JP4133128B2 - 空気清浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄装置に関するものである。更に詳しくは、ケーシング本体にファンを取付固定された空気清浄装置のファンとケーシング本体間の防振性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気清浄装置を構成する主部材であるファンは加振源であるため、空気清浄装置のケーシング本体にファンを取付固定した際に、振動が伝わる問題がある。
一般的にファンの振動を防止する手段としては、特開平5−168188号公報に開示されるように、ファンケースにモータを固定したモータ取付板をネジで固定する際に、前記モータ取付板と前記ファンケースとの間に防振ゴムを挟む方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる特開平5−168188号公報による方法は、防振ゴムによりある程度の振動は防止できるものの、ファンの振動がネジを介してケーシング本体へ伝達されてしまうので、より優れた防振対策が必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気清浄装置は、前記課題を解決するべく、ネジ等の振動伝達体を介さないでファンを固定することで、前記従来技術の不都合を解消しようとするもので、請求項1記載の通り、ケーシング本体にファンを取付固定された空気清浄装置であって、前記ファンをファンベースに締め付け固定した状態で、該ファンベースの周縁部を、断面コ字状のリング状防振パッキンの断面コ字状部に挿入し、前記防振パッキンを介して前記ケーシング本体と防振プレートで挟み込んだ状態で、前記ケーシングに固定したことを特徴とする。
また、請求項2記載の空気清浄装置は、請求項1記載の空気清浄装置において、前記ファンを、その周縁部を防振パッキンを介装させて前記ファンベースに締め付け固定するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の空気清浄装置としては、送風機、フィルタを内蔵した構造のものであれば全て含まれ、特に限定されるものではない。
【0006】
前記空気清浄装置のファンとしては、シロッコファン、斜流ファン、遠心ファン、軸流ファン等の全てが含まれ、特に限定されるものではない。
【0007】
前記ファンベースは、ファンを固定するためのものであり、従来通りネジなどで固定しても構わない。また、防振のため、ファンとファンベースの間に防振パッキンを介装することは任意である。
【0008】
前記ケーシング本体と防振プレートの間に介装される防振パッキンとしては、ファンベースの表裏側の、前記ケーシング本体側と前記防振プレート側とに別々に介装される平板状のものを2枚用いるようにしてもよい。また、前記ファンベースの厚み分だけ挿入部を形成するように、断面コ字状に加工して、一体化したものでもよい。
【0009】
【実施例】
次に、本発明の空気清浄装置の具体的実施例について説明する。
図1は本発明の空気清浄装置の一実施例のファンフィルタユニットの断面図、図2は図1の要部A拡大図である。
図中、1はファンフィルタユニット(以下FFUと称す)、2はファン部、3はフィルタ部、4は前記ファン部2に収容された軸流ファンを示し、前記ファンフィルタユニット1は、ファン部2とフィルタ部3を2段に積層し、ボルトで締め付け固定されている。
また、図中、5は前記軸流ファン4を固定するための、アルミニウム製の厚さ1mmのファンベース、6は前記ファンベース5をケーシング本体7に固定するためのアルミニウム製の厚さ1mm、サイズ200mmφの防振プレート、8はボルト、9はポップナット、10はEPDM製の厚さ5mmのリング状防振パッキン、11はボルト、12はナット、13、14はEPDM製の厚さ2mmのリング状防振パッキンを示す。
前記防振パッキン10は、図3(a)、(b)に示すように、断面コ字状に形成され、ファンベース5の周端部5aを挿入できるようになっている。
また、前記防振パッキン13、14は円板状に形成され、ファン4の周端部4aの表裏側にそれぞれ介装できるようになっている。
【0010】
次に、前記空気清浄装置の要部の組み立てについて説明する。
まず、前記軸流ファン4の周縁部4aを、前記ボルト11と前記ナット12により、前記防振パッキン13、14を介装させて前記ファンベース5に締め付け固定する。
次に、前記ファンベースの周端部5aを前記ボルト8と前記ポップナット9により前記防振パッキン6を介装させて前記ケーシング本体7に締め付け固定する。
【0011】
次に、本発明のファンフィルタユニットの実施例装置と、従来のリング状防振パッキンを使用して、ボルト・ナットによりファンの周縁部をケーシング本体に締め付け固定する従来例と、従来のリング状防振パッキンも使用しないでボルト・ナットによりファンの周縁部をケーシング本体に締め付け固定する参考例とについて、図4に示す各測定点Mにおける振動加速度を振動計にて計測した。
尚、測定モードはRMS(実効値)とし、天面及び側面の測定値の平均を振動加速度測定結果として表1に示した。
【0012】
【表1】
Figure 0004133128
【0013】
表1によれば、参考例では、測定位置の天面で0.280、側面で0.180とかなり高い振動加速度を示し、防振性が不十分であり、従来例では、測定位置の天面で0.115、側面で0.064とまだ高い振動加速度を示し、防振性は不十分である。これに対して、実施例では、測定位置の天面で0.056、側面で0.040となり、かなり低い値を示し、防振性は十分である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、ファンをファンベースに締め付け固定した状態で、該ファンベースの周縁を、防振パッキンを介して前記ケーシング本体と防振プレートで挟み込んだ状態で、前記ケーシングに固定することで、ネジ等の振動伝達体を介さないでファンを固定するようにしたため、従来不十分であった防振性を向上し、高い防振性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空気清浄装置の一実施例の薄型ファンフィルタユニットの断面図である。
【図2】 図1の要部A拡大図である。
【図3】 (a)前記実施例で使用して防振パッキンの斜視図、(b)(a)のIII−III線拡大断面図
【図4】 振動加速度の測定点を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【符号の説明】
1 ファンフィルタユニット
2 ファン部
3 フィルタ部
4 (軸流)ファン
4aファン周縁部
5 ファンベース
5aファンベース周端部
6 防振プレート
7 ケーシング本体
8 ボルト
9 ポップナット
10 防振パッキン
11 ボルト
12 ナット
13 防振パッキン
14 防振パッキン
M 測定点

Claims (2)

  1. ケーシング本体にファンを取付固定された空気清浄装置であって、前記ファンをファンベースに締め付け固定した状態で、該ファンベースの周縁部を、断面コ字状のリング状防振パッキンの断面コ字状部に挿入し、前記防振パッキンを介して前記ケーシング本体と防振プレートで挟み込んだ状態で、前記ケーシングに固定したことを特徴とする空気清浄装置。
  2. 前記ファンを、その周縁部を防振パッキンを介装させて前記ファンベースに締め付け固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
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