JP4138577B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷装置などに用いられる大量給紙ができる給紙装置に関する。特に、給紙トレイが上昇下降自在で、用紙を整合するサイドプレートを有している給紙トレイ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17、18は印刷装置における問題点を説明するための図である。
両図において符号1は版胴、2はインキローラ、3はドクタローラ、4はインキ溜まり、5はインキパイプ、6はステージ、7はクランパ、8はマスタ、9はプラテンローラ、10はサーマルヘッド、11はカッタ、12は搬送ローラ対、13はガイド板、15はステー、17はプレスローラ、18はプレスローラアーム対、19は剥離爪、20はレジストローラ、21は分離ローラ、22は分離コロ、23は給紙ローラ、24は給紙トレイ、25はサイドプレート、26は用紙、27は製版部ユニットをそれぞれ示す。
【0003】
装置の構成を説明する。
マスタ8はロール8aに巻成されて、図示しない製版部側板に設けられたホルダ手段によりロール芯8bを回転可能に支持されている。マスタ8は、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ9に、ライン状に並んだ発熱素子を有するサーマルヘッド10により押圧される。図示しないステッピングモータにより、プラテンローラ9が時計回りに回転駆動されることにより、マスタ8がマスタロール8aより繰り出されて供給されるようになっている。
【0004】
サーマルヘッド10は、図示しないバネ部材によりプラテンローラ9に向けて付勢されている。プラテンローラ9のマスタ搬送下流側には、図示しない製版部側板に、互いに押圧した状態で回転自在に支持された搬送ローラ対12が設けられる。搬送ローラ対12は、プラテンローラ9の周速より僅かに早い速度に設定されて、マスタ8との間で滑りながら適度な張力を付加するようになっている。プラテンローラ9は、図示しないステッピングモーターにより回転力を伝達されて、時計回りに回転駆動される。
【0005】
プラテンローラ9のマスタ搬送下流側には、製版されたマスタ8を適当な長さに切断する上下刃(ギロチンタイプ)、または回転刃移動タイプ等のカッタ11が設けられている。搬送ローラ対12のマスタ搬送下流側には、図示しない製版側板間に固設されて、マスタ8の先端を案内する湾曲したガイド板13が設けられている。これらが製版部ユニット27を構成している。
製版部ユニット27下部には筐体側板間にステー15が固定されている。
【0006】
製版部の左下側には、版胴1を中心とする印刷装置が配置されている。
版胴1は、多孔性支持円筒体と、その外周を覆う図示しない樹脂、あるいは金属網体の、メッシュスクリーンとが、複数層巻装されて構成される。版胴1に固着された図示しないフランジは、インキパイプ5を支軸に、回転自在に支持され、図示しない駆動伝達手段(ギヤ等)により駆動力を伝達されて時計回りに回転駆動される。
版胴1の内部には、インキパイプ5に固設された図示しない側板により、インキローラ軸部を回転自在に支持されたインキローラ2が、図示しない駆動伝達手段(ギヤ、ベルト等)により版胴1と同期して同方向に回転駆動される。
【0007】
インキローラ2の外周面と僅かに隙間を設けてドクタローラ3が設けられ、インキローラ2とドクタローラ3との楔状空間に形成されるインキ溜まり4のインキを、インキローラ2の外表面に薄膜状に供給する。インキ溜まり4のインキは、図示しないインキ供給装置により、版胴外部に設けられたインキパック等より吸引され、インキパイプ5の供給穴からインキ溜まり4に供給されて混練される。
【0008】
版胴1の非開孔部表面には、版胴1の一つの母線に沿って磁性体で形成されたステージ6が設けられている。ステージ6と平行にクランパ7が回動可能に支持されて、図示しない開閉装置によりクランパ7が所定位置で開閉される。版胴1は自身の軸線方向にインキパック等とユニットで係脱可能になっている。
【0009】
版胴1下側には、図示しない筺体側板に回転自在に支持されたアーム軸18aと、アーム軸18aに固定されたプレスローラアーム対18に軸部を回転自在に支持された、押圧手段としてのプレスローラ17が設けられている。アーム軸18aの一端には、図示しないカムフォロアが設けられており、図示しない筺体側板に回転自在に支持されて、版胴1と同期して回転するカムと、付勢手段としてのスプリング等により、版胴1に当接したり、離間したりするようになっており、用紙通紙時以外は版胴1より離間した位置で保持されている。
【0010】
