JP4138916B2 - トライアック制御・電源回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、トライアック制御・電源回路、特に、2線式配線器具の電子化に伴う制御素子としてのトライアックをドライブするトライアック制御・電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線器具の電子化に伴い、無接点のスイッチング素子として双方向サイリスタのトライアックが広く使われる。
しかし、配線の省力化のために、2線式結線が一般化している配線器具にあっては、タイマ・スイッチなどのように、タイマ回路の回路電源が必要な場合、個別に制御回路用に電源線を引くことができないので、どのようにして回路電源を確保するかが問題となる。
従来、これらを解決する方法としては、トライアックと直列に接続された電流トランスCTで発生する電圧を利用する電源回路(図3参照)が知られている。
しかしながら、電流トランスを用いる方式は、取り出せる電流容量が負荷の消費電流、つまり、1次側に流れる電流に左右されることと、大きさの制約がある配線器具では、小さな電流トランスしか使用できず、それによって、小規模回路しかドライブできないなどの欠点があった。
また、別の方式として、トライアックのゲート回路に接続したツェナ・ダイオードZD2のツェナ電圧の選択によって、点弧タイミングを強制的にコントロールして、サイリスタのT2−T1間に発生した電圧を整流して得る方法が知られている(図4参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ツェナ・ダイオードを使用した図4の回路では、比較的簡単にトライアックQ1のT2−T1間に電源電圧が得られる利点はあるが、開閉する負荷の大小によってT2−T1間の実効値電圧が変動するので、制御回路部の電源電圧が変動し、それによってフォトトライアック・カプラQ2のドライブ電流が変化して、低温時にトライアックQ1のトリガがかけられないなどの欠点があった。
また、ツェナ・ダイオードは、端子間容量が大きいため、トライアックのゲートに対する高周波ノイズの流入経路となってノイズで誤トリガされてしまい、負荷を動作させてしまうばかりか、誤トリガによる点弧タイミングでT2−T1間の電圧がゼロとなり、制御回路が停止してしまうなどの問題があった。
さらに、ノイズ耐量も、ゲート回路で使用しているツェナ電圧に依存して、ツェナ電圧以上のノイズで誤トリガしてしまうという欠点を合わせ持っていた。
【0004】
本発明は、上記従来の問題及び欠点を解消するためになされたものであって、電流トランスやゲート回路に接続するツェナ・ダイオードを用いずに、安定して制御回路電源を供給し、ノイズに強いトライアック制御・電源回路の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、交流電源に接続される負荷と、この負荷に直列接続される電子式スイッチにおいて、無接点制御素子として使われるトライアックのトライアック制御・電源回路を、フォトトライアック・カプラと、ツェナ・ダイオードと、ブリッジ整流ダイオードで構成するトライアック制御・電源回路であって、前記フォトトライアック・カプラの二次側端子が一端を前記トライアックのゲートに、他端が抵抗を介して前記トライアックのT2端子にそれぞれ接続されており、前記トライアックの点弧タイミングを調整する前記ツェナ・ダイオードがブリッジ整流ダイオードの二次側(直流側)に配設されて、前記ツェナ・ダイオードがフォトトライアック・カプラを介して前記トライアックのゲート回路を間接的に位相制御駆動することを特徴とする。この構成によれば、トライアックのゲート回路にあったツェナ・ダイオードをトライアック制御回路側に移動したことにより、ゲート回路からノイズを拾いやすい端子間容量の大きなツェナ・ダイオードが省け、ノイズで誤トリガすることもなくなる。併せて、ブリッジ整流ダイオードの両波整流の出力が、ツェナ・ダイオードのツェナ電圧に達する毎にトライアックは、導通するので、開閉する負荷の電力に関係なく、電源回路の電源電圧は、フォトトライアック・カプラのダイオード部の順方向電圧+ツェナ・ダイオードのツェナ電圧に保持される。そのために、トライアックを制御するトライアック制御回路電圧は、安定され、安定したゲート電流を流すことができるために、低温時でも、トライアックをドライブできるようになる。また、電源電圧にシビアなロジック回路からなるタイマ制御回路も、この安定化電源により、安定した動作ができるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
交流電源に接続される負荷と、この負荷に直列接続される電子式スイッチにおいてトライアック制御・電源回路を、トライアックと、フォトトライアック・カプラと、ツェナ・ダイオードと、ブリッジ整流ダイオードで構成したことを特徴とするトライアック制御・電源回路。
【0007】
【実施例】
図1は、本発明に係るトライアック制御・電源回路を備えたタイマ回路の一実施例のブロック図、図2は、図1の具体例の回路図である。
【0008】
本発明のトライアック駆動・電源回路を備えた一例のタイマ回路は、交流電源AC(100V)に接続された負荷L(蛍光灯照明器具)と、これに接続されるタイマ・スイッチTSとを具備している。
タイマ・スイッチTSは、交流電源ACに直列に接続されたスイッチ素子S1と、スイッチ素子S1に並列に接続された電源回路DCと、スイッチ素子S2と、スイッチ素子S1と電源回路DCとの間に接続されたトライアック制御回路TCと、電源回路DCとスイッチ素子S2との間に接続された制御回路IC1と、ON,OFFを操作するスイッチSW1で構成されている。
スイッチ素子S1は、トライアックQ1からなり、電源回路DCは、ブリッジ整流ダイオードD1と平滑コンデンサC3からなる。
