JP4133584B2 - 水耕栽培用の栽培トレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水耕栽培の手法に関するものであって、特に収穫効率の向上、作業負担の軽減を図ることのできる新規な水耕栽培用の栽培トレーに係るものである。
【0002】
【発明の背景】
例えば野菜類のいくつかの種類のものは、水耕ハウス栽培の手法が採られている。このようないわゆる管理農法においては、栽培管理それ自体の改善と共に限られた面積のハウス内を高効率に利用して育成すること、更には作業性の向上と、作業労力の軽減等をも併せ改良されてきている。
従来の水耕栽培方法としては、作物の幼苗を植えたポットをキャリアの開口にはめ、そのキャリアを養液を流したトラフの上部に取り付けて作物を移植し、そのトラフをトラフレーンの始発端から終着端まで所定の日数をかけて前進させて作物を成長させ、終着端において成熟した作物を収穫する水耕栽培方法があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで本出願人は、栽培トレーとして同一の複数の栽培トレーを培養液上に浮かべて幼苗を生長させることをしている。具体的には栽培トレーは、複数の栽培孔が開口された一種類のものを用い、発芽時には栽培孔に耕土を詰め、ここに種子を播いた後、水を散布し、そしてこの栽培トレーを複数枚重ねて合成樹脂製のシート等で覆い発芽させ、幼苗となった状態で培養液が供給された水槽に浮かべて生長させることを行っている。
なお、上述した発芽時に栽培トレーを重ねて発芽室内に放置するのは、載置スペースが少なく済むこともあるが、栽培床がすぐに乾燥してしまうことを防ぐ目的やある程度幼苗の生長を抑え、均一した生長の幼苗を得ることにある。
しかしながら、上記栽培トレーを重ねた際に、栽培孔の位置が上下の栽培トレーで重なるため、栽培孔の底からすぐに水が排出されてしまったり、耕土が流出してしまうという問題点があった。
因みに水面や培養液上に浮かべるタイプの栽培トレー等の植生体に関する発明については、幾つか存在するが(例えば、特許文献2、3参照)、水耕栽培方法自体も異なり、上述するような問題点を解決するような栽培トレーは存在しなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−303863号公報
【特許文献2】
特開平8−308408号公報(図1)
【特許文献3】
特開平8−322406号公報(図2)
【0005】
【開発を試みた技術的課題】
本発明もこのような開発の一環としてなされるものであって、上面から下面に貫通する複数の栽培孔を有した栽培トレーを用いて水耕栽培を行うにおいて、発芽工程時において栽培トレーを重ね置いた際に、栽培孔の位置が上下の栽培トレーで重なり、栽培孔の底からすぐに水が排出されてしまったり、耕土が流出してしまうことがないような水耕栽培用の栽培トレーの開発を試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の水耕栽培用の栽培トレーは、上面から下面に貫通する複数の栽培孔を有し、この栽培孔に耕土を詰めて栽培床を形成し、この栽培床に種子を播き、発芽させ、幼苗となった後、培養液上に浮かべて幼苗を生長させる水耕栽培に用いる栽培トレーであって、この栽培トレーの前後を逆向きにした場合において、その外周形状は同一形状を維持するように形成されるとともに、前記栽培孔は、その開口する位置が異なるように形成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、発芽工程において複数枚の栽培トレーを重ねて置いたときに、栽培孔の孔部に、下方に位置した栽培トレーの上面が当接するため、すぐに排水されてしまうことが防止されるとともに、耕土及び種子の流出も防がれる。因みに発芽工程において、栽培トレーを重ねることにより、幼苗の必要以上の生長を抑え、ほぼ均一に生長した幼苗を得ることができる。
【0007】
また請求項2記載の水耕栽培用の栽培トレーは、前記請求項1記載の要件に加え、前記栽培トレーを、その前後を逆向きにした場合おいて、前記栽培孔の開口する位置が異なるように前記栽培孔を開口させるにあたっては、栽培孔全体を前後左右いずれかに偏寄させて開口させたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、栽培トレーに対する栽培孔の全体位置によって栽培トレーの前後左右が判断しやすく、発芽工程時栽培トレーを前後を逆向きに重ねる際に、作業効率が向上する。
