JP4132539B2 - フォトントンネリング光変調素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトントンネリング現象を利用して光を変調するフォトントンネリング光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ある光によって別の光を変調することが考えられている。例えば、高速変調可能な半導体レーザを直接変調して、その半導体レーザでは得られない波長帯の別のレーザ光を変調することが考えられている。
【0003】
そのようないわゆる光−光変調方式を実現するために従来は、例えば、液晶やフォトクロミック材料に照射する光(駆動光)をON-OFF制御することにより、この液晶やフォトクロミック材料を透過する光(被変調光)の透過率を制御して、この被変調光を変調する構成が提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液晶やフォトクロミック材料を用いるこの種の従来の光変調素子においては、高い変調度を得るのが難しいという問題が認められている。
【0005】
そこで本発明は、十分に高い変調度を得ることができる光−光変調素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による光変調素子は、フォトントンネリング現象を利用して光を変調するフォトントンネリング光変調素子であり、より詳しくは、
被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
これとは別の第2の誘電体ブロックと、
誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
前記第1および第2の誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
上記光機能性膜が、特に以下に順次説明する材料から形成されたことを特徴とするものである。なお本発明によるフォトントンネリング光変調素子の一つの実施形態において、上記積層構造は、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層の上に形成された光機能性膜と、この光機能性膜の上に形成された第2の誘電体層とから構成される。
【0007】
なお上記の構成において、第1および第2の誘電体層の屈折率は、互いにほぼ等しいのが望ましい。
【0008】
また、本発明フォトントンネリング光変調素子の別の実施形態は、上記一つの実施形態では第1および第2の誘電体層の間に光機能性膜を形成しているのに対し、これを逆に、2つの光機能性膜の間に1つの誘電体層を形成したものであって、より具体的には、
被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
この第1の誘電体ブロックより低屈折率の材料からなり、該誘電体ブロックの前記一面上に形成された、光照射によって屈折率が変化する第1の光機能性膜と、
この第1の光機能性膜の上に形成された誘電体層と、
この誘電体層の上に形成された、光照射によって屈折率が変化する第2の光機能性膜と、
この第2の光機能性膜より高屈折率の材料からなり、該第2の光機能性膜の上に一面が接するように配設された第2の誘電体ブロックと、
前記第1および第2の光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
前記第1および第2の光機能性膜並びに前記誘電体層の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたことを特徴とするものである。
【0009】
なお上記の構成において、第1および第2の光機能性膜は、光照射に対して互いにほぼ等しい特性で屈折率が変化するもの、特に望ましくは同材料から形成されるのが望ましい。
【0010】
他方、上記2つのタイプの本発明のフォトントンネリング光変調素子のいずれにおいても、第1の誘電体ブロックの前記一面に対する被変調光の入射角は、光機能性膜に変調駆動光が照射されたときフォトントンネリングが生じ、照射されないときフォトントンネリングが生じない角度に設定されるのが望ましい。
【0012】
また、被変調光が直線偏光である場合、第1の誘電体ブロックは、その前記一面に被変調光がS偏光で入射するように配置されるのが望ましい。
【0013】
一方第1の誘電体ブロックは、プリズム状に形成されるのが望ましい。あるいは、この第1の誘電体ブロックは、それと等しい屈折率を有する屈折率マッチング液を介して、該第1の誘電体ブロックと等しい屈折率を有するプリズムと一体化され、このプリズムを通して被変調光が第1の誘電体ブロックの前記一面に導入されるように構成されてもよい。
【0014】
また、第2の誘電体ブロックも、プリズム状に形成されるのが望ましい。あるいは、この第2の誘電体ブロックは、それと等しい屈折率を有する屈折率マッチング液を介して、該第2の誘電体ブロックと等しい屈折率を有するプリズムと一体化され、フォトントンネリングが生じた際に、このプリズムの一面から被変調光が出射するように構成されてもよい。
【0015】
本発明において誘電体ブロックは、被変調光の波長に対して透明である誘電体で形成される。特に被変調光の波長に対する屈折率が1.2〜3の範囲にある材質からなるものが好ましい。具体的にはBK7、高屈折率ガラス、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0016】
本発明の一つのフォトントンネリング光変調素子において光機能性膜としては、下記の一般式(I)で示される化合物からなるものが用いられる。
【0017】
【化7】
Figure 0004132539
〔式中、DYEは、一価のシアニン色素陽イオンを表し、nは1以上の整数を表し、R 及びR は、各々独立に置換基を表し、R 及びR は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、RとR、RとR 、RとR 又はRとR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。〕
本発明においては、一般式(I)のシアニン色素陽イオンが、下記の一般式(I−1)で表される陽イオンであることが好ましい。
【0018】
【化8】
Figure 0004132539
〔式中、Za及びZbは各々独立に5員もしくは6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、RおよびR は各々独立に、アルキル基またはアリール基を表し、L 、L 、L 、L 及びL は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L 〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成しても良い)、jは0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。〕
Za及びZbで表される5員もしくは6員の含窒素複素環(核)としては、例えば、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナフトテルラゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピリジン核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキサリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、及びピリミジン核などを挙げることができる。
【0019】
これらの中では、ベンゾチアゾール核、イミダゾール核、ナフトイミダゾール核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキサリン核、チアジアゾール核、テトラゾール核、及びピリミジン核が好ましい。
【0020】
これらの環には、更にベンゼン環、ナフトキノン環が縮合していても良い。
【0021】
上記の5員又は6員の含窒素複素環は置換基を有していても良い。好ましい置換基(原子)の例としては、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アリール基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。アルキル基は、炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。またアルキル基の置換基の例としては、アルコキシ基(例、メトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ)を挙げることができる。アリール基としては、フェニルが好ましい。
【0022】
上記R およびRで表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、好ましくは炭素原子数1〜18(更に好ましくは1〜8、特に1〜6)の直鎖状、環状、もしくは分岐状のアルキル基である。
【0023】
およびR で表されるアリール基は置換基を有していても良く、好ましくは炭素原子数6〜18の置換基を有していても良いアリール基である。
【0024】
およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0025】
炭素原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの複素芳香族環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)。
【0026】
本発明において、上記R およびR は、それぞれ無置換の炭素原子数1〜8(好ましくは、炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜4)の直鎖状のアルキル基、あるいはアルコキシ基(特に、メトキシ)又はアルキルチオ基(特に、メチルチオ)で置換された炭素原子数1〜8(好ましくは、炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜4)の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
【0027】
〜L で表されるメチン基は、置換基を有していても良い。好ましい置換基の例としては、炭素原子数1〜18のアルキル基、アラルキル基、および前記R およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例として挙げたものを挙げることができる。これらの中では、アルキル基(例、メチル)、アリール基(例、フェニル)、ハロゲン原子(例、Cl、Br)、アラルキル基(例、ベンジル)が好ましい。
【0028】
本発明においては、j、kは各々独立に0又は1であることが好ましい。
【0029】
上記L 〜L 上の置換基は互いに連結して環を形成しても良い。好ましい環員数は5員環または6員環であり、これらの環が2個以上縮合していても良い。連結位置は、形成されるメチン鎖の数によって異なる。例えば、L 〜Lで形成されるメチン鎖がペンタメチン鎖の場合には、その好ましい連結位置は、LとL 、L とL 、及びL とLである。また二重縮合環を形成する場合の連結位置は、L とL とL である。またこの場合、L とR 、L とR 、更にLとR は互いに連結して環を形成していても良く、その環員数は好ましくは5員環または6員環である。
【0030】
本発明においては、L 〜L上の置換基で形成される環は、シクロヘキセン環であることが好ましい。
【0031】
一般式(I−1)で表わされるシアニン色素陽イオンの中でも、下記の一般式(I−2)で表わされる陽イオンが更に好ましい。
【0032】
【化9】
Figure 0004132539
〔式中、Z及びZ は各々独立に、インドレニン核もしくはベンゾインドレニン核を形成するために必要な原子群を表し、RおよびR は各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R 、R、R 及びR は各々独立に、アルキル基を表し、L、L 、L 、L 及びL は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L 〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成しても良い)、jは0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。〕
上記Z 及びZ で表されるインドレニン核もしくはベンゾインドレニン核は、置換基を有していても良い。置換基(原子)としては、ハロゲン原子、又はアリール基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。またアリール基としては、フェニルが好ましい。
【0033】
上記R 、R 、R およびR で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルキル基である。またR とR 、及びR とR はそれぞれ連結して環を形成しても良い。
【0034】
、R 、R およびR で表されるアルキル基は、置換基を有していても良い。置換基として好ましいものは、前記R およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例として挙げたものを挙げることができる。
【0035】
本発明においては、R 、R 、R 及びR で表されるアルキル基は、それぞれ炭素原子数1〜6の直鎖状の無置換のアルキル基(特に、メチル、エチル)であることが好ましい。
【0036】
