JP4135359B2 - ガスケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2部材間をシールするガスケットに関し、例えばハードディスク装置のトップカバーや燃料電池等の電子機器、特に水分や埃の侵入を防ぎ、しかもアウトガス性が要求される精密機器分野のシールとして使用されるガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、構成部品の大きさを小さく薄くすることが求められている。
【0003】
構成部品を小さくすると製造工程上の組立作業性が悪くなるため、種々の部品の一体化、複合化が求められてきている。また、同時に要求特性(シール性、アウトガス性、品質)の向上も求められてきている。
【0004】
従来、電子記憶装置、特にハードディスク装置用のガスケットは、ゴム単体や発泡ウレタンシートをステンレスやアルミニウム等の金属カバーに挟む構成で取り付けられている。ステンレス等の金属カバーにゴム材料(主にフッ素ゴム)を一体化することで取り付け作業が良好となるため、ゴム材料と金属カバーを接着剤で接合することが特許2517797号に提案されている。
【0005】
しかし、この接着剤で接合する方法は、別工程で予めガスケット形状のゴムを加硫成形しておき、その後に金属カバーに接着剤で接合するというもので、製造工程が長く、複雑になっていた。実際、ガスケット形状を作製する加硫工程では数分を要し、加硫工程後のガスケットが細くちぎれ易いことやゴミ等を付着させ易いため、接合前にガスケットの複数回の洗浄や選別が必要であった。
【0006】
一方、ガスケット材料がスチレン系熱可塑性エラストマーからなるものが特許2961068号で提案され、ゴム材料に比べ加硫工程が不要なため工程の簡略化が可能なこと、及びガスケット材料のリサイクルが可能でコストダウンが図れることが示されている。
【0007】
このガスケット材料がスチレン系熱可塑性エラストマーからなる手法においては、細く、柔らかく、粘着し易いガスケットを何らかの方法で予め固定しておかないと、実際の取り付け作業では非常に作業性の悪いものとなる。
【0008】
このため、対策として枠体と称する部材をインサートしてスチレン系熱可塑性エラストマーのガスケットを予め射出成形にて作製し、その後にハードディスク装置等の箱体、蓋体の間に取り付け一体化する方法がとられていた。すると結局、枠体と称する第三の部材が必要となり、部品点数が増加していた。
【0009】
また、近年のハードディスク装置の高性能化によりガスケットの使用環境として100℃以上のより高温化にさらされる傾向にあるので、スチレン系熱可塑性エラストマーのガスケットでは性能的に限界がきていた。
【0010】
そして、良好に性能を発揮するためのガスケット形状として、特許2961068号には図11に示すように断面形状が枠体を挟んだ長方形に構成され、シール面である先端接触部が直線(フラット)になったものが提案されている。この形状の場合には、実際に製品として取り付ける際、先端の断面直線のフラットな面全体で相手(本体)に当り、反力は先端にリップを形成しているタイプよりも大きくなる。反力が大きくなることは、取り付け工程等で蓋(金具)の変形や締め付けネジの損傷を引き起こし好ましくない。
【0011】
そこで、この断面長方形形状のガスケットで、良好に性能を発揮するには、ガスケットの硬度(応力)を下げ、低反力になるように設定する必要があった。実際、断面長方形形状のガスケットが実際に好んで使用されている硬度は30度(JIS デュロメータ タイプA)未満の場合が多かった。しかし、ガスケットの硬度を下げるには基本的に可塑剤成分を多量配合するという手法をとるため、結果的にはアウトガスの増加となってしまい、好ましいものではなかった。さらに、この断面長方形形状では、締め付け寸法も十分になく、本体に微妙な反りがあった場合にそこからシール漏れを発生し易くなっていた。
【0012】
また、良好に性能を発揮するためのガスケット形状として、特許2517797号には図12に示すように断面形状が釣鐘型の形状が示されている。この釣鐘型形状では、本体に接触する先端の断面が円弧状で取り付けの初期はやや反力が小さく作業し易いが、完全に締め付けるために締め上げていくと、結果として途中から特許2961068号に示されていたものと同じような状態となり、反力が大きくなるものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、シール性、アウトガス性及び品質の向上が図れる高性能なガスケットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、2部材間をシールするガスケットであって、一方の部材に設けられた基部よりも狭い断面幅を有し前記基部における一方の側面側から他方の部材側に突出するメインビード部を備え、一方の部材と接着した前記基部の接着幅をW0、前記基部の一方の部材との接着部から前記メインビード部の先端部までの高さの半分の位置での幅をW1として、W1/W0<1.0を満たし、前記メインビード部の先端部がR=0.1mm以上となり、前記基部の一方の部材との接着部から前記メインビード部の先端部までの高さをHとして、H/W0≧0.8を満たし、2部材に圧縮されると前記メインビード部が前記基部における他方の側面側に倒れ込むような変形状態となるとともに、2部材間に圧縮された時の圧縮率が20%以上となることを特徴とする。
【0015】
この構成では、メインビード部が圧縮され易く、取り付けの際の反力が小さい。したがって、締め付け寸法が十分にあり、シール性が向上する。また、ガスケットの硬度を下げる必要がなく、可塑剤成分の多量配合が必要ないので、アウトガス性が向上する。さらに、2部材の変形や締め付けネジの損傷を引き起こすことがなく、品質が向上する。
【0018】
予め一方の部材に接着剤を塗布し、該接着剤が塗布された一方の部材をインサートしてガスケットを成形し、一方の部材にガスケットを一体化して設けることが好適である。
【0019】
