JP4656925B2 - 光ピックアップの出射光測定装置、及び測定方法 - Google Patents

光ピックアップの出射光測定装置、及び測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ピックアップからの出射光の非点収差などの特性を測定する出射光測定装置、及び測定方法に関する。
光ディスクなどを記録・再生する情報記録再生装置は、光ディスクにレーザ光を照射することにより情報を記録し、その反射光を受光することにより光ディスクに記録された情報を再生する。このため、情報記録再生装置に設けられる光ピックアップは、光ディスクの情報記録面に光ビームを集光させる。このとき、光ビームに収差が生じることにより、光ディスク上に形成されるビームスポットが真円とならずに楕円などになってしまう場合がある。ここでの収差としては、例えばコマ収差や非点収差や球面収差などが挙げられる。特に、非点収差は、光学部品の精度や光学的な調整具合により発生し、光ディスクからの情報の読み取り精度や情報の書き込み精度を低下させる。
上記のような不具合を生じさせないために、通常は、光ピックアップの収差を測定して、光ピックアップ内の光学系を調整したり、検査の結果が悪いものを破棄したりしている。一般的には、コリメータレンズを通過しただけの平行光に対して収差の測定を行うと共に、この平行光を対物レンズなどで集光することによって作成されるスポット光に対して収差の測定を行っている。
例えば、特許文献1には、光ピックアップから出射された、平行光である光ビームをオートコリメータ内に取り込み、この光ビームの位置や光ビームの径などを観察する技術が記載されている。また、特許文献2及び3には、光ピックアップが出射する光ビームの測定を、干渉計などを用いて行う技術が記載されている。更に、特許文献4及び5には、平行光を集光したスポット光を光学ヘッドなどを用いてデフォーカス等することによって、スポット光が形成するビームスポットの形状を測定して非点収差の評価などを行う技術が記載されている。
特公昭55−25605号公報 特開2003−270090号公報 特開2002−323406号公報 特開2002−90605号公報 特開2003−207436号公報
しかしながら、上記の開示技術に記載された測定装置おいては、光ピックアップから出射された平行光に対する測定及びスポット光に対する測定を同一の測定装置で行うことが困難であった。例えば、測定の対象に応じて、厳密に測定装置の調整を行う必要があった。したがって、光ピックアップの平行光及びスポット光に測定を行うのに、非常に手間がかかっていた。
ところで、光ピックアップは、光ビームを照射する対象となる記録媒体の種類、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの記録媒体によって、出射する光ビームの波長が異なっている。通常は、測定の対象となる光ビームの波長に応じて、測定装置の設定を大きく変更したり、測定装置を別の装置に変えたりして、上記の測定を行っていた。そのため、測定を行う光ピックアップの種類を変更するたびに測定装置を変える必要があり、測定の手間がかかっていた。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、光ピックアップから出射される平行光及びスポット光の収差などの特性を容易に測定し、光ピックアップの出射光の波長の変化に対して簡易な操作で対処することが可能な光ピックアップの出射光測定装置、及び測定方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明では、光ピックアップから出射される光ビームの特性を測定する光ピックアップの出射光測定装置は、前記光ピックアップから出射される、平行光である第1の光ビーム、又は前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームが入射される入射部と、取り外し可能に構成され、前記第2の光ビームを平行光にして第3の光ビームとして出射する対物レンズと、前記対物レンズが取り外されている場合には前記第1の光ビームを集光して所定位置に第1のビームスポットを形成すると共に、前記対物レンズが取り付けられている場合には前記第3の光ビームを集光して前記所定位置に第2のビームスポットを形成する集光レンズと、前記集光レンズを光軸方向に移動させる移動手段と、前記所定位置に配置され、前記集光レンズにより集光された前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットを撮像する撮像手段と、前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビーム又は前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポット又は複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出する検出手段と、を備える。
請求項3に記載の発明では、集光レンズ、所定位置に配置された撮像手段、移動手段及び脱着可能な対物レンズを備える測定装置を用いた光ピックアップの出射光測定方法は、光ピックアップから出射される平行光である第1の光ビームを測定する第1の測定工程と、前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームを測定する第2の測定工程と、を備え、前記第1の測定工程は、前記第1の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第1のビームスポットを形成する第1の集光工程と、前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第1のビームスポットの画像に基づいて、前記第1の光ビームの特性を評価する第1の評価工程と、を備え、前記第2の測定工程は、前記対物レンズを前記測定装置に取り付ける工程と、前記第1の光ビームを前記対物レンズによって前記第3の光ビームにし、当該第3の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第2のビームスポットを形成する第2の集光工程と、前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第2のビームスポットの画像に基づいて、前記第2の光ビームの特性を評価する第2の評価工程と、を備え、前記第1の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出し、前記第2の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出する。
