JP4132985B2 - ゴムホースの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴムホースの製法に関する。さらに詳しくは、自動車などに使用される、たとえば冷媒の輸送に用いられるゴムホースの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーエアコン用の冷媒ガスやコンタクトフリーザー用の冷媒ガスの輸送などに用いられる複合フレキシブルホースは、通常、図2に示すように、内側から順に合成樹脂製内管101、接着剤層105、中間ゴム層102、繊維補強層103および外面ゴム層104を積層して形成されている(特開平1−110143号参照)。最内層の合成樹脂製内管101は、冷媒ガスの透過に対するバリア性を確保するためのものであり、ポリアミド樹脂が一般的に使用されている。
【0003】
しかし最近では、冷媒加圧用コンプレッサーの振動がボディーに伝わることによるノイズの低減が求められることから、ホースの柔軟性を重要視し、最内層の樹脂層を除いたホースが提案されている(例えば、特許第3060463号、特許第2672841号参照)。さらに、樹脂層を省略したことから最内層となるゴム層(内面ゴム層)のガスバリア性を向上させるため、例えば内面ゴム層として鱗片状の充填剤を添加したIIR系ゴムを用いた、冷媒R134a用の低ガス透過ゴムホース(特開平10−47552号参照)の使用も提案されている。
【0004】
しかしながら、世界的な地球温暖化防止を目的として更なる低ガス透過仕様のホースが求められている。
【0005】
また、ホースの製造工程において、内面ゴム層を形成するため未加硫のゴムチューブを押し出したのちドラムに巻き取る工程があるため、未加硫ゴムチューブ間の密着を防止する目的で防着剤が使用されている。防着剤としては、一般的には界面活性剤と高級脂肪酸を水に分散させたものが使用されているが、単に密着を防止する効果しか持たないにもかかわらずコストが高い問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ホースの柔軟性を損なうことなく、ガスバリア性をさらに向上させるとともに、製造時における未加硫ゴムの密着を安価に防止することによりコストを低減したゴムホースの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、最内層の内面ゴム層と、その外層の樹脂層と、その外層の繊維補強層と、その外層の外面ゴム層とからなるゴムホースを製造する方法であって、押出成形により前記内面ゴム層を成形したのち、その外面に変性PVA系樹脂を塗布し乾燥させて前記樹脂層を形成した後、防着剤を塗布することなく巻取り、その後に前記繊維補強層および前記外面ゴム層を形成することを特徴とするゴムホースの製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係るゴムホースの製造方法を説明する。
【0015】
図1は本発明方法により製造されたゴムホースの一実施の形態を示す一部切欠斜視図である。
【0016】
このゴム組成物を原料とし、マンドレルを用いて押出成形により通常0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜3.5mmの厚さになるように内面ゴム層2を成形する。内面ゴム層2の厚さが薄いとガスバリア性が低下する傾向があり、厚いと可撓性が低下する傾向がある。
【0017】
そして、内面ゴム層1成形直後にその外面に直接、例えば水分散性に優れ比較的安価な変性PVA系樹脂のエマルジョンを塗布し、これを乾燥させることにより樹脂層3を形成する。乾燥後の変性PVA系樹脂の塗膜が未加硫ゴムチューブ(内面ゴム層)同士の密着を防ぐため、ドラムに直接重ね巻き取りができる。
【0018】
変性PVA系樹脂のケン化度は92〜99mol%とすることが好ましい。ケン化度が92mol%より低いと水分散性が低下しエマルジョン化しにくくなる傾向があり、99mol%より高いとコストが著しく高くなる傾向がある。変性PVA系樹脂のエマルジョンの濃度は、1〜20質量%程度、好ましくは3〜20質量%程度とする。このエマルジョン濃度が薄いと樹脂塗膜の形成が不充分となる傾向があり、濃いと塗布が困難となる傾向がある。樹脂層3の厚さは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは、20〜60μmとする。樹脂層3の厚さが薄いとガスバリア性の向上効果が小さくなる傾向があり、厚いとコストアップ、ゴムホースの可撓性が低下する傾向がある。
【0019】
樹脂層3を形成した内層ゴム2の外側に編組またはスパイラル巻きなどにより繊維補強層4を形成し、ついで外面ゴム層5を積層する。これらの繊維補強層4および外面ゴム層5としては従来のものがそのまま使用できる。
【0020】
