JP4132843B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン(パチスロ機を含む)等の遊技機に関し、詳しくは、遊技球を受けて貯留する球受け皿から、遊技球を抜き出す際に操作する球抜き装置を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばパチンコ機等の遊技機には、賞球や貸し球等を受けて貯留する上受け皿と称される球受け皿や、この上受け皿から溢れた遊技球を受けて貯留する下受け皿と称される球受け皿が設けられている。また、下受け皿には、貯留された遊技球を、球入れケース等に抜き出すための球抜き装置が設けられている。一般的にこの球抜き装置は、下受け皿に形成された球抜き口を開閉する扉部材を備え、この扉部材を遊技者が操作することにより、球抜きを行なえるように構成されている。従来の球抜き装置には、球抜きする間、遊技者が扉部材を開位置に保持し続けなければならないなどの問題があったが、近年では、本出願人らにより、扉部材を開位置に保持する機能を持たせるなどの改良が施されたものも知られている(特開2001−232016号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これまでの球抜き装置は、下受け皿等の球受け皿の下面から下方に突出したような状態で設けられていたので、球抜き装置が遊技者から見えてしまう。近年、遊技機の装飾性を高めることが要望されている中、球受け皿の下面から下方に突出した球抜き装置は、遊技機の装飾性を損なう要因となっていた。また、パチンコ機等では、遊技者が下受け皿から遊技球を抜くことを急ぐあまり、下受け皿の下に球入れケースを慌てて置こうとしたり、あるいは、球入れケースを置く台に散らばった遊技球を拾おうとしたりする場合などに、球抜き装置の角部に遊技者の手などが強く接触する虞があるという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、遊技機の装飾性を高め得ると共に、その角部に遊技者の手などが接触することを防止し得る球抜き装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の遊技機は、球抜き口を有する球受け皿と、前記球抜き口を開閉する扉部材を有する球抜き装置とを備えてなる遊技機において、
前記球受け皿が、前記球抜き口が形成された球受け皿基部と、前記球抜き装置の取付け用開口を有する球受け皿本体とを有してなり、
前記球抜き装置が、前記扉部材を、前記球抜き口を開放する開位置と閉鎖する閉位置との間で移動可能に下側より支持する支持基板と、前記扉部材を前記閉位置に向け付勢する付勢部材とを有してなり、
前記支持基板には、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記扉部材を前記開位置に係止する係止部が形成され、
前記球抜き装置は、前記支持基板が前記取付け用開口と同じ大きさに形成され、該支持基板が該取付け用開口に収まるように前記球受け皿基部の下面に取り付けられ、
前記扉部材が、断面クランク状に前方へ一段下がるように延伸し、該扉部材のクランク状に下方に屈曲した部分が、前記球受け皿本体の前記取付け用開口の開口端と前記支持基板の前端との間に形成された、下向きで横方向に延びる溝部分を通り、該扉部材のクランク状に前方に屈曲した部分が、前記球受け皿本体の前端下方へ延伸し、その先端部に遊技者により開閉操作される操作部を有し、該操作部が横方向に摺動後下方に移動操作可能に構成され、
前記球抜き装置が、前記支持基板の下面が前記球受け皿本体の下面と面一となるように構成され、前記球受け皿の下面から突出しないように取り付けられていることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記支持基板が、前記扉部材によって前記球抜き口と共に開閉される球排出口を有しているとしてもよい。
【0010】
本発明の遊技機は、弾球遊技機とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、代表的な弾球遊技機としてのパチンコ機に、本発明を適用した例について説明を行なう。
【0012】
<パチンコ機概要>
図8〜図10は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機を示すもので、図8はパチンコ機の正面図、図9は前側枠体の分解斜視図、および図10は遊技部内の詳細構成を示す図である。
図8に示すように、本発明の一実施形態に係るパチンコ機30では、パチンコ機30の側方に設けられた貸球機40に、プリペイドカードを挿入することにより供給される遊技球を、その遊技部3(詳細は、図10参照)内に弾発させることによって、弾球遊技を行なうことができるようになっている。
【0013】
また、パチンコ機30は、本体側の外枠31の上半部に開閉可能に取り付けられた前側枠体80を備えており、その下方には操作部90が設けられている。
