JP5500888B2 - シート後処理装置及びこれを備えた画像形成システム - Google Patents

シート後処理装置及びこれを備えた画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタなどの画像形成装置から搬出されたシートに紙綴じなど後処理を施すシート後処理装置に係わり、排紙口からトレイ上に搬出されたシートを所定位置に整合するシート整合機構の改良に関する。
一般に、この種のシート後処理装置は複写機、プリンタなどの画像形成装置の排紙口に処理トレイを設け、この処理トレイにステップラー装置、パンチ装置、スタンプ装置などの後処理装置を設け、画像形成装置から送られたシートを部揃え集積して後処理を施す装置として広く知られている。
従来このような装置で、排紙口の下流側に処理トレイを、この処理トレイの下流側にスタックトレイを配置し、処理トレイで後処理したシート(束)をスタックトレイに収納する装置構成が知られている。例えば特許文献1には、排紙口の下流側に段差を形成して処理トレイを配置し、更にその下流側にスタックトレイを、略々同一平面上に配置し、排紙口からのシートの先端部をスタックトレイで支持し、シート後端部を処理トレイで支持(ブリッジ支持)する構造が開示されている。
このような装置において、排紙口から搬出されたシートを2つのトレイ間にブリッジ支持した状態で所定の規制位置に整合するためのシート整合機構を処理トレイ上方に配置する必要が生ずる。このため特許文献1の装置では処理トレイ上に排紙口から送られたシートを規制ストッパに突き当て整合するための送り機構が開示されている。同文献には排紙口から排紙ベルトを垂下させ、このベルトでシート端を規制ストッパに搬送している。
更に同様の機構として、トレイ上に搬出されたシートを規制ストッパに突き当て整合する際に、押さえガイドでシートを押圧することも例えば特許文献2などで知られている。同文献には排紙口からトレイ上に搬出されたシートを排紙手段(リング状ベルト部材)で規制ストッパに送る際に、この排紙手段と規制ストッパとの間にタラップ状の搬送ガイド板を設けている。
特開2006−248686号公報 特許第3673694号公報
上述のように排紙口からのシートを、トレイ上の所定位置に配置した規制ストッパに突き当て整合する際に、従来はトレイに沿ってシートをストッパに移送する搬送回転体と、シート先端をストッパに案内するシートガイドを配置することは既に知られている。
ところが最近の画像形成装置では、広汎な性状のシートを使用する関係で従来の整合機構では次の不具合を生ずる。図11に従来の整合機構をモデル化して示すが、排紙口100からトレイ101上に搬出されたシートをリング状ベルト(アライニングベルト)102で規制ストッパ103に移送する。このときベルト102と規制ストッパ103の間にガイド板104を配置し、後端がカールしたシートがストッパ103に迫り上がるのを防止する。このような構造では、シート先端(或いは後端)が上方にカールしている場合に、このシート端は迫り上がってストッパを乗り越えることなくガイド板104に案内されて正常な姿勢で係止する。
ところが同図に示すようにベルト102の上流側に配置されている排紙ローラ105がオーバラン(過剰搬送)するとシート後端は同図に鎖線で示すようにループ状に湾曲変形する。このときリング状ベルト102は排紙方向(同図反時計方向)に回転し続けている。そこで排紙ローラ105の過剰搬送でループ状に湾曲変形されたシート後端は、上方からはループ状に湾曲変形(鎖線)するが、このときシート先端部はガイド板102で上方から押圧されているため先端折れ、皺などの不具合が発生する。そしてこのような不具合は使用されるシートが厚紙から薄紙まで広汎となり、画像形成条件も、カラー印刷、両面印刷など複雑化とている。このためシート搬送の制御で、先のオーバランを防止することは困難となっている。
例えば厚紙で両面カラー印刷のシートと、薄紙で片面モノクロ印刷のシートでは摩擦係数が大きく異なり、これらのシート搬送を正確に位置制御することは困難である。従って規制ストッパに対してシートを過剰搬送することなく、同時に未到達となることがないように搬送制御することは難しいこととされている。
本発明者は、従来の搬送ベルト、搬送ガイド、規制ストッパの順に配列した送り機構において図11に示すシート先端折れ、皺などの問題の原因を究明した。これは、搬送ベルトと搬送ガイドはいずれもトレイ上のシート積載量に応じて上下動する機構を必要とする。従来はこれらの昇降機構を個別に構成しているため、搬送ベルトがオーバランするシート搬送力と、搬送ガイドに作用するシートの迫り上げ力が矛盾するように作用することに着目した。つまりベルトのオーバランが進行して搬送ガイドにシートの迫り上げ力が発生してもベルトはその力を弱めることなくシートを送り続けることとなり、これが原因でシートの先端折れ、凹凸歪曲、皺、などの不具合の原因なっていることを究明するに至った。
そこで本発明者は、シート先端が規制ストッパに突き当たった後に、シートから搬送ガイドに迫り上げ力(押上力)が作用すると、この押上力に応じて(従動して)搬送ベルトがシートに付与する搬送力を軽減するとの着想に至った。これによって規制ストッパに突き当たったシートに過剰な搬送力が作用しても、先端折れなどの不具合の解決が可能である。
本発明は、規制ストッパにシートを突当て整合する際に、シート先端がストッパ位置からオーバランすることがなく、同時に先端折れなどの不具合を招くことのないシート後処理装置の提供をその主な課題としている。
更に本発明は、シート先端を整然と整合するこの可能なストッパ機構を、簡単な構造で安価に提供することをその課題としている。
上記課題を達成するため本発明は、排紙口からのシートを集積する処理トレイの上方に、シートをストッパ手段に向けて移送するシート移送手段と、アライニング手段をストッパ手段の上流側に配置する。そしてこのアライニング手段を、シートを移送する摩擦回転体と、シート先端を案内する先端ガイド部材と、これらを揺動可能に支持する揺動部材とで構成し、この揺動部材の揺動回転中心を、ガイド部材に作用するシートの迫り上げ力で摩擦回転体とシートとの圧接力を軽減する位置に配置することを特徴としている。
