JP2005009895A - 有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸着剤の焼失や劣化を低減せしめると共に、不活性ガスや分解装置が不要となると共に、高精度で効率良く全有機ハロゲン化合物濃度を測定する測定方法及びその測定装置を提供する。
【解決手段】試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、電量滴定法などの測定手段20により測定する有機ハロゲン化合物の測定方法であって、試料ガス10を無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラム12に通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる工程と、この触媒付き無機系吸着カラム12を加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解工程と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段20により測定する工程とを含むことを特徴とする有機ハロゲン化合物の測定方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ焼却場や産業廃棄物焼却場などの焼却炉等、製鋼用電気炉、鉄鋼業焼結施設、亜鉛回収施設、アルミニウム合金製造設備などから排出される排ガスなどの試料ガス中に含まれる全有機ハロゲン化合物濃度を測定する有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ごみ焼却場や産業廃棄物焼却場の焼却炉等において発生する排ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度を測定する有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置、並びに、この全有機ハロゲン化合物からダイオキシン類の濃度を間接的に測定する測定方法及びその測定装置などは数多く案出されている。
【0003】
例えば、試料ガス中の有機ハロゲン化合物濃度を電気伝導度の測定によって求める有機ハロゲン測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ダイオキシン類の濃度の測定では、ダイオキシン類の濃度を直接測定することは困難なためダイオキシン類の濃度と相関性が高いといわれている一酸化炭素やクロロベンゼン類又はクロロフェノール類などの全有機ハロゲン化合物を指標物質として測定し間接的にダイオキシン類の濃度を測定する方法等が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、本願出願人は、有機ハロゲン濃度とダイオキシン類濃度の相関関係に従ってダイオキシン類濃度を測定するダイオキシン類の測定方法であって、排ガス中のダストを除去した試料ガスを吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着する工程と、この吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させる工程と、該脱離した全有機ハロゲン化合物を電量滴定法により定量して有機ハロゲン濃度を得る工程と、予め求めておいた有機ハロゲン濃度とダイオキシン類濃度の相関関係に従って前記電量滴定法により得た有機ハロゲン濃度からダイオキシン類濃度を測定する工程とを含むことを特徴とするダイオキシン類の測定方法を出願している(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−258373号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】
特開平5−312796号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】
特開平10−153590号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献4】
特開2001−33433号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【0005】
これら特許文献1〜4に記載される測定方法等は、図7に示すように、被測定物質を炭素系多孔質体(活性炭、吸着樹脂等)に吸着、濃縮させた後、加熱脱着せしめ、被測定物質を定量〔GC(ガスクロマトグラフ)/ECD(電子捕獲検出器)、燃焼分解/電量滴定、還元分解/電気伝導度測定)しているものである。
【0006】
しかしながら、これらの各特許文献1〜4に記載される測定技術等では、吸着した被測定物質(全有機ハロゲン化合物等)を炭素系吸着、濃縮を行っているが、これは微量の酸素の混入によっても炭素系吸着剤が加熱脱着時に焼失していまい、また、樹脂の場合は無酸素の場合でも高温により劣化してしまうなどの課題がある。