プレスローラ17の右側には、図示しない給紙台モータにより上昇下降自在な給紙トレイ24の上面に、用紙26の側縁部の移動を規制する一対のサイドプレート25が移動可能に設けられている。
サイドプレート25は、給紙トレイ24の溝部24aを給紙方向と直交する方向に移動可能になっていて、使用する用紙の幅に合わせて任意の位置で固定できるように構成されている。給紙トレイ24の給紙方向前方には、積載された用紙26を分離給送する分離ローラ21、分離コロ22、給紙ローラ23からなる分離給紙装置と、給紙された用紙26をタイミングを取って版胴1とプレスローラ17との間に搬送するレジストローラ20が設けられている。
版胴1の左側には、版胴1に近接して用紙を版胴1表面より剥離するための、回動自在に支持された剥離爪19と、下側には排紙された用紙26を積載する図示しない排紙トレイが設けられている。
【0011】
次に動作を説明する。
図示しない原稿読み取り装置に原稿がセットされ、図示しない操作パネル等のスタートボタンが押されることにより動作が開始する。図示しない駆動モータにより版胴1が回転して、図示しない排版装置により版胴1上に巻着されている使用済みマスタが剥離されて廃棄される。版胴1はクランパ7が略真横位置になる位置まで回転して停止し、クランパ7が解放されて製版待機状態となる。
【0012】
クランパ7解放後、図示しない原稿が送出されて、原稿上の画像情報がCCD等で電気信号に変換される。信号はA/D変換器、製版制御装置等を経由して画像情報に応じて、マスタ8上のサーマルヘッド10の発熱素子にパルス状に通電される。主走査方向に信号印加されると共に、図示しないステッピングモータが回転して、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12により、マスタ8を副走査方向に搬送して、マスタ8の感熱フィルムが加熱穿孔されて製版が行われる。マスタガイド板13により、マスタ8の先端がステージ6とクランパ7との間に案内されて、図示しないステッピングモータのステップ数から、マスタ8の先端がクランパ7に届いたと判断されると、図示しない開閉装置によりクランパ7が閉じられて、マスタ8の先端を吸着挟持すると共に、版胴1がマスタ搬送速度とほぼ同じ速度で回転を再開して、製版されたマスタ8の巻着が行われる。図示しないステッピングモータのステップ数から製版が完了したと判断されると、カッタ11が作動しマスタ8が切断されると共に、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12が停止し、切断されたマスタ8の後端が版胴1の回転により引き出されて版胴1への巻着が完了する。
【0013】
版胴1へのマスタ8の巻着動作と平行して、給紙トレイ24が上昇して積載されている用紙26が、給紙ローラ23、分離ローラ21により搬送され、分離コロ22により一枚に分離されて送り出される。用紙26はレジストローラ20でタイミングを取られて、版胴1とプレスローラ15の間に向けて搬送される。図示しないセンサにより用紙26の挿入が検知されることにより、図示しない係止手段が解除されてプレスローラ17が版胴1に用紙26を連続的に押圧して印刷が行われる。
【0014】
印刷された用紙26は、版胴1に接近離間する剥離爪19により版胴1から剥離され、図示しない排紙トレイに排出積載されて、マスタ8にインキが充填される版付けが行われる。この後に設定された枚数の印刷が同じ動作で行われる。
給紙トレイ24は、用紙26の上面がほぼ一定位置になるように、連続的、もしくは間欠的に上昇する。
給紙トレイ24は、最後の用紙26が無くなるまで上昇を繰り返し、積載された用紙26が無くなると共に下降し、初期位置に復帰する。
【0015】
従来の印刷装置では、マスタの装着やマスタの廃棄などは、オペレータが行うようになっており、上昇下降自在な給紙トレイの上部には、邪魔になる部分が少なく、用紙のサイドを押さえるサイドプレートは、用紙の先端部に近づけた形で設けられていた。しかし近年では自動的に着版、排版を行う全自動タイプが主流であり(例えば、特許文献1 参照。)、給紙トレイの上部には、給版装置などが設けられて、上昇する給紙台トレイの上面に設けられたサイドプレートが、上昇時に上部の部材との当接を避けるために用紙先端から離した位置に設置しないといけなくなってきた。
図17に示すように、サイドプレート25の上部は製版ユニット部27の下部にあるステー15との当接を避けるため、段差部25aを設けることが考えられる。
【0016】