以下その行為を詳述する。排紙口(24)と、排紙口の下流側に配置されシートと、を一時的に集積する処理トレイ手段(28)と、処理トレイ手段の下流側に配置され処理トレイ手段からのシートと、を収納するスタックトレイ(29)と、処理トレイ手段上に配置されシートと、の後端縁を位置規制するストッパ手段(30)と、処理トレイ手段上に配置され、排紙口からのシートと、をストッパ手段に向けて移送するシート移送手段(35)と、このシート移送手段と、ストッパ手段との間に配置され、このシート移送手段で送られたシートをストッパ手段に突き当て移送するアライニング手段(40)を設ける。
そしてアライニング手段は、処理トレイ上のシートと、係合してストッパ手段に移送する摩擦回転体(40v)と、この摩擦回転体と、ストッパ手段(30)との間に位置してこのストッパ手段にシート先端を案内する先端ガイド部材(41)と、この摩擦回転体と、先端ガイド部材とを揺動可能に支持する揺動部材(後述の揺動レバー43)で構成する。そこでこの揺動部材の揺動回転中心を先端ガイド部材に作用するシートの迫り上げ力で揺動して摩擦回転体とシートの圧接力を軽減する位置に配置する。
本発明は処理トレイ上に、規制ストッパにシートを移送するシート移送手段とアライニング手段を配置し、このアライニング手段を揺動部材に設けた摩擦回転体と先端ガイド部材で構成し、ガイド部材に作用するシートの迫り上げ力で摩擦回転体がシートの圧接力を軽減する方向に揺動するようにしたものであるから以下の効果を奏する。
排紙口から処理トレイ上に搬入したシートは規制ストッパの上流側に配置された摩擦回転体と先端ガイド部材で確実に規制位置に送られるから、シート先端の未到達、或いはシート先端のカールで規制位置を乗り越えるシートの不整合が生ずることがない。
これと同時に、規制ストッパに送られるシートに過剰に搬送力が作用すると、シート先端はループ状に湾曲して先端折れを引き起こすが、このシートの迫り上げ力をカイド部材が受けて揺動部材は揺動する。このとき揺動部材の揺動回転中心は、摩擦回転体がシートに及ぼす圧接力を軽減する位置に配置してあるから、回転体はシートから離れる方向に浮上してシートに及ぼす搬送力を軽減することとなる。これによってシート先端に先端折れ、凹凸歪曲、皺、などの不具合を生ずることがない。
更に本発明は、アライニング手段を、例えば揺動レバーと、このレバーに搬送回転体とカイド部材を取付け、レバーの揺動中心を、ガイドに受ける押上げ力で搬送回転体がシートから浮上する位置に設定すれば良く、その構造は至って簡単で安価に提供することが出来る。
本発明にかかわる画像形成装置形成システムの全体構成の説明図。 図1のシステムにおける排紙ユニット(シート後処理装置)の説明図であり、(a)はその全体構成を、(b)はシート移送手段の昇降機構の説明図。 図2の排紙ユニットの排紙機構の説明図であり、(a)は要部説明図、(b)は後端規制ストッパの説明図。 図2の排紙ユニットにおけるスタックトレイの紙面検知構造の説明図。 図2の排紙ユニットにおけるサイド整合機構の説明図であり、(a)は処理トレイの底面構造の説明図、(b)は処理トレイの紙載面の説明図。 図2の排紙ユニットにおけるシート移送手段の昇降機構の説明図。 図2の排紙ユニットにおけるアライニング手段の説明図であり、(a)は全体構成の説明図、(b)は動作状態の要部説明図。 図2の排紙ユニットにおけるアライニング手段を示し、図7と異なる実施形態の説明図。 図1の画像形成システムにおける制御構成を示すブロック図。 図9の制御構成における動作状態を示すフローチャート。 従来の排紙装置におけるシートの排紙状態を示す説明図。
[画像形成システム]
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aとシート後処理装置Bとで構成され、画像形成装置Aは、シート上に指定された画像データに基づいて画像形成し、排紙口にシートを搬出するように構成されている。シート後処理装置Bは、この排紙口から画像形成されたシートを受取って、このシートを所定の後処理位置に整合して後処理を施し、その後、この処理シート(束)をスタックトレイに収容するように構成されている。各構成について詳述する。
[画像形成装置の構成]
画像形成装置Aは、ケーシング1内に給紙部2と画像形成部3と画像データ記憶部を備えている。給紙部2は、例えば複数の給紙カセット11a、11b、11cで構成され、各カセット11a〜11cには予め選定した規格サイズのシートが収納されている。また給紙部2には手差しトレイ(不図示)が設けられ、使用者が使用目的に応じたシートを挿入出来るように構成されている。このような構成の給紙部2にセットされたシートは、そのサイズ、紙質(コーティング紙か、普通紙か)、紙厚さ(厚紙か、薄紙か)などのシート条件が後述するコントロールパネル63から情報入力するように構成されている。
画像形成部3は、給紙部2から送られたシートに画像を形成するように構成され、図示のものは静電式画像形成機構を示している。画像形成部3には感光ドラム13と、このドラム表面に潜像を形成する印字ヘッド(レーザ光、LED光などの発光器)14と、現像器15から構成される画像形成ユニットがY(イエロー)、M(マジェンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の4つの画像形成ユニット3Y、3M、3C、3Kが設けられている。この各ユニット3Y〜3Kの感光ドラムに形成された画像インク(トナー)は転写ベルト16に転写チャージャ17で転写される。
そこで感光ドラム13上に印字ベッド14で静電潜像を形成し、現像器15でトナーを付着させ、この画像を転写チャージャ17で転写ベルト16上に画像転写する。カラー画像の場合この画像転写をYMCKの色データを重ね合わせて転写ベルト16上に最終画像を形成する。そしてこの画像を給紙部2から給紙経路P1に送られたシート上に転写する。図示18はシート上に画像転写するためのチャージャである。
このように画像転写されたシートは定着器19を経て排紙経路P2に搬出される。この他、画像形成部3としては、図示の静電式画像形成機構に限らず、インクジェット式画像形成機構、オフセット式画像形成機構など種々の画像形成機構が採用可能である。
