JP4135072B2 - 高屈折率光学膜用分散液及び高屈折率光学膜とその製造方法 - Google Patents

高屈折率光学膜用分散液及び高屈折率光学膜とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料と無機質微粒子を組成分とした成形性や生産性の優れた光透過性光学用材料に関し、特に屈折率を広い範囲で調節でき、レンズやディスプレイなどに適用できる高屈折率光学用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
光透過性光学材料としては、従来からガラスを主体とした無機光学材料系とプラスチックを代表とした有機高分子光学材料系が知られている。
有機高分子光学材料系は、多様な形状に成形加工ができること、成形速度が速く量生産性に優れていること、軽くかつ耐衝撃性が優れているため割れにくいこと等の利点を有している。しかし、屈折率が一般的に低いこと、軟らかいため傷つき易いこと、吸湿性があるために形状変化が起こって光学特性が変化すること、複屈折率が大きいこと等の欠点がある。
【0003】
一方、無機光学材料系は、硬くて傷つきにくく、耐熱性が高く、吸湿性が小さいこと、屈折率は有機高分子光学材料系よりも高く、また屈折率の選択幅が広いこと、複屈折率が小さいこと、解像度が高いこと等の利点を有する。しかし、衝撃が加わると割れ易いこと、成形性が悪く量生産性に難点がること等の欠点を有する。
【0004】
上記のように有機高分子光学材料系および無機光学材料系には、それぞれ短所があり、現状では光学特性と成形性や他の特性を同時に満足できる材料が無いというのが実情である。そのため、上記のような欠点のない新しい光学材料が要望されている。
即ち、新しい光学材料として(1)成形加工性が良く、(2)屈折率の値を任意に選択でき、しかも高い屈折率が得られること、(3)耐衝撃性があり、割れにくいこと、(4)着色性が少なく、広い波長域において可視光の光透過率が高いこと、(5)傷つきにくいこと等を満たすことが求められている。
【0005】
上記光学材料の用途としては、例えば光学レンズやディスプレイ等が挙げられる。
光学レンズは、レンズに入射した光線束を集合または発散させて実像あるいは虚像を結ばせるものであり、代表的なものとして凸レンズ、凹レンズなどがある。光学レンズの利用分野としては、メガネ(矯正用、ファッション用)、顕微鏡、望遠鏡、拡大鏡、プロジェクション機器類(映画、オーバーヘッドプロジェクター、スライド映写機)、カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ、写真用カメラ、内視鏡カメラ)、CDを主とした光メモリー用または読み取り用の対物レンズ等がある。
【0006】
上記ような各種用途における光学レンズは、より薄く、より軽量であることが要請されており、この要求に応えるためには、光学材料を高屈折率にすることが求められている。この場合特に透明性と共に、各種形状のレンズを作製することから成形性や生産性の良いことが要求される。
【0007】
また、ディスプレイ、モニターなどの表示画面においては、光の表面反射によって画像が見にくいという現象が起こる。この問題を回避するため、表示画面の表面に凹凸を設けて光を乱反射させ、視覚者に対する反射光を抑制する方法があるが、この方法の場合には乱反射によりコントラストや識字率が低下するという問題がある。そのため、このようなディスプレイ画面上における画像を見やすくするものとして、いわゆる反射を抑止するための反射防止膜が必要とされる。
【0008】
このような反射防止膜の構成としては、一般に波長が550nmの光に対する屈折率が1.35〜1.45の低屈折率膜の下層に高屈折率の膜を配した複合構成とすると、効果的な光反射防止膜が設計できることが知られており、このような構成において使用することのできる高屈折率で透明性があり、成形性や生産性の優れた高屈折率膜用の光学材料が要望されている。
【0009】
前記要請に応える方法として、有機高分子材料中に種々の無機質微粒子(金属酸化物微粒子等)を混入し、有機高分子材料と無機質微粒子との組成、すなわち混合割合を調節することによって屈折率を任意に調整し、例えば屈折率を高めた混合割合の組成物をフィルムやレンズなどの基材上に塗布し、それら基材の表面特性を改良する試みや、あるいは組成物を光学材料として用いる試みが多く提案されている。
【0010】
上記組成の混合において従来は、市販の無機質微粒子(金属酸化物微粒子等)をそのまま有機高分子材料と単に混合する方法を採用していた。
しかし、このような混合方法では、前記微粒子が平均粒径、約20nm程度の小さい一次粒子であり、通常これら微粒子は凝集を起こしているため、有機高分子材料との分散が均一に行われず、例えば光の透過性が悪くなりヘイズ成分が増加するなど、十分高い透過率を確保することができなくなるなどの問題が発生していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、屈折率を自由に選択でき、かつ広い波長範囲の光に対して透過性が良く、耐衝撃性や耐傷性があり、成形性や加工性あるいは量生産性に優れた光透過性光学用材料および光反射防止用光学材料として使用することのできる高屈折率光学膜用分散液と高屈折率光学膜およびその製造方法を提供することにある。
すなわち、有機材料中に凝集を起こすことなく均一に高屈折率微粒子を分散混合させた高屈折率光学膜用分散液を提供すると共に、分散液を所望の屈折率に調整した塗布液をレンズやディスプレイ等用の基材に塗布、硬化して形成する高屈折率光学膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、高屈折率微粒子と、該高屈折率微粒子を均一に分散する極性官能基および硬化反応を起こす官能基を分子内に有するオリゴマーと、有機溶媒とを組成分とする本発明の高屈折率光学膜用分散液により、高光透過性と高屈折率を達成すると共に、優れた成形性や加工性あるいは量生産性を実現し、さらに高屈折率光学膜用分散液を用いて形成した光学膜は表面強度が優れ耐衝撃性や耐傷性があり、レンズやディスプレイ等用として好適な光学用材料を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0013】
請求項1の発明は、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、
