JP5574050B2 - 超音波トランスデューサー - Google Patents

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Description

この発明は、圧電素子層と整合層とを積層した構造の超音波トランスデューサーに関する。特には、圧電素子層と整合層との積層方向に圧電素子層が厚み振動する超音波トランスデューサーに関する。
超音波トランスデューサーは、音波の送波または受波のために圧電素子層を備えて構成されるものである。超音波トランスデューサーでは、圧電素子層と外界(外気)との界面での音波の反射を減らすために、圧電素子層と外界との間に音響インピーダンスの整合を取る整合層が設けられることがある(例えば特許文献1参照。)。
図8(A)は、第1の従来例に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。超音波トランスデューサー111は、圧電素子層112と整合層113と入出力端子114と吸音材115とを備えている。圧電素子層112は、平板状に構成されている。整合層113は、圧電素子層112が嵌め込まれる開口を有している。圧電素子層112は、整合層113の開口の内底面に接合されていて、全体が整合層113の開口内に保持されている。吸音材115は、整合層113の開口内において圧電素子層112を覆うように充填されている。入出力端子114は、吸音材115を貫通して圧電素子層112の電極に接続されている。
このような構成の超音波トランスデューサーを実装基板に実装する際に、実装基板に整合層の底面が接触することで音波特性が不安定化してしまう恐れがある。また、整合層の全体が外部に露出しているため、耐候性や耐衝撃性などの耐久性能が悪く、整合層の破損等が発生して音波特性が劣化することもある。そこで、一般的には、ケースを設け、そのケース内に整合層や圧電素子層を収容して超音波トランスデューサーは構成されることになる。
図8(B)は、第2の従来例に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。超音波トランスデューサー121は、圧電素子層122と整合層123と入出力端子124と吸音材125と支持材126とケース127とを備えている。圧電素子層122は、平板状に構成されている。整合層123は、圧電素子層122が嵌め込まれる開口を有している。圧電素子層122は、整合層123の開口の内底面に接合されている。吸音材125は、圧電素子層122の背面側に配置されている。支持材126は、吸音材125の周囲を囲む筒状の部材であり、整合層123の底面に接合されている。ケース127は、支持材126の周囲を囲む筒状の部材である。整合層123の一部がケース127から突出するように、支持材126はケース127に保持されている。ケース127は整合層123の側面に接して、整合層123の耐久性能を高めている。
このような構成の超音波トランスデューサーは、圧電素子層122が平面方向に面積振動するように構成される。音波を送波する場合、整合層123の側面がケース127によって拘束されているため、圧電素子層122の面積振動は、圧電素子層122と整合層123との屈曲振動に変換され、整合層123の表面から音波が送波されることになる。
特開平4−336799公報
圧電素子層の面積振動を圧電素子層と整合層との屈曲振動に変換させる従来構成の超音波トランスデューサーでは、各部の接合強度や接触圧、物性ばらつきや位置バラツキにより、音波特性(音圧または感度)のバラツキが生じる。
また、超音波トランスデューサーは、印刷機等でシートの重送を検出する重送検知用センサとしても用いられることがある。重送検知用センサでは極めて薄いシートでの音波の吸収や反射を利用するため、他の用途のセンサよりも高周波数帯域の音波を利用する必要がある。高周波数帯域の音波を利用するためには、超音波トランスデューサーを小型化する必要があるが、従来例に係る超音波トランスデューサーをそのまま小型化すると、振動面中心の振動面積が著しく小さくなるため、音波特性が低下することが避けられない。また、共振周波数の近傍の周波数で不要振動が生じてしまい、材料バラツキなどによって共振周波数がずれた場合に不要振動の影響で音波特性が劣化してしまう。
そこで、本発明の目的は、高周波帯域での使用に適した構造であり、耐久性能が高く、また、各部材間の接合強度や接触圧、材料ばらつきなどによる影響を音波特性が受けにくい、超音波トランスデューサーを実現することにある。