また、吸着した被測定物質の加熱脱着時に、図7に示すように、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)雰囲気とするため、その高圧ボンベの設置と定期的な補充、交換が必要となり、更に、脱着した被測定物質を無機ハロゲンに分解する分解装置が必要となるなどの課題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、吸着剤の焼失や劣化を低減せしめると共に、不活性ガスや分解装置が不要となると共に、高精度で効率良く全有機ハロゲン化合物濃度を測定することができる有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の課題等について、鋭意検討した結果、被測定物質の吸着を特定の吸着剤を用いると共に、被測定物質の分解に特定の触媒を用いることにより、加熱脱着を行うと同時に燃焼分解を行うことにより、上記目的の有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、電量滴定法、電気伝導度、イオン電極法及び赤外分光分析法の少なくとも1種からなる測定手段により測定する有機ハロゲン化合物の測定方法であって、試料ガスを無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる工程と、この触媒付き無機系吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解工程と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段により測定する工程とを含むことを特徴とする有機ハロゲン化合物の測定方法。
(2) 無機系吸着剤がシリカゲル、珪酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
(3) 有機化合物分解触媒が、貴金属系触媒、重金属酸化物系触媒、リン酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
(4) 貴金属系触媒が白金、銀、パラジウムから選ばれる少なくとも1種であり、重金属酸化物系触媒が銅、クロム、チタン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルト、バナジウムから選ばれる少なくとも1種である上記(3)記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
(5) 試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、電量滴定法、電気伝導度、イオン電極法及び赤外分光分析法の少なくとも1種からなる測定手段により測定する有機ハロゲン化合物の測定装置であって、試料ガスを無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる吸着装置部と、この触媒付き無機系吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解部と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段により測定する測定部とを備えたことを特徴とする有機ハロゲン化合物の測定装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
本発明の有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置は、試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、電量滴定法、電気伝導度、イオン電極法及び赤外分光分析法の少なくとも1種からなる測定手段により測定する有機ハロゲン化合物の測定方法(測定装置)であって、試料ガスを無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる工程(吸着装置部)と、この触媒付き無機系吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解工程(脱離・分解部)と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段により測定する工程(測定部)とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
図1は、本発明における有機ハロゲン化合物の測定装置の一例を示す概略図である。
図中10は、ごみ焼却場や産業廃棄物焼却場などの焼却炉等から排出される被測定物質である試料ガス(排ガス)であり、該試料ガス10は、予めフィルター等の除塵器(図示せず)を通過させてダストが除去されている。
除塵器としては、全有機ハロゲン化合物を吸着せずにダスト・ミスト等を除去できるものであれば、特に限定されるのものでなく、例えば、ガラス繊維製フィルター、合成繊維製フィルター、セラミック製フィルター等が挙げられる。
【0011】
