JP4135654B2 - トナー製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷現像用のトナー製造方法に関する。
近年、電子写真方式によるデジタルの画像形成の実施形態として、「必要な時に必要な部数だけ」プリントを行うプリントオンデマンド方式の画像形成方法が注目されてきている。この画像形成方法では、従来の印刷で行う版起しをせずに、数百部程度の出版物を発行したり、宛名を変えながらダイレクトメールや案内状作成を行うことが可能なので、オフセット印刷に代わる有力な画像形成手段として注目されている。
また、デジタルの画像形成では、細線再現性が優れ、高解像性を有するトナー画像の形成が要求されており、この様な要求を満たすトナーとして重合トナーに代表されるケミカルトナーが挙げられ、プリントオンデマンド方式の画像形成装置に重合トナーを搭載することにより、オフセット印刷と同等以上の画質を有するプリント物の作成が可能なものとして期待されている。
また、地球環境保護の視点から画像形成装置のエネルギー消費量を低減させる技術動向があり、例えば、加熱ローラの芯金を薄肉化して熱容量を低減化する技術に代表されるに定着工程での省エネルギー化技術が検討されている。この様な省エネルギー化を達成する手段として、重合トナーを用いることが注目されている。
即ち、重合トナーは、重合工程で粒子の形状や構造の制御を行えるので、様々な機能性をトナー粒子に付与することが可能である。例えば、樹脂相に着色剤を含有させた着色粒子の表面に、樹脂粒子を融着させて樹脂層を形成する工程を経てトナー粒子を製造する技術(例えば、特許文献1参照。)や、トナー含有成分の分散状態や占有状態を制御しながらトナー粒子を形成する技術(例えば、特許文献2参照。)等が挙げられる。
また、分散液中で樹脂粒子を凝集して形成した凝集粒子表面に、微粒子を付着させた後に、微粒子を加熱溶融する工程を経てトナーを製造する技術があり、作製されたトナー粒子が電子写真プロセスでの機械的ストレスの影響を受けずに安定した画像形成を実現していることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、これらの文献に開示されたトナーは、トナーの定着特性、とりわけ保存性と定着可能温度のバランスの最適化を図った構成を取っていなかった。
また、前述したプリントオンデマンド方式の画像形成方法では、定着装置より次々と排出されるプリント物をトレイ上に積載したまま画像形成を継続した後、プリント物を束ねて製本を行っている。プリント物を大量に排紙トレイ上に積載した状態にしておくと、プリント物の温度と質量でプリント物のトナー像が隣接する用紙に貼り付いてしまうタッキングの問題がある。製本物は常に用紙が束ねられた状態にあるので、トナー像は良好な定着強度を有するとともにタッキングを発生させないという2つの課題を両立することが重要な課題となる。
また、排紙トレイ上のプリント物はエッジをきれいに揃えて製本が行われるものであるが、トナー像が十分に冷却していない状態では、トナー画像の摩擦の影響で、紙揃えを円滑に行うことが困難であった。従ってプリントオンデマンド方式の画像形成に使用されるトナーには製本物を美しく仕上げる「紙揃え性」が要求されていた。
また、製本物は、熱定着後の放熱性が悪い状態にあり、プリント直後に製本物を扱う顧客が低温火傷を起こすおそれがある。特に、製本装置に代表される後処理装置(フィニッシャ)がコンパクトに設計されると、それだけ放熱しにくい構造となり製本物の温度が下がりにくくなるので、低い定着温度で良好な定着強度が得られることが要求される。
この様に、プリントオンデマンド方式の画像形成方法に使用されるトナーには、タッキング発生の問題がなく、紙揃え性が良好であり、しかも低温定着でも十分な定着強度が得られることが求められている。
さらに、低温定着性のトナーでは、画像形成装置内に投入した状態で経時保管しておくと、環境条件によっては、トナー粒子同士が付着或いは凝集してトナー顆粒を発生し、細線の再現性が難しくなるという問題を有していた。
特開2002−116574号公報 特開2002−351142号公報 特開平10−26842号公報
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、プリントオンデマンド方式の画像形成方法に使用可能なトナーの製造方法を提供するもので、低い温度で定着したプリント物を大量に積載した時や、製本時にタッキングやトナー汚染を発生させず、良好な紙揃え性を発現する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、画像形成装置に投入後長時間経過しても、現像器内でトナー粒子同士が付着、凝集することのない安定した保存性能を有する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、画像形成時の転写工程までは高弾性が維持され、定着工程で一転して弾性を低下させて良好な定着性能を発現する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は、トナー画像面の摩擦を低減させてプリント物を積載状態にしても揃え易く製本時の作業性を向上させることを第4の目的とする。
さらに、本発明は、上記性能に優れた静電荷像現像用トナーを安定して製造できる方法を提供することを第5の目的とする。
本発明者等は、トナー粒子の構造に着目すると共に転写工程までは高弾性を維持しながら、定着工程で一転して弾性を低下させて良好な定着性能が発現できる様な機能をトナーに付与させる方法を検討した。そして、トナー粒子を機能分離型の構造になるように作製することで、上述の課題を解消できるものと考えた。即ち、トナー粒子の外層と内層とでは異なる物性を発現するような構造を有するトナー粒子を作製することを考えたのである。
そして、トナー粒子を構成する樹脂と離型剤をそれぞれ選択して、粒子内部に物性の異なる境界領域をどの様に形成させるかという粒子形成方法の検討を行った。
そして、本発明者等は、(a)外層用樹脂粒子の添加が、トナー粒子内層の円形度の平均値が0.900以上で行われること、
(b)外層用樹脂粒子の添加は複数回行われるものであること、
(c)外層用樹脂粒子のガラス転移温度がトナー粒子内層のガラス転移温度よりも高く、その温度差を2〜45℃とすることにより、本発明に至ったものである。
即ち、本発明では、トナー粒子内層を構成する樹脂粒子の分散液に凝集剤を添加することによりトナー粒子内層を形成し、離型剤を含有した外層用樹脂粒子を分散液の形態で添加し、トナー粒子内層の表面に外層用樹脂粒子を効果的に固着させる工程と球形化する工程を同時に進行させることによりトナー粒子を形成し、当該トナーを用いて画像形成を行うと、転写工程までの段階では、高い弾性を発現してトナー粒子同士が凝集または顆粒化することがなく、定着工程では、低い温度での定着により画像形成が可能であることを見出したものである。
そして、トナー画像を形成したプリント物を積載した時に、トナー画像が隣接する記録媒体上にくっつくことなく、タッキングを発生させず、しかも、良好な紙揃え性能を発現して製本作業を容易にすることを確認した。
この様に、機能積層型のトナー粒子で画像形成を行うとタッキングの発生がなく、良好な紙揃えが可能で製本作業の効率が向上したこと、更には、転写工程から定着工程時でのトナー粒子に高弾性から低弾性への相変換性を付与できるようになった理由は明らかではないが、おそらく、最密充填状態で樹脂トナー粒子内層表面に外層用樹脂粒子が固着すると、トナー粒子の表面領域と内部領域との間の密着性が高くなり、両者間に強い接着性が発現されることにより、これらの効果が発現したものと考えられる。
更に、外層と内層との間に発現された強固な接着力により、定着処理時に先に溶融した内部を構成する樹脂と表面を構成する樹脂がくっついた状態でトナー画像層を形成することにより、表面領域がトナー画像層表面に均一に分散することができたものと推測され、表面相に含有された離型剤がトナー画像表面にまんべんなく行き渡り、トナー外層が離型剤で十分に覆われる様になってタッキングの発生を防ぎ、トナー画像の摩擦を低減したものと推測される。
即ち、本発明の上記目的は下記の構成1〜7により達成された。なお、上記の機能積層型のトナー粒子とは、機能分離型の積層構造を有するトナー粒子のことを言う。
(請求項1)
樹脂粒子を凝集させてトナー粒子内層を形成し、
該トナー粒子内層に外層用樹脂粒子を添加してトナー粒子を製造するトナー製造方法であって、以下の(a)〜(c)の条件を満足するものであることを特徴とするトナー製造方法。
(a)外層用樹脂粒子の添加が、トナー粒子内層の円形度の平均値が0.900以上で行われること、
(b)外層用樹脂粒子の添加は複数回行われるものであること、
(c)外層用樹脂粒子のガラス転移温度がトナー粒子内層のガラス転移温度よりも高く、その温度差を2〜45℃とすること。
(請求項2)
前記温度差を4〜15℃とすることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項3)