本発明の超音波トランスデューサーは、ケース部と振動子とを備えている。ケース部は、開口部を有している。振動子は、整合層と圧電素子層とを備えている。圧電素子層は、厚み振動するように構成されていて、厚み方向の主面に交差する側面が開口部の内壁面に対向して接する。整合層は、圧電素子層の厚み方向に積層されていて圧電素子層の厚み方向において一部が開口部から露出し、厚み方向の主面に交差する側面が、開口部の内壁面から開放されている。
この構成では、圧電素子層が厚み振動するため、整合層の表面全面が厚み方向にほぼ一様に変位(振動)する。したがって、整合層の表面に振動の節が発生せず、振動面積を大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの全体寸法を小型化しても、厚み振動による音波の音圧や感度の低下が生じにくくなる。また、圧電素子層がケース部の内壁面に対向して配置されるため、高い耐久性能を実現できる。また、振動子が、圧電素子層でケース部の内壁面に支持されるが、圧電素子層の側面方向が拘束されることによる音波特性への影響は、整合層が拘束される構成に比べて小さく、安定した音波特性を実現できる。
上述の超音波トランスデューサーにおいて、整合層は、側面が開口部の内壁面に対向すると好適である。これにより、圧電素子層の全体と整合層の側面の一部とがケース部の開口部内に配置され、より高い耐久性能を実現できる。
上述の超音波トランスデューサーにおいて、圧電素子層は、開口部の内壁面との接触位置が、振動のノード点となる位置であると好適である。これにより、圧電素子層の厚み振動がケース部によって阻害されることを確実に防ぎ、より安定した音波特性を実現できる。
上述の超音波トランスデューサーにおいて、整合層は、側面が厚み方向に対してテーパを持ち、整合層と圧電素子層との界面部分の縁が開口部の内壁面に点接触すると好適である。これにより、整合層を金型成形する場合に、整合層の型抜きが容易になる。また、整合層の水平方向の位置決めをより高精度にできる。
上述の超音波トランスデューサーにおいて、整合層の側面と圧電素子層の側面とが面一であると好適である。これにより、複数の振動子を一体の状態で製造して、ダイシングなどによって分割することで、複数の振動子を一度に製造することが可能になり、製造工程数の削減が可能になる。
この発明によれば、圧電素子層が厚み振動するため、整合層の表面に振動の節が発生せず、振動面積を大きくすることができ、超音波トランスデューサーの全体寸法を小型化しても、厚み振動による音波の音圧や感度の低下が生じにくくなる。また、圧電素子層がケース部の内壁面に対向して配置されるため、高い耐久性能を実現できる。また、振動子が、圧電素子層でケース部の内壁面に支持されるが、圧電素子層の側面方向が拘束されることによる音波特性への影響は、整合層が拘束される構成に比べて小さく、安定した音波特性を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサー、振動子、および重送検知用センサの構成例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。 振動子と樹脂ケースとの接触位置による音響特性の影響を説明する図である。 振動子と樹脂ケースとの接触位置による音響特性の影響を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサーの構成例を説明する図である。 従来例に係る超音波トランスデューサーの構成例を示す断面図である。
≪第1の実施形態≫
以下、本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサー、振動子、および重送検知用センサの構成について、図1に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサー1A,1Bを用いた重送検知用センサ101の概念図である。
重送検知用センサ101は、送波用の超音波トランスデューサー1Aと、受波用の超音波トランスデューサー1Bとを備えている。また、超音波トランスデューサー1Aに接続される発振器102、超音波トランスデューサー1Bに接続されるオシロスコープ104、および、超音波トランスデューサー1Bとオシロスコープ104との間に接続される増幅器103を備えている。超音波トランスデューサー1Aと超音波トランスデューサー1Bとは、印刷機等における用紙搬送路109の両脇に、互いに対向して配置される。発振器102は、超音波トランスデューサー1Aを駆動するための周波数パルス信号を発振する。超音波トランスデューサー1Aは、その周波数パルス信号を受け、用紙搬送路109に100kHz以上の超音波パルスを送波する。100kHz以上の超音波パルスは、様々な厚みや種類の用紙に対しての重送状態の検出に適している。用紙搬送路109において、超音波パルスは、搬送されている用紙を透過して超音波トランスデューサー1Bに到達する。この際、用紙が重送状態であれば、音波の減衰が著しく大きくなる。超音波トランスデューサー1Bは、超音波パルスを受波して検出信号を出力する。増幅器103は、超音波トランスデューサー1Bから入力される検出信号を増幅する。オシロスコープ104は、増幅器103で増幅された検出信号から、音波の減衰が著しく大きければ、用紙搬送路109で用紙が重送されていると判定し、そうでなければ用紙搬送路109で用紙が単送されていると判定する。
