JP4140230B2 - 電子楽器の演奏学習システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯情報端末を用いた電子楽器の演奏学習システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子楽器の演奏学習装置として、電子楽器にフレキシブルディスクドライブを設け、予めフレキシブルディスクに書き込まれた楽曲データおよび操作鍵を指示する鍵指示データを該フレキシブルディスクドライブを介して電子楽器内部に読み込み、読み込んだデータに基づいて伴奏音の発生および鍵毎に設けられた演奏ガイドLED(発光ダイオード)をオン/オフ駆動するものが知られている。また、単体の演奏学習装置と電子楽器をワイヤ接続し、伴奏音のMIDIデータおよびLED駆動データをケーブルを介して電子楽器に伝送するものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の演奏学習装置は、単に、伴奏音を自動発生すると共に操作鍵をLEDによって指示するだけであり、単調で飽き易い欠点があると共に、演奏学習には全く活用されていない問題があった。すなわち、従来の演奏学習装置は、目標に合わせた学習内容の設定や、学習の進歩状況に合わせた演奏ガイドLEDによる演奏指導等が全くできない問題があった。
【0004】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、目標に合わせた学習内容の設定や、学習の進歩状況に合わせた演奏ガイドLEDによる演奏指導を行うことができる電子楽器の演奏学習システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、電子楽器と、前記電子楽器に電気的に接続される携帯情報端末とから構成され、前記携帯情報端末は、電子楽器学習の手順を指示するカリキュラムデータが記憶された記憶手段と、前記記憶手段内のカリキュラムデータを編集する編集手段と、前記記憶手段からカリキュラムデータを読み出して前記電子楽器へ送信し、前記電子楽器から受信した成果データを前記記憶手段に書き込む制御手段とを具備し、前記電子楽器は、鍵盤と、前記携帯情報端末から送信されたカリキュラムデータを記憶する記憶手段と、ユーザによる前記鍵盤の演奏を録音し、演奏が終了した時点で該録音結果と前記記憶手段に記憶されたカリキュラムデータとを比較して演奏の誤りを示す誤り情報を検出し、該検出した誤り情報を前記成果データとして出力する検出手段と、ユーザによる終了の操作を受けて前記成果データを前記携帯情報端末へ送信する送信手段とを具備し、前記カリキュラムデータは目標とする習得期間を示す目標レッスン期間データを含み、前記携帯情報端末は、前記電子楽器から送信された前記成果データと前記目標レッスン期間データとに基づいてユーザが前記目標とする習得期間を過ぎても習得できないレッスン内容を検出し、該検出結果に基づいて前記カリキュラムデータを変更する変更手段を具備することを特徴とする電子楽器の演奏学習システムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子楽器の演奏学習システムにおいて、前記カリキュラムデータはレッスン内容の難易度を示す難易度データを含み、前記変更手段は該難易度データおよび前記成果データに基づいて難易度が低いレッスン内容を検索し、現在のレッスン内容の前に前記検索されたレッスン内容を挿入することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子楽器の演奏学習システムにおいて、前記変更手段は、レッスンの途中で前記電子楽器から前記成果データが送信された場合、前記カリキュラムデータを変更しないことを特徴とする