一般式(I−2)において、R及びR 、L 、L 、L 、L 及びL 、j及びk、そしてXn−及びnは、それぞれ一般式(I−1)において説明したそれらと同じ意味を表す。またそれらの好ましい例示も前記一般式(I−1)において説明したものと同じである。
【0037】
〔DYE 〕-(SO n+1 の(SO ) 基は、一般式(I−1)および一般式(I−2)のR 、R の末端に結合することが好ましい。
【0038】
以下に本発明の一般式(I)における〔DYE 〕-(SO n+1 部分の具体例を列記する。
【0039】
【化10】
Figure 0004132539
【化11】
Figure 0004132539
【化12】
Figure 0004132539
【化13】
Figure 0004132539
【化14】
Figure 0004132539
【化15】
Figure 0004132539
【化16】
Figure 0004132539
【化17】
Figure 0004132539
一般式(I)における下記の部分構造(一般式(I−3)という)について詳述する。
【0040】
【化18】
Figure 0004132539
式中、R及びR は、各々独立に置換基を表し、R 及びR は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R とR 、R とR 、R と R又はR とR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
上記R およびR で表されるアルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基である。これらは、直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよい。これらの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、ネオペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル及びシクロプロピル等が挙げられる。
【0042】
アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0043】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニル);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、ナフチル);
ハロゲン原子(例、F、Cl、Br等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールチオ基(例、フェニルチオ); 炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル);
炭素数7〜11の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、ナフトキシカルボニル);
無置換のアミノ基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル);
無置換のスルファモイル基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル);
シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、クマリン環)。上記R およびR で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
【0044】
アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0045】
上記R およびR で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルキニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。
【0046】
アルキニル基の置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0047】
上記R及びR で表されるアラルキル基は、炭素数7〜18の置換もしくは無置換のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、メチルベンジル等が好ましい。
【0048】
上記R 及びR で表されるアリール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0049】
アリール基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。またこれらの他に、アルキル基(例えば、メチル、エチル等)も好ましい。
【0050】
上記R 及びR で表される複素環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和又は不飽和の複素環であり、これらの例としては、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、及びクマリン環が挙げられる。複素環基は置換されていてもよく、その場合の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0051】
及びR で表される置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものと同義である。またこれらの他に、アルキル基(例えばメチル、エチル等)も挙げることができる。
【0052】
本発明においては、R 及びR で表される置換基は、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。特に好ましくは、水素原子である。
【0053】
一般式(I−3)で表される部分構造は、下記一般式(I−4)又は(I−5)で表されることが特に好ましい。
【0054】
【化19】
Figure 0004132539
式中、R17及びR18は、それぞれ前述したR 及びR で表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。R19及びR20は、それぞれ前述したR 及びRで表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0055】
【化20】
Figure 0004132539
式中、R21及びR22は、それぞれ前述したR 及びR で表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。R21とR22は、それぞれ互いに連結して炭素環または複素環を形成している場合も好ましく、特に好ましくは、R21とR22がそれぞれ結合しているピリジン環との縮合芳香環である。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0056】
本発明で用いられる一般式(I)で表される色素化合物中の一般式(I−3)で表される部分(「B」で表示)の例を以下に具体的に記載する。
【0057】
【化21】
Figure 0004132539
【化22】
Figure 0004132539
【化23】
Figure 0004132539
【化24】
Figure 0004132539
【化25】
Figure 0004132539
【化26】
Figure 0004132539
【化27】
Figure 0004132539
【化28】
Figure 0004132539
【化29】
Figure 0004132539
【化30】
Figure 0004132539
本発明で用いられる好ましい具体的な化合物例を下記の表1および2に示す。表1および2において、化合物例は、〔DYE 〕-(SO ) n+1 で表されるアニオン部と一般式(I−3)で表されるカチオン部との組み合わせてなるものである。例えば、以下に、化合物No.1の例を挙げて説明する。化合物No.1〔アニオン部(A−1)/カチオン部(B−5)〕で示される化合物例は、それぞれ下記の式で示される。
【0058】
【化31】
Figure 0004132539
なお、化合物No. 2以降の化合物についても同様な意味である。
【0059】
【表1】
Figure 0004132539
【表2】
Figure 0004132539
本発明で用いる上記一般式(I)で表される化合物は、単独で用いても良いし、あるいはまた二種以上を併用しても良い。
【0060】
なお、本発明で用いる一般式(I)で表される化合物は、既に公知の下記の文献の記載を参考にして容易に合成することができる。
【0061】
これらの文献としては、たとえば、エフ・エム・ハーマー著「ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ5(インターサイエンス・パブリシャーズ、N.Y.1964年)55頁以降;ニコライ・チュチュルコフ、ユルゲン・ファビアン、アキム・メールホルン、フィリッツ・ディエツ・アリア・タジエール(Nikolai Tyutyulkov, Jurgen Fabian, Achim Ulehlhorn, Fritz Dietz, Alia Tadjer) 共著「ポリメチン・ダイズ」、セントクリメント・オーリズキ・ユニバシティ・プレス、ソフィア(St. Kliment Ohridski University Press, Sophia)、23頁ないし38頁;デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著、「ヘテロサイクリック、コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14節、第482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社、ニューヨーク、ロンドン、(1977年刊);「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds) 」、(2nd. Ed. vol.IV, part B, 1977年刊)、第15章、第369〜422頁、(2nd. Ed. vol.IV, part B, 1985年刊)、第15章、第267〜296頁、エルスバイヤー・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsvier Science Public Company Inc.)、ニューヨークなどが挙げられる。
【0062】
更に具体的には、〔DYE 〕-(SO n+1 (M ) 、(ただし、Mはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオンなどの陽イオンを表わす)で表される塩と、一般式(I−3)で表される陽イオンがCl 、Br 、I 、パラトルエンスルホネートなどの陰イオンと組合されて形成される塩とを、適当な溶媒中、例えばメタノール、水、もしくはこれらの混合物などの中で混合した後、結晶として析出させることにより得ることができる。
【0063】
その一例として、化合物41は、A−28のN−エチルピリジニウム塩のメタノール溶液とB−54の臭化物のメタノール溶液とを混合することにより析出する結晶を濾取し、メタノールで洗い、乾燥することによって、融点213−217度の褪色粉末として得られる。
【0064】
また本発明の別のフォトントンネリング光変調素子においては、下記の一般式(II−1)、(II−2)で示される色素化合物をそれぞれ単独で、あるいは組み合わせて形成された光機能性膜が用いられる。
【0065】
【化32】
Figure 0004132539
式中、A,A,B及びBは置換基を表し、L,L,L,L及びLはメチン基を表し、Xは=O,=NR,=C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、Xは−O,−NR,−C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、m,nは0〜2の整数を表す。YとEは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表し、ZとGは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表す。x及びyはそれぞれ独立に0または1を表す。Mk+はオニウムイオンを表す。kは電荷数を表す。
【0066】
以下に、本発明に用いられる上記色素化合物について説明する。
【0067】
本発明に用いられる色素化合物は、アニオン部(色素成分)とカチオン部(オニウム成分)からなる。
【0068】
まず、アニオン部について詳述する。
【0069】
上記式において、A 、A 、B 及びB で表される置換基としては、例えば以下のものを挙げることができる。
【0070】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル等);
炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基(例、ビニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル等);
炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);
炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);
炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);
