JP4350315B2 - 記録媒体、情報記録方法および装置、並びに情報再生方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体、特に詳細には、所定波長の光が照射されると蛍光物質に変化する物質から記録層を形成した記録媒体に関するものである。
【0002】
また本発明は、上述のような記録媒体を用いた情報記録方法および装置、並びに情報再生方法および装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来より、微細に絞ったレーザービーム等の光を記録層に照射することにより、この記録層を構成している物質の局所的な性状の変化を引き起こして、画像情報やコンピュータ・データ等の情報を記録する記録媒体が種々提供されている。この種の記録媒体としては、いわゆるCD−Rディスク等、記録層上の一点に一情報しか記録できないものが主となっていたが、近時は、記録層上の一点に複数の情報を多重記録できるようして、高密度記録を可能にした記録媒体も開発されている。
【0004】
このように多重記録できる記録媒体としては、例えば、感応波長が互いに異なる複数種のフォトクロミック化合物をLB(ラングミュア・ブロジェット)膜中に配してなる記録層を有するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記複数種のフォトクロミック化合物を用いる記録媒体は、吸光度の変化が小さいため、S/Nの高い再生信号を得るのが難しい、さらには、LB膜を利用しているため生産性が低いという問題が認められる。
【0006】
そこで本発明は、多重記録が可能で、高S/Nの再生信号を得ることができ、そして生産性も高い記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、そのような記録媒体に高密度で情報を多重記録することができる情報記録方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
さらに本発明は、そのような多重記録がなされた記録媒体から、高S/Nの再生信号を得ることができる情報再生方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の記録媒体は、所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2および蛍光波長λ3が互いに異なる複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなるものである。この記録媒体においては、上記所定波長λ1の記録光が照射されると蛍光物質に変化する複数種の物質のうちの少なくとも1つが、蛍光を発する化学種[FL]と、蛍光を消光する化学種[Q]との組合せからなる、一般式(II) [FL]+[Q]で示されるものとされる。そして、そのような組合せとしては次の3つすなわち、化学種[FL]が後述する一般式(II−1)で表される化合物で化学種[Q]が後述する一般式(II−2)で表される化合物、化学種[FL]が後述する一般式(II−3)で表される陰イオンで化学種[Q]が後述する一般式(II−4)で表される陽イオン、化学種[FL]が後述する一般式(II−5)または(II−6)で表される陰イオンで化学種[Q]が後述する一般式(II−4)で表される陽イオン、のいずれかが適用される。以上の3つの組合せが適用されるのは、以下に述べる第2、第3の記録媒体においても同様である。
【0010】
また、本発明による第2の記録媒体は、所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2が共通で蛍光波長λ3が互いに異なる複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなるものである。
【0011】
また、本発明による第3の記録媒体は、所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2が異なり蛍光波長λ3が共通である複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなるものである。
【0012】
なお上記第1〜3の各記録媒体において、記録層は例えば、前記複数種の物質を混合して含む薄膜から形成することができる。
【0013】
また上記第1〜3の各記録媒体において、支持体を誘電体から形成し、その一面上に金属膜を形成し、さらにその上に記録層を形成してもよい。
【0014】
また上記第1〜3の各記録媒体において、支持体は、前記蛍光物質の励起波長λ2に対して透明な材料から形成されるのが望ましい。
【0015】
本発明の記録媒体の記録層を形成する物質、つまり所定波長λ1の記録光が照射されると蛍光物質に変化し、その後波長λ2の励起光が照射されると蛍光を発する物質としては、先に述べたように、下記の一般式(II)で表されるものが適用される。なおこの一般式(II)で表される化合物の場合、蛍光物質に変化する波長λ1と励起光波長λ2とは互いに等しく、それらと蛍光波長λ3は異なる。以下、この物質について詳しく説明する。
【0020】
一般式(II) [FL]+[Q]
この式(II)中、[FL]は蛍光を発する化学種を表し、[Q]は蛍光を消光する化学種を表す。
【0021】
一般式(II)の化学種[FL]として好ましいものは、下記一般式(II−1)で表される化合物であり、化学種[Q]として好ましいものは、下記一般式(II−2)で表される化合物である。
【0022】
【化12】
Figure 0004350315
式中、ZおよびZは5員または6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R30,R31は各々独立にアルキル基またはアリール基を表し、L,L,L,LおよびLは各々独立に置換または無置換のメチン基を表し(ただし、L〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成してもよい)、p,qはそれぞれ独立に0または1を表し、n1,n2はそれぞれ独立に0、1または2を表し、M1は陰イオンを表し、m1は電荷の均衡を保つのに必要な数を表す。
【0023】
次に、前記一般式(II−1)で表される対称型あるいは非対称型シアニン色素について説明する。一般式(II−1)中、Z 、Z によって形成される核としては、3,3−ジアルキルインドレニン核、3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナフトテルラゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピリジン核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができる。
【0024】
ここで挙げられた5員または6員の含窒素複素環は、可能な場合は、置換基を有していてもよく、ここで置換基としては、後述の一般式(II−2)において説明するR 、R 及びR と同じものを挙げることができる。
【0025】
上記置換基の例を更に詳しく説明する。
【0026】
アルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の直鎖、分岐鎖または環状の置換基を有していてもよいアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、ヘキシル、オクチル、ベンジル及びフェネチルを挙げることができる。
【0027】
アルケニル基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、及び2−オクテニルを挙げることができる。
【0028】
アラルキル基は、炭素数7〜10のアラルキル基であり、例えば、ベンジルを挙げることができる。
【0029】
アリール基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、及び4−ブタンスルホンアミドフェニルを挙げることができる。
【0030】
ヘテロ環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基であり、環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環及びクマリン環を挙げることができる。
【0031】
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子を挙げることができる。
【0032】
アルコキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシを挙げることができる。
【0033】
アリールオキシ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、及びp−メトキシフェノキシを挙げることができる。
【0034】
アルキルチオ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ及びエチルチオを挙げることができる。
【0035】
アリールチオ基は、炭素数6〜10のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオを挙げることができる。
【0036】
アシルオキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、オクタノイルオキシを挙げることができる。
【0037】
アルキルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルアミノ基であり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ及びオクチルアミノを挙げることができる。
【0038】
アミド基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜8)のアミド基であり、例えば、アセトアミド、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、及びベンズアミドを挙げることができる。
【0039】
スルホンアミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のスルホンアミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、およびベンゼンスルホンアミドを挙げることができる。
【0040】
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、及びエトキシカルボニルアミノを挙げることができる。
【0041】
アルコキシスルホニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシスルホニルアミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ、及びエトキシスルホニルアミノを挙げることができる。
【0042】
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換基を有していてもよいスルファモイルアミノ基で例えば、メチルスルファモイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミノ、オクチルスルファモイルアミノを挙げることができる。
【0043】
ウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、オクチルウレイドを挙げることができる。
【0044】
チオウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいチオウレイド基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイド、オクチルチオウレイドを挙げることができる。
【0045】
アシル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、及びプロパノイルを挙げることができる。
【0046】
アルコキシカルボニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、及びオクチルオキシカルボニルを挙げることができる。
【0047】
カルバモイル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、N, N−ジメチルカルバモイル、及びN−エチルカルバモイルを挙げることができる。
【0048】
アルキル又はアリールスルホニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル又はアリールスルホニル基で例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、及びベンゼンスルホニルを挙げることができる。
【0049】
アルキルスルフィニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、及びオクタンスルフィニルを挙げることができる。
【0050】
スルファモイル基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換基を有していていも良いスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ブチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、及びフェニルスルファモイルを挙げることができる。
【0051】
およびZ は、置換または無置換の3,3−ジアルキルインドレニン核、3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核であることが好ましい。
【0052】
30、R31は各々独立にアルキル基を表す。
【0053】
30、R31で表されるアルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換または無置換の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、その置換基としては、含窒素複素環の置換基として挙げたものに同義であり、またその好ましい範囲も同一である。好ましくは、無置換のアルキル基、あるいはアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されたアルキル基である。これらの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ベンジル、2−フェニルエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−(3−スルホプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、2−アセトキシエチル、カルボメトキシメチル、及び2−メタンスルホニルアミノエチルを挙げることができる。
【0054】
