JP4131757B2 - 発熱抵抗体、サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

発熱抵抗体、サーマルヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融型・昇華型兼用のフルカラープリンタに用いるのに適した発熱抵抗体と、この発熱抵抗体を適用したサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッドは、低騒音、低メンテナンスコストおよび低ランニングコスト等の利点があることから、ファクシミリ、ビデオプリンタあるいは製版機等の各種ΟA機器の感熱式記録装置に多用されるようになってきた。
【0003】
一般に、サーマルヘッドは、次のような構成からなっている。すなわち、アルミナ基体上に発熱抵抗体層及びアルミニウム等の導電層を形成した後、フォトエッチングプロセスにより複数の発熱抵抗体及び電極パターンを形成する。さらに、この複数の発熱抵抗体および電極パターンを保護する為の保護層をスパッタ法等の薄膜形成方法により形成した構成である。また、アルミナ基体と発熱抵抗体層との間に、表面円滑性と蓄熱性の向上を主目的とするガラスグレーズ層を設けた構成をとることも多い。
【0004】
従来、このようなサーマルヘッドを用いて画像データを印字・印画する熱転写記録装置の中間調記録方式としては、昇華型熱転写記録や溶融型熱転写記録がある。
【0005】
溶融型熱転写記録は、画点単位で濃度階調を実現することは、特に低階調領域で安定した画点の形成ができず、また形状・大きさの制御が困難なため、マトリックス法であるディザ方式等の画点を疎密化して表現する方法が提案されている。しかしながらこの方法では、複数(n×n)の発熱抵抗体を1つの画点と見なすことから、解像度が1/nに低下する。従って、これを補うために、サーマルヘッドの発熱抵抗体の形状を発熱中央部に熱が集中するように工夫することで、低階調領域の画点を安定させる方法も提案されている。
【0006】
他方、昇華型方式においては、図3に示すように、画点の内部で濃淡がでないように発熱抵抗体の中央部にスリットを設けるなど、発熱抵抗体の内部での温度勾配を少なくする工夫がなされている。
【0007】
つまり、熱溶融型と昇華型においてはサーマルヘッドの発熱抵抗体に求められる構造は本質的に相反するため、現在、昇華・溶融兼用のフルカラープリンタにおいては、昇華型に適した発熱抵抗体を組み込むことにより、溶融型の画質を向上させることは諦めるか、または逆に溶融型に適した発熱抵抗体を組み込んで昇華型の画質を向上させることは諦めるしかなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の昇華・熱溶融兼用のフルカラープリンタのサーマルヘッドにおいて、熱溶融型の場合には発熱抵抗体の形状を中央部に熱が集中するようにし、昇華型の場合には発熱抵抗体の形状を熱が分散するようにするという相反する要求を同時に満たす発熱抵抗体が望まれていた。
【0009】
従って、本発明は、溶融転写時の発熱の集中と、昇華型時の熱の分散を同時に満たす形状を有する、溶融型・昇華型兼用のプリンタにおいて画質に妥協することなく、相反する要求を同時に満たす発熱抵抗体、サーマルヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の発熱抵抗体は、第1の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第1の非欠損領域とを備えた第1の発熱抵抗体部分と、第2の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第2の非欠損領域とを備えた第2の発熱抵抗体部分とを備えた発熱抵抗体であって、前記第1の発熱抵抗体部分と前記第2の発熱抵抗体部分とは間に間隙を介して主走査方向に並べて配置されており、前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域とはほぼ同一の面積を有しており、かつ前記第1の幅狭領域は、前記第1の発熱抵抗体部分の記録媒体の搬送開始位置側に設けられ、前記第2の幅狭領域は、前記第2の発熱抵抗体部分の前記記録媒体の搬送終了位置側に設けられており、前記記録媒体の搬送方向である前記主走査方向と直交する副走査方向における前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域の距離は、前記記録媒体が搬送機構によって搬送される最低距離と等しく、前記記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向における前記第1の幅狭領域の長さは前記第1の発熱抵抗体部分の半分であり、前記記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向における前記第2の幅狭領域の長さは前記第2の発熱抵 抗体部分の半分であることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る発熱抵抗体によれば、昇華型印刷においては、発熱抵抗体の中央に間隙、すなわち、スリットを設けることにより、発熱抵抗体の発熱時に生じた熱の分散を実現することができる。