炭素数6〜10のアリールチオ(例、フェニルチオ等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のアミノ基(例、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のスルファモイル基(例、無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等);
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリンなど)。
【0071】
及びA で表される置換基は、ハメットの置換基定数(σp )値が0.2以上のものであることが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Chem.Rev.91,165(1991)に記載されている。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基である。
【0072】
及びBで表される置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はアミノ基であることが好ましい。
【0073】
に結合する〔−C(=L )−(E)x −C(=X )−〕(以下、便宜的に、W1と称する。)と、Z に結合する〔−C(−L )=(G)y =C(−X ) −〕(以下、便宜的に、W2と称する)とはそれぞれ共役状態にあるため、Y とW1とで形成される炭素環もしくは複素環、及びZ とW2とで形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の1つとして考えられる。
【0074】
上記YとW1、及びZ とW2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環である。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成していても良い。またこれらは置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、A、A 、B 及びB で表される置換基として示したものが挙げられる。複素環を形成するヘテロ原子として好ましいものは、B、N、O、S、Se、及びTeである。特に好ましくは、N、O及びSである。
【0075】
x及びyは、それぞれ独立に0または1であり、好ましくは共に0である。
【0076】
は、=O、=NR又は=C(CN) を表す。またX は、−O、−NR又は−C(CN) を表す。Rは置換基を表す。Rで表される置換基は、前述したA 、A 、B 及びB で表される置換基として示したものが挙げられる。Rは、アリール基であることが好ましい。特に好ましくはフェニルである。
【0077】
本発明においては、X は、=Oであり、またX は、−Oである場合が好ましい。
【0078】
とW1、およびZとW2で形成される炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0079】
【化33】
Figure 0004132539
好ましい炭素環は、A−1、及びA−4で示される炭素環である。
【0080】
とW1、およびZ とW2で形成される複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0081】
【化34】
Figure 0004132539
【化35】
Figure 0004132539
【化36】
Figure 0004132539
【化37】
Figure 0004132539
【化38】
Figure 0004132539
好ましい複素環は、A−5、A−6、及びA−7で示される複素環である。
【0082】
Ra 、Rb 及びRc で表される置換基は、前記A 、A 、B及びB で表される置換基として挙げたものと同義である。
【0083】
またRa 、Rb 及びRc はそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。
【0084】
、L 、L 、L 及びL で表されるメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメチン基である。その置換基としては、例えば、前述したA 、A2 、B及びB2 で表される置換基とした挙げたものが挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、カルバモイル基及びヘテロ環基である。又置換基同志が連結して5〜7員環(例、シクロペンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、シクロヘプテン環)を形成してもよい。
【0085】
本発明においては、m及びnが共に1であるか、あるいはmが0でnが2、又はmが2でnが0である場合が好ましい。
【0086】
次に、カチオン部について詳述する。
【0087】
k+で表されるオニウムイオンは、下記一般式(II−3)または一般式(II−4)で示されるものが最も好ましい。
【0088】
【化39】
Figure 0004132539
【化40】
Figure 0004132539
式中、R 、R 、R及びRは各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。R 、R 、R 及びR は、各々独立に置換基(置換原子を含む)を表す。R とR 、R とR 、R とR 、そしてR とR は、それぞれが互いに連結して環を形成してもよく、あるいはまたRとR 、R とR 、R とR、そしてRとRは、それぞれが互いに連結して環を形成してもよい。q1及びq2、そしてr1及びr2はそれぞれ0から4の整数を表し、q1、q2、r1及びr2が各々2以上の場合には、それらの複数のR 、R 、R及びR はそれぞれ互いに同じであっても異なってもよい。
【0089】
、R 、R およびRで表されるアルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
【0090】
アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0091】
ハロゲン原子(例、F、Cl、Br等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ(例、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールチオ(例、フェニルチオ);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニル);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、ナフチル);
炭素数7〜11の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、ナフトキシカルボニル);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のアミノ基(例、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モリホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のスルファモイル基(例、無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル);
シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリン)。
【0092】
、R 、R およびR で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
【0093】
アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0094】
、R 、R およびRで表されるアルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。
【0095】
アルキニル基の置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0096】
、R 、R およびR で表されるアリール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0097】
アリール基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。またこれらの他に、アルキル基(例えば、メチル、エチル等)も好ましい。
【0098】
、R 、R 及びRで表される置換基は、前記A 、A、B 及びB で表される置換基として挙げたものと同義である。
【0099】
本発明においては、R 、R 、R 及びRで表される置換基は、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。特に好ましくは、水素原子である。
【0100】
本発明においては、R とR が互いに連結して環を形成している場合が好ましい。形成される環は5〜7員環が好ましく、より好ましくは6員環である。
【0101】
またR とR 、及びR とR はそれぞれ互いに連結して炭素環または複素環を形成している場合も好ましい。更に好ましくは炭素環であり、特に好ましくは、R 、R 、R 及びRがそれぞれ結合しているピリジン環との縮合芳香環である。
【0102】
本発明で用いられる一般式(II−1)又は(II−2)で表される色素化合物のアニオン部とカチオン部について以下に具体的に記載する。
【0103】
【化41】
Figure 0004132539
【化42】
Figure 0004132539
【化43】
Figure 0004132539
【化44】
Figure 0004132539
【化45】
Figure 0004132539
【化46】
Figure 0004132539
【化47】
Figure 0004132539
【化48】
Figure 0004132539
【化49】
Figure 0004132539
【化50】
Figure 0004132539
【化51】
Figure 0004132539
【化52】
Figure 0004132539
【化53】
Figure 0004132539
【化54】
Figure 0004132539
【化55】
Figure 0004132539
【化56】
Figure 0004132539
【化57】
Figure 0004132539
【化58】
Figure 0004132539
【化59】
Figure 0004132539
【化60】
Figure 0004132539
【化61】
Figure 0004132539
【化62】
Figure 0004132539
【化63】
Figure 0004132539
【化64】
Figure 0004132539
本発明で用いられる好ましい具体的な化合物例を下記の表3に示す。
【0104】
表3において、化合物例は、アニオン部とカチオン部とを組み合わせてなるものである。例えば、以下に、No.3の例を挙げて説明する。化合物No.3〔アニオン部(B−3)/カチオン部(C−20)〕で示される化合物例は、下記の式で示される。
【0105】
【化65】
Figure 0004132539
なお、化合物No.4以降の化合物例についても同様な意味である。
【0106】
【表3】
Figure 0004132539
【化66】
Figure 0004132539
上記一般式(II−1)および一般式(II−2)で表される化合物は、下記の一般式(II−9)および一般式(II−10)で表される色素化合物のアルカリ金属塩(例、Li塩、Na塩、K塩など)、アンモニウム塩(NH4+塩)、あるいはトリエチルアンモニウム塩(Et NH 塩)などの塩化合物と、下記一般式(II−11)で表されるオニウム塩との水または有機溶媒中(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドなど)における塩交換反応によって容易に合成できる。
【0107】
【化67】
Figure 0004132539
式中、A 及びA 、B 及びB 、Y 及びZ、並びにL11、L12、L13、L14およびL15、X 及びX4 、E1及びG1、m3及びn3、並びにx1及びy1は、それぞれ前述した一般式(II−1)または一般式(II−2)におけるA 、A、B 及びB 、Y およびZ 、L 、L、L 、L 及びL 、X 及びX 、E及びG、m及びn、並びにx及びyとそれぞれ同義である。
【0108】
【化68】
Figure 0004132539
式中、Xr−は陰イオンを表し、rは整数(好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2の整数)を表す。
【0109】
陰イオンとしては、例えば、ハライドイオン(Cl 、Br 、I )、スルホナートイオン(CH3 SO3 、p−トルエンスルホナートイオン、ナフタレン−1,5−ジスルホナートイオン)、ClO 、BF 、及びPF を挙げることができる。
【0110】
なお、一般式(II−9)および一般式(II−10)で表される色素化合物は、一般に該当する活性メチレン化合物(例、ピラゾロン、チオバルビツール酸、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシフェナレンオン等)とメチン染料にメチン基またはポリメチン基を導入するためのメチン源との縮合反応によって合成することができる。この種の化合物についての詳細は、特公昭39−22069号、同43−3504号、同52−38056号、同54−38129号、同55−10059号、同58−35544号、特開昭49−99620号、同52−92716号、同59−16834号、同63−316853号、及び同64−40827号各公報、並びに英国特許第1133986号、米国特許第3247127号、同4042397号、同4181225号、同5213956号、及び同5260179号各明細書を参照することができる。