上記画像データ記憶部は図示しないが、画像形成部3の印字ヘッド14で感光ドラム13上に形成する画像データの記憶メモリで構成され、この記憶部に画像読取ユニット5からデータ転送されるようになっている。この画像デデータ記憶部には例えばネットワーク構成されたコンピュータなどからもデータ転送される。
このように構成された画像形成装置Aには、その上部に原稿画像を読み取る画像読取ユニット5が、更にその上部に原稿給送ユニット6が搭載されている。画像読取ユニット5は図示しないが原稿シートをセットするプラテンと、このプラテンに沿って原稿画像を走査する読取キャリッジと、原稿画像からの反射光を結像して光電変換する光電変換手段、がケーシング7内に設けられている。また原稿給送ユニット6は給紙トレイ9上にセットした原稿シートを1枚ずつ分離して上記画像読取ユニット5のプラテンに自動的に給送するフィーダ機構(不図示)を備えている。
[シート後処理装置]
シート後処理装置Bは次のように上述の画像形成装置Aに内蔵されている。前述した画像形成装置Aはシート上に画像形成したシートを排紙経路P2に搬出する。この排紙経路P2はケーシング1の上部に排紙エリア21が配置され、この排紙エリアに画像形成部3で画像形成されたシートを搬出するように構成されている。図示の排紙エリア21は画像形成装置Aの上部と、その上に配置された画像読取ユニット5との間に配置されている(図1参照)。
そしてこの排紙エリア21に排紙ユニットが組み込まれ、シート後処理装置Bは、このユニットの1つとしてケーシング1内に組み込まれるように構成されている。また上記排紙経路P2には、この排紙エリア21にシートを搬出するように搬送ローラ22が設けられ、排紙ユニットに連結される連結口23にシートを繰り出すようになっている。
次にシート後処理装置(以下「排紙ユニット」という)Bについて図2に従って説明する。排紙ユニットBは前記排紙経路P2の連結口23に連なる排紙経路(排紙ユニットの排紙経路;以下同様)P3と、この経路出口端に設けられた排紙口24を備えている。この排紙口24には排紙ローラ25が一対のローラ対(25a、25b)で設けられ、図示ローラ25bには駆動モータ(不図示)が連結されている。
また、この排紙ユニットの排紙経路P3には経路切換フラッパ26を介してイジェクト経路P4が分岐して構成され、このイジェクト経路P4の下流側にはオーバフロスタッカ(不図示)が配置されている。このオーバフロスタッカにはオーバフロシート、割込みジョブシートなどが搬出される。上記排紙経路P3には、搬入センサS1と排紙センサS2がそれそれぞれ図示位置に配置され、搬入センサS1はシート先端を検知して後続する経路切換フラッパ26、排紙ローラ25などを制御する。また排紙センサS2はシートの前端及び後端を検知して後続するシート移送手段31、アライニング手段40などを制御する。
一方、上記排紙口24の下流側には段差Hd(図3(a)参照)を形成して処理トレイ28が、その下流側にスタックトレイ29が配置されている。この処理トレイ28とスタックトレイ29とは、排紙口24からのシートの先端部をスタックトレイ29が、後端部を処理トレイ28がブリッジ支持する寸法形状に配置されている。つまり処理トレイ28は、最小サイズシートの排紙方向長さより短い寸法形状で構成され、スタックトレイ29に先端部を支持されたシートの後端部を支持するようになっている。以下処理トレイ28、スタックトレイ29の順に説明する。
[処理トレイの構成]
図3(a)にその詳細を示すように、処理トレイ28は、紙載面28aを有するトレイ部材で構成され、その紙載面28aの端部には後端規制ストッパ(シート端規制手段;以下同様)30が配置されている。この紙載面28aはシートを水平姿勢で支持する形状でも、シート後端側(排紙方向後端側;以下同様)が低くなるようにシートを傾斜姿勢で支持する形状でも、いずれであっても良い。
後端規制ストッパ30は、排紙口24から距離Ld隔てた位置に配置され、シート後端縁を突当規制するシート端規制面30aとシート先端のカールによる乗り越えを規制するシート迫上げ規制面30bを有するストッパ部材で構成されている。図示30cはシート先端を押圧規制する先端押圧片であり、弾性変形可能な板材料で構成され、カールしたシート先端を押圧矯正するように基端部をストッパ部材30に固定されている(図3(b)参照)。
処理トレイ28には、排紙口24からのシートを後端規制ストッパ30に向けて移送するシート移送手段31と、シートの側縁を幅寄せ整合するサイド整合手段32が配置されている。このシート移送手段31は紙載面28aに対して上下昇降可能に構成されている。その構造を図2(b)に示すが、シート移送手段31は、上下に揺動するブラケット(昇降支持手段;以下同様)34と、これに支持された正逆転ローラ35と、昇降モータMSで構成されている。
ブラケット34は装置フレーム(不図示)に基端部を揺動回転軸33で軸支持され、先端部に正逆転ローラ35が軸受け支持されている。そしてこの正逆転ローラ35は正逆転モータMRに連結され、シートを図2左右方向(排紙方向と排紙反対方向)に移送する。これによって正逆転ローラ35を図2(b)反時計方向に回転するとシートを後端規制ストッパ30側に移送し、時計方向に回転するとスタックトレイ29側に移送するようになっている。
[正逆転ローラの昇降機構]
上記正逆転ローラ35の昇降機構について図2(b)及び図6に従って説明する。図2(b)に示すように、揺動回転軸33は装置フレーム(不図示)に軸受け支持され、この揺動回転軸33に正逆転モータMRの回転が歯車伝達されている(図示6参照)。これと共に揺動回転軸33には、ブラケット34の基端部に一体成形した従動側カラー34jが遊嵌支持されている。従って揺動回転軸33の正逆転には関係なくブラケット34は、この回転軸を中心に揺動することとなる。
一方、揺動回転軸33には、上記従動側カラー34jに隣接して駆動側カラー34dが遊嵌支持され、この駆動側カラー34dには昇降モータMSの駆動軸MSdがピニオン34pで歯車連結されている。従って駆動側カラー34dは、揺動回転軸33の回転に関係なく昇降モータMSの駆動軸MSdによって正逆転することとなる。そしてこの駆動側カラー34dと従動側カラー34jにクラッチスプリングCSが巻回されている。このクラッチスプリングCSは駆動側カラー34dの図6矢示a方向回転で緊縮し、その反対方向回転で弛緩するように構成されている。
