JP4137300B2 - ガス吸収缶検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス吸収缶検査方法及び装置に関し、具体的には、ケーシング内にたとえば溶剤や毒性物質等の有毒なガス状物質(以下検知対象有毒ガスと称する)を吸収、あるいは、化学反応による無毒化(本発明においては、これらを総称して吸収と呼ぶものとする)可能な吸収剤(たとえば活性炭等)を内蔵し、防毒マスクに装填して検知対象有毒ガスを吸着除去するためのガス吸収缶が、検知対象ガスをある程度吸収した後、どの程度の残存能力があるかを検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のガス吸収缶は、労働安全衛生法に基づく防毒マスクの規格(以下法定試験と称する)や、JIS T8152の規格に基づき厳重に製造されている。これらの基準によると、有毒ガスが確実に吸収されることが要求され、有毒ガスによって使用中に破過する事の無いように用いることが必要になる。ここで、使用する又は使用している前記ガス吸収缶がどの程度検知対象有毒ガス除去能力を有しているかについて、正確に知っておくことがこのガス吸収缶を安全に用いる上で重要になる。
従来、このような検知対象有毒ガス除去能力を測定するには、たとえば、300ppmのシクロヘキサンガスを含有する試験ガスを前記ガス吸収缶に吸収させた場合の破過時間を新品と対比して調べることによってその吸収缶の吸収能力の残存容量を測定し、その残存容量から経験的に前記ガス吸収缶の保存可能な時間や、使用可能な残存時間を推定することが行われていた。また、このような破過時間の測定には、ガスクロマトグラフィー等を用いざるを得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような大がかりな測定は、煩雑で、かつ、長時間を要するものであるため、個々のガス吸収缶を検査する上であまり効率の良い方法であるとはいえなかった。また、このような検査によれば、ガス吸収缶の1つを破壊検査することになり、その破壊検査されたガス吸収缶の能力に基づき同様に使用された他のガス吸収缶の能力を判定することになるから、個々のガス吸収缶の実際の能力とは異なる値に基づく判定となり、使用条件等に基づく誤差等を加味して、有毒ガスが使用中に破過する事の無いように安全サイドで使用するためには、個々のガス吸収缶の残存能力が確実に残っている状態で使用を停止せざるを得ず、個々のガス吸収缶の残存能力をすべて有効に用いることは困難である。
【0004】
さらに、一旦、ある程度の検知対象有毒ガスを吸収したガス吸収缶は、その後、時間をおいて利用される場合には、最初の利用の後、残存しているはずの吸収能力を発揮しきらないうちに有毒ガスの破過を招く場合があるということが知られている。
というのは、たとえば、10の検知対象有毒ガス吸収能力を持つガス吸収缶にまず3の検知対象有毒ガスを吸収させて、長期保管後再度検知対象有毒ガスを吸収させると、前記3の検知対象有毒ガスは、前記ガス吸収缶内で拡散し、破過しやすい位置に達するので、残る7の能力をすべて発揮することは出来ず、5から6の検知対象有毒ガスを吸収するだけで破過に到る場合があるということである。
このような現象に基づく能力の低下は、経験的に判断せざるを得ず、やはり、安全に使用するためには、個々のガス吸収缶の能力について正確な判断を必要とし、すべてを確実に判定することは不可能である。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、個々のガス吸収缶それぞれの検知対象有毒ガス吸収能力を的確に把握し、その能力を有効利用しやすくする技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のガス吸収缶の検査方法の特徴構成は、
検知対象有毒ガスを吸収可能な吸収剤を充填した吸収部を備えたガス吸収缶の前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスをガス検知素子により検知し、検知される検知対象有毒ガス量に基づいて前記ガス吸収缶の検知対象有毒ガス吸収可能な残存容量、あるいは、前記ガス吸収缶の保存可能な期間を検査する点にある。
この際、前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスを、前記吸収部を減圧吸引して得る、もしくは、