ダスト等を除去した温度50〜80℃の排ガス10は、流量制御装置(図示せず)により切換弁11を通して無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着剤が充填された吸着管(吸着カラム)12に導かれ、排ガス10中の全有機ハロゲン化合物〔炭化水素化合物のハロゲン(Cl,F,Br,I等)置換体〕が吸着される。吸着時間は、5〜30分である。
用いることができる全有機ハロゲン化合物を吸着する無機系吸着剤としては、例えば、シリカゲル、珪酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物、以下、同様)が挙げられる。
【0012】
本発明において、用いる無機系吸着剤に微量のハロゲンが含有している場合、測定誤差となるため、その含有ハロゲンを除去したシリカゲル、珪酸マグネシウムなどを用いることが好ましい。後述する実施例においても含有ハロゲンを除去したシリカゲルを用いた。
この含有ハロゲンの処理は、酸素雰囲気で200〜900℃に加熱することにより除去できる。通常、10〜100ppm程度のハロゲン含有量が、5〜60分程度の加熱処理により1ppm以下までハロゲンを除去することができる。1回の加熱処理で不十分であれば、適当な回数繰り返して処理を行う。一般の有機ハロゲン分析用の活性炭などには、数ppm程度のハロゲンが含有していることから、この程度までハロゲン含有量を低減させれば十分である。なお、後述する有機化合物触媒についても必要に応じて、上記と同様に含有ハロゲンを除去処理してもよい。
【0013】
用いる無機系吸着剤の平均粒径、好ましくは、含有ハロゲンを除去処理したシリカゲル、酸化マグネシウム等の無機系吸着剤の平均粒径は、圧力損失と吸着効率の点から、50〜1000(μm)が好ましい。細孔径は有機ハロゲン化合物の分子径相当であり、0.7〜70nmが好ましい。比表面積と細孔容量は大きいほどよく、それぞれ45m/g以上、0.6ml/gが好ましい。
特に好ましくは、吸着性能、耐熱性、機械的強度、低ハロゲンの点から、上記特性を有するシリカゲルが望ましい。
【0014】
また、用いることができる有機化合物分解触媒としては、例えば、貴金属系触媒、重金属酸化物系触媒、リン酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
貴金属系触媒としては、白金、銀、パラジウムなどが挙げられ、また、重金属酸化物系触媒としては、銅、クロム、チタン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルト、バナジウムなどが挙げられる。
触媒担体の形状は、ウール状、球状、ペレット状、星型、リング型、三葉体、ハニカム、発泡体、マット状、メッシュ状、板状、パイプ形であるものが好ましい。また、その材質としては、アスベスト、アルミナ、シリカアルミナ、シリカチタニア、ジルコニア、これらの複合酸化物、コーディエライト、ムライト金属、チタニア、アルミナジルコニア、多孔質ニッケルクロム、アルミナSUS、鉄ニッケルであることが好ましい。
特に好ましくは、耐熱性、表面積の点から、アスベスト担体に白金を1wt%以上担持させた触媒が望ましい。
【0015】
本発明において、上述の無機系吸着剤と上述の有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムの形態としては、例えば、図1の図示符号12に示すように、(a)無機系吸着剤が充填された吸着剤充填室12aと該充填室室12aに連通した有機化合物分解触媒が充填された触媒充填室12bとから構成された触媒付き無機系吸着カラム,または、(b)上述の無機系吸着剤と上述の有機化合物分解触媒とが混合された状態でカラムに充填された触媒付き無機系吸着カラムなどが挙げられる。
図2は、上記図1の触媒付き無機系吸着カラム12を斜視図態様で示す説明図である。この触媒付き無機系吸着カラム12は、無機系吸着剤aが充填された吸着剤充填室12aと該充填室室12aに連通した有機化合物分解触媒bが充填された触媒充填室12bとから構成されると共に、ガス入口部側、無機系吸着剤aと有機化合物分解触媒bとの境界、ガス出口側には、夫々石綿ウール(又は石英ウール、若しくはセラミックウール)12cが充填されている。
また、この触媒付き無機系吸着カラム12は、サンプリングガス流量によって内径を定めるが4mm以上が好ましい。更に、長さは、吸着剤の充填量によって定まるが10mm以上が好ましい。材質は、1100℃以上の耐熱性と非吸着性、熱伝導性を有する石英、SUS製が好ましい。
なお、上記(a)及び(b)の形態とも、無機系吸着剤と有機化合物分解触媒との充填割合が重量比で10:1〜1:10とすることが好ましい。
【0016】
触媒付き無機系吸着カラム12を通過した試料ガス、すなわち、全有機ハロゲン化合物が吸着された試料ガスは、切換弁13から系外へ排気される。
全有機ハロゲン化合物が吸着した触媒付き無機系吸着カラム12からの加熱脱離・分解は、全有機ハロゲン化合物を吸着した吸着カラム12を、ヒーター(図示せず)で50〜1000℃で加熱すると共に、ポンプ14により活性炭層15を通した空気で無機系吸着剤12aから全有機ハロゲン化合物を脱着させ、その空気中の酸素と触媒充填室12bの触媒作用により下記式の如く、ハロゲン化水素と二酸化炭素に分解を行う。加熱(脱離)・分解時間は、5〜60分である。