しかし、用紙のサイド部分を規制するサイドプレートが、用紙先端から離れた位置に設けられることにより、短い用紙サイズの場合に不具合が生ずる。例えば図18に示すように、用紙を分離しながら搬送する分離搬送装置により、最大積載高さHmaxにおける最上位の用紙が給送される場合を考える。このとき、用紙の後端が搬送途中で早めにサイドプレートから外れてしまうために正しく規制されず、分離部等の左右摩擦力の差とか、送り手段によるスキュー力が作用してしまう場合には、送り出された用紙の後端がサイドプレートを抜けた時から用紙の蛇行が発生することがある。蛇行によるスキューが発生した状態では、用紙がレジストローラに当接して先端位置が整合されても、傾いて進んだ状態での移動量までは矯正できず、左右に少しずれた位置で整合されて印刷が行われる。そのために、搬送左右方向のレジストが悪くなってしまうという不具合が発生しやすくなっていた。
【0017】
その状態で印刷された用紙に、また重ね刷りとか両面印刷を行った場合には、画像がずれてしまい、印刷品質が悪化してしまう問題点があった。近年はドラムを交換することで容易に多色印刷が可能になっており、片面に重ね刷りする事が多いチラシとか、用紙の使用量を低減するために両面印刷を行う等の場合に、表裏の画像ズレが問題となる事が多くなって来た。従来のように給紙トレイの用紙規制部材が固定で、積載された用紙のみが上昇するタイプであれば、規制部材が他の箇所にぶつかってしまうことは発生しないので、用紙規制部材を広げたりすることは簡単に行えた。ところが、給紙トレイ自体が上昇するタイプでは、上昇に伴って駆動部や筐体が邪魔になってしまうために、当接位置から退避した位置にしか設置できず、小サイズの用紙の後端が、規制手段から早くに抜けだしてしまい、スキューが大きくなってしまう傾向があった。
【0018】
【特許文献1】
特開2003−72214号公報(第3頁、第1図)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
小サイズ用紙の進行左右方向のレジストずれが防止できる給紙装置を提供する。すなわち、少なくとも最大積載高さHmaxから段差部25aまでの間の用紙の両サイドを規制できる方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、固定部材の下方にあって、用紙を積載され上昇下降自在な給紙トレイと、該給紙トレイの前記昇降に伴って該昇降方向に関し一体的に昇降する一対のサイドプレートを有する給紙装置において、前記サイドプレートの内面部には、少なくとも最大積載高さにある給紙中の前記用紙を、給紙方向に関して少なくとも後方の側縁部で規制する移動自在な補助プレートが設けられており、該補助プレートは、付勢手段により所定の初期位置に保持され、前記給紙トレイの上昇に伴って、前記固定部材に当接することによって移動させられることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明では、請求項1に記載の給紙装置において、前記補助プレートは、その内面が、前記サイドプレートの内面とほぼ同一面であることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の給紙装置において、前記補助プレートは、前記給紙トレイの下降に伴って前記初期位置に復帰することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は一点を中心とした回動であることを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は、平行移動であることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は、平行移動と一点を中心とした回動の組合せであることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項5に記載の給紙装置において、前記平行移動はリンク機構によるものであることを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項5または6に記載の給紙装置において、前記平行移動は摺動機構によるものであることを特徴とする。
請求項9の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の給紙装置を用いた印刷装置を特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1、2は本発明の実施形態を説明するための図である。
両図において符号28は補助プレートを示す。その他の符号は図17に準ずる。なお、煩雑さを避けるため、同図では版胴部を省略した。
補助プレート28は回転中心となるピンPAによって両サイドプレート25に回動自在に取り付けられており、スプリング等図示しない付勢部材によって、時計回りの回動習性を与えられて、図1に示す初期位置に保持されている。
