JP4134911B2 - 超音波送受波器、及びその製造方法 - Google Patents

超音波送受波器、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波送受波器、及びその製造方法に関する。
従来、超音波送受波器は、一対の超音波トランスデューサを備え、両超音波トランスデューサを所定の間隔だけ離間させた状態で対向配置して構成されている。この場合の各超音波トランスデューサは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のセラミック材料を分極してなる圧電体を挟んで一対の電極が形成された圧電振動子を具備し、この圧電振動子の一方側の電極面に接してシリコンゴム等のようなゴム系のバッキング材を設けることより構成されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この場合、各超音波トランスデューサは、一対の電極間に信号が印加されることにより圧電振動子を励振して音波を放射する一方、音波を受波した場合には、その振動を電気信号に変換して出力する。また、バッキング材は、励振時の圧電振動子からその背面側へ放射される音波を吸収して減衰させるものである。
この一対の超音波トランスデューサを備えた超音波送受波器を用いて各種液体の音速を測定する場合には、一方の超音波トランスデューサから他方に向けて音波を送波する。そして、液体を通過した音波を他方の超音波トランスデューサで受波し、送受波に要した時間を計測した後、送受波に要した時間と両超音波トランスデューサの対向間距離とに基づいて液体の音速を算出する(例えば、特許文献4,5参照)。
特開2000−14672号公報 特開平11−155859号公報 特開平6−90950号公報 特開平6−288993号公報 特開平6−288990号公報
ところで、一対の超音波トランスデューサを対向配置して超音波送受波器を構成し、超音波トランスデューサ間に存在する液体の音速を測定する場合、液体が少量であるときは、超音波トランスデューサの対向間距離を短く設定せざるを得ない。その結果、音波の送波から受波までの時間間隔が必然的に短くなる。
一方、圧電振動子にバッキング材を設けたものでは、圧電振動子の背面側へ放射される音波がバッキング材により減衰させられる。しかしながら、圧電振動子を構成している圧電体とバッキング材との音響インピーダンス(音響特性インピーダンス)には大きな差がある(例えば、圧電体の音響インピーダンスは30×106kg/m2secであるのに対し、バッキング材の音響インピーダンスは5〜7.5×106kg/m2sec)。そのため、圧電振動子の励振時に両者間の界面で音波の反射が起こって圧電体の内部で共振が生じ、この共振に起因して振動が短時間内に収束せずに尾を引く現象、いわゆるリンギングが生じてしまう。
そして、対向間距離が短い一対の超音波トランスデューサ間で送受波を行う場合にリンギングが生じていると、リンギング成分が音波の受波側の信号に含まれることが起こるため、測定誤差が増加し、時間分解能が低下してしまう。特に、時分割で音波を続けて複数回放射し、その時間平均から液体の音速を測定する場合には、リンギングの影響を無視できなくなる。
このように、従来は、一対の超音波トランスデューサを用いて超音波送受波器を構成している場合、音波の放射時におけるリンギングの発生を有効に抑えることが難しく、音速測定時の時間分解能を高めるうえで自ずと限界がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、音波放射時のリンギングの発生を有効に抑えることができ、音速測定時の時間分解能を高めることが可能であり、しかも、製作が容易な超音波送受波器、及びその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明に係る超音波送受波器は、一対の超音波トランスデューサを備えており、前記各超音波トランスデューサは、圧電体を挟んで一対の電極が形成された圧電振動子を具備するとともに、前記圧電体と同じ材料からなるバッキング材が前記両電極の内の一方の電極に接して設けられてなり、これらの各超音波トランスデューサは、前記バッキング材と接しない他方の電極同士が所定距離だけ離れて互いに対向するように全体的な側面視形状がコの字形となるよう支持部を介して配置されており、前記超音波トランスデューサの双方