これにより、容易に製造でき、製造工程の簡略化が図れる。
【0020】
ガスケットの材質が熱可塑性エラストマーコンパウンドからなることが好適である。
【0021】
これにより、ガスケットの使用環境として100℃以上のより高温化にさらされても性能に劣化が生じず、品質が向上する。
【0022】
ここで、熱可塑性エラストマーコンパウンドは、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーコンパウンドを用い、ポリマーがスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン/エチレン・プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS)を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂、可塑剤を含有し、硬度30〜70度(JIS デュロメータ タイプA)に調整された材料であったりする。
【0023】
また、熱可塑性エラストマーコンパウンドは、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーとスチレン系熱可塑性エラストマーをブレンドしたコンパウンドとして、オレフィン系熱可塑性エラストマーの構成がエチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合ゴム又はエチレン/プロピレン元共重合ゴムとポリプロピレン系樹脂及び可塑剤を主成分にしたもの、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてポリマーがスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン/エチレン・プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS)を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂、可塑剤を含有したものからなり、コンパウンドは硬度10〜70度(JIS デュロメータ タイプA)に調整された材料であったりする。
【0024】
前記メインビード部よりも突出高さの低いサブビード部を備えたことが好適である。
【0025】
これにより、2部材間のシール時にメインビード部がサブビード部上に倒れ込み、ガスケットが圧縮されるので、ガスケットの圧縮による反力は上限値以下に設定することができ、上限値を超える大きな反力によって2部材を異常に変形させることがない。
【0026】
また、メインビード部がサブビード部上に倒れ込むことから接触面の増加によりガスケットの圧縮量は大きくなり、ガスケットのメインビード部の高さや使用状態での2部材間の距離がばらついてガスケットの圧縮量が変化しても良好なシール性を発揮する。
【0027】
さらに、使用時に他方の部材に接触する接触最小幅が、メインビード部がサブビード部上に倒れ込むことから接触面の増加により大きくなり、単位長さ当りある程度の割合で気体が透過する性質を有していても、気体通過の割合を低減することができる。
【0028】
前記メインビード部を前記サブビード部側に傾斜させて突出させたことが好適である。
【0029】
これにより、メインビード部がサブビード部上に倒れ込み易くなる。
【0030】
前記サブビード部を前記メインビード部のシール対象側に配置したことが好適である。
【0031】
これにより、ガスケットと他方の部材との接触面上でサブビード部上に倒れ込んだメインビード部がサブビード部と伴に圧縮されることでシール対象側の反力が高くなり高い面圧を発揮するので、シール対象側で高い面圧を発生させることができる。
【0032】
前記サブビード部の高さを調整することによって、ガスケットが圧縮される時に発生する反力を調整することが可能なことが好適である。
【0033】
これにより、ガスケットが圧縮される時の反力の調整をサブビード部の高さを調整することによって可能となり、サブビード部の高さの調整で所望の反力を設定することができる。
【0034】
前記サブビード部の一部に切り欠き部を設けたことが好適である。
【0035】
これにより、サブビード部上に倒れ込んだメインビード部とサブビード部との間に切り欠き部からシール対象の流体を導入でき、シール対象の流体の圧力を直接メインビード部に作用させることができるので、シール対象の流体の圧力を利用して面圧をさらに高める効果(セルフシール効果)を強く発揮することができる。
【0036】
ハードディスク装置のトップカバーとして用いられることが好適である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0038】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係るガスケット1を示す図である。図2は使用状態の図1のガスケット1を示す図である。
【0039】
ガスケット1は、トップカバー基材4上に設けられ、基部1a上に1つのメインビード部2を有する断面形状である。すなわち、トップカバー基材4に基部1aが接着され、基部1a上で相手部材5側(図1では上側)に突出するメインビード部2を設けている。
【0040】
そして、このガスケット1は、以下の(1)〜(4)の条件を満たしている。
【0041】
(1)トップカバー基材4と接着した基部1aの接着幅をW0とし、トップカバー基材4からメインビード部2の先端までの高さH0の半分(1/2H0)の位置での幅をW1とすると、W1/W0<1.0である。
【0042】
(2)メインビード部2の先端部がR=0.1mm以上である。
【0043】
(3)トップカバー基材4からメインビード部2の先端までの高さをH0とし、H0/W0≧0.8である。
【0044】
(4)ガスケット1がトップカバー基材4と相手部材との間に圧縮された時の圧縮率が20%以上である。
【0045】