本発明の好適な実施形態では、光ピックアップから出射される光ビームの特性を測定する光ピックアップの出射光測定装置は、前記光ピックアップから出射される、平行光である第1の光ビーム、又は前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームが入射される入射部と、取り外し可能に構成され、前記第2の光ビームを平行光にして第3の光ビームとして出射する対物レンズと、前記対物レンズが取り外されている場合には前記第1の光ビームを集光して所定位置に第1のビームスポットを形成すると共に、前記対物レンズが取り付けられている場合には前記第3の光ビームを集光して前記所定位置に第2のビームスポットを形成する集光レンズと、前記集光レンズを光軸方向に移動させる移動手段と、前記所定位置に配置され、前記集光レンズにより集光された前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットを撮像する撮像手段と、前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビーム又は前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポット又は複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出する検出手段と、を備える。
上記の光ピックアップの出射光測定装置は、光ピックアップから出射される出射光の非点収差などの収差を測定するために好適に使用される。出射光測定装置は、光ピックアップから出射される、平行光である第1の光ビーム、及び第1の光ビームを対物レンズによって集光された第2の光ビーム(即ち、スポット光)を測定する。この場合、出射光測定装置は、平行光である第1の光ビームを測定する場合には平行光に変換するための処理を行わず、平行光ではない第2の光ビームが入射される場合には平行光に変換するための処理を行う。詳しくは、出射光測定装置では、入射される第2の光ビームを平行光に変換するために対物レンズを用い、入射される光ビームの種類に応じて対物レンズの取り付け及び取り外しができるように構成されている。したがって、平行光である第1の光ビームを測定する場合には対物レンズが取り外され、平行光でないスポット光である第2の光ビームを測定する場合には対物レンズが取り付けられる。
また、第1の光ビームを測定する場合には、集光レンズには第1の光ビームが入射され、集光レンズは第1の光ビームを集光して所定位置に第1のビームスポットを形成する。一方、第2の光ビームを測定する場合には、集光レンズには対物レンズによって平行光にされた第3の光ビームが入射され、集光レンズは第3の光ビームを集光して所定位置に第2のビームスポットを形成する。そして、出射光測定装置は、集光レンズを光軸上で所定量ずつ移動させるなどして光ピックアップからの出射光をデフォーカスさせ、そのときの第1のビームスポット又は第2のビームスポットの形状などに基づいて収差等の特性を測定する。以上により、出射光測定装置は、光ピックアップから出射される平行光である第1の光ビーム、及びスポット光である第2の光ビームに対して、対物レンズの脱着のみを行うことによって簡便に測定を行うことができる。よって、出射光測定装置は、第1の光ビーム及び第2の光ビームに対して、1つの装置によって、その設定を大きく変更することなく測定を行うことができる。
また、出射光測定装置は、ビームスポットのデフォーカス状態を変化させて得た複数のビームスポット画像に基づいて、非点収差の度合いを示す非点隔差を検出することができる。また、検出されたビームスポットの非点隔差に基づいて、光ピックアップの評価を行うことができる。
更に、出射光測定装置は、測定の対象となる光ビームの波長に応じて集光レンズを移動させる(即ち、集光レンズと所定位置との距離を変化させる)ことによって、光ビームの波長の変化による集光レンズの焦点距離の変化に対して対処する。言い換えると、出射光測定装置は、集光レンズを移動させることによって、測定対象となる光ビームの波長が変化することによって生じる色収差を吸収することができる。この場合、出射光測定装置は、光ビームの波長の変化による集光レンズの焦点距離の変化を求め、この焦点距離の変化分に相当する量だけ集光レンズを移動させる。これにより、出射光測定装置は、光ビームの波長が変わっても、撮像手段上に適切に光ビームを集光させることができる。以上のように、出射光測定装置は、光ビームの波長の変化に対して簡便な操作によって対処することができる。したがって、出射光測定装置は、測定対象となる光ビームの波長が変わっても、装置を別のものに変更したり、装置の設定を大きく変更したりすることなく、簡便に測定を行うことができる。
1つの好適な例では、前記移動手段は、前記移動手段は、機械式に前記集光レンズを移動させる移動機構とすることができる。例えば、移動手段としては、モータとボールネジなどの機構により集光レンズを移動させる構造を採用することができる。これにより、装置を安価で構成することができると共に、移動手段の操作にもそれほど高い精度が要求されないため、作業を容易かつ迅速に行うことができる。
