JP4135526B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、部品を一定の軌道に沿って搬送する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
部品を一定の軌道に沿って搬送する搬送装置として、軌道に沿って配置した給電線に基地局との間でやりとりする通信信号を重畳し、該給電線から非接触で電力の供給と通信信号の送受信を行いながら移動する移動体を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この搬送装置を模式的に図示すると図6のとおりである。この図6によれば、図示しない軌道に沿って2本の給電線31,32が配置されており、移動体33は、これらの給電線31,32を左右に配して、給電線31,32に沿って矢印Aの方向に移動するようになっている。
【0003】
移動体30には、1つの受信装置34と1つの送信装置35と、図示しない受電装置とが配置されている。
受信装置34は、前記2本の給電線31,32にそれぞれ近接配置される2つの受信部34A,34Bを備えている。送信装置35も、前記2本の給電線31,32にそれぞれ近接配置される2つの送信部35A,35Bを備えている。
また、受電装置も、前記2本の給電線31,32にそれぞれ近接配置されるコイルのような2つの受電部(図示略)を備えている。
【0004】
この搬送装置30では、移動体33の前部に受信装置34を配置し、移動体33の後部に送信装置35を配置している。したがって、図6に示されているように、2本の給電線31,32が軌道に平行に配されている場所では、移動体33に搭載されている受信装置34の2つの受信部34A,34Bおよび送信装置35の2つの送信部35A,35Bが、それぞれ各給電線31,32に近接配置されていて、各給電線31,32に載せて基地局から伝播してきた通信信号を受信するとともに、各給電線31,32に対して基地局への通信信号を送信するようになっている。また、この際、図示しない受電装置の受電部も各給電線31,32に近接配置されていて、給電線31,32から電力を受けることができるようになっている。
【0005】
したがって、移動体33は、給電線31,32から受けた電力によって軌道に沿って移動可能であり、給電線31,32から受信した通信信号によって、行き先や搬送すべき部品に関する情報を得ることができる。また、給電線31,32へ送信する信号によって、受信の確認や、移動体33自身の位置、あるいは、搬送している部品の情報等を基地局に対して報知することができる。
【0006】
このように構成された従来の搬送装置30によれば、移動体33の左右に設けた2本の給電線31,32に対してそれぞれ受信部34A,34Bと送信部35A,35Bとを有しているので、何らかの原因により1本の給電線31(32)への電力供給または通信信号の供給が行われない場合においても、他の1本の給電線32(31)を介して電力を受け、信号を送受信することができる。
また、移動体33の左右のいずれか一方の給電線31(32)のみが設置されている場所においても、何ら不都合なく移動体33を進行させるよう制御することができる。
【0007】
しかしながら、例えば、搬送装置30の進行する軌道の途中位置に防火扉36がある場合のように、火災時に防火扉36によって閉鎖される空間を給電線31,32が貫通できない場合等には、図7に示されるように、移動体33の進行方向に沿って給電線31,32が途切れる部分31A,32Aが存在する。そして、このような給電線31,32のレイアウトにおいて、移動体33が図7に示される位置に配されるときには、移動体33に搭載されている受信装置34が両方の給電線31,32から離れてしまい、基地局からの通信信号を受信することができないという問題が生ずる。
受信装置34ではなく送信装置35が給電線31,32から離れてしまった場合も、上記と同様に、基地局への通信信号を給電線31,32に渡すことができないという不都合が生ずる。
【0008】
従来、このように給電線31,32が途切れる区間31A,32Aにおいて、移動体33の送信装置35および受信装置34と基地局との間の通信が一時的に途切れる現象が生じても、この区間におけるこのような通信の一時的な途切れは無視していた。すなわち、移動体33がこの区間に差し掛かることにより通信が一時的に途切れても、この区間を通過してしまうことによって送信装置35および受信装置34と給電線31,32とが再度近接して通信可能な状態となるため、移動体33が走行状態にある限り、この区間における通信の一時的な切断を無視することとしても、制御上の問題が生ずることはないと考えていた。