以上の条件を満たすガスケット1は、予めトップカバー基材4に接着剤を塗布し、該接着剤が塗布されたトップカバー基材4をインサートしてガスケット1を射出成形し、トップカバー基材4にガスケット1を瞬時に一体化して設ける。
【0046】
したがって、ガスケット1の成形工程でトップカバー基材4への接着も同時に行うので、製造工程が簡略化できる。
【0047】
ここで、ガスケット1は、熱可塑性エラストマーコンパウンドからなる材質によって形成されている。
【0048】
具体的な熱可塑性エラストマーコンパウンドは、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーコンパウンドを用い、ポリマーがスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン/エチレン・プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS)を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂、可塑剤を含有し、硬度30〜70度(JIS デュロメータ タイプA)、圧縮永久歪50%以下(JIS K6262 100℃、72H)に調整された材料であったりする。
【0049】
又は、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーとスチレン系熱可塑性エラストマーをブレンドしたコンパウンドとして、オレフィン系熱可塑性エラストマーの構成がエチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合ゴム又はエチレン/プロピレン元共重合ゴムとポリプロピレン系樹脂及び可塑剤を主成分にしたもの、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてポリマーがスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン/エチレン・プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS)を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂、可塑剤を含有したものからなり、コンパウンドは硬度10〜70度、より好ましくは20〜50度(JIS デュロメータ タイプA)に調整された材料であったりする。
【0050】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリマーがスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン/エチレン・プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS)であり、末端にビニル芳香族化合物を主体とするスチレン重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とするイソプレン重合体ブロック及びエチレンとイソプレンのランダム共重合体ブロックと、さらにビニル芳香族化合物を主体とするスチレン重合体ブロックに水素添加して得られる水添トリブロック共重合体が用いられる。
【0051】
これらの水添トリブロック共重合体の数平均分子量は50000以上であることが好ましい。数平均分子量が50000未満であると、軟化剤のブリードが増加し、圧縮永久歪が大きくなり、実際の使用に耐えられないという不都合が生じることがある。この数平均分子量の上限は特に制限はないが、通常は400000程度である。
【0052】
上記水添ブロック共重合体の非晶質スチレンブロックの含有量は、10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%の範囲のものが望ましい。また、非晶質スチレンブロックのガラス転移温度(Tg)は、60℃以上、好ましくは80℃以上であるものが望ましい。また、両末端の非晶質スチレンブロックを連結する部分の重合体としては、やはり非晶質のものが好ましい。なお、これらの水添ブロック共重合体は、主に単独で用いられるが、二種以上をブレンドして用いてもよい。
【0053】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、エチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合ゴム又はエチレン/プロピレン元共重合ゴムとポリプロピレン系樹脂及び可塑剤を主成分にしたものである。
【0054】
エチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合ゴムとしては、エチレン含有量が50〜80重量%、ヨウ素価は10〜25の範囲である。非共役ジエンゴムとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が用いられる。
【0055】
エチレン/プロピレン元共重合ゴムとしては、エチレン含有量が10〜25重量%で、そのメルトフローインデックス(MFR)(JIS K7210準拠 230℃、2.16kg荷重)が3〜30g/10分である。
【0056】
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを触媒存在下で重合して得られる熱可塑性樹脂で、アイソタクチック、シンジオタクチック構造等をとる結晶性高分子、又はこれらと少量のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテン等)の共重合体である。これらで好ましくは、メルトフローインデックス(MFR)(JIS K7210準拠 230℃、2.16kg荷重)が0.1〜100g/10分であり、結晶化度が20〜70%のものである。MFRが0.1より小さいと流動性が悪く、目的の成形性が得られないものとなる。また、MFRが100より大きいと十分な物性が得られないものとなる。
【0057】
