JP4135874B2 - 感光性樹脂組成物および積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、剥離の容易な感光性樹組成物及び積層体、ならびにそれを用いた回路パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコンや携帯機器など電子機器には、部品や半導体などの実装用としてプリント配線板が使用されている。これらのプリント配線板等の製造用レジストとして、従来、支持体と感光性樹脂層と保護層から成る、いわゆるドライフィルムレジスト(以下DFRと略称)が用いられている。
DFRは、一般に支持体上に感光性樹脂層を積層し、さらに該感光性樹脂層上に保護層を積層することにより調製される。ここで用いられる感光性樹脂層としては、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のものが一般的である。
【0003】
ここで用いられる感光性樹脂層としては、カルボキシル基を有する熱可塑性重合体、少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を含有する付加重合性モノマー、および光重合開始剤を含有する組成物が一般的に用いられている。
このようなDFRを用いてプリント配線板を作製するには、まず保護層を剥離した後、銅張積層板やフレキシブル基板等の永久回路作成用基板上にラミネーター等を用いDFRを積層し、配線パターンを有するマスクフィルム等を通して露光を行う。次に、必要に応じて支持体を剥離し、現像液により未露光部分の感光性樹脂層を溶解、もしくは分散除去し、基板上にレジストパターンを形成させる。
【0004】
レジストパターン形成後、回路を形成させるプロセスは、大きく2つの方法に分かれる。
第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない銅張り積層板等の銅面をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法である。
また、第二の方法は、上記のレジストパターンによって覆われていない銅張り積層板等の銅面に、銅、半田、ニッケルまたは錫等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに、現れた銅張り積層板等の銅面をエッチングする方法である。
【0005】
エッチングには、塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液等が用いられる。
めっきによる回路形成においては、レジストパターンが完全に剥離されることが重要である。回路間にレジスト材が残存すると、エッチング工程においてその部分のエッチングが進まず、回路のショート(短絡)の原因になる。特に、回路間が狭くなると、より剥離が困難になり歩留まり悪化の原因になっていた。
この問題を解決するために、感光性樹脂材料の組成面や剥離液等の改良などによる対策がこれまで検討されてきたが、十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の課題は、感光性樹脂中に紫外線によりガスを発生する化合物を含有することにより、剥離性を著しく改良した感光性樹脂組成物及び積層体、その積層体を用いた回路パターンの形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願は以下の発明を提供する。
(1)(a)カルボキシル基を有する熱可塑性重合体、(b)エチレン性不飽和付加重合性モノマー、(c)光重合開始剤、および(d)GAP[グリシジル アジド ポリマー(Glycidyl A zido Polymer)]、又はAMMO[3−アジドメチル−3 メチルオキセタン(3−Azidomethyl−3 methyloxetane)]を含有する感光性樹脂組成物。
(2) (1)記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に有する感光性樹脂積層体。
(3) 該支持体における300nm以下の紫外線の透過率が0.1%以下であることを特徴とする(2)記載の感光性樹脂積層体。
【0008】
(4) 支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする(2)又は(3)記載の感光性樹脂積層体。
(5)(2)、(3)、又は(4)記載の感光性樹脂積層体を金属板、または金属被覆絶縁板の表面に積層し、支持体を通して紫外線露光した後、現像により未露光部を除去し、めっきにより導体を形成し、次いで、硬化した感光性樹脂組成物を剥離する際に、300nm以下の波長を含む紫外線を照射することを特徴とする回路パターンの形成方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を詳細に説明する。
本願発明に用いられる(a)成分のカルボキシル基含有熱可塑性重合体としては、i)重合性不飽和カルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の第1単量体と、ii)アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドとその窒素上の水素をアルキル基またはアルコキシ基に置換した化合物、スチレン及びスチレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルの中から選ばれる少なくとも1種の第2単量体をビニル共重合して得られる化合物が挙げられる。
【0010】
上記のi)の第1単量体の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸半エステル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
この第1単量体の割合は、アルカリ水溶液による現像性の観点から、15質量%以上であることが好ましく、合成の観点から、40質量%以下であることが好ましい。この割合は、特に好ましくは、20質量%以上35質量%以下である。
【0011】
上記ii)の第2単量体の具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
この第2単量体の割合は、第1単量体の量により自動的に決まる量であるが、硬化膜の可とう性の観点から、60質量%以上であることが好ましく、現像時間の観点から、85質量%以下であることが好ましい。この割合は、特に好ましくは、65質量%以上80質量%以下である。