これによって昇降モータMSで駆動側カラー34dを矢示a方向に回転するとクラッチスプリングCSが緊縮して従動側カラー34jを同一方向に回転する。このとき従動側カラー34jと一体のブラケット34は作動位置Fpから退避位置Wpに上昇移動する。そしてブラケット34が予め設定された退避位置Wpに上昇すると上限ストッパ34u(図2に図示)に突き当たり、その後はクラッチスプリングCSと従動側カラー34jとの間で滑り駆動側カラー34dの回転は従動側カラー34jに伝達されないように摩擦力が設定されている。
この摩擦力の設定は、クラッチスプリングCSが緊縮した状態ではこのスプリングと従動側カラー34jとの間の摩擦力でブラケット34は退避位置Wpに保持され、その自重でブラケット34が下降することがないように構成されている。図示34Sはブラケット34が退避位置Wpに位置するか否かを検出するポジションセンサであり、上限ストッパ34uと一体に構成され、いずれも装置フレームに取り付けられている。
次に昇降モータMSで駆動側カラー34dを矢示a方向と反対方向に回転するとクラッチスプリングCSは緊縮した状態に保持されているため、その回転に従動してブラケット34は退避位置Wpから下降する。このときの速度は昇降モータMSの駆動軸MSdの回転速度で制御される。
そしてブラケット34の先端部に支持されている正逆転ローラ35が処理トレイ28上の最上シートに当接すると駆動側カラー34dの回転(矢示a方向と反対方向の緩み側)でクラッチスプリングCSは弛緩し、このスプリングと駆動側カラー34dとの間の滑り回転でブラケット34は正逆転ローラ35の作動位置Fpで静止する。正逆転ローラ35がこのように退避位置Wpから作動位置Fpに移動する間に、後述する制御CPU65は正逆転モータMRを起動して正逆転ローラ35を、図2(b)反時計方向に回転してシートを後端規制ストッパ30側に移送する。
従って、昇降モータMSの正逆転でブラケット34が揺動回転軸33を中心に時計方向と反時計方向に揺動することとなる。つまり同図時計方向にピニオン34pを回転すると正逆転ローラ35は同図鎖線状態の紙載面28aから離間した退避位置Wpに、ピニオン34pを反時計方向に回転すると正逆転ローラ35は同図実線状態の紙載面28aに接した作動位置Fpに位置する。そして正逆転ローラ35には揺動回転軸33に連結された正逆転モータMR(図6参照)から正逆転方向の回転力が伝達されるようになっている。
なお、処理トレイ28の紙載面28aには正逆転ローラ35と対向する位置に従動ローラ36が設けられている。この正逆転ローラ35は正逆転モータMRによって排紙口24からシートを後端規制ストッパ30に向けて移送するときには図2(a)反時計方向に回転し、後端規制ストッパ30から後処理されたシート(束)を下流側のスタックトレイ29に移送するときには同図時計方向に回転し、従動ローラ26はこのシートの移動に従動する。
「アライニング手段」
上記シート移送手段31と後端規制ストッパ30の間には、アライニング手段40が配置されている。図示のアライニング手段40は、シート移送手段31と協働して排紙口24から搬出されたシート後端を後端規制ストッパ30に向けて移送する。このためアライニング手段40は、図7(b)に示すようにリング状ベルト(以下「アライニングベルト」という)40vと、このベルトを処理トレイ28のシート積載量に応じて上下動する揺動レバー43とで構成されている。
揺動レバー43の一端(図7上方端)は前述の排紙ローラ(駆動側ローラ)25bの回転軸42に揺動可能に軸支持され、排紙ローラ25bにアライニングベルト40vの一端が巻装されている。そしてこのベルト先端は処理トレイ28上のシートと係合する位置に垂れ下がるように構成されている。従って排紙ローラ25bの駆動回転でアライニングベルト40vも図7(a)において反時計方向に回転し、揺動レバー43は回転軸42を中心に自重で揺動することとなる。
上記揺動レバー43には、アライニングベルト40vと共に先端ガイド部材41が固定されている。この先端ガイド41は、アライニングベルト40vで送られたシート後端を後端規制ストッパ30に向けて案内するフィルム部材(マイラ)で形成されている。そして回転軸42の回転中心42oとアライニングベルト40vのシート係合点40pと先端ガイド41のシート係合点41pは、シートの移送方向に、回転中心42o、係合点40p、係合点41pの順に距離を隔てて配置されている(図7(a)参照)。
本発明はアライニング手段40を上述のように構成したことを特徴としている。その構成を詳細に説明すると、アライニング手段40として処理トレイ28上に搬入された最上シートと係合する摩擦回転体40vを設ける。この摩擦回転体40vは図示のようなベルトに限らず、スポンジローラ、ゴムローラ、ゴムリング、或いはパドル部材など種々の構造が採用可能である。
この摩擦回転体40vは排紙口24と処理トレイ28との間に配置され、その回転で図7(a)に「a」で示すシート端部を同「b」「c」の順に排紙トレイ28の紙載面28aに沿うように案内する。このシート後端ガイド機能と同時に摩擦回転体40vは紙載面28aとの間のシートを後端規制ストッパ30側に移送する。この搬送力付与機能は前述のシート移送手段31に協働してシートがスキュすることなく円滑に後端規制ストッパ30に到達するように搬送力を付与する。
このため摩擦回転体40vは、例えば自重で搬入シートを押圧し、その回転で搬送力を付与する。これと同時に搬送力を付与するシート係合点40pは処理トレイ28上のシート積載量に応じて上昇する必要がある。このため図示の摩擦回転体40vは揺動レバー43(レバーにら限らず揺動部材であれば良い)に支持されている。この揺動レバー43は装置フレーム、その他の部材に揺動可能に軸支持する。図示のものは排紙ローラ25bの回転軸42に軸支持され、この軸を中心に揺動可能に構成されている。