請求項4に記載の発明は、電子楽器と、前記電子楽器に電気的に接続される携帯情報端末とから構成され、前記携帯情報端末は、電子楽器学習の手順を指示するカリキュラムデータが記憶された第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段内のカリキュラムデータを編集する編集手段と、前記第1の記憶手段からカリキュラムデータを読み出して前記電子楽器へ送信し、前記電子楽器から受信した成果データを前記第1の記憶手段に書き込む制御手段とを具備し、前記電子楽器は、鍵盤と、前記携帯情報端末から送信されたカリキュラムデータを記憶する第2の記憶手段と、前記鍵盤の各鍵の操作を指示する指使い指示手段と、前記第2の記憶手段内のカリキュラムデータに基づいて前記指使い指示手段を駆動する駆動制御手段と、ユーザによる前記鍵盤の演奏を録音し、演奏が終了した時点で該録音結果と前記第2の記憶手段に記憶されたカリキュラムデータとを比較して演奏の誤りを示す誤り情報を検出し、該検出した誤り情報を前記成果データとして出力する検出手段と、ユーザによる終了の操作を受けて前記成果データを前記携帯情報端末へ送信する送信手段とを具備し、前記カリキュラムデータは合否判定の基準となる点数データを含み、前記検出手段は録音結果と楽譜とを比較し、その比較結果から指使いの誤り度合いを示す点数を算出し、その点数と前記基準となる点数データとの比較結果からユーザのレッスンの合否を検出して前記成果データとして出力し、前記電子楽器は、前記成果データとして出力されるユーザのレッスンの合否に基づいて、前記駆動制御手段を動作させるか否かを制御することを特徴とする電子楽器の演奏学習システムである。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の電子楽器の演奏学習システムにおいて、前記電子楽器と前記携帯情報端末との間をドッキング接続またはワイヤ接続としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の一実施の形態について説明する。図1は同実施の形態による電子楽器の演奏学習システムの構成を示す図であり、この図に示すように、この演奏学習システムは、電子楽器1とこの電子楽器1にドッキングされる携帯情報端末(PDA)2とから構成される。
【0010】
電子楽器1において、3,3・・・は鍵盤の各鍵、4,4・・・は鍵3,3・・・にそれぞれ対応して設けられた演奏ガイドLEDである。5はドッキングコネクタであり、携帯情報端末2の拡張スロットが挿入されることにより、携帯情報端末2がドッキングされる。6は液晶パネル、7はフレキシブルディスクドライブ、8はUSBコネクタである。携帯情報端末2は、ドッキングコネクタ5ではなく、このUSBコネクタにUSBケーブルを介して接続される場合もある。
【0011】
図2は電子楽器1内に設けられた演奏学習システムの電気的構成を示すブロック図である。この図において、符号11はCPU(中央処理装置)、12はCPU1のプログラムが記憶されたROM(リードオンリメモリ)、13はデータ一時記憶用のRAM(ランダムアクセスメモリ)である。14はフレキシブルディスクドライブ、15はテンキーおよび複数のファンクションキーからなる操作部、17は液晶パネル6(図1参照)を駆動するパネル駆動回路、18は演奏ガイドLED4、4・・・を駆動するLED駆動回路、また、19は図1に示すドッキングコネクタ5およびUSBコネクタ8をバスラインBに接続するインターフェイスである。
【0012】
図3は携帯情報端末2の構成を示すブロック図である。この図において、符号21はCPU、22はCPU1のプログラムが記憶されたROM、23はデータ一時記憶用のRAM、24はアルファベットキー、テンキーおよび複数のファンクションキーからなる操作部、25は液晶表示部である。26は拡張スロットであり、電子楽器1のドッキングコネクタ5に接続される。27はUSBコネクタであり、USBケーブルを介して電子楽器1のUSBコネクタ8に接続される。28もUSBコネクタであり、外部のフレキシブルディスクドライブ29にUSBケーブルを介して接続される。30は拡張スロット26、USBコネクタ27,28をバスラインB1に接続するインターフェイスである。
【0013】
次に、上述した演奏学習システムの動作を説明する。
(1)学習カリキュラムデータの編集(図4)
携帯情報端末2のRAM23には、予め、学習カリキュラム編集プログラムが記憶されている。なお、このプログラムはユーザがプログラムを記憶したフレキシブルディスクを購入し、フレキシブルディスクドライブ29にそのフレキシブルディスクをセットし、操作部24において所定の操作を行うことによって、USBコネクタ28、インターフェイス30を介してRAM23にロードされる。また、携帯情報端末2をインターネットに接続し、カリキュラムサービス用のサーバからダウンロードしてもよい。
【0014】
