JP4136739B2 - 光スポット検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンズのスポット形状等を計測する光スポット検査装置であって、特に記録密度や保護層の厚みが異なる複数種類の光ディスクに対するデータの記録・再生を行う光ディスク装置に用いられる対物レンズの計測に好適な光スポット検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクには、記録密度や保護層の厚みが異なる複数の規格が存在する。例えば、CD(コンパクトディスク)よりもDVD(デジタルバーサタイルディスク)の記録密度は高く、保護層が薄い。CDやDVDは、ディスク全体のサイズや厚さは同一であるため、本来、同一の光ピックアップ装置で情報を記録再生できることが望ましい。そのため、近年、このような複数の規格の光ディスクに対する情報の記録再生が可能な光情報記録再生装置が広く普及している。該光情報記録再生装置は、輪帯状の回折面を持つ対物レンズを備える。そして該装置は、複数規格の光ディスクに対する情報の記録再生に必要とされる光の波長が異なることを利用し、対物レンズによる回折作用の差でディスク保護層厚の差による球面収差を補正する。これにより、使用する光ディスクの記録密度に最適なビームスポットが該光ディスクの記録面上に形成され、情報の記録再生が実行される。
【0003】
しかし、実際は製造時に発生する誤差等によって、製造された全ての対物レンズが、上記のような各光ディスクに対する情報の記録再生に適した光学性能を有するとは限らない。このような誤差を持つ対物レンズは、スポットの形状が設計値よりも大きくなったり、高次の回折光が発生したりして正確な情報の記録再生が行えないおそれがある。
【0004】
そのため、製造された対物レンズが情報の記録再生に適した光学性能を有するかどうかを評価する光スポット検査装置が知られている。光スポット検査装置は、対物レンズを透過した光束が形成するビームスポットをCCDカメラ等によって撮像し、光ピックアップに使用するスポット中心の形状を計測することにより、対物レンズの光学性能を評価する。該検査装置は、例えば以下の特許文献1に開示される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−202654号公報
【0006】
ところで、上記光情報記録再生装置において、保護層の厚いCDに対する情報の記録再生時に要求される開口数(NA)は、DVDに対する情報記録再生時よりも低い。そのため、対物レンズは、CDに対する情報記録再生時に回折面の外側領域を透過した光束は拡散するように設計される。拡散された光束は、記録面においてビームスポット中心の周囲にボケ光として表れる。該ボケ光は、読み取りエラー等の不具合を引き起こすおそれがある。また、近年、光ディスクのより一層の高密度化に伴い、高次の回折光によってビームスポット中心の周囲に環状に形成されるサイドローブ等に起因して発生するノイズが無視できないレベルになっている。
【0007】
上記の問題を未然に防ぐべく、光スポット検査装置でも対物レンズを評価する際には、発生するボケ光の発生範囲や光量等を計測する必要がある。しかし、特許文献1に例示される従来の光スポット検査装置は、以下の理由によりボケ光等に関する計測は不可能であった。
【0008】
すなわち、ボケ光やサイドローブとスポット中心とは、光量がはるかに異なる。そのため、従来の検査装置で使用されるCCDカメラの有するダイナミックレンジで双方の光量を測定することは不可能である。さらに、スポット中心の形状とボケ光が表れる範囲はあまりに大きさが違いすぎる。そのため、スポット中心に関する計測に主眼を置く従来の検査装置では、撮像倍率が高すぎ、ボケ光を計測することができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、スポット中心のみならずボケ光、さらにはサイドローブも計測対象として、複数の光ディスクに対する情報の記録再生に互換性を有する対物レンズのより高精度な評価を可能とする光スポット検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の光スポット検査装置は、所定波長の平行光束を照射する光源部と、平行光束により照明状態にある被検レンズの焦点位置に前側焦点位置が一致するように配設される対物レンズと、対物レンズを透過した光束を第一の光束と第二の光束に分岐する光束分岐手段と、第一の光束を用いて、第一の倍率で、かつ相対的に輝度の異なる二種類の光スポット画像を撮像する第一撮像手段と、第二の光束を用いて、第一の倍率よりも高い第二の倍率の光スポット画像を撮像する第二撮像手段と、を有する。そして、第一撮像手段および第二撮像手段によって撮像された各画像に基づいて被検レンズの光スポットに関する計測を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、被検レンズによって形成されるスポットに関し、倍率と輝度レベルの異なる複数種類の画像を得ることができる。各画像を比較することにより、場所によって光強度が異なるスポットに関する計測が実現できる。従って、請求項1に記載の発明によれば、被検レンズを高い精度をもって評価することができる。