、L 、L 、L 及びLで表されるメチン基は、各々独立に無置換または置換メチン基であり、その置換基の詳細としては、含窒素複素環の置換基としてに説明したものに同義であり、その好ましい範囲も同一である。また、置換基を有する場合には、置換基同士が連結して5〜7員環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成することもできる。ここで5〜7員環としては、例えばシクロペンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、及びシクロヘプテン環を挙げることができる。
【0055】
n1及びn2は、n1が0でn2が1であるか、あるいはn1が2でn2が0であるかのいずれかであることが好ましい。
【0056】
M1は電荷均衡対イオンを表す。M1は陽イオンでも陰イオンでも良い。
【0057】
陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機イオンが挙げられる。
【0058】
陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、下記式で示される金属錯体イオン:
【化13】
Figure 0004350315
および、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン、下記式で示されるリン酸イオン:
【化14】
Figure 0004350315
を挙げることができる。
【0059】
m1は電荷を均衡させるのに必要な数(0以上、好ましくは0〜4の数)を表し、分子内で塩を形成する場合には0である。pおよびqはそれぞれ独立に0または1を表す。pおよびqは、好ましくは共に0である。
【0060】
一般式(II−1)で表される化合物は、任意の炭素原子上で2種が結合して、ビス型構造を形成してもよい。
【0061】
一般式(II−1)の化合物は、下記の一般式(II−1−1)で表されるシアニン色素であることが好ましい。
【0062】
【化15】
Figure 0004350315
一般式(II−1−1)で表されるシアニン色素化合物は、以下の組み合わせからなる化合物であることが更に好ましい。
【0063】
及びX は各々独立に、酸素原子、−C(R34)(R35)−、または−N(R36)−であり、R32及びR33は各々独立に、無置換またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基であり、R34、R35及びR36は各々独立に炭素数1〜6の無置換のアルキル基であり、R37は水素原子または置換基を有してもよい、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、スクシンイミド基、ベンソオキサゾール基又はハロゲン原子であり、Z11及びZ22は各々独立に無置換のベンゼン環、ナフタレン環あるいはキノキサリン環を形成するために必要な原子団、またはメチル基、塩素原子、フッ素原子、メトキシ基又はエトキシ基から選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼン環を形成するために必要な原子団であり、M2は過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、下記式で示される金属錯体イオン:
【化16】
Figure 0004350315
又は下記式で示されるスルホネートイオン:
【化17】
Figure 0004350315
である組み合わせが好ましい。m2はM2の価数を表す。
【0064】
一般式(II−1−1)において、その最も好ましい組み合わせは、X およびXは同時に−C(R34)(R35)−、又は同時に−N(R36)−であり、R32およびR33は各々独立に、無置換のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)であり、R34、R35及びR36は各々独立に、メチル基、エチル基であり、R37は水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子又は臭素原子であり、Z11及びZ22は同時に無置換のベンゼン環、ナフタレン環あるいはキノキサリン環を形成するために必要な原子団である。
【0065】
本発明で用いられる一般式(II−1)で表される蛍光を発する化学種の具体的な化合物例を以下に記載する。
【0066】
【化18】
Figure 0004350315
【化19】
Figure 0004350315
【化20】
Figure 0004350315
【化21】
Figure 0004350315
【化22】
Figure 0004350315
【化23】
Figure 0004350315
【化24】
Figure 0004350315
【化25】
Figure 0004350315
【化26】
Figure 0004350315
【化27】
Figure 0004350315
【化28】
Figure 0004350315
【化29】
Figure 0004350315
一般式(II−1)で表される化合物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニン・ダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related Compounds)」, ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊;デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊;「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」 2nd.Ed.vol.IV,partB, 1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevir Science Publishing Company Inc.) 社刊、ニューヨーク、などに記載の方法に基づいて合成することができる。
【0067】
また本発明において、上記一般式(II−1)で示される蛍光を発する化学種と、下記の一般式(II−2)で示される蛍光を消光する化学種との組み合わせからなる記録層は、さらに好適なものとなる。
【0068】
【化30】
Figure 0004350315
式中、m,nは各々独立に0〜2(ただしm=n≠0)の整数を表し、X,Xは=NRまたは=CRを表し(R,R,Rは置換基を表す)、LおよびLは各々独立に2価の連結基を表す。
【0069】
以下に、本発明で使用される蛍光を消光する化学種(II−2)について説明する。
【0070】
一般式(II−2)において、m、nは共に1である場合が好ましい。
【0071】
、X は=NR または=CR を表す。上記R 、R 及びR で表される置換基は、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子が組み合わされてなる置換基であり、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、スルファモイル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)を挙げることができる。これらは、更に、これらの置換基で置換されていてもよい。
【0072】
上記R 、R 及びR で表される置換基の例について更に詳しく説明する。
【0073】
アルキル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の直鎖、分岐鎖または環状の置換基を有していてもよいアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−メトキシプロピル、2−アミノエチル、アセトアミドメチル、2−アセトアミドエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、2−スルホエチル、ウレイドメチル、2−ウレイドエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルを挙げることができる。
【0074】
アルケニル基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜6)の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、2−オクテニル、3−ドデセニルを挙げることができる。
【0075】
アラルキル基は、炭素数7〜10のアラルキル基であり、例えば、ベンジルを挙げることができる。
【0076】
アリール基は、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、p−ジブチルアミノフェニル、p−メトキシフェニルを挙げることができる。
【0077】
ヘテロ環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基であり、環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、チエニル、インドリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニル、モルホリニルを挙げることができる。
【0078】
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。
【0079】
アルコキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシを挙げることができる。
【0080】
アリールオキシ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、pーメトキシフェノキシを挙げることができる。
【0081】
アルキルチオ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、ヘキサデシルチオ、オクタデシルチオを挙げることができる。
【0082】
アリールチオ基は、炭素数6〜10の置換基を有していてもよいアリールチオ基で例えば、フェニルチオ、4−メトキシフェニルチオを挙げることができる。
【0083】
アシルオキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアシルオキシ基で例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、オクタデカノイルオキシを挙げることができる。
【0084】
アルキルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルアミノ基であり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、オクチルアミノ、ジオクチルアミノ、ウンデシルアミノを挙げることができる。
【0085】
アミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアミド基であり、例えば、アセトアミド、アセチルメチルアミノ、アセチルオクチルアミノ、アセチルデシルアミノ、アセチルウンデシルアミノ、アセチルオクタデシルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、ドデカノイルアミノ、ドデカノイルメチルアミノ、オクタデカノイルアミノを挙げることができる。
【0086】
スルホンアミド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいスルホンアミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、2−メトキシエチルスルホンアミド、3−アミノプロピルスルホンアミド、2−アセトアミドエチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド、ウンデシルスルホンアミドを挙げることができる。
【0087】
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜6)のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ、ウンデシルオキシカルボニルアミノを挙げることができる。
【0088】
アルコキシスルホニルアミノ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルコキシスルホニルアミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ、エトキシスルホニルアミノ、オクチルオキシスルホニルアミノ、ウンデシルオキシスルホニルアミノを挙げることができる。
【0089】
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜6)のスルファモイルアミノ基であり、例えば、メチルスルファモイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミノ、オクチルスルファモイルアミノ、ウンデシルスルファモイルアミノを挙げることができる。
【0090】
ウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、オクチルウレイド、ウンデシルウレイドを挙げることができる。
【0091】
チオウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいチオウレイド基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイド、オクチルチオウレイド、ウンデシルチオウレイドを挙げることができる。
【0092】
アシル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、オクタノイル、デカノイル、ウンデカノイル、オクタデカノイルを挙げることができる。
【0093】
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜18(好ましくは、炭素数2〜6)のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニルを挙げることができる。
【0094】
カルバモイル基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜6)の置換基を有していてもよいカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、N, N−ジメチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N,N−ジオクチルカルバモイル、N−ウンデシルカルバモイルを挙げることができる。
【0095】
アルキルスルホニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)の置換基を有していても良いアルキルスルホニル基であり、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、2ークロロエタンスルホニル、オクタンスルホニル、ウンデカンスルホニルを挙げることができる。