+AO ⇒ hHX+nCO+(m−h)/2H
〔上記式中、n(≧1)、m(≧h)、l(≧0)、h(≧1)、Aは自然数であり、Xはハロゲン(Cl,F,Br,I等)である。〕
【0017】
脱離・分解したハロゲン化水素(温度50〜1000℃のガス)は、切換13を通り測定部(測定手段)となる常法のガスクロマトグラフ分析装置、液体クロマトグラフ分析装置、電量滴定分析装置、電気伝導度測定装置、イオン電極分析装置及び赤外分光分析装置から選ばれる少なくとも1種の測定装置20、本形態では、電量滴定分析装置、電算機により有機ハロゲン濃度として定量される。
なお、測定装置20による測定データーとなる有機ハロゲン濃度は、データー処理装置でダイオキシン類濃度に換算表示してもよい。このデーター処理装置は、予め作成した有機ハロゲン濃度とダイオキシン類の相関関係(関係式)に従ってダイオキシン類濃度を算出し表示するものである。
【0018】
この形態の測定方法等では、被測定物質となる試料ガス中の全有機ハロゲン化合物の吸着を触媒付き無機系吸着カラムを用いることにより、加熱脱着を行うと同時に燃焼分解を行うことができるものである。
【0019】
また、本発明では、触媒付き無機系吸着カラムを少なくとも2系統により構成して、図1に示すように、1系統(ライン)で吸着が行われている間、他の吸着カラム12の1系統(ライン)で全有機ハロゲン化合物の脱離・分解、有機ハロゲン化合物濃度の測定を行い、該吸着と脱離・分解及び有機ハロゲン化合物濃度の測定を上記2系統で交互に行うことにより常時連続的に測定してもよい。
更に、半連続的に測定する場合は、1系統で吸着、脱離・分解を行ってもよい。
【0020】
このように構成される本発明では、被測定物質となる試料ガス中の全有機ハロゲン化合物の吸着を触媒付き無機系吸着カラムを用いることにより、加熱脱着を行うと同時に燃焼分解を行うことにより、吸着剤の焼失や劣化を低減せしめると共に、不活性ガスや分解装置が不要となると共に、高精度で効率良く全有機ハロゲン化合物濃度を測定することができる有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置が得られることとなる。
また、本発明では、測定装置の簡素化、小型化、軽量化が可能となり、設置場所の選択範囲が広がることとなる。また、消費電力の大部分を占める分解装置に係る電力の消費もなくなり、更に、不活性ガスボンベの設置やガスの補充、交換が不要となり、メンテナンスが容易となる。
【0021】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1は、図3に示す測定装置により行った。なお、図1と同様の機構は、同一符号を付けてその説明を省略する。
排ガス(試料ガス)10として、1.0ppmの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)用い、これを25℃でカラム12に充填されたシリカゲル(粒径150〜425μm、細孔径7nm、比表面積450m/g、細孔容量0.8ml/g、充填量110mg)で一定量を吸着させた。続いて、吸着させたTCBを450℃でカラム12を加熱すると共に、ポンプ14により活性炭層15を通した空気でシリカゲルから脱着させ、その空気中の酸素とカラム12に充填した白金(担持量5wt%のアスベスト担体、41mg)の触媒作用により下記式の如く、ハロゲン化水素(塩化水素)と二酸化炭素に分解を行った。加熱(脱離)・分解時間は、20分であった。
Cl +6O ⇒3HCl+6CO
脱離・分解した塩化水素(温度450℃のガス)は、切換13を通り測定部(測定手段)となる電量滴定法(銀電極)(TOX−100、ダイアインスツルメンツ社製)で定量され、電算機21に表示、記録された(図4参照)。
Cl+Ag ⇒ AgCl+e
図4は、実施例1で得られたTCB流量と有機ハロゲン測定値との関係を示す特性図である。この図4によれば、これらの関係の相関性を統計解析(回帰分析)すると、決定係数(R)が0.9961となり、非常によい正の相関関係が示され、極めて優れた有機ハロゲン化合物の測定方法となることが判った。
【0023】
実施例2は、図5(a)に示す測定装置で、比較例1は、図5(b)に示す測定装置により行った。比較例1は、触媒を有しない無機系吸着剤のみが充填されたカラム30で行ったものである。
実施例2及び比較例1共に、排ガス(試料ガス)10として、1.0ppmの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)用い、これを25℃でカラム12又は30に充填されたシリカゲル(共に、粒径150〜425μm、細孔径7nm、比表面積450m/g、細孔容量0.8ml/g、充填量110mg)で一定量を吸着させた。続いて、吸着させたTCBを450℃でカラム12を加熱すると共に、ポンプ14により活性炭層15を通した空気でシリカゲルから脱着させた。
【0024】
実施例2では、図5(a)に示すように、脱着させたTCBを空気中の酸素とカラム12に充填した白金(担持量5wt%のアスベスト担体、41mg)の触媒作用により上記式の如く、ハロゲン化水素(塩化水素)と二酸化炭素に分解を行った。加熱(脱離)・分解時間は、20分であった。