は、前記支持部材と共に一体成形されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係る超音波送受波器は、請求項1記載の発明の構成において、前記圧電振動子と前記バッキング材とが一体形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る超音波送受波器は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記一対の電極は、ともに前記圧電体の内部に埋設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係る超音波送受波器は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記圧電振動子と一方面が接する前記バッキング材の他方面は、多数の凹部及び凸部からなる凹凸面とされていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明に係る超音波送受波器は、請求項4に記載の発明の構成において、前記凹部の深さは、超音波トランスデューサ自体の全体厚さの40%以内とされていることを特徴とする。
請求項に記載の発明に係る超音波送受波器の製造方法は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載した超音波送受波器を製造する方法であって、
圧電体の内部に2組の電極対が形成された焼成体を予め作製しておき、この焼成体の電極対相互の間に位置する部分を切り欠いて前記焼成体の側面視形状をコの字形とすることを特徴とする。
請求項1に記載の発明に係る超音波送受波器は、一対の各超音波トランスデューサのバッキング材が圧電体と同じ材料であるため、バッキング材の音響インピーダンスは圧電体と同じになる。従って、両者の音響インピーダンスの差異に起因した超音波の反射が起こらず、圧電振動子の内部における共振が生じないので、超音波放射時のリンギングの発生を有効に抑えることができる。これにより、両超音波トランスデューサ間で超音波を送受波して液体中の音速を計測する場合の時間分解能が高くなり、精度のよい音速測定が可能になる。しかも、一対の超音波トランスデューサをこれらの全体的な側面視形状がコの字形となるように対向配置しているので、対向間距離が短くても伝送損失は実質的にあまり大きくならず、振動効率の低さがカバーされる。このため、液体が少量の場合でもその音速を確実に測定することができるという効果が得られる。
また、超音波トランスデューサの双方が支持部と共に一体形成されているので、超音波送受波器の取り扱いが極めて容易になるという効果が得られる。また、超音波トランスデューサや支持部の材料を線膨張係数の少ないセラミックとした場合には、周囲温度の変動による超音波トランスデューサの間隔の変動が小さくなるので、誤差の少ない安定した音速測定が可能になる。
請求項2に記載の発明に係る超音波送受波器は、圧電振動子とバッキング材とが一体形成されているので、バッキング材を接着剤等で接合させる必要がなくなる。従って、製作時の手間や工数を削減することができ、製品歩留りも向上するという効果が得られる。
請求項3に記載の発明に係る超音波送受波器は、一対の電極がともに圧電体の内部に埋設されているので、腐食性の液体中で使用する場合においても電極が腐食され難くなり、長期にわたって信頼性を確保できるという効果が得られる。
請求項4に記載の発明に係る超音波送受波器は、圧電振動子と一方面が接するバッキング材の他方面が、多数の凹部及び凸部からなる凹凸面とされているので、バッキング材の他方面で反射される受信波が散乱させられることとなり、受信波の残響が大幅に低減するという効果が得られる。
請求項5に記載の発明に係る超音波送受波器は、凹部の深さが超音波トランスデューサ自体の全体厚さの40%以内とされているので、請求項4に記載の発明の効果に加え、その強度を維持しながら良好な残響の低減効果を得ることができる。
請求項に記載の発明に係る超音波送受波器の製造方法によれば、一対の超音波トランスデューサをそれぞれ別個に製作してから組み立てる必要性がなくなり、切欠加工をするだけで所要の超音波送受波器を作製できる。そのため、製作時の手間や工数を削減することが可能となり、製品歩留りも向上する。さらに、小型化が可能であるとともに、超音波トランスデューサ間のビーム軸の位置決めをする必要もなくなり、製品品質が安定する。