前記吸収部に清浄ガスを供給して、前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスを、前記吸収部から脱離させて得てもよい。
さらにこのような検査方法を行うための検査装置の特徴構成は、
ガス吸収缶に清浄ガスを通気させて、前記ガス吸収缶から脱離させた検知対象有毒ガスを検知可能なガス検知素子を備えるとともに、前記ガス吸収缶から脱離した前記検知対象有毒ガスを、前記清浄ガスと共に前記ガス検知素子に誘導するガス誘導部を備えていることにある。
この場合、前記ガス吸収缶に対して前記ガス誘導部の側を減圧し、前記ガス吸収缶に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設けてあってもよい。
又は、一方面から他方面に向かって検知対象有毒ガス含有空気を案内しつつ前記検知対象有毒ガスを吸収させるガス吸収缶を検査するガス吸収缶検査装置であって、前記一方面の側を減圧して前記他方面から前記一方面に前記清浄ガスを通気させ、前記他方面の側を減圧して前記一方面から前記他方面に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設け、前記一方面の側と前記他方面の側とを択一的に吸引切り替え可能に構成するものでもよい。
【0007】
〔作用効果〕
検知対象有毒ガスを吸収可能な吸収剤を充填した吸収部を備えたガス吸収缶を詳細に調べたところ、一旦、吸収された検知対象有毒ガスが、微量ながら、前記吸収剤から脱離し、放出されるという現象が観察されている。
そのため、前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスの量を調べると、前記吸収缶に吸収された検知対象有毒ガス量が判定できる。
つまり、吸収部から脱離する検知対象有毒ガス(脱離ガス)をガス検知素子により検知すれば、微量の脱離ガスであってもその量を把握することが出来る。すると、その脱離ガス量が多い場合には前記吸収部に吸収された検知対象有毒ガス量が多く、少ない場合には前記吸収部に吸収された検知対象有毒ガス量が少ないという推定が可能になる。従って、この推定に基づき前記ガス吸収缶の検知対象有毒ガス吸収可能な残存容量、あるいは、前記ガス吸収缶の保存可能な期間を簡単に知ることが出来、簡便に検査することができる。
【0008】
このような検査を行うには、ガス吸収缶に清浄ガスを通気させて、前記ガス吸収缶から脱離させた検知対象有毒ガスを検知可能なガス検知素子を備えるとともに、前記ガス吸収缶から脱離した前記検知対象有毒ガスを、前記清浄ガスと共に前記ガス検知素子に誘導するガス誘導部を備えたガス吸収缶検査装置を用いることができ、このような構成を採用すると、前記吸収部を脱離した検知対象有毒ガスは、前記ガス誘導部を経由して前記ガス検知素子に達することになるから、前記ガス検知素子によって正確に前記検知対象有毒ガス濃度を知ることが出来るようになり、この検知対象有毒ガス濃度が検知対象有毒ガスを吸収可能な残存容量に対応することになる。
【0009】
ここで、前記ガス検知素子としては半導体式、接触燃焼式等の希薄なガスを高感度で検出可能なものを用いることが出来る。
【0010】
前記吸収部に清浄ガスを供給すると、前記吸収部に供給される清浄ガス中に、前記吸収部から脱離した検知対象有毒ガスが混入したときに逐次前記吸収部外に搬送することになり、前記検知対象有毒ガスは前記ガス検知素子に達し、簡便かつ迅速な検査に寄与する。
【0011】
前記吸収部を減圧吸引すれば、前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスを効率よく得ることが出来、さらに、前記吸収剤から検知対象有毒ガスを強制的に脱離させる効果も発揮するものと考えられるから、さらに簡便かつ迅速に検査することができる。
【0012】
この場合に前記ガス吸収缶の検査装置としては、前記ガス吸収缶に対して前記ガス誘導部の側を減圧し、前記ガス吸収缶に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設けておくことで、前記吸収部からの検知対象有毒ガスを有効に採取可能に構成することが出来るとともに、前記吸収缶からの検知対象有毒ガスを効率よく脱離させることが出来る。
【0013】