【0008】
また請求項3記載の水耕栽培用の栽培トレーは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記栽培トレーの前後左右を知るためのマーキングが、栽培トレーの所定の位置に形成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、マーキングが形成されているため、発芽工程時栽培トレーを前後を逆向きに重ねる際に、更に容易に前後の向きを判断でき、作業効率が向上するとともに、設置ミスが生じにくい。
【0009】
更にまた請求項4記載の水耕栽培用の栽培トレーは、前記請求項3記載の要件に加え、前記栽培トレーは矩形平板状をしており、いずれか一方の長辺の上面部に、前記マーキングの切り欠きが形成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、マーキングの切り欠きが形成されているため、発芽工程時栽培トレーを前後を逆向きに重ねる際に、更に容易に前後の向きを判断でき、作業効率が向上するとともに、設置ミスが生じにくい。更にまた栽培トレーが矩形平板状であることから育成棚等へより多くの栽培トレーを隙間を生じることなく、配置することができる。
【0010】
更に請求項5記載の水耕栽培用の栽培トレーは、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記栽培トレーの栽培孔はスリット孔であり、且つ比較的上面が広く開口され、下方に向かって穴が狭まるように形成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、上方から下方に向かって穴が狭まるように形成されているため、耕土がそのまま落下することが防がれる。またスリット孔であるため、栽培トレー上に対し栽培孔の面積を広く取ることができる。
【0011】
更にまた請求項6記載の水耕栽培用の栽培トレーは、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記培養液は育成棚の一端から他端に向かって流れが形成されるように供給されており、一方この育成棚に支持される栽培トレーは、複数枚が上流から順次下流に、培養液の流れに従って、前空き状態になった際に間詰め状に移動し、この移動期間において栽培床の幼苗を収穫状態にまで成長するように栽培することを特徴として成るものである。
この発明によれば、栽培トレーは培養液上を浮かんで培養液の流れにより移動されるため、常に隣接する栽培トレーは間を詰めた状態となり、整列させる手間が省ける。また栽培トレーの移動構成がコンベヤ等を用いない簡単な構造なため、低コストでの実施ができ、メンテナンスに要する経費も低く抑えることができる。また上述したように単に浮かべて流す構成であるため、育成棚が途中で動かなくなるようなことがほとんどなく、また何かにつかえて動かなくなったとしても棒等で突いて流れを促すことにより簡単に復旧できる。従って従来のハウス内に設けられていた整備・メンテナンス用の作業路を少なくすることができ、逆に水耕栽培面積を広くすることができる。更に育成棚の一端側で収穫できるため、収穫作業の労力が軽減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。なお以下の説明にあたっては、まず水耕栽培装置を含んだ水耕栽培システムの大略について説明し、次いで水耕栽培装置1の全体の説明とともに本発明に係る栽培トレーの説明を行い、その後、この水耕栽培装置1の作動態様の説明と併せて本発明に係る栽培トレーの使用態様について説明する。なお水耕栽培される作物Aとしては、例えばルッコラ、コスレタス、グリーンリープ等の野菜の葉の他、その他主にハウス栽培される花、枝、茎等も含むものである。
【0013】