可塑剤としては、通常のゴムや熱可塑性エラストマーに使用されるもので、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン系オイル等の石油系軟化剤、ひまし油、あまに油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバセート等のエステル系可塑剤である。また、これらにさらに有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤等を添加したり、又はこれら必要な成分を同時に混合し、加熱溶融混練りすることにより、動的に架橋させてもよい。
【0058】
なお、ガスケット1の組成物には、通常ゴムや熱可塑性エラストマーに配合されているような、りん片状無機充填剤、具体的には、クレー、珪藻土、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等を用いることができる。また、粉末状固体充填剤、例えば、各種の金属粉、ガラス粉、セラミックス粉、粒状又は粉末ポリマー等や老化防止剤、例えば、アミン及びその誘導体、イミダゾール類、フェノール類及びその誘導体、ワックス類等が用いられる。
【0059】
また、各種の添加剤、例えば、安定剤、粘着付与剤、離型剤、顔料、難燃剤、滑剤等を添加することができる。また、摩耗性、成形性等の改良のため、少量の熱可塑性樹脂やゴムの添加も可能である。さらに、強度、剛性の向上のため、短繊維等を添加することもできる。
【0060】
スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフィン系熱可塑性エラストマーにかかるこれらの配合物は加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、プラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練りし、さらに所望により有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤等を添加したり、又はこれら必要な成分を同時に混合し、加熱溶融混練りしたりすることにより、容易に製造することができる。また、高分子有機材料と軟化剤とを混練りした熱可塑性材料を予め用意し、この材料をここに用いたものと同種か又は種類の異なる一種類以上の高分子有機材料にさらに混ぜ合わせて製造することもできる。
【0061】
この様にして得られたスチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドしたコンパウンドは、公知の方法、例えば、射出成形や押出成形等により所望の形状に成型してガスケット材として使用することができる。このようなガスケット材は、特に、高い防塵性を要求されるハードディスク装置用に好適に使用されるが、その他通常のガスケット材、パッキング材として気密性が要求される部位のいずれかにも使用することができる。
【0062】
また、ガスケット1成形前にトップカバー基材4間に塗布される接着剤は、変性オレフィン系樹脂をベースにしたタイプ、又はスチレン・ブタジエンゴムをベースに液状にしたタイプである。
【0063】
具体的な接着剤は、例えば、ポリオレフィン系樹脂の側鎖に極性其(無水マレイン酸、アクリル酸、エポキシ其水酸其等)をグラフトさせて変性したものを芳香族や脂肪族の有機溶剤に溶解して液状化させたものや、ディスパージョン化させたものである。又は、スチレン・ブタジエンゴムを芳香族や脂肪族の有機溶剤に溶解して液状化させたものを単独又は混合したものである。
【0064】
接着剤の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布、スプレー塗布、スクリーン印刷、刷毛塗り、スタンプ方式等必要に応じて最適な方法を選択する。
【0065】
なお、トップカバー基材4としては、例えば、アルミニウム板、アルミニウム板にメッキ処理を施したもの、ステンレス鋼板、ステンレス製の制震鋼板等の金属板を用いる。
【0066】
そして、上記の構成のガスケット1は、図2に示すように、トップカバー基材4と相手部材5との間が距離Sとなるような使用状態で、相手部材5に接触してトップカバー基材4と相手部材5との間のシールを行う。
【0067】
このトップカバー基材4と相手部材5との間のシールを行う時には、メインビード部2が主に圧縮されて図2に示す変形状態となる。
【0068】
以上説明した本実施の形態では、メインビード部2が圧縮され易く、取り付けの際の反力が小さい。したがって、締め付け寸法が十分にあり、シール性が向上する。また、ガスケット1の硬度を下げる必要がなく、可塑剤成分の多量配合が必要ないので、アウトガス性が向上する。さらに、トップカバー基材4や相手部材5の変形や締め付けネジの損傷を引き起こすことがなく、品質が向上する。
【0069】
(評価試験)
上記実施の形態での効果を評価するために、具体的に上記実施の形態の設定範囲内で構成した実施例と設定範囲外で構成した比較例との評価試験を行い比較した。評価試験は、実施例及び比較例の構成として図3に示すように実施例1〜9、比較例1〜8の各種サンプルを作製し、硬度、シール性、アウトガス性、湿度透過性、接着性、成形性の各種評価を行った。
【0070】
「サンプル作製」
本評価試験では、スチレン系熱可塑性エラストマーコンパウンド及びオレフィン系熱可塑性エラストマーとスチレン系熱可塑性エラストマーをブレンドしたコンパウンドとしては、図3に示した配合物を所定量計量し、二軸押出機((株)神戸製鋼所製:ハイパーKTX46)にて、設定温度210〜180℃、回転速度150rpmの条件にて混合押出しを行って得る。
【0071】
この本材料を射出成形機(川口鉄工(株):KM−80)を用い、設定温度210〜180℃、射出速度0.5秒、射出圧力100MPa、サイクルタイム30秒にてテストシート(150×150×2mm)成形し、硬度、アウトガス性、湿度透過性の試験に用いる。
【0072】