前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部であることを特徴とする高屈折率光学膜用分散液である。
【0014】
請求項1の高屈折率光学膜用分散液によれば、オリゴマーの含有量を高屈折率微粒子粉末100重量部に対してオリゴマー5〜100重量部とすることにより、高屈折率微粒子の凝集などが少なく、分散を良好なものとすることができる。これによって高屈折率であると共に、ヘイズが減少し光透過性が良好な光学膜が得られる。また、光学膜の強度(硬度等)が向上する。
【0016】
また、請求項1の高屈折率光学膜用分散液によれば、オリゴマー分子中にスルホン酸塩基またはスルホン酸基を含有することによって、高屈折率微粒子の凝集状態を抑制し、さらに分散性が向上するため分散液は一層均一となる。そのため、ヘイズが減少し光透過性が向上するほか光学膜の強度も向上する。
【0017】
請求項2の発明は、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部である高屈折率光学膜用分散液を用いて作製した高屈折率光学膜であって、高屈折率微粒子が体積比率で1〜40vol%の範囲にあることを特徴とする高屈折率光学膜である。
【0018】
請求項の高屈折率光学膜によれば、光学膜中における高屈折率微粒子の体積が1〜40vol%に調製することによって、屈折率、ヘイズ減少、光学膜強度のバランスのとれた光学膜、すなわち高屈折率、良好な光透過性、高膜硬度が得られる。
【0019】
請求項の発明は、前記高屈折率光学膜は、前記高屈折率光学膜用分散液に結合剤としてのペンタエリスリトールペンタアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを添加・混合して作製したものであることを特徴とする請求項に記載の高屈折率光学膜である。
【0020】
請求項の高屈折率光学膜によれば、前記結合剤を添加・混合することによって、所望の屈折率、光学特性、膜特性等の調整、あるいは用途に適合した塗工性など分散液性状を調節することが可能となる。これによって前記応用分野における各種光学材料として幅広く応用することができる。
【0021】
請求項の発明は、前記オリゴマーの含有量がオリゴマーと結合剤との総量に対して、体積比率で3〜80vol%であることを特徴とする請求項に記載の高屈折率光学膜である。
【0022】
請求項の高屈折率光学膜の製造方法によれば、オリゴマーの含有量をオリゴマーと結合剤との総量に対して3〜80vol%とすることによって、高屈折率微粒子を均一に分散すると共に、ヘイズが少なく透明性が優れ、屈折率と光学膜強度とのバランスのとれた、すなわち高屈折率で高膜硬度の光学膜が得られる。
【0023】
請求項5の発明は、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部である高屈折率光学膜用分散液に結合剤を添加・混合して塗布液とし、該塗布液を基材に塗布し硬化させてなることを特徴とする高屈折率光学膜の製造方法である。
【0024】
請求項の高屈折率光学膜の製造方法によれば、所望の屈折率、光学特性、膜特性等の調整、あるいは用途に適合した塗工性など分散液性状を調節することが可能となり、高光透過性の光学材料として幅広く応用できる高屈折率光学膜が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の高屈折率光学膜用分散液は、前記のように高屈折率微粒子と、有機溶媒と、オリゴマーとを主要組成分とするものである。
本発明の高屈折率光学膜用分散液の組成分であるオリゴマーは、高屈折率微粒子の分散を良好なものとし、かつ成膜後の光学膜表面硬度など、膜強度を向上させる役割を担っている。このオリゴマーは、極性官能基および放射線または熱により硬化反応を起こす官能基を分子内に有するものであり、分子量は350〜2000である。なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GCP)法により測定した値で示す。
【0026】
オリゴマーの分子骨格としては、上記のように放射線または熱により硬化反応を起こす官能基を分子内に有する、いわゆる熱硬化性樹脂、UV、EB硬化型樹脂等が挙げられる。このような熱硬化性樹脂またはUV、EB硬化型樹脂の例としては、ポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等がある。
特に、環状グループ(芳香族、複素環式、脂環式等)を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン元素を含むポリマー、硫黄を含むポリマー等屈折率の高いポリマーを選択するのが好ましい。
これらオリゴマーは、1種を単独で用いることも可能であるが、2種以上を併用することも可能である。
【0027】
前記のように、オリゴマーの分子量は350〜2000が好適である。オリゴマーの分子量が350よりも小さいと、極性官能基(例えば、スルホン酸塩基)の性質が相対的に大きく影響し、有機溶媒に対して十分に溶解しないなどの弊害が生じる。2000よりも大きい場合には、高屈折率微粒子の分散性が低下して光学膜の光学特性が低下するほか、光学膜の強度(表面硬度、引掻き強度等)が十分得られない。
【0028】
また、オリゴマー分子に導入される極性官能基としては、前記分散液中の高屈折率微粒子の凝集状態を抑制し分散性を向上させるものが有用であるが、このような例として、以下に示すような官能基が好適である。
すなわち、−SO3M、−OSO3M、−COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)で示される極性官能基、または3級アミン、もしくはR1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオン、または無機イオンもしくは有機イオンである。)で示される極性官能基(4級アンモニウム塩)、または−OH、−SH、−CN、あるいはエポキシ基等の極性官能基が挙げられる。これらの極性官能基の導入部位は主骨格の側鎖である。
【0029】
上記のオリゴマーに含まれる極性官能基の量は、10-2〜10-1mol/gである。官能基がこれより少なすぎたり、多すぎる場合には、高屈折率微粒子の分散に対する効果が発現せず、分散性低下などにつながる。
【0030】
