JP4138176B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレームに支持されるエンジンに、後輪を軸支するリヤスイングアームの前端部が支軸を介して揺動可能に支承される自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる自動二輪車は、たとえば特開平10−115226号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、エンジンから突出した支軸の両端に、リヤスイングアームがその前端部に備える左右一対の軸支部が揺動可能に支承されており、前記支軸において前記両軸支部を支承する部分はエンジンによる片持ち支持である。このため、リヤスイングアームのエンジンへの支持剛性を高くするには、支軸等を強固にする必要があり、重量の増加を招いていた。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、重量増加を招くことなくリヤスイングアームのエンジンへの支持剛性を高めるとともに、エンジンおよびリヤスイングアーム間に設けられるリンク機構の支持剛性をも高めた自動二輪車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体フレームに支持されるエンジンに、後輪を軸支するリヤスイングアームの前端部が支軸を介して揺動可能に支承される自動二輪車において、前記車体フレームより分離独立して配置されるアーム支持部材が、エンジンに支持した前記支軸の両端に上端部がそれぞれ固定されて上下方向に延びる左右一対のブラケットと、その両ブラケットの下端部間を一体に連結するクロスパイプとで構成され、そのアーム支持部材は、前記支軸よりも下側で前記クロスパイプ上において第1のボルトを介してエンジンの後部を固定する第1の突部と、同クロスパイプの前部において第2のボルトを介してエンジンの後部を固定する第2の突部と、同クロスパイプの後部において、一端が前記リヤスイングアームに連結されるリンク機構の他端を連結するリンク連結部とを一体に有しており、前記リヤスイングアームの前端部に設けられる左右一対の軸支部がエンジンに車体フレームを介さずに支持されるように、該左右一対の軸支部が、前記両ブラケットおよびエンジン間で前記支軸に揺動可能に支承され、前記リンク機構に下端を連結したリヤクッションユニットの上端が、前記支軸よりも上側で車体フレームに連結されることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、車体フレームより分離独立して配置されるアーム支持部材は、エンジンに支持した支軸を介してエンジンに支持されるとともに、支軸から下方に離れた位置(即ちアーム支持部材におけるクロスパイプの上記第1,第2の突部)でもエンジンに支持されており、エンジンと、アーム支持部材における左右ブラケットとの間で、リヤスイングアームの前端部の両軸支部が支軸に揺動可能に支承されるので、支軸の重量の増加を回避しつつリヤスイングアームのエンジンへの支持剛性を高めることができ、しかもエンジンに車体フレームを介さずに強固に支持されたアーム支持部材で、リンク機構を強固に支持することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記アーム支持部材に、排気マフラーを含む前記エンジンの排気系を支持する排気系支持部と、サイドスタンドを回動可能に支承するサイドスタンドブラケットを取付けるブラケット取付け部と、ステップを支持するホルダを取付けるホルダ取付け部とが設けられることを特徴とし、かかる構成によれば、エンジンの排気系、サイドスタンドおよびステップがアーム支持部材に支持されることになり、前記排気系、サイドスタンドおよびステップをそれぞれ支持すための専用の支持部材を不要として部品点数を低減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の側面図、図2はリヤスイングアームの支持構造を示す側面図、図3は図2の横断平面図、図4はアーム支持部材への部品取付け構造を示すための図2に対応した側面図、図5は図2の5矢視図、図6は図2の6−6線断面図、図7は図2の7−7線断面図、図8はリヤスイングアームにおける第2アームの成形過程を示す斜視図、図9は図2の9部拡大図である。
【0010】
先ず図1において、この自動二輪車の車体フレームFは、エンジンEが搭載される前部フレーム11と、該前部フレーム11の後端部に結合される後部フレーム12とで構成されるものであり、前部フレーム11が前端に備えるヘッドパイプ13には、前輪WFを軸支するフロントフォーク18が操向可能に支承され、フロントフォーク18の上端にはバーハンドル19が連結される。
【0011】