また、同様に予めカバー形状に附型されたアルミニウム板(無電解ニッケルメッキ2〜5μm処理)に各種接着剤を塗布した部品を、金型にインサートしておき、射出速度0.5秒、射出圧力100MPa、サイクルタイム30秒でカバーにガスケットを成形した。このカバー一体型ガスケットを用い、シール性、接着性、成形性の試験を行った。
【0073】
ここで、熱可塑性エラストマーコンパウンドとしては、
ポリマーA(三井化学(株)製、商品名:ミラストマー5030B(オレフィン系))、
ポリマーB(AES(株)製、商品名:サントプレン111−45(オレフィン系))、
ポリマーC(クラレ(株)製、商品名:セプトン2006(スチレン系:SEPS))、
ポリマーD(クラレ(株)製、商品名:セプトン4055(スチレン系:SEEPS))、
ポリプロピレン系樹脂(出光興産(株)製、商品名:J700GP)、
可塑剤としてのパラフィン系オイル(出光興産(株)製、商品名:ダイアナプロセスオイルPW380)
を用いた。
【0074】
また、接着剤としては、
変性オレフィン系樹脂接着剤(三井化学(株)製、商品名:ユニストールR120K)、
スチレン・ブタジエンゴム系接着剤(ノガワケミカル(株)製、商品名:ダイアボンドDA3188)
を用いた。
【0075】
ガスケットの断面形状としては、図4に示す形状A〜Eであり、
形状Aは、W1/W0=0.5、メインビード部の先端部(以下、Z部という)のR=0.2mm、H0/W0=1.12であり、
形状Bは、W1/W0=0.74、Z部のR=0.25mm、H0/W0=1.12であり、
形状Cは、W1/W0=0.5、Z部のR=0.17mm、H0/W0=1.12であり、
形状Dは、W1/W0=1.0、Z部のRなし、H0/W0=0.8であり、
形状Eは、W1/W0=1.0、Z部のR=1.0mm、H0/W0=1.0である。
【0076】
以上の選択要素から図3に示すように作製した実施例1〜9、比較例1〜8の各種サンプルの具体的な構成を以下に示す。
【0077】
実施例1
熱可塑性エラストマーコンパウンドとしては、ポリマーC:100重量部、ポリプロピレン系樹脂:25重量部、可塑剤:80重量部である。また、変性オレフィン系樹脂接着剤を用いた。ガスケット断面形状は、形状Aを用いた。
【0078】
実施例2
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。
【0079】
実施例3
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:70重量部、ポリマーC:30重量部を変更して用いた。
【0080】
実施例4
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:30重量部、ポリマーC:70重量部を変更して用いた。
【0081】
実施例5
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーB:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。
【0082】
実施例6
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーD:50重量部を変更して用いた。
【0083】
実施例7
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ガスケット断面形状は、形状Bを用いた。
【0084】
実施例8
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ガスケット断面形状は、形状Cを用いた。
【0085】
実施例9
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、変性オレフィン系樹脂接着剤の代わりに、スチレン・ブタジエンゴム系接着剤を用いた。
【0086】
比較例1
実施例1において、ガスケット断面形状は、形状Dを用いた。
【0087】
比較例2
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ガスケット断面形状は、形状Dを用いた。
【0088】
比較例3
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ガスケット断面形状は、形状Eを用いた。
【0089】
比較例4
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、可塑剤:80重量部を減らして、可塑剤:5重量部に変更して用いた。
【0090】
比較例5
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、可塑剤:80重量部を減らして、可塑剤:5重量部に変更して用いた。ガスケット断面形状は、形状Bを用いた。
【0091】
比較例6
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、可塑剤:80重量部を増やして、可塑剤:150重量部に変更して用いた。
【0092】
比較例7
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ポリプロピレン系樹脂:25重量部を減らして、ポリプロピレン系樹脂:5重量部に変更して用いた。
【0093】
比較例8
実施例1において、ポリマーC:100重量部の代わりに、ポリマーA:50重量部、ポリマーC:50重量部を変更して用いた。また、ポリプロピレン系樹脂:25重量部を増やして、ポリプロピレン系樹脂:120重量部に変更して用いた。
【0094】
「評価方法」
本評価試験では、具体的に以下の評価を行った。
【0095】
(1)硬度
厚さ2mmのテストシートを3枚重ね合わせ、JIS K6253に準じて測定した。
【0096】
(2)シール性(リーク有無)
カバーに一体成形されたガスケットを実機リーク試験機に装着した状態で、試験機内部から5kPaの正圧を30秒間かけ続け、15秒後にリークするかどうか調べた。ガスケット材料の圧縮永久歪性が劣る場合やガスケット形状に欠陥がある場合はリークする。本試験において、「リークなし:○、リークあり:×」と判定した。
