JP4144845B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン(パチスロ機を含む)等の遊技機に関し、詳しくは、遊技部を前方側から覆う透明板を、遊びを持たせて保持する保持枠を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、遊技者が遊技部を視認できるようにしつつ、遊技球が遊技部内から外に飛び出るのを防止するために、遊技部を前方側から覆うガラス板等の透明板が設けられている。従来の遊技機では、この透明板を保持するための方形枠状の保持枠を備え、この保持枠によって透明板を、その厚み方向に若干の遊びを持たせた状態で保持しているのが一般的であった。透明板を固定せず、遊びを持たせた状態で保持枠に保持させるこの方法は、透明板の組み付けや破損時の交換などが容易となる他、専用品ではない一般的な板ガラス等を透明板として利用できるなどの利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようなタイプの遊技機においては、透明板に若干の遊びを持たせているために、透明板が振動することがあった。特に近年、遊技機の最前面に配置される装飾枠に、効果音を出力させるスピーカ装置を備えた遊技機が知られており、このようなタイプの遊技機においては、効果音を出力する際のスピーカ装置の振動が、装飾枠、保持枠等を介して透明板に伝わり、透明板が振動して「ビビリ音」と称される異音が発生することがあり、遊技者に不快感を抱かせる虞があった。
【0004】
このような異音発生の原因ともなる透明板の振動を防止するため、透明板を完全に固定する構造を採用した遊技機も知られている(特開平7−213692号公報等)。しかし、透明板を完全に固定するこの方法には、透明板の組み付けや破損時の交換などが煩雑となる他、それ専用の透明板を用いる必要があるため、コスト高になるなどの問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明板を完全に固定することなく、透明板の振動を抑制し得る遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の遊技機は、遊技盤に形成された遊技部を前方側から覆う透明板を、該透明板の厚み方向に遊びを持たせて保持する枠状の保持枠が、前記遊技盤の前方に配置されてなる遊技機において、
前記遊びを規制して、前記透明板の振動を抑制する防振部材を備えてなることを特徴とするものである。
【0007】
前記防振部材は、柱状の弾性部材で構成され、前記遊技盤の前面のねじ座用の凹部に取り付けられて、前記遊技盤と前記保持枠との間に介在し、
前記保持枠が前記遊技盤に対して開閉可能に構成されており、
前記保持枠の閉時には、前記防振部材が、該保持枠と前記遊技盤との間に挟まれた状態で介在し、該防振部材が前記透明板の背面を当該透明板を保持する前記保持枠を介して前方に押圧し、該透明板を該保持枠の前方に配置された所定の前置部材に押し付けるものであり、
前記保持枠の開時には、前記防振部材が、該保持枠から離れて前記遊びの規制を解放するものである。
【0009】
前記防振部材の先端部分は、先細りの形状に形成することができる。
保持枠の前方に配置される装飾枠にスピーカ装置が取り付けられていてもよい。
【0010】
本発明の遊技機は、弾球遊技機とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、代表的な弾球遊技機としてのパチンコ機に、本発明を適用した例について説明を行なう。
【0012】
<パチンコ機概要>
図3〜5は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機を示すもので、図3はパチンコ機の正面図、図4は前側枠体の分解斜視図、および図5は遊技部内の詳細構成を示す図である。
図3に示すように、本発明の一実施形態に係るパチンコ機30では、パチンコ機30の側方に設けられた貸球機40に、プリペイドカードを挿入することにより供給される遊技球を、その遊技部3(詳細は、図5参照)内に弾発させることによって、弾球遊技を行なうことができるようになっている。
【0013】
また、パチンコ機30は、本体側の外枠31の上半部に開閉可能に取り付けられた前側枠体80を備えており、その下方には操作部90が設けられている。
操作部90には、遊技に使用するための遊技球を貯留するとともに賞として払い出される遊技球を受け入れるための上受け皿91と、上受け皿91からオーバーフローした遊技球を受け入れるための下受け皿92とが上下に並べて取り付けられている。また、下受け皿92の右側には遊技球の発射操作を行なうための発射装置93が設けられ、下受け皿92の左側には灰皿94が設けられている。さらに、上受け皿91には、当該パチンコ機30における球貸操作等を行なうための操作パネル95が設けられている。
【0014】
一方、前側枠体80は、図4に示すように、遊技者側の前面に設置される装飾枠81と、この装飾枠81の背面に設置される中枠82と、この中枠82の背面に設置される透明板(ガラス板)の保持枠83とを備えてなる。
