JP4134288B2 - 補修掘削型多軸掘削作業機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、撹拌羽根等の作業羽根を軸外周に、掘削ヘッドを軸下端にそれぞれ有する掘削作業軸の複数本を互に平行に並列して回転駆動部に接続してなる多軸掘削作業機において、各掘削作業軸により互に隣接しまたは一部ラップして掘られる円形縦孔同志の間に生じるクサビ状掘り残し部も同時に補修掘削して連続長孔を掘る補修掘削型多軸掘削作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、補修掘削型多軸掘削撹拌機として、撹拌羽根を軸外周に有する掘削撹拌主軸2本を平行に回転駆動部に接続して垂下し、該両主軸の軸心をつなぐ線の両側に副軸をそれぞれ水平に回転自在に支持すると共に、該副軸の外周にクサビ状掘り残し部を掘削すべき補修用掘削羽根を突設し、このような副軸に上記主軸からウォームおよびウォームホイルを介して回転を伝達するようにした構造のものが知られている。
【0003】
ところで、一般に2本の掘削撹拌主軸で地盤に掘進しつつ掘り残し部を補修用掘削羽根で掘削する場合、例えば粘土層等の通常地盤では、補修用掘削羽根を掘り残し部に対し上から下に切りこむように回転させるが、砂層、礫層等の崩壊し易い地盤では、補修用掘削羽根を下から上に切りこむように上記と逆方向に回転させることが、崩壊を最小限にとどめるために望まれる。
【0004】
しかるに、上記の従来機では、補修用掘削羽根を掘削撹拌主軸と独立して回転方向を変えることができないため、上記のような地盤の性状に応じた補修用掘削を行うことができず、その結果砂層、礫層等の崩壊性地盤の掘り残し部の掘削において、その部分を大きく崩壊させてしまう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、地盤の性状に応じた掘り残し部の掘削を行うことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決の手段として、本発明は、
支持材に昇降自在に支持された回転駆動部に、作業羽根を軸外周に、掘削ヘッドを軸下端にそれぞれ有する掘削作業主軸の複数本を左右並列状態で接続して垂下してなる多軸掘削作業機において、
上記各掘削作業主軸の下部に支持リングをそれぞれ回転自在に被嵌すると共に、各支持リングから上記掘削作業主軸の複数本並列線の両側にホルダーを同一水平面において上記並列線に対し軸心線を平行に向けて配置して突出し、
上記左右隣り合うホルダーに副軸をそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記ホルダーに搭載した正逆回転モータに上記副軸を回転伝達可能に接続し、
上記副軸の外周面にクサビ状掘り残し部を掘削すべき補修用掘削羽根を突設した、
補修掘削型多軸掘削作業機を提案する。
【0007】
本発明における上記掘削作業主軸の「作業羽根」とは、プロペラ状羽根、1回転分のらせん羽根等の撹拌羽根、連続らせん羽根等の搬送羽根、ビットを有する羽根等の掘削羽根、これら羽根の複数種を備える複合羽根等を含む。
【0008】
また、上記「補修用掘削羽根」には、プロペラ状羽根、水車状羽根その他種々の構造の羽根が適宜選択的に使用される。
さらに、上記「モータ」は、油圧モータ、電動モータいずれであってもよい。
以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0009】
【実施例】
図1(イ)、(ロ)において、ベースマシン(1)の前端部に、支持材としてリーダマスト(2)の下端部を連結して垂直に起立支持し、該マスト(2)の前面に敷設されたガイドレール(3)、(3)に、モータおよび減速機を有する回転駆動部(4)をスライド金具(5)…を介して摺動自在に係合すると共にトップシーブブロック(6)から垂下したワイヤ(7)により昇降自在に支持し、この回転駆動部(4)の出力軸に、下部に撹拌羽根(9)…を、下端に掘削ヘッド(10)を有する2本の掘削撹拌主軸(8)、(8)を互に左右並列状態で回転伝達歯車列を介して主軸上端において接続し、両撹拌主軸(8)、(8)の掘削ヘッド(10)、(10)からわずか上の位置に掘り残し部補修掘削装置(A)を装着してある。
【0010】