【0012】
上記発明は、輪帯状の回折面を利用することにより、第一の光ディスクと該第一の光ディスクよりも記録密度が高く保護層厚が薄い第二の光ディスクに対して互換性を有する光情報記録再生装置用対物レンズの評価に好適な構成である(請求項2)。
【0013】
ここで、第一の光ディスクとは例えばCDやCD−Rが該当する。また、第二の光ディスクとは例えばDVDが該当する。つまり、第一の光ディスクに対する情報の記録再生時に使用される光は、第二の光ディスクに対する情報の記録再生時に使用される光よりも長い発振波長を有する。従って光情報記録再生装置用対物レンズを評価する場合、上記光源部は、各光ディスクに対応する波長の光を照射できる構成にすることが好ましい。
【0014】
請求項3の記載によれば、第一撮像手段は、第一の光ディスクに対する情報の記録再生時に使用される光と同一波長の光を光源部から照射したときに、第一の光スポットの略中心部のみが撮像されるような第一の光束透過率と、光スポットの中心の周囲に表れるボケ光が撮像されるような第二の光束透過率とを有し、いずれか一方の光束透過率によって第一の光束の光量を調整する第一光量調整手段と、第一の倍率を有する第一拡大光学系と、第一光量調整手段および第一拡大光学系を透過した前記第一の光束の集光位置に配設された第一撮像素子と、を有することが望ましい。
【0015】
上記第一光量調整手段は、第一の光束透過率を有する第一光学素子と第二の光束透過率を有する第二光学素子とのいずれか一方が第一光束の光路上に配設されるように構成することができる(請求項4)。あるいは、光束透過率を任意に変更することができる第一光量調整手段を用いても良い(請求項5)。例えば、二枚の偏光板を備え、各偏光板の偏光軸のなす角を変化させることにより光束透過率が変更する構成が考えられる(請求項6)。
【0016】
なお、第二の撮像手段も上記第一の撮像手段と同様の構成にすることが望ましい。これにより、一部の部材の共通化が図られ、製作工程の低減やコストダウンを図ることができる。
【0017】
上記のような構成において、請求項2に記載したような対物レンズを被検物とした場合、低倍率で撮像する手段は、主としてスポット中心部と該中心部の周囲に展開するボケ光の光量比を計測するために用いられる。また、高倍率で撮像する手段は、主として、スポット中心部の光量や形状を計測したり、該中心部とサイドローブの光量比を計測したりするために用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の光スポット検査装置100の概略構成図である。図1に示すように、光スポット検査装置100は、光源1、コリメートレンズ2、カバーガラス3、対物レンズ4、ビームスプリッタ5、低倍率撮像系10、高倍率撮像系20、を有する。低倍率撮像系10は、第一光量調整部11、低倍率結像レンズ12、第一CCDカメラ13を有する。高倍率撮像系20は、第二光量調整部21、高倍率結像レンズ群22、第二CCDカメラ23を有する。
【0019】
被検レンズLは、保護層厚が異なるCDとDVDの双方の情報記録再生に互換性を有する光情報記録再生用の対物レンズである。この光情報記録再生用の対物レンズには、CDとDVDの双方の情報記録再生に対して互換性をもたせるため、一面に輪帯状の回折構造が設けられ、CDまたはDVDに対する情報記録再生に最適な波長の光束が入射すると、該回折構造の回折作用により、各ディスクの記録面上に所定のビームスポットを形成するように設計されている。
【0020】
上記のように、光情報記録再生装置に搭載された対物レンズ(被検レンズL)は、異なる波長の入射光を収束して異なるビームスポットを形成する。そのため、光源1は、CDに対する情報記録再生時に用いられる波長(780nm)の光束(以下、CD用の光束という)、およびDVDに対する情報記録再生時に用いられる波長(660nm)の光束(以下、DVD用の光束という)を照射するように構成される。本実施形態では、ドライブ上で使用する実波長の光束を照射する様に二種類の着脱自在な発光部(不図示)が予め用意されている。そして光源1は、検査しようとするビームスポットを形成するために必要な波長の光束を発光する発光部を光源1本体の所定位置に取り付ける構成になっている。なお、以下の説明では、CDの記録面に形成されるビームスポットを検査する場合を例にとって説明する。
