JP4131502B2 - ロボットによる押出しによる、シール化用途の軟質の化学的に発泡された熱可塑性加硫ゴム - Google Patents

ロボットによる押出しによる、シール化用途の軟質の化学的に発泡された熱可塑性加硫ゴム Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
発明の技術的分野
本発明は、熱可塑性ゴム、熱可塑性ポリオレフィン樹脂及び化学的発泡剤を含有し、ロボットによる押出しにより押し出され得て、かつ発泡され得る、熱可塑性エラストマー組成物(TPE)に関する。
本発明は、さらに、前記組成物から得られる発泡され押し出された物品、ロボットによる押出しにより、その物品を製造する方法、並びにガラスの縁にシール化形材を有する自動車用フトントガラス又は多少硬質な物品にシール化する他の形材に関する。
発明の背景
ロボットによる押出しは、熱可塑性ポリマーの寸法規制された形材の、自動取扱い単位装置(ロボット)の加工領域に配置された物品上への押出しを容易にする。押出機において溶融されたポリマーが、加熱された耐圧ホースにより、自動取扱い単位装置により案内され、押出しダイを備えた加熱された押出機ヘッドに供給される。そのポリマーは押し出され、物品上に堆積される。押出機のシリンダーと押出しノズル/ダイとの連接は、電気により加熱された耐高圧ホースによりなされる。耐高圧ホースは、操作温度において少なくとも約250バールの圧力に耐えなくてはならない。そのホースは、ホースに約200℃の温度に規則的な加熱を与える電気による加熱コイルを有する。一方、耐高圧ホースは、制限なく押出しダイの動きに従うことができ、ロボットの動きを邪魔しないように十分に柔軟性でなくてはならない。耐高圧ホースは、特定の状況において押出し操作に干渉することができる特定の捩り剛性を必然的に有する。
例えば、窓ガラスのまわりに操作ヘッドが一周する間に、押出しダイは、360度回転し、この捩り運動はホースに伝動される。この継続的な捩り荷重により、ホースは損傷を与えられ、それにより、ホースの促進された摩耗及びその固着がもたらされる。それらの捩り力により、相当する反力が操作ヘッドに伝動される。このことは、押出し操作における不正確さをもたらす。
Cornilsらへの米国特許第5,336,349号には、型出しされたガスケット、ビード又は型出しされたフレームを有する物品の表面を与えるための方法及び装置が開示されている。この方法によると、押出機及び加熱された耐圧ホースにより熱可塑性エラストマーが加熱された押出しダイに供給される。押出しダイは、ロボットにより案内され、エラストマーは押出され、押出しダイにより、その表面上に置かれる。それらの目的のために、熱可塑性エラストマー、特に、アイソタクチックポリプロピレンとエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)の熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが用いられ得る。その熱可塑性エラストマーは、発泡されない。
Koetteらへの米国特許第5,554,325には、熱可塑性ポリマーの寸法規制された形材の押出しのための方法及び装置が開示されている。記載されたプロセスに特に適していることが証明された熱可塑性エラストマー加硫ゴム類(TPV類)、特に、商品名SANTOPRENE(登録商標)でAdvanced Elastomer Systems, L.P.(米国、オハイオ州、アクロン)から市販されているアイソタクチックプロピレンとエチレン−プロピレン-ジエンゴムの熱可塑性ポリオレフィンエラストマー類である。エラストマーの発泡は開示されていない。
欧州特許出願公開第0637604号には、動的に架橋されたエラストマー部分及びスチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー/PPブレンドとブレンドされたポリプロピレン/EPDMを含有する発泡された熱可塑性エラストマーから製造されるフォームラバー様性質を有するプラスチック成形品が開示されている。
Halberstadtへの米国特許第5,393,796号には、発泡剤の存在下で約64以下のショアーA硬度(ASTM D2240−02)を有するSantoprene(登録商標)(米国特許第4,130,535号及び4,311,628号)から軟質の低密度エラストマー熱可塑性発泡体を押し出すための方法及び装置が開示されている。押し出された形材は、ドア又は窓をシールするためのウエザーストリップとして用いられ得る。熱可塑性エラストマーを押し出す目的のために、約32:1乃至60:1の、長さ対直径の非常に大きな比を有する単一のスクリュー押出機が備えられる。ロボット押出しにより押し出されることができる熱可塑性エラストマー組成物のロボットによる押出しについては記載されていない。
Puydakへの米国特許第5,051,478号には、ポリオレフィン樹脂、エラストマー及びエチレンコポリマー樹脂を含有する、改良された表面外観及び柔軟性を有する、動的に加硫された熱可塑性アロイ組成物(DVA類)が開示されている。
化学的発泡により発泡され得るTPV配合物は、その粘度が高いという欠点を有する。高い粘度は、ロボット押出プロセス中の過度に高い圧力を必要とし、従って、そのようなプロセスの商業的な適用性を低減させる。一方、低粘度、すなわち、約50未満のショアーA硬度、を有するTPV類は、低減された発泡性、例えば低溶融強度、を欠点として有する。それについての主な理由は、固体気泡構造が形成されたにもかかわらず、発泡された形材がダイを出た後に直接気泡破壊してしまうことである。
発明の概要
本発明は、得られた発泡体の溶融強度のような良好な化学的発泡性を維持しながらロボットによる押出しにより押し出され発泡されることができるように、低い粘度及びショアーA硬度並びに良好な流動性を有するTPV類を提供することを目的とする。
本発明の第二の目的は、滑らかな表面及び約0.3乃至0.8g/cmの密度を有し、約−40乃至+100℃の温度範囲にわたり良好なシール適性を有する独立気泡構造を有する発泡された押し出された造形品を提供することである。