上記補修掘削装置(A)の構造は次のようである。図2、3、4において、上記主軸(8)、(8)における各上下一対のフランジ(11)(11)、(11)(11)の間に支持リング(12)、(12)をブッシュ(13)を介してそれぞれ回転自在に被嵌し、該支持リング(12)、(12)から、上記主軸(8)、(8)の並列線(l)即ち両主軸(8)、(8)の中心を結ぶ線の両側方に向けて短い一対のアーム(14)(14)、(14)(14)をそれぞれ突出し、これらアームの先端にホルダー(15)、(15)を固定してある。上記ホルダー(15)は、図4に示すようにモータを収納すべき円筒状ケース(16)の両端面から副軸を支承すべき先端開口の円筒状軸受筒(17)、(17)を同一軸心線上に突出したもので、これらホルダー(15)…を同一水平面上において上記並列線(l)に対しその軸心線を平行に向けて配置してある。
【0011】
上記モータとして、本例では両端から出力軸(19)、(19)を突出する正逆回転油圧モータ(18)を使用し、これを各ケース(16)…内に、その出力軸(19)、(19)を軸受筒(17)、(17)内にのぞませた状態でそれぞれ収納してある。
【0012】
上記副軸のうち、クサビ状掘り残し部に対応する副軸(20)、(20)は、中空円形外軸(21)内にその内径よりも外径が小さく且それよりも長い内軸(22)を同心的に挿通固定し、両軸間両端部に環状溝を形成したもので、この副軸(20)、(20)を上記並列線(l)と平行に向けた状態で、左右隣り合うホルダー(15)、(15)の上記軸受筒(17)、(17)内に内軸(22)の両端部を回転自在に挿入して上記油圧モータ(18)、(18)の出力軸(19)、(19)と接続すると共に、上記軸受筒(17)、(17)の外周に外軸(21)の両端部を回転自在に被嵌支持させてある。このような副軸(20)、(20)の外周面に、クサビ状掘り残し部を掘削すべきプロペラ状補修用掘削羽根(23)…を突設してある。
【0013】
本例では、さらに、本機により掘られる連続孔の半円弧状両端部を方形に補助掘削する端部方形補助掘削手段として、中空円形外軸(21a)内にその内径よりも外径の小さい内軸(22a)を挿通固定してなる副軸(20a)、(20a)、(20a)、(20a)を上記並列線(l)と平行に向けた状態で、左右両端に位置する各ホルダー(15)…の各軸受筒(17)…内に内軸(22a)…の端部をそれぞれ挿入して油圧モータ(18)…の各出力軸(19)…と接続すると共に、上記軸受筒(17)…の外周に外軸(21a)…の端部をそれぞれ回転自在に被嵌支持させ、これら副軸(20a)…の外周面にプロペラ状の補助掘削羽根(23a)…をそれぞれ突設してある。
【0014】
(24)、(24)は上記油圧モータ(18)…への圧油供給管で、上記主軸(8)、(8)に沿って延長されるが、その途中において、該主軸(8)、(8)に回転自在に被嵌された支持リング(25)、(25)に支架された支持板(26)、(26)に保持されている。(27)は上記圧油供給管(24)、(24)と平行に延長された固化剤等の薬液供給管で、その吐出ノズルを補修用掘削羽根(23)…の上で開口させている。
【0015】
上例の作用を次に説明する。回転駆動部(4)の始動により2本の掘削撹拌主軸(8)、(8)を図2矢印方向へそれぞれ回転させ、次に地盤が粘土層の場合は、各油圧モータ(18)…の始動により並列線(l)を境に前側の副軸(20)、(20a)、(20a)と後側のそれ(20)、(20a)、(20a)を図4矢印方向にそれぞれ回転させて、地盤に掘削を開始すると、両主軸(8)、(8)の掘削ヘッド(10)、(10)で互に隣接する円形縦孔を掘削し、ついで掘削土塊を補助用掘削羽根(23)…、および補助掘削羽根(23a)…で破砕すると共に撹拌し、さらに撹拌羽根(9)…で撹拌し、それと共に円形縦孔の隣接部に残るクサビ状掘り残し部を両側の補修用掘削羽根(23)…、(23)…で上から下に切りこんで掘削し、それにより掘り残し部のない連続孔を形成すると共に、該連続孔の半円弧状両端部を両側の補助掘削羽根(23a)…、(23a)…により方形に掘削し、それにより横断面長方形の連続孔を形成する。
【0016】
地盤が砂層、礫層等の崩壊し易い地盤の場合は、2本の主軸(8)、(8)は掘削撹拌のため上例と同方向に回転させるが、前側の副軸(20)、(20a)、(20a)と後側の副軸(20)、(20a)、(20a)は各油圧モータ(18)…の油圧切換により上例と反対の方向へ回転させて、地盤に掘削を行うと、隣接する円形縦孔を掘削しつつ撹拌を行うと共に、クサビ状掘り残し部を補修用掘削羽根(23)…、(23)…で、半円弧状両端部を補修用掘削羽根(23a)…、(23a)…でそれぞれ下から上へ切りこんで掘削し、それにより崩壊の少い横断面長方形の連続孔を形成する。