【0096】
アルキルスルフィニル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニルを挙げることができる。
【0097】
スルファモイル基は、炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜6)の置換基を有していてもよいスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ジオクチルスルファモイル、ウンデシルスルファモイルを挙げることができる。
【0098】
及びL は、各々独立に2価の連結基を表す。ここで、2価の連結基とは、炭素原子、窒素原子、酸素原子あるいは硫黄原子から構成され、X 、Xが結合している炭素原子と共同で4〜8員環を構成する。
【0099】
、及びL の具体例としては、−C(R)(R)−、−C(R)=、−N(R)−、−N=、−O−、及び−S−を組み合わせて構成される2価の連結基を挙げることができる。ここで、R 、R 、R 及びR は各々独立に、水素原子または置換基を表し、その詳細は、前記R 、R 、R にて説明したものに同義である。また、この4〜8員環には飽和あるいは不飽和の縮合環を形成してもよく、その縮合環の例としては、シクロアルキル環、アリール環またはヘテロ環を挙げることができ、その詳細は、前記R 、R 、R にて説明したものに同義である。
【0100】
上記4〜8員環について更に詳細に説明する。
【0101】
4員環の例としては、シクロブタンジオン、シクロブテンジオン、ベンゾシクロブテンキノンを挙げることができる。
【0102】
5員環の例としては、シクロペンタンジオン、シクロペンテンジオン、シクロペンタントリオン、シクロペンテントリオン、インダンジオン、インダントリオン、テトラヒドロフランジオン、テトラヒドロフラントリオン、テトラヒドロピロールジオン、テトラヒドロピロールトリオン、テトラヒドロチオフェンジオン、テトラヒドロチオフェントリオンを挙げることができる。
【0103】
6員環の例としては、ベンゾキノン、キノメタン、キノジメタン、キノンイミン、キノンジイミン、チオベンゾキノン、ジチオベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、ジヒドロクロメントリオン、ジヒドロピリジンジオン、ジヒドロピラジンジオン、ジヒドロピリミジンジオン、ジヒドロピリダジンジオン、ジヒドロフタラジンジオン、ジヒドロイソキノリンジオン、テトラヒドロキノリントリオンを挙げることができる。
【0104】
7員環の例としては、シクロヘプタンジオン、シクロヘプタントリオン、アザシクロヘプタントリオン、ジアザシクロヘプタントリオン、オキソシクロヘプタントリオン、ジオキソシクロヘプタントリオン、オキソアザシクロヘプタントリオンを挙げることができる。
【0105】
8員環の例としては、シクロオクタンジオン、シクロオクタントリオン、アザシクロオクタントリオン、ジアザシクロオクタントリオン、オキソシクロオクタントリオン、ジオキソシクロオクタントリオン、オキソアザシクロオクタントリオン、シクロオクテンジオン、シクロオクタジエンジオン、ジベンゾシクロオクテンジオンを挙げることができる。
【0106】
、Lが、X 、X が結合している炭素原子と共同で構成する環としては、好ましくは6員環である。
【0107】
蛍光を消光する化学種は、下記の一般式(II−2−1)で表される化合物であることが更に好ましい。
【0108】
【化31】
Figure 0004350315
式中 X11、X22で表される=NR 、及び=CR10は、それぞれ前記一般式(II−2)におけるX 、X で表される=NR 、及び=CR と同義であり、その好ましい範囲も同一である。またR 、R及びR10で表される置換基は、前記一般式(II−2)におけるR 、R 及びRで表される置換基と同義であり、またその好ましい範囲も同一である。
【0109】
11、R12、R13及びR14は各々独立に水素原子または置換基を表す。R11、R12あるいはR13、R14が同時に置換基となる場合、これらは、各々連結して不飽和縮合環を形成してもよい。この不飽和縮合環は置換基を有していてもよく、その置換基としては、前記R 〜R にて説明したものと同じものが挙げられる。
【0110】
上記X11、X22は、各々独立に、酸素原子あるいは=CR10基であることが好ましく、同時に酸素原子あるいは同時に=CR10基となることがより好ましい。ここで、R 、R10は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアルキルスルホニル基であることが好ましい。
【0111】
11、X22が同時に酸素原子となる場合について説明する。
【0112】
11、X22が同時に酸素原子となる場合、R11、R12、R13及びR14の少なくとも2つが電子吸引性基であることが更に好ましい。ここで電子吸引性基とは、ハメットのσp値がプラスの置換基を意味し、具体的には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、及びアルキルスルフィニル基を挙げることができる。
【0113】
11、X22が同時に酸素原子となる場合の特に好ましい組み合わせとしては、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、及びスルファモイル基であって、このうち少なくとも2つが電子吸引性基である場合である。
【0114】
最も好ましい組み合わせとしては、R11、R12、R13及びR14は各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基であって、このうち少なくとも2つがハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルホニル基またはアルキルスルフィニル基である。
【0115】
11、X22が同時に=CR10基となる場合、蛍光を消光する化学種は、下記の一般式(II−2−2)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0116】
【化32】
Figure 0004350315
式中、R15、R16、R17、R18は、各々独立に、前記R11〜R14について説明したものに同義である。
【0117】
蛍光を消光する化学種は、下記の一般式(II−2−3)または一般式(II−2−4)で表される化合物であることが最も好ましい。
【0118】
【化33】
Figure 0004350315
【化34】
Figure 0004350315
一般式(II−2−3)中、R19はハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。R20は、前記R 〜R にて説明したものと同じものを意味する。m4は、1〜4の整数を表し、m4または4−m4が2以上の整数を表すとき、複数のR31と複数のR32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0119】
一般式(II−2−4)中、R21は水素原子または置換基を表す。ここで、置換基とは、前記R 〜R にて説明したものと同じものを意味する。m5は0〜6の整数を表し、m5が2以上の整数を表すとき、複数のR21はぞれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0120】
一般式(II−2−3)において、R19とR20の好ましい組み合わせについて述べる。
【0121】
19はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であり、R20は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせが好ましく、最も好ましい組み合わせは、R19が炭素数1〜6のアルコキシ基で、かつR20が水素原子である。
【0122】
一般式(II−2−3)で表される蛍光を消光する化学種は、下記式で示される化合物であることが特に好ましい。
【0123】
【化35】
Figure 0004350315
一般式(II−2−4)において、R21は好ましくは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、又はアシル基であり、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数1〜6のアシル基であり、特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基であり、最も好ましくは、水素原子である。
【0124】
本発明に用いる蛍光を消光する化学種の具体的な化合物例を以下に記載する。
【0125】
【化36】
Figure 0004350315
【化37】
Figure 0004350315
【化38】
Figure 0004350315
【化39】
Figure 0004350315
【化40】
Figure 0004350315
【化41】
Figure 0004350315
【化42】
Figure 0004350315
【化43】
Figure 0004350315
【化44】
Figure 0004350315
【化45】
Figure 0004350315
【化46】
Figure 0004350315
【化47】
Figure 0004350315
【化48】
Figure 0004350315
【化49】
Figure 0004350315
【化50】
Figure 0004350315
【化51】
Figure 0004350315
【化52】
Figure 0004350315
一般式(II−2)で表される化合物は、例えば、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 611(1992)、Synthesis, 546(1971)などの一般的合成法に準じて容易に合成可能である。また、下記合成例やそれに準じた方法を採ることもできる。
【0126】
合成例
下記式に従い、本発明に係る例示化合物(A−22) を合成した。
【0127】
【化53】
Figure 0004350315
(A−22a)の合成
1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン2.72g、沃化カリウム24.9g、沃化銅9.53g、及びHMPA(ヘキサメチルホスホリックトリアミド)30mlを混合し、窒素下、150〜160℃に加熱した。反応終了後、反応液に希塩酸水、エーテルを注入し、銅塩を濾過した後、有機層を抽出した。有機層を亜硫酸水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮することにより(A−22a)の黄色結晶2.93gを得た。
【0128】
(A−22b)の合成
(A−22a)3.66g、マロノニトリル2.64g、水素化ナトリウム1.44g、及びビストリフェニルホスフィンパラジウムクロライド0.21gにTHF(テトラヒドロフラン)60mlを加え、12時間加熱環流した。反応終了後、反応液を1N塩酸に注ぎ、白色沈殿を濾別し、乾燥することにより(A−22b)の白色固体2.68gを得た。
【0129】
(A−22)の合成
(A−22b)3.36gに水100mlを加え、この懸濁液に過剰量の臭素水をゆっくり滴下した。一夜放置後、得られた赤色沈殿を濾別し、冷水で洗浄後、塩化メチレン60mlに溶解した。この溶液を硫酸ナトリウムで乾燥後、活性炭処理し、溶媒を留去することにより目的物とする例示化合物(A−22)の黄色結晶3.11gを得た。
【0130】
下記式に従い、本発明に係る例示化合物(A−58)を合成した。
【0131】
【化54】
Figure 0004350315
(A−58a)の合成
クロラニル25.0gをアセトニトリル60mlに溶かし、この懸濁液にアンモニアガスを連続導入した。得られた茶固体を濾取し、水、次いでアセトニトリル100mlで洗浄し、減圧下乾燥して(A−58a)19.6gを得た。
【0132】
(A−58)の合成
(A−58a)2.1g、ラウリル酸クロライド4.4g、およびトリエチルアミン2.8mlにDMF100mlを加え、70℃で加熱した。7時間加熱した後、冷水300mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、アセトニトリルで再結晶することによって目的物とする例示化合物(A−58)の黄色結晶1.7gを得た。
【0133】
一般式(II−2)で表される蛍光を消光する化学種は、単独で使用しても良いし、あるいはまたは他の公知のクエンチャーと併用することもできる。
【0134】
組み合わせるクエンチャーの代表例としては、特開平3−224793号公報に記載の一般式(III)、(IV)、もしくは(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩、特開平2−300287号公報及び特開平2−300288号公報に記載されているニトロソ化合物などを挙げることができる。組み合わせるクエンチャーとして特に好ましいものは、金属錯体(例えば、PA−1006(三井東圧ファイン(株)))あるいはジインモニウム塩(例えば、IRG−023、IRG−022(以上日本化薬(株)))であり、最も好ましいものは、ジインモニウム塩である。これらのクエンチャーは目的に応じて2種以上併用することもできる。
【0135】
一般式(II−2)で表される蛍光を消光する化学種の添加量は、蛍光を発する化学種100重量部に対して1〜100重量部の範囲であることが好ましく、1〜50重量部の範囲であることが更に好ましく、特に好ましくは1〜25重量部の範囲であり、最も好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0136】
上記クエンチャーの添加量は、蛍光を発する化学種100重量部に対して1〜100重量部の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1〜50重量部の範囲であり、特に好ましくは1〜25重量部の範囲であり、最も好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0137】
一般式(II)で表される化学種の他の好ましい組合わせとしては、[FL]が下記一般式(II−3)で表される陰イオンであり、[Q]が下記一般式(II−4)で表される陽イオンであるものが挙げられる。II−3で表される陰イオンは、次の一般式により表される。
【0138】
【化55】
Figure 0004350315
〔式中、Za及びZbは各々独立に5員もしくは6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、RおよびR は各々独立に、アルキル基またはアリール基を表し、L 、L 、L 、L 及びL は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L 〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成しても良い)、nは1以上の整数を表し、jは0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。〕