装飾枠81は、その中央部に形成された遊技部表示用の開口窓84と、この開口窓84の左右両側の複数箇所(3箇所)に形成された装飾用ランプの設置部85A〜85Cとを備えており、さらに各設置部85A〜85Cをそれぞれ前方側から覆う装飾用レンズ部材110A〜110Cが取り付けられている。
【0015】
また、装飾枠81の上部中央には、賞球時に点灯または点滅する賞球表示ランプ、球詰まり等のトラブル発生時に点灯または点滅する異常表示ランプ、および遊技状態を表示する遊技状態表示ランプが設置される表示用ランプの設置部86が形成されており、さらにこの設置部86を前方側から覆う表示用レンズ部材120が取り付けられている。
【0016】
さらに、装飾枠81の上部両側には、スピーカ取付用開口部87が左右対称的に形成されており、この一対のスピーカ取付用開口部87には、スピーカ本体101、ケース部102およびスピーカカバー103からなるスピーカ装置100が、それぞれ取り付けられている。
【0017】
中枠82は主に、前側枠体80が開放された際、装飾枠81に取り付けられる各種ランプの配線などが遊技者側から見えないようにすると共に、配線が回転部分に挟まれないようにするために設けられており、その中央部には、装飾枠81に形成された開口窓84と略同径の開口部88が形成されている。
【0018】
<防振部材の構成および作用>
次に、図1および図2を参照しながら、本発明のポイントとなる透明板の防振部材について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る透明板の防振部材の作用を示す模式図で、同図(a)は前側枠体80の開時を示し、同図(b)は前側枠体80の閉時を示している。図2は図1に示す防振部材の配設位置を示す図である。
【0019】
上述した中枠82の背面に設置される保持枠83は、図2および図4に示すように方形の額縁形状を成し、図1に示すように前後2枚の透明板(ガラス板)150を、各々その厚み方向に遊びを持たせた状態で保持するように構成されている。この保持枠83は、上述した装飾枠81および中枠82に互いにビス止め等により一体的に組み付けられて前側枠体80を構成している。
【0020】
一方、図2に示すように、本体側に取り付けられた遊技盤1Aの前面には、遊技盤1Aを本体側に取り付けるためのねじ座用の凹部151が複数箇所に設けられている。それらのうち上方中央寄りに設けられた2箇所の凹部151Aは、前側枠体80を閉じた時、保持枠83の背面上辺部83aと対向する位置に配置されている。なお、図2に示す遊技盤1Aは、図5に示す遊技盤1とは異なるもので、その遊技部3Aの態様も遊技盤1の遊技部3とは異なっているが、ねじ座用の凹部151,151Aは互いに同じ位置に設けられている。
【0021】
このねじ座用の凹部151Aには、図1に詳しく示すように、防振部材152が取り付けられている。この防振部材152は、ゴム等の弾性部材により柱状に形成され、その先端部152aが先細りの形状に形成されている。詳細には、防振部材152の断面形状は、円形の周縁部を左右対称的に各々円弧により切り取った、いわゆる「中かげ分銅紋」の形状となっている。
【0022】
図1(b)に示すように防振部材152は、前側枠体80が閉じられた時、保持枠83と遊技盤1Aとの間に挟み込まれた状態で介在し、その先端部152aが保持枠83の背面上辺部83aを押圧することにより、この保持枠83を介して2枚透明板150を前方に配置された前置部材としての中枠82の背面に押し付ける。防振部材152により押圧された2枚の透明板150は、その厚み方向の遊びが規制される。このため、スピーカ装置100から効果音が出力された際のスピーカ装置100の振動が、装飾枠81、中枠82および保持枠83を介して2枚の透明板150に伝わっても、2枚の透明板150が振動することが抑制され、振動に伴う「ビビリ音」等の異音の発生を防止することが可能となっている。
【0023】
一方、同図(a)に示すように防振部材152は、前側枠体80が開けられた時、保持枠83の背面上辺部83aから離れて、2枚の透明板150の遊びの規制を解放する。
【0024】
このような防振部材152を設けたことにより、2枚の透明板150を固定することなく、その振動を抑制して異音の発生を防止することが可能となる。2枚の透明板150は、保持枠83によって遊びを持った状態で保持され、前側枠体80の開時には防振部材152による遊びの規制も解放される。このため、透明板150の組み付け、交換時の作業が容易となると共に、専用のものではなく一般的な透明板150を用いることが可能となるので、コストを抑制することが可能となる。また、防振部材152を先細りの形状としたことにより、防振部材152の弾性復元力を効率良く伝達することが可能となっている。さらに、防振部材152を遊技盤1Aに形成されたねじ座用の凹部151Aに取り付けているので、防振部材152を取り付けるための専用の凹部を設けることなく、防振部材152を安定して保持することが可能となっている。
【0025】
以下では、上述したパチンコ機30の他の構成を、図5に示す遊技盤1を例にとって詳細に説明する。