【0009】
一方、この区間において、図7に示されるような状態で移動体33が停止した場合には、移動体33は基地局からの走行指令信号を受信することができず、人手を介さなければ、搬送動作を続行することができなくなるという不都合がある。したがって、外部インタフェース等によって、移動体33が図7に示されるような状態で停止しないように制御することとしていた。
【0010】
【特許文献1】
特許第3082763号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、停電などの不測の事態が発生した場合には、上述したように、移動体33が図7に示される状態で停止してしまう可能性がある。すなわち、移動体33が進行中に停電が発生した場合には、移動体33は、停止装置の作動によっても瞬時に停止することなくある程度惰走する。このため、上述した給電線31,32の途切れる区間の直前において停電が発生した場合には、この区間における停止の回避策が実施されることなく移動体33が停止することになる。
【0012】
このような場合には、後に停電が復帰した場合でも、基地局からの走行指令信号を受信装置34によって受信することができず、移動体33は停止状態に維持される。このため、復旧作業を人手により行う必要がある。特に、天井走行する移動体33の場合には、人手による復旧に長時間を要するという不都合がある。
【0013】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、停電等の不測の事態においても、確実に通信を継続して、人手による復旧作業をなくすことができる搬送装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、通信信号を重畳させた複数の給電線に沿って移動可能な移動体を備える搬送装置であって、前記移動体に、前記各給電線から非接触にて受電可能な複数の受電部と、前記各給電線との間で通信信号を送受信可能な複数の通信部とが搭載され、前記受電部どうし、および前記通信部どうしが、前記移動体の進行方向に沿って相互にずれた位置に配置されている搬送装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、移動体は、受電部の作動により給電線から非接触にて電力を受け取るとともに、通信部の作動により給電線から通信信号を受信して、当該通信信号に従い、受け取った電力を用いて移動させられる。受電部および通信部は、複数設けられているとともに、これらの受電部どうしおよび通信部どうしは、移動体の進行方向に沿って相互にずれた位置に配置されているので、仮に、給電線が移動体の進行方向に沿って途切れていたとしても、その途切れた区間の間隔寸法を前記受電部どうしおよび通信部どうしのずれより小さく設定しておけば、いずれかの受電部および通信部を、給電線から電力および通信信号を受けることができる状況に配することができる。
【0016】
したがって、例えば、防火扉のように、給電線を貫通して配することができない区間が存在し、停電等の不測の事態の発生により、移動体がその区間に停止した場合であっても、停電が復旧した後には、移動体への適正な電力および通信信号の供給が行われる。その結果、人手による復旧作業が不要となり、搬送効率の向上を図ることが可能となる。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の搬送装置において、前記給電線に同一の通信信号が重畳される搬送装置を提案している。
この発明によれば、複数の給電線に共通の通信信号を重畳させておくことにより、給電線の内の1つが何らかの理由によって断線等を生じても、他の給電線から通信信号を得ることが可能となる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の搬送装置において、前記複数の通信部の前記給電線との通信可能な領域の前記進行方向の前端と後端との距離が、前記移動体の進行方向に沿って間隔をあけた給電線の間隔寸法を超えるまで通信部どうしが相互にずれている搬送装置を提案している。
この発明によれば、複数の給電線が移動体の進行方向に途切れていても、通信部どうしが、それ以上の領域において通信可能に配置されているので、1つの通信部が給電線から通信信号を受信することができない位置に配されても、他の通信部が給電線からの通信信号を受信することが可能となる。したがって、例えば、防火扉のように、給電線が途切れる区間においても、移動体への通信信号の供給や、移動体からの通信信号の送信を途切れさせることなく行うことが可能となる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送装置において、前記通信部が、送信用および受信用にそれぞれ複数独立して設けられている搬送装置を提案している。