Za及びZbで表される5員もしくは6員の含窒素複素環(核)としては、例えば、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナフトテルラゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピリジン核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキサリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、及びピリミジン核などを挙げることができる。
【0139】
これらの中では、ベンゾチアゾール核、イミダゾール核、ナフトイミダゾール核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキサリン核、チアジアゾール核、テトラゾール核、及びピリミジン核が好ましい。
【0140】
これらの環には、更にベンゼン環、ナフトキノン環が縮合していても良い。
【0141】
上記の5員又は6員の含窒素複素環は置換基を有していても良い。好ましい置換基(原子)の例としては、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アリール基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。アルキル基は、炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。またアルキル基の置換基の例としては、アルコキシ基(例、メトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ)を挙げることができる。アリール基としては、フェニルが好ましい。
【0142】
上記R およびRで表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、好ましくは炭素原子数1〜18(更に好ましくは1〜8、特に1〜6)の直鎖状、環状、もしくは分岐状のアルキル基である。
【0143】
およびR で表されるアリール基は置換基を有していても良く、好ましくは炭素原子数6〜18の置換基を有していても良いアリール基である。
【0144】
およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0145】
炭素原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの複素芳香族環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)。
【0146】
本発明において、上記R およびR は、それぞれ無置換の炭素原子数1〜8(好ましくは、炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜4)の直鎖状のアルキル基、あるいはアルコキシ基(特に、メトキシ)又はアルキルチオ基(特に、メチルチオ)で置換された炭素原子数1〜8(好ましくは、炭素原子数1〜6、特に炭素原子数1〜4)の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
【0147】
〜L で表されるメチン基は、置換基を有していても良い。好ましい置換基の例としては、炭素原子数1〜18のアルキル基、アラルキル基、および前記R およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例として挙げたものを挙げることができる。これらの中では、アルキル基(例、メチル)、アリール基(例、フェニル)、ハロゲン原子(例、Cl、Br)、アラルキル基(例、ベンジル)が好ましい。
【0148】
本発明においては、j、kは各々独立に0又は1であることが好ましい。
【0149】
上記L 〜L 上の置換基は互いに連結して環を形成しても良い。好ましい環員数は5員環または6員環であり、これらの環が2個以上縮合していても良い。連結位置は、形成されるメチン鎖の数によって異なる。例えば、L 〜Lで形成されるメチン鎖がペンタメチン鎖の場合には、その好ましい連結位置は、LとL 、L とL 、及びL とLである。また二重縮合環を形成する場合の連結位置は、L とL とL である。またこの場合、L とR 、L とR 、更にLとR は互いに連結して環を形成していても良く、その環員数は好ましくは5員環または6員環である。
【0150】
本発明においては、L 〜L上の置換基で形成される環は、シクロヘキセン環であることが好ましい。
【0151】
一般式(II−3)で表わされるシアニン色素陽イオンの中でも、下記の一般式(II−3−1)で表わされる陽イオンが更に好ましい。
【0152】
【化56】
Figure 0004350315
〔式中、Z及びZ は各々独立に、インドレニン核もしくはベンゾインドレニン核を形成するために必要な原子群を表し、RおよびR は各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R 、R、R 及びR は各々独立に、アルキル基を表し、L、L 、L 、L 及びL は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L 〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成しても良い)、nは1以上の整数を表し、jは0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。〕
上記Z 及びZ で表されるインドレニン核もしくはベンゾインドレニン核は、置換基を有していても良い。置換基(原子)としては、ハロゲン原子、又はアリール基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。またアリール基としては、フェニルが好ましい。
【0153】
上記R 、R 、R およびR で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルキル基である。またR とR 、及びR とR はそれぞれ連結して環を形成しても良い。
【0154】
、R 、R およびR で表されるアルキル基は、置換基を有していても良い。置換基として好ましいものは、前記R およびR で表されるアルキル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例として挙げたものを挙げることができる。
【0155】
本発明においては、R 、R 、R 及びR で表されるアルキル基は、それぞれ炭素原子数1〜6の直鎖状の無置換のアルキル基(特に、メチル、エチル)であることが好ましい。
【0156】
一般式(II−3−1)において、R及びR 、L 、L 、L 、L 及びL 、j及びk、そしてnは、一般式(II−3)において説明したそれと同じ意味を表す。またそれらの好ましい例示も前記一般式(II−3)において説明したものと同じである。
【0157】
-(SO n+1 の(SO ) 基は、一般式(II−3)および一般式(II−3−1)のR 、R の末端に結合することが好ましい。
【0158】
以下に本発明の一般式(II−3)における具体例を列記する。
【0159】
【化57】
Figure 0004350315
【化58】
Figure 0004350315
【化59】
Figure 0004350315
【化60】
Figure 0004350315
【化61】
Figure 0004350315
【化62】
Figure 0004350315
【化63】
Figure 0004350315
【化64】
Figure 0004350315
II−4で表される陽イオンは、次の一般式により表される。
【0160】
【化65】
Figure 0004350315
式中、R及びR は、各々独立に置換基を表し、R 及びR は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R とR 、R とR 、R と R又はR とR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0161】
上記R およびR で表されるアルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基である。これらは、直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよい。これらの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、ネオペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル及びシクロプロピル等が挙げられる。
【0162】
アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0163】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニル);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、ナフチル);
ハロゲン原子(例、F、Cl、Br等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールチオ基(例、フェニルチオ); 炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル);
炭素数7〜11の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、ナフトキシカルボニル);
無置換のアミノ基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル);
無置換のスルファモイル基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル);
シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、クマリン環)。上記R およびR で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
【0164】
アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0165】
上記R およびR で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルキニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。
【0166】
アルキニル基の置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0167】
上記R及びR で表されるアラルキル基は、炭素数7〜18の置換もしくは無置換のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、メチルベンジル等が好ましい。
【0168】
上記R 及びR で表されるアリール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0169】
アリール基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。またこれらの他に、アルキル基(例えば、メチル、エチル等)も好ましい。
【0170】
上記R 及びR で表される複素環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和又は不飽和の複素環であり、これらの例としては、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、及びクマリン環が挙げられる。複素環基は置換されていてもよく、その場合の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0171】
及びR で表される置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものと同義である。またこれらの他に、アルキル基(例えばメチル、エチル等)も挙げることができる。
【0172】
本発明においては、R 及びR で表される置換基は、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。特に好ましくは、水素原子である。
【0173】
一般式(II−4)で表される部分構造は、下記一般式(II−4−1)又は(II−4−2)で表されることが特に好ましい。
【0174】
【化66】
Figure 0004350315
式中、R17及びR18は、それぞれ前述したR 及びR で表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。R19及びR20は、それぞれ前述したR 及びRで表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0175】
【化67】
Figure 0004350315
式中、R21及びR22は、それぞれ前述したR 及びR で表される置換基と同義であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同一である。R21とR22は、それぞれ互いに連結して炭素環または複素環を形成している場合も好ましく、特に好ましくは、R21とR22がそれぞれ結合しているピリジン環との縮合芳香環である。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0176】
本発明で用いられる一般式(II)で表される化合物中の一般式(II−4)で表される部分の例を以下に具体的に記載する。
【0177】
【化68】
Figure 0004350315
【化69】
Figure 0004350315
【化70】
Figure 0004350315
【化71】
Figure 0004350315
【化72】
Figure 0004350315
【化73】
Figure 0004350315
【化74】
Figure 0004350315
【化75】
Figure 0004350315
【化76】
Figure 0004350315
【化77】
Figure 0004350315
さらに、一般式(II)で表される化学種の他の好ましい組合わせとしては、[FL]が下記一般式(II−5)または(II−6)で表される陰イオンであり、[Q]が上記一般式(II−4)で表される陽イオンであるものが挙げられる。
【0178】
【化78】
Figure 0004350315
式中、A,A,B及びBは置換基を表し、L,L,L,L及びLはメチン基を表し、Xは=O,=NR,=C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、Xは−O,−NR,−C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、m,nは0〜2の整数を表す。YとEは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表し、ZとGは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表す。x及びyはそれぞれ独立に0または1を表す。Mk+はオニウムイオンを表す。kは電荷数を表す。