操作部90には、遊技に使用するための遊技球を貯留するとともに賞として払い出される遊技球を受け入れるための上受け皿91と、上受け皿91からオーバーフローした遊技球を受け入れるための下受け皿200とが上下に並べて取り付けられている。この下受け皿200には灰皿94が設けられており、また下受け皿200の右側には、遊技球の発射操作を行なうための発射装置93が設けられている。さらに、上受け皿91には、当該パチンコ機30における球貸操作等を行なうための操作パネル95が設けられている。
【0014】
また、下受け皿200の下面部には、下受け皿200に貯留された遊技球を、下受け皿200の下側に載置される図示せぬ球入れケースに落下させる際に、遊技者により操作される球抜き装置300が設けられている。これら下受け皿200および球抜き装置300の構成が本発明のポイントとなる部分であり、その詳細については後述する。
【0015】
一方、前側枠体80は、図9に示すように、遊技者側の前面に設置される装飾枠81と、この装飾枠81の背面に設置される中枠82と、この中枠82の背面に設置される透明板(ガラス板)の保持枠83とを備えてなる。
装飾枠81は、その中央部に形成された遊技部表示用の開口窓84と、この開口窓84の左右両側の複数箇所(3箇所)に形成された装飾用ランプの設置部85A〜85Cとを備えており、さらに各設置部85A〜85Cをそれぞれ前方側から覆う装飾用レンズ部材110A〜110Cが取り付けられている。
【0016】
また、装飾枠81の上部中央には、賞球時に点灯または点滅する賞球表示ランプ、球詰まり等のトラブル発生時に点灯または点滅する異常表示ランプ、および遊技状態を表示する遊技状態表示ランプが設置される表示用ランプの設置部86が形成されており、さらにこの設置部86を前方側から覆う表示用レンズ部材120が取り付けられている。
【0017】
さらに、装飾枠81の上部両側には、スピーカ取付用開口部87が左右対称的に形成されており、この一対のスピーカ取付用開口部87には、スピーカ本体101、ケース部102およびスピーカカバー103からなるスピーカ装置100が、それぞれ取り付けられている。
【0018】
中枠82は主に、前側枠体80が開放された際、装飾枠81に取り付けられる各種ランプの配線などが遊技者側から見えないようにすると共に、配線が回転部分に挟まれないようにするために設けられており、その中央部には、装飾枠81に形成された開口窓84と略同径の開口部88が形成されている。この中枠82の背面に設置される保持枠83は、方形の額縁形状をなし、中央部に図示せぬ透明板(ガラス板)を保持するように構成されている。
【0019】
上述のように構成された装飾枠81、中枠82および保持枠83は、互いにビス止め等により一体的に組み付けられ、装飾枠81の開口窓84、中枠82の開口部88および保持枠83に保持された図示せぬ透明板を通して、保持枠83の背面側に設置される遊技盤1に形成された遊技部3(図10参照)内を遊技者が視認できるようになっている。
【0020】
<下受け皿>
次に、上述した下受け皿200について詳細に説明する。図1は本発明の遊技機に係る球受け皿の一実施形態としての下受け皿200の詳細図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、および同図(c)は右側面図である。また、図2は図1に示す下受け皿200の断面図である。
【0021】
図1および図2に示すように、上述した下受け皿200は、球受け皿基部210と球受け皿本体220とを有してなる。球受け皿基部210は、遊技球を受けて貯留する部分を構成するものであり、その底部には、貯留した遊技球を抜き出すための球抜き口211が形成されている。一方、球受け皿本体220は、球受け皿基部210を正面側より覆うように保持するものであり、図1(a),(b)に示すように、その左端寄りの部分には、上述した灰皿94を保持する灰皿収納凹部221が形成されている。
【0022】
球受け皿基部210の詳細を図3に示し、球受け皿本体220の詳細を図4に示す。図3は球受け皿基部210の詳細図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は正面図、および同図(c)は左側面図である。また、図4は球受け皿本体220の詳細図で、同図(a)はその平面図および同図(b)は正面図である。
【0023】
図3に示すように球受け皿基部210は、その内周面が主に滑らかな曲面で構成されると共に、球抜き口211に向けて緩やかな下り勾配を有するように構成されており、貯留した遊技球を滞りなく球抜き口211から抜き出せるようになっている。球受け皿基部210の左右両端上部には、球受け皿本体220の内周面に形成された凸部(不図示)と係合する係合凹部212を有する取付け片213が設けられている。また、球受け皿基部210の下面左右両端部には、球受け皿本体220の下面内側に形成された溝部222(図4(a)参照)と係合する係合凸片214が設けられている。さらに、球受け皿基部210の下面には、球抜き装置300を球受け皿基部210に組み付けるネジ(不図示)のネジ座用凸部215が、4個(図3(b)と同図(c)に、それぞれ2個のみ示す)設けられている。