また、スリットは、製造条件によっては、発熱抵抗体のみならず、電極にまで入っていてもよい。さらに、発熱抵抗体の欠損がなく熱が分散・緩和された領域(以下、非欠損領域と示す。)を設けることによって、昇華型印刷において発熱抵抗体の過度の熱勾配が生じるのを防ぎ、画質を劣化させることがなくなる。一方、熱溶融型印刷においては、発熱抵抗体欠損による幅狭領域(以下、幅狭領域と示す。)、すなわち電流隘路を設けることにより、熱溶融型印刷に要求される熱集中を実現することができ、低階調領域において安定した画点を得ることができるため、画点単位で階調を持つことが可能となる。このように、昇華型印刷と熱溶融型印刷における相反する要求を同時に満たすことができる。
【0012】
また、本発明に係る発熱抵抗体によれば、第1の幅狭領域と第2の幅狭領域の距離を、記録媒体が搬送される方向(副走査方向)については、記録媒体が搬送される最低単位の距離(紙送りピッチ)とし、記録媒体の搬送される方向と直交する方向(主走査方向)については、それぞれ第1および第2の発熱抵抗体部分の半分の長さとして、等間隔に配置することにより、第1の発熱抵抗体部分と第2の発熱抵抗体部分との相互作用の影響を少なくすることができる。尚、間隙と、第1の幅狭領域または第2の幅狭領域とは連続して形成されていてもよい。
【0013】
本発明の発熱抵抗体においては、発熱抵抗体の副走査方向の距離をL0 とし、幅狭領域の副走査方向の距離をLとし、そして、各発熱抵抗体部分の主走査方向の距離をW0 とし、幅狭領域または非欠損領域の主走査方向の距離をWとすると、次式の関係が成り立つような構成とする。
【0014】
【数1】
Figure 0004131757
【数2】
Figure 0004131757
本発明の発熱抵抗体における間隙の幅は細くすればするほど非欠損領域の面積が広がる、つまり、温度勾配をなだらかにできるので好ましいが、現在のエッチング技術では発熱抵抗体の中央に形成される間隙の幅は少なくとも10μm以上必要である。
【0015】
本発明の発熱抵抗体において、第1の幅狭領域と第2の幅狭領域の距離である、記録媒体の搬送最低単位は、印刷の解像度に依存している。記録媒体になされる印刷の解像度は特に制限されないが、例えば、150dpi、300dpi、600dpi等のプリンタが例示される。
【0016】
本発明のサーマルヘッドは、支持基体上に形成された上述の発熱抵抗体と、発熱抵抗体に接続された電極とを具備することを特徴としている。
【0017】
本発明に係るサーマルヘッドによれば、昇華型印刷においては、発熱抵抗体の中央に間隙、すなわち、スリットを設けることにより、発熱抵抗体の発熱時に生じた熱の分散を実現することができる。また、発熱抵抗体の欠損がなく熱が分散・緩和された領域(非欠損領域)を設けることによって、発熱抵抗体の過度の熱勾配が生じるのを防ぎ、画質を劣化させることがなくなる。一方、熱溶融型印刷においては、発熱抵抗体欠損による幅狭領域、すなわち電流隘路を設けることにより、熱溶融型印刷に要求される熱集中を実現することができ、低階調領域において安定した画点を得ることができるため、画点単位で階調を持つことが可能となる。このように、昇華型印刷と熱溶融型印刷における相反する要求を同時に満たすことができる。
【0018】
本発明の発熱抵抗体を用いて作成されるサーマルヘッドの解像度は特に問わないが、140〜300dpiである。
【0019】
本発明のサーマルヘッドの製造方法は、支持基体上に発熱抵抗体を形成する工程と、前記発熱抵抗体上に電極層を形成する工程と、前記発熱抵抗体および前記電極の形成された前記支持基体をパターニングし、前記発熱抵抗体に間隙を形成して等分割して第1の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第1の非欠損領域とを備えた第1の発熱抵抗体部分と、第2の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第2の非欠損領域とを備えた第2の発熱抵抗体部分を形成することにより前記発熱抵抗体をパターニングする工程と、前記パターニングされた前記発熱抵抗体の少なくとも発熱部分を被覆するように保護層を形成する工程とを具備し、前記第1の幅狭領域は、前記第1の発熱抵抗体部分の記録媒体の搬送開始位置側に設けられ、前記第2の幅狭領域は、前記第2の発熱抵抗体部分の前記記録媒体の搬送終了位置側に設けられており、前記記録媒体の搬送方向における前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域の距離は、前記記録媒体が搬送機構によって搬送される最低距離と等しく、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向における前記第1の幅狭領域の長さは前記第1の発熱抵抗体部分の半分であり、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向における前記第2の幅狭領域の長さは前記第2の発熱抵抗体部分の半分であることを特徴としている。