本発明の第三の目的は、造形品、例えば、乗物のフロントガラス及びわき窓用のシール又は多少硬質の物品に対する他のシール化形材、を製造するための方法を提供することである。
第一の態様では、本発明は、
(A)(i).完全に硬化されたゴム及び
(ii).熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー
を含有し、約35乃至約85のショアーA硬度(5秒の遅れにおいてASTM D2240−02により測定される)を有する、熱可塑性ゴム、
(B)エチレンと酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、C乃至C12モノオレフィンのターポリマー及びそれらの混合物から成る群から選ばれ、約0.2乃至約10.0の溶融流量(230℃/2.16kg荷重においてASTM D1238−01により測定される)を有する熱可塑性樹脂及び
(C)化学的発泡剤
を含有する発泡性熱可塑性エラストマー組成物に関する。
本発明の押出し可能なかつ発泡可能な組成物は、上記の欠点を克服し、ロボットによる押出しに非常に適している、すなわち、十分に高い溶融強度を有し、一方、その粘度がロボットによる押出しに適切な範囲内にある。本発明による組成物を溶融押出しプロセス、特にロボットによる押出しプロセス、に使用することにより、本質的に独立した気泡、約0.01乃至約1mmの範囲の気泡サイズ及び約0.4乃至0.8g/cmの範囲の発泡体の比重を有する発泡された押出物が得られる。
発明の詳細な記載
熱可塑性ゴム(A)
成分(A)として本発明により用いられる熱可塑性ゴム(エラストマー)組成物は、熱可塑性及び弾性の両方の組み合わせ(熱可塑性エラストマー、TPE)を有する。熱可塑性ゴム組成物は、一般的に、エラストマーが熱可塑性ポリオレフィンの連続相内で離散した粒子相として均質に均一に分散されるように、熱可塑性ポリオレフィンをエラストマー組成物(ゴム)とブレンドすることにより得られる。加硫された組成物に関する初期の研究は、Gesslerへの米国特許第3,037,954号に見出され、静的加硫、並びに加硫性エラストマーが樹脂状の熱可塑性ポリマー中に分散され、そのポリマーブレンドを連続的に混合し、剪断する間に、前記エラストマーが硬化される動的加硫の技術が開示されている。得られた組成物(熱可塑性エラストマー加硫ゴム“TPV”)は、ポリプロピレンのような熱可塑性ポリマーの未硬化マトリックス中の、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、ポリブタジエン、ポリイソブテン等のような硬化されたエラストマーのミクロゲル分散体である。
従って、熱可塑性ゴム成分(A)は、一般的に
i.未硬化ゴム及び
ii.熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー、及び
iii.従来の添加剤及び充填剤
を混合すること、
次に、均質なブレンドが得られるまで、その混合物を混練下に溶融させること
により製造され得る。加熱及び剪断の条件下での混合の間の硬化剤(架橋剤又は加硫剤ともいう)のそのブレンドへの添加により、熱可塑性マトリックス中に分散された完全に硬化された(完全に加硫された又は完全に架橋されたともいう)ゴムの組成物が得られる。
本明細書において用いられている「ゴム」という用語は、エラストマー性を示すために硬化され得るいずれかの天然の又は合成のポリマーを意味する。本発明の目的のためには、「エラストマー」という用語は、「ゴム」という用語と互換的に用いられる。
本発明の動的に硬化されたゴム成分に関連する「完全に硬化された」という用語は、加硫されるべきゴム成分が、ゴムの物理的性質が一般的にその従来の加硫された状態におけるゴムを連想させるゴムまでエラストマー性が付与されるように発現される状態まで硬化されたことを意味する。加硫ゴムの硬化の程度は、ゲル含量又は反対に抽出可能な成分として記載され得る。又は、硬化の程度は、架橋密度として表され得る。抽出分の決定が硬化の状態の適する尺度である場合、改良された熱可塑性エラストマー組成物は、そのブレンドの硬化性ゴム成分を、その組成物が、加硫されることが意図されるゴムを溶解する溶媒により室温において約4、3、2、1重量%以下(与えられた順序において優先性が増す)しか抽出可能な硬化されたゴム成分を含有しない程度まで加硫することにより製造される。一般的に、硬化されたゴム成分がより少ない抽出分しか含有しなければしないほど、TPEの性質はより良好である。従って、硬化されたゴム相から抽出可能なゴムを本質的に含有しない組成物は非常に好ましい。本発明に関して、「抽出分がない」ということは、約0.5重量%未満、理想的には0重量%の抽出可能分を意味する。%ゲルとして報告されるゲル含量は、試験片を室温において有機溶媒中で約48時間浸漬しておき、乾燥した残査を計量し、その組成物の知識に基づいて適する補正をすることにより、不溶性ポリマーの量を決定することを含む操作により決定される。このように補正された最初の重量及び最後の重量は、最初の重量から、エキステンダーオイル、可塑剤、及び有機溶媒において可溶性の組成物の成分、並びに、硬化されることが意図されていないTPVのゴム成分のような、加硫されるべきゴム以外の可溶性成分の重量を引くことにより得られる。不溶性の顔料、充填剤等は、最初の重量及び最後の重量から差し引かれる。
ゲル含量の測定:
約100gの熱可塑性エラストマー組成物の試料を計量し、微細な断片に切断(大きさ:0.5mm×0.5mm×0.5mm)する。密閉容器中で試料を30mlのシクロヘキサン中に23℃で48時間浸す。次に、その試料を取り出し、ろ紙上に置き、室温で一定重量に達するまで72時間以上乾燥させる。乾燥残査の重量から、ポリマー成分以外のすべてのシクロヘキサン不溶性成分(例えば、繊維充填剤、充填剤、顔料)の重量を差し引く。得られた値を「補正された最終重量(Y)」とする。一方、試料重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(例えば柔軟剤)の重量及びシクロヘキサン不溶性成分(例えば、繊維充填剤、充填剤、顔料)の重量を差し引く。得られた値を「補正された最初の重量(X)」とする。ゲル含量(シクロヘキサン不溶性成分の含量)は、下記の等式:
Figure 0004131502
により計算される。
本発明により、前記熱可塑性ゴム(A)は、約35乃至約85、好ましくは約35乃至約60、最も好ましくは約35乃至約50(5秒の遅れにおいてASTM D2240−02により測定される)、のショアーA硬度を有する。
好ましい態様では、熱可塑性ゴム(A)は、約20乃至約100Pa・秒、好ましくは約55乃至約85Pa・秒、特定の態様では約68Pa・秒、のLCR(実験室細管レオメーター)−粘度を有する。
本発明による組成物における成分(A)として用いられる熱可塑性ゴム組成物を製造するために、ゴム(i)は、熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー(ii)と、その樹脂を軟化させるのに十分な温度において、又はより通常には、前記樹脂が室温において結晶質である場合に、融点より高い温度において、混合する。前記樹脂及びゴムが均質に混合された後に、硬化剤を添加する。加熱及び加硫温度において剪断しながらの素練りは、約0.5乃至約10分で加硫を完了させるために一般的に適している。硬化時間は、硬化温度を上昇させることにより低減され得る。硬化温度の適する範囲は、およそ、樹脂のピーク融点(HDPEでは約130℃であり、PPでは約165℃である)から約250℃までである。より典型的には、その温度範囲は、約160℃乃至約225℃である。好ましくは、加硫は、約170℃乃至約200℃の範囲の温度で行われる。
動的加硫は、熱可塑性成分及びエラストマー成分を、練りロール機、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、連続的混合機、混合押出機等のような従来の混合装置で高温で混合することにより行われる。その組成物は、押出し、射出成形、吹き込み成形、圧縮成形及び熱成形のような従来のプラスチック加工技術により加工及び再加工され得る。
本発明の発泡性熱可塑性エラストマー組成物において、熱可塑性ゴム(A)は、熱可塑性ゴム(A)、オレフィン可塑性物質(B)及び発泡剤(C)のすべての100重量部に基づいて約80乃至約98重量部、好ましくは約85乃至約96重量部、最も好ましくは約91乃至約95重量部、の量で用いられる。
以下に、完全に硬化された熱可塑性ゴム成分(A)の個々の構成成分について、より詳細に記載する。
ゴム(i)
熱可塑性ゴム(A)における使用のために適するゴム(i)の例示的な非限定例には、エチレン/プロピレン/非共役ジエンゴム(EPDM)のようなエチレン/α−オレフィン/非共役ジエンコポリマーゴム、α−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン等のような、式、CH=CHR(式中、Rは、1乃至12の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーゴムから成る群から選ばれるゴムが含まれる。好ましいエチレン/α−オレフィンコポリマーゴムはエチレン/プロピレンコポリマーゴム(EPM)である。前記ゴムの他の例は、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、C乃至 イソモノオレフィンとp−アルキルスチレンとのコポリマー又はそれらのハロゲン化誘導体、天然又は合成ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンコポリマーゴム並びにそれらのブレンドである。
本発明の実施において用いられる硬化性又は加硫性ゴムには、合成の及び天然のゴムの両方が含まれ、用いられるゴムの少なくとも一つは加硫性でなくてはならない。
ポリイソブチレン(PIB)は、加硫され得ないので真のゴムではないが、本発明の実施において、PIBが約40,000乃至約1,000,000の粘度平均分子量を有していれば、加硫性ゴムと組み合わせて用いられ得る。
「ニトリルゴム」という用語は、アクリロニトリルコポリマーゴムを意味する。適するニトリルゴムは、1.3−ブタジエン又はイソプレンとアクリロニトリルとのゴム状ポリマーを含む。好ましいニトリルゴムは、1,3−ブタジエン及び約20乃至50重量%のアクリロニトリルのポリマーを含む。少なくとも50,000、好ましくは約100,000乃至1,000,000の平均分子量を有する「固体」ゴムであるいずれかのニトリルゴムが用いられ得る。本発明の実施のために適する市販のニトリルゴムは、Rubber World Blue Book、1980年版、Materilas and Compounding Ingredients for Rubber、386乃至406頁に記載されている。
適する、C乃至Cイソモノオレフィンとp−アルキルスチレンとのハロゲン化コポリマーには、欧州特許出願公開0355021に開示されたコポリマーのような、式、
Figure 0004131502
(R及びRは個々に、水素、約1乃至約5の炭素原子を有するアルキル基、約1乃至約5の炭素原子を有する第一又は第二ハロアルキル基から成る群から選ばれ、Xは臭素、塩素及びそれらの混合物から成る群から選ばれる)により表され得るp−アルキルスチレン部分を有するコポリマーが含まれる。好ましくは、そのアルキルスチレンコポリマーは、イソブチレンとp−メチルスチレンとのハロゲン化コポリマー、より好ましくはイソブチレンとp−メチルスチレンとの臭素化コポリマーである。
ブチルゴムは、イソオレフィンと共役マルチオレフィンとのコポリマーである。有用なゴムコポリマーは、主部分のイソオレフィンと少量の、好ましくは約30重量%以下の共役マルチオレフィンを含有する。好ましいゴムコポリマーは、約85乃至99.5重量%(好ましくは約95乃至約99.5重量%)の、イソブチレンのようなC乃至Cイソオレフィン、及び約15乃至0.5重量%(好ましくは約5重量%乃至約0.5重量%)の、約4乃至約14の炭素原子のマルチオレフィンを含有する。それらのコポリマーは、文献において「ブチルゴム」という。