また、このようなガス吸収缶は通常一方面から他方面に向かって検知対象ガス含有空気を案内しつつ前記検知対象有毒ガスを吸収させる構成となっているので、対象有害ガスの吸着(脱離)量は一方面側で最も多く、他方面へ行くに従って減少するような分布になっている。たとえば、前記一方面側から脱離する検知対象ガスを採取すると、前記一方面近傍に吸収されてとどまっている検知対象ガス量に対応する高い出力が得られる。一方、他方面から検出を行ったとしても、他方面近傍に吸収された検知対象有害ガスを検知することが出来るので、結果的に検知対象ガスを検出できることになる。
さらに、前記一方面及び他方面から独自に出力を得た場合には、その出力値は、同じ検知対象有毒ガス吸収量であっても経過日数とともに一方面側は経過日数とともに減少、他方面側は経過日数とともに増加の変化をする。ところが、両者の平均をとれば、検知対象有毒ガス吸着量とセンサ出力との関係がほぼ保管時間依存しなくなり、センサ出力から経過日数に依存せず検知対象有毒ガス吸収量の推定が可能となる。
【0014】
そこで、前記一方面の側を減圧して前記他方面から前記一方面に前記清浄ガスを通気させ、前記他方面の側を減圧して前記一方面から前記他方面に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設け、前記一方面の側と前記他方面の側とを択一的に吸引切り替え可能に構成しておくことにより、前記一方面及び他方面のいずれからも脱離ガス量を測定することが可能となる。そのため、両面からの検知対象ガス量を平均することで、その出力と、吸着量との間の相関性から、容易に検知対象ガスの吸着量を知ることが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
〔第一実施形態〕
図1に示すように、本発明のガス吸収缶検査装置は、防毒マスク用のガス吸収缶1を装着する装着部2を設け、前記装着部2からの被検知ガスを検知するガス検知部3を設け、前記装着部2から前記ガス検知部3へ、検知対象ガスを前記ガス検知部3へ送るガス吸引部4を設けて構成してある。
【0017】
前記装着部2と、前記ガス検知部3との間には、検知対象有毒ガスを誘導する管状のガス誘導部5を連設してあり、前記装着部2に前記ガス吸収缶1を装着した際に、そのガス吸収缶1に対して接当する接当部5a側から、前記ガス吸収缶1からの脱離ガスを検知対象有毒ガスとしてガス検知部3に誘導する構成となっている。また、前記ガス誘導部5は前記ガス吸引部4まで延設してあり、前記ガス吸引部4に設けた吸引ポンプ4aを用いて、前記装着部2に装着したガス吸収缶1の前記接当部5a側を減圧状態にすることができ、脱離ガスの発生を促進させられるように構成してある。
【0018】
前記装着部2に前記ガス吸収缶1を装着する場合には、前記ガス吸収缶1の空気吸入側1aを前記装着部2の大気解放側に向け、逆に前記ガス吸収缶1の空気排出側1bをガス検知部3側に向けて配置する。尚、前記ガス吸収缶1はケーシング1A内に検知対象有毒ガスを吸収する吸収剤として活性炭を内蔵してある吸収部1Bを設け、空気吸入側1a(一方面)から空気排出側1b(他方面)に向かって検知対象有毒ガスを案内しつつ前記検知対象有毒ガスを吸収させる構成となっている。
【0019】
前記ガス検知部3には、図2に示すように、白金、白金−パラジウム合金等からなる貴金属線材31に酸化スズ半導体等の金属酸化物半導体を主成分とする半導体式感応層32を設けた半導体式のガス検知素子3Aを備え、そのガス検知素子3Aには、検知対象有毒ガスが接触したときに前記半導体式感応層32の電気抵抗が変化するのを捉え、その抵抗値変化に基づく電気信号を出力するガス検知回路3Bを接続してある。
【0020】
このようにガス吸収缶1を前記装着部2に装着した状態で、前記吸引ポンプ4aを作動させると、前記装着部2では、前記接当部5a側が減圧状態になるので吸収缶内部に吸収された検知対象有毒ガスが脱離させられる。誘導された脱離ガスは、前記ガス誘導部5を介して前記ガス検知部3に達し、前記ガス検知素子3Aに検知される。前記ガス検知素子3Aが前記脱離ガスを検知すると、前記ガス検知回路3Bにより出力を発し、その出力を指示計3Cに表示し、前記ガス吸収缶1の残存能力を知ることができる。
【0021】
上述の構成のガス吸収缶検査装置に防毒マスク用のガス吸収缶1を検査したところ、図3に示す様になった。図3において、縦軸には先述の法定検査方法による残存吸着容量を示し、横軸には、前記吸引ポンプ4aを流量1リットル/分で、60秒間作動(以下同様の条件である)させたときに、前記ガス検知素子が検出した脱離ガス量を示すものである。図3によれば、本発明の検査方法による前記ガス検知素子3Aの出力は、前記法定検査方法に知られている残存吸着容量と高い相関関係を示し、簡易的にガス吸収缶1の残存能力(除毒能力)を知るのに役立てられることがわかる。