そこで本発明はこの摩擦回転体40vと後端規制ストッパ30との間にストッパ手段にシート先端を案内する先端ガイド部材41を設ける。この先端ガイド部材は図示のようにマイラなどのフィルム状弾性片で構成しても、合成樹脂、金属などの紙圧プレートで構成しても良い。そしてこの先端ガイド部材41は支軸を中心に揺動可能に構成する。これは紙載面28aのシート積載量に応じて上昇させるためである。そこでこの先端ガイド部材41を揺動可能に支持する揺動部材を、図7に示す実施形態では揺動レバー43に摩擦回転体40vと共に先端ガイド部材41の基端部を固定支持している。
従って、回転軸42を中心に揺動自在の揺動レバー43には、摩擦回転体40vと、先端ガイド部材41が支持されている。そして回転軸42の回転中心42oと、摩擦回転体40vのシート係合点40pと、先端ガイド部材41のシート係合点41pをシートの移送方向上流側から下流側にこの順に配置してある。つまり図7(a)に示すように回転中心42oと係合点40pとの間を距離(Lz1)に、係合点40pと係合点41pとの間を距離(Lz2)にそれぞれ距離を隔てて配置してある。
そこで上述のシート移送手段31からシートに過剰の搬送力(その要因は後述する)が付与されたとき、シート後端は図7(b)に示すように後端規制ストッパ30に突き当たった後、ループ状に湾曲する力が作用する。このシートに作用する湾曲変形力に関係なく、シートをシート移送手段31と摩擦回転体40vでストッパ側に搬送し続けると、シート後端は局部的に変形して皺、先端折れを引き起こす。
ところが、上述のように先端ガイド部材41にシート後端から迫り上げ力「f」が作用すると、揺動レバー43には回転軸42を中心とする回転モーメントが作用し、このモーメントで揺動レバー43は角度θだけ同図反時計方向に回転する。この回転で摩擦回転体40vと、シート上面との間にはギャップGaが生ずる。このように形成されたギャップGaによってシートはループ状に湾曲することなく同図矢印g方向に伸張する。これによってシート後端部の皺、先端折れを未然に防止することが可能となる。
[アライニング手段の異なる実施形態]
次に図8に示す実施形態は、摩擦回転体40vを第1揺動レバー43Aに支持し、先端ガイド部材41を第2揺動レバー43Bに支持する場合を示す。図7のものと同一の構成については同一符号を付す。摩擦回転体40vは前述のものと同様にベルト、ローラなどで構成され、第1揺動レバー43Aに回転可能に支持されている。そしてこの摩擦回転体40vにはシートを後端規制ストッパ30側に移送する方向の回転が図示しない駆動モータから伝達されている。この駆動モータは排紙ローラ25bの回転軸から伝動しても、或いは独立した駆動モータを備えても良い。
上記第1揺動レバー43Aは、回転軸42Aを中心に揺動可能に装置フレームに軸支持されている。従って摩擦回転体40vは回転軸42Aを中心に処理トレイ28上の最上シート(搬入シート)と係合するシート係合点40pは積載量に応じて上下動することとなる。
一方、先端ガイド部材41は、金属・樹脂など板状のシート押圧片で構成され、第2揺動レバー43Bに基端部を固定され、その先端部は上記摩擦回転体40vと後端規制ストッパ30との間に配置されている。この第2揺動レバー43Bは、回転軸42Bを中心に揺動可能に装置フレームに軸支持され、先端ガイド部材41のシート係合点41pはシートの積載量に応じて上下動するようになっている。
そこで上記第2揺動レバー43Bと第1揺動レバー43Aは、第2揺動レバー43Bの揺動を第1揺動レバー43Aの揺動運動に伝達するように互いに連結されている。この連結は、例えば連結ピンで両者を連結しても良いが図示のものは第1揺動レバー43Aに折り曲げ片43Lが形成してあり、この折り曲げ片43Lと第2揺動レバー43Bの連結部43Nが互いに係合するように連結している。従って第2揺動レバー43Bが回転軸42Bを中心に図示反時計方向に揺動するとその連結部43Nが第1揺動レバー43Aの折り曲げ片43Lを押し上げる。これによって第1揺動レバー43Aも回転軸42Aを中心に同方向に揺動することとなる。
この実施形態においても、先のものと同様にシートの移送方向に、第1揺動レバー43Aの回転中心42Ao、摩擦回転体40vのシート係合点40p、先端ガイド部材41のシート係合点41pは、シートの移送方向上流側からこの順に距離を隔てて配置されている。そして第2揺動レバー43Bの回転軸中心42Boは、先端ガイド部材41のシート係合点41pに対してシート搬送方向の上流側、若しくは下流側に距離を隔てた位置に配置されている。これはシート係合点41pに作用するシートの迫り上げ力で第2揺動レバー43Bに回転中心42Boの回転モーメントが生起する関係にするためである。
このように構成されたアライニング手段40は、上述のシート移送手段31からシートに過剰の搬送力が後述する理由で作用したとき、シート後端は図8(b)に示すように後端規制ストッパ30に突き当たった後、ループ状に湾曲する力が作用する。このシートの変形によって先端ガイド部材41に迫り上げ力「f」が作用すると、第2揺動レバー43Bには回転軸42Bを中心とする回転モーメントが作用する。
このモーメントで第2揺動レバー43Bは角度θbだけ同図反時計方向に回転する。この第2揺動レバー43Bの回転は、上記連結部43Nから第1揺動レバー43Aに伝達され、第1揺動レバー43Aは回転軸42Aを中心に角度θaだけ同図反時計方向に回転する。この回転で摩擦回転体40vと、シート上面との間にはギャップGaが生ずる。このように形成されたギャップGaによってシートはループ状に湾曲することなく同図矢印g方向に伸張する。これによって前述のものと同様にシート後端部の皺、先端折れを未然に防止することが可能となる。
次に上述のシート移送手段31によるシートの過剰搬送の原因について説明する。前述のシート移送手段31は処理トレイ28上に配置され、退避位置Wpと作動位置Fpの間で上下昇降するように構成されている。そして排紙経路P3には、排紙口24の上流側に排紙センサS2が配置されている。
そこで排紙経路P3の排紙ローラ25から処理トレイ28上にシートを搬出する際に、図3に基づいて説明したように排紙口24からシートを処理トレイ28上に搬出する際には、シート移送手段31は退避位置Wpに位置している。このため排紙口24をシート後端が通過した後は、シートはその慣性で処理トレイ28上に落下される。このため、坪量(質量)の大きい厚紙シート、或いは片面印刷のシートは、坪量(質量)が小さい薄紙シート、表面摩擦係数の小さい両面印刷シートと比較して前者は排紙口24から遠方位置に着地し、後者は近接位置に着地する。