【0026】
<遊技盤>
図5に示す遊技盤1は、その表面に一対のガイドレール2で囲まれた略円形の遊技部3を備えており、遊技部3内には、複数の障害釘や風車等の障害部材4が配設されると共に、複数の特別図柄を変動表示するための特別図柄表示装置として機能する画像表示装置5と、2個の普通図柄表示LED6a,6bを有する普通図柄表示装置7と、複数の入賞口と、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技部3内から排出するためのアウト口8とが設けられている。
上記画像表示装置5の周囲には、遊技盤1の表面から立ち上がる枠体21が設けられており、この枠体21の下辺部分には、側方から水平方向に飛び込んだ遊技球を一時滞留させ、その後この遊技球を後述する始動入賞口12に流下させるステージ22が設けられている。
【0027】
<入賞口>
上記入賞口は、その機能によって複数種類に分かれており、遊技球が入賞したことを条件として所定数の賞球を排出するための一般入賞口9と、遊技球が通過したことを条件として、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの変動表示を開始させるための普通図柄始動口10と、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能な変動部材(以下、普通電動役物11と称す)を有し、遊技球が入賞したことを条件として画像表示装置5における特別図柄の変動表示を開始させるための始動入賞口12と、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能となっており、画像表示装置5における図柄の停止表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、所定時間および所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる大入賞口13とからなる。
【0028】
<普通図柄始動口>
上記普通図柄始動口10は、始動入賞口12の左下方に設けられており、通過する遊技球を検出するようになっている。この普通図柄始動口10の通過球は、4個まで記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、普通図柄表示装置7における図柄の変動表示が行なわれる。また、画像表示装置5の右側部には、普通図柄始動口10の通過記憶個数を表示するための4個の普通図柄記憶LED14が設けられている。この普通図柄記憶LED14の点灯個数により、普通図柄始動口10の通過記憶個数を表示することができる。
【0029】
<始動入賞口>
上記始動入賞口12の左右には、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能ないわゆるチューリップ状の普通電動役物11が設けられている。この普通電動役物11は、通常の状態では遊技球を受け入れ難い状態となっており、普通図柄表示装置7において「当たり」となった場合に、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる。
【0030】
また、始動入賞口12への入賞球は、4個まで記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、画像表示装置5における図柄の変動表示が行なわれる。また、画像表示装置5の左側部には、始動入賞口12への入賞記憶個数を表示するための4個の特別図柄記憶LED15が設けられている。この特別図柄記憶LED15の点灯個数により、始動入賞口12への入賞記憶個数を表示することができる。
【0031】
<画像表示装置>
上記画像表示装置5は、遊技部3のほぼ中央に設けられた液晶表示装置からなり、画像で表現される複数の特別図柄を変動表示するとともに、遊技状態に対応したアニメーション表示を行なうことにより、遊技演出を行なうことができるようになっている。
【0032】
画像表示装置5に表示される特別図柄は、例えば「0」「1」「2」・・・「9」「10」「11」等の数字からなり、停止表示された数字の組み合わせが「0」「0」「0」、「7」「7」「7」等のように3個とも同一の数字となった場合を「大当たり」として、一般遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技を行なうことができる。
この特別遊技とは、例えば大入賞口13を、所定時間および所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えて、一般遊技よりも多くの遊技球を入賞させることにより、多くの賞球を獲得することができるような遊技である。
【0033】
<普通図柄表示装置>