上記極性官能基を有するオリゴマーの含有量は分散液中の高屈折率微粒子粉末に対して5〜100重量%(高屈折率微粒子粉末100重量部に対してオリゴマー5〜100重量部)である。
5重量%よりも少ないと、高屈折率微粒子粉末の分散性が悪化し、ヘイズが増加するほか、微粒子の含有量が減じて屈折率が高められない。高屈折率の値は限定的なものではないが、例えば屈折率として1.65以上が一応の目安である。
一方、オリゴマーの含有量が100重量%よりも多いと光学膜の強度(例えば硬度)が低下するなどの問題が生ずる。
【0031】
本発明の高屈折率光学膜用分散液には、屈折率の調整、硬度調整など光学膜の特性を変えたり、加工性、生産性などを考慮して結合剤を添加・混合して用いることができる。分子骨格としては、結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。例えば、ペンタエリスリトールペンタアクリレートやジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが使用できる。
本発明におけるオリゴマーおよび結合剤の全量(総量)は、高屈折率微粒子粉末に対して、30〜95重量%(高屈折率微粒子粉末100重量部に対してオリゴマーおよび結合剤の総量30〜95重量部)、好ましくは40〜60重量%(高屈折率微粒子粉末100重量部に対してオリゴマーおよび結合剤の総量40〜60重量部)である。
【0032】
本発明の高屈折率光学膜用分散液の組成分である有機溶媒は、オリゴマーの溶解性が良好で、高屈折率微粒子の分散の良いものから選択されるが、このような溶剤として、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒等が用いられる。
【0033】
さらに、本発明の高屈折率光学膜用分散液には、高屈折率微粒子を高分散させるための分散剤を用いることができる。このような分散剤として、ポリオール、アルカノールアミン、アルキルスルホン酸塩、カップリング剤(例:チタンカップリング剤、シランカップリング剤)等が挙げられる。
好ましいシランカップリング剤を、下記式(a)および(b)に示す。
【0034】
【化1】
Figure 0004135072
【0035】
(式中、R0、R4およびR6は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、炭素原子数が6乃至10のアリール基、炭素原子数が2乃至10のアルケニル基、炭素原子数が2乃至10のアルキニル基または炭素原子数が7乃至10のアラルキル基であり、R1、R2、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。)
【0036】
式(a)および式(b)において、R0、R4およびR6は、アルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基であることが好ましく、アルキル基、アリール基またはアルケニル基であることがさらに好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることが最も好ましい。
【0037】
前記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基およびアラルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)、メルカプト、アミノ、カルボキシル、シアノ、イソシアナトおよびアルケニルスルホニル基(例、ビニルスルホニル)が含まれる。
【0038】
前記式(a)および式(b)において、R1、R2、R3、R5およびR7は、アルキル基であることが好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基の例として、アルコキシ基が含まれる。
【0039】
式(a)で示されるシランカップリング剤の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびβ−シアノエチルトリエトキシシランが含まれる。なお、前記のカップリング剤を二種類以上併用して用いてもよい。
【0040】
さらにまた、上記式(a)および式(b)で示されるシランカップリング剤に加えて、他のシランカップリングを用いてもよい。
他のシランカップリング剤としては、オルトケイ酸のアルキルエステル(例、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec−ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)およびその加水分解物が含まれる。
【0041】
分散剤であるカップリング剤を用いて高屈折率微粒子の表面を処理し、分散性を向上させる場合の処理方法としては、高屈折率微粒子分散液にカップリング剤を加えた後、分散物を室温〜60℃程度の温度で数時間〜10日間程度放置することにより行うことができる。
【0042】
上記表面処理反応を促進するため、無機酸(例:硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、あるいは有機酸(例:酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、または前記各酸の塩(例:金属塩、アンモニウム塩)を分散液に添加してもよい。
【0043】
本発明で用いられる高屈折率微粒子としては、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb等の酸化物、または、In−Sn等の合金酸化物が挙げられる。例えば、Tiの酸化物の場合には光照射によって活性が増大する(触媒活性がある)ので、触媒活性を抑えるためAl、Zr等の元素が添加されることがあるが、これらの元素を適当量含有したとしても、本発明の効果を妨げるものではない。本発明に用いる高屈折率粉末の比表面積は、55〜85m2/g、好ましくは、75〜85m2/gであることが望ましい。
比表面積が上記範囲にあると高屈折率微粒子の分散処理により、分散液を用いて調製された、いわゆる塗布液中における微粒子の粒度を100nm以下に抑えることが可能となり、ヘイズのない光透過率の優れた光学膜を得ることが可能となる。
【0044】