前部フレーム11には、車体フレームFの幅方向に複数気筒たとえば4気筒を並列配置した多気筒のエンジンEが支持される。該エンジンEにおけるクランクケース20の後部にはアーム支持部材21が支持されており、後輪WRを軸支するリヤスイングアーム22の前端部が、前記アーム支持部材21に支軸23を介して揺動可能に支持される。またアーム支持部材21およびリヤスイングアーム22間にはリンク機構24が設けられ、このリンク機構24に下端が連結されるリヤクッションユニット25の上端が、前記支軸23よりも上側で前部フレーム11の後部に連結される。
【0012】
前記エンジンEに内蔵された変速機の出力軸26からの動力は、チェーン伝動手段27を介して後輪WRに伝達されるものであり、該チェーン伝動手段27は、前記出力軸26に固定される駆動スプロケット28と、後輪WRに固定される被動スプロケット29と、それらのスプロケット28,29に巻掛けられる無端状のチェーン30とで構成され、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でエンジンEの左側に配置される。
【0013】
エンジンEの上方には、前部フレーム11および後部フレーム12の前部で支持される燃料タンク31が配置され、この燃料タンク31およびエンジンE間にエアクリーナ32が、またエンジンEの前方にラジエータ33が配置される。
【0014】
エンジンEのシリンダヘッド34に接続される複数たとえば4本の排気管35,35…は、エンジンEの前方側からエンジンEの下方を経て後輪WRの右側に延出されるものであり、後輪WRの右側に配置された排気マフラー36に接続される。
【0015】
後部フレーム12は、前部フレーム11の後端から後上がりに延びる左右一対のリヤステー37…と、それらのリヤステー37…の上方で前部フレーム11の後端から後上がりに延びてリヤステー37…の後端に結合される左右一対のシートレール38…とを備え、ライダーを座乗させるためのメインシート39が燃料タンク31の後方でシートレール38…に支持され、同乗者を乗せるためのピリオンシート40が前記メインシート39から後方に離れた位置でシートレール38…に支持される。
【0016】
前部フレーム11におけるヘッドパイプ13の前方は、合成樹脂から成るフロントカウル42で覆われ、車体の前部両側が、前記フロントカウル42に連なる合成樹脂製のセンターカウル43で覆われ、排気管35,35…のうちエンジンEの下方に配置される部分を両側から覆う合成樹脂製のロアカウル44が前記センターカウル43に連設される。またフロントカウル42における上部の左右両側部には、後方確認用のミラー45…が取付けられる。
【0017】
後部フレーム12には、後輪WRの上方を覆うリヤフェンダー46が取付けられており、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダー47はフロントフォーク18に取付けられる。また後部フレーム12およびリヤフェンダー46の大部分はリヤカウル48で覆われる。
【0018】
図2〜図6において、アーム支持部材21は、エンジンEにおけるクランクケース20の後部の両側で上下に延びる左右一対のブラケット52,53と、それらのブラケット52,53の下端部間を連結するクロスパイプ54とを一体に有して鋳造成形される。
【0019】
支軸23は、一端(図6の左端)に拡径頭部55aを有するボルト55の他端(図6の右端)にナット56が螺合されて成るものであり、ボルト55は、エンジンEにおけるクランクケース20の後部を水平に貫通することで該クランクケース20に支持される。
【0020】
アーム支持部材21における両ブラケット52,53の少なくとも一方(この実施例では両方)の上端部には、支軸23の両端である拡径頭部55aおよびナット56を挿通させる軸孔57,60と、該軸孔57,60の内面に連なって上方に開放するすり割り58,61とが設けられるとともに、すり割り58,61の幅を狭めて軸孔57,60を縮径する締付ボルト59,62が螺合される。
【0021】
リヤスイングアーム22は、その前端に左右一対の軸支部63,64を備えるものであり、一方の軸支部63は、アーム支持部材21のブラケット52およびクランクケース20の後部間で前記支軸23にニードルベアリング65を介して揺動可能に支承され、また他方の軸支部64は、アーム支持部材21のブラケット53およびクランクケース20の後部間で前記支軸23にボールベアリング66を介して揺動可能に支承される。
【0022】
支軸23は、拡径頭部55aをニードルベアリング65における内輪65aの外端に当接させるとともにナット56をボールベアリング66における内輪66aの外端面に当接させるまでナット56を締付けることで、リヤスイングアーム22の両軸支部63,64との間の軸方向相対位置が定められることになり、その状態で、前記締付けボルト59,62を締付けることにより、両ブラケット52,53の上端部が支軸23の両端に固定される。
【0023】