【0024】
一方、図4に示すように球受け皿本体220は、全体として曲面を多用した装飾性の高い形状を有しており、その下面には球抜き装置300を下面から突出しないように取り付けるための取付け用開口223が形成されている。この球受け皿本体220の下面は、図2にも示すように、上方に湾曲しながら前方に延伸しており、取付け用開口223は、この湾曲した球受け皿本体220の下面に沿って、その前端部が正面から見える位置まで形成されている(図4(b)参照)。
【0025】
<球抜き装置>
次に、上述した球抜き装置300について詳細に説明する。図5は球抜き装置300の詳細を示す平面図である。図5に示すように球抜き装置300は、扉部材310と、この扉部材310を下側から支持する支持基板320と、扉部材310を図中右方へと付勢する圧縮バネ330とからなる。
【0026】
扉部材310の詳細を図6に示し、支持基板320の詳細を図7に示す。図6は扉部材310の詳細図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は正面図、および同図(c)は右側面図である。また、図7は支持基板320の詳細図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は正面図、および同図(c)は右側面図である。
【0027】
図6に示すように扉部材310は、全体的には板状に形成されており、同図(c)および図2に示すようにその前側の部分は、断面クランク状に前方へ一段下がるように延伸し、その先端部に遊技者により開閉操作される操作部311を有している。この操作部311の前面には、図6(b)に示すように、扉部材310を開位置(詳しくは後述する)に操作する際の操作方向(図中左へ移動してから下へ)を示す操作矢印311aが形成されている。また、この操作部311には、操作方向上方に傾斜した操作面311bが設けられており、遊技者がこの操作面311bに指を掛けて扉部材310を左方向に移動する際に、自然と下向きの力が加わるようになっている。また、扉部材310の前後方向中央寄りの左端には、圧縮バネ330の右端を支持するバネ座312が設けられている。さらに、扉部材310の下面における前後方向中央寄りの両端には、ガイド片313がそれぞれ設けられている(図6(c)に右端側のもののみ示す)。
【0028】
一方、図7に示すように支持基板320は、全体的に、図4に示す球受け皿本体220の取付け用開口223にちょうど収まる大きさを有する矩形板状に形成されている。また、支持基板320の上面には、4個のネジ座用凹部321と、左右方向に互いに平行に延びた3本のガイドレール322A〜322Cが設けられている。4個のネジ座用凹部321は、支持基板320を図3に示す球受け皿基部210の下面に組み付ける図示せぬネジ用のものであり、支持基板320の下面に設けられた4個のネジ座用凸部215と各々対応する位置に設けられている。
【0029】
3本のガイドレール322A〜322Cは、図6に示す扉部材310を摺動自在に下側から支持するものであり、3本のガイドレール322A〜322Cのうち、前側の2本のガイドレール322A,322Bの左右両端部には、扉部材310の左右方向へのそれ以上の移動を阻止する停止用段部323が設けられている。また、前側の2本のガイドレール322A,322Bは、左右方向中央部から左側の部分が、右側の部分よりも一段低く形成されており、その境界部分には扉部材310を開位置に係止するための段状の係止部324が設けられている。さらに、前側の2本のガイドレール322A,322Bの間における左右方向左端部には、圧縮バネ330の左端を支持するバネ座325が設けられている。また、該左右方向中央部には、扉部材310が開位置に係止された際に扉部材310の下面に設けられたガイド片313を下方に逃がすための、逃げ孔326が穿設されている。
【0030】
支持基板320の中央部には、球排出口327が形成されている。この球排出口327は、支持基板320が球受け皿基部210の下面に取り付けられた際、球受け皿基部210の球抜き口211と対応する位置に設けられており、扉部材310によって、球抜き口211と共に開閉されるようになっている。また、支持基板320の下面は、支持基板320が球受け皿本体220の取付け用開口223に取り付けられた際、球受け皿本体220の下面と面一となるように形成されており、特に、その前端部分は球受け皿本体220の下面前端部の湾曲形状に合わせて上方に湾曲した形状となっている。
【0031】
上述したように構成された扉部材310および支持基板320は、図5に示すように、扉部材310のバネ座312と支持基板320のバネ座325との間に、圧縮バネ330を装着された状態で互いに組み合わされ、球抜き装置300を構成する。この構成された球抜き装置300は、球受け皿本体220に組み入れられた球受け皿基部210の下面に、この下面と支持基板320との間に扉部材310を挟持するような状態で、図示せぬネジにより組み付けられる。
