JP4134529B2 - プリント基板の切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型電子部品を形成する為のプリント基板の切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のプリント基板の切断装置について説明する。従来のプリント基板の切断装置は、図9に示す様なものであった。すなわち図9に於いて、1は子プリント基板2が複数個設けられたプリント基板である。3は固定部であり、プリント基板1を固定するものである。4は軸5に設けられた切断刃である。
【0003】
ここで、プリント基板1について少し詳細に説明すると、図8に示すように、プリント基板1は、縦6には15個、横7には18個の子基板2が設けられた構成であり、その寸法は、縦6の寸法94mm、横7の寸法91mmのものであった。こういったプリント基板1に於いて、子基板2を切り出すのが本プリント基板の切断装置である。
【0004】
従来に於いては図9に示すように軸5を、X方向に移動させて、プリント基板1を切断する。この切断が終わったら、次には刃4をY方向に子基板2のピッチ分だけ移動させて、同じようにX方向に移動させ切断する。こういった動作を複数回繰り返すことにより、親基板1から子基板2を切断するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の構成では、夫々の子基板2につき、1回ずつ切断刃4をY方向に移動させる必要があり、生産効率が低いものであった。かといってプレスで各子基板2を分割する方法も考えられるが、この場合に於いては、クラックが生じたり、割れが生じたりして品質が良くないものとなる可能性があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決するもので、生産効率の良いプリント基板切断装置を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する為に本発明のプリント基板切断装置は、複数個の子基板が設けられたプリント基板の切断装置であって、前記切断装置は、前記プリント基板を固定する固定部と、前記プリント基板を切断する切断刃と、この切断刃の中心に形成された孔と、この孔に挿入される軸とを備え、前記軸上には複数個の切断刃が設けられるとともに、前記複数個の切断刃の間には、前記切断刃の距離精度を保つべく、距離精度保持手段が設けられたプリント基板の切断装置において、前記距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、このスペーサの外周部における前記切断刃側の側面には、凸部が設けられるとともに、前記凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしたものである。これにより、生産効率の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数個の子基板が設けられたプリント基板の切断装置であって、前記切断装置は、前記プリント基板を固定する固定部と、前記プリント基板を切断する切断刃と、この切断刃の中心に形成された孔と、この孔に挿入される軸とを備え、前記軸上には複数個の切断刃が設けられるとともに、前記複数個の切断刃の間には、前記切断刃の距離精度を保つべく、距離精度保持手段が設けられたプリント基板の切断装置において、前記距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、このスペーサの外周部における前記切断刃側の側面には、凸部が設けられるとともに、前記凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしたプリント基板の切断装置であり、軸上に複数個の切断刃が設けられているので、一度に複数個の子基板を切断することができる。従って、生産効率が向上するものである。又、切断刃の間には、距離精度保持手段が設けられているので、寸法精度の優れた子基板をつくることができる。
【0009】
また、距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、このスペーサの外周部における前記切断刃側の側面には凸部が設けられ、前記凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしたので、たとえ、切断刃の中心孔にバリがあったとしても正確な切断刃間の位置を得ることができる。
【0010】
請求項に記載の発明は、切断刃が設けられた軸は、2組のベアリングで形成されるとともに、この2組のベアリングは、前記軸に対して、互いに外方向に作用する請求項1に記載のプリント基板の切断装置であり、軸に対して互いに外方向に作用するので、軸の垂直方向に対する耐荷重性が向上する。
【0011】
請求項に記載の発明の切断刃には、ダイヤモンドが電着された請求項1に記載のプリント基板の切断装置であり、切断刃にダイヤモンドが電着されているので、長寿命の切断刃を得ることができる。