【0111】
具体的には、モノメチン基の導入には、オルトギ酸エチル、オルト酢酸エチルなどのオルトエステル類またはN,N−ジフェニルホルムアミジン塩酸塩等が、トリメチン鎖の導入には、トリメトキシプロペン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパンまたはマロンアルデヒドジアニル塩酸塩(あるいはこれらの誘導体)等が、またペンタメチン鎖の導入には、グルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩または1−(2,4−ジニトロフェニル)−ピリジニウムクロリド(あるいはこれらの誘導体)等がそれぞれ使用される。
【0112】
以下に、一般式(II−1)又は一般式(II−2)で表される色素化合物の合成例を記載する。
【0113】
(合成例1)化合物No.5の合成
0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液20mLの中に下記の化合物a1gを室温にて添加し撹拌した。この溶液に下記の化合物b0.5gを水5mLに溶解した水溶液を添加した。同温度で30分撹拌後、析出した結晶を濾過し、水及びエタノールで洗浄後乾燥して、目的物0.23gを得た。λmax =654nm(メタノール中)。
【0114】
【化69】
Figure 0004132539
上記一般式(II−1)で示される化合物並びに一般式(II−2)で示される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは二種以上を併用してもよい。また、一般式(II−1)で示される化合物並びに一般式(II−2)で示される化合物を組み合わせて用いてもよい。
【0115】
さらに本発明の別のフォトントンネリング光変調素子においては、光機能性膜として、下記の一般式(III)で示される有機色素と、下記の一般式( IV )で示される有機酸化剤との組み合わせからなるものが用いられる。
【0116】
【化70】
Figure 0004132539
式中、ZおよびZは5員または6員の含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表し、R30,R31は各々独立にアルキル基を表し、L,L,L,LおよびLはメチン基を表し、n1,n2は各々0〜2の整数を表し、p,qは各々独立に0〜2の整数を表し、M1は電荷均衡対イオンを表し、m1はM1の価数を表す。
【0118】
【化71】
Figure 0004132539
式中、m,nは各々独立に0〜2の整数を表し、X,Xは=NRまたは=CRを表し(R,R,Rは置換基を表す)、LおよびLは各々独立に2価の連結基を表す。
【0119】
以下に、本発明で使用される有機酸化剤及び有機色素について説明する。
【0120】
まず、有機酸化剤について説明する。一般式(IV)において、m、nは共に1である場合が好ましい。
【0121】
、X は=NR または=CR を表す。上記R 、R 及びR で表される置換基は、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子が組み合わされてなる置換基であり、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、スルファモイル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)を挙げることができる。これらは、更に、これらの置換基で置換されていてもよい。
【0122】
上記R 、R 及びR で表される置換基の例について更に詳しく説明する。
【0123】
アルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の直鎖、分岐鎖または環状の置換基を有していてもよいアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−メトキシプロピル、2−アミノエチル、アセトアミドメチル、2−アセトアミドエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、2−スルホエチル、ウレイドメチル、2−ウレイドエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルを挙げることができる。
【0124】
アルケニル基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜6)の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、2−オクテニル、3−ドデセニルを挙げることができる。
【0125】
アラルキル基は、炭素数7〜10のアラルキル基であり、例えば、ベンジルを挙げることができる。
【0126】
アリール基は、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、p−ジブチルアミノフェニル、p−メトキシフェニルを挙げることができる。
【0127】
ヘテロ環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基であり、環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、チエニル、インドリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニル、モルホリニルを挙げることができる。
【0128】
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。
【0129】
アルコキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシを挙げることができる。
【0130】
アリールオキシ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、pーメトキシフェノキシを挙げることができる。
【0131】
アルキルチオ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、ヘキサデシルチオ、オクタデシルチオを挙げることができる。
【0132】
アリールチオ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールチオ基で例えば、フェニルチオ、4−メトキシフェニルチオを挙げることができる。アシルオキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアシルオキシ基で例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、オクタデカノイルオキシを挙げることができる。
【0133】
アルキルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルアミノ基であり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、オクチルアミノ、ジオクチルアミノ、ウンデシルアミノを挙げることができる。
【0134】
アミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアミド基であり、例えば、アセトアミド、アセチルメチルアミノ、アセチルオクチルアミノ、アセチルデシルアミノ、アセチルウンデシルアミノ、アセチルオクタデシルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、ドデカノイルアミノ、ドデカノイルメチルアミノ、オクタデカノイルアミノを挙げることができる。
【0135】
スルホンアミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいスルホンアミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、2−メトキシエチルスルホンアミド、3−アミノプロピルスルホンアミド、2−アセトアミドエチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド、ウンデシルスルホンアミドを挙げることができる。
【0136】
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜6)のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ、ウンデシルオキシカルボニルアミノを挙げることができる。
【0137】
アルコキシスルホニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルコキシスルホニルアミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ、エトキシスルホニルアミノ、オクチルオキシスルホニルアミノ、ウンデシルオキシスルホニルアミノを挙げることができる。
【0138】
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜6)のスルファモイルアミノ基であり、例えば、メチルスルファモイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミノ、オクチルスルファモイルアミノ、ウンデシルスルファモイルアミノを挙げることができる。
【0139】
ウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、オクチルウレイド、ウンデシルウレイドを挙げることができる。
【0140】
チオウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいチオウレイド基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイド、オクチルチオウレイド、ウンデシルチオウレイドを挙げることができる。
【0141】
アシル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、オクタノイル、デカノイル、ウンデカノイル、オクタデカノイルを挙げることができる。
【0142】
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜18(好ましくは、炭素数2〜6)のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニルを挙げることができる。
【0143】
カルバモイル基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、N, N−ジメチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N,N−ジオクチルカルバモイル、N−ウンデシルカルバモイルを挙げることができる。
【0144】
アルキルスルホニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していても良いアルキルスルホニル基であり、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、2ークロロエタンスルホニル、オクタンスルホニル、ウンデカンスルホニルを挙げることができる。
【0145】
アルキルスルフィニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニルを挙げることができる。
【0146】
スルファモイル基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜6)の置換基を有していてもよいスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ジオクチルスルファモイル、ウンデシルスルファモイルを挙げることができる。
【0147】
及びL は、各々独立に2価の連結基を表す。ここで、2価の連結基とは、炭素原子、窒素原子、酸素原子あるいは硫黄原子から構成され、X 、Xが結合している炭素原子と共同で4〜8員環を構成する。
【0148】
、及びL の具体例としては、−C(R)(R)−、−C(R)=、−N(R)−、−N=、−O−、及び−S−を組み合わせて構成される2価の連結基を挙げることができる。ここで、R 、R 、R 及びR は各々独立に、水素原子または置換基を表し、その詳細は、前記R 、R 、R にて説明したものに同義である。また、この4〜8員環には飽和あるいは不飽和の縮合環を形成してもよく、その縮合環の例としては、シクロアルキル環、アリール環またはヘテロ環を挙げることができ、その詳細は、前記R 、R 、R にて説明したものに同義である。
【0149】
上記4〜8員環について更に詳細に説明する。
【0150】
4員環の例としては、シクロブタンジオン、シクロブテンジオン、ベンゾシクロブテンキノンを挙げることができる。
【0151】
5員環の例としては、シクロペンタンジオン、シクロペンテンジオン、シクロペンタントリオン、シクロペンテントリオン、インダンジオン、インダントリオン、テトラヒドロフランジオン、テトラヒドロフラントリオン、テトラヒドロピロールジオン、テトラヒドロピロールトリオン、テトラヒドロチオフェンジオン、テトラヒドロチオフェントリオンを挙げることができる。
【0152】