本発明の他の実施形態では、集光レンズ、所定位置に配置された撮像手段、移動手段及び脱着可能な対物レンズを備える測定装置を用いた光ピックアップの出射光測定方法は、光ピックアップから出射される平行光である第1の光ビームを測定する第1の測定工程と、前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームを測定する第2の測定工程と、を備え、前記第1の測定工程は、前記第1の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第1のビームスポットを形成する第1の集光工程と、前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第1のビームスポットの画像に基づいて、前記第1の光ビームの特性を評価する第1の評価工程と、を備え、前記第2の測定工程は、前記対物レンズを前記測定装置に取り付ける工程と、前記第1の光ビームを前記対物レンズによって前記第3の光ビームにし、当該第3の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第2のビームスポットを形成する第2の集光工程と、前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第2のビームスポットの画像に基づいて、前記第2の光ビームの特性を評価する第2の評価工程と、を備え、前記第1の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出し、前記第2の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出する。上記のような出射光測定方法によっても、対物レンズの脱着のみを行うことによって、光ピックアップから出射される平行光である第1の光ビーム、及びスポット光である第2の光ビームに対して簡便に測定を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[光ピックアップの構成]
まず、本実施例に係る出射光測定装置100によって測定が行われる、光ピックアップ10の構成について図1を用いて説明する。図1は、光ピックアップ10の構成を示す図である。
光ピックアップ10は、レーザダイオード1と、コリメータレンズ2と、ハーフミラー3及び4と、ミラー5と、マルチレンズ6と、受光素子7と、対物レンズ8と、アクチュエータ9と、ケーシング11と、を備える。
レーザダイオード1は、特定波長の光ビームb1を出射して、コリメータレンズ2に光ビームb1を入射させる。コリメータレンズ2は、光ビームb1を平行光にした光ビームb2(第1の光ビーム)を出射する。光ビームb2は、ハーフミラー3、4を通過してミラー5に入射して、対物レンズ8に入射する。
対物レンズ8は、アクチュエータ9上に固定されており、光ビームb2を集光して、スポット光である光ビームb2c(第2の光ビーム)を出射する。アクチュエータ9は、移動可能にケーシング11上に配置されており、矢印9aで示すように対物レンズ8を光ディスクDの半径方向に移動させることができる。これにより、対物レンズ8から出射される光ビームb2cのスポットを、記録媒体である光ディスクDの目標トラック上に配置する、いわゆるトラッキングサーボを行うことが可能となる。
対物レンズ8から出射された光ビームb2cは光ディスクDの情報記録面に照射される。このとき、光ディスクDで反射された反射光b3は対物レンズ8に入射する。この反射光b3は、ミラー5にて反射されてハーフミラー4を通過し、マルチレンズ6に入射する。そして、反射光b3は、マルチレンズ6により集光されて受光素子7によって受光される。これにより、光ディスクDに記録された情報を読み取ることが可能となる。
ここで、光ピックアップ10から出射された光ビームb2cにおいて発生する非点収差について、図2に示す具体例を用いて説明する。
例えば、対物レンズ8に光ビームb2aが入射する場合、対物レンズ8から出射される光ビームb2bは非点収差を有しており、焦点位置によってその形状(断面形状)が異なる。具体的には、光ビームb2bの形状は、対物レンズ8側の焦点付近では符号50で示すような一方向に伸びた楕円となり、対物レンズ8から離れた側の焦点付近では符号52で示すような先の一方向と垂直方向に伸びた楕円となり、両焦点位置の概ね中間位置では符号51で示すような真円となる。光ビームb2bの形状が真円となる位置53を「合焦点」と呼ぶ。また、上記の焦点位置間の距離Eを「非点隔差」と呼ぶ。なお、光ピックアップは、この非点隔差Eが概ね1μm以下であることが好ましい。
本実施例に係る出射光測定装置100は、光ピックアップ10からの出射光のCCDカメラ上における集光ポイントを変化させて(即ち、光ビームをデフォーカスさせて)、CCDカメラ上に形成されるビームスポットの形状を撮像し、このビームスポットの形状に基づいて非点隔差Eを測定する。得られた非点隔差Eに基づいて光ピックアップ10の評価などが行われる。
[出射光測定装置の構成]
次に、本発明の実施例に係る出射光測定装置100について説明する。まず、出射光測定装置100の基本的な構成について説明する。
本実施例に係る出射光測定装置100は、前述した光ピックアップ10が出射する光ビームb2、b2cに対して測定を行う。即ち、出射光測定装置100は、平行光である光ビームb2と、スポット光である光ビームb2cに対して測定を行う。言い換えると、出射光測定装置100は、コリメータレンズ2を通過しただけの対物レンズ8によって集光されていない光ビームb2に対しての測定、及び対物レンズ8によって光ビームb2を集光した光ビームb2cに対しての測定を行う。したがって、光ビームb2に対して測定を行う場合には光ピックアップ10の対物レンズ8を取り外し、光ビームb2cに対して測定を行う場合には光ピックアップ10の対物レンズ8を取り付ける。このように、2つの光ビームb2、b2cに対して測定を行うのは、まず対物レンズ8によって集光する前の平行光の状態にある光ビームb2に対して測定を行い、この測定に基づいて光ピックアップ10における平行度や光軸角度などの調整を行った後に、光ビームb2を対物レンズ8によって集光した光ビームb2cの測定に基づいて更に光ピックアップ10の調整を行うことにより、最終的に光ピックアップ10から出射される光ビームb2cの収差を効果的に低減することができるからである。
上記のような測定を行う場合、本実施例に係る出射光測定装置100は、光ピックアップ10から出射される光ビームb2、b2cを取り込む際に、平行光である光ビームb2が入射される場合には平行光に変換するための処理を行わず、平行光ではない(具体的には、進行方向に向かって収束していく)光ビームb2cが入射される場合には、その光ビームb2cを平行光に変換するための処理を行う。詳しくは、出射光測定装置100では、入射される光ビームb2cを平行光に変換するために対物レンズ21を用い、入射される光ビームの種類に応じて対物レンズ21の取り付け及び取り外しができるように構成されている。即ち、平行光である光ビームb2を入射させる場合には対物レンズ21が取り外され、平行光でない光ビームb2cを入射させる場合には対物レンズ21が取り付けられる。