本発明の高屈折率光学膜は、屈折率など所望とする特性に合わせて前記高屈折率光学膜用分散液に結合剤や分散剤などを添加・混合して調製した塗布液をレンズあるいはディスプレイ等の光学支持体(基板)上に塗布、硬化させて形成することができる。
基板としては、透明なフィルムや板(ガラス板、アクリル板、メタクリルスチレン板、ポリカーボネート板)、あるいはレンズ等、光学特性を満足する材質や形状ものであれば、何れのものでも構わない。
【0045】
透明フィルム用の材料としては、例えばセルロース誘導体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステルなどが用いられる。
【0046】
上記セルロース誘導体としては、例えばジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC )、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロースおよびニトロセルロースなどがある。
【0047】
また、(メタ)アクリル系樹脂としては、例えばポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレートあるいはビニルモノマー(スチレン等)との共重合体などが用いられる。
【0048】
ポリカーボネート系樹脂としては、例えばポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)などが用いられる。
【0049】
熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば(臭素化)ビスフェノールA 型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、あるいは(臭素化)ビスフェノールA のモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマー重合体および共重合体などが用いられる。
【0050】
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、あるいは不飽和ポリエステルが用いられる。
その他に、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂なども用いられる。
【0051】
また、耐熱性を考慮した芳香族ポリアミド樹脂(アラミド系樹脂)の使用も可能である。この場合には加熱温度の上限が200℃以上となり、その使用可能温度範囲が拡大する。
【0052】
プラスチックフィルム基材は、前記樹脂を伸延あるいは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法により得ることができ、厚さは通常25ミクロン〜500ミクロン程度である。
【0053】
次に、レンズ形状の基材を使用する場合、その表面形状に制限はなく、球面状、非球面状のいずれの形状であっても構わない。また、従来用いられている他のレンズと組合せて用いることもできる。
前述のように光学レンズは、メガネ、顕微鏡、望遠鏡、拡大鏡、プロジェクション機器類、カメラ、CDを主とした光メモリー用または読み取り用の対物レンズなど広い応用分野で用いられており、それらの用途に合わせて基材が選択される。
【0054】
また、基材としてプラスチックを用いる場合には、その表面をハードコートなどの被膜材料で被覆したものであってもよい。このハードコート処理を施すことによって、表面の付着性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることが可能である。
【0055】
上記のような表面硬度向上のため、従来プラスチックの表面高硬度化被膜として知られている各種の公知材料(例えば、特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭51−24368号公報、特開昭52−112698号公報、特公昭57−2735号公報に開示)を用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステルとペンタエリスリトールなどの架橋剤を含有したアクリル系架橋物や、オルガノポリシロキサン系樹脂などであってもよい。上記材料は、単独あるいは適宜組合せて用いることができる。
【0056】
基材として用いられる透明フィルム、ガラス板、アクリル板等の屈折率は、1.40 〜1 .55が好ましい。透明支持体にアンチグレア機能をもたせたものを用いてもよい。これら基材のヘイズは8%以下が好ましく、透過率は80%以上が好ましい。
【0057】
基材には、下塗り層を設けるのが好ましい。透明基材表面処理として設けられる下塗り層は、オルガノアルコキシメタル化合物やポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンが挙げられる。また、コロナ放電、UV照射処理を行うのが好ましい。これによって、高屈折率光学膜が強固に結合すると共に良好な膜特性、光学特性が得られる。
【0058】
上記光学レンズあるいはディスプレイ用等の基材表面に、本発明の分散液を用いて光学膜を形成するが、前述のように適用用途に応じて、例えば屈折率、透明性、膜強度などを調節するため、前記分散剤や結合剤を適宜添加・混合して塗布液とし、調製した塗布液を、基材に塗布し、硬化して高屈折率光学膜を設けることができる。
【0059】
なお、上記塗布液の調製に用いられる溶剤としては、前記有機溶媒(ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒等)が用いられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下であれば含まれていても構わない。
【0060】
上記塗布液の調製は通常、分散液の調整における添加、混合、分散の各工程、および分散剤の添加、混合、結合剤の添加、混合など必要に応じて設けた各工程によって行われる。
しかし、塗布液の調製は上記工程に限られるものではなく、例えば高屈折率微粒子、オリゴマー、有機溶媒、分散剤、結合剤など各組成分原料は、何れの工程の最初または途中で添加・混合しても構わない。また、各組成分原料を2つ以上の工程で分割して添加しても構わない。混合(含む混練)および分散には、アジター、ペイントシェーカー等、従来公知の装置を用いて行うことができる。
【0061】