【0179】
以下に、本発明に用いられる上記アニオン部(色素成分)について説明する。
【0180】
上記式において、A 、A 、B 及びB で表される置換基としては、例えば以下のものを挙げることができる。
【0181】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル等);
炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基(例、ビニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル等);
炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);
炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);
炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);
炭素数6〜10のアリールチオ(例、フェニルチオ等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のアミノ基(例、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等);
炭素数0〜18(好ましくは炭素数0〜8)の置換もしくは無置換のスルファモイル基(例、無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等);
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリンなど)。
【0182】
及びA で表される置換基は、ハメットの置換基定数(σp )値が0.2以上のものであることが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Chem.Rev.91,165(1991)に記載されている。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基である。
【0183】
及びBで表される置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はアミノ基であることが好ましい。
【0184】
に結合する〔−C(=L )−(E)x −C(=X )−〕(以下、便宜的に、W1と称する。)と、Z に結合する〔−C(−L )=(G)y =C(−X ) −〕(以下、便宜的に、W2と称する)とはそれぞれ共役状態にあるため、Y とW1とで形成される炭素環もしくは複素環、及びZ とW2とで形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の1つとして考えられる。
【0185】
上記YとW1、及びZ とW2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環である。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成していても良い。またこれらは置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、A、A 、B 及びB で表される置換基として示したものが挙げられる。複素環を形成するヘテロ原子として好ましいものは、B、N、O、S、Se、及びTeである。特に好ましくは、N、O及びSである。
【0186】
x及びyは、それぞれ独立に0または1であり、好ましくは共に0である。
【0187】
は、=O、=NR又は=C(CN) を表す。またX は、−O、−NR又は−C(CN) を表す。Rは置換基を表す。Rで表される置換基は、前述したA 、A 、B 及びB で表される置換基として示したものが挙げられる。Rは、アリール基であることが好ましい。特に好ましくはフェニルである。
【0188】
本発明においては、X は、=Oであり、またX は、−Oである場合が好ましい。
【0189】
とW1、およびZとW2で形成される炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0190】
【化79】
Figure 0004350315
好ましい炭素環は、A−1、及びA−4で示される炭素環である。
【0191】
とW1、およびZ とW2で形成される複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0192】
【化80】
Figure 0004350315
【化81】
Figure 0004350315
【化82】
Figure 0004350315
【化83】
Figure 0004350315
【化84】
Figure 0004350315
好ましい複素環は、A−5、A−6、及びA−7で示される複素環である。
【0193】
Ra 、Rb 及びRc で表される置換基は、前記A 、A 、B及びB で表される置換基として挙げたものと同義である。
【0194】
またRa 、Rb 及びRc はそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。
【0195】
、L 、L 、L 及びL で表されるメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメチン基である。その置換基としては、例えば、前述したA 、A2 、B及びB2 で表される置換基とした挙げたものが挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、カルバモイル基及びヘテロ環基である。又置換基同志が連結して5〜7員環(例、シクロペンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、シクロヘプテン環)を形成してもよい。
【0196】
kは対カチオンの電荷を中和するために必要な数を表す。
【0197】
本発明においては、m及びnが共に1であるか、あるいはmが0でnが2、又はmが2でnが0である場合が好ましい。
【0198】
以下に、一般式(II−5)および(II−6)で表される陰イオンの具体例を挙げるが、本発明では勿論これらのみに限定されるものではない。
【0199】
【化85】
Figure 0004350315
【化86】
Figure 0004350315
【化87】
Figure 0004350315
【化88】
Figure 0004350315
【化89】
Figure 0004350315
【化90】
Figure 0004350315
【化91】
Figure 0004350315
【化92】
Figure 0004350315
【化93】
Figure 0004350315
【化94】
Figure 0004350315
【化95】
Figure 0004350315
【化96】
Figure 0004350315
【化97】
Figure 0004350315
【化98】
Figure 0004350315
【化99】
Figure 0004350315
【化100】
Figure 0004350315
【化101】
Figure 0004350315
【化102】
Figure 0004350315
【化103】
Figure 0004350315
【化104】
Figure 0004350315
【化105】
Figure 0004350315
一方、本発明による情報記録方法は、上述した本発明による第1、2または3の記録媒体に情報を記録する方法であって、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた、記録情報を担う複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させることを特徴とするものである。
【0200】
なおこの情報記録方法において、記録光としては、その波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を用いるのが望ましい。
【0201】
本発明は、上述した情報記録方法によって記録媒体に情報を記録する装置を提供するものであり、本発明による第1の情報記録装置は、
前記第1、2または3の記録媒体に情報を記録する装置であって、
それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた、記録情報を担う複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させる記録手段を備えたことを特徴とするものである。
【0202】
なおこの情報記録装置において、前記記録手段としてより具体的には、記録光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有する微小開口プローブを備え、この微小開口プローブの前記開口から放射されたエバネッセント光を前記記録層に照射するものが好適に用いられる。
【0203】
またこの記録手段として、ソリッド・イマージョン・レンズから放射されたエバネッセント光を前記記録層に照射するものを用いることもできる。
【0204】
他方、本発明による第1の情報再生方法は、前述した第1の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、
前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長域の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出することを特徴とするものである。
【0205】
なお、上述の「複数波長域の励起光」とは、必ずしも各励起光が独立していることを意味するものではなく、例えば複数の蛍光物質の各励起波長域に亘る広い波長域を持つ1つの白色光等も指すものとする。
【0206】
また本発明による第2の情報再生方法は、前述した第2の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、
前記記録層に、各蛍光物質間で共通の励起波長域にある1種の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出することを特徴とするものである。
【0207】
さらに、本発明による第3の情報再生方法は、前述した第3の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、
前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長の励起光を互いに時間をずらして照射して、各蛍光物質間で共通の波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を検出することを特徴とするものである。
【0208】
なお、上述した本発明による第1〜3の情報再生方法において、より好ましくは、励起光として、微細な範囲を照射する光を用い、この励起光で前記記録層を走査し、そのとき生じる蛍光を走査位置毎に検出する。その場合、その波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を励起光として用いるのが、特に望ましい。
【0209】
あるいは、励起光を記録媒体の支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させ、このとき該支持体から記録層側に浸み出したエバネッセント光を該記録層に照射し、そのとき生じる蛍光を空間分解して検出するようにしてもよい。
【0210】
また、前述したように支持体を誘電体から形成し、その一面上に金属膜を形成し、さらにその上に記録層を形成してなる記録媒体から記録情報を再生する場合は、支持体側から金属膜に特定の入射角で励起光を入射させるようにする。
【0211】
本発明は、上述した情報再生方法によって記録媒体の記録情報を再生する装置を提供するものであり、本発明による第1の情報再生装置は、
前述した第1の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置であって、
前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせる励起手段と、
これらの蛍光を波長弁別して検出する読取手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0212】
また本発明による第2の情報再生装置は、前述した第2の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置であって、
前記記録層に、各蛍光物質間で共通の励起波長域にある1種の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせる励起手段と、
これらの蛍光を波長弁別して検出する読取手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0213】
さらに本発明による第3の情報再生装置は、前述した第3の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置であって、
前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長の励起光を互いに時間をずらして照射して、各蛍光物質間で共通の波長の蛍光を生じさせる励起手段と、
これらの蛍光を検出する読取手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0214】
なお、上述した本発明による第1〜3の情報再生装置において、より好ましくは、励起手段として、励起光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有する微小開口プローブを備え、この微小開口プローブの前記開口から放射されたエバネッセント光により記録層を走査するものが用いられる。
【0215】
このように、微細な励起光で記録層を走査するためには、その他、共焦点光学系等の光学系によって絞られたビーム状の励起光により記録層を走査する励起手段や、ソリッド・イマージョン・レンズから放射されたエバネッセント光により記録層を走査する励起手段も好適に用いられ得る。
【0216】
以上のように微細な励起光で記録層を走査する場合、読取手段としては、励起光の走査位置毎に蛍光を検出するものが用いられる。
【0217】
さらに上記励起手段として、励起光を前記支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させ、このとき該支持体から記録層側に浸み出すエバネッセント光を記録層に照射するものを用いるとともに、読取手段として、励起光照射により前記記録層から発せられた蛍光を空間分解して検出するものを用いてもよい。
【0218】
【発明の効果】