この発明によれば、複数設けられた送信用通信部どうしが、移動体の進行方向に所定間隔をあけて配されることにより、例えば、防火扉のように給電線が途切れる区間においても、いずれかの送信用通信部を作動させて移動体から給電線へ通信信号を送信することが可能となる。また、複数設けられた受信用通信部どうしが、移動体の進行方向に所定寸法だけずれて配されることにより、給電線が途切れる区間においても、いずれかの受信用通信部の作動により、給電線から移動指令信号等を受信することが可能となる。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の搬送装置において、前記送信用通信部と前記受信用通信部とが、移動体の進行方向の略同一位置に対をなして配置されている搬送装置を提案している。
この発明によれば、例えば、防火扉のように、給電線が移動体の進行方向に途切れる区間においては、一対の送信用通信部と受信用通信部とがほぼ同時に給電線との間の通信信号のやりとりができない状態に配されるが、他の対をなす送信用通信部および受信用通信部が作動することにより、移動体と給電線との間の通信が途切れることがない。
【0021】
この場合に、各給電線に対して送信用通信部と受信用通信部とをそれぞれ近接させるので、例えば、2本の給電線に対して2対の通信部を配置する場合、一の給電線に対しては、前方に送信用通信部、後方に受信用通信部が配され、他の給電線に対しては、前方に受信用通信部、後方に送信用通信部が配される。そして、送信用通信部どうしおよび受信用通信部どうしが、移動体の進行方向にずれて配置されているので、送信用通信部および受信用通信部の各対を移動体の進行方向の略同一位置に配しながら、送信用通信部どうしおよび受信用通信部どうしはそれぞれ四角形の対角となる位置に配することが可能となる。
【0022】
したがって、例えば、2本の給電線が移動体の左右に配されている場合には、2対の通信部を移動体の進行方向の略同一位置に配しながら、給電線が途切れる区間における不都合の発生を防止することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る搬送装置の第1の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る搬送装置1は、水平方向に平行間隔をあけて延びる2本の給電線2,3に沿って、水平方向に移動可能な移動体4を備える。前記2本の給電線2,3は、図示しない軌道に沿って設けられている。すなわち、移動体4は、軌道に沿って移動させられる際に、前記2本の給電線2,3を左右に配して、これら給電線2,3の間を該給電線2,3に沿う方向に移動するように構成されている。
【0024】
各給電線2,3は、図示しない基地局に接続され、該基地局からの制御信号および移動体4から発せられる応答信号等の通信信号を伝送するようになっている。また、各給電線2,3は、図示しない電源に接続されていて、該電源から供給される電力を伝送するようになっている。電源から給電線2,3に供給される電力は、高周波の交流として給電線2,3に加えられる。すなわち、各給電線2,3には、周波数の異なる通信信号および高周波の交流信号が重畳して伝送されている。
【0025】
一方、前記移動体4には、例えば、コイルのように、給電線2,3を伝送されてくる高周波の交流を電磁誘導作用によってエネルギーとして取り出す受電装置(受電部:図示略)が設けられている。
また、前記移動体4には、2対の送信装置(送信用通信部)5,6と受信装置(受信用通信部)7,8とが搭載されている。一方の送信装置5および受信装置7は、進行方向(図1中の矢印Aの方向)に向かって移動体4の左側に配される給電線2に近接配置され、該給電線2からの通信信号を受信し、移動体4からの通信信号を給電線2に載せることができるようになっている。また、他方の送信装置6および受信装置8は、進行方向に向かって移動体4の右側に配される給電線3に近接配置されている。
【0026】
また、前記受信装置7,8は、前記送信装置5,6に対して進行方向の前方に配置されている。
さらに、進行方向に向かって左側の給電線2に近接配置される送信装置5および受信装置7は、右側の給電線3に近接配置される送信装置6および受信装置8に対して所定の距離だけ、移動体4の進行方向前方にずれた位置に配置されている。
【0027】