図4は上述したプログラムに基づく学習カリキュラムデータ編集の過程を示すフローチャートであり、図5は同過程によって編集されるカリキュラムデータKDの構成を示す図である。図5に示すように、カリキュラムデータKDはカリキュラムヘッダKHと、レッスンチャプターデータKC1〜KCNから構成されている。カリキュラムヘッダKHは、同図に示すように、レッスンID、前レッスンID、次レッスンID、データ長、対応成果ID(図7参照)、レッスンタイトル、レッスン難易度、レッスン期間、チャプター数、レッスンチャプターデータKC1〜KCNの各先頭アドレスを示すチャプターデータ1オフセット〜チャプターデータNオフセットから構成されている。また、レッスンチャプターデータKCM(M=1〜N)は同図に示すように、チャプターID、チャプタータイトル、チャプター難易度、チャプターレッスン期間、通過点数、レッスン内容データ長、レッスン内容データ、楽曲データ長、楽曲MIDIデータ、指使いデータ長、指使いデータから構成されている。
【0015】
ユーザが図4に示す学習カリキュラムデータ編集プログラムを起動すると、まず、レッスンタイトルを入力する画面が液晶表示部25に表示される。ユーザは操作部24によってレッスンタイトルを入力する(ステップSa1)。次に、ユーザは、曲の譜面が記憶されたフレキシブルディスクをフレキシブルディスクドライブ29にセットし、その譜面をRAM23に読み込ませる(ステップSa2)。なお、譜面の入力をユーザが手入力によって行ってもよい。
【0016】
次に、ユーザは譜面にチャプター分割マークを入力して譜面の曲を数小節毎のチャプターに分割する(ステップSa3)。分割された各チャプターに属する楽曲データは各々レッスンチャプターデータKC1〜KCNに楽曲MIDIデータとして、楽曲データ長と共に書き込まれる。
次にユーザは、各チャプターのタイトルを入力する(ステップSa4)。次に、ユーザは各チャプターの目標習得期間(チャプターレッスン期間)を指定し(ステップSa5)、次いで、各チャプターの合格の基準となる通過点数を指定する(ステップSa6)。
【0017】
ユーザによる通過点数指定が終了すると、次に、プログラムは各チャプターの譜面データに基づいて各チャプターの演奏の難易度を自動計算し、レッスンチャプターデータKCMに書き込む(ステップSa7)。次に、プログラムは、譜面データに基づいてチャプターの特徴を自動的に抽出し、そのチャプターによって習得できるレッスン内容を、データ長と共にレッスンチャプターデータKCMに書き込む(ステップSa8)。次にプログラムは、譜面データに基づいて指使いデータを自動計算し、データ長と共にレッスンチャプターデータKCMに書き込む(ステップSa9)。
【0018】
次に、プログラムは、各チャプターの目標習得期間(チャプターレッスン期間)を合計してレッスンの目標習得期間を計算し、カリキュラムヘッダKHの「レッスン期間」に書き込む(ステップSa10)。次にプログラムは、各チャプターの難易度からレッスンの難易度を計算し、カリキュラムヘッダKHに書き込む(ステップSa11)。次にプログラムは、レッスンIDを自動生成し、カリキュラムヘッダKHに書き込む(ステップSa12)。
以上の手順によって学習カリキュラムデータKDがRAM23内に生成される。
【0019】
(2)演奏の学習(図6)
図6はユーザがこの演奏学習システムによって学習する場合のシステムの動作を示すフローチャートであり、また、図7は学習の過程で電子楽器1のRAM13内に作成される学習成果データSDの構成を示す図である。
【0020】
図7に示す学習成果データSDは、学習の成果を示すデータであり、CPU11によって書き込まれる。この学習成果データSDは、成果データヘッダSHと、レッスン全体の成果を示すレッスン総合成果データSLと、チャプター毎の成果を示す成果データSC1〜SCNとから構成される。成果データヘッダSHは同図に示すように、成果IDと、その成果データがどのレッスンの成果であるかを示す対応レッスンIDと、成果データSDの長さ(データ量)を示す成果データ長と、そのレッスンのチャプター数と、レッスン総合成果データSLの先頭アドレスを示すレッスン成果オフセットと、成果データSC1〜SCNの各先頭アドレスを示すチャプター1成果オフセット〜チャプターN成果オフセットとから構成されている。
【0021】