音波放射時のリンギングの発生を有効に抑えることができ、これによって音速測定時の時間分解能を高めることが可能な超音波送受波器、しかも、製作が容易な超音波送受波器の製造方法を提供するという目的を、極めて容易に実現した。
図1は本発明の実施例1に係る超音波送受波器の全体構成を示しており、図1(a)はその斜視図、図1(b)はその支持部側の端面図である。また、図2は圧電体の内部に形成された電極パターンを示す平面図である。
この実施例1に係る超音波送受波器14aは、その中央部分を切り欠くことによって側面視形状がコの字状とされた圧電体2を具備しており、切り欠き部分の上下に位置する圧電体2の対向部分には、互いに平行となる一対の内部電極3a,4a及び3b,4bがそれぞれ形成されている。そして、これら内部電極3a,4a,3b,4bの平面視形状としては、例えば、図2(a)で示すような略方形状、あるいは、図2(b)で示すような略円形状が採用される。なお、このような形状に限定されることはなく、要求される音圧や音圧波形に対応して任意の形状を採用することができる。
この超音波送受波器14aにおいては、切り欠き部分の上方に位置する圧電体2の対向部分に形成された一対の内部電極3a,4aと、これらの内部電極3a,4aで挟まれた圧電体の部分2e、つまり、圧電活性部2eによって圧電振動子9aが構成されている。さらに、内部電極3aの背面側に一方面が接している圧電体の部分2fによってバッキング材10aが形成され、これらの一体形成された圧電振動子9a及びバッキング材10aにより一方側の超音波トランスデューサ15aが構成されている。
また、切り欠き部分の下方に位置する圧電体2の対向部分に形成された一対の内部電極3b,4bと、これらの内部電極3b,4bで挟まれた圧電体の部分2gである圧電活性部2gによって圧電振動子9bが構成されている。さらに、内部電極3bの背面側に一方面が接している圧電体の部分2hによってバッキング材10bが形成され、これらの一体形成された圧電振動子9b及びバッキング材10bにより他方側の超音波トランスデューサ15bが構成されている。
従って、この超音波送受波器14aは、2つの超音波トランスデューサ15a,15bを平行に対向させて配置したうえ、圧電体2の中間部に位置する支持部2iでもって2つの超音波トランスデューサ15a,15bを一体的に連結した構成を有している。また、この場合における支持部2iの外側表面には、図1(b)で示すように、各電極3a,4a,3b,4bと個別に接続された引出電極7a,8a,7b,8bがそれぞれ形成されている。
さらに、各内部電極3a,4a及び3b,4bで挟まれた圧電活性部2e,2gの各々は分極処理によって活性化されている。なお、バッキング材10a,10bとなる圧電体の部分2f,2h及び支持部2iはともに未分極の非活性状態とされているが、分極処理されていてもよい。
このように、実施例1に係る超音波送受波器14aにあっては、上下に位置する超音波トランスデューサ15a,15bそれぞれの具備するバッキング材10a(2f),10b(2h)が、圧電振動子9a,9bにおける圧電活性部2e,2gといずれも同じ材料であり、音響インピーダンスも同じになっている。
そこで、例えば一方の超音波トランスデューサ15aを送波側とし、他方の超音波トランスデューサ15bを受波側とした場合、圧電振動子を構成する圧電体と同じ音響インピーダンスのバッキング材10a,10bを具備しているため、これらの超音波トランスデューサ15a,15bにおいては共振が殆ど生じなくなり、その結果としてリンギングの発生を有効に抑えることが可能となる。
すなわち、一方の超音波トランスデューサ15aでは、バッキング材10aの音響インピーダンスが圧電振動子9aの具備する圧電活性部2eの音響インピーダンスと同じなので、圧電振動子9a及びバッキング材10a間での音響インピーダンスの差に起因した音波の反射は起こらない。また、バッキング材10aを通過した音波は、音響インピーダンスの差に基づいて外気との境界で反射を起こすが、バッキング材10aの厚さを適切に設定することにより音波の発射と反射波の到来とのタイミングを時間的に分離できる。従って、圧電振動子9aにおいては共振が殆ど生じなくなり、その結果として音波の放射時におけるリンギングの発生を有効に抑えることが可能となる。これは、他方側の超音波トランスデューサ15bを送波側とする場合も同じ作用が得られる。