前記トナー粒子内層の形成で行われる凝集とトナー粒子の球形化とを並行して進める工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
本発明によれば、転写工程までは耐熱性を維持しつつ、定着工程では一転して弾性を低下させることが可能な性質のトナーを製造することが可能になった。その結果、低温定着による画像形成時に、定着強度の高いトナー画像が得られる様になったので、タッキングやトナー汚染の発生を防止すると共に、紙揃え性に優れたプリント物の作製が可能となった。とりわけ、定着後のプリント物をそのまま製本加工するプリントオンデマンド方式対応の画像形成装置では、美しい仕上がりの製本物を迅速かつ円滑に作製できるようになった。
また、上記のトナーを画像形成装置に投入後、長期間放置しても現像機内でトナー粒子同士が付着、凝集することがなく、安定した保存性能が発現されると共に何時でも細線再現を正確に行う画像形成を可能にした。
本発明に係るトナー製造方法によれば、転写工程前までは耐熱保存性を有し、しかも低温でも良好な定着性能を発現し、且つ印刷物の耐タッキング性や紙揃え性に優れたトナーを製造することが可能になった。この様に、耐熱保存性と定着性という従来技術では両立が困難な課題を解消することができたのである。
図1は、本発明に係るトナーと従来技術(外層を1回添加したもの)で得られるトナーの構造と定着時のトナーの挙動を示す模式図である。
この様に、本発明に係るトナーが上記課題を両立させることができたのは、製造工程において高いガラス転移温度を有する外層用樹脂を複数回に分けて添加することにより、図1(a)に示すような外層用樹脂同士が十分に融着し且つ、十分にトナー粒子内層を被覆しているためと推測される。
外層用樹脂を複数回に分けて添加することで、ガラス転移温度の高い外層が適度な厚みを持って表面に固着して、保存安定性を確保する。そして定着時には熱と圧力を受けることで、その粒子構造は壊れるものの、定着像最表面には高いガラス転移温度を有する外層成分が分布し、低Tgのトナー内層は紙とトナー層の界面、即ち接触面に集中するため、耐熱保管性が良好で、且つ定着強度、紙揃え性/耐タッキング性等を両立できたものと推測される。
一方、図1(b)に示す様に、従来技術によるトナーはトナー粒子内層が外層用樹脂により十分に被覆されておらず、低ガラス転移温度の表面が多く露出しているため、熱及び加圧による定着時、定着像最表面には低いガラス転移温度を有する内層成分が多く分布し、積み重ねられた際、転写したり、タッキングが発生したものと思われる。本発明に係るトナーは定着像表面に分布した外層により、トナー像表面における摩擦を低減させている結果、良好な紙揃え性が発現され、一方、従来法では低ガラス転移温度で平滑な定着像表面が形成され、結果として接触面積が大となり、ガラス転移温度が低いことから、タッキングが起こり、紙揃え性が悪くなるものと思われる。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
まず、本発明に係るトナーの製造方法の詳細を説明し、次いで、本発明のトナーの製造方法により製造されたトナーについて説明する。
尚、本発明におけるトナー粒子内層は、本発明に係るトナー粒子の内部領域を構成する着色粒子であり、外層用樹脂粒子は、当該トナー粒子の表面領域を構成するものである(以下、分かりやすくするために、トナー粒子内層にはmまたはMを、外層用樹脂粒子にはsまたはSを付すこともある。)。
以下、本発明のトナーの製造方法に係る、トナー粒子内層、即ち内層を構成する着色粒子m、トナー粒子内層mを含むトナー粒子内層分散液(M)、該トナー粒子内層mへの固着用として用いられる外層用樹脂粒子s、該外層用樹脂粒子sを含む外層用樹脂粒子分散液(S)について説明し、トナー粒子の製造工程の詳細は後述する。
《トナー粒子内層m》
トナー粒子内層mは、着色剤を少なくとも含有する体積平均粒径で2.5μm〜9.0μmの樹脂粒子で、必要に応じて離型剤や荷電制御剤を含有することが出来る。
(トナー粒子内層mの形成方法)
本発明に係るトナー粒子内層mは、樹脂粒子と着色剤を含有する樹脂粒子m′を凝集させて得られることが好ましい。本発明では、トナー粒子内層mが所定の円形度0.900以上の円形度になった時に外層用樹脂粒子分散液(S)を添加してトナー粒子内層mの表面に外層用樹脂粒子sを固着させてトナー粒子を形成する。また、前記トナー粒子内層を形成する際にで行われる凝集とトナー粒子の球形化とを並行して進める工程を有することが好ましい。
(トナー粒子内層mの粒径)
トナー粒子内層mの大きさは、本発明では、体積平均粒径で2.5μm〜9.0μmの範囲のものが用いられるが、好ましくは、3.5μm〜7.0μmである。
ここで、体積平均粒径は、コールターマルチサイザ(コールター・ベックマン社製)やSD−2000(シスメックス社製)といった電気抵抗式の粒径分布測定装置により測定することが出来る。
(トナー粒子内層mの粒径の変動係数)
また、前記トナー粒子内層mの体積基準の粒径分布における変動係数は、14〜20の範囲になるように調整することが好ましい。ここで、体積基準の粒径分布における変動係数も上記の粒径分布測定装置を用いて求めることが出来る。
トナー粒子内層mの体積基準の粒径分布における変動係数を14〜20、更に好ましくは15.5〜18.5の範囲に調整することにより、変動係数が前記範囲でない場合に比べて、トナーに離型剤を多く含有させることが可能であり、且つ、粒度分布をシャープにすることができる。「粒度分布がシャープ」であることは、帯電性量分布がシャープにする効果が付与されるのみならず、外層用樹脂粒子sが均一に無駄なくトナー粒子内層mに固着するので好ましい。
(トナー粒子内層mの分子量)
トナー粒子内層mの分子量としては、後述するトナーの分子量測定と同様に測定(具体的には、GPCが用いられる)出来るが、重量平均分子量Mwが7000〜185,000の範囲が好ましく、更に好ましくは14,000〜55,000の範囲であり、特に好ましくは、18,000〜36,000である。
《トナー粒子内層分散液(M)》
本発明に係るトナー粒子内層分散液(M)の調製方法は、トナー粒子内層mが前述した条件を満足するものであれば、特に、限定されないが、トナー粒子内層mの表面に外層用樹脂粒子sを固着させる観点から乳化会合法で製造することが好ましい。
(トナー粒子内層分散液(M)のζ電位(ζポテンシャルともいう))
トナー粒子内層分散液(M)のζ電位は、トナー粒子内層mの表面上に外層用樹脂粒子sを固着させる時のζ電位(ζポテンシャルともいう)が−20mV〜−30mVに達した時に外層用樹脂粒子分散液(S)を添加することが好ましく、更に好ましくは、−15mV〜−30mVの範囲に調製されていることが好ましい。
ここで、本発明のトナー粒子内層分散液のζ電位は、ELS800(大塚電子社製)を用いて測定された値を用いる。
(トナー粒子内層mの固形分濃度(質量%))
トナー粒子内層mのトナー粒子内層分散液(M)中の固形分濃度は、4質量%〜35質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、7質量%〜20質量%の範囲である。
本発明では、トナー粒子内層を形成する際に、凝集と球形化を並行して進めることが好ましい。これは、トナー粒子内層を形成するとき樹脂粒子の凝集と融着(凝集した樹脂粒子間の界面消失)とを同時に行う、或いは並行して行うことによる。即ち、凝集と融着を樹脂のガラス転移温度以上の温度条件下で行うので、樹脂はゴム状態となり、表面張力の作用で球形化が促進される結果、凝集と球形化を並行して進行させることが可能である。
図2に、トナー粒子形成時における粒径と円形度の変化を示す。図中、横軸は時間t、左側の縦軸はトナー粒子内層の平均粒径(d)、右側の縦軸はトナー粒子内層の円形度を、実線が粒径変化、一点鎖線が円形度変化を示す。塩化マグネシウムのような凝集剤を加えて凝集開始時(t=0)より、樹脂粒子の凝集、融着により、トナー粒子内層の平均粒径dは増大する。また、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度以上の温度条件下にあるので、ゴム状態のトナー粒子内層は表面張力の作用で円形度が増大する。図に示す様に、本発明では凝集、融着の進行による粒径の成長と円形度の増大を示すグラフの勾配が同時に向上したものとなる。
尚、図2では、トナー粒子内層が所定の粒径になったとき(t=t1)、一価の塩例えば食塩を添加するなどにより、凝集と融着を抑制させて粒子成長を抑えた後、t=t2、t3・・・で外層用樹脂粒子を複数回に分けて添加する工程を経て本発明に係るトナーを作製する。外層用樹脂粒子の添加に伴い樹脂粒子の平均粒径は増大し、円形度は一時的に低下するが、又1に近づくという履歴をたどる。
本発明に係る外層用樹脂粒子分散液(S)は、重合性単量体を重合して得た外層用樹脂粒子sをミセル化して分散させた水系分散液が好ましく用いられる。
外層用樹脂粒子分散液(S)の製造方法としては、樹脂粒子をミセル化することが可能なものであれば特に限定されず、好ましい製造方法としては、例えば、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、シード重合法が挙げられる。