【0021】
光源1から照射されたCD用の光束は、コリメートレンズ2で平行光束にされた後、被検レンズLに入射する。被検レンズLは、図示しないレンズホルダに載置されている。被検レンズLを透過した光束は、収束しつつカバーガラス3に入射する。カバーガラス3は検査しようとするビームスポットが形成される光ディスク(ここではCD)の保護層厚と略同一の厚みを有する。従って、カバーガラス3に入射した光束は、カバーガラス3における被検レンズL側の面3aと逆の面3b近傍に集光する。つまり、被検レンズLは、カバーガラスの面3b近傍に焦点位置が一致するように配置される。
【0022】
光路上、カバーガラス3の後段には対物レンズ4が配置される。対物レンズ4は、カバーガラス3の面3b近傍に前側焦点位置が一致するように配置される。従って、面3b近傍で集光した光束は、対物レンズ4を透過することにより再び平行光束になる。ここで、対物レンズ4は、被検レンズLを透過した全光束を全て取り込むような高いNAを有するものが使用される。本実施形態では、対物レンズ4として、顕微鏡用対物レンズを使用する。
【0023】
対物レンズ4から射出された平行光束は、ビームスプリッタ5によって透過光束と反射光束に分割される。透過光束は低倍率撮像系10に導かれ、反射光束は高倍率撮像系20に導かれる。
【0024】
低倍率撮像系10は、被検レンズLを透過したCD用の光束が形成するスポットにおける、情報の記録再生に用いられる光強度の高い中心部と、該中心部の周囲に表れる光強度の低いボケ光との光量比を計測するための撮像系である。また、高倍率撮像系20は、CD用とDVD用のどちらの光束によって形成されるスポットにも表れるサイドローブに関する計測を行うための撮像系である。
【0025】
低倍率撮像系10において、透過光束は、まず第一光量調整部11に入射する。図2は、第一光量調整部11の概略構成を表す図である。第一光量調整部11は、光透過部11aと、第一NDフィルタ11bと、を有する。光透過部は基板11cに形成された開口であり、フィルタは基板11cに嵌め込まれている。基板11cは、シャフト11dを介して図示しない駆動機構に接続されている。該駆動機構が駆動することにより、光透過部11a、第一NDフィルタ11bのいずれか一方のフィルタが光路中に挿入される。
【0026】
第一光量調整部11を透過した光束は、低倍率結像レンズ12を介して第一CCDカメラ13に導かれる。なお低倍率結像レンズ12は、入射光束によってできる像が約30倍に拡大されるような焦点距離を有している。これにより、所定の倍率(約30倍)で拡大されたビームスポットの像が、第一光量調整部11の光透過部11a、第一NDフィルタ11bに対応した輝度レベルで撮像される。第一CCDカメラ13によって撮像された被検レンズLのスポットの画像を図3と図4に示す。
【0027】
図3は、光透過部11aを光路中に挿入したときに第一CCDカメラ13によって撮像されるビームスポットの画像を示す。また、図4は、第一NDフィルタ11bを光路中に挿入したときに第一CCDカメラ13によって撮像されるビームスポットの画像を示す。なお、図3、図4に示す画像は、説明の便宜上、ネガポジを反転した状態になっている。従って各図中、暗転している領域は、実際には明るい領域、換言すればビームスポットの像が形成されている領域となる。後述する図5、図6についても同様である。
【0028】
この実施形態では、対物レンズから射出された光束の光量を減衰せずに撮像したときにボケ光が良好に観察できるようになっている。従って、図3に示す画像には、被検レンズLの外側領域を透過したCD用の光によって発生してしまうボケ光が拡大された状態でかつ計測に適した輝度レベルで写し出されていることがわかる。なお、図3には、被検レンズLの内側領域を透過したCD用の光束が良好に収差補正された状態で収束することにより形成されるビームスポット中心部も写っている。しかし、ビームスポット中心部の画像は白く飛んでしまう。つまり、図3に示す画像は、ビームスポット中心部に関する計測に使用することはできない。
【0029】
第一NDフィルタ11bは、光束透過率がスポット中心部の撮像に最適な0.01%程度に設定されている。従って、図4に示す画像には、ビームスポット中心部のみが白飛びすることなく、良好に写し出されていることがわかる。なお、図4に示す画像には、ビームスポット中心に比べ光量がはるかに少ないボケ光はほとんど表れない。
【0030】
第一CCDカメラ13は、図3に示す画像と図4に示す画像を図示しない画像処理装置に出力する。
【0031】