本明細書において用いられる「ブチルゴム」という用語には、約4乃至約7の炭素原子を有するイソオレフィンと約0.5乃至約20重量%の、約4乃至約14の炭素原子の共役マルチオレフィンとの前記のコポリマーが含まれる。好ましくは、それらのコポリマーは、約0.5乃至約5重量%の共役マルチオレフィンを含有する。好ましいイソオレフィンはイソブチレンである。適する共役マルチオレフィンには、イソプレン、ブタジエン、ジメチルブタジエン、ピペリレン等が含まれる。商業的なブチルゴムは、イソブチレンと少量のイソプレンとのコポリマーである。
先に記載されたブチルゴムは、約0.1乃至約10重量%、好ましくは約0.5乃至約3.0重量%の塩素又は臭素でハロゲン化され得て、適するハロブチルゴムを生成する。ブチルゴムの塩素化された形態は、通常、「クロロブチルゴム」として知られており、臭素化された形態は、「ブロモブチルゴム」として知られている。
本発明による他の適するゴムは、ポリクロロプレンゴムのような多塩素化ブタジエンに基づいている。それらのゴムは、商品名Neoprene(登録商標)(DuPont Dow)及びBayprene(登録商標)(Mobay)で市販されている。
本発明の好ましい態様では、ゴム(i)は、エチレン/α−オレフィンコポリマーゴム(EPM)又はエチレン/α−オレフィン/非共役ジエンコポリマーゴム(EPDM)であり、後者が最も好ましい。
非共役ジエンモノマーは、約6乃至約15の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は環式の炭化水素ジエンであることができる。適する非共役ジエンの例は、1,4−ヘキサジエン及び1,6−オクタジエンのような直鎖の非環式のジエン:5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、並びにジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合された異性体のような分岐鎖の非環式ジエン:1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエンのような単環脂環式ジエン:並びにテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエンのような多環脂環式縮合及び架橋環ジエン;ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB);5−プロペニル−2−ノルボルネン;5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン;5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン及びノルボルナジエンのようなアルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネンであることができる。
EPDM類を製造するために典型的に用いられるジエンのうち、特に好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)及びジシクロペンタジエン(DCPD)である。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及び1,4−ヘキサジエン(HD)である。
エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンゴムは、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンゴムに基づいて、約40乃至約85重量%の、好ましくは約45乃至約80重量%の、より好ましくは約50乃至約75重量%の、エチレンを含有する。エチレン/プロピレン/非共役ジエンゴムは、約0.25乃至約5重量%の、好ましくは約0.25乃至約2重量%の、より好ましくは約0.5乃至約1.2重量%の、ジエンを含有する。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエンエラストマーポリマーの約100%までの残りは、一般的に,プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン及びそれらの組み合わせ等から成る群から選ばれるα−オレフィンから構成される。本発明により好ましいエチレン/プロピレン/非共役ジエンゴムは、α−オレフィンとしてプロピレン、そしてジエンコモノマーとして5−ビニル−2−ノルボルネンを含有する。
熱可塑性ゴム成分(A)において、ゴム(i)の量は、一般的に、ゴム(i)及び熱可塑性樹脂(ii)の重量に基づいて約95乃至約10重量%の範囲である。好ましくは、そのゴム含量は、総ポリマーの約80乃至約20重量%の範囲である。
熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー(ii)
本明細書において、熱可塑性エラストマー成分(A)の記載と関連して用いられている「熱可塑性ポリオレフィン」という用語は、熱可塑性性質を示すいずれかのポリオレフィン樹脂を意味する。
ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、HDPE、LDPE、VLDPE、LLDPE、ポリエチレンコポリマー、環式オレフィンホモポリマー又はコポリマー、並びにオレフィン系ブロックコポリマー、ポリスチレン、硫化ポリフェニレン、酸化ポリフェニレン及びエチレン−プロピレンコポリマー(EP)熱可塑性物質を含む広範囲の熱可塑性樹脂及び/又はそれらの混合物が、熱可塑性エラストマーの製造に用いられている。
本発明により生成される組成物において有用な熱可塑性樹脂には、結晶質及び半結晶質ポリオレフィンホモポリマー及びコポリマーが含まれる。それらは、望ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、それらの混合物のような約2乃至約20の、好ましくは約2乃至約12の、より好ましくは約2乃至約7の、炭素原子を有するモノオレフィンモノマー、並びにそれらとメチルアクリレート又はメチルメタクリレートのようなアクリレート又はメタクリレートとのコポリマーから製造される。