(トナー粒子内層分散液(M)に添加する時の外層用樹脂粒子分散液(S)のpH)
本発明に記載の効果を得るためには、外層用樹脂粒子分散液(S)のpHは7〜12の範囲に調整されることが必要であるが、好ましくは、pH8〜9の範囲である。ここで、pH測定は、25℃における外層用樹脂粒子分散液(S)のpHを測定するもので、pH測定装置としては、例えば、水素電極型pH測定装置(東亜電波社製)が挙げられる。
(外層用樹脂粒子分散液(S)中の外層用樹脂粒子sの粒径及び粒径分布)
本発明のトナーの製造方法では、外層用樹脂粒子sをトナー粒子内層mに対して強固に固着させるために、特定の大きさ、すなわち、体積基準の体積平均粒径が51nm〜240nmの範囲にあるものが好ましい。
また、外層用樹脂粒子sのトナー粒子内層mへの固着強度を高める観点から、二つ以上のピークを有する粒径分布特性を示すように調整することが好ましい。
具体的には、外層用樹脂粒子分散液(S)に含有される外層用樹脂粒子sが、体積基準の粒径分布に基づく体積粒径3.8nm〜6590.6nmの範囲で二つ以上のピークを有する粒径分布特性を示すことが好ましい。
(外層用樹脂粒子sの粒径及び粒径分布の測定方法)
外層用樹脂粒子分散液(S)における、外層用樹脂粒子sの体積平均粒径、粒径分布については、レーザドップラー方式の測定装置(例えば、UPA150(マイクロトラック社製))で測定された数値から求められるものである。
具体的には、分散液にレーザ光を照射して、ラテックスミセル状態で液中を移動する樹脂粒子からの反射光で発生する干渉じまの間隔を測定し、算出することにより粒径分布を測定する。
(外層用樹脂粒子sの粒径、粒径分布の調製方法)
本発明では、以下の方法で外層用樹脂粒子sの粒径分布を制御可能である。1つは、乳化重合法で外層用樹脂粒子sを製造する際に、界面活性剤の種類や添加量をコントロールして大きさの異なるミセル粒子を2種類〜3種類作製しておき、これらを混合して粒径分布を制御する。例えば、界面活性剤の添加量が少ないと粒径を大きくすることが可能である。
また、多段にわたり外層用樹脂粒子sを製造する場合、多段重合を大きくして粒度を拡げる方法もある。
(外層用樹脂粒子分散液(S)のζ電位(ζポテンシャル))
また、トナー粒子内層分散液(M)のζ電位が上記の範囲に設定した時に、トナー粒子内層分散液(M)に添加する外層用樹脂粒子分散液(S)のζ(ゼータ)電位は、−30mV〜−100mVの範囲に調整されることが好ましく、更に好ましくは、−45mV〜−70mVの範囲に調整することである。また、外層用樹脂粒子分散液(S)のζ電位を前記の範囲に調整することにより、外層用樹脂粒子sがトナー粒子内層mの表面に向かって移動し、固着する傾向があることを別途確認した。
(外層用樹脂粒子sの分子量)
外層用樹脂粒子の分子量としては、後述するトナーの分子量測定と同様に測定(具体的には、GPCが用いられる)出来るが、重量平均分子量Mwが20,000〜480,000の範囲が好ましく、更に好ましくは25,000〜55,000の範囲であり、特に好ましくは、30,000〜50,000である。
(外層用樹脂粒子分散液(S)のpH)
本発明に係る外層用樹脂粒子分散液のpHは、外層用樹脂粒子分散液の調製直後は、酸性〜アルカリ性までの範囲をとりうるが、上記のトナー粒子内層m上に外層用樹脂粒子sを固着させる工程においては、pHが5〜9の範囲に調整されることが好ましい。
ここで、外層用樹脂粒子分散液(S)のpHの測定は、ガラス電極式水素イオン指示計HM20P(東亜ディー・ケー・ケー製)により行うことができる。
《外層用樹脂粒子sのトナー粒子内層分散液(M)への添加方法》
本発明では、トナー粒子内層mを含むトナー粒子内層分散液(M)に、外層用樹脂粒子sを含む外層用樹脂粒子分散液(S)を加えて、円形度の平均値が0.900以上のトナー粒子内層mの表面に体積平均粒径が51nm〜240nmの範囲にある外層用樹脂粒子sを固着させる工程を経てトナー粒子を製造する。
ここで、固着とは、トナー粒子内層mと外層用樹脂粒子sとの接着、吸着、静電気的な結合等、粒子間相互の結びつける力が作用してトナー粒子が形成されるのであればよく、特に限定されない。
本発明では、外層用樹脂粒子の添加を複数回に分けて行うことが必要である。これは、トナー粒子内層分散液(M)に供給される外層用樹脂粒子sの添加量を制限することによって、外層用樹脂粒子sが遊離粒子とならずにトナー粒子内層mに固着し易い環境を形成し、この環境下で固着が確実に行われるので好ましい。
外層用樹脂粒子分散液(S)中の外層用樹脂粒子sが遊離粒子とならずに、トナー粒子内層mの表面に確実に固着させる為には、前記外層用樹脂粒子分散液(S)のζ電位Bが−40mV〜−70mVの範囲であり、且つ、前記トナー粒子内層分散液(M)のζ電位Aが−15mV〜−30mVの範囲であることが好ましい。
この外層用樹脂粒子sがトナー粒子内層mの表面に移動、固着が可能な状態で加熱、撹拌を続けると、トナー粒子内層mの表面への外層用樹脂粒子sの固着が促進される。外層用樹脂粒子sのトナー粒子内層mの表面への固着の進行は、分散液に500G程度の遠心分離を行って液の白濁具合から確認することが可能である。
すなわち、固着の進行に伴って、分散液の白濁が徐々にうすくなり、最終的には白濁が消滅することを目視でも確認することが出来る。
この様に、分散液から白濁が消失した後、粒子が所望の円形度になるまで撹拌を継続した後、分散液を常温に冷却して固着を完了させる。
その後、生成したトナー粒子分散液を固液分離し、得られたトナー粒子を洗浄、固液分離を何回か繰り返した後、乾燥を経てトナー粒子が得られる。
(外層用樹脂粒子分散液(S)の固形分濃度(質量%))
外層用樹脂粒子sの外層用樹脂粒子分散液(S)中の固形分濃度は、5質量%〜50質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、20質量%〜40質量%の範囲である。
(トナー粒子内層mと外層用樹脂粒子sが離型剤を含む態様)
本発明のトナーの製造法では、外層用樹脂粒子s層の強度が充分確保されるため、離型剤を含ませたほうが、離型性が高く画像形成システムの信頼性が増す為、トナー粒子内層mと外層用樹脂粒子sが各々後述する離型剤を含有することが好ましい。
(トナー粒子内層mと外層用樹脂粒子sのガラス転移温度)
本発明に係るトナー粒子は、トナー粒子内層mの表面に外層用樹脂粒子sが固着する工程を経て、製造されるが、当該工程において、外層用樹脂粒子sのガラス転移温度がトナー粒子内層mのガラス転移温度よりも高く、その温度差を2〜45℃とすることにより、トナー粒子の低温定着性を高めながら、且つ、保存性を同時に向上させることが可能であることが判った。
更に、トナー粒子の低温定着性向上効果と保存性向上効果の両方を満たす観点からは、外層用樹脂粒子sのガラス転移温度がトナー粒子内層mのガラス転移温度より、2℃〜15℃高いことが好ましい。
(ガラス転移温度の測定方法)
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。測定時、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムのガラス転移温度以下のベースラインの延長線と、ピークの立上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度と定めたときの値をいう。
《静電荷像現像用トナーの製造工程》
本発明に係るトナーの製造工程について説明する。
(トナー粒子内層mの製造)
ここでは、前述したトナー粒子内層mの製造方法について具体的に説明する。
トナー粒子内層mは、樹脂と着色剤を少なくとも含有する着色された樹脂粒子であり、体積平均粒径が2.5μm〜9μmの着色粒子であることが好ましい。
本発明に係るトナー粒子内層mは、後述する重合性単量体の重合反応により得られた樹脂や市販の各種樹脂を用いることが出来る。また、樹脂を重合反応によって生成するときには、着色剤や離型剤を反応時に共存させてもよく、重合反応後に生成した樹脂に着色剤や離型剤を加えても良い。また、重合反応条件は従来公知の重合反応条件が適用可能である。
《内層を構成する着色粒子の製造方法》
内層を構成する樹脂粒子と、着色剤粒子とを凝集、融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって得られたものである。
この凝集、融着により球形化する工程においては、内層樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10nm〜1000nm程度の微粒子)を塩析、凝集、融着球形化させてトナー粒子内層mを得てもよい。
着色剤粒子は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状態で塩析、凝集、融着、球形化処理に供される。着色剤粒子が分散される水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で界面活性剤が溶解されている水溶液を挙げることができる。