また、レッスン総合成果データSLまたは成果データSCM(M=1〜N)は、同図に示すように、学習を行った回数を示すレッスン回数と、学習を行った時間を示すレッスン期間(時間)と、現在ユーザが行っているレッスンの段階を示すレッスンランクと、学習状態をCPU11が判定した判定結果を示す合否判定と、テスト誤り情報のデータ長と、ユーザの学習における誤操作の情報であるテスト誤り情報とから構成されている。ここで、「レッスンランク」はそのチャプターの習熟度を示すデータであり、学習開始時点では「1」に設定され、所定の条件を満たした時アップされる。
【0022】
次に、図6を参照しユーザの学習時のシステム動作を説明する。電子楽器1の学習を行おうとするユーザは、まず、携帯情報端末2を電子楽器1のドッキングコネクタ5にドッキングし、そして、電子楽器1の操作部15に設けられたスタートボタンを押す。スタートボタンが押されると、CPU11がそれを検知し、レッスンID入力用の画面を液晶パネル6に表示する。ユーザがその画面において、これから行うレッスンのIDを入力すると、CPU11が入力されたレッスンIDをインターフェイス19、ドッキングコネクタ5を介して携帯情報端末2へ送信する。
【0023】
送信されたレッスンIDは携帯情報端末2の拡張スロット26およびインターフェイス30を介してCPU21へ供給される。CPU21はこのレッスンIDを受け、RAM23からそのレッスンIDに対応する学習カリキュラムデータ(図5)を読み出し、電子楽器1へ送信する。電子楽器1のCPU11は、その学習カリキュラムデータをRAM13に書き込む(図6のステップSb1)。
【0024】
次に、CPU11は、同レッスンIDに対応する学習成果データSDを携帯情報端末2へ要求する(ステップSb2)。携帯情報端末2のCPU21はこの要求を受け、RAM23内をチェックする。そして、RAM23内に該当する学習成果データSDがあった場合はその成果データを電子楽器1へ送信する。電子楽器1のCPU11はその成果データを受け、RAM13に記憶させる(ステップSb3)。また、携帯情報端末2のRAM23内に学習成果データSDがなかった場合は、CPU21がその旨を電子楽器1へ通知する。電子楽器1はその通知を受け、RAM13内に、新たに学習成果データSDを作成する(ステップSb4)。
【0025】
次に、CPU11は、RAM13からカリキュラムヘッダKHのレッスンタイトルを読み出し、表示パネル6に表示する(ステップSb5)。ユーザはこの表示を見て、これから行うレッスンの内容を確認する。次に、CPU11は、RAM13から、学習成果データSDの成果データSC1をロードし、その「合否判定」(図7)をチェックする(ステップSb6)。そして、その「合否判定」が”否”であった場合は(ステップSb7の判断が「NO」)、成果データSC1の「レッスンランク」を読み出す(ステップSb8)。そして、読み出した「レッスンランク」に対応して自動演奏のスピード設定を行う(ステップSb9)。この自動演奏スピードに基づいて演奏ガイドLED4,4・・・による運指ガイドのスピードが決まる。
【0026】
次に、CPU11は指使い表示を行うか否かを「レッスンランク」に基づいて判断する(ステップSb10)。そして、「レッスンランク」が低く、指使い表示を行う場合は、液晶パネル6に指使い表示をして自動演奏を行う旨の表示を行う(ステップSb11)。一方、「レッスンランク」が最高で、指使い表示を行わない場合はステップSb11をスキップする。そして、演奏スタートボタンが押されるのを待つ(ステップSb12)。
【0027】
ユーザによって演奏スタートボタンが押されると(ステップSb12)、CPU11は「レッスンランク」が最高ランクか否かを判断する(ステップSb13)。そして、最高でない場合は、レッスンチャプターデータKC1の指使いデータを読み出して演奏ガイドLED4,4・・・によるガイド表示を行い、また、ユーザによる鍵盤の鍵3,3・・・の操作に基づく演奏をMIDIデータに変換して録音する(ステップSb14)。また、「レッスンランク」が最高であった場合は、伴奏音の自動演奏や演奏ガイドLED4,4・・・によるガイド表示を行わず、ユーザによる鍵盤演奏の録音のみを行う(ステップSb15)。
【0028】
次に、ユーザによるチャプター1の演奏が終了した時点で、CPU11は、録音したユーザの鍵操作による楽音とレッスンチャプターデータKC1の楽曲MIDIデータとを比較して誤操作を示す誤り情報を検出し、該誤り情報をRAM13内の成果データSC1(図7)にテスト誤り情報として書き込む。また、該誤り情報に基づいてユーザの演奏の点数を計算する(ステップSb16)。次に、CPU11は、計算した点数とレッスンチャプターデータKC1の「通過点数」とを比較してユーザの演奏の合否判断を行う(ステップSb17)。そして、判断結果が”合格”である場合は、成果データSC1の「合否判定」に合格フラグを立てる(ステップSb18)。一方、判断結果が”合格”でなかった場合は、ステップSb18をスキップする。