このようにシート後端と後端規制ストッパ30との距離はその都度異なることとなる。そこでシート後端の未到達を防止するためには、シート移送手段31とアライニング手段40によるシートの移送量をオーバランするように設定する必要が生ずる。このようにシートを過剰搬送するとシートと摩擦回転体40vとの間に滑りが生ずる搬送条件に設定しなければならない、この搬送条件はシートのスキュを招く問題を招く。そこで上述した摩擦回転体40vでシートを後端規制ストッパ30に突き当て搬送する際にシート端部がループ状に湾曲する問題が生ずる。
「サイド整合手段」
上記処理トレイ28には、後端を前述の後端規制ストッパ30に位置決めされたシートの側縁を位置規制するサイド整合手段32が配置されている。このサイド整合手段32は、排紙口24から処理トレイ28に搬入されたシートのセンター(中央)を基準に位置合わせするセンター基準と、シートの左右一側縁を基準に位置合わせするサイド基準のいずれかの基準位置にシート側縁を幅寄せ整合するように構成される。
図5に示すように、サイド整合手段32は処理トレイ28に搬入されたシートの左側縁と係合する左整合板32Lと、シートの右側縁と係合する右整合板32Rと、これらの整合板を排紙直交方向に位置移動する整合モータMz1、Mz2で構成されている。左右の整合板32L、32Rはそれぞれ処理トレイの紙載面28aに形成されているスリット溝28zに嵌合支持され、シート幅方向に位置移動可能になっている。このスリット溝28zに沿ってトレイ底部に一対のプーリ32pが配置され、このプーリ32pにベルト32vが架け渡してある。このベルト32vに左右の整合板32L,32Rが固定され、これと共にプーリ32pの一方には整合モータMz1、Mz2が連結されている。
この整合モータMz1、Mz2を同一量ずつ反対方向に回転すると左右の整合板32L、32Rはシートセンタに接近及び離反することとなる。そして左右の整合板32L,32Rには、予め設定したホームポジションにポジションセンサが配置され、装置起動時には整合板32L、32Rはホームポジションに位置付けられている。
そこで後述する制御手段(制御CPU)65は画像形成装置Aからシートのサイズ情報を受信し、この情報に基づいて制御手段は左右の整合板32L,32Rを所定の待機位置(図5(b)Wp)に移動して待機させる。この待機位置Wpは処理トレイ28に搬入されるシートの幅サイズから所定量離れた位置(整合動作幅を形成する位置)に設定されている。
そこで制御手段65は排紙口24から搬入されたシートの後端が後端規制ストッパ30に到達する見込み時間の後(排紙センサS2から所定時間経過後)左右の整合モータMz1,Mz2を反対方向に所定量ずつ同期回転し、左右の整合板32L,32Rを整合位置(図5(b)Ap)に移動する。これによって処理トレイ上に搬入されたシートは幅寄せ整合される。
[後処理手段]
上記処理トレイ28に配置される後処理手段37について説明する。この後処理手段37は、図3に示すように後端規制ストッパ30に突当て規制されたシート(束)に後処理を施すように排紙ユニットBのケーシング8に内蔵されている。図示の後処理手段37はステップル手段で構成されている。ステップル手段(装置)は良く知られているのでその説明を省くが、カートリッジ内に収納されている帯状に連結されたステップル針(ブランク)をコの字状に折り曲げてドライバ部材でシート束に刺入する。この針先をドライバ部材に対向して配置されたアンビル部材で折り曲げるユニットで構成されている。
そのユニットフレーム10には駆動カムとステップルモータがマウントされ、後述する後処理制御部(制御CPU)65からの指示信号でドライバ部材を降下させてステップル動作を実行するようになっている。上記ユニットフレー10はガイドレール38a、38bに摺動可能に嵌合支持され、処理トレイ28上のシート(束)の幅方向に位置移動可能に構成されている。またユニットフレーム9にはスクリシャフト39が固定配置され、図示しない駆動モータでステップル手段37をシート幅方向に位置移動するようになっている。
[スタックトレイの構成]
スタックトレイ29の構成について説明する。このスタックトレイ29は処理トレイ28の下流側に配置され、シートの積載量に応じて昇降するトレイ部材で構成されている。図2(a)に全体構成を示すように、シートを載置する載置面29aを有するトレイ部材29は、装置フレームに固定されたトレイフレーム44に昇降可能に支持されている。つまり互いに支軸45で連結された一対のリンクリンクレバー46a、46bが設けられ、各レバー基端部はトレイフレーム44に揺動可能に軸支持されている。
そしてリンクレバー46a、46bの先端部にトレイ部材(スタックトレイ:以下同様)29がスリット−ピン連結によって支持されている。トレイ部材側には嵌合スリット29b、29cが設けられ、このスリットにリンクレバー46a、46bの先端部がピン46c、46dで連結されている。
そして一方のリンクレバー46aの支持軸にはリフトモータMLがウオームギアを介してギア連結されている。従ってリフトモータMLの正逆転でリンクレバー46aが図2左右方向に揺動し、これに従動してリンクレバー46bが同一量反対方向に揺動し、トレイ部材29は平行姿勢で上下動することとなる。上記トレイ部材29には紙面位置を検出する紙面検知手段47が設けられている。
[紙面検知手段の構造]
紙面検知手段47の構造を図4に示すが、トレイ部材29のシート搬入口(同図右端)に配置され、載置面29a上に堆積されたシートの最上面を位置検出する。このため最上シートと当接する紙面検出レバー47aと、この紙面検出レバー47aをシート搬入時には載置面から退避させ、シート搬入後にシート面と接触させる作動ソレノイド48と、紙面検出レバー47aの検出位置を検知するセンサ49a、49bで構成されている。