【0022】
〔第二実施形態〕
先の実施形態では、吸引ポンプ4aを所定時間作動して脱離ガスの検知を行う構成を示したが、先の構成に加えて、図4に示すように、前記ガス検知部3を減圧状態を維持可能な気密室に形成しておき、前記ガス誘導部5の前記接当部と前記ガス検知部3との間、及び、前記ガス検知部と、前記吸引ポンプ4aとの間にそれぞれ切替弁6a、6bを設けてあってもよい。
【0023】
この構成により、前記接当部5aを減圧状態にする前に、切替弁6a、6bの切り替えにより、まず、前記ガス検知部3を減圧状態にし、次に前記ガス検知部3内に前記装着部2を介して外気を取り入れ、前記装着部2に装着したガス吸収缶1を通じてガスを前記ガス検知素子3Aまで誘導して脱離ガスの検知を行うことができる。
【0024】
すると、前記ガス検知部3内に導入しうる外気の量を所定容量に制御しやすく、出力された検知対象有毒ガス濃度をより客観的に残存吸着容量に反映させやすくなって有利である。
【0025】
尚、先と同様の機能を有する部分については、説明を省略し、図中に同じ符号を付してある。
【0026】
〔第三実施形態〕
先の実施形態は、いずれも、ガス吸収缶1の空気吸入側に接当部を配置し、前記第一実施形態の構成に加えて、図5に示すように、前記ガス吸収缶1を前記装着部2に装着したときに、前記一方面及び前記他方面に接当自在な一対の接当部5a,5bを前記ガス誘導部5に設け、前記接当部を減圧可能にするガス吸引装置を設け、前記一対の接当部を択一的に吸引切り替え可能にする切替弁6c等の切り替え機構を設けて構成してあってもよい。
この構成により、一対の接当部5a、5bは、それぞれ、前記ガス吸収缶1の空気吸入側1aと、空気排出側1bとを択一的に減圧状態にできるから、前記ガス吸収缶1の両面からの脱離ガスを操作性よく検知できる。
【0027】
すると、ガス吸収缶1の前記空気吸入側1aからの脱離ガス量と、空気排出側1bからの脱離ガス量とを、ともに知ることができるから、前記ガス吸収缶1内に吸収されている検知対象有毒ガスの分布状態が知ることができる。そのため、前記ガス吸収缶1の保存可能な期間を推定することが出来、たとえば、「全吸着能力の三割程度の使用をしたガス吸収缶1を、その使用の三日後に再度用いても安全に使用できるかどうか」等の判定が容易にでき、前記ガス吸収缶1の能力を有効に生かすことができるようになった。
【0028】
つまり、このような装置によって、空気吸入側1a、空気排出側1bともに、脱離ガスによる相対センサ出力を調べたところ、図6,7のようになった。
図中横軸には、先述の法定試験に基づく破過時間に対して、ガス吸収缶1に対してどれだけの検知対象有毒ガス(シクロヘキサンガス(300ppm))を吸収させたかをとり、縦軸には、各面に対する接当部を吸引した場合に、前記ガス検知素子が示した出力(相対値)をとり、前記検知対象有毒ガスを吸収させたガス吸収缶1を一日後、二日後、四日後、一八日後に検査したときの出力を得た。その結果、空気排出側1bからの出力(図6)は、いずれの吸収量においても時間の経過とともに上昇し、空気吸入側1aからの出力(図7)は、いずれの吸収量においても時間の経過とともに低下していることがわかる。これは、空気吸入側1aから吸収された検知対象有毒ガスが、前記ガス吸収缶1の空気吸入側1a表面近傍に優先的に吸収され、長時間にわたって、次第に吸収剤の中を拡散するためであると考えられる。そのため、この両出力の平均値をとると、このガス吸収缶1に吸収された検知対象有毒ガス量にほぼ比例する値を出力していることがわかる。(図8)
【0029】
また、このようにして得た検知対象有毒ガスを吸収済みのガス吸収缶の残存吸収容量(残存吸着能力)の経時変化を調べると図9のようになり、保存可能な期間が予想可能になっていることが読みとれる。
【0030】
尚、ここで言う吸着量としては、上述の法定試験に基づく破過時間を示す検知対象有毒ガス量を100として示し、同様に残存吸着能力についても新品の破過時間を100とした比率で表したものである。
【0031】
〔別実施形態〕