まず水耕栽培システムの大略について図2に基づき説明する。この水耕栽培システムによる作業手順としては、最初に図2(a)に示されるような栽培トレー2への耕土詰め工程がある。この栽培トレー2への耕土S詰めが終了した後、図2(b)に示されるような耕土S詰めがなされた栽培トレー2の消毒工程があり、この工程により、耕土S詰めされた栽培床3と栽培トレー2の消毒がなされる。次に図2(c)に示されるように栽培トレー2の栽培床3への藩種工程があるものであり、その後、水Wを散布する水やり工程を経て(図2(d)参照)、発芽工程にて発芽されるのを待つ(図2(e)参照)。そして発芽がなされた幼苗A2を、図2(f)に示されるように栽培トレー2ごと水耕栽培装置1の上流側に載置する。この栽培トレー2は三週間〜四週間の水耕栽培を経て下流端から取り出され、図2(g)に示されるような収穫装置6によって上方の葉A3の部分の収穫が行われる。
【0014】
水耕栽培システムは大略、以上のような栽培手順を採るものであって、次にこの水耕栽培システムに用いられる水耕栽培装置1について説明する。
水耕栽培装置1は、栽培床3を保持し、且つ培養液10Lに対して充分な浮力を有する本発明に係る栽培トレー2と、この栽培トレー2を多数支持し、培養液10Lが供給される育成棚10とを具えて成る。
【0015】
まず前記本発明に係る栽培トレー2について詳細に説明する。本実施の形態では、図3、4に示されるように、一例として発泡スチロール等で縦約60cm、横約30cmの矩形平板状に形成されたものであり、上面から下面に貫通する栽培床3を形成するためのスリット孔である栽培孔21が、3列で10個ずつ合計30の栽培孔21が等間隔で形成されている。なお栽培トレー2の材質としては、本実施の形態では発泡性合成樹脂を用いるものであるが、培養液10Lに対して充分な浮力を有するものであれば種々の材質及び構造の浮力体を用いることが可能である。前記栽培孔21は、上面が広く開口され、図3の拡大図に示されるように、下方に向かって穴が狭まるように形成されている。また本実施例の特徴として栽培トレー2の長辺の右辺と栽培孔21との間は狭い狭縁部22とされ、左辺と栽培孔21との間は広く形成された広縁部23とされている(図4(a)参照)。このような構成とするのは、発芽工程で栽培トレー2を重ねて載置する際に、図5に示されるように栽培トレー2の前後の向きを上下の栽培トレー2で逆とすることにより、上下の栽培トレー2の栽培孔21が重ならないようにするためであり、これにより耕土S詰めされた栽培床3や、水やり工程での水Wが、下方に流出しにくいようにするとともに、発芽された作物Aの成長を必要以上に大きくなりすぎないように抑制する働きも有している。
また更に広縁部23側の上面には、マーキングMの一例たる切り欠き23aが形成されており、この切り欠き23aによって栽培トレー2の上面と下面、及び前後が即座に判断することが可能となっている。なお栽培トレー2の前後は、本明細書で説明のために便宜的に図4(a)中、左辺を前辺とし、右辺を後辺とするが、現実には図1に示されるような実際の水耕栽培時には、長辺のどちらを前後として用いることも可能である。
【0016】
次に前記育成棚10について説明する。育成棚10は、一例としてハウス内等に設けられるものであり、図1に示されるように培養液10Lが供給されるトラフ状のものが適用される。そして育成棚10は、長手方向に傾斜させられているものであって、一例として40mで50cm下る程度の傾斜に設定されている。また育成棚10は、仕切壁11により長手方向に複数列に仕切られている。育成棚10の上流には、培養液10Lの供給管12が設けられ、この供給管12の噴出口12aから培養液10Lが育成棚10に供給される。また育成棚10の上流及び下流には、排水溝13F、13Bがある。なお本実施の形態では、一例として図6に示されるように培養液10Lの循環経路14が設けられるものであり、下流側から排出された培養液10Lが、ポンプPを介して上流側に送られ、供給管12から供給されるように構成されている。なお循環経路14中には図示を省略する浄化や養分の混合PH調整等を行う培養液調整用の装置が設けられ、循環される培養液10Lを栽培に適した成分状態とするものである。
因みに図示の装置にあっては一例として図7に示されるように、ハウス内に幅の広い水耕栽培装置1を四基設け、その四基の水耕栽培装置1の間を作業路Rとした実施の形態を示したが、このように従来に比べて作業路Rを少なくできるのは、自動的に栽培トレー2が育成棚10の下流端部に移動し、食物が栽培されるためである。因みに図14は従来の水耕栽培装置1′の設置態様と作業路R′の関係を示す平面図であり、幅の狭い水耕栽培装置1′の両脇に作業路R′を必要としているものである。
【0017】
本発明の水耕栽培用の栽培トレー2及びこれが用いられる水耕栽培装置1の一例は以上のような具体的形態を有するものであって、以下この作動態様を説明しながら併せて本発明たる水耕栽培用の栽培トレーの作用態様について説明する。