【0017】
他の実施例として、上例における補修掘削装置(A)を上下に複数段設けて掘削撹拌効率を高めたものもえられる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の補修掘削型多軸掘削作業機は、掘削作業主軸の下部に回転自在に被嵌した支持リングから該掘削作業主軸の複数本並列線の両側にホルダーを同一水平面において上記並列線に対し軸心線を平行に向けて配置して突出し、該ホルダーに補修用掘削羽根を突設した副軸と補修用掘削羽根専用のモータを備えたから、掘削すべき地盤の性状が粘土層等の通常地盤か、砂層、礫層等の崩壊性地盤かに応じて該補修用掘削羽根の回転方向を変え、それにより掘り残し部の崩壊を最小限にとどめつつ掘削することができるものであり、しかも複数本の掘削作業主軸に回転自在に被嵌した支持リングにホルダーを介して補助用掘削羽根を有する副軸および副軸専用のモータを支持させたから、地中部分がそれほど嵩ばることもなく、有効な掘削を継続することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)補修掘削装置つき多軸掘削撹拌機の正面図である。
(ロ)同上側面図である。
【図2】補修掘削装置部分の拡大正面図である。
【図3】同上拡大側面図である。
【図4】図2のIV−IV線拡大半切断面図である。
【符号の説明】
2 リーダマスト
4 回転駆動部
8 掘削撹拌主軸
9 撹拌羽根
10 掘削ヘッド
12 支持リング
15 ホルダー
18 油圧モータ
20 副軸
23 補償用掘削羽根
l 並列線
Claims (1)
- 支持材に昇降自在に支持された回転駆動部に、作業羽根を軸外周に、掘削ヘッドを軸下端にそれぞれ有する掘削作業主軸の複数本を左右並列状態で接続して垂下してなる多軸掘削作業機において、
上記各掘削作業主軸の下部に支持リングをそれぞれ回転自在に被嵌すると共に、各支持リングから上記掘削作業主軸の複数本並列線の両側にホルダーを同一水平面において上記並列線に対し軸心線を平行に向けて配置して突出し、
上記左右隣り合うホルダーに副軸をそれぞれ回転自在に支持させると共に、上記ホルダーに搭載した正逆回転モータに上記副軸を回転伝達可能に接続し、
上記副軸の外周面にクサビ状掘り残し部を掘削すべき補修用掘削羽根を突設した、
補修掘削型多軸掘削作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02719595A JP4134288B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 補修掘削型多軸掘削作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02719595A JP4134288B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 補修掘削型多軸掘削作業機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199574A JPH08199574A (ja) | 1996-08-06 |
JP4134288B2 true JP4134288B2 (ja) | 2008-08-20 |
Family
ID=12214318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02719595A Expired - Lifetime JP4134288B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 補修掘削型多軸掘削作業機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4134288B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP02719595A patent/JP4134288B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08199574A (ja) | 1996-08-06 |
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