このようにして調製された塗布液は、従来の公知塗布方式、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ダイコーティング等の各種方式によって塗布される。そして、基材に塗布された塗布膜は、加熱または放射線(UV硬化、EB硬化)により硬化されて高屈折率光学膜を形成する。
【0062】
本発明の高屈折率光学膜用分散液を用いて作製した高屈折率光学膜中の高屈折率微粒子は、体積比率で1〜40vol%の範囲にあることが好適である。
1vol%よりも少ないと屈折率が高くならない。また、40vol%よりも大きいと分散性が悪くなり逆に膜強度が低下する傾向がある。すなわち、光学膜中における高屈折率微粒子の体積を1〜40vol%に調製することによって、高屈折率、良好な光透過性、高膜硬度が得られる。
【0063】
また、高屈折率光学膜用分散液に結合剤を添加・混合した塗布液を用いて作製した高屈折率光学膜中のオリゴマーの含有量は、該オリゴマーと結合剤との総量に対して、体積比率で3〜80vol%であることが好適である。
3vol%より少ないと高屈折率微粒子の分散が悪くなり含有量が増やせないため高屈折率が得られない。また、80vol%よりも多くなると膜硬度が低下する。すなわち、オリゴマーの含有量をオリゴマーと結合剤との総量に対して3〜80vol%とすることによって、屈折率と光学膜強度とのバランスが良好に維持される。
【0064】
【実施例】
以下、実施例および参考例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。また実施例7および実施例15は参考例である。
【0065】
実施例1
高屈折率微粒子としてTiO2微粒子(石原産業株式会社製:平均粒径約20nm、屈折率2.48)を、オリゴマーとして(SO3Na極性官能基含有ウレタンアクリレート(数平均分子量:1000、SO3Na濃度:1×10-1 mol/g)を、分散剤としてアルキルスルホン酸塩を、溶媒としてメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンをそれぞれ用いて、下記分散液組成(1)に従って混合し、アジターで分散処理を行い分散液(1)を得た。
【0066】
<分散液組成(1)>
TiO2微粒子 100重量部
オリゴマー 18重量部
分散剤 20重量部
メチルイソブチルケトン 4800重量部
メチルエチルケトン 17重量部
シクロヘキサノン 11重量部
【0067】
上記で得た分散液(1)を採取し、分散液(1)中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を粒度分布計(UPA)で測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
なお、粒度分布は後方散乱光によるレーザドップラー法により得られたもので、表中の粒度分布の数字は、D10、D50およびD90(累積粒度分布の値がそれぞれ10%、50%および90%である場合)におけるTiO2微粒子の平均粒度を示している。
【0068】
次に、前記で得た分散液(1)に、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタエリスリトールペンタアクリレート:日本化薬株式会社製)を分散液(1)中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部を添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(1)を調製した。
上記で得られた塗布液(1)を、予めポリエステル下塗り層を表面に設けたPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材の上、すなわちポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布した。塗布後、80℃で乾燥し、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って所定膜厚(100nm)の高屈折率光学膜(1)を形成した。
【0069】
形成した高屈折率光学膜(1)の反射、透過特性、膜屈折率を、分光光度計(JASCO V−560型)、フィルメトリックス(松下インターテクノ株式会社製)で測定した。また、膜強度に関しては、鉛筆硬度測定(JIS規格参照)により測定した。
評価により得られたヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、高屈折率光学膜(1)の諸元と併せ下記表2に示す。
【0070】
実施例2〜3
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの分子量1000を、350(実施例2)および2000(実施例3)とした他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(2)、分散液(3)を得た。
上記で得た分散液(2)、分散液(3)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0071】
次いで、分散液(2)、分散液(3)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を各分散液中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(2)および塗布液(3)を調製した。
【0072】
上記で得られた塗布液(2)および塗布液(3)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(2)および高屈折率光学膜(3)を形成した。
【0073】
形成した高屈折率光学膜(2)および高屈折率光学膜(3)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。なお、鉛筆硬度はJIS−K−5400の規定に基づいて測定した。
【0074】
実施例4〜6
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの添加量18重量部を、80重量部(実施例4)、5重量部(実施例5)、100重量部(実施例6)とした他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(4)、分散液(5)および分散液(6)を得た。