補助プレート28の内面(用紙側に向いた面)は、サイドプレート25の内面とほぼ同一面となる位置に設けられており、サイドプレート25同様に用紙26の側縁部と当接して整合するようになっている。サイドプレート25は従来同様に給紙トレイ24の上面溝部を用紙の幅方向に移動可能になっている。補助プレートとサイドプレートの、用紙に対する関係は、以後の各実施形態において同様である。
この構成によれば、最大積載高さHmaxの用紙が補給された場合でも、最上位の用紙の給紙に際しても、最下位の用紙と同様に、後端部の両サイドの規制が十分行われる。
【0024】
用紙26が少なくなるに従って、給紙トレイ24が上昇し、補助プレート28上縁が製版部ユニット27の下部のステー15に近接する。
図2に示すように、両者が当接すると、補助プレート28は、付勢部材による回動習性に抗して反時計回りに回動され、ステー15の移動経路から退避させられる。このときは、給紙位置が既に十分下方に行っており、補助プレートの役割は終わっているので、補助プレート28が初期位置から移動しても何ら問題は起こらない。
用紙26がすべて給紙されると、給紙トレイ24は下降を開始し、最大積載高さの用紙が補給可能な初期位置まで戻る。この動きに伴い、補助プレート28も付勢部材による回動習性に従って、時計回りに回動し、これも図1に示す初期位置に戻る。
【0025】
図3は図1に示す実施形態の給紙トレイ近傍の平面図である。
同図において符号29は印刷装置本体の側板、30は補助側板をそれぞれ示す。両本体側板29に両端を支持された軸21aに分離ローラ21が取り付けられ、用紙26の先端近くの、幅方向ほぼ中央部に配置されている。給紙ローラ23は、1対の補助側板30によって分離ローラ21からの距離を一定に保たれ、軸23aによって給紙トレイ24の外部から駆動力を受ける。
【0026】
サイドプレート25は、給紙トレイ24が上下方向に移動しても、軸23aに当たらないようにするため、規制端縁25bは用紙先端部までは延ばすことができない。
サイドプレート25の内面は基本的には、用紙側縁に当接して用紙整合の機能を果たすように構成されるが、補助プレート28の移動軌跡の部分は厚さを減じてあり(図示省略)、補助プレートの内面が用紙側縁に当接する面に一致するように構成されている。
【0027】
図4、5は本発明の他の実施形態を説明するための図である。図4は補助プレートがステーに当接した後の状態、図5(a)は用紙が残り少なくなったときの状態、図5(b)はサイドプレートの変形実施形態をそれぞれ示す。
両図において符号31は補助プレートを示す。なお、煩雑さを避けるため、同図では製版部ユニット27内部を省略した。
本実施形態において、補助プレート31は、2本のピンPBがサイドプレート25に設けられた2本の傾斜した長穴25cに嵌入し、摺動することによって平行移動するよう構成される。補助プレート31は、図示しないスプリング等で、左斜め上方に押し上げる復帰習性が与えられている。また、用紙がないときでも、補助プレート31が内面側に外れないように構成されているものとする。
説明の簡略化のため、摺動部として、ピンと長穴の組み合わせで説明するが、通常用いられる摺動機構であれば、異なる形状のものでも使用し得ることは明らかである。
【0028】
給紙トレイ24が上昇してステー15が補助プレート31に当接すると、補助プレート31は、左上方への復帰習性に抗して、長穴25cに沿って摺動により右下方に移動させられる。用紙が無くなって、給紙トレイが前述と同様初期位置に復帰すると、補助プレートも復帰習性により初期位置に復帰する。
図4において、長穴25cの傾斜角は、給紙トレイ24の上昇方向に対してほぼ45°の角度で示したが、この角度は多少の自由度がある。特に給紙トレイの上昇方向に一致する方に近づける分には、むしろ動きが楽になって都合がよい。
【0029】
図5(a)では長穴25cを直線的に示したが、緩やかであれば曲線でも問題ない。あるいは、例えば、図5(b)に示すように、長穴25c’の中間部から曲線状部を介して水平方向に曲げても使用し得る。このとき、補助プレート31は直線移動ではなくなるが、プレート自身の向きは変わらず、いわゆる並進運動を行う。このような動きも本発明では平行移動と称する。
さらに、図5(c)に示すように、2本の長穴のうち上の方の1本を、短い直線的長穴25c”とし、下の方の長穴25c’は、後半の部分を長穴25c”の下端位置を中心とする円弧状に形成すると、補助プレート31の移動は、直線部分では平行移動であり、上側のピンPBが長穴25c”の下端部に達すると、ピンPBを中心とする回転移動に変化する。この場合補助プレート31は平行移動と回動の組合せの動作を行うことになる。