【0020】
本発明に係るサーマルヘッドの製造方法によれば、昇華型印刷においては、発熱抵抗体の中央に間隙、すなわち、スリットを設けることにより、発熱抵抗体の発熱時に生じた熱の分散を実現することができる。また、スリットは、製造条件によっては、発熱抵抗体のみならず、電極にまで入っていてもよい。さらに、発熱抵抗体の欠損がなく熱が分散・緩和された領域(非欠損領域)を設けることによって、昇華型印刷において発熱抵抗体の過度の熱勾配が生じるのを防ぎ、画質を劣化させることがなくなる。一方、熱溶融型印刷においては、発熱抵抗体欠損による幅狭領域(以下、幅狭領域)、すなわち電流隘路を設けることにより、熱溶融型印刷に要求される熱集中を実現することができ、低階調領域において安定した画点を得ることができるため、画点単位で階調を持つことが可能となる。このように、昇華型印刷と熱溶融型印刷における相反する要求を同時に満たすことができる。
【0021】
また、本発明に係るサーマルヘッドの製造方法によれば、第1の幅狭領域と第2の幅狭領域の距離を、記録媒体が搬送される方向(副走査方向)については、記録媒体が搬送される最低単位の距離(紙送りピッチ)とし、記録媒体の搬送される方向と直交する方向(主走査方向)については、それぞれ第1および第2の発熱抵抗体部分の半分の長さとして、等間隔に配置することにより、第1の発熱抵抗体部分と第2の発熱抵抗体部分との相互作用の影響を少なくすることができる。尚、間隙と、第1の幅狭領域または第2の幅狭領域とは連続して形成されていてもよい。
【0022】
本発明のサーマルヘッドの製造方法において、発熱抵抗体は、その副走査方向の距離をL0 とし、幅狭領域の副走査方向の距離をLとし、そして、各発熱抵抗体部分の主走査方向の距離をW0 とし、幅狭領域または非欠損領域の主走査方向の距離をWとすると、次式の関係が成り立つような構成とする。
【0023】
【数3】
Figure 0004131757
【数4】
Figure 0004131757
本発明のサーマルヘッドの製造方法において、発熱抵抗体における間隙の幅は細くすればするほど非欠損領域の面積が広がる、つまり、温度勾配をなだらかにできるので好ましいが、現在のエッチング技術では発熱抵抗体の中央に形成される間隙の幅は少なくとも10μm以上必要である。
【0024】
本発明のサーマルヘッドの製造方法において、第1の幅狭領域と第2の幅狭領域の距離である、記録媒体の搬送最低単位は、印刷の解像度に依存している。記録媒体になされる印刷の解像度は特に制限されないが、例えば、150dpi、300dpi、600dpi等のプリンタが例示される。
【0025】
本発明に係る発熱抵抗体およびサーマルヘッドの製造方法を具体的に述べる。
【0026】
まず、セラミックス製支持基板上に、ガラスグレーズ層を形成する。次に、グレーズ層上に本発明の発熱抵抗体層をスパッタリング法により形成する。スパッタリングは、不活性ガスと酸素の雰囲気下で、スパッタターゲット材に見合う圧力、印加パワー、時間をかけて行う。発熱抵抗体層の熱安定化を目的として熱処理を施してもよい。
【0027】
続いて、発熱抵抗体層上に電極層を形成し、フォトエッチングプロセスにより、発熱抵抗体層上に発熱部を形成するように、個別電極と共通電極からなるリード電極を形成する。
【0028】
次に、発熱抵抗体に、紙送り方向である副主査方向に幅10μmのスリットを入れて等分割して、2つの発熱抵抗体部分を形成する。さらに各発熱抵抗体部分に熱を逃すための欠損部を設ける。一方の欠損部は紙送り開始側に、そして他方は紙送り終了側に設ける。さらに一方の欠損部はスリットと連続して設けられ、他方の欠損部はスリットとは離れて設けられる。この2つの欠損部間の副主査方向の距離は、紙送りの一ピッチ(印刷の解像度に依存する)と等しい。また副主査方向と直交する主走査方向についての欠損部の長さは、各発熱抵抗体部分の半分の長さである。
【0029】
また、副主査方向に入れられたスリットは、発熱抵抗体の副走査方向を超えて紙送り方向リード電極にまで入っている。同様に、スリットと連続して設けられた欠損部についてもリード電極にまで及んでいる。
【0030】