【0032】
図5に示すように、扉部材310が、圧縮バネ330の閉方向(図中右方向)への付勢力によって、その右端部がガイドレール322A,322Bの右端部に設けられた停止用段部323に押し付けられて停止する位置が閉位置となる。一方、遊技者が、扉部材310の操作部311に設けられた操作矢印311aの方向(図中左方向に移動後下方向)に扉部材310を操作し、扉部材310が、閉方向(図中左方向)へ摺動した後、ガイドレール322A,322Bの左側の一段低い部分に落ち込み、その右端部がガイドレール322A,322Bの中央部に設けられた係止部324(図7参照)によって係止されて停止する位置が上述した開位置となる。
【0033】
扉部材310が閉位置にある時、支持基板320に設けられた球排出口327は、扉部材310によって上側から閉鎖され、また、球排出口327と対向する位置にくる球受け皿基部210の球抜き口211は、扉部材310によって下側から閉鎖される。したがって、球受け皿基部210内に入ってきた遊技球は、球抜き口211から抜け落ちることなく、球受け皿基部210内に貯留される。一方、遊技者が扉部材310の操作面311bに指を掛け、扉部材310を閉方向に移動させる過程において、球受け皿基部210の球抜き口211および支持基板320の球排出口327は、共に開放され始め、扉部材310が閉位置にきた状態において完全に開放される。したがって、球受け皿基部210内に貯留された遊技球は、球抜き口211および球排出口327を通って下方に落下、排出される。
【0034】
なお、開位置にある扉部材310は、ガイドレール322A,322Bの係止部324によって、圧縮バネ330の閉方向への付勢力に抗して係止されるので、遊技者が扉部材310を開位置に保持する必要はない。扉部材310を閉位置に移動させたい場合には、遊技者が扉部材310の操作部311を下側から上方へ軽く押し上げれば、扉部材310と係止部324との係合が外れ、扉部材310は圧縮バネ330の付勢力によって、元の閉位置に自動的に戻るようになっている。
【0035】
上述したように本実施形態においては、図1および図2に示すように、球抜き装置300が下受け皿200に組み付けられた時、下受け皿200の下面から下方に突出しない。このため、下受け皿200の下部がすっきりとし、下受け皿200の装飾性が高められていると共に、遊技者の手などが球抜き装置300の角部に接触することを防止することが可能となっている。
【0036】
また、球抜き装置300を構成する支持基板320が球受け皿本体220の取付け用開口223にちょうど収まる大きさに形成され、球抜き装置300が下受け皿200に組み付けられた時、球抜き装置300の下面が球受け皿本体220の下面と面一となるように構成されている。このため、球抜き装置300を下受け皿200の内部に完全に内蔵した場合に比べ、球受け皿基部210の下面と球受け皿本体220の下面との間の距離を小さくすることが可能となり、省スペース化が図れる。
【0037】
さらに、扉部材310は、その前側の部分が、断面クランク状に前方へ一段下がるように延伸し、その先端部に遊技者により開閉操作される操作部311を有している。このため、扉部材310が真っ直ぐ前方に伸びたように構成した場合に比べ、球抜き装置300の全体としての高さ(厚み)を小さくすることが可能となり、球抜き装置300の見た目がすっきりとし、下受け皿200の装飾性をより高めることが可能となっている。
【0038】
以下では、上述したパチンコ機30の他の構成を詳細に説明する。
<遊技盤>
図10に示す遊技盤1は、その表面に一対のガイドレール2で囲まれた略円形の遊技部3を備えており、遊技部3内には、複数の障害釘や風車等の障害部材4が配設されると共に、複数の特別図柄を変動表示するための特別図柄表示装置として機能する画像表示装置5と、2個の普通図柄表示LED6a,6bを有する普通図柄表示装置7と、複数の入賞口と、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技部3内から排出するためのアウト口8とが設けられている。
【0039】
上記画像表示装置5の周囲には、遊技盤1の表面から立ち上がる枠体21が設けられており、この枠体21の下辺部分には、側方から水平方向に飛び込んだ遊技球を一時滞留させ、その後この遊技球を後述する始動入賞口12に流下させるステージ22が設けられている。
【0040】
<入賞口>