上記普通図柄表示装置7は、画像表示装置5の上方に設けられた赤色発光と緑色発光の2個の普通図柄表示LED6a,6bを備えている。この普通図柄表示装置7では、2個の普通図柄表示LED6a,6bが赤、緑の発光色で交互に点滅するようになっており、2個の普通図柄表示LED6a,6bの点滅が終了して緑色で点灯した場合を「当たり」として、始動入賞口12に設けられた普通電動役物11を、所定時間だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えて、始動入賞口12に遊技球を入賞させ易くする。
【0034】
なお、普通図柄表示装置7は、上述した2個の普通図柄表示LED6a,6bを備えて構成する他に、例えば7セグメント表示器等により構成することもできる。この場合には、7セグメント表示器に表示する普通図柄として、例えば「0」「1」「2」・・・「7」「8」「9」等の数字を変動表示し、停止表示された数字が「3」あるいは「7」となった場合を「当たり」とする。
【0035】
<枠体>
上記枠体21は、画像表示装置5の周囲の全周に亘り遊技盤1の表面より立設した壁部として形成されたものであり、図5に示すように、その背面上辺部は緩やかな円弧状をなすように形成されている。したがって、この遊技部3内に弾発された遊技球はこの枠体21の背面上辺部に落下した後、緩やかなカーブを描いて側辺部に到る左右の肩部23a,23bに導かれ、略所定の速度で所定の障害釘列24a,24b上に落下する(図5中の矢印参照;障害釘列24aに落下する遊技球軌跡のみを示す)。
【0036】
さらに、この障害釘列24a,24b上に落下した遊技球は所定の確率で水平方向に弾き飛ばされる(図5中の矢印参照;障害釘列24aに落下する遊技球軌跡のみを示す)。
【0037】
この枠体21の下方部分は、左右の側部に遊技球導入口25a,25bを有し、この遊技球導入口25a,25bから入った遊技球を一時的に滞留させる平坦部26を有するステージ22が形成されている。また、この平坦部26は、左右方向においては中央部に向かって緩やかな下り傾斜がつけられており、この平坦部26の前端中央部には遊技球流下用の切欠き部27が設けられている。また、このステージ22の前面は、このステージ22内に滞留している遊技球が遊技者から視認し得るように大きく開設されている。
ステージ22に一時滞留した遊技球は、平坦部26の傾斜にしたがって上記切欠き部27に集められ、この切欠き部27から始動入賞口12に流下するようになっている。
【0038】
<パチンコ機における遊技>
上記パチンコ機では、発射装置93(図3参照)により遊技部3内に発射された遊技球が、一般入賞口9等に入賞すると、所定数(例えば10個)の賞球を払い出す。
【0039】
また、普通図柄始動口10を遊技球が通過したことを条件として、普通図柄表示装置7における普通図柄の変動表示を開始させる。そして、乱数を用いた抽選により、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの停止表示態様を決定し、この決定に基づいて普通図柄表示LED6a,6bの変動表示を停止させる。
【0040】
ここで、普通図柄表示装置7における普通図柄表示LED6a,6bの停止表示態様が、「当たり」となると、始動入賞口12に設けられた普通電動役物11を所定時間(例えば、0.3秒間)だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換える。
【0041】
また、始動入賞口12に遊技球が入賞したことを条件として、画像表示装置5における特別図柄の変動表示を開始させる。そして、乱数を用いた抽選により、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様を決定し、この決定に基づいて特別図柄の変動表示を停止させる。
この乱数を用いた抽選には、高低2種類の確率選択テーブルが用いられる。例えば、高確率選択テーブルを選択した場合には、低確率選択テーブルを選択した場合と比較して、約5倍だけ「大当たり」が発生しやすくなっている。
【0042】
ここで、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様が「大当たり」となると、大入賞口13を所定時間(例えば30秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球を受け入れるまで開放する。また、大入賞口13内には継続入賞口(図示せず)が設けられており、大入賞口13内に入賞した遊技球が継続入賞口にも入賞すると、上述した大入賞口13の開放が、所定回数(例えば16回)に達するまで繰り返される。
【0043】
<制御装置>
上述したパチンコ機を構成する各機器は、マイクロコンピュータ等からなる制御装置により制御されている。
図6に基づいて、この制御装置の概略構成を説明する。図6は、制御装置の概略構成を示すブロック図である。
制御装置50は、図6に示すように、遊技球発射制御、賞球排出制御および音声制御等を行なうための主制御回路51と、この主制御回路51による制御に基づいて画像表示装置5における画像表示制御を行なうための表示制御回路52とを主な構成要素としている。
【0044】
<主制御回路>