アーム支持部材21におけるクロスパイプ54の上部には車体の幅方向に間隔をあけた左右一対の突部67,68が突設されており、両突部67,68間に配置されるクランクケース20の後下部に、一端に拡径頭部69aを有するボルト69が挿通され、該ボルト69の他端には突部68の外面に係合するナット70が螺合される。
【0024】
一方の突部67には、ボルト69の拡径頭部69aを挿通させる軸孔71と、該軸孔71の内面に連なって上方に開放するすり割り72とが設けられるとともに、すり割り72の幅を狭めて軸孔71を縮径する締付ボルト73が螺合され、他方の突部68には、ボルト69を挿通させる軸孔74が設けられる。
【0025】
而して軸孔71に挿通された拡径頭部69aをクランクケース20の後下部側面に当接させるまでナット70を締付けることで、ボルト69の軸方向位置が定められ、この状態で締付けボルト73を締付けることにより、クロスパイプ54がエンジンEのクランクケース20に支持されることになる。
【0026】
またアーム支持部材21の両ブラケット52,53には、前記ボルト69およびナット70の挿脱ならびに締付操作を可能とすための円形の開口部75,76が設けられる。
【0027】
さらにアーム支持部材21におけるクロスパイプ54の前部には車体の幅方向に間隔をあけた左右一対の突部77…が突設されており、両突部77…間に配置されるクランクケース20に、前記両突部77…がボルト78およびナット(図示せず)により連結される。
【0028】
すなわちアーム支持部材21におけるクロスパイプ54は、前記支軸23から下方に離れた2箇所でもクランクケース20に支持されることになり、これによりアーム支持部材21が、支軸23の軸線まわりに揺動することなくエンジンEに強固に支持されることになる。
【0029】
図2、図3および図5に注目して、リンク機構24は、三角形状に形成される第1リンク部材80と、直線状に延びる第2リンク部材81とで構成されるものであり、三角形の一つの頂点に対応する部分で第1リンク部材80がボルト82およびナット83によりリヤスイングアーム22の下部に連結される。また前記三角形の他の頂点に対応する部分で第1リンク部材80には、リヤクッションユニット25の下端部25aが、ボルト84およびナット85を介して連結される。さらに前記三角形の残余の頂点に対応する部分で第1リンク部材80には第2リンク部材81の一端がボルト86およびナット87を介して連結される。
【0030】
一方、図6に明示するように、アーム支持部材21におけるクロスパイプ54の後部には、第2リンク部材81の他端部を相互間に挟む左右一対のリンク連結部88,89が突設されており、両リンク連結部88,89には軸孔90,91が同軸に穿設され、軸孔91は軸孔90よりも大径に形成される。
【0031】
一方の前記軸孔91には、他方の軸孔90に挿通されるボルト92の一端の拡径頭部92aが挿入され、リンク連結部88の外側面に係合するナット93がボルト92の他端に螺合される。第2リンク部材81の他端部は、両リンク連結部88,89間でボルト92にニードルベアリング94を介して回動可能に連結される。而してニードルベアリング94の内輪94aをリンク連結部88および拡径頭部92a間で挟み込むようにナット93を締付けることで、両リンク連結部88,88間で第2リンク部材81ががたつくことを回避しつつ、第2リンク部材81の他端をアーム支持部材21に回動可能に連結することができる。
【0032】
図4に特に注目して、サイドスタンド95は、サイドスタンドブラケット96に跳ね上げ可能に支持されるものであり、サイドスタンド95およびサイドスタンドブラケット96間には、サイドスタンド95を跳ね上げ方向に付勢するばね97が設けられている。しかも前記サイドスタンドブラケット96は、アーム支持部材21に取付けられるものであり、該アーム支持部材21が備える両ブラケット52,53のうち左側のブラケット52の下端部側面に、前記サイドスタンドブラケット96をボルト98,98で取付けるための平面状のブラケット取付け部99が設けられる。
【0033】
メインシート39に座乗したライダーが足を載せるための左右のステップ100…は、ホルダ101…で支持されるものであり、アーム支持部材21が備える両ブラケット52,53の後部には、前記ホルダ101…を取付けるための上下一対のホルダ取付け部102,103…が、それぞれ突設される。
【0034】
左側のホルダ101には、ライダーが左足で操作するチェンジペダル104が、ステップ100と同軸の軸線まわりに回動可能に支承されており、このチェンジペダル104は、リンク105を介してエンジンE内の変速機に連結される。
【0035】
また右側のホルダ101には、ライダーが右足で操作するブレーキペダル(図示せず)が、ステップ100と同軸の軸線まわりに回動可能に支承される。
【0036】
排気管35…および排気マフラー36を含むエンジンEの排気系107のうち、排気マフラー36よりもわずかに上流側の部分には、支持板108が溶接されており、この支持板108は、アーム支持部材21におけるクロスパイプ54の右側後部に突設される排気系支持部109に締結される。すなわち排気系107は支持板108を介してアーム支持部材21の排気系支持部109に支持される。