【0029】
次に、CPU11は、ユーザによってレッスン終了ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップSb19)。そして、押されていない場合は、現在学習中のチャプター1について最高ランクの合格が達成できているか否かを、成果データSC1の「レッスンランク」および「合否判定」によって判断する(ステップSb20)。そして、その判断結果が「NO」であった場合は、「レッスンランク」を1段階上げ(ステップSb21)、次いで、その「レッスンランク」に応じてスピード設定(ステップSb9)を行う。以後、上述した場合と同様に、ユーザの学習および学習結果の採点が行われる。
【0030】
そして、ユーザがチャプター1の最高ランクにおいて合格すると、ステップSb20の判断結果が「YES」となり、ステップSb22へ進む。ステップSb22では、次のチャプター2の成果データSC2がロードされ、「合否判定」がチェックされる。そして、その「合否判定」が”否”であった場合は(ステップSb7の判断が「NO」)、ステップSb8へ進み、以後、上述したチャプター1の学習と同様にしてチャプター2の学習がユーザによって行われる。
【0031】
一方、チャプター2が既に最高ランクで合格していた場合は、ステップSb7の判断が「YES」となりステップSb23へ進む。ステップSb23では、現在学習中のカリキュラムデータKDの全てのチャプター1〜Nが最高ランクで合格しているか否かが判断される。そして、その判断結果が「NO」の場合は、ステップSb22へ進み、次のチャプター3の成果データSC3がロードされ、「合否判定」がチェックされる。
【0032】
また、ステップSb23の判断結果が「YES」の場合は、ステップSb24へ進み、レッスン総合テストに合格しているか否かが判断される。ここで、レッスン総合テストとは、ユーザが全チャプター1〜Nを最高ランクのスピード設定において演奏し、CPU11がその結果を判定するテストであり、その結果はレッスン総合成果データSLの「合否判定」(図7)に書き込まれる。ステップSb24では、CPU11が、この「合否判定」が”合格”であるか”否”かを判断する。そして、”合格”でなかった場合は、ステップSb12へ進み、ユーザによって演奏スタートボタン押されるのを待つ。
【0033】
また、”合格”であった場合は、CPU11が液晶パネル6に「再挑戦しますか・・・Y/N」という表示を行う。そして、ユーザが「Y」を選択した場合は、現在学習中のレッスンの成果データSC1〜SCNおよび成果データSLを全てクリアする(ステップSb26)。そして、ステップSb6へ戻る。一方、ステップSb25において、ユーザが「N」を選択した場合は、そのレッスンを終了する。
【0034】
(3)学習終了後の処理
ユーザによってレッスン終了ボタンが押され、あるいは、上述したステップSb25において「N」が選択された場合、CPU11はRAM13内のカリキュラムデータKDおよび学習成果データSDを携帯情報端末2へ送信する。携帯情報端末2のCPU21は、それらのデータKDおよびSDをRAM23内に書き込み、次いで、次のデータ集計を行う。
【0035】
▲1▼レッスン開始から各チャプターを習得し、レッスンを完了するまでに要した回数および時間を成果データSC1〜SCNおよび成果データSLの「レッスン回数」および「レッスン期間」をそれぞれ合計することによって求める。
▲2▼上記▲1▼によって算出したレッスンを完了するまでに要した時間と、カリキュラムヘッダKHのレッスン期間(すなわち、レッスン達成目標時間)との差を算出する。
【0036】
▲3▼各チャプター練習における間違いの内容毎の間違い回数を成果データSC1〜Nおよび成果データSLの各テスト誤り情報を分析して求める。
▲4▼どの難易度のレッスンを何回で合格しているか、および、難易度毎のレッスン完了までに要した時間等の統計を、レッスンチャプターデータKC1〜KCNの「チャプター難易度」および成果データSC1〜SCNの「合否判定」、「レッスン回数」、「レッスン期間」に基づいて算出する。
【0037】