ここで、本実施例に係る出射光測定装置100の構成について、図3及び図4を用いて具体的に説明する。
図3は、光ピックアップ10から出射される光ビームb2に対して測定を行う場合における出射光測定装置100の構成を示した図であり、図4は、光ビームb2cに対して測定を行う場合における出射光測定装置100の構成を示した図である。測定対象が光ビームb2或いは光ビームb2cであるかに関わらず、基本的には、出射光測定装置100は、光学ヘッド20と画像処理システム40とを用いて測定を行う。
光学ヘッド20は、詳細は後述するが、移動可能に構成された集光レンズ23と、CCDカメラ26などを備えている(図5参照)。光学ヘッド20は、光ピックアップ10から出射される光ビームb2又は光ビームb2cを取り込み、集光レンズ23によって光ビームb2、b2cをCCDカメラ26上に集光し、CCDカメラ26上に形成されたビームスポットを撮像する。そして、光学ヘッド20は、撮像した画像データS1を画像処理システム40に供給する。画像処理システム40は、PC(パーソナルコンピュータ)41とモニタ42を備えており、PC41は取得した画像データS1を画像処理し、モニタ42に表示させる。更に、PC41は、画像処理した画像データに基づいて、光学ヘッド20内の集光レンズ23を移動させるための制御信号S2を光学ヘッド20に供給する。
図3に示すように、光ピックアップ10から出射される光ビームb2に対して測定を行う場合には、光ピックアップ10は、対物レンズ8が設けられたアクチュエータ9が取り外されている。したがって、光ピックアップ10は、ケーシング11に設けられた開口部12から光ビームb2を光学ヘッド20に対して出射する。この場合、光ビームb2は平行光であるので、光学ヘッド20は光ビームb2を平行光に変換せず、光学ヘッド20からは対物レンズ21を保持する対物レンズ保持部22(図4参照)が取り外されている。よって、光ピックアップ10から出射された光ビームb2は、ケーシング27に設けられた開口部29から光学ヘッド20の内部に入射する。
図4に示すように、光ピックアップ10から出射される光ビームb2cに対して測定を行う場合には、光ピックアップ10には、対物レンズ8が設けられたアクチュエータ9が矢印A2で示す位置に取り付けられている。したがって、光ピックアップ10は、対物レンズ8から光ビームb2cを光学ヘッド20に対して出射する。この場合、光ビームb2cはスポット光であるので、対物レンズ21によって光ビームb2bを平行光に変換するために、光学ヘッド20には対物レンズ21を保持する対物レンズ保持部22が矢印A1で示す位置に取り付けられている。よって、光ピックアップ10から出射された光ビームb2cは、対物レンズ21から光学ヘッド20の内部に入射する。
このように、本実施例に係る出射光測定装置100は、光ピックアップ10からの光ビームb2cを平行光にするための対物レンズ21が、容易に取り付け及び取り外しが可能なように構成されている。これにより、出射光測定装置100は、光ピックアップ10から出射される、平行光である光ビームb2及びスポット光である光ビームb2cに対して、1つの装置によって簡便な操作によって測定を行うことができる。
[光学ヘッドの構成]
以下では、本実施例に係る出射光測定装置100の光学ヘッド20の構成について説明する。図5、図6は、光学ヘッド20の概略構成を示しており、光学ヘッド20の光軸方向に平行な面に沿った断面図を示す。
図5は、光ピックアップ10から出射される平行光である光ビームb2に対して測定を行う場合における、光学ヘッド20の構成を示している。
光学ヘッド20は、集光レンズ23と、集光レンズ保持部24と、アクチュエータ25と、CCDカメラ26と、ケーシング27と、開口部29と、を備えている。この場合は、平行光である光ビームb2が入射されるので、対物レンズ21を保持する対物レンズ保持部22が取り外されている。
光ピックアップ10の開口部12より出射された光ビームb2は、光学ヘッド20のケーシング27上に設けられた開口部29から光学ヘッド20内に入射する。そして、開口部29より入射した光ビームb2は、ミラー28によって集光レンズ23方向に反射されて、集光レンズ23に入射する。
集光レンズ23は、光ビームb2の光軸に対して略垂直に配置され、集光レンズ保持部24に固定されている。集光レンズ保持部24は、アクチュエータ25により移動可能に保持されている。アクチュエータ25は、例えばモータとボールネジなどの機械式移動機構を備えて構成されており、矢印55で示す方向、即ち光軸方向に集光レンズ保持部24を移動させる。これにより、集光レンズ23を移動させて、光ビームb2のデフォーカスの度合いを変化させることができる。なお、アクチュエータ25は、PC41から供給される制御信号S2によって移動方向や移動量などが制御され、移動手段として機能する。
集光レンズ23は、光ビームb2を集光して、CCDカメラ26上に光ビームb4aを照射してビームスポット(第1のビームスポット)を形成する。CCDカメラ26は、照射された光ビームb4aのビームスポットを撮像し、撮像したビームスポットの画像データS1をPC41に供給する。
図6は、光ピックアップ10から出射されるスポット光である光ビームb2cに対して測定を行う場合における、光学ヘッド20の構成を示している。
光学ヘッド20は、上記と同様の構成であるが、この場合にはスポット光である光ビームb2cが入射されるので、光ビームb2cを対物レンズ21によって平行光にするために、対物レンズ21を保持する対物レンズ保持部22が取り付けられている。光ピックアップ10の対物レンズ8から出射された光ビームb2cは、光学ヘッド20の対物レンズ21に入射する。対物レンズ21は、光ビームb2cを集光して光ビームb4b(第3の光ビーム)を出射する。そして、対物レンズ21から出射された光ビームb4bは、ミラー28によって集光レンズ23の方向に反射されて、集光レンズ23に入射する。