ここに界面活性剤としては、多段重合工程で使用した界面活性剤と同一のものを使用することができる。
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
内層樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させるためには、内層樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加するとともに、この分散液を、内層樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することにより得られる。
更に好ましくは、凝集剤により内層樹脂粒子が所望の粒径に達した段階で凝集停止剤が用いられる。その凝集停止剤としては、1価の金属塩、中でも塩化ナトリウムが好ましく用いられる。
凝集、融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10℃)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15℃)〜(Tg+40℃)とされる。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
ここに凝集、融着の際に使用する「凝集剤」としては、前述のようなアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明で用いられる塩析、凝集について説明する。
本発明において、「凝集、融着」とは、塩析による粒子の凝集と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。
凝集と融着とを同時に行わせるためには、内層樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(内層樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させることが好ましい。
本発明に係るトナーは、着色剤の不存在下において内層樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該内層樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させることによりトナー粒子内層が調製されることが好ましい。
このように、内層樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、内層樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明に係るトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
本発明においては、このようにして得られたトナー粒子内層mの円形度が0.900以上で、外層用樹脂粒子sの分散液(S)の添加を行うことが必要である。
また、本発明においては、該外層用樹脂粒子sを含有する分散液(S)の添加は、一度に添加するよりも、複数回に分け、ある間隔を開け、ある程度の時間を掛けて分割添加することが好ましい。該外層用樹脂粒子分散液(S)の添加の分割回数としては、2〜7回程度が好ましく、工程の負荷や設備上の負荷を考えたとき、3、4回が最も好ましい。外層用樹脂粒子分散液の添加開始から全ての外層用樹脂粒子分散液の添加終了までの時間は、30分〜数十時間の範囲であればよいが、好ましくは1時間以上10時間、更に好ましくは、2〜5時間の範囲である。
トナー粒子内層及びトナー粒子内層の表面に外層用樹脂粒子が固着されたトナー粒子の円形度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて前記外層用樹脂粒子分散液の添加の開始と停止を行うことが好ましい。
トナー粒子内層の表面に外層用樹脂粒子が固着されたトナー粒子の円形度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて界面活性剤水溶液の添加を行うことが好ましい。
さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および定着ローラへの巻き付き防止性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
《離型剤》
本発明に係るトナーに用いられる離型剤について説明する。
本発明に係るトナーを構成する離型剤の含有割合としては、通常1質量%〜30質量%とされ、好ましくは2質量%〜20質量%、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
離型剤は低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよく、好ましい離型剤は下記一般式で表されるエステル系化合物が好ましい。
一般式
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26
以下に、上記一般式で表されるエステル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004135654
Figure 0004135654
上記一般式で表される離型剤の添加量としては、静電荷像現像用トナー全体に1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜20質量%、さらに好ましくは3質量%〜15質量%である。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを構成する樹脂成分の好ましい分子量、分子量範囲、ピーク分子量等について説明する。
《濾過・洗浄工程》
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
《乾燥工程》
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明に係るトナー粒子内層m及び外層用樹脂粒子sを構成する重合性単量体について説明する。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
(2)架橋性単量体
トナー粒子内層m及び外層用樹脂粒子sの特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及び(b)スルホン基(−SO3H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
(a)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
(b)スルホ基(−SO3H基)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスルホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、そのNa塩等を挙げることができる。
本発明に係る重合性単量体の重合に用いられる開始剤(重合開始剤ともいう)について説明する。
本発明に用いられる重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物等が挙げられる。
更に上記重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から80℃の範囲が用いられる。又、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で室温またはそれに近い温度で重合する事も可能である。
本発明に用いられる連鎖移動剤について説明する。
本発明においては、重合性単量体が重合して生成する樹脂粒子の分子量を調整することを目的として、従来公知の一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、特に、メルカプト基を有する化合物は分子量分布がシャープであるトナーが得られ、保存性、定着強度、耐オフセット性に優れるために好ましく用いられる。例えば、オクタンチオール、ドデカンチオール、tert−ドデカンチオール等のメルカプト基を有する化合物が用いられる。
また、好ましいものとしては、例えば、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル等を挙げることが出来る。
中でも、トナー加熱定着時の臭気を抑制する観点から、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルが好ましく用いられる。
《着色剤》
本発明に係る着色剤について説明する。
本発明に係る、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の各々の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に係る着色剤は、トナーの帯電の均一性向上の観点から、トナー製造時、上記記載の複合樹脂粒子の塩析、凝集、融着時に樹脂粒子と共に塩析、凝集、融着され、トナー粒子中に含有されることが好ましい。