これにより、この実施例1の超音波送受波器14aにおいて、超音波トランスデューサ15a,15b間で音波を送受波して液体中の音速を計測する際の時間分解能が高くなり、精度の良好な音速測定を行うことができる。
なお、この際、超音波トランスデューサ15a,15bには共振が生じない反面、振動効率(送波効率)が低くなる。従って、従来構成のものに比較すると、音圧を高くとれないことになるが、本発明においては、超音波トランスデューサ15a,15bの対向間距離を短くしているので、伝送損失は実質的にあまり大きくならない。その結果、振動効率の低さがカバーされることとなり、音波の送受波に際しては何らの支障も生じない。
図3は、この実施例1に係る超音波送受波器14aにおいて、一方の超音波トランスデューサ、例えば15aを送波側として水中へ音波を放射した時の音圧周波数特性を示す図である。図3中の一点鎖線はこの実施例1の構成の場合、図3中の実線はバッキング材が存在しない場合、図3中の破線はバッキング材が従来同様のゴム系である場合の測定結果をそれぞれ示している。なお、ここでは、圧電振動子9aにおける圧電活性部2eの厚さを0.16mmとし、バッキング材10a,10bの厚さを1.7mmとしている。
図3から理解されるように、この実施例1の超音波トランスデューサ15aから超音波を送波した場合、広帯域な周波数特性を得ることができ、時間分解能が向上するため、精度の良好な測定を行うことが可能となる。
次に、図1および図2に示した超音波送受波器14aを製作する手順を、図4を参照して説明する。
この超音波送受波器14aを製作するに際しては、セラミックグリーンシートに導電ペーストを塗布し、かつ、これらを互いに順次積層した後に一体焼成するなどして、図4(a)で示すように、圧電体2の内部に2組の電極対3a,4a及び3b,4bがそれぞれ埋設されてなる焼成体17を予め形成する。
引き続き、図4(b)で示すように、焼成体17の電極対3a,4aと3b,4bとの相互間に位置する中央部分を切削加工等によって切り欠いてコの字形にする。そして、銀厚膜電極処理、蒸着処理、メッキ処理等により各引出電極7,8を形成した後、内部電極3a,4a及び3b,4bで挟まれた圧電活性部2e,2gの各々を分極処理により活性化すると、超音波送受波器14aが製作されたことになる。
このような手順であれば、一対の超音波トランスデューサをそれぞれ別個に製作したうえで組み立てる必要性がなくなり、切欠加工等を実行するだけで所望の超音波送受波器14aを得ることができる。従って、製作時の手間や工数を削減することが可能となり、製品歩留りも向上する。また、2つの超音波トランスデューサ15a,15bが一体形成されているため、小型化することが可能であり、さらには、超音波トランスデューサ15a,15b間のビーム軸の位置決めをする必要もなくなるため、製品品質が安定するという利点が確保される。ただ、腐食性の液体中で使用する場合には、内部電極4a,4bはセラミック内部に閉じ込めておく方が信頼性が高くなる。なお、内部電極の露出の有無にかかわらず、信頼性確保の方法として超音波送受波器の少なくとも腐食性の液体と接触する部分に樹脂やガラスをコーティングする方法も有効である。
なお、実施例1に係る超音波送受波器14aは、超音波トランスデューサ15a,15bを構成する内部電極3a,4a及び3b,4bのいずれもが圧電体2の内部に埋設された構成であるが、このような構成に限られず、圧電体2の切り欠き部分側の各電極4a,4bが外部(コ字形の切り欠きの内側)に露出した構成であってもよい。
また、ここでは、焼成体17を切削等で切り欠くことにより超音波送受波器14aを製作するとしているが、予め超音波トランスデューサを個別に製作しておき、所定の支持部材を介したうえで接着剤等を用いて接着することにより一体化してコ字形に形成することもできる。さらには、切削加工を省略するため、焼成前の段階で内部電極3a,4a及び3b,4bが形成されたコの字形に形成された圧電体2を一体焼成によって製作するようにし、直接的に超音波送受波器14aを製作することも可能である。
図5は本発明の実施例2に係る超音波送受波器の全体構成を示す斜視図である。
図1及び図2に示した上記の実施例1に係る超音波送受波器14aにおいては、各超音波トランスデューサ15a,15bを構成するバッキング材10の圧電振動子9a,9bと接していない開放側の端面が単なる平坦面とされている。