【0097】
(3)シール性(反力)
カバーに一体成形されたガスケットの反力を測定した。シールするには適当な接触面圧を有している必要がある。面圧は反力として測定可能で、面圧が低いとカバーや相手部材に凹凸がある場合、十分にシールできない。また、面圧が高いとカバーの変形を引き起こす。「好ましい反力0.5〜1.0(N/mm):○、その他:×」とした規準で判定した。
【0098】
(4)アウトガス性
50×3×2mmの短冊状のテストピースを120℃、1時間熱抽出して、その時のアウトガス量(μg/g)を測定した。本試験において、「アウトガス量50(μg/g)未満:○、アウトガス量50(μg/g)以上:×」と判定した。
【0099】
(5)湿度透過性
円筒状のSUS容器(内径27mm、深さ50mm)に蒸留水10ccを入れ、直径30mm、厚み1mmに調整したテストピースを挟み、SUS製の中空の蓋(開口部内径27mm)で固定した。70℃、100時間後のデータから水蒸気透過係数(g・mm/cmm224H)を求めた。本試験において、「水蒸気透過係数が5×10-3(g・mm/cmm224H)未満:○、水蒸気透過係数が5×10-3(g・mm/cmm224H)以上:×」と判定した。
【0100】
(6)接着性
カバーに一体化されたガスケット接着面に約1mmの貫通ハガレを作り、その部位にSUS製ワイヤーを通し、垂直引張り荷重をかけ、ハガレ長が約10mmに拡大するときの荷重を測定した。本試験において、「はくり荷重100(kPa)以上:○、はくり荷重100(kPa)未満:×」と判定した。
【0101】
(7)成形性
製品の射出成型において、「不具合なし:○、不具合あり:×」と評価した。ここで、不具合とは、所定の製品形状に成形できないことで、変形、ヒケ、カケ、ウエルド、ショートショット、バリ等の発生や、カバーに一体成形できない現象が生じることである。
【0102】
「評価結果」
硬度が70度以上になると、カバー一体型ガスケットを本体に取り付けた時の反力が大きくなり、カバーの変形等が生じ、完全に密封できなくなり、ガスケットとしてのシール性に劣ってしまう。一方、30度未満の場合、アウトガスが多くなり、また、ガスケットがちぎれ易かったり、粘着し易かったりする等取り扱いに注意しなければならなくなる。最も好ましい硬度は40から60度である。
【0103】
一方、所望の成形性や硬度を得るために、ポリプロピレン系樹脂、可塑剤は不可欠である。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂量が多すぎると硬度が高くなり、少なすぎると流動性が悪くなり、射出形成が困難になる。好ましいポリプロピレン系樹脂量はポリマー100重量部に対し10〜100重量部である。また、同様に可塑剤量は多すぎるとアウトガスが多くなり好ましくない。好ましい可塑剤量は10〜200重量部である。
【0104】
接着剤を用いない場合は、成形時にハガレが生じ、一体成形できなかった。また、接着剤としてエポキシ系、シアノアクリレート系のものを用いると一体成形は可能であるが容易にハガレ、十分な接着力は得られなかった。
【0105】
以下の評価を踏まえた具体的な実施例1〜9、比較例1〜8の各種サンプルでの評価結果が図3に示されている。
【0106】
以上説明した結果のように、実施例1〜9に示した構成の時に非常に優れた性能をもつカバー一体型ガスケットとして成立する。一方、比較例1〜8に示した構成では、何らかの欠点を有している。
【0107】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態のガスケットでは、さらに以下の条件を満足することが望まれていた。
【0108】
(1)トップカバー基材と相手部材との間を距離Sとするまでガスケットを圧縮した時にガスケットに発生する反力Fには、トップカバー部材又は相手部材を異常に変形させないために、上限値が規定されており、反力Fは上限値以下でなけなければならなかった。
【0109】
(2)トップカバー基材からのガスケットの高さH、トップカバー基材と相手部材との間を距離Sには、実質上バラツキがあり、その結果ガスケットの圧縮量δ(δ=H−S)もバラツキを有するので、圧縮量δが変化してもシール性を保持するようにできるだけ圧縮量δが大きいことが望まれていた。
【0110】
(3)ガスケットを構成する材質は、単位長さ当りある程度の割合で気体が透過する性質を有しており、使用状態でガスケットが相手部材に接触する接触最小幅をできるだけ大きくし、気体透過の割合を低減する必要があった。
【0111】
(4)ガスケットのシール性は、ガスケットと相手部材との接触面上でシール対象側Iに高い面圧を発生する程良好であり、特にシール対象の流体の圧力を利用して面圧をさらに高める効果(セルフシール効果)を強く発揮することが望まれていた。
【0112】
そこで、第2の実施の形態は、上記した第1の実施の形態よりも圧縮量・接触最小幅が大きく、シール性能の向上が図れる高性能なガスケットを提供する。
【0113】
図5は第2の実施の形態に係るガスケット1を示す図である。図6は使用状態の図5のガスケット1を示す図である。なお、各部材の形状、材質等は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0114】
図5のガスケット1は、トップカバー基材4上に設けられ、1つのメインビード部2と、メインビード部2のシール対象側Iに配置されるサブビード部3と、を基部1a上に有する断面形状である。
【0115】
メインビード部2は、メインビード部2がサブビード部3上に倒れ込み易いように、サブビード部3側に傾斜させて、トップカバー基材4から高さH1で突出する。
【0116】
サブビード部3は、メインビード部2よりも突出高さが低く突出している。なお、サブビード部3は、本実施の形態では1つであるが、複数設けられても良い。
【0117】
これらのメインビード部2とサブビード部3は、一体して基部1aの上で相手部材5側(図5では上側)に突出している。