6員環の例としては、ベンゾキノン、キノメタン、キノジメタン、キノンイミン、キノンジイミン、チオベンゾキノン、ジチオベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、ジヒドロクロメントリオン、ジヒドロピリジンジオン、ジヒドロピラジンジオン、ジヒドロピリミジンジオン、ジヒドロピリダジンジオン、ジヒドロフタラジンジオン、ジヒドロイソキノリンジオン、テトラヒドロキノリントリオンを挙げることができる。
【0153】
7員環の例としては、シクロヘプタンジオン、シクロヘプタントリオン、アザシクロヘプタントリオン、ジアザシクロヘプタントリオン、オキソシクロヘプタントリオン、ジオキソシクロヘプタントリオン、オキソアザシクロヘプタントリオンを挙げることができる。
【0154】
8員環の例としては、シクロオクタンジオン、シクロオクタントリオン、アザシクロオクタントリオン、ジアザシクロオクタントリオン、オキソシクロオクタントリオン、ジオキソシクロオクタントリオン、オキソアザシクロオクタントリオン、シクロオクテンジオン、シクロオクタジエンジオン、ジベンゾシクロオクテンジオンを挙げることができる。
【0155】
、Lが、X 、X が結合している炭素原子と共同で構成する環としては、好ましくは6員環である。
【0156】
有機酸化剤は、下記の一般式(IV−1)で表される化合物であることが更に好ましい。
【0157】
【化72】
Figure 0004132539
式中 X11、X22で表される=NR 、及び=CR10は、それぞれ前記一般式(IV)におけるX 、X で表される=NR 、及び=CR と同義であり、その好ましい範囲も同一である。またR 、R及びR10で表される置換基は、前記一般式(IV)におけるR 、R 及びRで表される置換基と同義であり、またその好ましい範囲も同一である。
【0158】
11、R12、R13及びR14は各々独立に水素原子または置換基を表す。R11、R12あるいはR13、R14が同時に置換基となる場合、これらは、各々連結して不飽和縮合環を形成してもよい。この不飽和縮合環は置換基を有していてもよく、その置換基としては、前記R 〜R にて説明したものと同じものが挙げられる。
【0159】
上記X11、X22は、各々独立に、酸素原子あるいは=CR10基であることが好ましく、同時に酸素原子あるいは同時に=CR10基となることがより好ましい。ここで、R 、R10は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアルキルスルホニル基であることが好ましい。
【0160】
11、X22が同時に酸素原子となる場合について説明する。
【0161】
11、X22が同時に酸素原子となる場合、R11、R12、R13及びR14の少なくとも2つが電子吸引性基であることが更に好ましい。ここで電子吸引性基とは、ハメットのσp値がプラスの置換基を意味し、具体的には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、及びアルキルスルフィニル基を挙げることができる。
【0162】
11、X22が同時に酸素原子となる場合の特に好ましい組み合わせとしては、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、及びスルファモイル基であって、このうち少なくとも2つが電子吸引性基である場合である。
【0163】
最も好ましい組み合わせとしては、R11、R12、R13及びR14は各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基であって、このうち少なくとも2つがハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルホニル基またはアルキルスルフィニル基である。
【0164】
11、X22が同時に=CR10基となる場合、有機酸化剤は、下記の一般式(IV−2)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0165】
【化73】
Figure 0004132539
式中、R15、R16、R17、R18は、各々独立に、前記R11〜R14について説明したものに同義である。
【0166】
有機酸化剤は、下記の一般式(IV−3)または一般式(IV−4)で表される化合物であることが最も好ましい。
【0167】
【化74】
Figure 0004132539
【化75】
Figure 0004132539
一般式(IV−3)中、R19はハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。R20は、前記R 〜R にて説明したものと同じものを意味する。m4は、1〜4の整数を表し、m4または4−m4が2以上の整数を表すとき、複数のR31と複数のR32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0168】
一般式(IV−4)中、R21は水素原子または置換基を表す。ここで、置換基とは、前記R 〜R にて説明したものと同じものを意味する。m5は0〜6の整数を表し、m5が2以上の整数を表すとき、複数のR21はぞれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0169】
一般式(IV−3)において、R19とR20の好ましい組み合わせについて述べる。
【0170】
19はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であり、R20は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせが好ましく、最も好ましい組み合わせは、R19が炭素数1〜6のアルコキシ基で、かつR20が水素原子である。
【0171】
一般式(IV−3)で表される有機酸化剤は、下記式で示される化合物であることが特に好ましい。
【0172】
【化76】
Figure 0004132539
一般式(IV−4)において、R21は好ましくは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、又はアシル基であり、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数1〜6のアシル基であり、特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基であり、最も好ましくは、水素原子である。
【0173】
本発明に用いる有機酸化剤の具体的な化合物例を以下に記載する。
【0174】
【化77】
Figure 0004132539
【化78】
Figure 0004132539
【化79】
Figure 0004132539
【化80】
Figure 0004132539
【化81】
Figure 0004132539
【化82】
Figure 0004132539
【化83】
Figure 0004132539
【化84】
Figure 0004132539
【化85】
Figure 0004132539
【化86】
Figure 0004132539
【化87】
Figure 0004132539
【化88】
Figure 0004132539
【化89】
Figure 0004132539
【化90】
Figure 0004132539
【化91】
Figure 0004132539
【化92】
Figure 0004132539
【化93】
Figure 0004132539
一般式(IV)で表される化合物は、例えば、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 611(1992)、Synthesis, 546(1971)などの一般的合成法に準じて容易に合成可能である。また、下記合成例やそれに準じた方法を採ることもできる。
【0175】
合成例
下記式に従い、本発明に係る例示化合物(A−22) を合成した。
【0176】
【化94】
Figure 0004132539
(A−22a)の合成
1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン2.72g、沃化カリウム24.9g、沃化銅9.53g、及びHMPA(ヘキサメチルホスホリックトリアミド)30mlを混合し、窒素下、150〜160℃に加熱した。反応終了後、反応液に希塩酸水、エーテルを注入し、銅塩を濾過した後、有機層を抽出した。有機層を亜硫酸水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮することにより(A−22a)の黄色結晶2.93gを得た。
【0177】
(A−22b)の合成
(A−22a)3.66g、マロノニトリル2.64g、水素化ナトリウム1.44g、及びビストリフェニルホスフィンパラジウムクロライド0.21gにTHF(テトラヒドロフラン)60mlを加え、12時間加熱環流した。反応終了後、反応液を1N塩酸に注ぎ、白色沈殿を濾別し、乾燥することにより(A−22b)の白色固体2.68gを得た。
【0178】
(A−22)の合成
(A−22b)3.36gに水100mlを加え、この懸濁液に過剰量の臭素水をゆっくり滴下した。一夜放置後、得られた赤色沈殿を濾別し、冷水で洗浄後、塩化メチレン60mlに溶解した。この溶液を硫酸ナトリウムで乾燥後、活性炭処理し、溶媒を留去することにより目的物とする例示化合物(A−22)の黄色結晶3.11gを得た。
【0179】
下記式に従い、本発明に係る例示化合物(A−58)を合成した。
【0180】
【化95】
Figure 0004132539
(A−58a)の合成
クロラニル25.0gをアセトニトリル60mlに溶かし、この懸濁液にアンモニアガスを連続導入した。得られた茶固体を濾取し、水、次いでアセトニトリル100mlで洗浄し、減圧下乾燥して(A−58a)19.6gを得た。
【0181】
(A−58)の合成
(A−58a)2.1g、ラウリル酸クロライド4.4g、およびトリエチルアミン2.8mlにDMF100mlを加え、70℃で加熱した。7時間加熱した後、冷水300mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、アセトニトリルで再結晶することによって目的物とする例示化合物(A−58)の黄色結晶1.7gを得た。
【0182】
一般式(IV)で表される有機酸化剤は、単独で使用しても良いし、あるいはまたは他の公知のクエンチャーと併用することもできる。
【0183】
組み合わせるクエンチャーの代表例としては、特開平3−224793号公報に記載の一般式(III)、(IV)、もしくは(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩、特開平2−300287号公報及び特開平2−300288号公報に記載されているニトロソ化合物などを挙げることができる。組み合わせるクエンチャーとして特に好ましいものは、金属錯体(例えば、PA−1006(三井東圧ファイン(株)))あるいはジインモニウム塩(例えば、IRG−023、IRG−022(以上日本化薬(株)))であり、最も好ましいものは、ジインモニウム塩である。これらのクエンチャーは目的に応じて2種以上併用することもできる。
【0184】
一般式(IV)で表される有機酸化剤の添加量は、有機色素100重量部に対して1〜100重量部の範囲であることが好ましく、1〜50重量部の範囲であることが更に好ましく、特に好ましくは1〜25重量部の範囲であり、最も好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0185】
上記クエンチャーの添加量は、有機色素100重量部に対して1〜100重量部の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1〜50重量部の範囲であり、特に好ましくは1〜25重量部の範囲であり、最も好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0186】
次に、本発明で用いられる有機色素について説明する。
【0187】
使用可能な有機色素としては、例えば、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、オキソノール系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、トリアリールメタン系色素、ポリメチン系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素、及びピラン系色素を挙げることができる。
【0188】
次に、前記一般式(III)で表される対称型あるいは非対称型シアニン色素について説明する。一般式(III)中、Z 、Z によって形成される核としては、3,3−ジアルキルインドレニン核、3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナフトテルラゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピリジン核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができる。 ここで挙げられた5員または6員の含窒素複素環は、可能な場合は、置換基を有していてもよく、ここで置換基としては、前述の一般式(IV)において説明したR 、R 及びR と同じものを挙げることができる。
【0189】
上記置換基の例を更に詳しく説明する。
【0190】
アルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の直鎖、分岐鎖または環状の置換基を有していてもよいアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、ヘキシル、オクチル、ベンジル及びフェネチルを挙げることができる。
【0191】
アルケニル基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、及び2−オクテニルを挙げることができる。