先の構成は、いずれも吸引ポンプ4aにより、ガス吸収缶1に通気して吸収された検知対象有毒ガスを脱離させて脱離ガスを得たが、これに限らず、前記接当部とは反対側の位置から強制送気してし同様の効果を得てもよい。さらに、自然に脱離する検知対象有毒ガスを採取するだけの構成であってもよい。また、前記吸引ポンプ4a等の配置についても、前記ガス検知部3の下流側に限らず上流側にあってもよく、切替弁等の位置についても上述の構成に限られるものではない。つまり、前記装着部2と前記ガス検知部3との間に前記装着部2側から前記ガス検知部3側へガスを移送自在にする一対の一方弁が設けられている構成であってもよい。
【0032】
さらに、吸収される検知対象有毒ガスと、吸収部に充填される吸収剤との関係で、一旦吸収された検知対象有毒ガスが脱離しにくい場合には、前記ガス吸収缶1を前記装着部2に装着した状態で、前記装着部2を加熱し、検知対象有毒ガスの脱離を促進させる構成にしてあってもよい。
【0033】
また、第三実施形態のようにガス吸収缶1の両面から脱離ガスを検知するような場合、空気吸入部側と空気排出部側とのガス検知を異なるガス検知素子で行ってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のガス吸収缶検査装置の概略図
【図2】ガス検知素子の一部破断斜視図
【図3】第一実施形態によるガス吸収缶検査方法による検査結果を示すグラフ
【図4】第二実施形態のガス吸収缶検査装置の概略図
【図5】第三実施形態のガス吸収缶検査装置の概略図
【図6】第三実施形態によるガス吸収缶検査方法による空気排出側出力を示すグラフ
【図7】第三実施形態によるガス吸収缶検査方法による空気吸入側出力を示すグラフ
【図8】第三実施形態によるガス吸収缶検査方法による出力平均値を示すグラフ
【図9】残存能力の経時変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 ガス吸収缶
2 装着部
3 ガス検知部
4 ガス吸引部
5 ガス誘導部
5a 接当部
3A ガス検知素子
3B ガス検知回路

Claims (7)

  1. 検知対象有毒ガスを吸収可能な吸収剤を充填した吸収部を備えたガス吸収缶を検査するガス吸収缶検査方法であって、
    前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスをガス検知素子により検知し、検知される検知対象有毒ガス量に基づいて前記ガス吸収缶の検知対象有毒ガス吸収可能な残存容量を検査するガス吸収缶検査方法。
  2. 検知対象有毒ガスを吸収可能な吸収剤を充填した吸収部を備えたガス吸収缶を検査するガス吸収缶検査方法であって、
    前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスをガス検知素子により検知し、検知される検知対象有毒ガス量に基づいて前記ガス吸収缶の保存可能な期間を検査するガス吸収缶検査方法。
  3. 前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスを、前記吸収部を減圧吸引して得る請求項1〜2のいずれか1項に記載のガス吸収缶検査方法。
  4. 前記吸収部から脱離する検知対象有毒ガスを、前記吸収部に清浄ガスを供給して、前記吸収部から脱離させて得る請求項1〜2のいずれか1項に記載のガス吸収缶検査方法。
  5. ガス吸収缶に清浄ガスを通気させて、前記ガス吸収缶から脱離させた検知対象有毒ガスを検知可能なガス検知素子を備えるとともに、前記ガス吸収缶から脱離した前記検知対象有毒ガスを、前記清浄ガスと共に前記ガス検知素子に誘導するガス誘導部を備えたガス吸収缶検査装置。
  6. 前記ガス吸収缶に対して前記ガス誘導部の側を減圧し、前記ガス吸収缶に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設けた請求項5に記載のガス吸収缶検査装置。
  7. 一方面から他方面に向かって検知対象有毒ガス含有空気を案内しつつ前記検知対象有毒ガスを吸収させるガス吸収缶を検査するガス吸収缶検査装置であって、前記一方面の側を減圧して前記他方面から前記一方面に前記清浄ガスを通気させ、前記他方面の側を減圧して前記一方面から前記他方面に前記清浄ガスを通気させるガス吸引装置を設け、前記一方面の側と前記他方面の側とを択一的に吸引切り替え可能に構成してある請求項5に記載のガス吸収缶検査装置。
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