本明細書及び特許請求の範囲において用いられているように、[ポリプロピレン]という用語には、プロピレンのホモポリマー、並びに約1乃至約20重量%のエチレン又は約4乃至約20の炭素原子のα−オレフィンコモノマー及びそれらの混合物を含有し得るポリプロピレンの反応器コポリマー(PPRC)が含まれる。そのポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ又はメタロセン触媒を用いて製造されるアタクチック、アイソタクチック又はシンジオタクチックであることができる。PPRCはランダム又はブロックコポリマーであることができる。PP又はPPRCの密度は、約0.88乃至約0.92g/cm、一般的に約0.89乃至約0.91g/cmであることができる。本発明の実施において市販のポリオレフィン類は用いられ得る。熱可塑性樹脂のブレンドも用いられ得る。
好ましいポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリプロピレンである。本発明の実施において、他のポリオレフィンホモポリマー及びエチレンのコポリマーも用いられ得るが、得られるTPE組成物は、高温度特性において不十分である。そのような他のポリオレフィン類には、低密度ポリエチレン(LDPE)、極低密度ポリエチレン(VLPE)、線状低密度ポリエチレン(LLPDE)
及びポリブチレン(PB)が含まれる。しかし、それらの他のポリオレフィン樹脂は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物(a)に、ポリプロピレン(PP)又は高密度ポリエチレン(HDPE)とともに組み込まれ得る。
本発明のポリオレフィン樹脂として有用な高密度ポリエチレン(HDPE)は、約0.941乃至0.965g/cmの密度を有する。高密度ポリエチレンは、商業的に確立された生成物であり、その製造及び一般的な性質は、本技術分野でよく知られている。典型的には、HDPEは、約20乃至約40の、数平均分子量に対する重量平均分子量の比により特徴付けられる比較的広範囲の分子量分布を有する。
本明細書において用いられる「低密度ポリエチレン」又は「LDPE」は、約0.910乃至約0.940g/cmの密度を有する低い及び中間の密度のポリエチレンを意味する。その用語には、線状ポリエチレン及び熱可塑性樹脂であるエチレンのコポリマーが含まれる。
「極低密度ポリエチレン」又は「VLDPE」は、約0.910g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味するために本明細書において用いられ、線状ポリエチレン及び熱可塑性樹脂であるエチレンのコポリマーを含む。
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、存在している場合、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、好ましくは1−ブテン又は1−ヘキセンから成る群から選ばれるC乃至C12のα−オレフィン類から誘導される長鎖分岐がわずかしか存在しないことにより特徴付けられるある種類の低密度ポリエチレンである。LLDPEを製造するための方法は、本技術分野でよく知られており、商業的なグレードのこのポリオレフィン樹脂は入手できる。一般的に、LLDPEは、気相流動床反応器又は液相溶液法反応器において製造され、前者の方法は、約0.69乃至約2.07MPa(約100乃至約300psi)の圧力及び約100℃のように低い温度で行われ得る。
有用な組成物(A)を提供するために見出された熱可塑性ポリオレフィン(ii)の量は、一般的に、ゴム(i)及び熱可塑性ポリオレフィン樹脂(ii)の重量に基づいて約5乃至約90重量%である。好ましくは、熱可塑性樹脂含量は、総ポリマーの約20乃至約80重量%の範囲である。
慣用の充填剤及び添加剤
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が、その組成物中に含有されるエラストマーを十分に硬化させる条件下で動的加硫に付され、少なくとも主部分の固体粒子成分の前記エラストマーへの浸透を防いだ後に添加される固体の粒子成分は、一つ又は複数の充填剤、一つ又は複数の一定の添加剤又はそれらの混合物である。
加硫が達成されたら、充填剤及び/又は添加剤が添加され、ブレンド中に混合される。それにより、完全に加硫されたDVAにおいて、充填剤及び/又は添加剤は、架橋されたエラストマー相に浸透できないので、それらが熱可塑性相中に保持されることが確保される。しかし、エラストマー相に組み入れられたいくらかの充填剤及び/又は添加剤を有することが望ましい程度により、充填剤及び/又は添加剤は、エラストマー相の望ましい程度の部分硬化において添加され得る。上記方法の代替的方法として、DVA生成物は、充填剤又は添加剤なしで製造され得る。次に、充填剤及び/又は添加剤は、後の第二配合操作において添加され得る。
一般的に充填剤及び/又は添加剤を添加することは、ゴム配合の技術において慣例である。適する添加剤は、顔料、帯電防止剤、抗酸化剤、紫外線安定剤、粘着防止剤、潤滑剤、プロセス油、ワックス、充填剤用カップリング剤及びそれらの混合物から成る群から選ばれる。本明細書において用いられる「充填剤」という用語は、非補強充填剤、補強充填剤、有機充填剤及び無機充填剤をいう。充填剤は、有機充填剤及び無機充填剤(例えば鉱物充填剤)であり得る。好ましくは、充填剤は無機充填剤である。適する充填剤には、タルク、シリカ、クレー、固体難燃剤、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、他の無機充填剤及びそれらの混合物が含まれる。カーボンブラックは、いずれかの供給源から誘導され得て、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のようないずれかの種類のカーボンブラックであることができる。いずれかの有効な量の充填剤が用いられ得る。典型的には、充填剤が、熱可塑性の動的に加硫された総組成物(A)に基づいて約60重量%以下の、好ましくは約2乃至約50重量%の、量で添加され得る。特定の充填剤では、その割合は変わり得る。例えば、カーボンブラックは、組成物(A)に基づいて、好ましくは、約1乃至約40重量%、より好ましくは約2乃至約20重量%の範囲の量で添加される。