【0012】
請求項に記載の発明の固定部は、プリント基板が載置される基板受けと、前記プリント基板を押圧する基板押さえとから成り、前記基板受けには切断刃の進行方向にスリットが設けられた請求項1に記載のプリント基板の切断装置であり、切断刃の進行方向にスリットが設けられているので、プリント基板をしっかりと固定した状態で、切断することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、基板受けにはスリットと垂直方向に子基板を係止すべく壁が設けられた請求項に記載のプリント基板の切断装置であり、子基板を係止する壁が設けられているので、子基板を切断した後、子基板が移動することはない。
【0014】
請求項に記載の発明の基板押さえには、プリント基板の位置決めピンが設けられた請求項に記載のプリント基板の切断装置であり、基板押さえに位置決めピンが設けられているので、基板位置を正確に固定することができる。
【0015】
請求項に記載の発明の基板押さえには、プリント基板を吸着する吸着パッドが設けられた請求項に記載のプリント基板の切断装置であり、吸着パッドが設けられているので、吸着して移動させることができる。
【0016】
請求項に記載の発明の基板押さえには、各子基板に対応して、前記各基板を押圧する押圧部が設けられた請求項に記載のプリント基板の切断装置であり、各子基板に対応した押圧部が設けられているので、この押圧部と吸着パッドの位置により、子基板を基板受けに残した状態で、確実に基板押さえを分離させることができる。更に吸着パッドでプリント基板の残余の部分を外へ取り出すことができる。
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明のプリント基板の切断装置の断面図である。図1に於いて1はプリント基板であり、このプリント基板1は鉄で形成された基板受け11上に載置されている。又12は基板押さえであり、この基板押さえ12は、プリント基板1上に載置され、基板受け11とでプリント基板1を挟むようになって固定部を形成している。13はプリント基板1を切断する切断刃である。この切断刃13については、図2でこの詳細を説明する。すなわち図2に於いて、14は、鉄で形成された軸であり、この軸14には切断刃13が16枚、等間隔で取り付けられている。そしてこの切断刃13の間にはスペーサ15が設けられている。このスペーサ15は距離精度保持手段であり切断刃13の間隔を正確に保つ為のものである。そして、このスペーサ15の外周部には、凸部15aが設けられている。ここで、切断刃13の厚さは、ダイヤモンド部0.5mm、母材部0.3mmである。
【0018】
図3は切断刃13の側面図である。切断刃13はステンレスで形成されており、直径28mmの円形状をしている。そしてその外周13aの約4mmには、ダイヤモンドが電着されている。17は、切断刃13の中心に設けられた孔であり、その孔17に、軸14が挿入されるわけである。そこで、たとえこの孔17を開けるときにバリが生じたとしても、スペーサ15には、このバリを吸収する程度の凸部15aが外周に設けられているので、切断刃13間の距離は正確な位置決めをすることができる。
【0019】
図4は切断刃13が設けられた軸14の両端に設けられた固定側軸受18と移動側軸受19である。ここで固定側軸受18は、ベアリング20と21が2組設けられており、移動側軸受19には、ベアリング22が1組設けられている。移動側軸受19にベアリング22が1組設けられているのは、軸14が温度等によって、たとえ膨張したとしても、軸14が移動側軸受19内を移動して吸収するためである。
【0020】
ここで、切断刃13が設けられた軸14で、プリント基板1を切断する為に、X方向へ軸14を移動したとすると、軸14は、固定軸側軸受18と、移動側軸受19で両端が固定されている為、どうしてもその中心部14aは、たわむ感じになる。その為、このように中心部がたわむと、正確な切断ができなくなる。そこで、図5に示すように、固定側軸受18に設けられたベアリング20と21は2組設け、ベアリング20の作用線は、外側の23に作用点がくるようにし、ベアリング21の作用点は、軸14の内側の24にくるようにしている。そして、この作用点23と24の距離をなるべく大きくすることが重要である。そのことにより軸14の垂直方向に対する耐荷重性が増すことになり、たとえ軸14をX方向に移動させたとしてもたわみは少なくなる。本実施の形態ではベアリング20と23の点あるいはベアリング21と24の点では夫々正三角形を形成するようにしている。
【0021】
図6は、基板受け11の平面図である。図6に於いて25は、プリント基板1の子基板2を切断する為に設けられた複数本のスリットであり、このスリット25内を切断刃13が移動して切断するものである。このように、スリット25が設けられているので、プリント基板1は、基板受け11と基板押さえ12でしっかりと固定した状態にして、切断刃13で切断することができる。又、26は、スリット25と直角方向に設けられた壁であり、これはプリント基板1の各子基板2に対応した位置に設けられている。従って、このような壁26を設けて押圧しているので、切断刃13で、子基板2の切断が完了したとしても、子基板2が移動することはない。