(1)トレー耕土詰め工程(図2(a)参照)
まず栽培トレー2に耕土S詰めを行い、食物の種子A1を植えるための栽培床3を形成するものであるが、このとき栽培トレー2が下方に向かって先窄まりの形状をしているため、耕土Sが落下しないとともに水やり工程での水Wの落下も防ぎ、培養液10Lの吸水性も有している。
【0018】
(2)耕土詰めトレー消毒工程(図2(b)参照)
次に耕土S詰めされた栽培トレー2を消毒する。この消毒は、消毒室の棚4に所定時間前記耕土S詰めされた栽培トレー2を載置し、加熱消毒を行うものである。
【0019】
(3)藩種工程、水やり工程(図2(c)(d)参照)
消毒された栽培トレー2の栽培床3に食物の種子A1をほぼ均等に藩種し、水Wを散布する。
【0020】
(4)発芽工程(図2(e)参照)
栽培トレー2の切り欠き23aを目印として、図5に示されるように上下に位置する栽培トレー2で、前後が逆向きとなるようにして栽培トレー2を複数段に重ね、更に早期の水分の蒸発を防ぐため合成樹脂製のシート7等で包んだ状態で発芽室5に載置する。このとき重ねられた栽培トレー2は、上下の栽培トレー2で狭縁部22と広縁部23の位置が前後逆であるため、上下の栽培トレー2で栽培孔21が重ならず、下方の栽培トレー2で栽培床3の底部が支承され耕土Sが崩れ落ちたり、水Wが短時間の内に排水されて乾燥されてしまうのが防止される。また発芽した種子A1も上方の栽培トレー2で蓋をされた状態であるため、必要以上に成長してしまうことが防がれる。
【0021】
(5)水耕栽培工程(図1、図2(f)、図6参照)
次に水耕栽培装置1での水耕栽培の態様について説明する。四週程度で収穫できる作物の場合を例にとると、図6に示されるように育成棚10内の栽培トレー2は、成長段階によって一例として4ブロックに区分されるもので、下流の符号4Wで示す育成棚10が水耕栽培四週目のものであり、3Wが三週目、2Wが二週目、そして1Wが一週目であり、四週目はほぼ収穫の時期となっており、逆に一週目の育成棚10のものはほとんど葉が成長していない状態である。
そして下流端側の先端の栽培トレー2上の作物Aが収穫時期まで成長したなら育成棚10から取り出し、収穫を行う。育成棚10は、緩やかに傾斜されているため、取り出された栽培トレー2の後方の栽培トレー2は、培養液10Lの流れに乗って下流側に流れ、先端の栽培トレー2は育成棚10の前面壁に当接して止まり、その後方の栽培トレー2は、培養液10Lの流れによって常時間詰め状態に前方の栽培トレー2に当接して整列されるものである。一方、育成棚10の上流側には発芽室5で種子A1が発芽した栽培トレー2を、水耕栽培装置1の育成棚10の上流端側に浮かべるように載置する。
【0022】
(6)収穫工程(図2(g)参照)
次に収穫工程について説明する。要は収穫工程は、栽培された作物Aの上方の葉A3を刈り取るものであるが、本実施の形態では、図2(g)に示されるような収穫装置6を用いる。このものの大略として栽培トレー2を移送する栽培トレー移送コンベヤ60と、この栽培トレー移送コンベヤ60の途中の上方に設けられる刈刃61と、刈られた葉A3を移送する被収穫物移送コンベヤ62とを具えて成る。
このものを用いて収穫を行うにあたっては、作物Aが生育した栽培トレー2を栽培トレー移送コンベヤ60に載置する。栽培トレー移送コンベヤ60により栽培トレー2は、刈刃61に向かって前進し、刈刃61が作物Aに当接して葉A3が刈り取られる。刈り取られた葉A3は被収穫物移送コンベヤ62上へ送風機63により吹き飛ばされ、被収穫物移送コンベヤ62に移送されて終端にある収容箱64内に投入される。一方上方の葉A3が刈り取られた栽培トレー2は、そのまま栽培トレー移送コンベヤ60終端まで移送される。
そして収穫された栽培トレー2は残った作物A及び栽培床3を取り除かれ、洗浄されて再度使用される。
【0023】
【他の実施の形態】
本発明の基本的な実施の形態は以上のようであるが、その他種々の改変が行い得る。
例えば栽培トレー2の側端部は、図8に示すように円弧状に形成しておき、育成棚10との摩擦をなるべく少なくなるように構成することも可能である。
【0024】