特定の用途では、充填剤又は添加剤の効果的な量は、都合よく、その範囲の外であり得る。補強充填剤の場合、非常に必要とされる熱可塑性相中の充填剤を本発明は濃縮するので、添加されるべき充填剤の量における低減が、望ましい同じ強度を維持するために予測され得る。
本発明の実施のために適する添加剤は、総組成物に基づいて約0.05乃至約5重量%、好ましくは約0.05乃至約3重量%、の範囲の量で添加され得る。適する添加剤は、紫外線安定剤であり、紫外線安定剤は、総エラストマー組成物(A)に基づいて約0.05乃至約1.0重量%の範囲の量存在し得る。
「紫外線安定剤」(U.V.安定剤、典型的には、少なくとも約1,000、好ましくは少なくとも約5,000の分子量を有する、標準温度及び圧力において粒子固体)という用語は、本明細書においてTPV組成物における紫外線の崩壊作用から安定又は保護を与える化合物を意味するために用いられる。U.V.安定剤は、本発明のTPV組成物に悪影響を及ぼさない。TPV組成物へのU.V.安定剤の添加はハロブチルエラストマー物質のために用いられる硬化剤の架橋性能を有意に低減させることが見出された。そのような低減は、硬化系がマレイミド硬化系である場合に同じ程度には生じない。適するU.V.安定剤には、「ヒンダードアミン類」と呼ばれる種類の化合物に属するヒンダードアミン光安定剤(HALS)が含まれる。それらのヒンダードアミン類は、ポリマーを安定化するのに有効であることが見出された。例えば、米国特許第4,064,102号を参照(その教示を引用により本明細書に組み入れられる)。好ましいU.V.安定剤は、Ciba−Geigy Corporationにより、それぞれ商品名Chimassorb 944LD、Tinuvin 770及びTinuvin 622LDで販売されているN,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)デカンジオエート、及び琥珀酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−エタノールとの反応生成物のような2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体である。添加されるU.V.安定剤の有効量は、用いられる特定の安定剤及び望ましい保護の程度による。HALSは、組成物(A)の約0.01乃至約0.5重量%、好ましくは約0.02乃至約0.25重量%、最も好ましくは約0.03乃至約0.15重量%、で用いられる。
U.V.安定剤が用いられる場合、後に記載する他の硬化系も有用であるが、そのブレンドは、マレイミド硬化系の存在下で動的に加硫されることが好ましい。本発明において好ましく用いられるマレイミド化合物はビスマレイミド化合物である。マレイミド化合物の中でビスマレイミド化合物は、効果において特に優れており、m−フェニレンビスマレイミド(4,4’m−フェニレンビスマレイミド)が好ましい。ビスマレイミドの例は、4,4’−ビニレンジフェニルビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、4,4’−スルホニルジフェニルビスマレイミド、2,2’−ジチオジフェニルビスマレイミド、4,4’−エチレン−ビス−オキソフェニルビスマレイミド、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニルビスマレイミド、o−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド(HVA−2)、ヘキサメチレンビスマレイミド及び3,6−プリンビスマレイミド類である。
ゴムプロセス油は、それらが、パラフィン系、ナフテン系又は芳香族プロセス油の種類に分類されるかによって特定のASTM指定を有する。それらは、石油留分から誘導される。用いられるプロセス油の種類は、ゴム成分と組み合わされて慣習的に用いられるものである。通常の熟練のゴム化学者は、特定のゴムとともに油のどの種類が用いられるべきかを認識するであろう。用いられるゴムプロセス油の量は、硬化される及び硬化されない総ゴム含量に基づいており、TPEにおけるプロセス油対総ゴムの重量による比として定義され得る。その比は、0より多く約1.5/1まで、好ましくは約0.2/1乃至約1.0/1、より好ましくは約0.3/1乃至約0.8/1、の範囲であり得る。より多い量のプロセス油が用いられ得るが、欠点は、組成物の低減された物理強度である。コールタール及びパインタールから誘導される油のような石油系油以外の油も用いられ得る。ゴムプロセス油の他に、有機エステル及び他の合成可塑剤が用いられ得る。
抗酸化剤が、ゴム組成物(A)に添加され得る。用いられる特定の抗酸化剤は、イソパラフィン油のような合成油におけるように、用いられるゴムにより変わり、又、一種より多くが必要であり得る。それらの適切な選択は、明確に、ゴム加工化学者の通常の技能の範囲内である。抗酸化剤は、一般的に、化学的保護剤又は物理的保護剤に分類される。
本組成物から製造されるべき部分においてほとんど動きがないはずである場合に物理的保護剤が用いられる。それらは、一般的に、ゴム部分の表面に「ブルーム」を与え、保護性被覆を生成し、酸素、オゾン等からその部分を遮蔽する蝋質物質である。
化学的保護剤は、一般的に、3つの化学的グループ:第二アミン類、フェノール類及びホスフィット類、に分類される。本発明の実施において有用なそれらの種類の抗酸化剤の例は、ヒンダードフェノール類、アミノフェノール類、ヒドロキノン類、アルキルジアミン類、アミン縮合生成物等である。