【0037】
さらにロアカウル44の左側を締結するためのカウル支持部110Lが、アーム支持部材21におけるクロスパイプ54の下部に突設されるとともに、ロアカウル44の右側を締結するためのカウル支持部110Rが、アーム支持部材21におけるブラケット53の下部に設けられており、ロアカウル44もアーム支持部材21で支持される。
【0038】
図7を併せて参照して、リヤスイングアーム22は、支軸23を介してエンジンEのクランクケース20に揺動可能に支承される左右一対の軸支部63,640を前端に一体に有して箱形に鋳造成形されるクロスメンバー111と、該クロスメンバー111の両側後端に溶接されて後方に延びる第1および第2アーム112,113とを備え、第1および第2アーム112,113の後端部間に後輪WRが軸支される。
【0039】
クロスメンバー111の左側下部には、エンジンEの動力を後輪WRに伝達するためのチェーン30の上下走行位置間に突入するように張出す張出し部111aが一体に設けられており、このクロスメンバー111のチェーン30側後端下部すなわち前記張出し部111aの後端に、角形断面を有する第1パイプ114の前端部が溶接され、この第1パイプ114はクロスメンバー111から後方に延びる。第1アーム112は、前記第1パイプ114と、角形断面を有する第2パイプ115とで構成されるものであり、クロスメンバー111のチェーン30側後端上部に第2パイプ115の前端部が溶接され、クロスメンバー111から後方に延びる第2パイプ115の後端は第1パイプ114の後端に溶接される。しかも第1および第2パイプ114,115の中間部間は補強部材117で連結される。
【0040】
第2パイプ115の前端部は、前記張出し部111aとの間にチェーン30を配置するスペース116を形成するようにして曲げられており、チェーン30は前記スペース116を経て第1アーム112の内方側に配置される。
【0041】
第2アーム113は、中空の角形断面を有するものであり、その内側面には、第2アーム113内を複数たとえば2つに区画して第2アーム113を補強するリブ118が一体に設けられる。
【0042】
第2アーム113は、長手方向全長にわたって同一の横断面形状を有するように押出し成形された後に、スェージング加工を施すことで、上面113aを後下りの傾斜面とするように形成される。
【0043】
図8において、押出し成形されたワーク113′のスェージング加工にあたっては、分割成形型119およびパンチ型120が用いられる。分割成形型119は、相互の近接・離反が可能である上型121および下型122を備えるものであり、両型121,122の対向面には、型閉じ時に第2アーム113の外面形状を共働して成形するための凹部123,124が設けられる。
【0044】
パンチ型120は、第2アーム113の上部内面を成形するための成形部125と、第2アーム113の下部内面を成形するための成形部126とを備えるものであり、型閉じ状態にある分割成形型119内への挿嵌時の移動端を規制するストッパ127がパンチ型120に設けられる。
【0045】
ワーク113′を上型121および下型122間に挿入して両型121,122をクランプして型閉じ状態とし、両型121,122が備える凹部123,124のパンチ型120とは反対側の端部をストッパ128で閉じ、図示しないシリンダでパンチ型120を両型121,122間に加圧しつつ挿嵌することにより、第2アーム113が形成される。
【0046】
このようにして形成された第2アーム113の上下方向の幅は前端で最大となるが、該第2アーム113の前端部の上下方向全長が、チェーン30とは反対側でクロスメンバー111の後端に溶接される。
【0047】
リヤスイングアーム22における第1および第2アーム112,113の後端には軸受部材130,131が溶接されており、後輪WRの車軸132が両軸受部材130,131で支持される。
【0048】
両軸受部材130,131の外面側には、カラー134,135が前後方向に摺動可能に保持されており、車軸132の両端部がそれらのカラー134,135に挿通、保持される。
【0049】
図9において、一方のカラー134は、基本的には直角四辺形状を有するが外側面には肉抜き部136,137…が形成されるようにして押出し成形されるものであり、該カラー134の上下両面の中央部には肉抜き部136…から上方に突出する合わせマーク138…が設けられる。一方、前記カラー134の上面に対応して軸受部材130には、前後方向に間隔をあけた目盛り139が設けられており、この目盛り139に前記合わせマーク138を合わせることで、カラー134の前後方向位置を確認することができる。
【0050】
他方のカラー135も、前記カラー134と同一の形状を有して押出し成形されるものであり、軸受部材131にも前記目盛り139が設けられている。