上述したスリットおよび欠損部は、電極のパターニングと同時に形成される。そのため、発熱抵抗体にのみスリットと欠損部を設けるのは不可能であり、電極部分にもスリットと欠損部が不可避的に形成されてしまう。
【0031】
欠損部の形状としては、正方形および長方形またはこれらの角部が丸められたもの等も含まれる。
【0032】
最後に、この上に保護層7を形成してサーマルヘッドとする。
【0033】
以下、本発明の発熱抵抗体およびサーマルヘッドに用いられる材料等について示す。
【0034】
本発明の発熱抵抗体の材料は特に制限されるものではないが、例えば、ニッケル、クロム、タンタル等の安定性の高い金属材料の窒化物や、Ta−Si−O系、Nb−Si−O系等のサーメットが例示される。発熱抵抗体の比抵抗値は100mΩ・cm程度、また、特にビデオプリンタに用いる場合には抵抗値の変化が±1%以下とする。さらに、本発明の発熱抵抗体の膜厚は約0.02〜0.2μmである。
【0035】
また、本発明のサーマルヘッドに用いる支持基体としては、アルミナセラミックス等からなる各種セラミックス材料を用いることができ、支持基体の形成時に焼結助材等の添加剤を配合したり、絶縁材料を添加してもよい。
【0036】
さらに、支持基体上にガラスグレーズ層を設ける場合には、印刷法等により30〜70μm程度の膜厚に形成する。ガラスグレーズ層としては、SiO2 を主成分とするものが例示されるが、Ca、Ba、Al、Sr等の不純物が混入したものであってもよい。ガラスグレーズ層のガラス転移点は、サーマルヘッドの抵抗値の上昇を防止することから、670℃以上であることが望ましい。ガラスグレーズ層の代わりにSi−N−O系等からなる膜を形成してもよい。
【0037】
電極としては、一般的に用いられているAl、Al−Si、Al−Si−Cu等が用いられるが、特に限定はされない。電極の膜厚は1〜3μm程度に形成される。
【0038】
また、発熱抵抗体アレイおよび電極上に形成される保護層は、通常、Si−O−N系の保護層であり、通常の構成成分である窒化珪素および二酸化珪素からなるターゲット材を用いたスパッタ法により形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1は、一実施例による本発明の発熱抵抗体およびサーマルヘッドの平面図である。
【0040】
本実施例においては、144dpiのサーマルヘッドを300dpiの紙送りで使用することを想定している。
【0041】
特に図示しないが、アルミナセラミックス製支持基板上に、二酸化珪素からなるガラスグレーズ層を印刷法により形成した後、ガラスグレーズ層上に例えば、Τa−SiC−O系のサーメットにより、Ta−SiC−SiO2 からなるターゲットを、ArとO2 の雰囲気下(流量50sccm)、圧力1×10-2〜1.5×10-2Torr、印加パワー3〜5kWの条件で3分間、高周波2極スパッタリングにより発熱抵抗体層を形成した。発熱抵抗体層の熱安定化を目的として熱処理を施してもよい。
【0042】
続いて、発熱抵抗体層上にAl−Siからなる電極層を形成し、フォトエッチングプロセスにより、発熱抵抗体層上に発熱部を形成するように、個別電極と共通電極からなるリード電極5を形成した。
【0043】
次に、主走査方向170μm、副走査方向270μmの発熱抵抗体1の副走査方向の中央に幅10μmのスリット4を入れると同時に、熱を逃すための40μm×90μm角の発熱体欠損部3を紙送り開始側、すなわち、図1において右側のヒーターの右上側と、紙送り終了側、すなわち、図1において左側ヒーターの左下側に設けた。さらに紙送り終了側の発熱体欠損部3はスリット4と連続して設けられた。この2つの発熱体欠損部3間の副主査方向の距離は、300dpiの紙送り一ピッチ、約90μmである。発熱抵抗体欠損部分3の残り部分(幅狭領域)の熱集中領域が、電流隘路部分となる。尚、本実施例においては、スリットは、その製造条件上、電極まで入っているが、これは本発明の発熱抵抗体に必須の構成ではない。
【0044】
この形状のヒータの場合、電流が図1上側から下側へ流れると仮定した場合、左右の対の発熱抵抗体の抵抗値は構造上、同じになるので、電流は均等に流れる。 また、図1の右上側における発熱抵抗体欠損部3とスリット4の間の熱集中領域(幅狭領域)2と、図1の左下側における発熱抵抗体欠損部3の左側(幅狭領域)とは特に電流の集まる領域である。
【0045】
実施例1の発熱抵抗体の発熱状態を、有限要素法によりシミュレーションすると、発熱抵抗体欠損部3およびスリット4は温度が低くなっており、熱集中領域(幅狭領域)2については発熱していることがわかった。また、シミュレーションの結果から、発熱の中心は発熱抵抗体の形状に対応して孤立しており、その温度勾配も過度のものとはなっていないこともわかった。
【0046】