本発明に係るトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析、凝集、融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、従来公知の黒色顔料や磁性粉等が挙げられる。
黒トナーの調製に用いられる、黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられ、磁性粉としては、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用が可能である。また、無機顔料のトナー中の含有量は2質量%〜20質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中の含有量は、20質量%〜120質量%であることが好ましい。
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタトナーの調製に用いられる、マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
イエロートナーの調製に用いられる、オレンジまたはイエロー用の有機顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
シアントナーの調製に用いられる、グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等が挙げられる。これらの染料は単独で用いてもよく、また、複数の染料の混合物として用いてもよい。
更に、これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また、上記の有機顔料または染料のトナー中の含有量は、各々、2質量%〜20質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは3質量%〜15質量%の範囲である。
《電荷制御剤》
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、荷電制御剤を含有していてもよい。
トナー粒子中に含有される荷電制御剤は、外層に含有させるのが好ましく、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩またはその金属錯体等が挙げられる。
(トナーの粒径)
本発明に係るトナーの粒径について説明する。
本発明に係るトナーの粒径は、個数平均粒径で3μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは3μm〜8μmとされる。この粒径は、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3μm〜10μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
トナーの個数平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザ(共に、コールターベックマン社製)、SD2000(シスメック社製)等を用いて測定することができる。
本発明においては、コールターマルチサイザを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピュータを接続して使用した。前記コールターマルチサイザにおけるアパーチャとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば、2μm〜40μm)のトナーの個数分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
(トナー粒子の円形度の平均値)
本発明のトナーの形状は、粒径1μm以上のトナー粒子2000個以上を測定したとき、下記式で示される円形度(形状係数)の平均値が、0.94〜0.99、より好ましくは0.963〜0.981である。
円形度=(相当円の周囲長)/(トナー粒子投影像の周囲長)
=2π×(粒子の投影面積/π)1/2/(トナー粒子投影像の周囲長)
ここで、相当円とは、トナー粒子投影像と同じ面積を有する円のことであり、円相当径とは、該相当円の直径のことである。
なお、上記円形度の測定方法としては、FPIA−2000(シスメック社製)により測定することができる。この時、円相当径は下式で定義される。
円相当径=2×(粒子の投影面積/π)1/2
(トナーの体積変動係数)
本発明に係るトナーの体積粒度分布および体積変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザ(コールターベックマン社製)で測定される。
本発明においてはコールターマルチサイザを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピュータを接続して使用した。前記コールターマルチサイザにおいて使用するアパーチャとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。体積粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、体積平均粒径とは、体積粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「体積粒度分布における体積変動係数」は下記式から算出される。
体積変動係数(%)=(S2/Dn)×100
式中、S2は体積粒度分布における標準偏差、Dnは体積平均粒径(μm)を示す。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子の体積変動係数は27%以下であることが好ましく、更に好ましくは25%以下である。
体積変動係数が27%以下に調整する理由も前記トナー粒子の形状係数の変動係数と同様に、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くし画質を向上させるためである。
本発明に係るトナーにおける体積変動係数を制御する方法は特に限定されないが、例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、体積変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
《外添剤》
本発明に係る静電荷像現像用トナーに用いられる外添剤について説明する。
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水性であることが好ましい。
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のHVK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイカ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産(株)製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−604、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられる。
上記の外添剤は上述の滑材と同様な添加工程を適用できる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
《現像剤》
本発明に用いられる現像剤について説明する。
本発明に係るトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15μm〜100μm、より好ましくは25μm〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
《画像形成方法》
本発明に係るトナーを用いる画像形成方法について説明する。
本発明に係るトナーは、トナー像が形成された画像形成支持体を、定着装置を構成する加熱ローラーと加圧ローラーとの間に通過させて定着する工程を含む画像形成方法(本発明の画像形成方法)に好適に使用される。
図3は、本発明の画像形成方法において使用する定着装置の一例を示す断面図であり、図3に示す定着装置は、加熱ローラー10と、これに当接する加圧ローラー20とを備えている。なお、図3において、Tは転写紙(画像形成支持体)上に形成されたトナー像である。
加熱ローラー10は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層12が芯金11の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材13を内包している。
芯金11は、金属から構成され、その内径は10mm〜70mmとされる。芯金11を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