ここで、所定の距離とは、例えば、後述する防火扉等において、移動体4の進行方向に沿う給電線2,3が途切れる際のその途切れる距離よりも、送信装置5,6と給電線2,3との通信および受信装置7,8と給電線2,3との通信が可能な領域5A,6A,7A,8Aが進行方向に大きくなるような距離を言う。すなわち、進行方向に向かって前方に配される左側の送信装置5および受信装置7のそれぞれの通信可能な領域5A,7Aの前端と、後方に配される右側の送信装置6および受信装置8のそれぞれの通信可能な領域6A,8Aの後端との距離が、給電線2,3の途切れ寸法より大きくなるように、左側の送信装置5および受信装置7と右側の送信装置6および受信装置8とが、進行方向に沿ってずれている。
【0028】
また、上記受電装置は、移動体4の進行方向に向かって左右の給電線2,3のそれぞれに近接配置された一対のコイルからなる。各コイルは各給電線2,3から電力を受け取ることができるようになっている。また、これらのコイルは、上述した送信装置5,6どうし、または受信装置7,8どうしと同様に所定の距離だけ、移動体の進行方向前後にずれて配置されている。
【0029】
このような搬送装置1が移動する軌道の途中位置には、図2に示されているように、防火扉9が配置されている。防火扉9は、軌道を横切る防火壁10に形成された貫通孔11を閉鎖することができるように配置されており、火災等の際に閉鎖されることによって、延焼を防止できるようになっている。この防火扉9は、平常時には開かれていて、移動体4が貫通孔11を通過できるようになっている。
【0030】
しかしながら、防火扉9はその性質上、防火壁10の貫通孔11を閉鎖する必要から、給電線2,3を貫通状態に配しておくことができない。このため、防火壁10の貫通孔11に向かって、軌道に沿って配されてきた給電線2,3は、防火壁10の両側において、防火壁10に沿う方向に屈曲し貫通孔11を迂回して、貫通孔11以外の位置で防火壁10を貫通するように構成されている。その結果、軌道に沿う給電線2,3は防火扉9の位置で一旦途切れるように配される。
【0031】
このように構成された本実施形態に係る搬送装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る搬送装置1は、移動体4を通常の軌道、すなわち、給電線2,3が配置されている軌道に沿って移動させる際に、図1に示されるように、該移動体4に搭載されている2対の送信装置5,6および受信装置7,8が、2本の給電線2,3にそれぞれ近接配置される。これにより、移動体4は、基地局からの制御信号を2つの受信装置7,8を介して受信するとともに、これに対する応答信号または、移動体4自体の位置を知らせる通信信号を2つの送信装置5,6を介してそれぞれ送信するようになっている。
【0032】
2対の送信装置5,6および受信装置7,8により、給電線2,3を介して送受信される通信信号は、同一の通信信号であるから、仮に一方の送信装置5,6または受信装置7,8が機能不全となっても、移動体4は、動作を停止させられることなく、円滑に移動制御させられることになる。
【0033】
また、移動体4が、防火扉9などの給電線2,3が貫通できない部位を通過するときには、移動体4の左側前方に配置されている受信装置7が、まず、給電線2の断続部分2Aに達して給電線2から離れる。その結果、当該受信装置7による通信信号の受信はできない状態となる。しかしながら、移動体4の右側に配置されている受信装置8は、移動体4の左側の受信装置7に対して、移動方向の後方にずれた位置に配されているので、左側の受信装置7による受信ができない状態においても右側の受信装置8による受信は可能な状態に維持されている。
したがって、基地局からの制御信号が途切れることなく移動体4に伝達されることになる。
【0034】
また、左側の受信装置7と右側の受信装置8とは、上述したように、それらの受信装置7による給電線2からの信号の受信可能な範囲7Aの前端と、受信装置8による給電線3からの信号の受信可能な範囲8Aの後端との距離が、防火扉10により途切れる給電線2の断続部分2Aの間隔寸法より大きくなるようにずれている。したがって、後方に配されている右側の受信装置8が給電線3の切れ目3Aに配されて、給電線3からの信号を受信できない状態になるときには、前方に配されている左側の受信装置7の受信可能な範囲7Aが給電線2の切れ目2Aを超えてその前方に配されている給電線2から信号を受信可能な状態になっている。その結果、移動体4には、基地局からの制御信号等が途切れることなく供給されることになる。
【0035】
送信装置5,6についても同様である。すなわち、進行方向に向かって左側の送信装置5は右側の送信装置6よりも進行方向前方にずれて配置されているので、移動体4が防火扉9を通過する際にも基地局に対して送信する信号が途切れることがない。