これに対して、この実施例2に係る超音波送受波器14bは、各超音波トランスデューサ15a,15bを構成するバッキング材10a,10bそれぞれの他方面、つまり、各バッキング材10a,10bの圧電振動子9a,9bと接していない開放側の端面が多数の凹部及び凸部からなる凹凸面に形成されている。すなわち、各バッキング材10a,10bの他方面には、平面視で格子状となる溝部18がダイサー(図示省略)等を用いて溝部18として形成されている。その他の構成は実施例1に係る超音波送受波器14aと基本的に同じである。
この実施例2のように、バッキング材10a,10bの他方面にそれぞれ溝部18が形成されている場合には、圧電振動子9a,9bからバッキング材10a,10bに伝わった音波が溝部18で散乱されるので、これにより、受信波の残響の振幅が大幅に小さくなる。その結果、音速の測定時に直達波だけをパルス化して処理することが容易となる。
図6(a)は実施例1に係る超音波送受波器14aにおいて受波用となる超音波トランスデューサ例えば15bの超音波反射状態を模式化して示す図、図6(b)はこの実施例2に係る超音波送受波器14bにおいて受波用となる超音波トランスデューサ、例えば15bの超音波反射状態をを模式化して示す図である。また、図7(a)は図6(a)の構成に対応した音波残響を示す特性図、図7(b)は図6(b)の構成に対応した音波残響特性をそれぞれ示している。
図6(a)に示す実施例1に係る超音波トランスデューサ15bの場合、圧電振動子9bが受波してバッキング材10bへ伝わった音波(受信波)はバッキング材10bの他方面、つまり、圧電振動子9bと接していない側の平坦な開放端面によって全反射的に反射される。そのため、図7(a)に示すように、受信波の残響の振幅が大きくなってしまう。
これに対して、図6(b)に示す実施例2に係る超音波トランスデューサ15bでは、その全体構成が実施例1の場合と基本的に同じであるにも拘わらず、バッキング材10bの圧電振動子9bと接していない他方面が、多数の凹部及び凸部からなる凹凸面とされているので、圧電振動子9bからバッキング材10bへと伝わった音波はバッキング材10bの他方面に形成された溝部18で散乱させられてしまう。
その結果、バッキング材10bの他方面が平坦面である場合に比べて、バッキング材10bの他方面に溝部18を形成している場合には、図7(b)で示すように、受信波の残響の振幅が大幅に小さくなる。従って、この超音波トランスデューサ15bを受波用として用いた場合には、バッキング材10bでもって受信波の残響の振幅を小さくし、音速の測定時に直達波だけをパルス化して処理することが容易となる。
ところで、この実施例2に係る超音波送受波器14bの溝部18の深さの違いによる音波残響特性の影響を確認するために、溝部18の深さが異なる3種類の超音波送受波器14bを製作した。そして、これらの各超音波送受波器14bを水中に設置し、送波側の超音波トランスデューサ例えば15aにパルス波を入力し、受波側の超音波トランスデューサ例えば15bにおける受信波の波形、つまり、音波残響特性を測定したところ図8に示すような測定結果が得られた。
この場合、送波側の超音波トランスデューサ15aの幅Aは6mm、長さBは9mm、厚さCは1.8mm、圧電活性部9aの厚さは0.16mm、バッキング材10aに形成された溝部18の深さは0.15mmである。また、受波側の超音波トランスデューサ15bの幅Aは6mm、長さBは9mm、厚さDは1.9mm、圧電活性部9bの厚さは0.28mmである。そして、バッキング材10bに形成された溝部18の深さは0.15mm,0.25mm,0.75mmの3種類とし、両超音波トランスデューサ15a,15bの離間間隔Eは2.8mmに設定している。
図8(a)は受波側の超音波トランスデューサ15bにおける溝部18の深さが0.15mmである場合、図8(b)は溝部18の深さが0.25mmである場合、図8(c)は溝部18の深さが0.75mmである場合の音波残響特性をそれぞれ示しており、これらの測定結果から、次のような事実が明らかとなる。
すなわち、バッキング材10bの開放面である他方面に形成された溝部18が深ければ深いほど、受波側の超音波トランスデューサ15bにおける受信波の残響の振幅が小さくなり、溝部18の深さが0.75mmである場合には、直達波の振幅が受信波の残響の振幅よりも大きくなる。このため、音速の測定時に直達波だけをパルス化して処理することが容易となる。