本願発明に用いられるカルボキシル基含有熱可塑性重合体の重量平均分子量は、硬化膜の強度の観点から、2万以上であることが好ましく、感光性樹脂組成物の粘度、およびそれに関連する塗工性の観点から、30万以下であることが好ましい。この重量平均分子量は、特に好ましくは、3万以上15万以下である。
この場合の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した重量平均分子量のことである。
【0013】
本願発明に用いられるカルボキシル基含有熱可塑性重合体は、単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成することが好ましい。この際に、混合物の一部を反応液に滴下しながら合成する場合もある。また、反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。
【0014】
また、カルボキシル基含有熱可塑性重合体の合成手段として、上記の溶液重合以外にも、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合も用いられる。
本願発明に用いられるカルボキシル基含有熱可塑性重合体の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、アルカリ現像液に対する分散性およびそれに関連する現像性の観点から、30質量%以上であることが好ましく、感光性樹脂層の光硬化性およびそれに関連するレジスト耐性の観点から、75質量%以下であることが好ましい。この含有量は、より好ましくは、40質量%以上65質量%以下である。
以上述べたカルボキシル基含有熱可塑性重合体は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明に用いられる(b)成分のエチレン性不飽和付加重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、α−ヒドロキシプロピル−β−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレート、1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ノナプロピレングリコール、ビス(テトラエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、
【0016】
ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、ビス(ジエチレングリコールアクリレート)ポリプロピレングリコール、4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコールテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にエチレンオキシド鎖を含む化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にプロピレンオキシド鎖を含む化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にエチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖の双方を含む化合物、ウレタン基含有化合物、例えば、ジイソシアネート化合物とヒドロキシプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物などが挙げられる。
【0017】
本願発明に用いられる(b)成分のエチレン性不飽和付加重合性モノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、感光性樹脂の硬化性およびそれに関連するレジスト強度の観点から、20質量%以上であることが好ましく、エッジフュージョン(感光性樹脂積層体がロ−ル状で保存された場合に、端面から感光性樹脂層が次第にはみだす現象)の観点から、その割合が65質量%以下であることが好ましい。この含有量は、より好ましくは30質量%以上60質量%以下である。
【0018】
本願発明に用いられる(c)の光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジフェニルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4−フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの芳香族ケトン類、
【0019】
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、α、α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルグリシン、N−フェニルグリシンさらに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、2,3−ジオキソ−3−フェニルプロピオン酸エチル−2−(o−ベンゾイルカルボニル)−オキシム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸及びp−ジイソプロピルアミノ安息香酸及びこれらのアルコールとのエステル化物、p−ヒドロキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。
【0020】
これらの中でも特に、2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾリル二量体と、ミヒラーズケトンもしくは4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせが好ましい。
【0021】
本願発明に用いられる(c)成分の光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、感度の観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、紫外線吸収率およびそれに関連する感光性樹脂層の底の部分の硬化性の観点から、20質量%以下であることが好ましい。この含有量は、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0022】
本願発明に用いられる(d)成分の紫外線によりガスを発生する化合物としては、波長300nm以上では分解しないアジド基含有化合物であることが好ましい。
これらの中でも、合成の容易さ、安全性などの点からメチルアジド基を有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、GAP[グリシジル アジド ポリマー(Glycidyl Azido Polymer)]、AMMO[3−アジドメチル−3 メチルオキセタン(3−Azidomethyl−3 methyloxetane)]、BAMO[3,3−ビス アジドメチル オキセタン(3,3−bis azidomethyl oxetane)]等が挙げられる。