本発明の記録媒体は、所定波長の光が照射されると蛍光物質に変化する物質から記録層を形成したものであるから、本発明の情報記録方法により該記録層に光を照射して、この物質を蛍光物質に変化させた状態を例えば1つのピットとすることにより、画像情報やコンピュータ・データ等の情報を記録することができる。
【0219】
そして、記録用の光として、その波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を用いれば、回折限界に制限されないで、光波長よりも小サイズのピットも形成可能となり、極めて高密度の記録が達成される。
【0220】
このようなエバネッセント光を用いるには、記録光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有する微小開口プローブを備え、この微小開口プローブの前記開口から放射されたエバネッセント光を記録層に照射するように構成された記録手段を用いればよい。
【0221】
また本発明による各記録媒体は、蛍光物質に変化する波長が互いに異なる複数種の物質が一様に混在する記録層を有するものであるから、本発明の第2の情報記録方法により、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して記録を行なえば、この記録層上の同一部分において各物質を独立して蛍光物質に変化させて、多重の記録をすることができる。このように多重記録ができる本発明の記録媒体によれば、極めて高密度の記録が達成される。
【0222】
そして本発明の記録媒体は、支持体上に化合物等の物質を層状に担持させただけの簡単な構成のものであるから、特殊な方法によらなくても生産可能であり、よって生産性も十分に高いものとなる。
【0223】
上述のようにして情報記録がなされた記録層に対し、本発明の情報再生方法により、前記蛍光物質の励起波長域にある励起光を照射すると、記録層を構成する物質が蛍光物質に変化している部分からは蛍光が生じ、変化していない部分からはこの蛍光が生じない。そこで、例えば励起光によって記録媒体を走査し、そのとき生じる蛍光を走査位置毎に検出すれば、蛍光の有無に基づいて記録情報を読み取ることができる。
【0224】
また、上述のように励起光を走査させなくても、励起光を記録媒体の支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させて、該支持体から記録層側に浸み出したエバネッセント光を該記録層に照射し、そのとき生じる蛍光を空間分解して検出すれば、記録情報を読み取ることができる。
【0225】
そして、本発明の第1の情報再生方法では、記録層に、それぞれが複数の蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出しているので、複数の物質の各々毎に独立して記録情報を読み取ることができ、多重記録された情報を正確に再生可能となる。
【0226】
また本発明の第2の情報再生方法では、記録層に、各蛍光物質間で共通の励起波長域にある1種の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出しているので、この場合も、複数の物質の各々毎に独立して記録情報を読み取ることができ、多重記録された情報を正確に再生可能となる。
【0227】
また本発明の第3の情報再生方法では、記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長の励起光を互いに時間をずらして照射しているので、蛍光の波長が共通であっても、それらは複数の物質の各々毎に時間をずらして独立に検出され、よってこの場合も、多重記録された情報を正確に再生可能となる。
【0228】
そして、励起光として、前述の微小開口プローブ等により、波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を用いれば、回折限界に制限されずに、光波長よりも小サイズの範囲のみに励起光を照射できるから、同様のサイズのピットによって高密度記録されている情報も正確に再生可能となる。
【0229】
なお、前述したように支持体を誘電体から形成し、その一面上に金属膜を形成し、さらにその上に記録層を形成してなる記録媒体から記録情報を再生する場合、支持体側から金属膜にある特定の入射角で励起光を入射させると、金属膜において表面プラズモン共鳴が励起される。それにより記録層側にプラズマ波(光波)が浸み出し、このプラズマ波によって記録層を励起することができる。
【0230】
また、励起光を記録媒体の支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させ、このとき該支持体から記録層側に浸み出すエバネッセント光を記録層に照射する場合は、励起光が記録層の広い範囲に亘って浸み出す。つまりこの場合は、光波長よりも小サイズの範囲のみに励起光を照射することはできない。しかしその場合も、励起光照射によって生じる蛍光を空間分解して検出すれば、前述したような小さいピットの各々から生じる蛍光を、各ピット毎に区別して検出可能である。
【0231】
そして、上述のように励起光を支持体中に入射させる場合、励起光は記録層側にはエバネッセント光として浸み出すだけであるから、蛍光を検出する手段に強力な励起光が入射してしまうことがない。そこでこの場合は、蛍光検出手段が、大きなノイズ成分となる励起光を検出することがなくなり、S/Nの高い再生信号を得ることができる。
【0232】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である情報記録再生装置を示すものである。この情報記録再生装置は、記録制御部10と、この記録制御部10によって作動制御される3つのレーザ駆動回路11a、11b、11cと、それぞれレーザ駆動回路11a、11b、11cによって駆動される半導体レーザ等の記録用レーザ12a、12b、12cと、記録用レーザ12aから発せられた記録光(レーザビーム)13aを反射させて光ファイバー14に導くミラー15aと、記録用レーザ12b、12cから各々発せられた記録光(レーザビーム)13b、13cを反射させて光ファイバー14に導くダイクロイックミラー15b、15cとを有している。
【0233】
上記光ファイバー14は、一端側が後述する微小開口プローブ14aに加工されたものである。他方、記録用レーザ12a、12b、12cは、それぞれ互いに異なる波長λ1a、λ1b、λ1cの記録光13a、13b、13cを発するものが用いられており、本例ではλ1a=488nm、λ1b=640nm、λ1c=780nmである。ダイクロイックミラー15bは波長λ1aの記録光13aを透過させ、またダイクロイックミラー15cは波長λ1aの記録光13aおよび波長λ1bの記録光13bを透過させるものであり、それにより記録光13a、13b、13cが合波されて、光ファイバー14の他端14bから該光ファイバー14内に入射し得るようになっている。
【0234】
またこの情報記録再生装置は、励起制御部30と、この励起制御部30によって作動制御される3つのレーザ駆動回路31a、31b、31cと、それぞれレーザ駆動回路31a、31b、31cによって駆動される半導体レーザ等の励起用レーザ32a、32b、32cと、励起用レーザ32a、32b、32cから各々発せられた励起光(レーザビーム)33a、33b、33cを反射させて光ファイバー14に導くダイクロイックミラー35a、35b、35cとを有している。
【0235】
上記励起用レーザ32a、32b、32cは、それぞれ互いに異なる波長λ2a、λ2b、λ2cの励起光33a、33b、33cを発するものが用いられており、本例ではλ2a=488nm、λ2b=640nm、λ2c=780nmである。ダイクロイックミラー35a、35b、35cは前述のように合波された記録光13a、13b、13cの光路中に配されてそれらを全て透過させる。また、ダイクロイックミラー35bは波長λ2aの励起光33aも透過させ、ダイクロイックミラー35cは波長λ2aの励起光33aおよび波長λ2bの励起光33bも透過させるものであり、それにより励起光33a、33b、33cが合波されて、光ファイバー14の他端14bから該光ファイバー14内に入射し得るようになっている。
【0236】
上記記録制御部10および励起制御部30の動作は、コントローラ(全体制御部)24によって制御される。
【0237】
また上記微小開口プローブ14aの先端部には、ピエゾ素子20が取り付けられている。またこの微小開口プローブ14aの先端に近接した位置には、ターンテーブル21上に載置されたディスク状の記録媒体22が配されている。ターンテーブル21は記録媒体22を回転させるとともに、例えばピエゾ素子等からなるターンテーブル駆動手段23により、X、Y、Zの3次元方向に移動自在とされている。このターンテーブル駆動手段23の動作は、コントローラ24によって制御される。
【0238】
さらにこの情報記録再生装置は、ターンテーブル21のZ方向位置を制御するためのレーザビーム25を発するレーザ26と、このレーザビーム25を微小開口プローブ14aの先端において収束させる集光レンズ27と、このように収束した後に発散したレーザビーム25を集光する集光レンズ28と、集光されたレーザビーム25を検出する光検出器29とを有している。この光検出器29の出力は、上記コントローラ24に入力される。
【0239】
また微小開口プローブ14aに近接した位置には、3個の光検出器40a、40b、40cが配設されている。これらの光検出器40a、40b、40cはそれぞれ、後述するようにして記録媒体22から発せられる波長λ3a=540nm、λ3b=750nm、λ3c=850nm近辺の蛍光を検出するものであり、それらの出力は各々増幅器41a、41b、41cによって増幅された後、読取処理部42に入力される。この読取処理部42の動作も、上記コントローラ24によって制御される。
【0240】
なお上記微小開口プローブ14aは、先端部つまり図中の下端部に、波長λ1a、λ1bおよびλ1cのいずれよりも短い径(一例として数nm程度)の微小開口を有するものである。このような微小開口は図2に詳しく示すように、例えば光ファイバー14のコア14cの先端を尖鋭化し、その上に不透明の金属膜14dを蒸着し、次いでその先端部のみ金属膜14dを除去する等によって形成される。
【0241】
また図2に示される通り記録媒体22は、支持体22aの上に記録層22bが担持されてなるものである。記録層22bは、一例として3種類の化合物A、BおよびCを一様に混合して含む薄膜からなる。
【0242】
ここで化合物Aは、前述した波長λ1a=488nmの記録光13aの照射を受けると蛍光物質化し、その後波長λ2a=488nmの励起光33aが照射されるとそれにより励起されて波長λ3a=540nm近辺の蛍光を発するものである。そのような化合物Aとして具体的には、前述した一般式(II−3)で表される陰イオンと一般式(II−4)で表される陽イオンとの組合せのうち、特に前者が前記(A−2)で後者が前記(B−40)であるものが挙げられる。
【0243】
また化合物Bは、前述した波長λ1b=640nmの記録光13bの照射を受けると蛍光物質化し、その後波長λ2b=640nmの励起光33bが照射されるとそれにより励起されて波長λ3b=750nm近辺の蛍光を発するものである。そのような化合物Bとして具体的には、前述した一般式(II−1)で表される陰イオンと一般式(II−2)で表される陽イオンとの組合せのうち、特に前者が前記(B−6)で後者が前記(A−4)であるものが挙げられる。
【0244】
また化合物Cは、前述した波長λ1c=780nmの記録光13cの照射を受けると蛍光物質化し、その後波長λ2c=780nmの励起光33cが照射されるとそれにより励起されて波長λ3c=850nm近辺の蛍光を発するものである。そのような化合物Cとして具体的には、前述した一般式(II−5)で表される陰イオンと一般式(II−4)で表される陽イオンとの組合せのうち、特に前者が前記(B−76)で後者が前記(B−5)であるものが挙げられる。
【0245】
以下、上記構成の情報記録再生装置の作用について説明する。まず、情報の記録に関して説明する。記録制御部10には、画像データやコンピュータ・データ等のデジタル・データSが入力される。記録制御部10は、このデジタル・データSを所定のフォーマットに基づいて、少量ずつ等データ長の3つのグループに分解する。すなわち、例えばこのデジタル・データSが24ビットのデータである場合に、8ビット+8ビット+8ビットのデータに分解するような処理が行なわれる。
【0246】
そして記録制御部10は、このような3グループのデータのうち、第1グループのデータに基づいてレーザ駆動回路11aの作動を制御し、第2グループのデータに基づいてレーザ駆動回路11bの作動を制御し、第3グループのデータに基づいてレーザ駆動回路11cの作動を制御することにより、記録光13a、13b、13cをそれぞれ第1グループ、第2グループ、第3グループのデータに基づいてON-OFF変調する。
【0247】
記録光13aが前述の光路を辿って光ファイバー14に入射すると、その先端の微小開口プローブ14aから波長λ1aのエバネッセント光Eが放射される(図2参照)。このエバネッセント光Eが記録層22bを照射すると、その照射部分において、記録層22bを構成する前記化合物Aが蛍光物質Aに変化した微小ピットが形成される。同様に、記録光13bが光ファイバー14に入射すると、微小開口プローブ14aから波長λ1bのエバネッセント光Eが放射され、記録層22bを構成する前記化合物Bが蛍光物質Bに変化した微小ピットが形成される。同様に、記録光13cが光ファイバー14に入射すると、微小開口プローブ14aから波長λ1cのエバネッセント光Eが放射され、記録層22bを構成する前記化合物Cが蛍光物質Cに変化した微小ピットが形成される。
【0248】
以上の3種類のピットは、記録光13a、13b、13cが同時に光ファイバー14に入射した場合は、化合物A、BおよびCが一様に混在している記録層22bの同一の箇所に形成されることになる。つまり本例では、1種類の記録光で情報記録する場合と比べて、基本的に3倍の記録密度が得られる。
【0249】
また上記の各エバネッセント光Eは、記録光波長よりも短い径の範囲から放射されるものであるから、ピットの径は記録光波長よりも小さくなり、この点からも記録密度が大幅に向上する。
【0250】
なお、以上のようなピットを形成する際、記録媒体22がターンテーブル21によって回転されるとともに、微小開口プローブ14aが公知の直線移動機構(図示せず)によって記録媒体22の径方向に移動されることにより、記録媒体22は微小開口プローブ14aから発せられるエバネッセント光Eによって渦巻き状あるいは同心円状に走査される。そこでピットの列は、渦巻き状あるいは同心円状に形成される。
【0251】
以上のようにして情報記録を行なう際には、微小開口プローブ14aの先端とターンテーブル21との間の距離を一定に保持する必要がある。以下、そのための制御について説明する。
【0252】