なお、超音波トランスデューサ15bにおける溝部18の深さは超音波トランスデューサ15b自体の全体厚さの40%以内、例えば、超音波トランスデューサ15bの全体厚さが1.9mmである場合にあっては0.75mm(0.75mm/1.9mm×100%=39.5%)以内とされていることが好ましい。このような構成であれば、超音波トランスデューサ15bの強度低下を招くことがなく、その強度を維持しながら良好な残響の低減効果を得ることが可能となる。
また、この実施例2に係る超音波送受波器14bにおいては、圧電振動子9a,9bと接していないバッキング材10a,10bの他方面に対し、平面視で格子状となる溝部18を形成することによって凹凸面としているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、バッキング材10a,10bの開放側端面である他方面に対し、平面視で格子状となる溝部18によって区切られた凸部と各別に対応するような凸部材を一体形成しておいたり、圧電体2と同じ材料からなる別の凸部材を互いに離間させながら並列に貼り付けたりして凹凸面を形成することが可能である。
本発明の実施例1に係る超音波送受波器の構成を示しており、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその端面図である。 圧電体の内部に形成された電極パターンを示す平面図である。 本発明の実施例1に係る超音波送受波器を構成する超音波トランスデューサの音圧周波数特性を従来の超音波トランスデューサにおける音圧周波数特性と比較して示す図である。 本発明の実施例1に係る超音波送受波器の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施例2に係る超音波送受波器の構成を示す斜視図である。 実施例1,2に係る超音波送受波器の受波側の超音波トランスデューサの反射状態を模式化して示す説明図である。 実施例1,2に係る超音波送受波器における受波用の超音波トランスデューサの音波残響を比較して示す特性図である。 実施例2に係る超音波送受波器における受波用として用いられる超音波トランスデューサの音波残響特性を示す図である。
符号の説明
2 圧電体
2i 支持部
3a,3b,4a,4b 内部電極
9a,9b, 圧電振動子
10a,10b バッキング材
14a,14b 超音波送受波器
15a,15b 超音波トランスデューサ
17 焼成体
18 溝部

Claims (6)

  1. 一対の超音波トランスデューサを備えており、前記各超音波トランスデューサは、圧電体を挟んで一対の電極が形成された圧電振動子を具備するとともに、前記圧電体と同じ材料からなるバッキング材が前記両電極の内の一方の電極に接して設けられてなり、これらの各超音波トランスデューサは、前記バッキング材と接しない他方の電極同士が所定距離だけ離れて互いに対向するように全体的な側面視形状がコの字形となるよう支持部を介して配置されており、
    前記超音波トランスデューサの双方は、前記支持部と共に一体形成されていることを特徴とする超音波送受波器。
  2. 前記圧電振動子と前記バッキング材とが一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波送受波器。
  3. 前記一対の電極は、ともに前記圧電体の内部に埋設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波送受波器。
  4. 前記圧電振動子と一方面が接する前記バッキング材の他方面は、多数の凹部及び凸部からなる凹凸面とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに1項に記載の超音波送受波器。
  5. 前記凹部の深さは、超音波トランスデューサ自体の全体厚さの40%以内とされていることを特徴とする請求項4に記載の超音波送受波器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載した超音波送受波器を製造する方法であって、
    圧電体の内部に2組の電極対が形成された焼成体を予め作製しておき、この焼成体の電極対相互の間に位置する部分を切り欠いて前記焼成体の側面視形状をコの字形とすることを特徴とする超音波送受波器の製造方法。
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