また、受電装置についても同様である。すなわち、移動体4が防火扉9のように給電線2,3の途切れる部位を通過しても、左右いずれかの給電装置が、給電線2,3から電力を供給され得るように配置されているので、常に駆動力を得ることができる。
【0036】
このように構成された本実施形態に係る搬送装置1によれば、進行方向に沿って給電線2,3が途切れる防火扉9等の部位を通過する際においても、移動体4と基地局との間でやりとりされる通信信号が途切れることがないので、移動体4を円滑かつ正確に制御することができる。
【0037】
また、給電線2,3が途切れる部位においても、いずれかの受信装置7,8および送信装置5,6が常に通信可能な状態に配されるので、移動体4が当該部位において停止した状態で、停電や断線等の不具合が発生しても、復旧した後には即座に、移動体4と基地局との間の通信が可能となる。したがって、従来のように人手によって移動体4を通信可能な位置まで移動させるような作業が不要となり、搬送効率の向上、コストの低減等を図ることができる。
【0038】
なお、上記実施形態においては、移動体4の進行方向に向かって、左側に配されている送信装置5および受信装置7が右側のものよりも進行方向の前方に配されていることとしたが、これに代えて、右側を左側より前方に配することにしてもよい。
【0039】
次に、この発明の第2の実施形態に係る搬送装置20について、図3を参照して説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る搬送装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係る搬送装置20も、2対の送信装置5,6および受信装置7,8を備えている。しかしながら、本実施形態に係る搬送装置20は、送信装置5,6および受信装置7,8の配置において、第1の実施形態に係る搬送装置1と相違している。
【0040】
本実施形態において、一方の送信装置5および受信装置7は、移動体4の進行方向に向かって左側の給電線2に近接するように配置され、他方の送信装置6および受信装置8は、移動体4の進行方向に向かって右側の給電線3に近接するように配置されている。左側の送信装置5は、受信装置7よりも進行方向の後方に配置されている。また右側の送信装置6は、受信装置8よりも進行方向の前方に配置されている。
【0041】
左側の受信装置7と右側の送信装置6、および左側の送信装置5と右側の受信装置8は、それぞれ進行方向のほぼ同一位置に配置されている。その結果、2対の送信装置5,6および受信装置7,8は、長方形を形成する頂点位置にそれぞれ配置されるとともに、送信装置5,6どうしおよび受信装置7,8どうしは、それぞれその長方形の対角位置に配されている。
【0042】
左側の送信装置5と受信装置7との距離は、第1の実施形態と同様に、移動方向の後方に配されている送信装置5の給電線2との通信が可能な範囲5Aの後端と、前方に配されている受信装置7の給電線2との通信が可能な範囲7Aの前端との距離が、移動方向に沿う給電線2の切れ目2Aの間隔寸法を超えるように設定されている。また、右側の送信装置6と受信装置8との距離も同様に設定されている。
【0043】
このように構成された本実施形態に係る搬送装置20の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る搬送装置20によれば、2つの送信装置5,6どうしおよび受信装置7,8どうしが、移動体4の移動方向に沿ってずれた位置に配置されているので、第1の実施形態に係る搬送装置1と同様に、防火扉9等を通過する際においても、基地局との間の信号のやりとりが途絶えることがなく、円滑かつ正確な移動制御を行うことができる。
【0044】
また、本実施形態に係る搬送装置20では、2対の送信装置5,6および受信装置7,8が、長方形を形成する頂点位置に配されているので、合計4つの送信装置5,6および受信装置7,8が、左右対称の位置に配置されることになる。その結果、軌道が左側にカーブする場合と右側にカーブする場合の両方の場合において、左右2対の送信装置5,6および受信装置7,8を左右2本の給電線2,3に対して同等の近接状態に配することができる。
【0045】
すなわち、第1の実施形態では、左側の送信装置5および受信装置7を右側の送信装置6および受信装置8に対して移動方向の前方にずらしていたので、軌道の湾曲方向によって左右の送信装置5,6および受信装置7,8と給電線2,3との間の通信状態が変動する場合も発生する可能性があるが、本実施形態ではそのような不都合はない。
【0046】