抗酸化剤の例には、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤等が含まれる。フェノール系硬化剤の例には、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(以降、「tert−ブチル」を「t−ブチル」という)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ステアリルプロピオネート、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)オレイルプロピオネート、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ドデシルプロピオネート、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)デシルプロピオネート、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)オクチルプロピオネート、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)グリセリンプロピオネートモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートとグリセリンモノオレイルエーテルのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ブチレンプロピオネートグリコレートエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートチオジグリコレートエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチル−フェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル}スルフィド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルスルフィド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−アニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−{ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−ホスフェートジエステル、ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3,3’−t−ブチルフェニル)−酪酸}グリコレートエステル等が含まれる。
アミン系抗酸化剤の例には、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミンのようなナフチルアミン系抗酸化剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−p−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミンのようなフェニレンジアミン系抗酸化剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’−ジ−n−ブチルフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、p,p’−ジデシルジフェニルアミン、p,p’−ジドデシルジフェニルアミン、p,p’−ジスチリルジフェニルアミン、p,p’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミンのようなジフェニルアミン系抗酸化剤;並びにフェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボキシレートエステル及びフェノセレナジンのようなフェノチアジン系抗酸化剤が含まれる。
硫黄系抗酸化剤の例には、ジオクチルチオジプロピオネート、ジデシルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β−チオブチレート、(3−オクチルチオプロピオン酸)ペンタエリトリトールテトラエステル、(3−デシルチオプロピオン酸)ペンタエリトリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)ペンタエリトリトールテトラエステル、(3−ステアリルチオプロピオン酸)ペンタエリトリトールテトラエステル、(3−オレイルチオプロピオン酸)ペンタエリトリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)−4,4’−チオジ(3−メチル−5−t−ブチル−4−フェノール)エステル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールジスルフィド、ジラウリルスルフィド、アミルチオグリコレート等が含まれる。
物理的抗酸化剤には、混合された石油ワックス及び微結晶質ワックスが含まれる。充填剤及び/又は添加剤のすべて又は一部が、動的加硫工程の前、部分的な動的加硫の後にしかし動的加硫の前、又は動的加硫の後に添加され得る。
組成物(A)においてゴム成分は、完全に加硫/架橋される。当業者は、ゴムの完全な加硫を行うのに必要な硬化系の適切な量、種類及び加硫条件を認識するであろう。望ましい最適に完全な加硫を得るために、硬化剤の種々の量、種々の温度及び硬化の種々の時間を用いてゴムは加硫され得る。加硫条件下で用いられるゴムに適しており、TPVの熱可塑性ポリオレフィン樹脂成分と相溶性である限り、いずれの公知の硬化系も用いられ得る。それらの硬化系には、促進剤及び共働作業剤とともに又はそれらなしで、硫黄、硫黄供与体、金属酸化物、樹脂系、高エネルギー放射線等が含まれる。本発明の他の好ましい代替法において、欧州特許出願公開第0776937号に開示されたヒドロシリル化架橋により架橋が又、達成され得る。