上記入賞口は、その機能によって複数種類に分かれており、遊技球が入賞したことを条件として所定数の賞球を排出するための一般入賞口9と、遊技球が通過したことを条件として、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの変動表示を開始させるための普通図柄始動口10と、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能な変動部材(以下、普通電動役物11と称す)を有し、遊技球が入賞したことを条件として画像表示装置5における特別図柄の変動表示を開始させるための始動入賞口12と、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能となっており、画像表示装置5における図柄の停止表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、所定時間および所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる大入賞口13とからなる。
【0041】
<普通図柄始動口>
上記普通図柄始動口10は、始動入賞口12の左下方に設けられており、通過する遊技球を検出するようになっている。この普通図柄始動口10の通過球は、4個まで記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、普通図柄表示装置7における図柄の変動表示が行なわれる。また、画像表示装置5の右側部には、普通図柄始動口10の通過記憶個数を表示するための4個の普通図柄記憶LED14が設けられている。この普通図柄記憶LED14の点灯個数により、普通図柄始動口10の通過記憶個数を表示することができる。
【0042】
<始動入賞口>
上記始動入賞口12の左右には、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能ないわゆるチューリップ状の普通電動役物11が設けられている。この普通電動役物11は、通常の状態では遊技球を受け入れ難い状態となっており、普通図柄表示装置7において「当たり」となった場合に、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる。
【0043】
また、始動入賞口12への入賞球は、4個まで記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、画像表示装置5における図柄の変動表示が行なわれる。また、画像表示装置5の左側部には、始動入賞口12への入賞記憶個数を表示するための4個の特別図柄記憶LED15が設けられている。この特別図柄記憶LED15の点灯個数により、始動入賞口12への入賞記憶個数を表示することができる。
【0044】
<画像表示装置>
上記画像表示装置5は、遊技部3のほぼ中央に設けられた液晶表示装置からなり、画像で表現される複数の特別図柄を変動表示するとともに、遊技状態に対応したアニメーション表示を行なうことにより、遊技演出を行なうことができるようになっている。
【0045】
画像表示装置5に表示される特別図柄は、例えば「0」「1」「2」・・・「9」「10」「11」等の数字からなり、停止表示された数字の組み合わせが「0」「0」「0」、「7」「7」「7」等のように3個とも同一の数字となった場合を「大当たり」として、一般遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技を行なうことができる。
この特別遊技とは、例えば大入賞口13を、所定時間および所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えて、一般遊技よりも多くの遊技球を入賞させることにより、多くの賞球を獲得することができるような遊技である。
【0046】
<普通図柄表示装置>
上記普通図柄表示装置7は、画像表示装置5の上方に設けられた赤色発光と緑色発光の2個の普通図柄表示LED6a,6bを備えている。この普通図柄表示装置7では、2個の普通図柄表示LED6a,6bが赤、緑の発光色で交互に点滅するようになっており、2個の普通図柄表示LED6a,6bの点滅が終了して緑色で点灯した場合を「当たり」として、始動入賞口12に設けられた普通電動役物11を、所定時間だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えて、始動入賞口12に遊技球を入賞させ易くする。
【0047】
なお、普通図柄表示装置7は、上述した2個の普通図柄表示LED6a,6bを備えて構成する他に、例えば7セグメント表示器等により構成することもできる。この場合には、7セグメント表示器に表示する普通図柄として、例えば「0」「1」「2」・・・「7」「8」「9」等の数字を変動表示し、停止表示された数字が「3」あるいは「7」となった場合を「当たり」とする。
【0048】
<枠体>
上記枠体21は、画像表示装置5の周囲の全周に亘り遊技盤1の表面より立設した壁部として形成されたものであり、図10に示すように、その背面上辺部は緩やかな円弧状をなすように形成されている。したがって、この遊技部3内に弾発された遊技球はこの枠体21の背面上辺部に落下した後、緩やかなカーブを描いて側辺部に到る左右の肩部23a,23bに導かれ、略所定の速度で所定の障害釘列24a,24b上に落下する(図10中の矢印参照;障害釘列24aに落下する遊技球軌跡のみを示す)。