次に、CPU21は、上述した過程によって算出した各データに基づいて、以下の過程によって学習カリキュラムを更新する(図8参照)。
まず、成果データの「レッスン回数」、「レッスン期間」、「合否判定」をもとに目標レッスン期間を過ぎ、レッスン回数を重ねても合格できないものを検出する(ステップSc1)。次に、検出したレッスンのテスト誤り情報をもとに苦手とする内容を抽出する(ステップSc2)。次に、RAM23に記憶されている他のカリキュラムデータの中から、苦手とするレッスン内容を含み、かつ、難易度が低いものを検索する(ステップSc3)。次に、現在のレッスンの前に検索されたレッスンを挿入する(ステップSc4)。
【0038】
なお、レッスン途中においてユーザがレッスン終了ボタンを押した場合も、カリキュラムデータKDおよび学習成果データSDが携帯情報端末2へ転送される。しかし、この場合、上述したデータ集計等は行われない。そして、次にユーザが学習する時、携帯情報端末2内のカリキュラムデータKDおよび学習成果データSDがそのまま電子楽器へ送信され、学習の続きが行われる。
【0039】
なお、上述した実施形態においては、電子楽器1と携帯情報端末2との間のデータ転送をドッキングまたはUSBケーブルによって行うようになっているが、これに代えて、フレキシブルディスク、MO、ZIP等のメディアを介してデータ転送を行ってもよく、また、赤外線、高周波電波(Bluetooth)等の無線通信を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、請求項1に記載の発明は、携帯情報端末に、電子楽器学習の手順を指示するカリキュラムデータおよびユーザの学習成果データを記憶させると共に、カリキュラムデータを編集する編集手段を設け、電子楽器に、携帯情報端末から送信されたカリキュラムデータを記憶する記憶手段と、記憶手段内のカリキュラムデータに基づいて指使い指示手段を駆動する制御手段と、ユーザによる鍵盤の各鍵の練習状態を検出し、検出結果を成果データとして出力する検出手段と、成果データを携帯情報端末へ送信する送信手段とを設けたので、携帯情報端末だけでカリキュラムデータの編集や学習成果の管理を行うことができ、これにより、目標に合わせたカリキュラムデータの編集ができると共に、カリキュラムデータの編集や学習成果の管理をどこでも容易に行うことができる。また、携帯情報端末を持ち歩くだけで、場所を変えてレッスンを継続することができ、音楽教室と自宅においてレッスンを行う場合等において好適である。
【0041】
また、本発明によれば、携帯情報端末が、電子楽器から送信された成果データに基づいてユーザの演奏の弱点を検出し、検出結果に基づいてカリキュラムデータを変更する変更手段を具備するので、演奏学習の進行状況および成果をその後の学習内容に反映させることができる。
【0042】
また、請求項4に記載の発明によれば、電子楽器が、成果データに基づいて指使い指示手段の駆動/非駆動を制御するので、ユーザの習熟度が上がった場合に、指使い指示を止めて学習させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、電子楽器と携帯情報端末との間をドッキング接続またはワイヤ接続としたので、フレキシブルディスク等を用いてデータ転送を行う場合に比較しデータ転送を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による電子楽器の演奏学習システムの構成を示す説明図である。
【図2】 同実施形態における電子楽器1の構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施形態における携帯情報端末2の構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態における学習カリキュラムデータ編集の過程を示すフローチャートである。
【図5】 同実施形態における学習カリキュラムデータの構成を示す図である。
【図6】 同実施形態における演奏学習時のシステム動作を示すフローチャートである。
【図7】 同実施形態における成果データの構成を示す図である。