芯金11の肉厚は0.1mm〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層12を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層12の厚みは10μm〜500μmとされ、好ましくは20μm〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層12の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層12を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層12を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層12の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1mm〜20mmとされる。
被覆層12を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および当該被覆層12の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果(例えば、平滑化された界面のトナー層による色再現性の向上効果)を発揮することができない。
加熱部材13としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー20は、弾性体からなる被覆層22が芯金21の表面に形成されてなる。被覆層22を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層12を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。
また、被覆層22の厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および被覆層22の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果を発揮することができない。
芯金21を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
加熱ローラー10と加圧ローラー20との当接荷重(総荷重)としては、通常40N〜350Nとされ、好ましくは50N〜300N、さらに好ましくは50N〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラー10の強度(芯金11の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーにあっては、250N以下とすることが好ましい。
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×105Pa〜1.5×105Paであることが好ましい。
図3に示した定着装置による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)は100℃〜190℃が好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが本発明はこれらに限定されない。
実施例1
トナー粒子内層分散液(M1)と外層用樹脂粒子分散液(S1)を各々調製した後、前記トナー粒子内層分散液(M1)と前記外層用樹脂粒子分散液(S1)とを混合し、トナー粒子内層の表面に外層用樹脂粒子を固着させて、トナー1を作製した。
〔トナー1の作製〕
1.外層用樹脂粒子(s1)の製造
トナー粒子内層に固着させる外層用樹脂粒子s1を含む外層用樹脂粒子分散液(S1)を調製した。
(重合性単量体溶液1−1−1)
下記組成を重合性単量体溶液1−1−1とする。
スチレン 28.4g
n−ブチルアクリレート 8.1g
メタクリル酸 4.4g
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた2000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(102:C1225OSO3Na)2.3gをイオン交換水1200gに溶解させ、窒素気流下、攪拌しながら、内温を80℃に昇温させて、界面活性剤溶液を調製した。前記界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)3.7gをイオン交換水80gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、前記重合性単量体溶液1−1−1を1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「外層用樹脂粒子(1−1−1)」とする。この外層用樹脂粒子(1−1−1)を構成する樹脂粒子は、35,000にピーク分子量を有するものであった。
(重合性単量体溶液1−1−2)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、以下の重合性単量体の混合液に離型剤(例示化合物(19))を38.4g添加し、80℃に加温し溶解した。これを、重合性単量体溶液1−1−2とする。
スチレン 49.8g
n−ブチルアクリレート 20.2g
メタクリル酸 6.6g
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた2000mlのセパラブルフラスコに、アニオン性界面活性剤(101:C1225(OCH2CH22OSO3Na)2.3gをイオン交換水540gに溶解させた界面活性剤溶液を調製した。前記界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、重合性単量体溶液1−1−2を2時間混合分散させ、平均分散粒子径646nmを有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。次いで、前記分散液(乳化液)に、イオン交換水600mlと重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)2.6gをイオン交換水100mlに溶解させた重合開始剤溶液と、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル0.3g及び外層用樹脂粒子(1−1−1)を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、外層用樹脂粒子(1−1−1)を原料とした樹脂粒子を得た。これを「外層用樹脂粒子(1−1−2)」とする。
上記で得られた外層用樹脂粒子(1−1−2)に、重合開始剤(KPS)3.5gをイオン交換水150mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、次いで、80℃の温度条件下に、以下の重合性単量体溶液1−1−3を1時間かけて滴下した。
(重合性単量体溶液1−1−3)
スチレン 128.3g
n−ブチルアクリレート 47.0g
メタクリル酸 14.4g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.9g
滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、外層用樹脂粒子(1−1−2)を原料とした外層用樹脂粒子s1の分散液を得た。この樹脂粒子分散液を外層用樹脂粒子分散液(S1)と呼ぶ。
この分散液をサンプリング、乾燥させた後、ガラス転移温度Tgsを測定した。具体的には、示差走査熱量計を用い、100℃まで昇温しその温度にて3min間放置した後、降下温度10℃/minで室温まで冷却する。次いで、このサンプルを昇温速度10℃/minで測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線と、変曲後のベースラインの接線との交点をガラス転移温度として測定した。測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7を使用した。測定結果は表1に示す。なお、外層用樹脂粒子s1の分子量は、分子量で80,000、35,000および17,000にピーク分子量を有し、重量平均分子量は35,000であった。
2.トナー粒子内層(m1)の製造
2−1)トナー粒子内層(m1)の原料となるトナー粒子内層用樹脂粒子の製造
(重合性単量体溶液2−1−1)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、以下の重合性単量体の混合液に離型剤(例示化合物(19))を96.0g添加し、80℃に加温し、溶解した。これを、重合性単量体溶液2−1−1とする。
スチレン 173g
n−ブチルアクリレート 55g
メタクリル酸 23g