【0049】
さらに、この障害釘列24a,24b上に落下した遊技球は所定の確率で水平方向に弾き飛ばされる(図10中の矢印参照;障害釘列24aに落下する遊技球軌跡のみを示す)。
【0050】
この枠体21の下方部分は、左右の側部に遊技球導入口25a,25bを有し、この遊技球導入口25a,25bから入った遊技球を一時的に滞留させる平坦部26を有するステージ22が形成されている。また、この平坦部26は、左右方向においては中央部に向かって緩やかな下り傾斜がつけられており、この平坦部26の前端中央部には遊技球流下用の切欠き部27が設けられている。また、このステージ22の前面は、このステージ22内に滞留している遊技球が遊技者から視認し得るように大きく開設されている。
ステージ22に一時滞留した遊技球は、平坦部26の傾斜にしたがって上記切欠き部27に集められ、この切欠き部27から始動入賞口12に流下するようになっている。
【0051】
<パチンコ機における遊技>
上記パチンコ機では、発射装置93(図8参照)により遊技部3内に発射された遊技球が、一般入賞口9等に入賞すると、所定数(例えば10個)の賞球を払い出す。
【0052】
また、普通図柄始動口10を遊技球が通過したことを条件として、普通図柄表示装置7における普通図柄の変動表示を開始させる。そして、乱数を用いた抽選により、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの停止表示態様を決定し、この決定に基づいて普通図柄表示LED6a,6bの変動表示を停止させる。
【0053】
ここで、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの停止表示態様が、「当たり」となると、始動入賞口12に設けられた普通電動役物11を所定時間(例えば、0.3秒間)だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換える。
【0054】
また、始動入賞口12に遊技球が入賞したことを条件として、画像表示装置5における特別図柄の変動表示を開始させる。そして、乱数を用いた抽選により、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様を決定し、この決定に基づいて特別図柄の変動表示を停止させる。
この乱数を用いた抽選には、高低2種類の確率選択テーブルが用いられる。例えば、高確率選択テーブルを選択した場合には、低確率選択テーブルを選択した場合と比較して、約5倍だけ「大当たり」が発生しやすくなっている。
【0055】
ここで、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様が「大当たり」となると、大入賞口13を所定時間(例えば30秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球を受け入れるまで開放する。また、大入賞口13内には継続入賞口(図示せず)が設けられており、大入賞口13内に入賞した遊技球が継続入賞口にも入賞すると、上述した大入賞口13の開放が、所定回数(例えば16回)に達するまで繰り返される。
【0056】
<制御装置>
上述したパチンコ機を構成する各機器は、マイクロコンピュータ等からなる制御装置により制御されている。
図11に基づいて、この制御装置の概略構成を説明する。図11は、制御装置の概略構成を示すブロック図である。
制御装置50は、図11に示すように、遊技球発射制御、賞球排出制御および音声制御等を行なうための主制御回路51と、この主制御回路51による制御に基づいて画像表示装置5における画像表示制御を行なうための表示制御回路52とを主な構成要素としている。
【0057】
<主制御回路>
主制御回路51は、演算処理を行なうためのメインCPU53と、主制御プログラムを記憶したメインROM54と、一時記憶領域であるメインRAM55とを備えており、メインROM54に記憶された制御プログラムに従ってメインCPU53等が動作することにより、遊技発射制御、賞球排出制御および音声制御等が行なわれる。なお、メインCPU53は、定期的に発生するリセット信号の入力に基づいて、制御プログラムの先頭から処理を実行する。
【0058】
また、主制御回路51には、中継基板56を介して、大入賞口13への入賞球を検出するための大入賞球センサ57、普通図柄始動口10を通過する遊技球を検出するための普通図柄始動センサ58、一般入賞口9への入賞球を検出するための一般入賞球センサ59、始動入賞口12への入賞球を検出するための始動入賞球センサ60、発射装置93により遊技部3へ向かって発射された遊技球を検出するための発射球センサ61、および遊技部3内へ達せずに発射位置へ戻ってきた遊技球を検出するための戻り球センサ62が接続されており、これらのセンサからの球検出信号が入力される。
【0059】