紙面検出レバー47aは装置フレームに支軸47bで揺動可能に支持され、スプリング50で常時退避位置側に付勢されている。この紙面検出レバー47aにはフラグ47cが一体的に設けられ、このフラグ47cの回転変位を第1センサ49aと第2センサ49bでON−OFF検出する。
そして紙面検出レバー47aは作動ソレノイド48で上記スプリング50に抗して退避位置から検出位置(図4実線状態)にシフトし、このときトレイ上の最上紙面の位置を検出するように構成されている。そして上記第1、第2センサ49a、49bとフラグ47cとは、図4に示す第1センサ49aが「OFF」、第2センサ49bが「ON」のとき、この位置をホームポジションに設定してある。
従って第1第2センサ49a、49bの両方が「ON」のときには、検知紙面は高過ぎるためトレイ部材29を所定量下降させる。また第1第2センサ49a、49bの両方が「OFF」のときには、検知紙面は低過ぎるためトレイ部材29を所定量上昇させる。尚図示51はトレイ部材29の下限位置を検出する下限センサである。
上記紙面検知手段47の検知信号で上記スタックトレイ29の載置面29aを上下動する。このトレイの上下昇降は、前述のリフトモータMLを制御する。リフトモータMLを例えば、DCモータで構成する場合には、モータへの電源供給時間で回転量を制御するか、或いはモータ回転軸にエンコーダを設けてエンコーダパルスで回転量を制御する。またリフトモータをパルスモータで構成する場合には電源パルスで回転量を制御する。
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を図9のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)60と後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)65を備えている。本体制御部60は印字制御部61と給紙制御部62と入力部(コントロールパネル)63を備えている。
そしてこの入力部(コントロールパネル)63から「画像形成モード」と「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードはカラー・モノクロ印刷、両面・片面印刷などのモード設定と、シートサイズ、シート紙質、プリントアウト部数、拡大・縮小印刷、などの画像形成条件を設定する。また「後処理モード」は、例えば「プリントアウトモード」「ステップル仕上げモード」「製本綴じ仕上げモード」などに設定する。
また、本体制御部60は後処理制御部65に後処理の仕上げモードとシート枚数、部数情報と綴じモード(1個所止綴じか2個所以上複数綴じか)情報、及び画像形成するシートの紙厚情報などをデータ転送する。これと同時に本体制御部60は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部65に転送する。
上述の後処理モードについて説明すると、上記「プリントアウトモード」は排紙口24からのシートを、後処理を施すことなくスタックトレイ29に収容する。この場合にはシートを処理トレイ28に部揃え集積することなく、排紙口24から直接スタックトレイ29に搬出する。上記「ステップル仕上げモード」は、排紙口24からのシートを処理トレイ28上に集積して部揃えし、このシート束にステップル手段37で綴じ仕上げした後に、スタックトレイ29に収容する。この場合には画像形成されるシートは原則として同一紙厚さで同一サイズのシートにオペレータによって指定される。
上記「製本綴じ仕上げモード」は、画像形成装置Aで画像形成されたシートを処理トレイに部揃え集積し、最後に表紙シートを画像形成装置Aで画像形成して処理トレイ上のシートに重ね合わせ、ステップル綴じした後に、スタックトレイ29に収容する。この場合には表紙シートは給紙カセットに準備された厚紙シートがオペレータによって指定される。
[後処理制御部]
後処理制御部65は、指定された後処理モードに応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU65(制御手段;以下同様)で構成される。この制御部には、動作プログラムを記憶したROM66と、制御データを記憶するRAM66が備えられている。
上記動作プログラムは、装置起動時の初期化(イニシャライズ)時に、ブラケット34が退避位置Wpに位置するか否かをポジションセンサ34Sからの信号で判別する。そしてこのセンサ信号がOFFときには昇降モータMSを上昇方向に起動してブラケット34を退避位置に位置決めする動作を実行するように構成されている。そしてこの動作プログラムは、搬入センサS1でシート先端を検知した信号で、排紙ローラ25を回転駆動し、これと共にアライニング手段40の摩擦回転体40vを回転駆動するように構成されている。
上記動作プログラムは、排紙センサS2がシート後端を検知した信号で、タイマTを起動し、このタイマTのタイムアップ信号で昇降モータMSを下昇方向に起動してブラケット34を揺動させて正逆転ローラ35を退避位置Wpから作動位置Fp降下する。この正逆転ローラ35が作動位置Fpに到達する前に正逆転モータMRを図2反時計方向に回転するように構成されている。
[排紙動作フロー]
上述のように構成された制御手段65の作用について図9に示すフローチャートに従って説明する。装置電源が投入される(St01)と排紙ユニットBは画像形成装置Aと共にイニシャル動作を実行する(St02)。このイニシャル動作では制御手段65は、正逆転ローラ35を待機位置Wpに位置決めする。
次に制御手段65は画像形成装置Aで画像形成されたシート先端が搬入センサS1に到達するのを検知する(St03)。このセンサS1からのシート先端検知信号で制御手段65は、排紙ローラ25を排紙方向に回転駆動する(St04)。これと共に、後処理モードが前述のプリントアウトモードかステップル仕上げモードか製本綴じ仕上げモードに設定されているときには、経路切換えフラッパ26を図3の状態にシフトする。これによってシートは経路排紙口24に案内される。また、割り込みモードに設定されているときは経路切換えフラッパ26でシートをイジェクト経路P4に案内する。上記排紙ローラ25の回転で摩擦回転体40vも排紙方向に回転起動する(St05)。