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン性界面活性剤(101:C1225(OCH2CH22OSO3Na)2.5gをイオン交換水1340gに溶解させ界面活性剤溶液を調製した。前記界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、重合性単量体溶液2−1−1を2時間混合分散させ、平均分散粒子径482nmを有する乳化粒子(油滴)を含む乳化液(分散液)を調製した。
次いで、イオン交換水1460mlを添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)7.5gをイオン交換水142mlに溶解させた開始剤溶液と、n−オクタンチオール6.74gとを添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、トナー粒子内層用樹脂粒子を得た。これを「トナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−1)」とする。
これに、重合開始剤(KPS)11.6gをイオン交換水220mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、次いで、80℃の温度条件下に、以下の重合性単量体溶液2−1−2を1時間かけて滴下した。
(重合性単量体溶液2−1−2)
スチレン 291.2g
n−ブチルアクリレート 132.2g
メタクリル酸 42.9g
n−オクタンチオール 7.51g
滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行った後、28℃まで冷却し、トナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−1)を原料としたトナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−2)の分散液を得た。
2−2)トナー粒子内層用樹脂粒子の凝集工程
以下に示す着色剤分散液と上記のトナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−2)の分散液を用いて、着色剤粒子とトナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−2)との凝集を行った。
(着色剤分散液の調製)
アニオン系界面活性剤(101)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、C.I.Pigment Blue15:1 280.0gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。この着色剤分散液の粒子径は93nmであった。
〈凝集工程〉
トナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−2)259.3g(固形分換算)と、イオン交換水1120gと、上記の着色剤分散液の237gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた四つ口フラスコに入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物55.3gをイオン交換水55.3mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、トナー粒子内層用樹脂粒子(2−1−2)と着色粒子との凝集を行った。これを本発明ではトナー粒子内層m1と呼ぶ。
攪拌と加熱を続けながら、「コールターカウンターTA−II」(ベックマン・コールター社製)にてトナー粒子内層m1の粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム15.3gをイオン交換水100mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を抑制させた。
トナー粒子内層m1について、外層用樹脂粒子s1と同様にして、ガラス転移温度Tgmを測定した。測定結果は表1に示す。なお、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)装置を用いて分子量を測定したところ、44,000、15,000にピーク分子量を有するものであり、重量平均分子量は26,000であった。
3.トナー粒子内層m1に高Tgの外層用樹脂粒子s1を固着させる工程(トナー粒子1の分散液の調製)
3−1)外層用樹脂粒子分散液の添加タイミング
外層用樹脂粒子分散液(S1)を5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8に調製した。外層用樹脂粒子分散液(S1)のゼータ電位は−49.4mVであった。
一方、凝集工程で作製したトナー粒子内層分散液(M1)の加熱攪拌を約1時間以上継続し、円形度が0.944となったところで、上記の外層用樹脂粒子分散液(S1)の4分の1量ずつ4回に分割して添加し、トナー粒子内層m1表面に外層用樹脂粒子s1を移動させ、融着させた。
その後、塩化ナトリウム123.9gをイオン交換水500gに溶解した水溶液を加え、粒子の凝集力を更に弱めた上、95℃にて更に2時間加熱攪拌を継続し、外層用樹脂粒子s1のトナー粒子内層m1への融着を完全にした。その後、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpH2に調整し、攪拌を停止した。これをトナー粒子1の分散液とする。
4.固液分離、乾燥、外添剤混合工程
4−1)固液分離、乾燥工程
トナー粒子1の分散液を遠心脱水機にかけ、40℃のイオン交換水をふりかけながら洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することによりトナー粒子1を得た。
4−2)外添剤混合工程
上記のトナー粒子1に、外添剤として疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/秒に設定し25分間混合した。これによって、トナー粒子1よりなるトナー1を作製した。
〔トナー2の作製〕
トナー1の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S2)を用い、添加時の分割回数を4回のところを2回にして、円形度が0.936となったところで、外層用樹脂粒子分散液(S2)の添加を開始した以外はトナー1と同様にしてトナー2を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S2)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 129.0g
n−ブチルアクリレート 43.0g
メタクリル酸 14.2g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.8g
〔トナー3の作製〕
トナー1の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S3)を用い、添加時の分割回数を4回のところを5回にして、円形度が0.923となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー1と同様にしてトナー3を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S3)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 137.3g
n−ブチルアクリレート 36.9g
メタクリル酸 14.4g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.9g
〔トナー4の作製〕
トナー3の作製において、トナー粒子内層(m1)の作製の重合性単量体溶液2−1−2の代わりに下記組成の重合性単量体溶液を用い、トナー粒子内層(m2)を作製し、外層用樹脂粒子分散液の添加時の分割回数を7回にして、円形度が0.918となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外は、トナー3と同様にしてトナー4を作製した。
スチレン 261.2g
n−ブチルアクリレート 160.2g
メタクリル酸 42.9g
n−オクタンチオール 7.51g
〔トナー5の作製〕
トナー4の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S5)を用い、添加時の分割回数を4回にして、円形度が0.900となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー4と同様にしてトナー5を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S5)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 152.9g
n−ブチルアクリレート 24.8g
メタクリル酸 15.2g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.8g