上記で得た分散液(4)、分散液(5)および分散液(6)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0075】
次いで、分散液(4)、分散液(5)および分散液(6)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を下記表2に示すオリゴマー比(オリゴマー/(オリゴマー+結合剤):体積比)および高屈折率微粒子含有率(膜中の体積比)となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(4)、塗布液(5)および塗布液(6)を調製した。
【0076】
上記で得られた塗布液(4)、塗布液(5)および塗布液(6)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(4)、高屈折率光学膜(5)および高屈折率光学膜(6)を形成した。
【0077】
形成した高屈折率光学膜(4)、高屈折率光学膜(5)および高屈折率光学膜(6)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。なお、鉛筆硬度はJIS−K−5400の規定に基づいて測定した。
【0078】
実施例7
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの結合基をアクリルからヒドロキシルに変えた他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(7)を得た。
上記で得た分散液(7)を採取し、分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0079】
次いで、分散液(7)に、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を分散液(7)中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となるように添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(7)を調製した。
【0080】
上記で得られた塗布液(7)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(7)を形成した。
【0081】
形成した高屈折率光学膜(7)の反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜(7)のヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。
【0082】
実施例8〜14
実施例1と同様の組成分で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(8)(実施例8)〜分散液(14)(実施例14)を得た。
上記で得た分散液(8)〜分散液(14)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0083】
次いで、それぞれの分散液(8)〜分散液(14)に、結合剤(前記UV硬化性樹脂のDPHA(日本化薬株式会社製))を、添加量を変えて添加し攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(8)〜塗布液(14)を調製した。なお、結合剤の添加量は、それぞれの分散液中のTiO2微粒子100重量部に対して、2500重量部(実施例8)、120重量部(実施例9)、0.87重量部(実施例10)、42重量部(実施例11)、70重量部(実施例12)、12重量部(実施例13)、6重量部(実施例14)として調整した。
【0084】
上記で得られた塗布液(8)〜塗布液(14)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(8)〜高屈折率光学膜(14)を形成した。
【0085】
形成した高屈折率光学膜(8)〜高屈折率光学膜(14)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。
【0086】
実施例15
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの種類をポリウレタンからポリエステルに変えた他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(15)を得た。
上記で得た分散液(15)を採取し、分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0087】
次いで、分散液(15)に、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を分散液(15)中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となるように添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(15)を調製した。
【0088】
上記で得られた塗布液(15)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(16)を形成した。
【0089】
形成した高屈折率光学膜(15)の反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜(15)のヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。
【0090】
実施例16〜18
実施例1の分散液(1)の組成分である高屈折率微粒子(TiO2)の表面を無処理からSb23(ATO)処理(実施例16)、ZrO2処理(実施例17)あるいはAl23処理(実施例18)に変えた他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(16)、分散液(17)および分散液(18)を得た。
上記で得た分散液(16)、分散液(17)および分散液(18)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0091】