主制御回路51は、演算処理を行なうためのメインCPU53と、主制御プログラムを記憶したメインROM54と、一時記憶領域であるメインRAM55とを備えており、メインROM54に記憶された制御プログラムに従ってメインCPU53等が動作することにより、遊技発射制御、賞球排出制御および音声制御等が行なわれる。なお、メインCPU53は、定期的に発生するリセット信号の入力に基づいて、制御プログラムの先頭から処理を実行する。
【0045】
また、主制御回路51には、中継基板56を介して、大入賞口13への入賞球を検出するための大入賞球センサ57、普通図柄始動口10を通過する遊技球を検出するための普通図柄始動センサ58、一般入賞口9への入賞球を検出するための一般入賞球センサ59、始動入賞口12への入賞球を検出するための始動入賞球センサ60、発射装置93により遊技部3へ向かって発射された遊技球を検出するための発射球センサ61、および遊技部3内へ達せずに発射位置へ戻ってきた遊技球を検出するための戻り球センサ62が接続されており、これらのセンサからの球検出信号が入力される。
【0046】
パチンコ機30の遊技において、普通図柄始動センサ58が普通図柄始動口10を通過した遊技球を検出すると、メインCPU53は当該検出信号に基づいて乱数を用いた抽選を行い、当該抽選結果に基づいて普通図柄表示装置7における普通図柄の停止表示態様を決定する。
【0047】
また、始動入賞球センサ60が入賞球を検出すると、メインCPU53は当該検出信号に基づいて乱数を用いた抽選を行い、当該抽選結果に基づいて、画像表示装置5における特別図柄の停止表示態様を決定する。
【0048】
さらに、主制御回路51には、ランプ制御回路63を介して普通図柄表示装置7、普通図柄記憶LED14、特別図柄記憶LED15、および装飾表示を行なうための装飾用ランプ(LED)132が接続されている。また、主制御回路51には、始動入賞口12の駆動装置、および大入賞口13の駆動装置が接続されており、各種の装飾表示、始動入賞口12の普通電動役物11の開閉動作および大入賞口13の開閉動作が制御される。
【0049】
また、主制御回路51には、音声制御回路64が接続されており、この音声制御回路64の制御に基づいてスピーカ装置100から効果音等を発生する。さらに、主制御回路51には、賞球制御回路66が接続されており、この賞球制御回路66の制御に基づいて、賞球排出装置67による賞球排出動作および発射装置93による打球発射動作が制御される。
【0050】
<表示制御回路>
表示制御回路52は、主制御回路51を構成する基板とは別個の基板により構成されており、主制御回路51から受信したコマンドに基づいて画像表示装置5に表示すべき画像データを生成し、当該画像データの表示制御を行なう。
【0051】
この表示制御回路52は、主制御回路51から受信したコマンドの解釈を行なうとともにVDP(Video Display Processor)73のパラメータ設定を行なうためのサブCPU69、サブCPU69で実行する制御プログラムを記憶したプログラムROM70、一時記憶領域であるワークRAM71、画像を形成するためのドットデータを記憶するための画像ROM72、サブCPU69で設定されたパラメータに基づいて画像ROM72内のドットデータを読み込むとともに表示すべき画像データを生成するためのVDP73、このVDP73で生成された画像データをRGB信号に変換するためのD/A変換器74、所定時間毎に割り込みをかけるためのCTC(Counter Timer Circuit)75、および図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにサブCPU69を初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC76を備えている。表示制御回路52では、プログラムROM70に記憶された制御プログラムに従ってサブCPU69等が動作することにより、画像表示装置5における画像表示が制御される。
【0052】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、防振部材が、円形の周縁部を左右対称的に各々円弧により切り取った、いわゆる「中かげ分銅紋」の断面形状を持つ柱状部材であり、その先端部が先細りの形状に形成されているが、断面形状を例えば六角形等の多角形や完全な円形としたり、先端部を先細りとしない形状としたりするなど、様々な形状の態様をとることが可能である。
【0056】
さらに、上述した実施形態では、スピーカ装置を備えたパチンコ機を例にとって説明したが、本発明は、スピーカ装置を備えた雀球遊技機等の他の弾球遊技機やスロットマシン等のその他の遊技機や、スピーカ装置を備えていない一般的な遊技機にも適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の遊技機によれば、遊技盤の前方に配置された枠状の保持枠によって、その厚み方向に遊びを持った状態で保持された透明板の遊びを規制して、透明板の振動を抑制する防振部材を備えているので、透明板を完全に固定することなく、透明板の振動を抑制することが可能となる。特に保持枠の前方に配置される装飾枠にスピーカ装置が取り付けられている場合には、効果音を出力する際のスピーカ装置の振動によって、透明板が振動して「ビビリ音」等の異音が発生することを効果的に防止し得る。また、透明板として専用品ではなく一般のガラス板等を用いることができるので、製造コストを抑制することが可能となる。