トライアック制御回路TCは、抵抗R2,R3とフォトトライアック・カプラQ2とツェナ・ダイオードZD2とからなる。スイッチ素子S2は、フォトトライアック・カプラQ3からなり、制御回路IC1は、IC回路から構成される。
なお、IC2は、制御回路IC1に接続するバッファ・ゲートのIC、C1〜C4はコンデンサ、R1〜R14は抵抗、L1はコイルである。
【0009】
前記タイマ回路に負荷として換気扇を接続し、タイマ制御する場合の例を、以下に説明する。
スイッチSW1をオンさせると、電流は、負荷Lからブリッジ整流ダイオードD1、平滑コンデンサC3、スイッチSW1と流れ、電源回路DCに直流電圧が発生する。そして、電源電圧が電源回路DCから抵抗R3を通してツェナ・ダイオードZD2のツェナ電圧に達すると、フォトトライアック・カプラQ2に電流が流れ、スイッチ素子のトライアックQ1のゲートをオンさせる。
同様に、逆の半波でも、ツェナ・ダイオードZD2に電流が流れ、トライアックQ1がオンすると、負荷Lの換気扇に電流が流れて動作し始める。
したがって、この時の電源回路DCの電圧は、フォトトライアック・カプラQ2のダイオード部の順方向電圧+ツェナ・ダイオードZD2の順方向電圧に安定化されることになる。
【0010】
次に、スイッチSW1をオフすると、電源のグランドに接続されているスイッチSW1は、タイマ制御回路IC1のタイマ動作を開始させるリセット端子に接続される。すると、タイマ制御回路IC1の出力端子は、ローレベルになり、ここに接続されているフォトトライアック・カプラQ3のダイオード部に抵抗R4を通して電流が流れ、トライアック部をオンさせる。したがって、スイッチSW1が回路電流をオフしたにもかかわらず、今度は、ブリッジ整流ダイオードD1、平滑コンデンサC3、フォトトライアック・カプラQ3と電流が流れ、タイマ制御回路IC1に今まで通りに電源が供給される。
タイマ時間の設定は、タイマ制御回路IC1のコンデンサC1と抵抗R6との時定数で定まる周波数でパルスを発生させ、A,B,C,D端子に接続されたディジタル・ロータリー・スイッチSW2で選択された10進数の設定カウント数に達すると、タイマ制御回路IC1の出力端子は、ハイレベルになる。
すると、フォトトライアック・カプラQ3のダイオード部には、電流が流れなくなり、トライアック部もオフして電源回路DCの電流は、絶たれる。同様に、電源の供給が絶たれたフォトトライアック・カプラQ2もオフするので、ゲート電流のなくなったトライアックQ1がオフして、負荷Lの換気扇にも電流が流れなくなってタイマ・スイッチ動作は完了する。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トライアックのゲート回路にあったツェナ・ダイオードをトライアック制御回路側に移動したことにより、端子間容量が大きくノイズを拾いやすい性質を持つツェナ・ダイオードがノイズに敏感なトライアックのゲート回路から省け、ノイズで誤トリガすることもなくなる。併せて、ブリッジ整流ダイオードの両波整流出力がツェナ・ダイオードのツェナ電圧に達する毎にトライアックが導通するので、開閉する負荷の電力に関係なく、電源回路の電源電圧は、フォトトライアック・カプラのダイオード部の順方向電圧+ツェナ・ダイオードのツェナ電圧に保たれる。そのために、トライアックを制御するトライアック制御回路電圧は安定化され、安定したゲート電流を流すことができるために、トライアックのゲート感度が極端に鈍くなる低温時でもトライアックをドライブできるようになる。また、電源電圧にシビアなロジック回路からなるタイマ制御回路も、この安定化電源により、安定した動作ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトライアック制御・電源回路を備えたタイマ回路の一実施例のブロック図。
【図2】図1の具体例の回路図。
【図3】従来の電流トランスを使用した回路図。
【図4】従来のゲート回路にツェナ・ダイオードを接続した回路図。
【符号の説明】
AC:交流電源
D1:ブリッジ整流ダイオード
L:負荷
TS:タイマ・スイッチ
Q1:トライアック
Q2,Q3:フォトトライアック・カプラ
ZD2:ツェナ・ダイオード
Claims (1)
- 交流電源に接続される負荷と、この負荷に直列接続される電子式スイッチにおいて、無接点制御素子として使われるトライアックのトライアック制御・電源回路を、フォトトライアック・カプラと、ツェナ・ダイオードと、ブリッジ整流ダイオードで構成するトライアック制御・電源回路であって、前記フォトトライアック・カプラの二次側端子が一端を前記トライアックのゲートに、他端が抵抗を介して前記トライアックのT2端子にそれぞれ接続されており、前記トライアックの点弧タイミングを調整する前記ツェナ・ダイオードがブリッジ整流ダイオードの二次側(直流側)に配設されて、前記ツェナ・ダイオードがフォトトライアック・カプラを介して前記トライアックのゲート回路を間接的に位相制御駆動することを特徴とするトライアック制御・電源回路。
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JP26783197A JP4138916B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | トライアック制御・電源回路 |
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JPH1186706A JPH1186706A (ja) | 1999-03-30 |
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1997
- 1997-09-12 JP JP26783197A patent/JP4138916B2/ja not_active Expired - Fee Related
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