【0192】
アラルキル基は、炭素数7〜10のアラルキル基であり、例えば、ベンジルを挙げることができる。
【0193】
アリール基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、及び4−ブタンスルホンアミドフェニルを挙げることができる。
【0194】
ヘテロ環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基であり、環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環及びクマリン環を挙げることができる。
【0195】
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子を挙げることができる。
【0196】
アルコキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシを挙げることができる。
【0197】
アリールオキシ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、及びp−メトキシフェノキシを挙げることができる。
【0198】
アルキルチオ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ及びエチルチオを挙げることができる。
【0199】
アリールチオ基は、炭素数6〜10のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオを挙げることができる。
【0200】
アシルオキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、オクタノイルオキシを挙げることができる。
【0201】
アルキルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルアミノ基であり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ及びオクチルアミノを挙げることができる。
【0202】
アミド基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜8)のアミド基であり、例えば、アセトアミド、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、及びベンズアミドを挙げることができる。
【0203】
スルホンアミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のスルホンアミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、およびベンゼンスルホンアミドを挙げることができる。
【0204】
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、及びエトキシカルボニルアミノを挙げることができる。
【0205】
アルコキシスルホニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシスルホニルアミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ、及びエトキシスルホニルアミノを挙げることができる。
【0206】
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換基を有していてもよいスルファモイルアミノ基で例えば、メチルスルファモイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミノ、オクチルスルファモイルアミノを挙げることができる。
【0207】
ウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、オクチルウレイドを挙げることができる。
【0208】
チオウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいチオウレイド基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイド、オクチルチオウレイドを挙げることができる。
【0209】
アシル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、及びプロパノイルを挙げることができる。
【0210】
アルコキシカルボニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、及びオクチルオキシカルボニルを挙げることができる。
【0211】
カルバモイル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、N, N−ジメチルカルバモイル、及びN−エチルカルバモイルを挙げることができる。
【0212】
アルキル又はアリールスルホニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル又はアリールスルホニル基で例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、及びベンゼンスルホニルを挙げることができる。
【0213】
アルキルスルフィニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、及びオクタンスルフィニルを挙げることができる。
【0214】
スルファモイル基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換基を有していていも良いスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ブチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、及びフェニルスルファモイルを挙げることができる。
【0215】
およびZ は、置換または無置換の3,3−ジアルキルインドレニン核、3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核であることが好ましい。
【0216】
30、R31は各々独立にアルキル基を表す。
【0217】
30、R31で表されるアルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換または無置換の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、その置換基としては、含窒素複素環の置換基として挙げたものに同義であり、またその好ましい範囲も同一である。好ましくは、無置換のアルキル基、あるいはアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されたアルキル基である。これらの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ベンジル、2−フェニルエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−(3−スルホプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、2−アセトキシエチル、カルボメトキシメチル、及び2−メタンスルホニルアミノエチルを挙げることができる。
【0218】
、L 、L 、L 及びLで表されるメチン基は、各々独立に無置換または置換メチン基であり、その置換基の詳細としては、含窒素複素環の置換基としてに説明したものに同義であり、その好ましい範囲も同一である。また、置換基を有する場合には、置換基同士が連結して5〜7員環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成することもできる。ここで5〜7員環としては、例えばシクロペンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、及びシクロヘプテン環を挙げることができる。
【0219】
n1及びn2は、n1が0でn2が1であるか、あるいはn1が2でn2が0であるかのいずれかであることが好ましい。
【0220】
M1は電荷均衡対イオンを表す。M1は陽イオンでも陰イオンでも良い。
【0221】
陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機イオンが挙げられる。
【0222】
陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、下記式で示される金属錯体イオン:
【化96】
Figure 0004132539
および、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン、下記式で示されるリン酸イオン:
【化97】
Figure 0004132539
を挙げることができる。
【0223】
m1は電荷を均衡させるのに必要な数(0以上、好ましくは0〜4の数)を表し、分子内で塩を形成する場合には0である。pおよびqはそれぞれ独立に0または1を表す。pおよびqは、好ましくは共に0である。
【0224】
一般式(III)で表される化合物は、任意の炭素原子上で2種が結合して、ビス型構造を形成してもよい。
【0225】
有機色素は、下記の一般式(III−1)で表されるシアニン色素であることが好ましい。
【0226】
【化98】
Figure 0004132539
一般式(III−1)で表されるシアニン色素化合物は、以下の組み合わせからなる化合物であることが更に好ましい。
【0227】
及びX は各々独立に、酸素原子、−C(R34)(R35)−、または−N(R36)−であり、R32及びR33は各々独立に、無置換またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基であり、R34、R35及びR36は各々独立に炭素数1〜6の無置換のアルキル基であり、R37は水素原子または置換基を有してもよい、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、スクシンイミド基、ベンソオキサゾール基又はハロゲン原子であり、Z11及びZ22は各々独立に無置換のベンゼン環、ナフタレン環あるいはキノキサリン環を形成するために必要な原子団、またはメチル基、塩素原子、フッ素原子、メトキシ基又はエトキシ基から選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼン環を形成するために必要な原子団であり、M2は過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、下記式で示される金属錯体イオン:
【化99】
Figure 0004132539
又は下記式で示されるスルホネートイオン:
【化100】
Figure 0004132539
である組み合わせが好ましい。m2はM2の価数を表す。
【0228】
一般式(III−1)において、その最も好ましい組み合わせは、X およびXは同時に−C(R34)(R35)−、又は同時に−N(R36)−であり、R32およびR33は各々独立に、無置換のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)であり、R34、R35及びR36は各々独立に、メチル基、エチル基であり、R37は水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子又は臭素原子であり、Z11及びZ22は同時に無置換のベンゼン環、ナフタレン環あるいはキノキサリン環を形成するために必要な原子団である。
【0229】
本発明で用いられる一般式(III)で表される有機色素の具体的な化合物例を以下に記載する。
【0230】
【化101】
Figure 0004132539
【化102】
Figure 0004132539
【化103】
Figure 0004132539
【化104】
Figure 0004132539
【化105】
Figure 0004132539
【化106】
Figure 0004132539
【化107】
Figure 0004132539
【化108】
Figure 0004132539
【化109】
Figure 0004132539
【化110】
Figure 0004132539
【化111】
Figure 0004132539
一般式(III)で表される化合物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニン・ダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related Compounds)」, ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊;デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊;「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」 2nd.Ed.vol.IV,partB, 1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevir Science Publishing Company Inc.) 社刊、ニューヨーク、などに記載の方法に基づいて合成することができる。
【0231】
本発明の別のフォトントンネリング光変調素子において、光機能性膜としては下記の一般式(V)で表されるアゾ色素の金属錯体からなるものが用いられる。
【0232】
【化112】