【図8】 同実施形態における学習終了後の処理過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…電子楽器、2…携帯情報端末、3…鍵、4…演奏ガイドLED、5…ドッキングコネクタ、6…液晶パネル、7…フレキシブルディスクドライブ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、15…操作部、17…パネル駆動回路、18…LED駆動回路、19…インターフェイス、21…CPU、22…ROM、23…RAM、26…拡張スロット、30…インターフェイス。
Claims (5)
- 電子楽器と、前記電子楽器に電気的に接続される携帯情報端末とから構成され、
前記携帯情報端末は、
電子楽器学習の手順を指示するカリキュラムデータが記憶された記憶手段と、
前記記憶手段内のカリキュラムデータを編集する編集手段と、
前記記憶手段からカリキュラムデータを読み出して前記電子楽器へ送信し、前記電子楽器から受信した成果データを前記記憶手段に書き込む制御手段とを具備し、
前記電子楽器は、
鍵盤と、
前記携帯情報端末から送信されたカリキュラムデータを記憶する記憶手段と、
ユーザによる前記鍵盤の演奏を録音し、演奏が終了した時点で該録音結果と前記記憶手段に記憶されたカリキュラムデータとを比較して演奏の誤りを示す誤り情報を検出し、該検出した誤り情報を前記成果データとして出力する検出手段と、
ユーザによる終了の操作を受けて前記成果データを前記携帯情報端末へ送信する送信手段とを具備し、
前記カリキュラムデータは目標とする習得期間を示す目標レッスン期間データを含み、
前記携帯情報端末は、前記電子楽器から送信された前記成果データと前記目標レッスン期間データとに基づいてユーザが前記目標とする習得期間を過ぎても習得できないレッスン内容を検出し、該検出結果に基づいて前記カリキュラムデータを変更する変更手段を具備する
ことを特徴とする電子楽器の演奏学習システム。 - 前記カリキュラムデータはレッスン内容の難易度を示す難易度データを含み、前記変更手段は該難易度データおよび前記成果データに基づいて難易度が低いレッスン内容を検索し、現在のレッスン内容の前に前記検索されたレッスン内容を挿入することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器の演奏学習システム。
- 前記変更手段は、レッスンの途中で前記電子楽器から前記成果データが送信された場合、前記カリキュラムデータを変更しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子楽器の演奏学習システム。
- 電子楽器と、前記電子楽器に電気的に接続される携帯情報端末とから構成され、
前記携帯情報端末は、
電子楽器学習の手順を指示するカリキュラムデータが記憶された第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段内のカリキュラムデータを編集する編集手段と、
前記第1の記憶手段からカリキュラムデータを読み出して前記電子楽器へ送信し、前記電子楽器から受信した成果データを前記第1の記憶手段に書き込む制御手段とを具備し、
前記電子楽器は、
鍵盤と、
前記携帯情報端末から送信されたカリキュラムデータを記憶する第2の記憶手段と、
前記鍵盤の各鍵の操作を指示する指使い指示手段と、
前記第2の記憶手段内のカリキュラムデータに基づいて前記指使い指示手段を駆動する駆動制御手段と、
ユーザによる前記鍵盤の演奏を録音し、演奏が終了した時点で該録音結果と前記第2の記憶手段に記憶されたカリキュラムデータとを比較して演奏の誤りを示す誤り情報を検出し、該検出した誤り情報を前記成果データとして出力する検出手段と、
ユーザによる終了の操作を受けて前記成果データを前記携帯情報端末へ送信する送信手段とを具備し、
前記カリキュラムデータは合否判定の基準となる点数データを含み、
前記検出手段は録音結果と楽譜とを比較し、その比較結果から指使いの誤り度合いを示す点数を算出し、その点数と前記基準となる点数データとの比較結果からユーザのレッスンの合否を検出して前記成果データとして出力し、
前記電子楽器は、前記成果データとして出力されるユーザのレッスンの合否に基づいて、前記駆動制御手段を動作させるか否かを制御する
ことを特徴とする電子楽器の演奏学習システム。 - 前記電子楽器と前記携帯情報端末との間をドッキング接続またはワイヤ接続としたことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の電子楽器の演奏学習システム。
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