JP4133254B2 - 塗装ブースの給気口調整構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井側の空気の給気口から排気面となる床に向けて送風した状態で塗装を行わせる塗装ブースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
文献1又は文献2によれば、塗装品質の確保のために、塗装ブースの天井に排気面に対応した広さにわたりフィルタ又は整流板を配置してブース内全域の下向きの気流速度を均一化させる塗装ブースが提案されている。また、文献3によれば、同様に塗装品質の確保のために、周辺の流速を塗装対象物に向かう流速よりも大きくするように、天井のフィルタに風向変更部を設けた塗装ブースも提案されている。
【特許文献1】
特開平07−144162号公報
【特許文献2】
特開平07−178360号公報
【特許文献3】
特開2002−159897号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの塗装ブースはいずれもその内部に所望の流速分布を形成することを前提にしたもので、塗装対象物及び塗装装置の外形構造が変更される場合に、実際に必要な所望の流速分布範囲も対応して変化する点は意識されていない。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、排気面に対する給気面の広さの割合は、有機溶剤濃度の低減上で制約されるのを前提に、送風エネルギを節約するために、所要の範囲内で気流速度の分布を乱すことなく、給気面の広さを調整可能にする塗装ブースの給気口調整構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、天井側の空気の給気口から排気面となる床に向けて送風した状態で塗装を行わせる塗装ブースにおいて、互いの重なり量によって上側端部及び下側端部間の幅を調整可能にする2枚のプレート(11,12)で構成される気流遮蔽体(10)が、ブースコーナ部を構成するように、それぞれ斜めに両側に配置されると共に、両側の上側端部間が給気口(8)を構成し、上側端部が、天井側に間隔を置いて架設されたフレーム(19b)に側方へ位置調整可能に取付けられたヒンジ(13)により支持され、下側端部が、ブース壁側に上下方向へ位置調整可能に設けられたヒンジ(23)により支持されたことを特徴とする。
【0006】
遮蔽体(10)の上側端部は、塗装対象物もしくは塗装装置の外形構造に対応する範囲内で所望の流速分布が得られ、かつ給気面をなるべく小さくするように、側方へ位置調整して給気口(8)の幅が設定される。その際、遮蔽体(10)の上側端部及び下側端部間の幅も同時に調整される。さらに、流速分布の微調整或いは塗装装置との干渉の回避のために、必要により、遮蔽体(10)の下側端部も位置調整して傾斜角を可変する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を基に本発明の実施の形態の一例による塗装ブースの給気口調整構造を説明する。塗装ブース1は車両塗装用であり、塗装ブースの前後壁に、搬送路2で搬送されてくる塗装対象物である車両9の出入口が設けられると共に、天井側の空気の給気口8から送風され、排気面となる簾の子床3及び下方へ離間した排気ダクト4から排気される。搬送路2を挟んだ横方向両側には、車両の上面及び側面上方領域の塗装用の塗装ロボット5及び側面下方領域の塗装用の塗装装置6が配置されている
【0008】
給気口8の両側には、平坦面状の気流遮蔽体10がそれぞれ斜めに配置されて、ブースコーナ部を構成している。この気流遮蔽体は、互いの重なり量によって上側端部及び下側端部間の幅、即ち斜め方向の幅を調整可能にする2枚のプレート11,12で構成されると共に、これらの四方にはヒンジ13、23が取付けられている。プレート11には長溝状のボルト挿通溝14が形成され、プレート12からボルト15が挿入されている。
【0009】
塗装ブース1の両側にはフレーム19が架設され、その天井側に前後方向に送風用に間隔を置いて配置された水平方向のフレーム部分19bには、側方へ延びる長溝状ボルト挿通溝19cが形成されている。垂直方向のフレーム部分19aには、上下方向へ延びる長溝状のボルト挿通溝19dが形成されている。これらのボルト挿通溝19c,19dに、ボルト16を挿通させてヒンジ13、23がナット16aでフレーム部分19a,19bに固定される。
【0010】
これにより、気流遮蔽体10は塗装ロボット5及び塗装装置6の上方位置を占めている。一方、ブース1の前後方向の幅は、車両の前後幅が車種により横幅よりも大きく変動するために、余裕を持って大型の車両に対応した幅に設定されており、気流遮蔽体は敢えて配置されていない。
【0011】