図1(B)は、本実施形態に係る超音波トランスデューサー1Aの側面図である。図1(B)における紙面内の上方向が超音波を送波する方向であり、超音波トランスデューサー1Aの正面方向である。
なお、超音波トランスデューサー1Bは、超音波トランスデューサー1Aとほとんど同じ構成であり、ここでは詳細な説明を省く。超音波トランスデューサー1Bは、超音波トランスデューサー1Aと、振動子11における圧電体層と電極層との積層数、および全体寸法が相違するものである。
超音波トランスデューサー1Aは、金属カバー2と、樹脂ケース3と、振動子11と、金属端子5,6と、を備えている。金属カバー2は、導電性を持つ金属材料からなり、正面および背面が開口する筒状である。金属カバー2は、樹脂ケース3を保持し、電磁シールドとして機能する。樹脂ケース3は、プラスチック樹脂の射出成型により形成されており、正面側が開口する有底筒状である。樹脂ケース3は、開口から正面側に振動子11の端部が突出するように、振動子11を保持している。樹脂ケース3が本実施形態におけるケース部に相当する。金属端子5,6は、背面側の端部が樹脂ケース3の背面から突出していて、振動子11に駆動電圧を印加する。
図1(C)は、本実施形態に係る振動子11の斜視図である。なお、図1(C)における紙面内の上方向が超音波を送受する方向であり、振動子11の正面方向である。振動子11は、整合層11Aと圧電素子層11Bとを備えている。整合層11Aは、正面および背面が正方形の柱状である。圧電素子層11Bも同様に、正面および背面が正方形の柱状である。圧電素子層11Bの正面および背面における縦横寸法は、整合層11Aの正面および背面における縦横寸法よりも若干大きくしている。なお、振動子11の正面および背面の形状は、正方形または円形であると振動効率を高めることができるとともに不要振動の発生を防ぐことができ好適である。ただし、音波の指向性を制御するために長方形や長円形であってもよい。
整合層11Aは、ポッティングと熱硬化とによる接合が可能なエポキシ樹脂にガラスバルーンを混合させた低比重材料からなり、振動子11の正面側に位置していて、圧電素子層11Bと外界(外気)との音響インピーダンスの整合を取るために設けられている。
圧電素子層11Bは、振動子11の背面側に位置していて、正面−背面間の方向を積層方向として複数の電極層11B1と複数の圧電体層11B2とを積層して構成されている。圧電体層11B2は、電気機械結合係数と圧電d定数が大きく、機械的品質係数が小さいチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなる。振動子11は、積層方向に平行な2側面(図1(B)における紙面内の左右方向に位置する右側面および左側面)が、電極接続部となるように構成されていて、図示しない側面電極と絶縁膜とによって偶数番目または奇数番目の電極層11B1同士が選択的に接続されるとともに、金属端子5または金属端子6に接続されることになる。
以下、超音波トランスデューサー1Aの詳細構成について説明する。図2は、超音波トランスデューサー1Aの断面図である。図2(A)は、図2(B)に示す一点鎖線B−B’を通る位置での断面図である。図2(B)は、図2(A)中に示す一点鎖線A−A’を通る位置での断面図である。
金属カバー2は、筒状部位2Aと舌状部位2Bとを備えている。筒状部位2Aは、底の無い筒状の部位であり、正面および背面の外形状および内形状が正方形である。舌状部位2Bは、筒状部位2Aの背面側から背面方向に延設される細長い舌状の部位であり、接地端子として用いられるものである。
樹脂ケース3は、有底筒状であり、金属カバー2の内寸と概等しい外寸で形成されていて、背面近傍の外側面に、外寸を部分的に大きくして形成された段部3Dが設けられている。段部3Dは、金属カバー2の筒状部位2Aが接触することにより、樹脂ケース3を係止するものである。また、段部3Dには、一部に舌状部位2Bが通過する溝が形成されている。