【0023】
また、芳香族に直接アジド基が結合した化合物も使用可能である。このような化合物としては、例えば、p−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンザル)−シクロヘキサノンなど、ネガ型フォトレジスト用感光剤などが用いられる。
【0024】
本願発明の感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、ラジカル重合禁止剤を含有させることは、好ましい実施態様である。このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、t−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0025】
また、本発明の感光性樹脂組成物に、光照射により発色する発色系染料を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料とハロゲン化合物の組み合わせが良く知られている。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。
【0026】
一方、ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン等が挙げられる。
【0027】
さらに、本願発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤等の添加剤を含有させてもよい。このような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
【0028】
本願発明の感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の膜厚は、1μm以上150μm以下であることが好ましく、3μm以上80μm以下が特に好ましい。
製膜塗工性の観点から、感光性樹脂層の厚みは1μm以上が好ましく、現像後の画像の解像度、密着性の観点からは150μm以下が好ましい。
本願発明の感光性樹脂積層体を作製する方法は、従来知られている方法で行うことができる。例えば、本発明の感光性樹脂組成物を溶剤と混ぜ合わせて均一な溶液にしておき、支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥することで、支持体上に感光性樹脂層を積層した本願発明の感光性樹脂積層体を得ることができる。
【0029】
本願発明の感光性樹脂積層体において用いられる支持体は、活性光を透過する透明なものが望ましい。このようなものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。
【0030】
また、パターン形成のための露光時の発泡を防ぐ観点から、300nm以下の紫外線の透過率が0.1%以下であることが好ましく、その透過率が極めて小さいポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
本願発明の感光性樹脂積層体に用いられる支持体の厚みは、好ましくは10μm以上40μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上30μmである。
取り扱いの観点から、支持体の厚みは10μm以上が好ましく、解像度の点からは40μm以下が好ましい。
【0031】
また、本願発明の感光性樹脂積層体の感光性樹脂層上に、保護層をラミネートして、3層構造の感光性樹脂積層体を作製することもできる。この場合の保護層の厚みは、最終製品の歩留まりの点からは、15μm以上であることが好ましく、製造コストの点からは50μm以下が好ましい。この厚みは、さらに好ましくは、25μm以上45μm以下である。
上記の保護層に用いられるフィルムとしては、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムあるいはシリコーン処理またはアルキッド処理により剥離性を向上させたポリエステルフィルム等を挙げることができる。これらの中でも、上記保護層に用いられるフィルムとしては、特に、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0032】
次に、本願発明の感光性樹脂積層体を用いてプリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
プリント配線板は、以下の各工程を経て製造される。
(1)感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながら銅張積層板やフレキシブル基板等の基板上にホットロールラミネーターを用いて密着させるラミネート工程。
(2)所望の配線パターンを有するマスクフィルムを支持体上に密着させ活性光線源を用いて露光を施す露光工程。
(3)支持体を剥離した後アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解または分散除去、レジストパターンを基板上に形成する現像工程。
(4)形成されたレジストパターン上からエッチング液を吹き付けレジストパターンによって覆われていない銅面をエッチングするエッチング工程、またはレジストパターンによって覆われていない銅面に銅、半田、ニッケルおよび錫等のめっき処理を行うめっき工程。
(5)レジストパターンを、波長300nm以下を含む紫外線照射後、アルカリ剥離液を用いて基板から除去する剥離工程。
【0033】
上記の露光工程において用いられる活性光線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなどが挙げられる。また、より微細なレジストパターンを得るためには平行光光源を用いるのがより好ましい。ゴミや異物の影響を極力少なくしたい場合には、フォトマスクを支持体(A)上から数十μm以上数百μm以下浮かせた状態で露光(プロキシミティー露光)する場合もある。
【0034】
また、現像工程で用いられるアルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は感光性樹脂層(B)の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5質量%以上3%質量以下の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