高倍率撮像系20において、ビームスプリッタ5からの反射光束は、まず第二光量調整部21に入射する。第二光量調整部21は、第二NDフィルタ21aと、第三NDフィルタ21bと、を有する。それ以外の第二光量調整部21の構成は、第一光量調整部11と略同一の構成であるため、図2を参照し、ここでの説明は省略する。
【0032】
第二光量調整部21を透過することにより、各NDフィルタ21a、21bに対応した光量に減衰された光束は、高倍率結像レンズ群22を介して第二CCDカメラ23に導かれる。なお高倍率結像レンズ群12は、入射光束によってできる像が約200倍に拡大されるような焦点距離を有している。これにより、低倍率撮像系10によって撮像された画像よりも高倍率で拡大されたビームスポットの像が、各NDフィルタ21a、21bに対応した輝度レベルで撮像される。
【0033】
図5は、第二NDフィルタ21aを光路中に挿入したときに第二CCDカメラ23によって撮像されるビームスポットの画像を示す。また、図6は、第三NDフィルタ21bを光路中に挿入したときに第二CCDカメラ23によって撮像されるビームスポットの画像を示す。
【0034】
第二NDフィルタ21aの光束透過率は、高次の回折光によって発生するサイドローブを撮像することができるように、40〜100%程度に設定されている。従って図5に示す画像には、サイドローブが拡大された状態でかつ計測に適した輝度レベルで撮像されている。但し、図3に示す画像と同様、サイドローブよりもはるかに光強度が高いスポット中心部は白く飛んでしまう。つまり、図5に示す画像は、ビームスポット中心部に関する計測に使用することはできない。
【0035】
第三NDフィルタ21bの光束透過率は、0.8%程度に設定されている。従って、図6に示す画像には、ビームスポット中心部のみが白飛びすることなく、良好に写し出されていることがわかる。しかも図6に示す画像は、図4に示す画像に比べ、高倍率で撮像されているため、スポット中心部の形状も計測可能な状態になっている。
【0036】
第二CCDカメラ23は、図5に示す画像と図6に示す画像を図示しない画像処理装置に出力する。
【0037】
画像処理装置は、各CCDカメラ13、23から送信された二種類ずつ、計4種類の画像に二値化処理をはじめとする所定の画像処理を施す。そして、画像処理された画像に基づいて、被検レンズLの総合的な評価を行う。具体的には、第一CCDカメラ13から送信された二種類の低倍率の画像(図3、図4)を比較して、ビームスポット中心部とその周囲に展開するボケ光との光量比を算出する。また、第二CCDカメラ23から送信された二種類の高倍率の画像(図5、図6)を比較して、ビームスポット中心部とサイドローブとの光量比を算出する。さらに、図6に示す画像に基づいて、ビームスポット中心の直径や円形度等の形状についても計測する。以上の算出結果や計測結果が所定の基準範囲内にあるかどうかに基づいてCD使用時における被検レンズLの良否判定を行う。
【0038】
DVDの記録面に形成されるビームスポットの検査およびその検査結果に基づく被検レンズLの評価も上記と略同様にして行われる。但しDVDは、高密度で記録されている。そのため、DVD用の光は被検レンズLの内側領域と外側領域双方を透過して高いNAをもって記録面に入射し、CD使用時よりも小径なビームスポットを形成する。つまり、ボケ光は発生しない。従って、DVD用の光を用いてレンズ評価を行う際は、ボケ光に関する計測に寄与する低倍率撮像系10からの画像は使用しなくて良い。なお、DVDの記録面に形成されるビームスポットの検査時は、光源1の発光部とカバーガラス3をDVD使用時に対応したものに取り替える。
【0039】
上記のように、本実施形態では、CCDカメラ13、23によって受光される光束の光量を予め光束透過率の異なるNDフィルタによって所定レベルまで減衰させている。これにより、従来の光スポット検査装置と同様にCCDカメラを使用しても、領域によって光強度が大きく異なるビームスポットを、該領域ごとに該CCDカメラのダイナミックレンジに収まる輝度レベルでの撮像が可能となる。従って、画像処理装置では、光量比較をはじめとするレンズ評価が高い精度をもって実行される。
【0040】
以上が本発明の実施形態である。なお、本発明の光スポット検査装置は、上記構成に限定されることはなく、以下に述べるような様々な変形が可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、低倍率撮像系10と高倍率撮像系20で二種類ずつ、計4種類の画像を撮像している。ここで、サイドローブに関する計測を行わなければ、被検レンズLの評価結果は上記実施形態よりも若干劣るものの、レンズ一つあたりの評価時間を短縮することができる。この場合、第二光量調整部21はスポット第三NDフィルタ21bのみ備えればよい。
【0042】