【0030】
図6、7は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。図6は補助プレートが初期位置にある状態、図7は補助プレートが最大移動位置にある状態をそれぞれ示す。
両図において符号32は補助プレートを示す。
この実施形態は、最大積載高さの用紙から最後の一枚の用紙まで、補助プレートが用紙後端縁を規制するよう構成している。
補助プレート32は、回転中心となるピンPCによって両サイドプレート25に回動自在に取り付けられており、スプリング等図示しない付勢部材によって、時計回りの回動習性を与えられて、図6に示す初期位置に保持されている。
【0031】
補助プレート32の、ステー15に当接する部分32aは、その周囲に比べて、上方に突出している。そのため、給紙トレイ24が上昇を続けたとき、ステー15に対して、補助プレート32は常に突出部32aにおいて当接する。図7の仮想線で示す補助プレート32は、給紙トレイ24が最上位置に達した場合の回動位置を示している。このとき、補助プレートの最下位位置は給紙トレイ24の用紙載置面にに接触する位置となり、最後の用紙の給紙において、用紙の後端側縁部を規制することができる。
【0032】
図8、9は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
両図において符号33は補助プレート、34はリンクをそれぞれ示す。
この実施形態も、最大積載高さの用紙から最後の一枚の用紙まで、補助プレートが用紙後端縁を規制するよう構成している。
補助プレート33は、長さの等しい2本のリンク34とピンPDで回動自在に連結されている。リンク34はサイドプレート25とピンPEによって回動自在に連結され、両リンク34は、補助プレート33と、サイドプレート25共々、平行リンクを形成する。両リンク34は図示しないばね等によって、時計回りに回動習性を与えられており、図8に示す位置を初期位置として保持するよう構成されている。
【0033】
装置の組み立て精度を緩やかにする1つの手段として、補助プレート上部の、ステー15と当接する位置に、板ばね33aが止めネジ33bにより取り付けられ、安全装置としての役割を果たしている。板ばね33aがステー15と当接すると、板ばね33aは若干撓むが、全部は撓まぬ内に補助プレート33が移動し始めるよう、関係するばねの強さを選んでおく。
用紙が少なくなって、給紙トレイ24が上昇したとき、まだ用紙が若干残っている内に補助プレート33の下端は給紙トレイ上面に達するように構成する。この状態でさらに給紙トレイが上昇を続けた場合、板ばね33aがさらに撓むことによって、補助プレートに過大な荷重がかかることを防いでいる。板ばね33aが撓みきる前に給紙トレイの上昇が終了するようにしておく。
補助プレート33は大きく円弧上を移動するが、プレートの向きは変わらず、いわゆる並進運動を行う。この移動形態もここでは平行移動とみなす。
【0034】
図10、11は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号35は補助プレートを示す。
補助プレート35は、2本のピンPFがサイドプレート25の長穴25d内を摺動することによって、用紙の給紙方向に前進後退の移動が可能になっている。補助プレート35の規制端縁部は3つの直線部35a、35b、35cからなっている。
直線部35aは、最大積載高さHmax近傍の用紙を給紙する際の、規制端縁としての機能と、給紙トレイ24が上昇したときステー15に当接して、補助プレート35を後退させるためのカムの機能とを有している。
【0035】
直線部35bは、中間高さの用紙の給紙に際し、規制端縁として機能する。
直線部35cは直線部35aと平行に形成されている。給紙トレイ24の上昇量は用紙の減少量に伴って発生する量なので、原則として両者は等しくなる。
したがって、ステー15と直線部35aの接点が、用紙最上部と直線部35cとの交点と相対的に一定の位置関係になる。すなわち、直線部35aがステー15と当接して後、最上位にある用紙が直線部35cに規制される深さ(用紙後端からの距離)は、常に一定となる。
【0036】
図12、13、14は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。図12は補助プレートが初期位置にある状態、図13は用紙が残り少なくなった状態、図14は給紙トレイの周辺部の平面をそれぞれ示す図である。
各図において符号36は補助プレートを示す。
本実施形態は、図14に示すように、給紙ローラ23の軸23aの駆動が軸21aから与えられる構成の場合に適用できる。駆動力の伝達はギヤ列でも良いし、タイミングベルトでも良い。図ではタイミングベルトの例で示してある。