【0118】
また、ガスケット1は、第1の実施の形態と同様の材質が用いられるが、その他に、例えば、シリコンゴム、EPDM、フッ素ゴム等のゴム状弾性体を用いてもよい。この材質によって、図6に示す圧縮変形が可能となり、また圧縮時に反力を生じる弾性を有する。
【0119】
そして、上記の構成のガスケット1は、図6に示すように、トップカバー基材4と相手部材5との間が距離Sとなるような使用状態で、相手部材5に接触してトップカバー基材4と相手部材5との間のシールを行う。
【0120】
このトップカバー基材4と相手部材5との間のシールを行う時に、メインビード部2がサブビード部3上に倒れ込み、図6に示す変形状態となる。
【0121】
ここで、メインビード部2がサブビード部3上に倒れ込む変形状態で発生する反力は、メインビード部2がサブビード部3に接触するまでの低反力状態と、メインビード部2とサブビード部3とが接触して伴に潰され圧縮される高反力状態と、の2段階があるが、本発明ではサブビード部3の高さを調節して使用状態(トップカバー基材4と相手部材5との間が距離Sとなる)で高反力状態となるようにしており、その高反力状態の反力を上限値以下の所定値Gとなるように設定している。
【0122】
このため、ガスケット1の圧縮による反力は高反力状態の所定値Gと設定して第1の実施の形態と同様に上限値以下に設定することができ、上限値を超える大きな反力によってトップカバー基材4と相手部材5を異常に変形させることがない。
【0123】
この実施の形態に係るガスケット1と図1,2に示す第1の実施の形態に係るガスケット1とを比較した比較結果を図7,8に示す。ここで、本実施の形態のメインビード部2を含めたガスケット1の高さH1は、第1の実施の形態のガスケット1の高さH0より高く、H1=1.2×H0の関係となっている。
【0124】
図7は反力Fの圧縮量との関係を示している。図7(a)は本実施の形態のガスケット1の圧縮量と反力との関係を示し、図7(b)は第1の実施の形態のガスケット1の圧縮量と反力との関係を示す。
【0125】
使用状態での反力Fは共に所定値Gと設定したが、圧縮量はそれぞれ本実施の形態のガスケット1でB1、第1の実施の形態のガスケット1でB0となる。このため、本実施の形態のガスケット1の圧縮量は、B1=1.5×B0の関係となり、従来技術よりも大きくなる。これは、メインビード部2がサブビード部3上に倒れ込むことから接触面の増加により圧縮量が従来技術よりも大きくなるためで、ガスケット1のメインビード部2の高さH1や使用状態での距離Sがばらついてガスケット1の圧縮量が変化しても良好なシール性を発揮する。
【0126】
また、図8は使用状態での接触幅(最小幅)と接触面圧との関係を示している。図8(a)は本実施の形態のガスケット1の接触幅と接触面圧との関係を示し、図8(b)は第1の実施の形態のガスケット1の接触幅と接触面圧との関係を示す。
【0127】
使用状態での本実施の形態のガスケット1の接触幅(最小幅A1)と、従来技術のガスケット1の接触幅(最小幅A0)との関係は、A1=2×A0の関係となっており、接触幅(最小幅)は従来技術よりも大きくなる。これは、メインビード部2がサブビード部3上に倒れ込むことから接触面の増加により接触幅(最小幅A1)が大きくなるためで、単位長さ当りある程度の割合で気体が透過する性質を有していても、接触幅が大きいことから気体通過の割合を低減することができる。
【0128】
そして、本実施の形態のガスケット1の接触面圧は、図8(a)に示すように、シール対象側Iにピークがあり、シール性を良好とすることができる。これは、ガスケット1と相手部材5との接触面上でサブビード部3上に倒れ込んだメインビード部2がサブビード部3と伴に圧縮される高反力状態であることでシール対象側Iの反力が高くなり高い面圧を発揮するためである。
【0129】
(第3の実施の形態)
図9は第3の実施の形態に係るガスケット1を示す図である。図10は使用状態の図9のガスケット1を示す図である。なお、各部材の形状、材質等は第1、第2の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0130】
図9のガスケット1では、サブビード部3の一部に切り欠き部3aを形成している。
【0131】
このため、使用状態では、サブビード部3に倒れ込んだメインビード部2とサブビード部3との間にシール対象の流体を切り欠き部3aを介して導入させ、メインビード部2に対して直接シール対象の流体の圧力Pが作用するようになっている。
【0132】
このため、本実施の形態のガスケット1には、図10に示すようにサブビード部3上に倒れ込んだメインビード部2の下方にメインビード部2を上へ押し上げるシール対象の流体の圧力Pが作用し、シール対象の流体の圧力Pを利用して相手部材5に対する接触面圧をさらに高める効果(セルフシール効果)を強く発揮することができる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、一方の部材に設けられた基部から他方の部材側に突出するメインビード部を備えたことで、メインビード部が圧縮され易く、取り付けの際の反力が小さい。したがって、締め付け寸法が十分にあり、シール性が向上する。また、ガスケットの硬度を下げる必要がなく、可塑剤成分の多量配合が必要ないので、アウトガス性が向上する。さらに、2部材の変形や締め付けネジの損傷を引き起こすことがなく、品質が向上する。
【0134】
一方の部材と接着した基部の接着幅をW0、基部の一方の部材との接着部からメインビード部の先端部までの高さの半分の位置での幅をW1として、W1/W0<1.0を満たし、メインビード部の先端部がR=0.1mm以上となり、基部の一方の部材との接着部からメインビード部の先端部までの高さをHとして、H/W0≧0.8を満たし、2部材間に圧縮された時の圧縮率が20%以上となることで、メインビード部を圧縮され易くし、取り付けの際の反力を小さくすることができる。
【0135】