【0058】
防振部材が、遊技盤と保持枠との間に介在し、保持枠を介して透明板を前方に押圧し、透明板を保持枠の前方に配置された中枠等の前置部材に押し付けるように構成したものによれば、防振部材を簡易に構成することが可能となる。
【0059】
また、防振部材が、開閉可能な保持枠の背面または遊技盤の前面に取り付けられ、保持枠の開時には保持枠から離れて透明板の遊びの規制を解放するように構成したものによれば、保持枠を開状態にすることにより、透明板の組み付け、交換を容易に行なうことが可能となる。
【0060】
さらに、防振部材を、遊技盤に形成されたねじ座用の凹部に取り付けるように構成したものによれば、防振部材を取り付けるための専用の凹部を設けることなく、防振部材を安定して保持することが可能となる。
【0061】
また、前記防振部材が、柱状の弾性部材で構成されており、特に防振部材の先端部分が、先細りの形状に形成されているものによれば、防振部材の弾性復元力を、透明板を押し付ける力として効率良く利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防振部材の作用を示す模式図
【図2】図1に示す防振部材の配設位置を示す図
【図3】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図
【図4】図3に示す前側枠体の分解斜視図
【図5】図3に示すパチンコ機に使用する遊技部内の詳細構成を示す正面図
【図6】パチンコ機を制御するための制御装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 遊技盤
2 ガイドレール
3 遊技部
4 障害部材
5 画像表示装置
6a,6b 普通図柄表示LED
7 普通図柄表示装置
8 アウト口
9 一般入賞口
10 普通図柄始動口
11 普通電動役物
12 始動入賞口
13 大入賞口
14 普通図柄記憶LED
15 特別図柄記憶LED
21 枠体
22 ステージ
23a,23b 肩部
24a,24b 障害釘列
25a,25b 遊技球導入口
26 平坦部
27 切欠き部
30 パチンコ機
40 貸球機
50 制御装置
51 主制御回路
52 図柄制御回路
53 メインCPU
54 メインROM
55 メインRAM
56 中継基板
57 大入賞球センサ
58 普通図柄始動センサ
59 一般入賞球センサ
60 始動入賞球センサ
61 発射球センサ
62 戻り球センサ
63 ランプ制御回路
64 音声制御回路
66 賞球制御回路
67 賞球排出装置
69 サブCPU
70 プログラムROM
71 ワークRAM
72 画像ROM
73 VDP
74 D/A変換器
75 CTC
76 リセットIC
80 前側枠体
81 装飾枠
82 中枠
83 保持枠
83a 背面上辺部
84 開口窓
85A〜85C 装飾用ランプの設置部
88 開口部
90 操作部
91 上受け皿
92 下受け皿
93 発射装置
94 灰皿
95 操作パネル
100 スピーカ装置
101 スピーカ本体
102 ケース部
103 スピーカカバー
110A〜110C 装飾用レンズ部材
120 表示用レンズ部材
132 装飾用ランプ(LED)
150 透明板(ガラス板)
151,151A ねじ座用の凹部
152 防振部材
152a 先端部
Claims (4)
- 遊技盤に形成された遊技部を前方側から覆う透明板を、該透明板の厚み方向に遊びを持たせて保持する枠状の保持枠が、前記遊技盤の前方に配置されてなる遊技機において、
前記遊びを規制して、前記透明板の振動を抑制する防振部材を備えてなり、
前記防振部材は、柱状の弾性部材で構成され、前記遊技盤の前面のねじ座用の凹部に取り付けられて、前記遊技盤と前記保持枠との間に介在し、
前記保持枠が前記遊技盤に対して開閉可能に構成されており、
前記保持枠の閉時には、前記防振部材が、該保持枠と前記遊技盤との間に挟まれた状態で介在し、該防振部材が前記透明板の背面を当該透明板を保持する前記保持枠を介して前方に押圧し、該透明板を該保持枠の前方に配置された所定の前置部材に押し付けるものであり、
前記保持枠の開時には、前記防振部材が、該保持枠から離れて前記遊びの規制を解放することを特徴とする遊技機。 - 前記防振部材の先端部分が、先細りの形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 保持枠の前方に配置される装飾枠にスピーカ装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の遊技機。
- 弾球遊技機であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の遊技機。
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