次いで、分散液(16)、分散液(17)および分散液(18)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を各分散液中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(16)、塗布液(17)および塗布液(18)を調製した。
【0092】
上記で得られた塗布液(16)、塗布液(17)および塗布液(18)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(16)、高屈折率光学膜(17)および高屈折率光学膜(18)を形成した。
【0093】
形成した高屈折率光学膜(16)、高屈折率光学膜(17)および高屈折率光学膜(18)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。
【0094】
実施例19
実施例1と同様の組成分で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(19)を得た。
上記で得た分散液(19)を採取し、分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表1に示す。
【0095】
次いで、分散液(19)に、前記結合剤のUV硬化性アクリレート化合物(官能基数6)を官能基数3のUV硬化性アクリレート化合物に変えたほかは、実施例1に示したと同様にして、分散液(19)中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となるように添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(19)を調製した。
【0096】
上記で得られた塗布液(19)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(19)を形成した。
【0097】
形成した高屈折率光学膜(19)の反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜(19)のヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表2に示す。
【0098】
参考例1〜2
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの分子量1000を、335(参考例1)および2100(参考例2)とした他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(20)、分散液(21)を得た。
上記で得た分散液(20)、分散液(21)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表3に示す。
【0099】
次いで、分散液(20)、分散液(21)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を各分散液中のTiO2微粒子100重量部に対して19重量部となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(20)および塗布液(21)を調製した。
【0100】
上記で得られた塗布液(20)および塗布液(21)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(20)および高屈折率光学膜(21)を形成した。
【0101】
形成した高屈折率光学膜(20)および高屈折率光学膜(21)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表4に示す。
【0102】
参考例3〜4
実施例1の分散液(1)の組成分であるオリゴマーの添加量を18重量部から3重量部(参考例3)および110重量部(参考例4)とした他は、実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(22)、分散液(23)を得た。
上記で得た分散液(22)、分散液(23)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表3に示す。
【0103】
次いで、分散液(22)、分散液(23)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を下記表4に示すオリゴマー比(オリゴマー/(オリゴマー+結合剤):体積比)および高屈折率微粒子含有率(膜中の体積比)となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(22)および塗布液(23)を調製した。
【0104】
上記で得られた塗布液(22)および塗布液(23)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(22)および高屈折率光学膜(23)を形成した。
【0105】
形成した高屈折率光学膜(22)および高屈折率光学膜(23)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ表4に示す。
【0106】
参考例5
実施例1と同様の組成分で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(24)を得た。
上記で得た分散液(24)を採取し、それぞれの分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表3に示す。
【0107】
本実施例では、上記分散液(24)に結合剤を添加せずに塗布液(24)を調整して、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(24)を形成した。
【0108】
形成した高屈折率光学膜(24)の反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表4に示す。
【0109】
参考例6〜7
実施例1と同様の組成および配合量で混合し、アジターで分散処理を行い分散液(25)、分散液(26)を得た。
上記で得た分散液(25)、分散液(26)をそれぞれ採取し、各分散液中に分散しているTiO2微粒子の粒度分布を実施例1と同様にして測定した。結果を各組成分の諸元と併せて下記表3に示す。
【0110】