予め一方の部材に接着剤を塗布し、接着剤が塗布された一方の部材をインサートしてガスケットを成形し、一方の部材にガスケットを一体化して設けることで、容易に製造でき、製造工程の簡略化が図れる。
【0136】
ガスケットの材質が熱可塑性エラストマーコンパウンドからなることで、ガスケットの使用環境として100℃以上のより高温化にさらされても性能に劣化が生じず、品質が向上する。
【0137】
メインビード部よりも突出高さの低いサブビード部を備えたことで、2部材間のシール時にメインビード部がサブビード部上に倒れ込み、ガスケットが圧縮されるので、ガスケットの圧縮による反力は従来技術と同様に上限値以下に設定することができ、上限値を超える大きな反力によって2部材を異常に変形させることがない。
【0138】
また、ガスケットの圧縮量は、メインビード部がサブビード部上に倒れ込むことから接触面の増加により従来技術よりも大きくなり、ガスケットのメインビード部の高さや使用状態での2部材間の距離がばらついてガスケットの圧縮量が変化しても良好なシール性を発揮する。
【0139】
さらに、使用時に他方の部材に接触する接触最小幅が、メインビード部がサブビード部上に倒れ込むことから接触面の増加により大きくなり、単位長さ当りある程度の割合で気体が透過する性質を有していても、気体通過の割合を低減することができる。
【0140】
メインビード部をサブビード部側に傾斜させて突出させたことで、メインビード部がサブビード部上に倒れ込み易い。
【0141】
サブビード部をメインビード部のシール対象側に配置したことで、ガスケットと他方の部材との接触面上でサブビード部上に倒れ込んだメインビード部がサブビード部と伴に圧縮されることでシール対象側の反力が高くなり高い面圧を発揮するので、シール対象側で高い面圧を発生させることができる。
【0142】
サブビード部の高さを調整することによって、ガスケットが圧縮される時に発生する反力を調整することが可能なことで、ガスケットが圧縮される時の反力の調整をサブビード部の高さを調整することによって可能となり、サブビード部の高さの調整で所望の反力を設定することができる。
【0143】
サブビード部の一部に切り欠き部を設けたことで、サブビード部上に倒れ込んだメインビード部とサブビード部との間に切り欠き部からシール対象の流体を導入でき、シール対象の流体の圧力を直接メインビード部に作用させることができるので、シール対象の流体の圧力を利用して面圧をさらに高める効果(セルフシール効果)を強く発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るガスケットの使用状態を示す断面図である。
【図3】評価試験の評価結果を示す図である。
【図4】評価試験で用いたサンプルの断面形状を示す断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るガスケットの使用状態を示す断面図である。
【図7】圧縮量と反力の関係を示す図である。
【図8】接触幅と接触面圧の関係を示す図である。
【図9】第3の実施の形態に係るガスケットを示す斜視断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係るガスケットの使用状態を示す斜視断面図である。
【図11】従来技術のガスケットを示す断面図である。
【図12】従来技術のガスケットを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガスケット
1a 基部
2 メインビード部
3 サブビード部
3a 切り欠き部
4 トップカバー基材
5 相手部材

Claims (9)

  1. 2部材間をシールするガスケットであって、
    一方の部材に設けられた基部よりも狭い断面幅を有し前記基部における一方の側面側から他方の部材側に突出するメインビード部を備え
    一方の部材と接着した前記基部の接着幅をW0、前記基部の一方の部材との接着部から前記メインビード部の先端部までの高さの半分の位置での幅をW1として、W1/W0<1.0を満たし、
    前記メインビード部の先端部がR=0.1mm以上となり、
    前記基部の一方の部材との接着部から前記メインビード部の先端部までの高さをHとして、H/W0≧0.8を満たし、
    2部材に圧縮されると前記メインビード部が前記基部における他方の側面側に倒れ込むような変形状態となるとともに、2部材間に圧縮された時の圧縮率が20%以上となることを特徴とするガスケット。
  2. 予め一方の部材に接着剤を塗布し、
    該接着剤が塗布された一方の部材をインサートしてガスケットを成形し、
    一方の部材にガスケットを一体化して設けることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  3. ガスケットの材質が熱可塑性エラストマーコンパウンドからなることを特徴とする請求項1又に記載のガスケット。
  4. 前記メインビード部よりも突出高さの低いサブビード部を備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のガスケット。
  5. 前記メインビード部を前記サブビード部側に傾斜させて突出させたことを特徴とする請求項に記載のガスケット。
  6. 前記サブビード部を前記メインビード部のシール対象側に配置したことを特徴とする請求項又はに記載のガスケット。
  7. 前記サブビード部の高さを調整することによって、ガスケットが圧縮される時に発生する反力を調整することが可能なことを特徴とする請求項又はに記載のガスケット。
  8. 前記サブビード部の一部に切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項又はに記載のガスケット。
  9. ハードディスク装置のトップカバーとして用いられることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のガスケット。
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