集光レンズ23を保持する集光レンズ保持部24は、アクチュエータ25により移動可能に保持されており、アクチュエータ25は矢印55で示す方向に集光レンズ保持部24を移動させる。これにより、集光レンズ23を移動させて、集光レンズ23に入射される光ビームb4bのデフォーカスの度合いを変化させることができる。なお、アクチュエータ25は、PC41から供給される制御信号S2によって制御される。
集光レンズ23は、光ビームb4bを集光して、CCDカメラ26上に光ビームb4cを照射してビームスポット(第2のビームスポット)を形成する。CCDカメラ26は、照射された光ビームb4cのビームスポットを撮像し、撮像したビームスポットの画像データS1をPC41に供給する。
次に、本実施例に係る光学ヘッド20を用いたビームスポット形状の測定例を、図7を用いて具体的に説明する。なお、図7では、光ピックアップ10から出射される光ビームb2に対しての測定例を示している。よって、光学ヘッド20は、対物レンズ21が取り外されている。
図7(a)は、集光レンズ23の移動方法を示している。PC41は、集光レンズ23が矢印60で示す方向に移動するようにアクチュエータ25を制御する。そして、集光レンズ23が符号K1、K2、K3、K4、K5で示す位置に達したときに、ビームスポットの形状をCCDカメラ26によって撮像する。これらの位置で撮像された画像は、それぞれ図7(b)〜(f)に示すようにモニタ42に表示される。なお、上記の撮像する位置は等間隔である。
図7(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、それぞれ集光レンズ23を符号K1、K2、K3、K4、K5で示す位置に配置した場合にCCDカメラ26により撮像されたビームスポットSPa、SPb、SPc、SPd、SPe(以下、「ビームスポットSP」と記した場合は、これら全てを含むものとする)の形状を示している。なお、ビームスポットSPは、レーザパワーに応じて色が段階的に変化するようにモニタ42に表示される。ここで示す図7(b)〜(f)においては、ハッチングの濃淡によってレーザパワーの強弱を大まかに表現している。具体的には、図7(b)に示すように、ビームスポットSPaの中心にある符号61aで示す領域は最もレーザパワーが強く、符号61bで示す領域、符号61cで示す領域へと中心から外周側に離れるにつれてレーザパワーは弱くなっていく。位置K1に対応するビームスポットSPaは、一方向に伸びた楕円の形状を有しており、上記のレーザパワーの分布が広がっている。
図7(c)に示すように、位置K2に対応するビームスポットSPbも、同一の方向に伸びた楕円の形状を有しており、レーザパワーの分布が広がっている。但し、その長辺はビームスポットSPaよりも緩やかであり、レーザパワーの分布の広がり具合は小さい。図7(d)に示すように、位置K3に対応するビームスポットSPcは、真円の形状を有しており、最もレーザパワーが強い領域が占める割合が大きいことがわかる。即ち、ビームスポットSPcは、図3の合焦点の位置53に相当する。
図7(e)に示すように、位置K4に対応するビームスポットSPdは、ビームスポットSPbと概ね垂直な方向に伸びた楕円の形状を有しており、レーザパワーの分布が広がっている。また、図7(f)に示すように、位置K5に対応するビームスポットSPeは、ビームスポットSPaと概ね垂直方向に伸びた楕円の形状を有しており、レーザパワーの分布が広がっている。即ち、ビームスポットSPの形状及びレーザパワーの分布は、合焦点位置53を挟んで概ね線対称になっていることがわかる。図7(b)及び図7(f)に対応する位置K1及びK5がそれぞれ焦点であるとすると、非点隔差Eは図7(a)におけるK1とK5の距離に相当する。従って、アクチュエータ25の移動距離に基づいて位置K1〜K5の距離を算出することにより、非点隔差Eを求めることができる。このように、ビームスポットSPをモニタ42に表示させることにより、非点隔差Eを測定して光ピックアップ10の出射光の特性を評価することが可能となる。なお、上記の非点隔差Eは、撮像されたビームスポットの画像に基づいて、PC41が自動的に検出することもできる。この場合、PC41は、非点隔差Eを検出する検出手段として機能する。
なお、上記では、光学ヘッド20による光ビームb2に対する測定結果を示したが、光学ヘッド20に対物レンズ21を取り付けて光ビームb2cに対して測定を行っても、図7に示したものと同様の結果が得られる。
以上のように、本実施例に係る光学ヘッド20は、光ピックアップ10が出射した光ビームb2、b2cを集光レンズ23にて集光し、この集光レンズ23を移動させてデフォーカスの度合いを変化させることによって、非点隔差Eを画像処理システム40において測定している。ここで、平行光である光ビームb2を測定する場合において、本実施例に係る出射光測定装置100と、干渉計などを用いて測定を行う比較例の構成とを比較した場合、ビームスポットをCCDカメラ26上に位置させる際に要求される精度は、比較例における干渉計の光軸を調整する際に要求される精度に比べてかなり低くて済む。これにより、出射光測定装置100は、比較例における干渉計を用いる構成と比較すると、光ピックアップ10の光ビームb2の測定操作を容易に行うことができると共に、格段に安価に構成することができる。
また、スポット光である光ビームb2cを測定する場合において、集光レンズ23を固定して対物レンズ21を移動させる別の比較例の構成と比較した場合、上記の出射光測定装置100における集光レンズ23の移動精度は、上記の比較例において対物レンズ21の移動に要求される精度に比べてかなり低くて済む。よって、出射光測定装置100は、集光レンズ23の移動手段としてピエゾ素子などの高精度の移動手段を用いる必要がなくなり、安価に構成することができると共に、測定操作も容易となる。
次に、本実施例に係る出射光測定装置100の他の機能について説明する。
一般的に、光ピックアップは、光ビームを照射する記録媒体の種類によって出射する光ビームの波長が異なる。例えば、光ピックアップは、記録媒体がCDである場合には波長が785nmの光ビームを出射し、記録媒体がDVDである場合には波長が660nmの光ビームを出射し、記録媒体がBDである場合には波長が405nmである光ビームを出射する。このような光ビームを集光レンズに入射させた場合、それぞれの波長に応じて集光レンズの焦点距離が変わる、言い換えると集光ポイントが変わることが知られている。具体的には、光ビームの波長に応じて、集光レンズの焦点距離が長くなったり短くなったりする。通常は、測定対象となる光ビームの波長が変更されると、測定装置を別の装置に変更するか、或いは測定装置の設定を大きく変更して測定を行っていた。こうするのは、光ビームの波長が変わっても測定装置の設定などを変えないと、装置内部のCCDカメラ上に照射される光ビームにおいて色収差が生じてしまうからである。