また、樹脂ケース3は、正面に矩形の開口部3Aが設けられている。開口部3Aは振動子11が内挿されるものである。また、樹脂ケース3は、背面に長方形の孔3Bが設けられている。孔3Bは、開口部3Aの内底面に連通していて、金属端子5,6の背面側端部が内挿されるものである。また、開口部3Aの内部には、孔3Bから内底面および内壁面に沿って延設される溝3Cが形成されている。溝3Cは、金属端子5,6を係止するものである。開口部3Aは、正面から内底面までの距離(開口部3Aの深さ)が、振動子11の厚み寸法よりも浅く設定されている。これにより、開口部3Aから振動子11の端部が突出する、即ち、開口部3Aから整合層11Aが部分的に突出することになる。
金属端子5,6は、導電性を持つ金属材料からなる概略棒状の部材であり、中央付近で2度屈曲させて段部分を設けている。金属端子5,6の段部分よりも正面側の端部および段部分は、樹脂ケース3の溝3Cに嵌合され、開口部3Aの内部に設けられている。金属端子5,6の段部分よりも背面側の端部は、孔3Bから背面側に突出して設けられている。金属端子5,6の正面側の端部は、樹脂ケース3の開口部3A内で振動子11の側面と樹脂ケース3の内壁面とに狭まれ、その位置には、振動子11側に突出するように屈曲するくの字状の部位が形成されている。この部位が弾性変形することで、金属端子5,6は、常に振動子11に接触するように構成されている。なお、金属端子5,6は、導電性接着剤などを用いて、くの字状の部位などを振動子11の側面に接着してもよい。また、振動子11は、絶縁性接着剤などを用いて、樹脂ケース3の内底面に接着されていてもよい。
振動子11は、圧電素子層11B側から開口部3Aに内挿されていて、整合層11A側が開口部3Aから正面に突出している。開口部3Aは、溝3Cの形成領域を除いて内壁面が圧電素子層11Bの外壁面に弾接するように、その寸法が設定されている。一方、前述したように、整合層11Aの縦横寸法は、圧電素子層11Bの縦横寸法よりも小さいので、開口部3Aの内壁面から側面が離間して(開放されて)いる。このため、振動子11は、圧電素子層11Bの外側面で樹脂ケース3に支持されることになる。
整合層と圧電素子層とを備える振動子において、整合層の熱膨張係数と圧電素子層を構成する圧電体層の熱膨張係数とが大きく異なると、整合層と圧電素子層との間で剥離が生じることがある。特に、整合層の縦横寸法が圧電素子層の縦横寸法が同じである場合には、整合層と圧電素子層との間の部分に熱応力(引張応力)が集中し、整合層と圧電素子層との間での剥離が生じやすくなったり、圧電素子層にクラックが生じやすくなったりする。超音波トランスデューサーでは、整合層と圧電素子層との間での剥離が生じると、共振周波数が低くなり、感度が低くなってしまう。整合層と圧電素子層との間での剥離を防止するために、整合層と圧電素子層とを弾性接着剤によって接合することが考えられるが、圧電素子層の振動が整合層に伝搬しにくくなり、感度が低くなってしまう。
そこで、本実施形態のように、整合層11Aの縦横寸法が圧電素子層11Bの縦横寸法よりも小さいと、圧電素子層11Bに加わる熱応力(引張応力)が分散することによって整合層11Aと圧電素子層11Bとの間の部分に加わる熱応力が小さくなり、整合層11Aと圧電素子層11Bとの間での剥離が生じにくい。このため、超音波トランスデューサー1Aでは、共振周波数の低下ならびに感度の低下が起こりにくい。
以上の各部材、金属カバー2、樹脂ケース3、振動子11、および金属端子5,6によって超音波トランスデューサー1Aは構成されている。振動子11は、正面−背面間の方向に沿って厚み振動するように構成される。そのため、振動子11の正面全面が振動領域となり、小型化しても、共振周波数の変化や音圧や感度の低下が生じ難い。したがって重送検知用センサ101として、良好な音波特性を実現することができる。また、振動子11は、整合層11Aの一部と圧電素子層11Bとが樹脂ケース3の開口部3Aの内部に配置されるので、外部からの衝撃などの影響を受けにくく、高い耐久性能を実現できる。
その上、振動子11は、樹脂ケース3の開口部3Aの内壁面に圧電素子層11Bの外側面で支持され、整合層11Aの外側面は開口部3Aの内壁面から開放されるので、整合層11Aの外側面に開口部3Aの内壁面が接触する場合よりも、音波特性の劣化や不安定化を防ぐことができる。
図3および図4は、振動子と樹脂ケースとの接触位置による音響特性の影響について、周波数−インピーダンス特性に基づいて説明する図であり、図3は、比較例に係る超音波トランスデューサーについて示し、図4は、本発明の実施例に係る超音波トランスデューサーについて示している。なお、ここでは、比較例に係る超音波トランスデューサーは、整合層と圧電素子層とで面一な外側面を有する振動子と、振動子の外側面と均一な間隔で開口部の内壁面が対向する樹脂ケースとを用い、整合層と樹脂ケースとを接着剤で接合させた構成である。また、本発明の実施例に係る超音波トランスデューサーは、超音波トランスデューサー1Aと同じ構成の振動子と樹脂ケースとを用い、圧電素子層と樹脂ケースとを接着剤で接合させた構成である。