【0037】
この構成では、軸23aが短くなり、サイドプレート25を用紙の先端部近くまで延ばすことができる。したがって、図12に示すように、回転中心となるピンPGによって支持された補助プレート36もサイドプレート25と同じ程度に長くすることができる。本実施形態は、補助プレートの長さが長くなった他は図1に示した実施形態と同様なので詳細な説明は省略する。
【0038】
図15、16は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
両図において符号37は補助プレートを示す。
補助プレート37は、2個のピンPHによって、サイドプレート25の長穴25eに摺動可能に取り付けられており、上下方向に移動できる。補助プレート37は、図示しないばね等の付勢手段により上方への復帰習性が与えられている。補助プレート37がステー15に当接すると、補助プレート37は上方への復帰習性に抗して下方へ平行移動させられる。最下位位置近傍の用紙は、サイドプレート25が側縁部を規制するので、補助プレート37は一番下まで下がる必要はなく、単に、ステー15に対する逃げの機能さえ持っていればよい。
この構成においても、2本の長穴25eのうち用紙26の後端に近い方の長穴を短くして、その下端部を中心として補助プレート37を回動させるように、もう一方の長穴を部分的に円弧状に形成しても良い。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、製版装置の版の交換を自動化し装置を小型化したときに、製版部ユニットと給紙装置のサイドプレートとの間に生ずる干渉を、簡単な構成で避けることができ、サイドプレートの規制不足による用紙のスキューを防止して、品質の高い印刷を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するための図である。
【図3】図1に示す実施形態の給紙トレイ近傍の平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
【図17】印刷装置における問題点を説明するための図である。
【図18】印刷装置における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 インキローラ
8 マスタ
9 プラテンローラ
10 サーマルヘッド
20 レジストローラ
21 分離ローラ
23 給紙ローラ
24 給紙トレイ
25 サイドプレート
26 用紙
27 製版部ユニット
28、31、32、33、35、36、37 補助プレート
Claims (9)
- 固定部材の下方にあって、用紙を積載され上昇下降自在な給紙トレイと、該給紙トレイの前記昇降に伴って該昇降方向に関し一体的に昇降する一対のサイドプレートを有する給紙装置において、前記サイドプレートの内面部には、少なくとも最大積載高さにある給紙中の前記用紙を、給紙方向に関して少なくとも後方の側縁部で規制する移動自在な補助プレートが設けられており、該補助プレートは、付勢手段により所定の初期位置に保持され、前記給紙トレイの上昇に伴って、前記固定部材に当接することによって移動させられることを特徴とする給紙装置。
- 請求項1に記載の給紙装置において、前記補助プレートは、その内面が、前記サイドプレートの内面とほぼ同一面であることを特徴とする給紙装置。
- 請求項1または2に記載の給紙装置において、前記補助プレートは、前記給紙トレイの下降に伴って前記初期位置に復帰することを特徴とする給紙装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は、一点を中心とした回動であることを特徴とする給紙装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は、平行移動であることを特徴とする給紙装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の給紙装置において、前記補助プレートの移動は、平行移動と一点を中心とした回動の組合せであることを特徴とする給紙装置。
- 請求項5に記載の給紙装置において、前記平行移動はリンク機構によるものであることを特徴とする給紙装置。
- 請求項5または6に記載の給紙装置において、前記平行移動はピンと長穴による摺動によるものであることを特徴とする給紙装置。
- 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の給紙装置を用いたことを特徴とする印刷装置。
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