このように構成された塗装ブースの給気口調整構造は、図1に示す状態で、給気面となる給気口8の横幅は例えば4m、その両側の気流遮蔽体10の平面視での横幅はそれぞれ1mであり、排気面即ち、簾の子床3の横幅6mに対して有機溶剤の規制上の条件である割合値2/3以上の最低限界に設定されている。また、気流遮蔽体10の傾斜角θは30°に設定されている。因みに、この角度を小さくすると急激な拡散でコーナ部分に乱流を生じ易くなり、同様に車両9を囲む流速分布を乱す傾向が生じる。この角度を大きくするのは、塗装ロボット5との干渉の点で制限される。
【0012】
車両9が搬入されて塗装装置5、6により塗装される状態で、天井側の送風ダクトから圧送される空気は給気口8から下方へ向けて送風されると共に、給気口8を通過した直後に側方へも拡散し、その際塗装ロボット5の内側に沿って下向きの所定流速の気流が生じるように、気流がプレート11,12で緩やかに偏向される。このように、給気面が、有機溶剤予防の限界内で所望の流速分布を確保できる最小横幅に設定されることにより、送風エネルギは排気面と略同程度の横幅に設定した場合に較べて、塗装ブース1の容積減少により数十%程度削減されることが確認されている。
【0013】
塗装ロボット5の交換で外形構造が大きくなる等により、車両周囲の気流分布が変動する可能性が生じた場合には、塗装ロボットの外形構造及びそのアームの動作範囲並びに車両の外形構造等を入力条件として、気流分布のシュミレーションソフトにより、車両9を囲む必要範囲に、下向きの所望の流速分布を確保するように給気口8の横幅及び気流遮蔽体10の傾斜角θを解析する。
【0014】
その解析結果に応じて、上端側のヒンジ13のナット16aを緩めて、ボルト16をボルト挿通溝19cに沿って横方向外側へ移動させて締付けると共に、重なったプレート11、12の幅もナット15aを緩めて、ボルト15をボルト挿通溝14に沿って移動させて締付ける。傾斜角θも調整すべき場合は、ヒンジ23の上下位置を、同様にボルト15をボルト挿通溝19dに沿って位置調整して固定する。給気口8の側端部分では、フレーム部分19b間の隙間から送風される。
【0015】
調整後の気流分布は試験で確認することができる。また、シュミレーションソフトに依る解析に依存することなく、給気口8の幅を許容範囲で最小にするように設定し、必要により傾斜角θも設定して必要範囲で下向きの所望の流速分布が確保されるように試験で確認しつつ調整することもできる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、気流遮蔽体が2枚のプレートで構成されて、ヒンジで支持された上側端部が側方へ位置調整されて給気口の幅が設定され、ヒンジで支持された下側端部も上下方向へ位置調整され、その際傾斜角も調整できることにより、ブース内に設置される装置或いは塗装対象物の外形構造の変動に応じて、必要な範囲で気流速度分布を確保して給気面を有機溶剤予防の限界内で最小に調整することにより、塗装品質の安定化を図りつつ送風の省エネルギが可能となる。
【0017】
請求項2の発明によれば、車両等の塗装対象物の搬送方向に対して両側に塗装装置が配置された塗装ブースにおいも、気流遮蔽体が両側のブースコーナ部に配置されることにより、塗装装置の外部構造の変更に対応して、所望の気流速度分布を確保して省エネルギが適宜設定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による塗装ブースの給気口調整構造の部分的に断面にした正面図である。
【図2】 同給気口調整構造の気流遮蔽体の側面図である。
【符号の説明】
1 塗装ブース
3 簾の子床
5 塗装ロボット
6 塗装装置
8 給気口
9 車両
10 気流遮蔽体
11,12 プレート
13,23 ヒンジ
14,19c,19d ボルト挿通溝
15,16 ボルト
19 フレーム
Claims (2)
- 天井側の空気の給気口から排気面となる床に向けて送風した状態で塗装を行わせる塗装ブースにおいて、
互いの重なり量によって上側端部及び下側端部間の幅を調整可能にする2枚のプレートで構成される気流遮蔽体が、ブースコーナ部を構成するように、それぞれ斜めに両側に配置されると共に、両側の前記上側端部間が給気口を構成し、
前記上側端部が、天井側に間隔を置いて架設されたフレームに側方へ位置調整可能に取付けられたヒンジにより支持され、前記下側端部が、ブース壁側に上下方向へ位置調整可能に設けられたヒンジにより支持されたことを特徴とする塗装ブースの給気口調整構造。 - 塗装ブースの前後壁に、搬送されてくる塗装対象物の出入口が設けられると共に、搬送方向に対して両側に配置された気流遮蔽体の下方に、前記塗装対象物を挟んで塗装装置がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1記載の塗装ブースの給気口調整構造。
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