比較例1では、図5(b)に示すように、脱着させたTCBを空気中の酸素のみで、ハロゲン化水素(塩化水素)と二酸化炭素に分解を行った。加熱(脱離)・分解時間は、20分であった。
共に、脱離・分解した塩化水素(温度450℃のガス)は、切換13を通り測定部(測定手段)となる電量滴定法(銀電極)(TOX−100、ダイアインスツルメンツ社製)で定量され、電算機に表示、記録された(図6参照)。
図6に示すように、触媒の分解効果は、無触媒の3倍あり、無触媒の場合はTCBの分解が不十分であることが判った。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、試料ガス中の全有機ハロゲン化合物の吸着を触媒付き無機系吸着カラムを用いることにより、加熱脱着を行うと同時に燃焼分解を行うことにより、無機系吸着剤の焼失や劣化を低減せしめると共に、不活性ガスや分解装置が不要となると共に、高精度で効率良く全有機ハロゲン化合物濃度を測定することができる有機ハロゲン化合物の測定方法及びその測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ハロゲン化合物の測定装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に用いる触媒付き無機系吸着カラムを斜視図態様で示す説明図である。
【図3】実施例1に用いた有機ハロゲン化合物の測定装置の一例を示す概略図である。
【図4】実施例1で得られたTCB流量と有機ハロゲン測定値との関係を示す特性図である。
【図5】(a)は実施例2に用いた有機ハロゲン化合物の測定装置を示す概略図であり、(b)は比較例1に用いた有機ハロゲン化合物の測定装置を示す概略図である。
【図6】実施例2及び比較例1で得られた1ppm/10リットル測定時と有機ハロゲン測定値との関係を示す特性図である。
【図7】従来の有機ハロゲン化合物の測定装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 試料ガス(排ガス)
12 触媒付き無機系吸着カラム
20 測定手段(電量滴定分析装置)
21 電算機(データー処理装置)

Claims (5)

  1. 試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、電量滴定法、電気伝導度、イオン電極法及び赤外分光分析法の少なくとも1種からなる測定手段により測定する有機ハロゲン化合物の測定方法であって、試料ガスを無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる工程と、この触媒付き無機系吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解工程と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段により測定する工程とを含むことを特徴とする有機ハロゲン化合物の測定方法。
  2. 無機系吸着剤がシリカゲル、珪酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
  3. 有機化合物分解触媒が、貴金属系触媒、重金属酸化物系触媒、リン酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
  4. 貴金属系触媒が白金、銀、パラジウムから選ばれる少なくとも1種であり、重金属酸化物系触媒が銅、クロム、チタン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルト、バナジウムから選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の有機ハロゲン化合物の測定方法。
  5. 試料ガス中の全有機ハロゲン化合物濃度をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、電量滴定法、電気伝導度、イオン電極法及び赤外分光分析法の少なくとも1種からなる測定手段により測定する有機ハロゲン化合物の測定装置であって、試料ガスを無機系吸着剤と有機化合物分解触媒とを有する触媒付き無機系吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を吸着せしめる吸着装置部と、この触媒付き無機系吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物を脱離させると共に、全有機ハロゲン化合物をハロゲン化水素に分解する脱離・分解部と、該脱離・分解したハロゲン化水素を前記測定手段により測定する測定部とを備えたことを特徴とする有機ハロゲン化合物の測定装置。
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Cited By (7)

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