ポンプ10・定容積型モータ20・チャージポンプ35を、ケース60と閉回路の通路31,32および各弁を収容するポートブロック61とで形成される空間内に収容し、ポートブロック61の背面にチャージポンプ35を配置し、全体として一体の塊となるよう構成している。すなわち、可変容積型ポンプ10と定容積型モータ20とは、ケース60とポートブロック61とで形成される空間内に入力軸11および出力軸21に支持された状態で内蔵されている。また、入力軸11のポートブロック61を貫通した先端部にはチャージポンプ35が配置されている。
【0037】
可変容積型ポンプ10は、入力軸11に支持され入力軸11周りに等間隔に配置され軸方向に伸びる複数のシリンダを有するシリンダブロック12と、シリンダブロック12のシリンダに摺動自在に嵌合し、しかも、シリンダに内蔵されたスプリングにより伸び出し方向、つまり図中左方向に付勢されたピストン13と、各ピストン13の突出端にスラストベアリングを介して当接し、ケース60内面との間に配置したブッシュに案内されて中心O周りに揺動可能な斜板14と、シリンダブロック12とポートブロック61との間に配置されたバルブプレート15とで構成されている。この可変容積型ポンプ10は、斜板14が図示ではN位置すなわちニュートラル状態にあり、この状態から図中F方向(もしくはR方向)に傾けられるとき入力軸11の回転に応じてピストン13がシリンダに対して出没運動を行い、これに伴い図2右図に示すポート17(もしくはポート16)から流体を吸込み、他方のポート16(もしくはポート17)から流体を吐出する。
【0038】
定容積型モータ20は、出力軸21に支持され出力軸21周りに等間隔に配置され軸方向に伸びる複数のシリンダを有するシリンダブロック22と、シリンダブロック22のシリンダに摺動自在に嵌合し、しかも、シリンダに内蔵されたスプリングにより伸び出し方向、つまり図中左方向に付勢されたピストン23と、各ピストン23の突出端に当接した傾斜して配置されたスラストベアリング24と、シリンダブロック22とポートブロック61との間に配置されたバルブプレート25とで構成されている。この定容積型モータ20は、スラストベアリング24が傾けられており、図3に示す2個のポート26,27の内、ポート26から流体が供給されるとピストン23が伸長時にスラストベアリング24の案内でシリンダブロック22に図3中反時計方向(前進方向)の回転を与え、出力軸21は反時計方向に回転する。また、ポート27から流体が供給されるとピストン23が伸長時にスラストベアリング24の案内でシリンダブロック22に図3中時計方向の回転を与え、出力軸21は図3中時計方向(後退方向)に回転する。
【0039】
前述のポート16とポート26とは、ポートブロック61に設けた通路30により、また、ポート17とポート27とは、ポートブロック61に設けた通路31により、連通されている。また、ポートブロック61には、通路30と31とを連通する部分に通路30の圧力を受ける受圧面と通路31の圧力を受ける受圧面とを有し、いずれか一方の圧力が所定値以上となるとき一方の圧力を他方へ逃がす高圧リリーフバルブ40を有する。また、チャージ通路37と通路31との間に配置されチャージ通路37の圧力が通路31の圧力より高い場合にチャージ通路37の流体を通路31に供給するチェックバルブ39と、チャージ通路37と通路30との間に配置され、チャージ通路37の圧力が通路30の圧力より高い場合にチャージ通路37の流体を通路30に供給するチェックバルブ38とを備えている。
【0040】
チェックバルブ38は、図4に拡大して示すごとく、中立バルブ70と組み合わせて構成されている。すなわち、ポートブロック61には、大径部が通路30と連通し、小径部がチャージ通路37と連通する段付穴71が設けられ、この段付穴71の段付部はテーパ状で弁座72に形成されている。この段付穴71内には、筒状のガイド73とこのガイド73に摺動自在に案内されるパイロットスプール74とパイロットスプール74先端に摺動自在に嵌合したチェック弁体75とが内蔵されている。すなわち、チェック弁体75はガイド73に着座したチェックスプリング76により押圧されて前記弁座72に着座する弁部77と、パイロットスプール74先端に摺動自在に嵌合する段付穴75aと、段付穴75aの段付部から所定距離L1だけ離れた部分と弁部77の後方外周とを連通させるオリフィス通路78とを有し、段付穴75aの段付部はパイロットスプール74のストッパとなる。パイロットスプール74は後端のスプリング79によりチェック弁体75側に付勢され、チャージ通路37のチャージ圧Pcが所定値以下の場合、段付穴75aの段付部を介してチェック弁体75を押圧する。