Figure 0004132539
式中、Mは金属原子を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、または=NR21を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を表し、Z11は5員または6員の含窒素複素環を完成するために必要な原子団を表し、Z12は、芳香環または複素芳香環を完成するために必要な原子団を表す。
【0233】
一般式(V)の化合物の中でも下記一般式(V−1)で表される化合物が好ましい。
【0234】
【化113】
Figure 0004132539
式中、Mは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、パラジウム、白金、または金を表し、R21は、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素原子数1〜12の置換基を有しても良いアルキル基もしくは炭素原子数6〜16の置換基を有しても良いフェニル基またはナフチル基を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、または=NR22を表し、R22、R23およびR24は、各々独立に、炭素原子数1〜12の置換基を有しても良いアルキル基を表し、R23とR24は互いに連結して環を形成していても良く、R25とR26は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を表し、R27,R28およびR29は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、シアノ基、ハロゲン原子、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を表す。
【0235】
一般式(V−1)の中でも、下記一般式(V−2)で表される化合物が好ましい。
【0236】
【化114】
Figure 0004132539
式中、式中、Mは、鉄、コバルトまたはニッケルであることが好ましく、特にニッケルが好ましい。R21は、置換基を有しても良い炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基、または置換基を有しても良い炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基であることが好ましく、特に無置換またはフッ素原子で置換された炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基)、または無置換の炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)であることが好ましい。R22、R23およびR24は、各々独立に、置換基を有しても良い炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。この置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基を挙げることができる。更に好ましくは、R22、R23およびR24は、各々独立に、炭素原子数1〜4の無置換のアルキル基である。またR23とR24は互いに連結して環(例えば、ピロリジン環、モルホリン環)を形成する場合も好ましい。R25とR26は各々独立に、シアノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基であることが好ましく、特に好ましくは共にシアノ基である。R27,R28およびR29は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基であることが好ましく、更に好ましくは水素原子である。
【0237】
本発明で用いられるアゾ色素の金属錯体の具体例を以下に述べる。
【0238】
【化115】
Figure 0004132539
一般式(V)で表されるアゾ色素の金属錯体の合成方法は特開平9−277703号、特にその実施例1ないし3に記載されている。
【0239】
また、本発明の別のフォトントンネリング光変調素子において、光機能性膜としては下記一般式(VI)で表されるアゾ色素からなるものが用いられる。
【0240】
【化116】
Figure 0004132539
式中、k、Mは前記一般式(II−1)もしくは一般式(II−2)におけるk、Mとそれぞれ同義であり、X、Z11,Z12は一般式(V)におけるX、Z11,Z12とそれぞれ同義である。
【0241】
一般式(VI)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示す。
【0242】
【化117】
Figure 0004132539
一般式(VI)で表わされるアゾ化合物は、定法にしたがい芳香族ジアゾニウムのアゾカップリング反応により合成できる。
【0243】
本発明においては、有機色素などが結晶化せずに非晶質状態を保ち易くするために高分子化合物を併用してもよい。このような高分子化合物の例としては、ゼラチン、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然高分子物質、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレンなどの炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期重合物などの合成高分子物質を挙げることができる。
【0244】
本発明の光機能性膜は、上記一般式(I)〜(VI)で表される化合物のいずれかをスピンコート、蒸着、スパッタリング等の公知の方法により金属膜上に付与することにより得られる。その膜厚は、350nm〜2000nmの範囲のいずれかの波長の光に対して表面プラズモン共鳴が生じる条件を含むように制御されるが、通常10nmから1000nmの範囲が好ましい。
【0245】
【発明の効果】
本発明によるフォトントンネリング光変調素子においては、第1および第2の誘電体ブロックの間に、2つの誘電体層の間に光機能性膜を形成した構造、あるいは2つの光機能性膜の間に誘電体層を形成した構造を配して、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得るようにし、そして光機能性膜の屈折率を変調駆動光の照射により変えられるようにしたので、この屈折率を変化させてフォトントンネリング現象の発生条件を変えることができる。
【0246】
そこで、光機能性膜に対する変調駆動光の照射を制御することにより、フォトントンネリングを生じさせて、第1の誘電体ブロックの前記一面に入射した被変調光を第2の誘電体ブロック側に透過させたり、あるいはフォトントンネリングを抑えて、第1の誘電体ブロックの前記一面に入射した被変調光を第2の誘電体ブロック側に透過しないように該一面で反射させることが可能になる。
【0247】
以上のようにして本発明によれば、第1の誘電体ブロックの前記一面で反射する被変調光や、あるいは第2の誘電体ブロック側に透過する被変調光を、光機能性膜に対する変調駆動光の照射を制御することによって変調できるようになる。そして、後に図2を参照して説明する通り、第1の誘電体ブロックの前記一面における被変調光の反射率は、最小でほぼ0%、最大でほぼ100%に制御できるので、高い変調度が実現される。
【0248】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態であるフォトントンネリング光変調素子の側面形状を示すものである。
【0249】
このフォトントンネリング光変調素子は、被変調光10がその内部を経て一面11aに全反射角で入射するように配されたプリズム状の第1の誘電体ブロック11と、この第1の誘電体ブロック11より低屈折率の材料からなり上記一面11a上に形成された第1の誘電体層12と、この第1の誘電体層12の上に形成された、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜13と、この光機能性膜13の上に形成された第2の誘電体層14と、この第2の誘電体層14より高屈折率の材料からなり、該第2の誘電体層14の上に一面15aが接するように配設された第2の誘電体ブロック15と、光機能性膜13に変調駆動光16を照射する駆動光源17とから構成されている。なお光機能性膜13は、被変調光10の波長に対して吸収が無いあるいは低いのが望ましい。
【0250】
本例において、被変調光10は波長が633 nmの直線偏光であり、第1の誘電体ブロック11はその一面11aにこの被変調光10がS偏光として入射するように配設されている。また第1の誘電体ブロック11はSF10ガラスからなり、その波長633 nmに対する屈折率は1.723である。また第2の誘電体ブロック15も、第1の誘電体ブロック11と同様にSF10ガラスから形成されている。
【0251】
一方第1の誘電体層12は、例えばSiOを用いて厚さ1000nmに形成され、その波長633 nmに対する屈折率は、第1の誘電体ブロック11の屈折率よりも低い1.4618である。第2の誘電体層14も、同様にSiOを用いて厚さ1000nmに形成されている。
【0252】
駆動光源17としては、レーザを使用するのが望ましく、本実施形態においては、波長532 nmの変調駆動光16を発する半導体レーザが用いられている。
【0253】
光機能性膜13は、例えば、先に詳しく説明した材料のいずれかを好適に用いて形成することができる。本実施形態では、波長633 nmに対する屈折率nが、上記波長532 nmの変調駆動光16が照射されない状態では1.91で、変調駆動光16が照射されると1.92となる色素を用いて形成されている。
【0254】
以下、このフォトントンネリング光変調素子の作用について説明する。上述した通り光機能性膜13の波長633 nmに対する屈折率nは、変調駆動光16が照射されないとき、照射されたときにそれぞれ1.91、1.92となる。第1の誘電体ブロック11と第1の誘電体層12との界面に対する被変調光10の入射角θと、そこでの反射率との関係は、光機能性膜13の屈折率nが1.91、1.92の場合で、それぞれ図2に示す特性となる。この図2には、参考のために、光機能性膜13の屈折率nが2.0の場合の特性も示す。
【0255】
なお図2に示す特性は、上記実施形態のフォトントンネリング光変調素子について、コンピュータでシミュレーションして求めたものである。また、第1の誘電体ブロック11と第1の誘電体層12との界面における被変調光10の透過率は、図2に示す反射率とは裏腹の関係、つまり透過率をT(%)、反射率をR(%)とすれば、ほぼT=100−Rとなる。
【0256】
図2に示した各場合においては、それぞれ入射角θが特定の値を取ったとき、反射率が急峻に低下するようになる。これは、入射角θが特定の値を取ったとき、第1の誘電体ブロック11と第1の誘電体層12との界面に入射した被変調光10がフォトントンネリング現象により、第2の誘電体ブロック15側に透過するからである。その場合、図示のように反射率はほぼ0%となり、上記界面に入射した被変調光10のほぼ全量が第2の誘電体ブロック15側に透過する。
【0257】
そこで、上記入射角θを例えば59.2°に設定しておくと、光機能性膜13に変調駆動光16を照射しない状態(屈折率nが1.91のとき)では上記反射率がほぼ0%となり、光機能性膜13に変調駆動光16を照射した状態(屈折率nが1.92のとき)では上記反射率が約95%となるので、図1の矢印A方向に向かう被変調光10を、変調駆動光16の照射、非照射に応じてON-OFF変調できることになる。
【0258】
以上のようにしてこのフォトントンネリング光変調素子においては、変調駆動光16の非照射時に、図1の矢印A方向に向かう被変調光10をほぼ完全にカットできるので、高い変調度が実現される。
【0259】
また、図1の矢印B方向に向かう被変調光10については、変調駆動光16の照射時には低強度、非照射時には高強度となるように変調可能である。ただ、この矢印B方向に向かう被変調光10は、ほぼ完全にカットすることは不可能であり、矢印A方向に向かう被変調光10と比べて変調度は低くなる。
【0260】
矢印B方向に向かう被変調光10をほぼ完全にカットするためには、変調駆動光16の照射、非照射時の屈折率差がもっと大きい材料から光機能性膜13を形成すればよい。例えば図2を参照して、変調駆動光16の非照射時、照射時の屈折率がそれぞれ1.91、2.0となる材料から光機能性膜13を形成し、その上で入射角θを同様に59.2°に設定すれば、変調駆動光16の照射時の上記反射率はほぼ100%(透過率がほぼ0%)となるので、矢印B方向に向かう被変調光10をほぼ完全にカットすることができる。
【0261】
他方、変調駆動光16の非照射、照射時の屈折率がそれぞれ1.91、1.92となる材料から光機能性膜13を形成し、その上で入射角θを59.3°に設定すれば、図1の矢印A方向に向かう被変調光10を、変調駆動光16の照射時はOFF、非照射時はONとなるように変調可能である。
【0262】
次に、図3を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なおこの図3において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての重複した説明は省略する(以下、同様)。
【0263】
この第2実施形態のフォトントンネリング光変調素子は、図1に示したものと比較すると、第1の誘電体ブロック11と第2の誘電体ブロック15との間の層構成が異なるものである。すなわち、図1の装置では、2つの誘電体層12および14の間に光機能性膜13を有する層構成が適用されているのに対し、この第2実施形態では、第1の誘電体ブロック11に接する第1の光機能性膜22と、第2の誘電体ブロック15に接する第2の光機能性膜24との間に、1つの誘電体層23が形成されている。