【0051】
ところで車軸132の一端には前記カラー134の外側面に係合する拡径部132aが設けられており、カラー135から突出した車軸132の他端に、カラー135に係合するナット133が螺合される。
【0052】
第1および第2アーム112,113の後端には、前記カラー134,135に前方側から当接する調節ボルト140,140が前後方向の進退を可能として螺合されており、これらの調節ボルト140,140の進退位置を調節することで、カラー134,135の前後方向位置すなわち車軸132の前後方向位置を調節することができ、それによりチェーン30の張り具合を調節することができる。しかも各調節ボルト140,140には止めナット141,141が螺合されており、それらの止めナット141,141を第1および第2アーム112,113の後端に当接、係合せしめることにより、調節ボルト140,140の進退位置を保持することができる。
【0053】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンEのクランクケース20に支持される支軸23の両端に固定される左右一対のブラケット52,53と、それらのブラケット52,53の下端部間を一体に連結するクロスパイプ54とでアーム支持部材21が構成され、支軸23から下方に離れた2箇所でクロスパイプ54が前記クランクケース20に支持されている。しかも後輪WRを軸支するリヤスイングアーム22の前端部に設けられる左右一対の軸支部63,64が、前記両ブラケット52,53およびクランクケース20間で前記支軸23に揺動可能に支承される。
【0054】
したがって、エンジンEと、該エンジンEの複数箇所に強固に支持されたアーム支持部材21との間で、リヤスイングアーム22の前端部の両軸支部63,64が支軸23に揺動可能に支承されることになり、支軸23の重量増加を回避しつつリヤスイングアーム22のエンジンEへの支持剛性を高めることができる。
【0055】
しかもアーム支持部材21およびリヤスイングアーム22間にリンク機構24が設けられるので、エンジンEに強固に支持されたアーム支持部材21でリンク機構24を強固に支持することができる。
【0056】
また両軸支部63,64との間の軸方向相対位置を定めてクランクケース20を貫通する支軸23の両端を挿通させる軸孔57,60が両ブラケット52,53に設けられ、両ブラケット52,53の少なくとも一方(この実施例では両方)には、ブラケット52,53が備える軸孔57,60の内面に連なるすり割り58,61が設けられるとともに、該すり割り58,61の幅を狭めて軸孔57,60を縮径する締付ボルト59,62が螺合されている。
【0057】
このため支軸23が支持される部分でのクランクケース20の両側面と両ブラケット52,53との間の間隔の精度、ならびに両軸支部63,64の幅の精度にかかわらず、支軸23の軸線に沿う方向での両軸支部63,64の位置決めを容易としつつ、支軸23の両端へのブラケット52,53の固定を容易とすることができる。
【0058】
さらにアーム支持部材21には、排気マフラー36を含む排気系107を支持する排気系支持部109と、サイドスタンド95を回動可能に支承するサイドスタンドブラケット96を取付けるブラケット取付け部99と、ステップ100…を支持するホルダ101…を取付ける上下一対ずつ2組のホルダ取付け部102,103…と、ロアカウル44を締結するためのカウル支持部110L,110Rとが設けられるので、前記排気系107、サイドスタンド95、ステップ100…およびロアカウル44がアーム支持部材21に支持されることになり、排気系107、サイドスタンド95、ステップ100…およびロアカウル44をそれぞれ支持すための専用の支持部材を不要として部品点数を低減することができる。
【0059】
リヤスイングアーム22は、箱形のクロスメンバー111と、該クロスメンバー111のチェーン30側後端下部に前端部が溶接されて後方に延びる第1パイプ114と、チエーン30を配置するスペース116をクロスメンバー111との間に形成するようにして該クロスメンバー111のチェーン30側後端上部に前端部が溶接されて後方に延びるとともに第1パイプ114と共働して第1アーム113を構成すべく第1パイプ114の後端に溶接される第2パイプ115と、チェーン30とは反対側でクロスメンバー111の後端の上下方向全長にわたって前端部が溶接されて後方に延びるとともに上面113aが後下がりに傾斜した第2アーム113とを備え、後輪WRが第1および第2アーム112,113の後端部間に軸支されている。
【0060】
このような構成のリヤスイングアーム22によれば、チェーン30を配置するスペース116を確保しつつクロスメンバー111を充分に高くして、充分な捩り剛性をリヤスイングアーム22に持たせることが可能となる。しかも第2アーム113が、押出し成形後のスェージング加工により中空の角形断面形状を有するように形成されているので、第2アーム113の軽量化ひいてはリヤスイングアーム22の軽量化を図ることができる。