図3に示すように、整合層が樹脂ケースに固定される比較例(接触時)では、約171kHz、約268kHz、約302kHz、約375kHzが共振周波数となっており、約176kHz、約295kHz、約326kHz、約396kHzが反共振周波数となる。各共振周波数での抵抗値(共振抵抗)と各反共振周波数での抵抗値の差は、整合層と樹脂ケースとが非接触な構成(非接触時)と比較すると、非接触時の方が大きく、接触時の方が小さい。
一方、図4に示すように、圧電素子層が樹脂ケースに固定される実施例(接触時)では、約168kHz、約267kHz、約303kHz、約374kHzが共振周波数となっており、約173kHz、約293kHz、約322kHz、約398kHzが反共振周波数となる。各共振周波数での抵抗値(共振抵抗)と各反共振周波数での抵抗値の差は、圧電素子層と樹脂ケースとが非接触な構成(非接触時)と比較すると、約267kHz以上の極値の近傍で、接触時の方が抵抗値の差が小さいが、約168kHzと約173kHzとの近傍では、抵抗値の差が殆ど変わらない。
なお、この超音波トランスデューサーの構成では、図3の場合には約171kHzの共振周波数、図4の場合には約168kHzの共振周波数で駆動する際に、厚み振動および音波が最大化することになる。
これらのことから、整合層が樹脂ケースに固定される比較例では、振動子の本来的な音波特性を実現することが難しく、ある程度の劣化が生じることになるが、圧電素子層が樹脂ケースに固定される実施例では、振動子の本来的な音波特性をそのまま、劣化することなく実現することが可能であるといえる。
なお、本実施形態においては、振動子の外側面を非平坦にし、開口部の内壁面を平坦にした構成を用いて本発明の超音波トランスデューサーを説明したが、本発明の超音波トランスデューサーは、その他の構成であっても実現することができる。
≪第2の実施形態≫
図5は、本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサー21の断面図である。図5(A)は、図5(B)に示す一点鎖線B−B’を通る位置での断面図である。図5(B)は、図5(A)中に示す一点鎖線A−A’を通る位置での断面図である。
本実施形態の超音波トランスデューサー21は、第1の実施形態と相違する構成の振動子31を備えている。振動子31は、整合層31Aと圧電素子層31Bとを備えている。整合層31Aは、正面および背面が正方形であり、正面における縦横寸法よりも背面における縦横寸法のほうが大きく、側面にテーパがついた柱状である。整合層31Aの背面における縦横寸法は、圧電素子層31Bの正面における縦横寸法と等しくしている。
この構成では、整合層31Aと圧電素子層31Bとの界面部分の縁が開口部3Aの内壁面に点接触するので、整合層31Aの水平方向の位置がより高い精度で固定され、音波特性をより高められる。また、整合層31Aの部材を金型成形する場合に、整合層31Aの型抜きが容易になる。そのため、超音波トランスデューサー21の製造がより、容易なものになる。
≪第3の実施形態≫
図6は、本発明の第3の実施形態に係る超音波トランスデューサー41の断面図である。図6(A)は、図6(B)に示す一点鎖線B−B’を通る位置での断面図である。図6(B)は、図6(A)中に示す一点鎖線A−A’を通る位置での断面図である。
本実施形態の超音波トランスデューサー41は、第1の実施形態と相違する構成の振動子51と樹脂ケース43とを備えている。振動子51は、整合層51Aと圧電素子層51Bとを備えている。整合層51Aは、正面および背面が正方形であり、縦横寸法が圧電素子層51Bの縦横寸法と等しく、整合層51Aの外側面と圧電素子層51Bの外側面が面一に構成されたものである。樹脂ケース43は、開口部43Aと孔43Bと溝43Cと段部43Dとが形成されている。開口部43Aは、正面側の内径寸法が背面側の内径寸法よりも大きくなるように、段付き形状で構成されている。
この構成では、振動子51において整合層51Aと圧電素子層51Bとの外寸が等しくても、段付き形状の開口部43Aにより、整合層51Aの側面に開口部43Aの内壁面が接触することを防いでいる。このように本発明の超音波トランスデューサーは、振動子の外側面が平坦であっても、開口部の内壁面を非平坦にして構成されていてもよい。
この振動子51は、全体として直方体状であるため、製造時に、複数の振動子51を一体に構成してからダイシングなどによって分割して、複数の振動子51を一度に製造することが可能になる。したがって、振動子51の製造コストを低減することが可能になる。