【0022】
図7は、基板押さえ12の底面から見た斜視図である。基板押さえ12に於いて、27は、基板押さえ12の4隅に設けられた位置決めピンであり、この位置決めピンをプリント基板1に設けられた位置決め孔に挿入して位置決めを行なう。28は、吸着パッドであり、この吸着パッド28で、プリント基板1を吸着したり、外したりするものである。従って、この吸着パッド28でプリント基板1を吸着して、プリント基板置きから、基板受け11まで、移動させることができる。そして、29は、子基板2に対応した位置に設けられた押圧部であり、バネが内蔵されている。そして、このバネで、各子基板2を基板受け11側へ押圧しているものであり、その状態で吸着パッド28の吸着を解除することにより、各子基板2を基板受け11に残したままで、基板押さえ12を離脱させることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、
複数個の子基板が設けられたプリント基板の切断装置であって、前記切断装置は、前記プリント基板を固定する固定部と、前記プリント基板を切断する切断刃と、この切断刃の中心に形成された孔と、この孔に挿入される軸とを備え、前記軸上には複数個の切断刃が設けられるとともに、前記複数個の切断刃の間には、前記切断刃の距離精度を保つべく、距離精度保持手段が設けられたプリント基板の切断装置において、前記距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、スペーサの外周部における前記切断刃側の側面には、凸部が設けられるとともに、前記凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしており、このように、複数個の切断刃で一度にプリント基板を切断するので、一度に複数個の子基板を生成することができ作用能力が向上する。又、切断刃間には、距離精度保持手段が設けられているので、各子基板は、正確な寸法を保つことができる。
また、距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、このスペーサには凸部が設けられ、この凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしているので、たとえ、切断刃の中心孔にバリがあったとしても正確な切断刃間の位置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に於けるプリント基板切断装置の断面図
【図2】同、軸に装着された切断刃の断面図
【図3】同、切断刃の平面図
【図4】同、軸と軸受の断面図
【図5】同、軸受の拡大断面図
【図6】同、基板受けの平面図
【図7】同、底面から見た基板押さえの斜視図
【図8】同、プリント基板の斜視図
【図9】同、従来のプリント基板切断装置の斜視図
【符号の説明】
1 プリント基板
2 子基板
11 基板受け
12 基板押さえ
13 切断刃
14 軸
15 スペーサ

Claims (8)

  1. 複数個の子基板が設けられたプリント基板の切断装置であって、前記切断装置は、前記プリント基板を固定する固定部と、前記プリント基板を切断する切断刃と、この切断刃の中心に形成された孔と、この孔に挿入される軸とを備え、前記軸上には複数個の切断刃が設けられるとともに、前記複数個の切断刃の間には、前記切断刃の距離精度を保つべく、距離精度保持手段が設けられたプリント基板の切断装置において、前記距離精度保持手段は、スペーサで形成されるとともに、このスペーサの外周部における前記切断刃側の側面には、凸部が設けられるとともに、前記凸部は前記孔のバリを吸収できる大きさとしたプリント基板の切断装置。
  2. 切断刃が設けられた軸は、2組のベアリングで形成されるとともに、この2組のベアリングは前記軸に対して、互いに外方向に作用する請求項1に記載のプリント基板の切断装置。
  3. 切断刃にはダイヤモンドが電着された請求項1に記載のプリント基板の切断装置。
  4. 固定部は、プリント基板が載置される基板受けと、前記プリント基板を押圧する基板押さえとから成り、前記基板受けには、切断刃の進行方向にスリットが設けられた請求項1に記載のプリント基板の切断装置。
  5. 基板受けには、スリットと垂直方向に子基板を係止すべく壁が設けられた請求項4に記載のプリント基板の切断装置。
  6. 基板押さえには、プリント基板の位置決めピンが設けられた請求項4に記載のプリント基板の切断装置。
  7. 基板押さえには、プリント基板を吸着する吸着パッドが設けられた請求項4に記載のプリント基板の切断装置。
  8. 基板押さえには、各子基板に対応して、前記各子基板を押圧する押圧部が設けられた請求項7に記載のプリント基板の切断装置。
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