〔トナー6の作製〕
トナー1の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S6)を用い、円形度が0.936となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー1と同様にしてトナー6を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S6)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 127.4g
n−ブチルアクリレート 48.5g
メタクリル酸 14.3g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.9g
〔トナー7の作製〕
トナー1の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S7)を用い、円形度が0.903となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー1と同様にしてトナー7を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S7)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 124.0g
n−ブチルアクリレート 53.9g
メタクリル酸 14.2g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.8g
〔トナー8の作製〕
トナー4の作製において、外層用樹脂粒子分散液(S1)の代わりに、外層用樹脂粒子分散液(S8)を用い、添加時の分割回数を7回のところを4回にして、円形度が0.936となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー4と同様にしてトナー8を作製した。
外層用樹脂粒子分散液(S8)の作製にあたっては、重合性単量体溶液1−1−3を下記のとおり変更した。
スチレン 156.9g
n−ブチルアクリレート 20.8g
メタクリル酸 14.2g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 3.8g
〔トナー9の作製〕
トナー4の作製において、外層用樹脂粒子分散液の添加時の分割回数を7回のところを分割せずに1回とし、円形度が0.923となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー4と同様にしてトナー9を作製した。
〔トナー10の作製〕
トナー4の作製において、外層用樹脂粒子分散液の添加時の分割回数を7回のところを4回とし、円形度が0.894となったところで、外層用樹脂粒子分散液の添加を開始した以外はトナー4と同様にしてトナー10を作製した。
〈トナー粒子内層及び外層用樹脂のガラス転移温度Tgの測定〉
トナー1の作製と同様にして、各トナーの内層及び外層用樹脂をサンプリングして各樹脂のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
〔現像剤の調製〕
上記で得られた各トナーと、下記のキャリアとを混合し、トナー濃度が6質量%となる各現像剤を調製した。
(キャリアの製造)
(1)フェライト芯材の製造
MnO2を18mol%、MgOを4mol%、Fe23を78mol%を湿式ボールミルで2時間粉砕、混合し乾燥させた後に、900℃で2時間保持することにより仮焼成し、これをボールミルで3時間粉砕しスラリー化した。分散剤およびバインダーを添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後1200℃で3時間本焼成を行い、抵抗値4.3×108Ω・cmのフェライト芯材粒子を得た。
(2)被覆用樹脂の製造
先ず、界面活性剤として炭素数12のアルキル基を有するベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた水溶液媒体中の濃度を0.3質量%とした乳化重合法により、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体を合成し、体積平均一次粒径0.1μm、重量平均分子量(Mw)200,000、数平均分子量(Mn)91,000、Mw/Mn=2.2、軟化点温度(Tsp)230℃およびガラス転移温度(Tg)110℃の樹脂粒子を得た。なお、前記樹脂粒子は乳化状態において、水と共沸させ、残存モノマー量を510ppm以下とした。
次に、フェライト芯材粒子100質量部と前記樹脂粒子2質量部とを撹拌羽根付き高速撹拌混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用を利用して体積平均粒径61μmの樹脂被覆キャリアを得た。
得られた各現像剤および該当するトナー及びのその特性を表1に纏めて示す。
Figure 0004135654
〔実写評価〕
得られた各現像剤の評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica「Sitios8050」(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、ブレードクリーニング、採用プロセスを有し、プリント速度50枚/min)を用い、図3に示す定着装置を用いて下記に示す評価項目を各々評価した。
定着温度は105℃とし、リップル(変動)を±4℃とした。
〈トナー保存性〉
55℃85%RHの環境に24時間放置し、その後28メッシュの篩を通過したトナーの質量比で評価した。
◎:メッシュ通過率 95%以上(保存性優良)
○:メッシュ通過率 85%以上95%未満(保存性良好)
△:メッシュ通過率 60%以上85%未満(保存性良)
×:メッシュ通過率 60%未満(保存性不良)。
《タッキング》
画素率12%の文字原稿を紙温70℃〜75℃となるように定着温度(加熱ローラの温度)を設定、両面コピーし、排紙部に500枚スタックして下記のランク評価を行った。
◎:全く裏表の張り付きがない
○:かすかに裏表の張り付きがあるように感じられるが実用上問題なし
×:裏表は張り付き、剥がすとぱりぱり音がする
〈定着後Z折部の品質評価〉
画素率12%の文字原稿をA4サイズ50枚プリントした後、自動Z折装置でA3サイズのプリント物を見かけ上A4サイズとなるようZ折した後、綴じ込み、画像品質を評価した。
◎:Z折部の貼り付きがなく、折り目部分を擦ってもトナーの落ちがない
○:Z折部の貼り付きがなく、折り目部分を擦すると僅かにトナー落ちがあるが、問題ない
×:Z折部は貼り付き、折り目部分のトナーが落ち、転写紙の一部が露出している。
〈紙揃え性能評価〉
上記のタッキング評価と同様の温度条件下で、100枚ずつ5部排紙し、付属の製本装置で製本した。製本装置で下記のランク評価を行った。
◎:全てのページのエッジが0.2mm未満のずれで収まり、揃って製本される
○:全てのページにエッジが0.2〜0.5mmのずれで収まり揃って製本される
×:ページのエッジに0.5mmを超えるずれがあり、製本時に不揃いがあった。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0004135654
表2より、本発明のトナーは低温定着性が良好であり、保存性、タッキング性、定着後Z折部の品質、更には紙揃え性能において、比較に対して優れていることがわかる。
本発明に係るトナーと従来技術(外層用樹脂を1回添加したもの)で得られるトナーの構造と定着時のトナーの挙動を示す模式図である。 トナー粒子形成時における粒径と円形度の変化を示す。 本発明において使用する定着装置の一例を示す断面図を表す。
符号の説明
8 記録材
10 加熱ローラ
11 芯金
12 被覆層
13 加熱部材
20 加圧ローラ
21 芯金
22 被覆層
T 記録材上に形成されたトナー像

Claims (3)

  1. 樹脂粒子を凝集させてトナー粒子内層を形成し、
    該トナー粒子内層に外層用樹脂粒子を添加してトナー粒子を製造するトナー製造方法であって、以下の(a)〜(c)の条件を満足するものであることを特徴とするトナー製造方法。
    (a)外層用樹脂粒子の添加が、トナー粒子内層の円形度の平均値が0.900以上で行われること、
    (b)外層用樹脂粒子の添加は複数回行われるものであること、
    (c)外層用樹脂粒子のガラス転移温度がトナー粒子内層のガラス転移温度よりも高く、その温度差を2〜45℃とすること。
  2. 前記温度差を4〜15℃とすることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  3. 前記トナー粒子内層の形成で行われる凝集とトナー粒子の球形化とを並行して進める工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
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