ポートブロック61の段付穴71の開放端にはプラグ80がねじ込まれ、プラグ80によりパイロットスプール74のスプリング79を支持するとともにガイド73の抜け止めをしている。なお、プラグ80にはパイロットスプール74の後退ストロークを規制するピン81が打ち込まれている。そして、チェック弁体75とガイド73との間の寸法L2だけチェック弁体75はストロークでき、また、パイロットスプール74はピン81との間の間隔L3だけストロークできる。上記各寸法は、(L1+L2)<L3の関係にある。ここでは、段付穴71の弁座72とチェック弁体75とバルブスプリング76とでチェック弁38を構成し、チェック弁体75の段付穴75aとオリフィス78とパイロットスプール74とバルブスプリング79とで中立バルブ70を構成している。
【0041】
以上の構成よりなる第2の実施形態の流体圧伝動装置1は、入力軸11に原動機5を、また、出力軸21に終減速機3、駆動車輪4を前記第1の実施形態のごとく連結し、チャージポンプ35にサクションパイプ7を介してオイルタンク6から流体を吸込み、チャージパイプ36・オイルクーラ8a・オイルフィルタ8を介してチャージ通路37に流体を供給することで以下のように作動する。
【0042】
前後進レバー等により可変容積ポンプ10をニュートラルN位置にして、車両の原動機5を始動させ入力軸11によりチャージポンプ35を駆動すると、チャージポンプ35の吐出流体はチャージパイプ36,オイルクーラ8a,オイルフィルタ8,チャージ通路37およびチェック弁38,39を通って閉回路の通路30,31に供給され、余剰流量は通路42を通って低圧リリーフバルブ41を開放し、流体圧伝動装置1のケース60内に流入してケース60内を冷却した後、ドレインポート9を介してオイルタンク6へ流れる。低圧リリーフバルブ41により、チャージ通路37内および閉回路を構成する通路30,31内はチャージ圧Pcに保たれる。そして、中立バルブ70のパイロットスプール74は先端面にチャージ圧力Pcを受圧してバルブスプリング79に抗して後退し、オリフィス78を開放する。
【0043】
ニュートラル位置の可変容積型ポンプ10から流体が微小量吐出していた場合には、その流体は、パイロットスプール74が後退位置に移動してオリフィス78が開放されているため、オリフィス78・チャージ通路37・チェック弁39を介して閉回路の他方の通路31に還流され、定容積型モータ20を駆動することはない。
【0044】
前後進レバーにより、可変容積型ポンプ10の斜板14をF方向に傾斜させると、可変容積型ポンプ10は閉回路内の流体をポート17から吸込みポート16から吐出する。この吐出流体は通路30から一部がオリフィス78を介して前述のごとく通路31に還流するが、当該オリフィス78の圧力降下により通路30内の圧力が上昇して定容積型モータ20のポート26に供給され、この圧力が車両の起動圧力(車両を動かすために必要な圧力)に達したとき、定容積型モータ20は回転を開始し車両が動き出す。前後進レバーにより可変容積型ポンプ10の斜板14を後退R位置に傾けた場合も前進時と同様に作動して、車両は後退する。
【0045】
上記車両駆動中にあっても、閉回路を構成する通路30,31の内一方は流体の送り側で高圧となるも、他方の通路は流体の戻り側であるため低圧となる。そして、低圧側の通路内の圧力がチャージ圧Pc以下となった場合には、チェック弁38(またはチェック弁39)が開かれて調圧されるため、チャージ圧Pcに調圧される。
【0046】
チェック弁38は、そのチェック弁体75が後退した開放位置に移動してオリフィス78の位置が後退しても、パイロットスプール74はオリフィス位置L1とチェック弁体移動寸法L2とを加えた寸法以上の寸法L3まで後退しているため、チェック弁38の開閉にかかわらず開放される。
【0047】
車両を停止すべく、前後進レバーにより可変容積型ポンプ10をニュートラルN状態とし、原動機5を停止してチャージポンプ35および可変容積型ポンプ10を停止させると、定容積型モータ20も停止する。その後、チャージ通路37内の圧力が低下し、これに伴ってパイロットスプール74がバルブスプリング79の作用で突出位置に切換わりオリフィス78を閉じる。そのため、可変容積型ポンプ10、通路30,31、定容積型モータ20からなる閉回路はチャージ通路37から遮断される。
【0048】