前述のピエゾ素子20により微小開口プローブ14aの先端部を共振振動させつつ、ターンテーブル駆動手段23によりターンテーブル21を上下させて、プローブ先端と記録媒体22の表面との距離を変化させる。このときプローブ先端と記録媒体表面との距離がある程度近接すると両者の間にファンデルワールス力が働きはじめ、これにより微小開口プローブ14aに対してシアーフォース(せん断応力)が働く。このせん断応力に伴って微小開口プローブ14aの振動振幅が変化するので、プローブ先端においてレーザビーム25を収束させて、その回折光を光検出器29で検出することによりプローブ14aの振動振幅を測定する。この振動振幅はプローブ先端と試料表面との距離に依存するので、振動振幅を所定値に保つようにコントローラ24によりターンテーブル駆動手段23を制御すれば、プローブ先端と試料表面との距離が一定に保持される。
【0253】
次に、記録媒体22に前記ピットの形で記録された情報の再生について説明する。この情報再生の場合も、記録媒体22はターンテーブル21上によって回転される。そして励起制御部30は、励起用レーザ32a、32b、32cがそれぞれ一定強度の励起光33a、33b、33cを発するようにレーザ駆動回路31a、31b、31cの作動を制御する。これらの励起光33a、33b、33cが、前述の光路を辿って光ファイバー14に入射すると、その先端の微小開口プローブ14aから波長λ2a、λ2b、λ3cのエバネッセント光Eが放射され、それらが記録媒体22の記録層22bに照射される。
【0254】
記録層22bの前記化合物Aが蛍光物質Aに変化している部分(ピット)に波長λ2aのエバネッセント光Eが照射されると、この蛍光物質Aが励起されて波長λ3aの蛍光が発せられる。化合物Aが蛍光物質Aに変化していない部分では、この波長λ2aのエバネッセント光Eが照射されても蛍光は生じない。同様に、記録層22bの化合物Bが蛍光物質Bに変化している部分(ピット)に波長λ2bのエバネッセント光Eが照射されると、この蛍光物質Bが励起されて波長λ3bの蛍光が発せられる。化合物Bが蛍光物質Bに変化していない部分では、この波長λ2bのエバネッセント光Eが照射されても蛍光は生じない。また、記録層22bの化合物Cが蛍光物質Cに変化している部分(ピット)に波長λ2cのエバネッセント光Eが照射されると、この蛍光物質Cが励起されて波長λ3cの蛍光が発せられる。化合物Cが蛍光物質Cに変化していない部分では、この波長λ2cのエバネッセント光Eが照射されても蛍光は生じない。
【0255】
光検出器40a、40b、40cはそれぞれ、上記蛍光の波長λ3a、λ3bおよびλ3c近辺に分光感度ピークを有するものであり、したがって、これらの蛍光のうち波長λ3aの蛍光が光検出器40aによって、波長λ3bの蛍光が光検出器40bによって、そして波長λ3cの蛍光が光検出器40cによって独立に検出される。なおこの際、渦巻き状あるいは同心円状に形成されたピット列を追跡するには、従来から知られている光ディスクのトラッキング技術を適用すればよい。
【0256】
光検出器40a、40b、40cがそれぞれ出力した蛍光検出信号は、各々増幅器41a、41b、41cによって増幅された後、読取処理部42に入力される。読取処理部42は、前述したピットの有無を示しているこれら3系統の信号から、それぞれ前記第1グループ、第2グループ、第3グループのデータを生成し、さらにそれらのデータから、3グループに分解する前のデジタル・データSを復元する。
【0257】
以上説明の通り本実施形態の情報記録再生装置によれば、デジタル・データSを記録媒体22に極めて高密度に記録することができ、またこの記録情報を記録媒体22から再生することができる。
【0258】
なお以上の実施形態では、デジタル・データSを少量ずつ等データ長の3つのグループに分解し、記録用レーザ12a、12b、12cを並列的に駆動することにより、それら3グループのデータを並列的に記録するようにしているが、まず記録用レーザ12aのみを駆動して記録媒体22の記録層22b全面にデータを記録し、次に記録用レーザ12bのみを駆動して記録媒体22の記録層22b全面にデータを記録し、さらに記録用レーザ12cのみを駆動して記録媒体22の記録層22b全面にデータを記録するようにしてもよい。
【0259】
次に図3を参照して、前述の微小開口プローブ14aに代えて用いられ得るソリッド・イマージョン・レンズ50について説明する。このソリッド・イマージョン・レンズ50は、空気中で使用される場合は、一端側から光が入力されたとき他端(図中の下端)からエバネッセント光Eを放射するものである。
【0260】
このようなソリッド・イマージョン・レンズ50は、記録媒体55の記録層55bに記録光を照射するために用いることもできるし、また励起光を照射するために用いることもできる(なお図中の55aは、記録媒体55の支持体である)。そして、エバネッセント光Eが出射する範囲の径は、その波長をλ、レンズの媒質の屈折率をnとしたとき、波長λよりも小さいλ/nとなる。そこでこのソリッド・イマージョン・レンズ50を用いて記録を行なう場合も、ピットの径を記録光波長より小さくすることができ、それにより高密度記録が可能となる。
【0261】
上記ソリッド・イマージョン・レンズ50を用いる場合、蛍光を検出する読取手段としては、図1に示したものを使用することもできるし、それ以外に、図3に示すような読取手段も使用可能である。この図3の読取手段は一例として、蛍光物質に変化する1種の化合物からなる記録層55bに対応するものであって、記録層55bから発せられた蛍光51を集光する集光レンズ52と、蛍光51の波長領域の光を通過させ、励起光であるエバネッセント光Eの波長領域の光はカットするフィルタ53と、このフィルタ53を透過した蛍光51を検出する光検出器54とから形成されている。
【0262】
なお、記録層55bが複数種の化合物が一様に混在してなるものであって、そこに多重記録された情報を読み取る場合も、上述のような読取手段を用いることができる。すなわちその場合は、フィルタ53として、励起光であるエバネッセント光Eの波長領域の光はカットする一方、蛍光の波長領域の光は通過させるフィルタを各励起光に対応させて用意しておき、励起光が変えられる毎に、その励起光に対応するフィルタを選択して光検出器54の前に配置すればよい。
【0263】
上記フィルタ53のような波長選択手段は、当然ながら図1の装置においても、適宜設けられることが好ましい。また、この種の光学フィルタ53の代わりに、波長選択手段としてプリズム、グレーティング、ホログラム素子等を用いることも可能である。
【0264】
次に図4を参照して、本発明の記録媒体の別の実施形態および、それを用いた情報の記録並びに再生について説明する。この記録媒体60は、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックからなる支持体61と、その一面上に形成された金属膜62と、その上に形成された記録層63とからなるものである。
【0265】
上記金属膜62は、例えば金、銀等から形成されるのが望ましい。また記録層63は、前述したように光照射を受けて蛍光物質に変化する化合物から形成されている。なおこの場合も、記録層63は1種の化合物からなるものであってもよいし、あるいは多重記録可能とするために、複数種の化合物が一様に混合されてなるものであってもよい。以下においては、記録層63が1種の化合物からなる場合を例に挙げて説明する。
【0266】
記録情報を担っている波長λ1 の記録光64が記録層63に照射されると、記録層63を構成している上記化合物が蛍光物質に変化する。そこで記録光64によって記録層63を2次元的に走査すれば、該記録層63に、例えば前述したピットの形で情報を記録することができる。
【0267】
この記録の後、図示のように支持体61側から該支持体61と金属膜62との界面に対して波長λ2 の励起光65をある特定の入射角で入射させると、金属膜62において表面プラズモン共鳴が励起され、浸み出したプラズマ波(光波)が記録層63に照射される。このようにして記録層63に波長λ2 の光が照射されると、上記蛍光物質から波長λ3 の蛍光66が発せられる。そこで、励起光65によって支持体61と金属膜62との界面を2次元的に走査し、そのとき発せられる蛍光を各走査位置毎に検出すれば、記録情報を再生することができる。
【0268】
なお、上述したようにプリズム状の誘電体ブロックから支持体61を構成する他、概略直方体状の誘電体ブロックから支持体を構成し、その支持体と、それとは別個のプリズムとを屈折率マッチング液を介して結合するようにしてもよい。その際、支持体とプリズムとを互いに同じ材料から形成するとともに、それらと同じ屈折率を有する屈折率マッチング液を用いれば、光学的には図4の構造と同等の構造が実現される。
【0269】
次に図5を参照して、本発明の記録媒体のさらに別の実施形態および、それを用いた情報の記録並びに再生について説明する。この記録媒体70は、後述する励起光に対して透明な支持体71と、その一表面上に形成された記録層72とからなるものである。
【0270】
記録層72は、前述したように光照射を受けて蛍光物質に変化する化合物から形成されている。なおこの場合も、記録層72は1種の化合物からなるものであってもよいし、あるいは多重記録可能とするために、複数種の化合物が一様に混合されてなるものであってもよい。以下においては、記録層72が前述した3種の化合物A、BおよびCからなる場合を例に挙げて説明する。
【0271】
記録情報を担っているそれぞれ波長λ1a、λ1b、λ1cの記録光73a、73b、73cが記録層72に照射されると、記録層72を構成している化合物A、B、Cがそれぞれ蛍光物質A、B、Cに変化する。そこで記録光73a、73b、73cによって記録層72を2次元的に走査すれば、該記録層72に、例えば前述したピットの形で情報を記録することができる。なお記録層72は、化合物A、B、Cが一様に混合されてなる薄膜を支持体71上に形成する等して形成することができる。
【0272】
この記録の後、図示のように支持体71の端面から励起光74を入射させ、この励起光74が支持体71の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するようにし、このとき該支持体71から記録層72側に全面的に浸み出したエバネッセント光を該記録層72に照射させる。
【0273】
この場合励起光74としては、蛍光物質A、B、Cそれぞれの励起波長λ2a、λ2b、λ2cの光を含む例えば白色光等を用いることができるが、それに限らず、各々が主にλ2a、λ2b、λ2cの波長域にある3色の光を混合して用いるようにしても構わない。さらには、主にλ2a、λ2b、λ2cの波長域にある3色の励起光を、互いに時間をずらして別個に照射してもよい。
【0274】
記録層72に上述の励起光74が全面的に照射されると、化合物Aが蛍光物質Aに変化している部分からは波長λ3aの蛍光75aが発せられ、化合物Bが蛍光物質Bに変化している部分からは波長λ3bの蛍光75bが発せられ、化合物Cが蛍光物質Cに変化している部分からは波長λ3cの蛍光75cが発せられる。そこでこれらの蛍光75a、蛍光75b、蛍光75cを例えば分光感度域が互いに異なる3種の微小な光検出素子が2次元的に並設されてなるエリアセンサを用いる等により、波長弁別するとともに空間分解して検出すれば、記録情報を再生することができる。
【0275】
なお上述したように、主にλ2a、λ2b、λ2cの波長域にある3色の励起光を互いに時間をずらして別個に照射する場合は、波長λ3a、λ3b、λ3cの波長の光を全て検出可能な1種の光検出器を使用しても、蛍光75a、蛍光75b、蛍光75cをそれぞれ弁別して検出可能である。
【0276】
本発明の記録媒体において記録層を形成する物質は、上に説明した記録媒体22で用いられた化合物に限定されるものではなく、その他、下に示す化合物等を適宜複数種組み合わせて記録層を形成することもできる。
【0277】
例えば、前述した一般式(I)で示される化合物のうち、(I−4)で示されるものを記録層構成物質とすることもできる。それによって形成された記録層は、350nmの光によって蛍光物質化し、また同じく350nmの光により励起されて蛍光を発するものとなる。
【0278】
また、前述した一般式(II−1)で示される化合物のうちB−6のものを蛍光を発する化学種とし、一般式(II−2)で示される化合物のうちA−4のものを蛍光を消光する化学種として組み合わせて記録層構成物質とすることもできる。それらによって形成された記録層は、532nmの光によって蛍光物質化し、また同じく532nmの光により励起されて蛍光を発するものとなる。
【0279】
また、前述した一般式(II−3)で示される化合物のうちA−11のものを蛍光を発する化学種とし、一般式(II−4)で示される化合物のうちB−40のものを蛍光を消光する化学種として組み合わせて記録層構成物質とすることもできる。それらによって形成された記録層は、680nmの光によって蛍光物質化し、また同じく680nmの光により励起されて蛍光を発するものとなる。
【0280】
また、前述した一般式(II−5)で示される化合物のうちB−74のものを蛍光を発する化学種とし、一般式(II−4)で示される化合物のうちB−5のものを蛍光を消光する化学種として組み合わせて記録層構成物質とすることもできる。それらによって形成された記録層は、680nmの光によって蛍光物質化し、また同じく680nmの光により励起されて蛍光を発するものとなる。
【0281】
さらに、前述した一般式(II−6)で示される化合物のうちB−136のものを蛍光を発する化学種とし、一般式(II−4)で示される化合物のうちB−64のものを蛍光を消光する化学種として組み合わせて記録層構成物質とすることもできる。それらによって形成された記録層は、532nmの光によって蛍光物質化し、また同じく532nmの光により励起されて蛍光を発するものとなる。
【0282】
そして、複数種の化合物等の組み合わせとしては、一般式(I)で示される化合物の中のI−4のものと、一般式(II−1)で示される化合物の中のB−6および一般式(II−2)で示される化合物の中のA−4からなるものとの組み合わせを挙げることができる。前者の蛍光物質に変化する波長λ1=350nm、励起波長λ2=532nm、蛍光波長λ3=620nmであり、後者の蛍光物質に変化する波長λ1=640nm、励起波長λ2=640nm、蛍光波長λ3=700nmである。
【0283】
またそのような複数種の化合物等の組み合わせとして、一般式(I)で示される化合物の中のI−4のものと、一般式(II−3)で示される化合物の中のA−2および一般式(II−4)で示される化合物の中のB−40からなるものとの組み合わせを挙げることができる。前者の蛍光物質に変化する波長λ1=350nm、励起波長λ2=532nm、蛍光波長λ3=620nmであり、後者の蛍光物質に変化する波長λ1=488nm、励起波長λ2=532nm、蛍光波長λ3=580nmである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による情報記録再生装置の側面図
【図2】図1の情報記録再生装置の要部を示す一部破断側面図
【図3】本発明の別の実施形態による情報記録再生装置の要部を示す側面図
【図4】本発明による記録媒体の一実施形態を示す側面図
【図5】本発明による記録媒体の別の実施形態を示す斜視図
【符号の説明】
10 記録制御部
11a、11b、11c レーザ駆動回路
12a、12b、12c 記録用レーザ
13a、13b、13c 記録光
14 光ファイバー
14a 微小開口プローブ
15a ミラー
15b、15c ダイクロイックミラー
20 ピエゾ素子
21 ターンテーブル
22 記録媒体
22a 支持体
22b 記録層