なお、本実施形態に係る搬送装置20では、移動体4の移動方向に向かって左側において送信装置5を受信装置7の後方に、右側において受信装置8を送信装置6の後方に配置したが、この逆の配置としてもよいことは言うまでもない。
また、この発明は、送信装置5,6と受信装置7,8とが独立して設けられているものに限定されるものではなく、送受信を一体の通信装置21,22で行うことができる場合には、図4に示されているように、移動体4の移動方向に沿って給電線2,3の切れ目2A,3Aの間隔寸法より大きな送受信範囲21A,22Aを有するものを想定してもよい。
【0047】
さらに、送受信を行う一体の通信装置23,24が、図5に示されているように、送信を行う送信部23a,24aと受信を行う受信部23b,24bとを明確に有する場合にも、上記実施形態と同様の効果を奏することは明らかである。
【0048】
また、上記各実施形態においては、2対の送信装置5,6、受信装置7,8と、1対の受電装置を有するものについて記載したが、これに代えて、3対以上の送信装置、受信装置、2対以上の受電装置を有することにしてもよい。また、左右の送信装置、受信装置または受電装置の個数は異なっていてもよい。
【0049】
さらに、2本の給電線2,3を備える場合について説明したが、3本以上の給電線を備えていてもよい。また、給電線2,3が移動体4の進行方向に向かって左右に配されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、左右のいずれかに、上下に2本の給電線が配されていてもよい。また、移動体の中心に配されていてもよい。
軌道については、地上に固定される軌道に限定されず、天井走行軌道であってもよいことは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る搬送装置は、給電線が移動体の進行方向に沿って途切れている場合においても、いずれかの受電部および通信部を、給電線から電力および通信信号を受けることができる状況に配することができるので、給電線を用いて行われる移動体への信号の送受信が途切れることを防止して、移動体を確実に制御することができるという効果を奏する。また、例えば、防火扉のように、給電線を貫通して配することができない区間に移動体が停止した状態で停電等が発生した場合であっても、停電が復旧した後には、即座に移動体への適正な電力および通信信号を供給することができる。その結果、人手による復旧作業が不要となり、搬送効率の向上、作業コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る搬送装置の第1の実施形態を示す概略的な平面図である。
【図2】 図1の搬送装置の移動体が防火扉を通過する状態を示す概略的な平面図である。
【図3】 この発明に係る搬送装置の第2の実施形態を示す概略的な平面図である。
【図4】 この発明に係る搬送装置の変形例を示す概略的な平面図である。
【図5】 この発明に係る搬送装置の他の変形例を示す概略的な平面図である。
【図6】 従来の搬送装置を示す概略的な平面図である。
【図7】 図6の搬送装置が防火扉を通過する状態を示す概略的な平面図である。
【符号の説明】
1 搬送装置
2,3 給電線
4 移動体
5,6 送信装置(送信用通信部)
5A,6A;23a,24a 送信部(通信部)
7,8 受信装置(受信用通信部)
7A,8A;23b,24b 受信部(通信部)
21A,22A 送受信部(通信部)
23 通信装置(通信部)
Claims (5)
- 通信信号を重畳させた複数の給電線に沿って移動可能な移動体を備える搬送装置であって、
前記移動体に、前記各給電線から非接触にて受電可能な複数の受電部と、前記各給電線との間で通信信号を送受信可能な複数の通信部とが搭載され、
前記受電部どうし、および前記通信部どうしが、前記移動体の進行方向に沿って相互にずれた位置に配置されている搬送装置。 - 前記給電線に同一の通信信号が重畳される請求項1に記載の搬送装置。
- 前記複数の通信部は、前記給電線との通信可能な領域の前記進行方向の前端と後端との距離が、前記移動体の進行方向に沿って間隔をあけた給電線の間隔寸法を超えるまで相互にずれている請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
- 前記通信部が、送信用および受信用にそれぞれ複数独立して設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記送信用通信部と前記受信用通信部とが、移動体の進行方向の略同一位置に対をなして配置されている請求項4に記載の搬送装置。
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