次いで、分散液(25)、分散液(26)それぞれに、実施例1に示したと同様にして、結合剤としてUV硬化性樹脂であるDPHA(日本化薬株式会社製)を下記表4に示すオリゴマー比(オリゴマー/(オリゴマー+結合剤):体積比)および高屈折率微粒子含有率(膜中の体積比)となる配合量で添加し、攪拌機にて均一に攪拌混合処理を行って塗布液(25)および塗布液(26)を調製した。
【0111】
上記で得られた塗布液(25)および塗布液(26)を、実施例1と同様にPET(ポリエチレンテレフタラート)製透明基材上に設けられたポリエステル下塗り層上に、ディッピング法によって塗布し、80℃で乾燥した後、UV硬化(1000mJ/cm2)を行って膜厚100nmの高屈折率光学膜(25)および高屈折率光学膜(26)を形成した。
【0112】
形成した高屈折率光学膜(25)および高屈折率光学膜(26)それぞれの反射、透過特性、膜屈折率、および膜強度を実施例1と同様にして測定した。
評価により得られた高屈折率光学膜それぞれのヘイズ(550nm)、膜屈折率、膜強度(鉛筆硬度)に関する結果を、各高屈折率光学膜の諸元と併せ下記表4に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0004135072
【0114】
【表2】
Figure 0004135072
【0115】
【表3】
Figure 0004135072
【0116】
【表4】
Figure 0004135072
【0117】
以上の結果から、本発明の高屈折率光学膜用分散液の組成分であるオリゴマーの分子量を350〜2000とし、また、オリゴマーの含有量を高屈折率微粒子粉末に対して5〜100重量%とすることにより、高屈折率微粒子の凝集を抑制して分散性も良くなり、光学膜のヘイズも少なく透明性も良好となる。また、膜強度(硬度)も良好となる。
【0118】
これに対して、分子量が335の場合(比較例1)では、分散粒径が大きくなり、光学膜が白濁する。そのため、ヘイズも大きくなり透明性が損なわれる。また、分子量が2100の場合(比較例2)では、十分な膜強度(硬度)が得られない。なお、分子量が小さくなると有機溶媒に溶解しにくくなる傾向がある。
同様に、オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末に対して3重量%の場合(比較例3)では、分散性が悪く分散粒径が大きくなり光学膜が白濁し、ヘイズも大きくなり透明性が失われる。また、オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末に対して110重量%の場合(比較例4)では、屈折率が大きくならない。
【0119】
次に、本発明の高屈折率光学膜用分散液を用いて作製した高屈折率光学膜におけるオリゴマーの含有量を、オリゴマーと結合剤との総量に対して体積比率で3〜80vol%とし、また高屈折率微粒子の体積を1〜40vol%の範囲とすると、高屈折率微粒子は均一に分散されヘイズが少なく良好な透明性を示すと共に、所望の光屈折率(高屈折率)で膜強度の強い、光学膜が得られる。
【0120】
これに対してオリゴマーの体積比率が上記範囲よりも少な過ぎる(参考例6)と、高屈折率微粒子が均一に分散されにくくなり、相対的に微粒子の含有量が減るため膜屈折率が高くならない。一方、多過ぎると(参考例7)、膜強度が低下する。また、高屈折率微粒子の含有率が上記範囲よりも少ないと膜屈折率が高くならず、他方多過ぎると(参考例5)膜強度は低くなる。
【0121】
実施例7のオリゴマーの結合基をアクリルからヒドロキシルに変えた場合、あるいは実施例15のオリゴマーの種類をポリウレタンからポリエステルに変えた場合、または実施例16〜18の高屈折率微粒子表面に異種金属酸化物の被着がある場合にも、分散液および結合剤を前記本発明の各組成分の処方範囲で調整することにより、高屈折率微粒子は均一に分散され、ヘイズが少なく透明性が良好で膜強度が強く高屈折率の光学膜が得られる。
【0122】
【発明の効果】
本発明の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、極性官能基および放射線または熱により硬化反応を起こす官能基を分子内に有するオリゴマーとを含有した高屈折率光学膜用分散液により、高光透過性と高屈折率を達成すると共に、優れた成形性や加工性あるいは量生産性を実現し、さらに高屈折率光学膜用分散液を用いて形成した光学膜はヘイズが少なく透明性が良好であり、膜強度が強く耐衝撃性や耐傷性があり、レンズやディスプレイ等用として好適な光学用材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、
    前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部であることを特徴とする高屈折率光学膜用分散液。
  2. Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部である高屈折率光学膜用分散液を用いて作製した高屈折率光学膜であって、高屈折率微粒子が体積比率で1〜40vol%の範囲にあることを特徴とする高屈折率光学膜。
  3. 前記高屈折率光学膜は、前記高屈折率光学膜用分散液に結合剤としてのペンタエリスリトールペンタアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを添加・混合して作製したものであることを特徴とする請求項2に記載の高屈折率光学膜。
  4. 前記オリゴマーの含有量がオリゴマーと結合剤との総量に対して、体積比率で3〜80vol%であることを特徴とする請求項3に記載の高屈折率光学膜。
  5. Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sbのいずれかの酸化物、またはIn−Snの合金酸化物からなる屈折率1.65以上の高屈折率微粒子と、有機溶媒と、スルホン酸塩基またはスルホン酸基と、放射線または熱により硬化反応を起こす官能基としてアクリル基を分子内に有するゲルパーミエーションクロマトグラフ法による数平均分子量が350〜2000のウレタンアクリレートオリゴマーとを含有し、前記オリゴマーの含有量が高屈折率微粒子粉末100重量部に対して5〜100重量部である高屈折率光学膜用分散液に結合剤を添加・混合して塗布液とし、該塗布液を基材に塗布し硬化させてなることを特徴とする高屈折率光学膜の製造方法。
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