エッチング工程は、酸性エッチング、アルカリエッチングなど、使用するDFRに適した方法で行われる。
めっき工程としては、硫酸銅めっき、また必要によりさらにはんだめっきがなされる。
【0035】
剥離前の工程で用いられる紫外線としては、300nm以下の波長を含んでいるものが好ましい。これらのものとしては、DeepUV装置などがある。
剥離工程で用いられるアルカリ剥離液としては、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液、例えば1質量%以上5質量%以下の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液、有機アミン系水溶液などが挙げられる。
めっき工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングすることにより回路パターンが形成される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明の実施の形態の例をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
1)基本評価
(感光性樹脂積層体の作成)
i)メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸n−ブチル(質量比が65/25/10)の組成を有し、重量平均分子量が12万である共重合体の30質量%メチルエチルケトン溶液 140g
ii)ノナエチレングリコールジアクリレート 20g
iii)トリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート 20g
iv)ミヒラーズケトン 0.2g
v)2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体 3g
vi)ダイヤモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製) 0.02g
vii)ロイコクリスタルバイオレット 0.4g
viii)GAP[グリシジル アジド ポリマー(Glycidyl Azido Polymer)] 5g
【0037】
上記の組成の感光性樹脂組成物を混合し、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコーターを用いて均一に塗布し、90℃の乾燥機中に2分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは40μmであった。
感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上にポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
【0038】
(基板の整面)
銅箔厚みが35μmである銅張り積層板(板厚;1.6mm)を、サクランダムR#220の砥粒(日本カーリット社製)を用いて、ジェットスクラブ研磨をした。
(ラミネート)
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、前処理した銅合金基板に2段式ホットロールラミネーター(旭化成製AL−700)により前段ロール:100℃、後段ロール:100℃の条件でラミネートした。ラミネーターのロール圧力は、エアーゲージ表示で0.30MPaとし、ラミネート速度は2.0m/min.とした。
【0039】
(露光)感光性樹脂層に、マスクフィルムなしで、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製:HMW−801)により60mJ/cm2で露光した。
(現像)ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を所定時間スプレーした。
この際、未露光部分の感光性樹脂が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とし、所定現像時間はその1.5倍とした。
【0040】
(剥離性試験)
3cm×5cmエリア上に60mJ/cm2の露光量で露光、現像した基板に、DeepUV露光装置[ウシオ電気(株)製、照度割合は200〜260nm:71.3%、200〜300nm:92.4%]により1J/cm2の露光量を照射した。間もなくガスの発生が認められ基板から浮き上がる様な現象が認められた。その後、50℃に保った3wt%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、硬化した感光性樹脂層が基材から剥がれる時間を測定したところ、20秒で剥離した。
【0041】
(実施例2)
実施例1において、GAPの代わりに、AMMO[3−アジドメチル−3 メチルオキセタン(3−Azidomethyl−3 methyloxetane)]を用いる他は実施例1と全く同様にして剥離時間を測定したところ、25秒で剥離した。
【0042】
(比較例1)
実施例1において、GAPを用いない他は実施例1と全く同様にして剥離時間を測定したところ、50秒であった。
【0043】
【発明の効果】
本願発明による感光性樹脂組成物は、紫外線照射により、極めて優れた剥離性を有し、プリント基板または半導体パッケージ用基板の製造に極めて有用である。
Claims (5)
- (a)カルボキシル基を有する熱可塑性重合体、(b)エチレン性不飽和付加重合性モノマー、(c)光重合開始剤、および(d)GAP[グリシジル アジド ポリマー(Glycidyl A zido Polymer)]、又はAMMO[3−アジドメチル−3 メチルオキセタン(3−Azidomethyl−3 methyloxetane)]を含有する感光性樹脂組成物。
- 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に有する感光性樹脂積層体。
- 該支持体における300nm以下の紫外線の透過率が0.1%以下であることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂積層体。
- 支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項2又は3記載の感光性樹脂積層体。
- 請求項2、3、又は4記載の感光性樹脂積層体を金属板、または金属被覆絶縁板の表面に積層し、支持体を通して紫外線露光した後、現像により未露光部を除去し、めっきにより導体を形成し、次いで、硬化した感光性樹脂組成物を剥離する際に、300nm以下の波長を含む紫外線を照射することを特徴とする回路パターンの形成方法。
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