たとえば繊維補強層4としては天然繊維、ポリビニルアルコール系やポリアミド系、ポリエステル系、アラミド系などの合成繊維の単独またはRFL(レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス接着剤)処理したものなどを用いることができる。繊維補強層5の厚さは0.3〜1.5mm程度とすることが好ましい。繊維補強層5の打込み量が少ないと耐圧強度が低くなる傾向があり、多いとコストアップ、補強効率の低下によるムダが発生する傾向がある。
【0021】
また、外面ゴム層5としては、IIR、X−IIR、EPDM、水素化ニトリルゴム、CSM、クロロプレンゴム(CR)などの耐オゾン性(耐候性)に優れた合成ゴムなどがあげられ、厚さは1.0〜2.0mm程度とすることが好ましい。外面ゴム層6の厚さが薄いと水分がホース内部に浸透しやすくなり、エアコンの冷え不良となる傾向があり、厚いとコストアップおよび柔軟性が悪くなる傾向がある。
【0022】
そして、外面ゴムを積層したのち、ホース全体を加熱して加硫することにより本発明のゴムホースが得られる。加硫条件は約150〜180℃で、蒸気圧をかけて加硫を行うのが好ましい。
【0023】
加硫後得られるゴムホースは、最内層に樹脂層を用いていないため充分な可撓性を有すると同時に、内面ゴム層の外側に樹脂層を形成したためガス透過性が低減できる。
【0024】
【実施例】
以下、さらに本発明についての実施例を示して説明するが、もちろん、実施例に限定されるものではない。
〔ゴムホースの作製〕
【0025】
(実施例1)
最内層用ゴム組成物を樹脂製のマンドレル(外径15.75mm)を用いて厚さ2.5mmとなるように内面ゴム層2を押し出し成形した後、直ちにその外側に5質量%の濃度に調整した変性PVA系樹脂(ケン化度98mol%、エクセバール〔登録商標〕、(株)クラレ製)のエマルジョンを30μmの厚さに塗布し乾燥させて樹脂層3を形成後、防着剤を塗布することなくそのままドラムに直接重ねて巻き取った。防着剤を用いずにドラムに直接重ね巻き取りしても未加硫の内面ゴム層2同士で密着が生じることはなかった。その後、この樹脂層3の外周にポリエチレンテレフタレート(PET)糸で編組して繊維補強層4を形成した。最後にこの繊維補強層4の外周にEPDMを厚さ1.5mmとなるように押し出し成形して外面ゴム層5を被覆した。この未加硫ホースを160℃で40分の加硫条件で加硫を行い、ゴムホース1を作製した(図1参照)。
【0026】
(実施例2)
上記実施例1において、樹脂層3の厚さを増加させて50μmとし、その他の条件は実施例1と同一としてゴムホース1を作製した。なお、樹脂層3の厚さの調整は塗布回数を変更することにより行った。
【0027】
(比較例)
上記実施例1,2と異なり、樹脂層3を形成することなく、その他の条件は実施例1,2と同じとしてゴムホース1を作製した。
〔ゴムホースの特性評価試験〕
各実施例および比較例のゴムホースの特性は、以下の試験方法により評価した。
【0028】
(ガス透過性試験)
JASO M 321 1999(自動車部品−冷媒装置用ホース)に準じてHFC−134aガスの透過性を測定した。
【0029】
(柔軟性試験)
ホースの一端を固定し、直径100mmのドラムに180度U字形に巻き付けてその状態を維持するのに必要な力をプッシュプルゲージ(AE−300、アルコーエンジニアリング(株)製)を用いて測定し、バネ計りが示す引張力(曲げ力)を測定した。
【0030】
〔試験結果〕
各実施例および比較例のゴムホースについて、上記の試験法によりガス透過性と柔軟性を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、内面ゴム層2の外周に樹脂層3を設けることによりガス透過性が低下(ガスバリア性が向上)する効果が認められ、樹脂層3の厚さを厚くするほどガス透過性が低下(ガスバリア性が向上)することが確認された。また、樹脂層3の厚さが50μmまでの範囲においては、ゴムホースの柔軟性には全く変化がみられなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明によれば、ホースの柔軟性を損なうことなく、ガスバリア性をさらに向上させることができる。また、製造時における未加硫ゴムの密着を安価に防止することが可能となり、ゴムホースの製造コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法により製造されたゴムホースの一実施の形態を示す一部切欠斜視図である。
【図2】 従来の複合フレキシブルホースの構成を示す一部切欠斜視図である。
Claims (1)
- 最内層の内面ゴム層と、その外層の樹脂層と、その外層の繊維補強層と、その外層の外面ゴム層とからなるゴムホースを製造する方法であって、押出成形により前記内面ゴム層を成形したのち、その外面に変性PVA系樹脂を塗布し乾燥させて前記樹脂層を形成した後、防着剤を塗布することなく巻取り、その後に前記繊維補強層および前記外面ゴム層を形成することを特徴とするゴムホースの製造方法。
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