そしてシートが排紙ローラ25に到達すると、その回転で処理トレイ28上に先端から徐々に搬出される。このとき制御手段65はシート後端を排紙センサS2が検出した検出信号でタイマTを起動する。このタイマTはCPU内部クロックをカウントするか、或いは外部i備えたクロックをカウントする。このタイマ起動の前に制御手段65は、RAM66からタイマ時間を呼び出して画像形成装置Aから転送された前述の画像形成条件に応じてタイマ時間Ttを設定する。
次に制御手段65は排紙センサS2がOFFし、シート後端がセンサを通過したか否かを判断する(St06)。そしてシート後端がセンサ位置を通過したセンサ信号でタイマを起動して時間計測する(St07)。そして制御手段65は設定したタイマ時間Ttが経過した段階(St08)で、前述の昇降モータMSを下降方向に回転駆動する。するとブラケット34に支持された排紙回転体35は退避位置Wpから作動位置Fpに降下を開始する。このタイマ時間Ttの経過直後(同時であっても良い)に制御手段65は正逆転モータMRを回転駆動する(St10)。この回転方向はシートを後端規制ストッパ30側に移送する排紙方向と反対方向に設定する。
このような制御で排紙口24を通過したシートはその後端が処理トレイ上に着地している。このとき排紙回転体35を退避位置Wpからこのシートと係合する作動位置Fpにシフトする(St11)。そして排紙回転体35の回転でシートは後端規制ストッパ30に向かって移送される(St12)。このときアライニング手段40もシートを同方向に送ってその移動をアシストする。そこでシート後端は図8に示すように後端規制ストッパ30に突き当て整合される。
A 画像形成装置
B シート後処理装置(排紙ユニット)
P3 排紙経路
P4 イジェクト経路
MR 正逆転モータ
S1 搬入センサ
S2 排紙センサ
24 排紙口
25 排紙ローラ
25a ローラ対
25b ローラ対(駆動側ローラ)
28 処理トレイ
28a 紙載面
29 スタックトレイ(トレイ部材)
29a 載置面
30 後端規制ストッパ(シート端規制手段)
30a シート端規制面
30b シート迫上げ規制面
30c 先端押圧片
31 シート移送手段
32 サイド整合手段
33 揺動回転軸
34 ブラケット(昇降支持手段)
34u 上限ストッパ
34S ポジションセンサ
35 正逆転ローラ(排紙回転体)
36 従動ローラ
37 後処理手段
40 アライニング手段
40v アライニングベルト
41 先端ガイド部材(フィルム部材)
42 回転軸(42A,42B)
42o 回転中心
40p シート係合点
41p シート係合点
43 揺動レバー
43A 第1揺動レバー
43B 第2揺動レバー
43L 折り曲げ片
43N 連結部
65 後処理制御部
66 RAM
67 ROM

Claims (6)

  1. 排紙口と、
    前記排紙口の下流側に配置されシートを一時的に集積する処理トレイ手段と、
    前記処理トレイ手段の下流側に配置され前記処理トレイ手段からのシートを収納するスタックトレイと、
    前記処理トレイ手段上に配置されシートの後端縁を位置規制するストッパ手段と、
    前記処理トレイ手段上に配置され、前記排紙口からのシートを前記ストッパ手段に向けて移送するシート移送手段と、
    前記シート移送手段と前記ストッパ手段との間に配置され、このシート移送手段で送られたシートをストッパ手段に突き当て移送するアライニング手段と、
    を備え、
    前記アライニング手段は、
    前記処理トレイ上のシートと係合して前記ストッパ手段に移送する摩擦回転体と、
    前記摩擦回転体と前記ストッパ手段との間に位置してこのストッパ手段にシート先端を案内する先端ガイド部材と、
    前記摩擦回転体と先端ガイド部材とを揺動可能に支持する揺動部材と、
    で構成され、
    前記揺動部材の揺動回転中心は、前記先端ガイド部材に作用するシートの迫り上げ力で揺動して前記摩擦回転体とシートとの圧接力を軽減する位置に配置されている、ことを特徴とするシート後処理装置。
  2. 前記揺動部材は、装置フレームに回転自在に支持された揺動軸支部を備え、当該揺動軸支部を中心に前記摩擦回転体と先端ガイド部材とが自重で前記処理トレイ上のシートと係合するように前記装置フレームに軸受支持されていることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
  3. 前記揺動軸支部は、前記装置フレームに回転自在に支持された第1揺動軸支部及び第2揺動支部を備え
    前記揺動部材は、
    前記第1揺動軸支部に支持され、前記摩擦回転体を揺動可能に支持する第1揺動レバーと、
    前記第2揺動軸支部に支持され、前記先端ガイド部材を揺動可能に支持する第2揺動レバーと、をさらに備え、
    前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーは、前記シート移送手段により前記ストッパ手段に向かうシートの移動方向において、前記第1揺動レバー、前記第2揺動レバーの順に配置されていることを特徴とする請求項に記載のシート後処理装置。
  4. 前記第1の揺動レバー及び前記第2の揺動レバーは、前記先端ガイド部材の高さ位置に応じて前記摩擦回転体の高さ位置が従動するように連結されていることを特徴とする請求項3に記載のシート後処理装置。
  5. 前記摩擦回転体は、前記処理トレイ手段上のシートの積載量に応じてシートとの係合高さが変化するベルト部材で構成され、
    前記ベルト部材にはシートを前記ストッパ手段に向けて移送する駆動力が付与されていることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
  6. 順次シート上に画像形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置からのシートに後処理を施すシート後処理装置と、
    から構成され、
    前記シート後処理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。
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