従って、パーキングブレーキを作動させないで、車両が登り坂の坂道に停車した場合には、駆動車輪4から後退方向の回転力が終減速機3、出力軸21を介して定容積型モータ20に前進時とは逆の回転力を作用させ、ポート26に流体を吐出しようとし通路30中の圧力を上昇させる。通路30内の流体はチェックバルブ38とオリフィス78をパイロットスプール74で閉じること、により流出が阻止され、通路30内の圧力上昇で定容積型モータ20の回転は規制され、車両の坂下方向へのずり下がりを防止する。
【0049】
また、パーキングブレーキを作動させないで、車両が下り坂の坂道に停車した場合には、駆動車輪4から前進方向の回転力が終減速機3、出力軸21を介して定容積型モータ20に前進時と同じ方向の回転力を作用させ、ポート27に流体を吐出しようとし通路31中の圧力を上昇させる。通路31内の流体はチェックバルブ39により流出が阻止され、通路31内の圧力上昇で定容積型モータ20の回転は規制され、車両の坂下方向へのずり下がりは防止される。
【0050】
本実施形態にあっては、チェック弁38内に中立バルブ70を内臓させるものであるため、ポートブロック61の形状を何ら加工などの変更を加える必要がなく、製造原価を低減できるとともに従来のチェック弁を本実施形態の中立バルブ付チェック弁に取り換えるのみで実施できる。
【0051】
また、弁自体も、すでにチャージ通路37と閉回路の通路30とにまたがっているチェック弁体75にオリフィス78を設ける構成としているため、別にオリフィスを形成するための部材や新たな通路を設けることを必要とせず、部品数も少なくでき、この点でも安価に構成できる。
【0052】
なお、上記実施形態において、ポンプおよびモータを斜板ポンプ、斜板モータを用いて説明したが、図示しないが、斜軸ポンプ・斜軸モータやベーンポンプ・ベーンモータ、さらに他の形式のポープ・モータを用いるものであってもよく、また、ポンプに斜板ポンプを、モータにベーンモータを用いる等、ポンプとモータとの形式は必ずしも同一の形式である必要はない。
【0053】
また、ポンプに流体の吐出方向が変わる可変容積型ポンプを用いたものについて説明したが、図示しないが、吐出方向が変化せず吐出容積のみが変化する可変容積型ポンプを用いてもよく、この場合には、前進・後退に応じて、ポンプ・モータ間の通路を切換える切換バルブを用いることで適用可能であり、また、ポンプの容積は、例えば、アクセル開度と連動させることが望ましい。
【0054】
さらに、モータも定容積型のモータについて説明しているが、これに限られることなく、可変容積型のモータであっても同様に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す流体圧伝動装置の液圧回路図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図3】同じく図2のIII−III部分の断面図。
【図4】同じく、図3のチェック弁の部分拡大図。
【図5】従来の流体圧伝動装置の液圧回路図。
【符号の説明】
1 流体圧伝動装置
2 前後進レバー
3 終減速機
4 駆動車輪
5 原動機
6 オイルタンク
10 可変容積型ポンプ
11 入力軸
16,17 ポート
20 定容積型モータ
21 出力軸
26,27 ポート
30,31 通路
35 チャージポンプ
37 チャージ通路
38,39 チェック弁
40 高圧リリーフ弁
41 低圧リリーフ弁
50,74 中立バルブ
51 中立回路
53,78 オリフィス

Claims (2)

  1. 可変容積型ポンプとモータとのポート同士を互に通路により連通させた閉回路と、この閉回路の各通路にチャージポンプからの流体を所定圧で供給するチャージ通路と、を備えた流体圧伝動装置において、
    前記チャージ通路は、閉回路の夫々の通路にチェック弁を介して連通されており、
    前記いずれか一方のチェック弁は、オリフィスを介して吐出流体を閉回路の通路からチャージ通路へ流出させる中立回路が形成されると共に前記中立回路を開閉する中立バルブを摺動自在に内蔵して備え、
    前記中立バルブは、チャージ通路の圧力により開放位置へ付勢され且つバルブスプリングにより遮断位置へ付勢される切換弁により構成され、
    前記チャージ通路の圧力が所定値を超えているとき開放して、可変容積型ポンプからの吐出量の一部を中立回路を介して閉回路の通路からチャージ通路へ流出させ、前記チャージ通路の圧力が所定値以下に低下したとき前記中立回路を閉じて、前記閉回路をチャージ通路より遮断することを特徴とする流体圧伝動装置。
  2. 前記オリフィスはチェック弁の弁体に配置され、中立バルブはチェック弁体内にあって前記オリフィスを開閉するものであることを特徴とする請求項に記載の流体圧伝動装置。
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