また各栽培トレー2の前後を逆向きにして重ね合わせたときに、外周寸法は同一であり、前記栽培孔21の位置は上下に位置する栽培トレー2で重ならないよう前記栽培孔21を開口するにあたっては、前記基本的な実施の形態で示したように、栽培孔21全体を前方へ偏寄して開口する他、後方へ偏寄し開口してもよいし、栽培孔21の形態によっては、図9に示されるようにこれと直交する短辺側に偏寄させて開口してもよい。
【0025】
また栽培トレー2の前後左右に栽培孔21を偏寄させて開口する他、図10に示されるように、栽培孔21を千鳥状に配置するなどして栽培トレー2を前後逆としたときに上下の栽培トレー2で栽培孔21が重ならないようにすることが可能である。
【0026】
また栽培トレー2のマーキングMは、より認識が容易となるように、図11(a)に示されるように一辺を裾広がりの波状となるように形成してもよいし、図11(b)に示されるように切り欠き23aに対して更に他とは異なる着色25を施してもよいし、切り欠き23aは設けず着色25だけのマーキングMとしてもよい。
【0027】
また栽培トレー2は、平面視で、矩形状に形成する他、平面視で正方形、多角形(図12参照)、円形及び楕円形等で形成してあっても構わない。
【0028】
また栽培トレー2の主要部分の材質を浮力の少ない部材で構成する場合には、図13に示されるように空気等が充填された浮力体26を具えるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培トレー2は同一形状であり、各栽培トレー2の前後を逆向きにして重ね合わせたときに、外周寸法は同一であり、前記栽培孔21の位置は上下に位置する栽培トレー2で重ならないよう前記栽培孔21が開口されているため、発芽工程において散水された水Wがすぐに排水されてしまうことが防止されるとともに、耕土S及び種子A1の流出も防がれる。因みに発芽工程において、栽培トレー2を重ねることにより、幼苗A2の必要以上の生長を抑え、ほぼ均一に生長した幼苗A2を得ることができる。
【0030】
また請求項2記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培孔21の位置が上下に位置する栽培トレー2で重ならないよう前記栽培孔21を開口するにあたって、栽培孔21全体を前後左右いずれかに偏寄して開口したため、栽培トレー2に対する栽培孔21の全体位置によって栽培トレー2の前後左右が判断しやすく、発芽工程時栽培トレー2を前後を逆向きに重ねる際に、作業効率が向上する。
【0031】
更に請求項3記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培トレー2の前後左右を知るためのマーキングMが形成されているため、発芽工程時栽培トレー2を前後を逆向きに重ねる際に、更に容易に前後の向きを判断でき、作業効率が向上するとともに、設置ミスが生じにくい。
【0032】
更にまた請求項4記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培トレー2は矩形平板状であり、且つマーキングの切り欠きが形成されているため、発芽工程時栽培トレー2を前後を逆向きに重ねる際に、更に容易に前後の向きを判断でき、作業効率が向上するとともに、設置ミスが生じにくい。更にまた栽培トレーが矩形平板状であることから育成棚10等へより多くの栽培トレー2を隙間を生じることなく、配置することができる。
【0033】
更にまた請求項5記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培トレー2の栽培孔21は上方から下方に向かって穴が狭まるように形成されているため、耕土Sがそのまま落下することが防がれる。またスリット孔であるため、栽培トレー2上に対し栽培孔21の面積を広く取ることができる。
【0034】
更にまた請求項6記載の水耕栽培用の栽培トレーによれば、栽培トレー2は培養液10L上を浮かんで培養液10Lの流れにより移動されるため、常に隣接する栽培トレー2は間を詰めた状態となり、整列させる手間が省ける。また栽培トレー2の移動構成がコンベヤ等を用いない簡単な構造なため、低コストでの実施ができ、メンテナンスに要する経費も低く抑えることができる。また上述したように単に浮かべて流す構成であるため、育成棚10が途中で動かなくなるようなことがほとんどなく、また何かにつかえて動かなくなったとしても棒等で突いて流れを促すことにより簡単に復旧できる。従って従来のハウス内に設けられていた整備・メンテナンス用の作業路を少なくすることができ、逆に水耕栽培面積を広くすることができる。更に育成棚10の一端側で収穫できるため、収穫作業の労力が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水耕栽培装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】 水耕栽培システムの大略を段階的に示す説明図である。