【0061】
また後輪WRの車軸132を支持してリヤスイングアーム22の後端の軸受部材130,131に前後方向摺動可能に支持されるカラー134,135が、押出し成形されるものであるので、それらのカラー134,135の外側面の肉抜きブラケット136…,137…および合わせマーク138…を、機械加工なしに容易に形成することができる。
【0062】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、車体フレームより分離独立して配置されるアーム支持部材は、エンジンに支持した支軸を介してエンジンに支持されるとともに、支軸から下方に離れた位置(即ちアーム支持部材におけるクロスパイプの上記第1,第2の突部)でもエンジンに支持され、そのエンジンと、アーム支持部材における左右ブラケットとの間で、リヤスイングアームの前端部の両軸支部が支軸に揺動可能に支承されるので 、支軸の重量増加を回避しつつリヤスイングアームのエンジンへの支持剛性を高めることができ、しかもエンジンに車体フレームを介さずに強固に支持されたアーム支持部材で、リンク機構を強固に支持することができる。
【0064】
また請求項2記載の発明によれば、エンジンの排気系、サイドスタンドおよびステップがアーム支持部材に支持されることになり、前記排気系、サイドスタンドおよびステップをそれぞれ支持すための専用の支持部材を不要として部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動二輪車の側面図である。
【図2】 リヤスイングアームの支持構造を示す側面図である。
【図3】 図2の横断平面図である。
【図4】 アーム支持部材への部品取付け構造を示すための図2に対応した側面図である。
【図5】 図2の5矢視図である。
【図6】 図2の6−6線断面図である。
【図7】 図2の7−7線断面図である。
【図8】 リヤスイングアームにおける第2アームの成形過程を示す斜視図である。
【図9】 図2の9部拡大図である。
【符号の説明】
21・・・アーム支持部材
22 ・・リヤスイングアーム
23・・・支軸
24・・・リンク機構
25・・・リヤクッションユニット
36・・・排気マフラー
52,53・・左右一対のブラケット
54・・・クロスパイプ
63,64・・軸支部
67,68・・第1の突部
69・・・第1のボルト
77・・・第2の突部
78・・・第2のボルト
88,89・・リンク連結部
95・・・サイドスタンド
96・・・サイドスタンドブラケット
99・・・ブラケット取付け部
100・・ステップ
101・・ホルダ
102,103・・ホルダ取付け部
107・・排気系
109・・排気系支持部
E・・・・エンジン
F・・・・車体フレーム
WR・・・後輪
Claims (2)
- 車体フレーム(F)に支持されるエンジン(E)に、後輪(WR)を軸支するリヤスイングアーム(22)の前端部が、支軸(23)を介して揺動可能に支承される自動二輪車において、
前記車体フレーム(F)より分離独立して配置されるアーム支持部材(21)が、エンジン(E)に支持した前記支軸(23)の両端に上端部がそれぞれ固定されて上下方向に延びる左右一対のブラケット(52,53)と、その両ブラケット(52,53)の下端部間を一体に連結するクロスパイプ(54)とで構成され、
そのアーム支持部材(21)は、前記支軸(23)よりも下側で前記クロスパイプ(54)上において第1のボルト(69)を介してエンジン(E)の後部を固定する第1の突部(67,68)と、同クロスパイプ(54)の前部において第2のボルト(78)を介してエンジン(E)の後部を固定する第2の突部(77)と、同クロスパイプ(54)の後部において、一端が前記リヤスイングアーム(22)に連結されるリンク機構(24)の他端を連結するリンク連結部(88,89)とを一体に有しており、
前記リヤスイングアーム(22)の前端部に設けられる左右一対の軸支部(63,64)がエンジン(E)に車体フレーム(F)を介さずに支持されるように、該左右一対の軸支部(63,64)が、前記両ブラケット(52,53)およびエンジン(E)間で前記支軸(23)に揺動可能に支承され、
前記リンク機構(24)に下端を連結したリヤクッションユニット(25)の上端が、前記支軸(23)よりも上側で車体フレーム(F)に連結されることを特徴とする、自動二輪車。 - 前記アーム支持部材(21)に、排気マフラー(36)を含む前記エンジン(E)の排気系(107)を支持する排気系支持部(109)と、サイドスタンド(95)を回動可能に支承するサイドスタンドブラケット(96)を取付けるブラケット取付け部(99)と、ステップ(100)を支持するホルダ(101)を取付けるホルダ取付け部(102,103)とが設けられることを特徴とする、請求項1記載の自動二輪車。
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