【0264】
以上のような構成でも、光機能性膜22および24に対する変調駆動光16の照射を制御してそれらの屈折率を変化させ、それによりフォトントンネリング現象の発生条件を変えて、矢印AあるいはB方向に向かう被変調光10を変調することができる。
【0265】
次に、図4を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。この第3実施形態のフォトントンネリング光変調素子は、図1の装置と比較すると、プリズム状の第1の誘電体ブロック11、第2の誘電体ブロック15に代えて、それぞれガラスからなる概略直方体状の第1の誘電体ブロック31、第2の誘電体ブロック35が用いられている点が基本的に異なる。
【0266】
第1の誘電体ブロック31は、プリズム33の上面に屈折率マッチング液32を介して結合されている。また第2の誘電体ブロック35は、プリズム37の下面に屈折率マッチング液36を介して結合されている。
【0267】
この装置において被変調光10は、第1の誘電体ブロック31の一面31aに向けて、プリズム33を介して導入される。そして、第1の誘電体ブロック31とプリズム33とは、互いに同じ材料から形成されるとともに、それらと同じ屈折率を有する屈折率マッチング液32を介して結合されていることにより、光学的には、一体のプリズムを用いる場合と同等の構造を実現している。
【0268】
また、フォトントンネリングによって第2の誘電体ブロック35側に出射した被変調光10は、プリズム37の一面から外部に出射する。この第2の誘電体ブロック35側においても、この誘電体ブロック35とプリズム37とは、互いに同じ材料から形成されるとともに、それらと同じ屈折率を有する屈折率マッチング液36を介して結合されていることにより、光学的には、一体のプリズムを用いる場合と同等の構造を実現している。
【0269】
次に、図5を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。この第4実施形態のフォトントンネリング光変調素子は、図1の装置と比較すると、駆動光源17が、第1の誘電体ブロック11を通して光機能性膜13に変調駆動光16を照射するように配設されている点が基本的に異なる。このような構成としても、基本的に図1の装置におけるのと同様の作用、効果が得られる。
【0270】
以上、1本のビームである被変調光10を変調する実施形態について説明したが、本発明のフォトントンネリング光変調素子は、各種プロジェクタからの投影光のように2次元的拡がりを有して画像情報を担う光を被変調光として受け、変調動作によってその光路を切り替えるような形態で使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるフォトントンネリング光変調素子の概略側面図
【図2】図1のフォトントンネリング光変調素子における、誘電体ブロックの一面に対する被変調光の入射角と反射率との関係を、変調駆動光照射時および非照射時について比較して示すグラフ
【図3】本発明の第2の実施形態によるフォトントンネリング光変調素子の概略側面図
【図4】本発明の第3の実施形態によるフォトントンネリング光変調素子の概略側面図
【図5】本発明の第4の実施形態によるフォトントンネリング光変調素子の概略側面図
【符号の説明】
10 被変調光
11 第1の誘電体ブロック
11a 第1の誘電体ブロックの一面
12 第1の誘電体層
13 光機能性膜
14 第2の誘電体層
15 第2の誘電体ブロック
16 変調駆動光
17 駆動光源
22 第1の光機能性膜
23 誘電体層
24 第2の光機能性膜
31 第1の誘電体ブロック
31a 第1の誘電体ブロックの一面
32 屈折率マッチング液
33 プリズム
35 第2の誘電体ブロック
36 屈折率マッチング液
37 プリズム

Claims (15)

  1. 被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
    これとは別の第2の誘電体ブロックと、
    誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
    前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
    記誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
    前記光機能性膜が下記の一般式(I)で示される化合物から形成されていることを特徴とするフォトントンネリング光変調素子。
    Figure 0004132539
    式中、DYE は、一価のシアニン色素陽イオンを表し、nは1以上の整数を表し、R およびR は各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R とR 、R とR 、R とR またはR とR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても、異なっていてもよい。
  2. 被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
    これとは別の第2の誘電体ブロックと、
    誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
    前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
    前記誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
    前記光機能性膜が下記の一般式( II −1)で示される色素化合物、一般式( II −2)で示される色素化合物をそれぞれ単独で、あるいは組み合わせて形成されていることを特徴とするフォトントンネリング光変調素子。
    Figure 0004132539
    式中、A ,A ,B 及びB は置換基を表し、L ,L ,L ,L 及びL はメチン基を表し、X は=O,=NR,=C(CN) を表し(ここでRは置換基を表す)、X は−O,−NR,−C(CN) を表し(ここでRは置換基を表す)、m,nは0〜2の整数を表す。Y とEは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表し、Z とGは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表す。x及びyはそれぞれ独立に0または1を表す。M k+ はオニウムイオンを表す。kは電荷数を表す。
  3. 被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
    これとは別の第2の誘電体ブロックと、
    誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
    前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
    前記誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
    前記光機能性膜が下記の一般式( III )で示される有機色素と、下記の一般式( IV )で示される有機酸化剤とを組み合わせて形成されていることを特徴とするフォトントンネリング光変調素子。
    Figure 0004132539
    式中、Z およびZ は5員または6員の含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表し、R 30 ,R 31 は各々独立にアルキル基を表し、L ,L ,L ,L およびL はメチン基を表し、n1,n2は各々0〜2の整数を表し、p,qは各々独立に0〜2の整数を表し、Mは電荷均衡対イオンを表す。
    Figure 0004132539
    式中、m,nは各々独立に0〜2の整数を表し、X ,X は=NR または=CR を表し(R ,R ,R は置換基を表す)、L およびL は各々独立に2価の連結基を表す。
  4. 被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
    これとは別の第2の誘電体ブロックと、
    誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
    前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
    前記誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
    前記光機能性膜が下記の一般式( V )で示される有機色素から形成されていることを特徴とするフォトントンネリング光変調素子。
    Figure 0004132539
    式中、Mは金属原子を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、または=NR 21 を表し、R 21 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を表し、Z 11 は5員または6員の含窒素複素環を完成するために必要な原子団を表し、Z 12 は、芳香環または複素芳香環を完成するために必要な原子団を表す。
  5. 被変調光がその内部を経て一面に全反射角で入射するように配された第1の誘電体ブロックと、
    これとは別の第2の誘電体ブロックと、
    誘電体層および、光照射によって屈折率が変化する光機能性膜の一方からなる1層が、他方からなる2層により挟まれた構造を有し、前記2層のうちの一つの層がそれよりも高屈折率とされた前記第1の誘電体ブロックの前記一面に接し、かつ前記2層のうちの別の 層がそれよりも高屈折率とされた前記第2の誘電体ブロックの一面に接する状態にしてそれらの誘電体ブロックの間に配設された積層構造と、
    前記光機能性膜に変調駆動光を照射する駆動光源とを有し、
    前記誘電体層並びに前記光機能性膜の厚みが、第1の誘電体ブロックから第2の誘電体ブロック側にフォトントンネリングが生じ得る厚みとされたフォトントンネリング光変調素子において、
    前記光機能性膜が下記の一般式( VI )で示される有機色素から形成されていることを特徴とするフォトントンネリング光変調素子。
    Figure 0004132539
    式中、k、Mは前記一般式( II −1)もしくは一般式( II −2)におけるk、Mとそれぞれ同義であり、X、Z 11 ,Z 12 は前記一般式( V )におけるX、Z 11 ,Z 12 とそれぞれ同義である。
  6. 前記積層構造が、第1の誘電体層と、この第1の誘電体層の上に形成された光機能性膜と、この光機能性膜の上に形成された第2の誘電体層とから構成されていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  7. 前記第1および第2の誘電体層の屈折率が、互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  8. 前記積層構造が、第1の光機能性膜と、この第1の光機能性膜の上に形成された誘電体層と、この誘電体層の上に形成された第2の光機能性膜とから構成されていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  9. 前記第1および第2の光機能性膜が、光照射に対して互いにほぼ等しい特性で屈折率が変化するものであることを特徴とする請求項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  10. 第1の誘電体ブロックの前記一面に対する被変調光の入射角が、前記光機能性膜に変調駆動光が照射されたとき前記フォトントンネリングが生じ、照射されないときフォトントンネリングが生じない角度に設定されていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  11. 前記被変調光が直線偏光であり、第1の誘電体ブロックが前記一面に被変調光がS偏光で入射するように配置されていることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  12. 前記第1の誘電体ブロックが、プリズム状に形成されたものであることを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  13. 前記第1の誘電体ブロックが、それと等しい屈折率を有する屈折率マッチング液を介して、該第1の誘電体ブロックと等しい屈折率を有するプリズムと一体化され、
    このプリズムを通して前記被変調光が第1の誘電体ブロックの前記一面に導入されることを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  14. 前記第2の誘電体ブロックが、プリズム状に形成されたものであることを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
  15. 前記第2の誘電体ブロックが、それと等しい屈折率を有する屈折率マッチング液を介して、該第2の誘電体ブロックと等しい屈折率を有するプリズムと一体化され、
    フォトントンネリングが生じた際に、このプリズムの一面から前記被変調光が出射するように構成されたことを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載のフォトントンネリング光変調素子。
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