【図3】 本発明の水耕栽培用の栽培トレーを一部破断して示す斜視図である。
【図4】 同上平面図並びに側面図である。
【図5】 発芽工程における栽培トレーを複数枚積み重ねた状態を示す縦断側面図である。
【図6】 水耕栽培装置における循環経路を模式的に示す縦断側面図である。
【図7】 水耕栽培装置の設置態様を示す平面図である。
【図8】 本発明の栽培トレーの側端部を円弧状に形成した他の実施形態を示す縦断側面図である。
【図9】 栽培孔の形状と偏寄させる方向を異ならせた他の実施の形態を示す平面図である。
【図10】 栽培孔を千鳥状に配置した実施の形態を示す平面図である。
【図11】 マーキングの構成を異ならせた他の二種の実施の形態を示す平面図並びに側面図である。
【図12】 栽培トレーの平面形状を異ならせた他の実施の形態を示す平面図である。
【図13】 栽培トレーに浮力体を設けた実施の形態を示す側面図である。
【図14】 従来の水耕栽培装置の設置態様の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 水耕栽培装置
2 栽培トレー
3 栽培床
4 棚
5 発芽室
6 収穫装置
7 シート
10 育成棚
10L 培養液
11 仕切壁
12 供給管
12a 噴出口
13F 排水溝
13B 排水溝
14 循環経路
21 栽培孔
22 狭縁部
23 広縁部
23a 切り欠き
25 着色
26 浮力体
60 栽培トレー移送コンベヤ
61 刈刃
62 被収穫物移送コンベヤ
63 送風機
64 収容箱
A 作物
A1 種子
A2 幼苗
A3 葉
M マーキング
P ポンプ
R 作業路
S 耕土
W 水
Claims (6)
- 上面から下面に貫通する複数の栽培孔を有し、この栽培孔に耕土を詰めて栽培床を形成し、この栽培床に種子を播き、発芽させ、幼苗となった後、培養液上に浮かべて幼苗を生長させる水耕栽培に用いる栽培トレーであって、この栽培トレーの前後を逆向きにした場合において、その外周形状は同一形状を維持するように形成されるとともに、前記栽培孔は、その開口する位置が異なるように形成されていることを特徴とする水耕栽培用の栽培トレー。
- 前記栽培トレーを、その前後を逆向きにした場合おいて、前記栽培孔の開口する位置が異なるように前記栽培孔を開口させるにあたっては、栽培孔全体を前後左右いずれかに偏寄させて開口させたことを特徴とする請求項1記載の水耕栽培用の栽培トレー。
- 前記栽培トレーの前後左右を知るためのマーキングが、栽培トレーの所定の位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の水耕栽培用の栽培トレー。
- 前記栽培トレーは矩形平板状をしており、いずれか一方の長辺の上面部に、前記マーキングの切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項3記載の水耕栽培用の栽培トレー。
- 前記栽培トレーの栽培孔はスリット孔であり、且つ比較的上面が広く開口され、下方に向かって穴が狭まるように形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の水耕栽培用の栽培トレー。
- 前記培養液は育成棚の一端から他端に向かって流れが形成されるように供給されており、一方この育成棚に支持される栽培トレーは、複数枚が上流から順次下流に、培養液の流れに従って、前空き状態になった際に間詰め状に移動し、この移動期間において栽培床の幼苗を収穫状態にまで成長するように栽培することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の水耕栽培用の栽培トレー。
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JP2004344088A (ja) | 2004-12-09 |
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