本実施例に係る出射測定装置100では、測定対象となる光ビームの波長が変わっても、装置を別のものに変更せず、且つ装置の設定も大きく変更することなく、光ピックアップ10の測定を行うことができる。具体的には、出射光測定装置100の光学ヘッド20は、測定の対象となる光ビームの波長に応じて集光レンズ23を移動させる(即ち、集光レンズ23とCCDカメラ26との距離を変化させる)ことによって、光ビームの波長の変化による集光レンズ23の焦点距離の変化に対して対処する、言い換えると光ビームの波長の違いによって生じる色収差を吸収する。
具体的には、光ビームの波長の変化によって生じる集光レンズ23の焦点距離の変化(以下、「焦点距離変化」とも呼ぶ。)、言い換えると光ビームの波長の変化によって生じる焦点距離の色収差は、以下のように導くことができる。まず、対物レンズ23の焦点距離(対物レンズ23から後ろ側(出射側)の焦点までの距離)fは、空気中における対物レンズ23の屈折率nと、対物レンズ23の両面の曲率半径R1、R2とを用いて、式(1)で表すことができる。なお、屈折率nは光ビームの波長に応じて変化する。
1/f=(n−1)/(1/R1−1/R2) 式(1)
また、光ビームの波長の変化による焦点距離変化δfは、上記した焦点距離fと、対物レンズ23の屈折率nと、光ビームの波長の変化による屈折率変化δnとを用いて、式(2)で表すことができる。なお、式(2)中の焦点距離fと屈折率nは、変更後の光ビームのものとする。
−δf/f=δn/(n−1) 式(2)
したがって、測定対象となる光ビームの波長を変更した場合、上記の式(2)を用いて焦点距離変化δfを求め、この焦点距離変化δfに相当する量だけ、光学ヘッド20内の集光レンズ23を移動させればよい。
ここで、光ビームの波長に違いによって生じる色収差を吸収する方法について、具体的に図8を用いて説明する。なお、図8では、光ピックアップ10から出射される平行光である光ビームに対して測定を行う場合の構成を示している。よって、光学ヘッド20は、対物レンズ21が取り外されている。
図8(a)は、DVDに対して用いられる光ビームRL(即ち、赤色レーザ)を出射する光ピックアップ10aに対して測定を行う具体例を示しており、図8(b)は、BDに対して用いられる光ビームBL(即ち、青色レーザ)を出射する光ピックアップ10bに対して測定を行う具体例を示している。光ビームRLの波長は660nmであり、光ビームBLの波長は405nmであるので、光ビームBLは光ビームRLよりも波長が短いため、光ビームBLに対する集光レンズ23の焦点距離は光ビームRLに対する集光レンズ23の集光距離よりも短くなる。
具体的には、測定対象を光ビームRLから光ビームBLに変更する場合、2つの光ビームRL、BLにおける焦点距離変化δfは、上記した式(2)を用いて求めることができる。この場合、焦点距離変化δfは、予め求められており、PC41内のメモリなどに記憶されている。よって、PC41は、測定対象を光ビームRLから光ビームBLに変更する際に、記憶している焦点距離変化δfを読み出して、焦点距離変化δfに相当する移動量Xだけ集光レンズ23を矢印56で示す方向に移動させるように信号S2をアクチュエータ25に供給する。これにより、測定対象を光ビームRLから光ビームBLに変更しても、変更後の光ビームBLを集光レンズ23によってCCDカメラ26上に適切に集光させることができる。即ち、光ビームBLを適切にデフォーカスして、CCDカメラ26上に形成されるビームスポットの形状に基づいて光ビームBLの特性を測定することが可能となる。
なお、上記では、平行光である光ビームRL、BLにおいて発生する色収差を吸収する方法について示したが、光学ヘッド20は、光ビームRL、BLを対物レンズ8によって集光したスポット光である光ビームに対しても、上記と同様の方法で色収差を吸収することができる。
以上のように、本実施例に係る出射光測定装置100は、測定対象となる光ビームの波長が変化することによって生じる色収差に対して、対物レンズ23を移動させることによって吸収することができる。言い換えると、光ビームの波長が変化しても、出射光測定装置100は、集光レンズ23を移動させることによって、光ビームをCCDカメラ26上に適切に集光させることができる。したがって、出射光測定装置100は、光ビームの波長の変化に対して簡便な操作によって対処することができる。これにより、出射光測定装置100は、測定対象となる光ビームの波長が変わっても、装置を別のものに変更したり、装置の設定を大きく変更したりすることなく、簡便に測定を行うことができる。
なお、上記の実施例では、波長が異なる2種類の光ビームについて調整を行う場合を示したが、波長が異なる3種類以上の光ビームについても、同様に式(2)に基づいて焦点距離変化を算出し、集光レンズ23を移動させることにより対応することができる。
[変形例]
次に、本発明の変形例に係る光学ヘッド20aについて、図9を用いて説明する。
図9は、変形例に係る光学ヘッド20aの概略構成を示しており、光学ヘッド20aの光軸方向に平行な面に沿った断面図を示す。なお、上記した光学ヘッド20と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。また、図9では、光ピックアップ10から出射される光ビームb2に対して測定を行う場合の構成を示している。よって、光学ヘッド20aは、対物レンズ21が取り外されている。
光学ヘッド20aは、集光レンズ23、31、36と、対物レンズ30と、集光レンズ保持部24と、アクチュエータ25と、CCDカメラ26、37と、ケーシング27と、開口部29と、ハーフミラー35と、を備えている。変形例に係る光学ヘッド20aは、入射される光ビームb2を分岐した光ビームを2つのCCDカメラ26、37で撮像する点と、CCDカメラ26に入射させる光ビームを更に対物レンズ30及び集光レンズ31に入射させている点で、上記した光学ヘッド20と異なる。以下で、具体的に説明する。