上記実施形態における光源1の構成は、あくまで一例である。従って、CD用の光束とDVD用の光束を任意に選択して照射可能であれば上記実施形態の構成以外の構成であってもよい。例えば、並べて配設された二つの発光部とビームスプリッタを用いて、いずれの発光部から照射された光束もビームスプリッタによって被検レンズLの光軸方向に偏向するような構成であっても良い。
【0043】
上記実施形態では、各光量調整部11、21は光束透過率の異なる二枚のNDフィルタを選択的に光路中に挿入する構成であると説明した。本発明に係る光スポット検査装置に使用可能な光量調整手段は該構成に限定されるものではない。例えば、ビームスプリッタ5透過後の各光束の光路中に二枚の偏光板を配設する。そして、一方の偏光板を回動させて互いの偏光軸のなす角度を変化させることによっても光量調整が可能である。図7に、波長780nmの光束に関する、各偏光板の偏光軸のなす角度と光束透過率との関係を表すグラフを示す。また、図8に波長660nmの光束に関する、各偏光板の偏光軸のなす角度と光束透過率との関係を表すグラフを示す。この変形例によれば、図7や図8に示すグラフをデータとして検査装置に登録しておくことにより、任意の光束透過率でのスポット画像を得ることができる。従って、より精密にスポット光量を測定することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、低倍率結像レンズ12は約30倍、高倍率レンズ群22は約200倍であると説明したが、この値に限定されるものではない。低倍率結像レンズ12の倍率は、ボケ光の光量検出に適した倍率であればいいので、約20〜40倍の範囲内に設定されるのが好ましい。また、高倍率結像レンズ群22の倍率は、ビームスポット中心部の形状の計測に適した倍率であれば良いので、約200倍〜250倍の範囲内に設定されるのが好ましい。
【0045】
なお、上記実施形態では、被検レンズLはCDとDVDに互換性を有するレンズであると説明した。本発明に係る光スポット検査装置で検査可能なレンズは、上記のようなCD/DVD互換レンズに限定されるものではない。記録密度や保護層厚が異なる複数の規格の光ディスクに対して互換性を有する対物レンズであればどのようなレンズであっても、本発明によって高精度な評価が可能になる。当然、互換性を有しない、単一の光ディスクに対する情報記録再生に特化された対物レンズであっても本発明による評価が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、光スポットに関し、倍率と輝度レベルの異なる複数種類の画像を撮像して、各画像に基づいて該スポットの形状や光量を計測することにより、CDやDVDといった記録密度や保護層厚が異なる複数の規格の光ディスクに対して互換性を有する対物レンズに対するより高精度な評価が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光スポット検査装置の概略構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態の光量調整部の概略構成を表す図である。
【図3】本発明の実施形態の低倍率撮像系によって撮像された画像である。
【図4】本発明の実施形態の低倍率撮像系によって撮像された画像である。
【図5】本発明の実施形態の高倍率撮像系によって撮像された画像である。
【図6】本発明の実施形態の高倍率撮像系によって撮像された画像である。
【図7】光量調整部としての二枚の偏光板の偏光軸のなす角度と光束透過率との関係を表すグラフである。
【図8】光量調整部としての二枚の偏光板の偏光軸のなす角度と光束透過率との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 光源
10 低倍率撮像系
20 高倍率撮像系
11、21 光量調整部
12、22 結像レンズ(群)
13、23 CCDカメラ
Claims (12)
- 所定波長の平行光束を照射する光源部と、
前記平行光束により照明状態にある被検レンズの焦点位置に前側焦点位置が略一致するように配設される対物レンズと、
前記対物レンズを透過した光束を第一の光束と第二の光束に分岐する光束分岐手段と、
前記第一の光束を用いて、第一の倍率で、かつ相対的に輝度の異なる二種類の光スポット画像を撮像する第一撮像手段と、
前記第二の光束を用いて、前記第一の倍率よりも高い第二の倍率の光スポット画像を撮像する第二撮像手段と、
を有し、
前記第一撮像手段および前記第二撮像手段によって撮像された各画像に基づいて前記被検レンズの光スポットに関する計測を行うことを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項1に記載の光スポット検査装置において、