≪第4の実施形態≫
図7は、本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサー61の断面図である。図7(A)は、図7(B)に示す一点鎖線B−B’を通る位置での断面図である。図7(B)は、図7(A)中に示す一点鎖線A−A’を通る位置での断面図である。
本実施形態の超音波トランスデューサー61は、第1の実施形態と相違する構成の振動子71と樹脂ケース63とを備えている。振動子71は、整合層71Aと圧電素子層71Bとを備えている。整合層71Aは、正面および背面が正方形で、縦横寸法が圧電素子層71Bの縦横寸法と等しいものである。樹脂ケース63は、開口部63Aと孔63Bと溝63Cと段部63Dとが形成されていて、開口部63Aは、内壁面から突出する突起部63Eが形成されている。突起部63Eは、開口部63Aの内底面から所定距離の位置で、開口部63Aを略周回するように形成されている。そして、突起部63Eと開口部63Aの内底面のみが、振動子71に接触するように構成されている。突起部63Eは、圧電素子層71Bの厚み振動のノード点となる位置で振動子71に接触するように、その形成位置が設定されている。
この構成では、振動子71において整合層71Aと圧電素子層71Bとの外形寸法が等しくても、開口部63Aに設けた突起部63Eを、振動子71の圧電素子層71Bに接触させることにより、整合層71Aの側面に開口部63Aの内壁面が接触することを防いでいる。突起部63Eは、圧電素子層71Bの厚み振動のノード点となる位置に接触するので、圧電素子層71Bの厚み振動が阻害されることを確実に防ぎ、より安定した音波特性を実現することが可能になる。このように本発明の超音波トランスデューサーは構成されていてもよい。
この振動子71は、全体として直方体状であるため、製造時に、複数の振動子71を一体に構成してからダイシングなどによって分割して、複数の振動子71を一度に製造することが可能になる。したがって、振動子71の製造コストを低減することが可能になる。なお、突起部については樹脂ケースと一体に構成する他、振動子と一体に構成しても良く、また、樹脂ケースおよび振動子とは別体に構成してもよい。
以上の実施形態で説明したように本発明は実施することができるが、本発明の超音波トランスデューサーは、重送検知用センサの他のデバイスに用いることもできる。また、振動子や超音波トランスデューサーの具体的な構成や材料は、上述したものに限られず、少なくとも整合層の側面が開放された状態で、圧電素子層がケース部に支持されるならば、他の構成や材料が採用されていても良い。
1A,1B,21,41,61…超音波トランスデューサー
2…金属カバー
2A…筒状部位
2B…舌状部位
3,43,63…樹脂ケース
3A,43A,63A…開口部
3B,43B,63B…孔
3C,43C,63C…溝
3D,43D…段部
5,6…金属端子
11,31,51,71…振動子
11A,31A,51A,71A…整合層
11B,31B,51B,71B…圧電素子層
11B1…電極層
11B2…圧電体層
63E…突起部
101…重送検知用センサ
102…発振器
103…増幅器
104…オシロスコープ

Claims (5)

  1. 開口部を有しているケース部と、
    前記開口部に挿入されている振動子と、
    を備える超音波トランスデューサーであって、
    前記振動子は、
    厚み振動するように構成されていて、厚み方向の主面に交差する側面が前記開口部の内壁面に対向して接する圧電素子層と、
    前記圧電素子層の厚み方向に積層されていて、前記圧電素子層の前記厚み方向において一部が前記開口部から露出し、前記厚み方向の主面に交差する側面が、前記開口部の内壁面から開放されている整合層と、
    を備えている、超音波トランスデューサー。
  2. 前記整合層は、側面が前記開口部の内壁面に対向する、請求項1に記載の超音波トランスデューサー。
  3. 前記圧電素子層は、前記開口部の内壁面との接触位置が、振動のノード点となる位置である、請求項1または2に記載の超音波トランスデューサー。
  4. 前記整合層は、側面が前記厚み方向に対してテーパを持ち、
    前記整合層と前記圧電素子層との界面部分の縁は、前記開口部の内壁面に点接触する、請求項1または2に記載の超音波トランスデューサー。
  5. 前記整合層の側面と前記圧電素子層の側面とは面一である、請求項1または2に記載の超音波トランスデューサー。
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