光ピックアップ10の開口部12より出射され、光学ヘッド20aの開口部29から入射した光ビームb2は、ハーフミラー35にて光ビームb21と光ビームb22とに分岐される。光ビームb21は、集光レンズ36に入射する。なお、集光レンズ36は、集光レンズ23よりも低倍率なレンズを用いている。集光レンズ36は、光ビームb21を集光して、CCDカメラ37に光ビームb7を照射してビームスポットを形成する。CCDカメラ37は、供給される光ビームb7のビームスポットを撮像し、撮像したビームスポットの画像データS1aをPC41に供給する。
一方、光ビームb22は、移動可能に構成された集光レンズ23に入射する。集光レンズ23によって集光された光ビームb5は対物レンズ30に入射し、対物レンズ30から出射された光ビームb5aは集光レンズ31に入射する。そして、集光レンズ31は、光ビームb5aを集光して、CCDカメラ26に光ビームb5bを照射してビームスポットを形成する。CCDカメラ26は、照射された光ビームb5bのビームスポットを撮像し、撮像したビームスポットの画像データS1bをPC41に供給する。
なお、光学ヘッド20aに対物レンズ30及び集光レンズ31が設けられているのは、集光レンズ23のみを通過してCCDカメラ26により撮像されるビームスポットは上下左右が逆転したものとなっているため、集光レンズ23から出射した光ビームb5を更に対物レンズ30と集光レンズ31を通過させることにより上下左右の方向を再度逆転させる。これにより、光ピックアップ10から出射した光ビームの移動方向と、CCDカメラ26により撮像されるビームスポットの移動方向とを一致させることができ、ユーザはモニタ42を目視しながら装置の調節を行いやすくなる。
このように光学ヘッド20aを構成することにより、効果的に光ピックアップ10を調整(例えば、平行度や光軸角度などの調整)することができる。以下で、具体的に、変形例に係る光学ヘッド20aを用いた光ピックアップ10の調整方法について説明する。
まず、CCDカメラ37で撮像されるビームスポットに基づいて、光ピックアップ10のレーザダイオード1から出射される光ビームの調整を行う。即ち、集光レンズ36とCCDカメラ37とから構成される光学系(以下、「低倍率光学系200」と称す)によって得られるビームスポットに基づいて、光ピックアップ10の調整を行う。前述したように、集光レンズ36は集光レンズ23よりも低倍率であるので、低倍率光学系200では低倍率のビームスポットが撮像される。これにより、低倍率光学系200で得られたビームスポットにより光ピックアップ10の大まかな調整(粗調整)を行うことができる。
上記の低倍率光学系200を用いた光ピックアップ10の調整の後、CCDカメラ26で撮像されるビームスポットに基づいて、更に光ピックアップ10のレーザダイオード1から出射される光ビームの平行度及び光軸角度の調整を行う。即ち、集光レンズ23、31及び対物レンズ30とCCDカメラ26とから構成される光学系(以下、「高倍率光学系201」と称す)によって得られるビームスポットに基づいて、光ピックアップ10の調整を行う。集光レンズ23は集光レンズ36よりも高倍率であるので、高倍率光学系201では高倍率のビームスポットが撮像される。これにより、高倍率光学系201にて得られたビームスポットに基づいて、光ピックアップ10を厳密に調整することができる。
以上のように、変形例に係る光学ヘッド20aを用いて、低倍率光学系200に基づいた粗調整と高倍率光学系201に基づいた微調整とに分けて光ピックアップ10の調整が行われる。この理由は、以下の通りである。低倍率光学系200で得られたビームスポットのみに基づいて調整を行うと、光ピックアップ10の調整を厳密に行うことはできない。また、高倍率光学系201で得られたビームスポットのみに基づいて調整を行うと、光ピックアップ10の調整を厳密に行うことはできるが、光ピックアップ10の調整に対して撮像されるビームスポットの変化が大きいために最適なポイントに調整するまでに時間がかかってしまう。したがって、まず低倍率光学系200にて撮像されるビームスポットに基づいて大まかに調整を行った後、この調整が行われた光ピックアップ10に対して高倍率光学系201に基づいて厳密に調整すると、上記のような1つの工程による調整と比較して、光ピックアップ10の調整にかかる時間を削減することができると共に、光ピックアップ10の調整を厳密に行うことができる。
更に、変形例に係る光学ヘッド20aを用いた光ピックアップ10の調整方法と、オートコリメータ及び干渉計を用いる比較例の調整方法とを比較すると、比較例の場合は調整の工程ごとに装置をセッティングする必要があるが、光学ヘッド20aでは粗調整と微調整を同一の装置によって行っているため、調整に対してセッティングは一度だけでよい。これにより、比較例の構成と比較して、変形例に係る光学ヘッド20aによる調整方法はセッティングに要する時間をかなり削減することができるため、迅速に光ピックアップ10の調整を行うことが可能となる。
なお、図9に示す光学ヘッド20aでは、説明の単純化のために光ビームの経路を直線的に配置しているが、実際には、複数のミラーなどを用いて、光ビームの経路を光学ヘッド20a内で迂回させることができる。光学的に同一の構成であっても、光学ヘッド20aに搭載される他の光学部品や移動機構などとの関係で、光ビームの経路を迂回させることにより、実際の光学ヘッドの長さを短くすることができ、光学ヘッドを小型化することが可能となる。
なお、本発明では、対物レンズ21が手動で物理的に取り外せるように光学ヘッド20を構成することに限定はされない。他の例では、対物レンズ21が移動可能なように光学ヘッドを構成することができる。この場合には、対物レンズ21は例えばアクチュエータなどを用いて自動で移動可能なように構成される。具体的には、測定対象が光ビームb2である場合には、光ビームb2が入射されないような位置に対物レンズ21を移動させ、測定対象が光ビームb2cである場合には、光ビームb2cが入射されるような位置に対物レンズ21を移動させる。これにより、平行光である光ビームb2が入射される場合には平行光に変換するための処理が行われ、スポット光である光ビームb2cが入射される場合には平行光に変換するための処理が行われる。