23 ターンテーブル駆動手段
24 コントローラ
30 励起制御部
31a、31b、31c レーザ駆動回路
32a、32b、32c 励起用レーザ
33a、33b、33c 励起光
35a、35b、35c ダイクロイックミラー
40a、40b、40c 光検出器
41a、41b、41c 増幅器
42 読取処理部
50 ソリッド・イマージョン・レンズ
51 蛍光
52 集光レンズ
53 フィルタ
54 光検出器
55 記録媒体
55a 支持体
55b 記録層
60 記録媒体
61 支持体
62 金属膜
63 記録層
64 記録光
65 励起光
66 蛍光
70 記録媒体
71 支持体
72 記録層
73a、73b、73c 記録光
74 励起光
75a、75b、75c 蛍光
E エバネッセント光

Claims (32)

  1. 所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2および蛍光波長λ3の少なくとも一方が互いに異なる複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなる記録媒体において、
    前記所定波長λ1の記録光が照射されると蛍光物質に変化する複数種の物質のうちの少なくとも1つが、蛍光を発する化学種[FL]と、蛍光を消光する化学種[Q]との組合せからなる、下記一般式(II)で示されるものであり、
    一般式(II) [FL]+[Q]
    前記化学種[FL]が下記一般式(II−1)で表される化合物であり、化学種[Q] が下記一般式(II−2)で表される化合物であることを特徴とする記録媒体。
    Figure 0004350315
    式中、ZおよびZは5員または6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R30,R31は各々独立にアルキル基またはアリール基を表し、L,L,L,LおよびLは各々独立に置換または無置換のメチン基を表し(ただし、L〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成してもよい)、p,qはそれぞれ独立に0または1を表し、n1,n2はそれぞれ独立に0、1または2を表し、M1は陰イオンを表し、m1は電荷の均衡を保つのに必要な数を表す。
    Figure 0004350315
    式中、m,nは各々独立に0〜2(ただしm=n≠0)の整数を表し、X,Xは=NRまたは=CRを表し(R,R,Rは置換基を表す)、LおよびLは各々独立に2価の連結基を表す。
  2. 所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2および蛍光波長λ3の少なくとも一方が互いに異なる複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなる記録媒体において、
    前記所定波長λ1の記録光が照射されると蛍光物質に変化する複数種の物質のうちの少なくとも1つが、蛍光を発する化学種[FL]と、蛍光を消光する化学種[Q]との組合せからなる、下記一般式(II)で示されるものであり、
    一般式(II) [FL]+[Q]
    前記化学種[FL]が下記一般式(II−3)で表される陰イオンであり、化学種[Q] が下記一般式(II−4)で表される陽イオンであることを特徴とする記録媒体。
    Figure 0004350315
    式中、Za及びZbは各々独立に5員もしくは6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R およびR は各々独立に、アルキル基またはアリール基を表し、L 、L 、L 、L 及びL は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L 〜L 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成しても良い)、nは1以上の整数を表し、jは0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。
    Figure 0004350315
    式中、R 及びR は、各々独立に置換基を表し、R 及びR は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R とR 、R とR 、R と R又はRとR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
  3. 所定波長λ1の光が照射されると蛍光物質に変化する物質であって、蛍光物質に変化する波長λ1が互いに異なるとともに、蛍光物質となった際の励起波長λ2および蛍光波長λ3の少なくとも一方が互いに異なる複数種の物質が一様に混在してなる記録層が、支持体上に担持されてなる記録媒体において、
    前記所定波長λ1の記録光が照射されると蛍光物質に変化する複数種の物質のうちの少なくとも1つが、蛍光を発する化学種[FL]と、蛍光を消光する化学種[Q]との組合せからなる、下記一般式(II)で示されるものであり、
    一般式(II) [FL]+[Q]
    前記化学種[FL]が下記一般式(II−5)または(II−6)で表される陰イオンであり、化学種[Q] が下記一般式(II−4)で表される陽イオンであることを特徴とする記録媒体。
    Figure 0004350315
    式中、A,A,B及びBは置換基を表し、L,L,L,L及びLはメチン基を表し、Xは=O,=NR,=C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、Xは−O,−NR,−C(CN)を表し(ここでRは置換基を表す)、m,nは0〜2の整数を表す。YとEは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表し、ZとGは炭素環または複素環を形成するのに必要な原子または原子群を表す。x及びyはそれぞれ独立に0または1を表す。Mk+はオニウムイオンを表す。kは電荷数を表す。
    Figure 0004350315
    式中、R 及びR は、各々独立に置換基を表し、R 及びR は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R とR 、R とR 、R と R又はRとR は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のr及びsは各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
  4. 前記励起波長λ2および蛍光波長λ3が互いに異なることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の記録媒体。
  5. 前記励起波長λ2が共通で前記蛍光波長λ3が互いに異なることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の記録媒体。
  6. 前記励起波長λ2が異なり前記蛍光波長λ3が共通であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の記録媒体。
  7. 前記記録層が、前記複数種の物質を混合して含む薄膜からなることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の記録媒体。
  8. 前記支持体が誘電体からなり、その一面上に金属膜が形成され、その上に前記記録層が形成されていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の記録媒体。
  9. 前記金属膜が金または銀からなることを特徴とする請求項記載の記録媒体。
  10. 前記支持体が、前記蛍光物質の励起波長λ2に対して透明な材料からなることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の記録媒体。
  11. 請求項1から10いずれか1項記載の記録媒体に情報を記録する方法であって、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた、記録情報を担う複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させることを特徴とする情報記録方法。
  12. 前記記録光として、その波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を用いることを特徴とする請求項11記載の情報記録方法。
  13. 請求項1から10いずれか1項記載の記録媒体に情報を記録する装置であって、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた、記録情報を担う複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させる記録手段を備えたことを特徴とする情報記録装置。
  14. 前記記録手段が、記録光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有する微小開口プローブを備え、この微小開口プローブの前記開口から放射されたエバネッセント光を前記記録層に照射するものであることを特徴とする請求項13記載の情報記録装置。
  15. 前記記録手段が、ソリッド・イマージョン・レンズから放射されたエバネッセント光を前記記録層に照射するものであることを特徴とする請求項13記載の情報記録装置。
  16. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長域の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出することを特徴とする情報再生方法。
  17. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、前記記録層に、各蛍光物質間で共通の励起波長域にある1種の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を波長弁別して検出することを特徴とする情報再生方法。
  18. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する方法において、前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長域の励起光を互いに時間をずらして照射して、各蛍光物質間で共通の波長の蛍光を生じさせ、これらの蛍光を検出することを特徴とする情報再生方法。
  19. 前記励起光として、前記記録光の波長と等しい波長の光を使用し、この波長の励起光を、前記記録光よりも低強度として前記記録層に照射することを特徴とする請求項16から18いずれか1項記載の情報再生方法。
  20. 前記励起光として、前記記録光の波長と異なる波長の光を使用することを特徴とする請求項16から18いずれか1項記載の情報再生方法。
  21. 前記励起光として、微細な範囲を照射する光を用い、この励起光で前記記録層を走査し、そのとき生じる蛍光を走査位置毎に検出することを特徴とする請求項16から20いずれか1項記載の情報再生方法。
  22. 前記励起光として、その波長よりも短い径の範囲から放射されたエバネッセント光を用いることを特徴とする請求項21記載の情報再生方法。
  23. 励起光を前記支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させ、このとき該支持体から記録層側に浸み出したエバネッセント光を該記録層に照射し、そのとき生じる蛍光を空間分解して検出することを特徴とする請求項16から20いずれか1項記載の情報再生方法。
  24. 請求項または記載の記録媒体に対して、前記支持体側から前記金属膜に特定の入射角で励起光を入射させることを特徴とする請求項16から23いずれか1項記載の情報再生方法。
  25. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置において、前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長域の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせる励起手段と、これらの蛍光を波長弁別して検出する読取手段とを備えたことを特徴とする情報再生装置。
  26. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置において、前記記録層に、各蛍光物質間で共通の励起波長域にある1種の励起光を照射して、各蛍光物質毎に異なる波長の蛍光を生じさせる励起手段と、これらの蛍光を波長弁別して検出する読取手段とを備えたことを特徴とする情報再生装置。
  27. 請求項記載の記録媒体に対して、それぞれの波長が前記複数種の物質のうちの1つを蛍光物質に変化させる波長とされた複数波長域の記録光を、互いに前記記録層上の同一部分を照射し得る状態で該記録層に照射して、この記録光照射部分の前記物質を蛍光物質に変化させてなる記録済みの記録媒体から記録情報を再生する装置において、前記記録層に、それぞれが複数の前記蛍光物質のうちのいずれか1つの励起波長域にある複数波長域の励起光を互いに時間をずらして照射して、各蛍光物質間で共通の波長の蛍光を生じさせる励起手段と、これらの蛍光を検出する読取手段とを備えたことを特徴とする情報再生装置。
  28. 前記励起手段が、絞られたビーム状の励起光により前記記録層を走査するものであり、前記読取手段が、励起光の走査位置毎に前記蛍光を検出するものであることを特徴とする請求項25から27いずれか1項記載の情報再生装置。
  29. 前記励起手段が、請求項または記載の記録媒体に対して、前記支持体側から前記金属膜に励起光を照射するように構成されていることを特徴とする請求項28記載の情報再生装置。
  30. 前記励起手段が、ソリッド・イマージョン・レンズから放射されたエバネッセント光により前記記録層を走査するものであり、前記読取手段が、励起光の走査位置毎に前記蛍光を検出するものであることを特徴とする請求項25から27いずれか1項記載の情報再生装置。
  31. 前記励起手段が、励起光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有する微小開口プローブを備え、この微小開口プローブの前記開口から放射されたエバネッセント光により前記記録層を走査するものであり、前記読取手段が、励起光の走査位置毎に前記蛍光を検出するものであることを特徴とする請求項25から27いずれか1項記載の情報再生装置。
  32. 前記励起手段が、励起光を前記支持体の両表面間で全反射を繰り返しながら伝搬するように該支持体中に入射させ、このとき該支持体から記録層側に浸み出すエバネッセント光を記録層に照射するものであり、前記読取手段が、励起光照射により前記記録層から発せられた蛍光を空間分解して検出するものであることを特徴とする請求項25から27いずれか1項記載の情報再生装置。
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