パチンコ機30の遊技において、普通図柄始動センサ58が普通図柄始動口10を通過した遊技球を検出すると、メインCPU53は当該検出信号に基づいて乱数を用いた抽選を行い、当該抽選結果に基づいて普通図柄表示装置7における普通図柄の停止表示態様を決定する。
【0060】
また、始動入賞球センサ60が入賞球を検出すると、メインCPU53は当該検出信号に基づいて乱数を用いた抽選を行い、当該抽選結果に基づいて、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様を決定する。
【0061】
さらに、主制御回路51には、ランプ制御回路63を介して普通図柄表示装置7、普通図柄記憶LED14、特別図柄記憶LED15、および装飾表示を行なうための装飾用ランプ(LED)132が接続されている。また、主制御回路51には、始動入賞口12の駆動装置、および大入賞口13の駆動装置が接続されており、各種の装飾表示、始動入賞口12の普通電動役物11の開閉動作および大入賞口13の開閉動作が制御される。
【0062】
また、主制御回路51には、音声制御回路64が接続されており、この音声制御回路64の制御に基づいてスピーカ装置100から効果音等を発生する。さらに、主制御回路51には、賞球制御回路66が接続されており、この賞球制御回路66の制御に基づいて、賞球排出装置67による賞球排出動作および発射装置93による打球発射動作が制御される。
【0063】
<表示制御回路>
表示制御回路52は、主制御回路51を構成する基板とは別個の基板により構成されており、主制御回路51から受信したコマンドに基づいて画像表示装置5に表示すべき画像データを生成し、当該画像データの表示制御を行なう。
【0064】
この表示制御回路52は、主制御回路51から受信したコマンドの解釈を行なうとともにVDP(Video Display Processor)73のパラメータ設定を行なうためのサブCPU69、サブCPU69で実行する制御プログラムを記憶したプログラムROM70、一時記憶領域であるワークRAM71、画像を形成するためのドットデータを記憶するための画像ROM72、サブCPU69で設定されたパラメータに基づいて画像ROM72内のドットデータを読み込むとともに表示すべき画像データを生成するためのVDP73、このVDP73で生成された画像データをRGB信号に変換するためのD/A変換器74、所定時間毎に割り込みをかけるためのCTC(Counter Timer Circuit)75、および図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにサブCPU69を初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC76を備えている。表示制御回路52では、プログラムROM70に記憶された制御プログラムに従ってサブCPU69等が動作することにより、画像表示装置5における画像表示が制御される。
【0065】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、種々の態様の変更が可能である
【0067】
例えば、上述した実施形態では、代表的な遊技機としてパチンコ機を例にとって説明したが、本発明は、雀球遊技機等の他の弾球遊技機やスロットマシン等のその他の遊技機にも適用することが可能であり、また、球受け皿としてもパチンコ機の下受け皿に限らず、球抜き装置を備えた他の球受け皿に適用することが可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の遊技機によれば、球抜き装置が、球受け皿の下面から突出しないように取り付けられているので、球受け皿の下部がすっきりとし、球受け皿の装飾性を高め得ると共に、遊技者の手などが球抜き装置の角部に接触することを防止することが可能である。
【0069】
また、球抜き装置が、球受け皿の球抜き口を開閉する扉部材と、この扉部材を下側より支持する支持基板と、扉部材を閉方向に向け付勢する付勢部材とを有し、さらに支持基板に、付勢部材の付勢力に抗して、扉部材を開位置に係止する係止部が形成されているものによれば、遊技者が遊技球を球受け皿から抜き出したい場合に、扉部材を遊技者の手等で開位置に保持する必要がなく、扉部材の操作性を高めることが可能である。
【0070】
さらに、球受け皿が、球抜き口が形成された球受け皿基部と、球抜き装置の取付け用開口を有する球受け皿本体とを有し、球抜き装置の支持基板が、取付け用開口と略同じ大きさに形成されて取付け用開口に収まり、その下面が球受け皿本体の下面と略面一となるように構成されているものによれば、球抜き装置を下受け皿の内部に完全に内蔵した場合に比べ、球受け皿基部の下面と球受け皿本体の下面との間の距離を小さくすることが可能となり、省スペース化が図れる。
【0071】
また、扉部材が、断面クランク状に前方へ一段下がるように延伸し、その先端部に遊技者により開閉操作される操作部を有しているものによれば、扉部材が真っ直ぐ前方に伸びたように構成した場合に比べ、球抜き装置の全体としての高さ(厚み)を小さくすることが可能となり、球抜き装置の見た目がすっきりとし、球受け皿の装飾性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る下受け皿の詳細図