また、図2に本発明の変形実施例を示す。本発明によれば、図2に示すように、発熱抵抗体欠損部3を逆側に設けた構造としてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明の発熱抵抗体、これを用いたサーマルヘッドおよびその製造方法によれば、昇華型印刷においては、発熱抵抗体の中央に間隙を設けることにより、発熱抵抗体の発熱時に生じた熱の分散を実現することができ、熱緩和領域(熱が分散・緩和された領域)を設けることによって、昇華型印刷において発熱抵抗体の過度の熱勾配が生じるのを防ぎ、画質を劣化させることがなくなる。一方、熱溶融型印刷においては、熱集中領域(発熱抵抗体欠損による幅狭領域)を設けることにより、熱溶融型印刷に要求される熱集中を実現することができ、低階調領域において安定した画点を得ることができるため、画点単位で階調を持つことが可能となる。このように、昇華型印刷と熱溶融型印刷における相反する要求を同時に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による発熱抵抗体の平面図。
【図2】 本発明の変形実施例による発熱抵抗体の平面図。
【図3】 従来の昇華型プリンタにおける発熱抵抗体の平面図。
【符号の説明】
1…発熱抵抗体
2…発熱抵抗体欠損による幅狭領域
3…発熱抵抗体欠損部
4…スリット
5…リード電極

Claims (3)

  1. 第1の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第1の非欠損領域とを備えた第1の発熱抵抗体部分と、第2の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第2の非欠損領域とを備えた第2の発熱抵抗体部分とを備えた発熱抵抗体であって、
    前記第1の発熱抵抗体部分と前記第2の発熱抵抗体部分とは間に間隙を介して主走査方向に並べて配置されており
    前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域とはほぼ同一の面積を有しており、かつ
    前記第1の幅狭領域は、前記第1の発熱抵抗体部分の記録媒体の搬送開始位置側に設けられ、前記第2の幅狭領域は、前記第2の発熱抵抗体部分の前記記録媒体の搬送終了位置側に設けられており、前記記録媒体の搬送方向である前記主走査方向と直交する副走査方向における前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域の距離は、前記記録媒体が搬送機構によって搬送される最低距離と等しく、前記記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向における前記第1の幅狭領域の長さは前記第1の発熱抵抗体部分の半分であり、前記記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向における前記第2の幅狭領域の長さは前記第2の発熱抵抗体部分の半分であることを特徴とする発熱抵抗体。
  2. 支持基体上に形成された請求項1記載の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に接続された電極とを具備するサーマルヘッド。
  3. 支持基体上に発熱抵抗体を形成する工程と、前記発熱抵抗体上に電極層を形成する工程と、前記発熱抵抗体および前記電極の形成された前記支持基体をパターニングし、前記発熱抵抗体に間隙を形成して等分割して第1の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第1の非欠損領域とを備えた第1の発熱抵抗体部分と、第2の発熱抵抗体欠損による幅狭領域と第2の非欠損領域とを備えた第2の発熱抵抗体部分を形成することにより前記発熱抵抗体をパターニングする工程と、前記パターニングされた前記発熱抵抗体の少なくとも発熱部分を被覆するように保護層を形成する工程とを具備し、
    前記第1の幅狭領域は、前記第1の発熱抵抗体部分の記録媒体の搬送開始位置側に設けられ、前記第2の幅狭領域は、前記第2の発熱抵抗体部分の前記記録媒体の搬送終了位置側に設けられており、前記記録媒体の搬送方向における前記第1の幅狭領域と前記第2の幅狭領域の距離は、前記記録媒体が搬送機構によって搬送される最低距離と等しく、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向における前記第1の幅狭領域の長さは前記第1の発熱抵抗体部分の半分であり、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向における前記第2の幅狭領域の長さは前記第2の発熱抵抗体部分の半分であることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
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