前記被検レンズは、輪帯状の回折面を利用することにより、第一の光ディスクと該第一の光ディスクよりも記録密度が高く保護層厚が薄い第二の光ディスクに対して互換性を有する光情報記録再生装置用対物レンズであることを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項2に記載の光スポット検査装置において、
前記第一撮像手段は、
前記第一の光ディスクに対する情報の記録再生時に使用される光と同一波長の光を前記光源部から照射したときに、前記第一の前記光スポットの略中心部のみが撮像されるような第一の光束透過率と、前記光スポットの中心の周囲に表れるボケ光が撮像されるような第二の光束透過率とを有し、いずれか一方の光束透過率によって第一の光束の光量を調整する第一光量調整手段と、
前記第一の倍率を有する第一拡大光学系と、
前記第一光量調整手段および前記第一拡大光学系を透過した前記第一の光束の集光位置に配設された第一撮像素子と、を有することを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項3に記載の光スポット検査装置において、
前記第一光量調整手段は、第一の光束透過率を有する第一光学素子と第二の光束透過率を有する第二光学素子とのいずれか一方が第一光束の光路上に配設されるように構成されていることを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項3に記載の光スポット検査装置において、
前記第一光量調整手段は、光束透過率を任意に変更自在であることを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項5に記載の光スポット検査装置において、
前記第一光量調整手段は、二枚の偏光板を備え、各偏光板の偏光軸のなす角を変化させることにより光束透過率が変更することを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光スポット検査装置において、
前記第二撮像手段は、
前記第二の倍率を有する第二拡大光学系と、
前記第二拡大光学系を透過した前記第二の光束の集光位置に配設された第二撮像素子と、を有することを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光スポット検査装置において、
前記第二撮像手段は、
前記光スポットの略中心部が明確に撮像されるようなスポット中心向け光束透過率と、前記光スポットの中心の周囲に表れるサイドローブが撮像されるようなサイドローブ向け光束透過率とのいずれか一方によって第二の光束の光量を調整する第二光量調整手段を、さらに有することを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項8に記載の光スポット検査装置において、
前記第二光量調整手段は、スポット中心向け光束透過率を有する光学素子とサイドローブ向け光束透過率を有する光学素子とのいずれか一方が第二光束の光路上に配設されるように切り替え自在に構成されていることを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項8に記載の光スポット検査装置において、
前記第二光量調整手段は、光束透過率を任意に変更自在であることを特徴とする光スポット検査装置。 - 請求項10に記載の光スポット検査装置において、
前記第二光量調整手段は、二枚の偏光板を備え、各偏光板の偏光軸のなす角を変化させることにより光束透過率が変更することを特徴とする光スポット検査装置。 - 輪帯状の回折面を利用することにより、記録密度や保護層厚が異なる少なくとも二種類の光ディスクに対して互換性を有する光情報記録再生装置用対物レンズを被検レンズとする光スポット検査装置であって、
平行光束を照射する光源部と、
前記平行光束により照明状態にある前記被検レンズの焦点位置に前側焦点位置が略一致するように配設される対物レンズと、
前記対物レンズを透過した光束を分岐する光束分岐手段と、
前記光束分岐手段によって分岐された一方の光束を用いて、前記第一の光ディスク使用時に記録面上に形成されるスポットの中心部の光量を計測するための画像と、該中心部の周辺の光量を計測するための画像と、を低倍率で撮像する第一撮像手段と、
前記光束分岐手段によって分岐された他方の光束を用いて、各光ディスク使用時に記録面上に形成されるスポットの中心部の形状を計測するための画像と、該中心部の周辺に形成されるサイドローブに関する計測を行うための画像と、を高倍率で撮像する第二撮像手段と、
を有することを特徴とする光スポット検査装置。
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