【図2】図1に示す下受け皿の断面図
【図3】図1に示す球受け皿基部の詳細図
【図4】図1に示す球受け皿本体の詳細図
【図5】図1に示す球抜き装置の詳細図
【図6】図5に示す扉部材の詳細図
【図7】図5に示す支持基板の詳細図
【図8】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図
【図9】図8に示す前側枠体の分解斜視図
【図10】図8に示すパチンコ機に使用する遊技部内の詳細構成を示す正面図
【図11】パチンコ機を制御するための制御装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 遊技盤
2 ガイドレール
3 遊技部
4 障害部材
5 画像表示装置
6a,6b 普通図柄表示LED
7 普通図柄表示装置
8 アウト口
9 一般入賞口
10 普通図柄始動口
11 普通電動役物
12 始動入賞口
13 大入賞口
14 普通図柄記憶LED
15 特別図柄記憶LED
21 枠体
22 ステージ
23a,23b 肩部
24a,24b 障害釘列
25a,25b 遊技球導入口
26 平坦部
27 切欠き部
30 パチンコ機
40 貸球機
50 制御装置
51 主制御回路
52 図柄制御回路
53 メインCPU
54 メインROM
55 メインRAM
56 中継基板
57 大入賞球センサ
58 普通図柄始動センサ
59 一般入賞球センサ
60 始動入賞球センサ
61 発射球センサ
62 戻り球センサ
63 ランプ制御回路
64 音声制御回路
66 賞球制御回路
67 賞球排出装置
69 サブCPU
70 プログラムROM
71 ワークRAM
72 画像ROM
73 VDP
74 D/A変換器
75 CTC
76 リセットIC
80 前側枠体
81 装飾枠
82 中枠
83 保持枠
84 開口窓
85A〜85C 装飾用ランプの設置部
88 開口部
90 操作部
91 上受け皿
93 発射装置
94 灰皿
95 操作パネル
100 スピーカ装置
101 スピーカ本体
102 ケース部
103 スピーカカバー
110A〜110C 装飾用レンズ部材
120 表示用レンズ部材
132 装飾用ランプ(LED)
200 下受け皿
210 球受け皿基部
211 球抜き口
212 係合凹部
213 取付け片
214 係合凸片
215 ネジ座用凸部
220 球受け皿本体
221 灰皿収納凹部
222 溝部
223 取付け用開口
300 球抜き装置
310 扉部材
311 操作部
311a 操作矢印
311b 操作面
312,325 バネ座
313 ガイド片
320 支持基板
321 ネジ座用凹部
322A〜322C ガイドレール
323 停止用段部
324 係止部
326 逃げ孔
327 球排出口
330 圧縮バネ

Claims (3)

  1. 球抜き口を有する球受け皿と、前記球抜き口を開閉する扉部材を有する球抜き装置とを備えてなる遊技機において、
    前記球受け皿が、前記球抜き口が形成された球受け皿基部と、前記球抜き装置の取付け用開口を有する球受け皿本体とを有してなり、
    前記球抜き装置が、前記扉部材を、前記球抜き口を開放する開位置と閉鎖する閉位置との間で移動可能に下側より支持する支持基板と、前記扉部材を前記閉位置に向け付勢する付勢部材とを有してなり、
    前記支持基板には、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記扉部材を前記開位置に係止する係止部が形成され、
    前記球抜き装置は、前記支持基板が前記取付け用開口と同じ大きさに形成され、該支持基板が該取付け用開口に収まるように前記球受け皿基部の下面に取り付けられ、
    前記扉部材が、断面クランク状に前方へ一段下がるように延伸し、該扉部材のクランク状に下方に屈曲した部分が、前記球受け皿本体の前記取付け用開口の開口端と前記支持基板の前端との間に形成された、下向きで横方向に延びる溝部分を通り、該扉部材のクランク状に前方に屈曲した部分が、前記球受け皿本体の前端下方へ延伸し、その先端部に遊技者により開閉操作される操作部を有し、該操作部が横方向に摺動後下方に移動操作可能に構成され、
    前記球抜き装置が、前記支持基板の下面が前記球受け皿本体の下面と面一となるように構成され、前記球受け皿の下面から突出しないように取り付けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記支持基板が、前記扉部材によって前記球抜き口と共に開閉される球排出口を有していることを特徴とする請求項記載の遊技機。
  3. 弾球遊技機であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の遊技機。
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