更に、他の例では、対物レンズ21が固定され、且つ光ピックアップ10から光学ヘッドに入射された光ビームの光路がミラーなどによって変更されるように光学ヘッドを構成することができる。具体的には、測定対象が光ビームb2であるか光ビームb2cであるかによって、光学ヘッドに入射された光ビームの光路が、移動可能に構成されたミラーによって切り替わるように光学ヘッドを構成することができる。この場合、光ビームb2である場合には、光ビームb2が対物レンズ21に入射しないような光路を光ビームb2が進行するようにミラーを位置させ、測定対象が光ビームb2cである場合には、光ビームb2cが対物レンズ21に入射するような光路を光ビームb2cが進行するようにミラーを位置させる。
光ピックアップの概略構成を示す斜視図である。 光ピックアップにて生じる非点収差を説明するための図である。 平行光である光ビームを測定する場合の、本発明の実施例に係る出射光測定装置の構成を示す図である。 スポット光である光ビームを測定する場合の、本発明の実施例に係る出射光測定装置の構成を示す図である。 平行光である光ビームを測定する場合の、光学ヘッドの構成を示す図である。 スポット光である光ビームを測定する場合の、光学ヘッドの構成を示す図である。 モニタに表示されるビームスポット形状の具体例を示す図である。 光ビームの波長を変更した場合に生じる色収差を吸収する方法について示した図である。 本発明の変形例に係る光学ヘッドの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 レーザダイオード
10 光ピックアップ
20、20a 光学ヘッド
21 対物レンズ
23 集光レンズ
25 アクチュエータ
40 画像処理システム
41 PC(パーソナルコンピュータ)
42 モニタ
100 出射光測定装置

Claims (3)

  1. 光ピックアップから出射される光ビームの特性を測定する光ピックアップの出射光測定装置であって、
    前記光ピックアップから出射される、平行光である第1の光ビーム、又は前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームが入射される入射部と、
    取り外し可能に構成され、前記第2の光ビームを平行光にして第3の光ビームとして出射する対物レンズと、
    前記対物レンズが取り外されている場合には前記第1の光ビームを集光して所定位置に第1のビームスポットを形成すると共に、前記対物レンズが取り付けられている場合には前記第3の光ビームを集光して前記所定位置に第2のビームスポットを形成する集光レンズと、
    前記集光レンズを光軸方向に移動させる移動手段と、
    前記所定位置に配置され、前記集光レンズにより集光された前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットを撮像する撮像手段と、
    前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビーム又は前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポット又は前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポット又は複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする光ピックアップの出射光測定装置。
  2. 前記移動手段は、機械式に前記集光レンズを移動させる移動機構であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップの出射光測定装置。
  3. 集光レンズ、所定位置に配置された撮像手段、移動手段及び脱着可能な対物レンズを備える測定装置を用いた光ピックアップの出射光測定方法であって、
    光ピックアップから出射される平行光である第1の光ビームを測定する第1の測定工程と、前記第1の光ビームを集光した第2の光ビームを測定する第2の測定工程と、を備え、
    前記第1の測定工程は、
    前記第1の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第1のビームスポットを形成する第1の集光工程と、
    前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第1のビームスポットの画像に基づいて、前記第1の光ビームの特性を評価する第1の評価工程と、を備え、
    前記第2の測定工程は、
    前記対物レンズを前記測定装置に取り付ける工程と、
    前記第1の光ビームを前記対物レンズによって前記第3の光ビームにし、当該第3の光ビームを前記集光レンズによって集光して前記撮像手段上に第2のビームスポットを形成する第2の集光工程と、
    前記集光レンズを前記移動手段によって光軸方向に移動させつつ、前記撮像手段により撮像した前記第2のビームスポットの画像に基づいて、前記第2の光ビームの特性を評価する第2の評価工程と、を備え、
    前記第1の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第1の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第1のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第1のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出し、
    前記第2の評価工程は、前記光ピックアップから出射される前記第2の光ビームの波長に応じて前記集光レンズを自動的に光軸方向に移動させて、前記所定位置に前記第2のビームスポットが形成されるように設定を行うと共に、前記設定を行った状態から更に前記集光レンズを前記光軸方向に所定量ずつ移動させながら前記撮像手段が撮像した複数の前記第2のビームスポットの画像および当該複数の画像を撮像したときの前記集光レンズの移動距離に基づいて、非点隔差を検出することを特徴とする光ピックアップの出射光測定方法。
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