ブチルゴムが非ハロゲン化ブチルゴムである場合を除いて、適するよく知られた共働作用剤とともに有機過酸化物が硬化系として用いられ得る。過酸化物硬化系における共働作用剤の役割は、硬化状態を増大させ、連鎖粉砕又は分断作用を阻止することである。有用な有機過酸化物の具体的な例は、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、メチルエチルケトンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチル−ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジペルオキシフタレート、t−ブチルクミルペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル−ペルオキシ)シクロヘキサン等;アゾビスイソブチロニトリル等のようなアゾ化合物から選ばれる。
ペルオキシド系硬化系は、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルイタコネート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、アリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、m−フェニレンビスマレイミド(HVA−2)等のような共働作用剤とともに又はなしで用いられ得る。
本発明の熱可塑性エラストマー加硫ゴムの製造に、フェノール樹脂硬化剤が好ましく、そのような硬化系は、ゴムの加硫の技術分野及び文献においてよく知られている。加硫化組成物におけるそれらの使用は、米国特許第4,311,628号においてより完全に記載されており、その開示を引用により本明細書に完全に組み込む。
そのような硬化系の基本的な成分は、アルカリ媒体中でハロゲンで置換されたフェノール、C−C10アルキルで置換されたフェノールもしくは非置換のフェノールの、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドでの縮合により、又は二官能性フェノールジアルコールの縮合により製造されたフェノール系硬化樹脂である。パラ位においてC−C10アルキル基で置換されたジメチロールフェノール類が好ましい。アルキル置換フェノール硬化樹脂のハロゲン化により製造されるハロゲン化アルキル置換フェノール硬化樹脂も特に適している。メチロールフェノール樹脂、ハロゲン供与体及び金属化合物を含有するフェノール系硬化系は、特に推奨され、その詳細は、Gillerによる米国特許第3,287,440号及びGerstinらによる米国特許第3,709,840号に記載されている。好ましくはハロゲン化水素掃去剤とともにハロゲン供与体と組み合わせて非ハロゲン化フェノール硬化樹脂が用いられる。通常、ハロゲン化された、好ましくは、約2乃至約10重量%の臭素を含有する、臭素化されたフェノール系樹脂はハロゲン供与体を必要としないが、その存在がフェノール樹脂の架橋機能を促進する、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、二酸化珪素のような金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛、のようなハロゲン化水素掃去剤と組み合わせて用いられる。しかし、フェノール樹脂で容易に硬化されないゴムでは、ハロゲン供与体及び酸化亜鉛の組み合わせ使用が推奨される。ハロゲン化フェノール樹脂の製造並びに酸化亜鉛を含有する硬化系におけるそれらの使用は、米国特許第2,972,600号及び第3,093,613号に記載されており、その開示を先のGillerの特許及びGerstinの特許の開示とともに引用により本明細書に組み込む。適するハロゲン供与体の例は、塩化第一錫、塩化第二鉄、又は塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン及びポリクロロブタジエン(ネオプレンゴム)のようなハロゲン供与ポリマーである。本明細書で用いられる「活性剤」という用語は、フェノール硬化樹脂の架橋効率を著しく増大するいずれかの物質を意味し、単独で又は組み合わせて用いられる金属酸化物及びハロゲン供与体を含む。フェノール硬化系のさらなる詳細については、W.Hoffmanによる“Vulcanization and Vulcanizing Agents”、Palmerton Publishing Companyを参照。適するフェノール系硬化樹脂及び臭素化フェノール系硬化樹脂は市販されており、例えば、そのような樹脂は、Schenectady Chemicals,Inc.からのSP−1045、CRJ−352、SP−1055及びSP−1056という商品名で購入され得る。同様な機能的に同等のフェノール系硬化樹脂は、他の供給会社から得ることができる。先に説明したように、ゴムの本質的に完全な硬化を達成するのに十分な量の硬化剤が用いられる。
ハロゲン化ブチルゴムでは、好ましい硬化系は、ZnO及び/又はMgOに基づいた硬化系である。この系において、MgOは、活性剤としては作用しないが、酸受容体として作用し、デヒドロハロゲン化からゴムを安定化する。
ハロゲン化ブチルゴムのための他の好ましい硬化系には、ZnO及びマレイミド生成物が含まれる。マレイミド生成物のなかで、ビスマレイミドは効力において特に優れており、m−フェニレンビスマレイミド(4,4’−m−フェニレンビスマレイミド)(HVA−2)が好ましい。ビスマレイミドの他の例は、4,4’−ビニレンジフェニルビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、4,4’−スルホニルジフェニルビスマレイミド、2,2’−ジチオジフェニルビスマレイミド、4,4’−エチレン−ビス−オキソフェニルビスマレイミド、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニルビスマレイミド、o−フェニレンビスマレイミド、ヘキサメチレンビスマレイミド及び3,6−ズリン−ビスマレイミド(3,6−durine−bismaleimide)である。通常、硬化されるゴムの100重量部当り、約1乃至約15重量部、好ましくは約2乃至約10重量部、の硬化剤又は硬化系が用いられる。
熱可塑性樹脂(B)
本発明によると、適する熱可塑性樹脂(B)は、約0.2乃至約10.0、好ましくは約0.5乃至約4.0、最も好ましくは約1.0乃至約3.5(230℃/2.16kg荷重においてASTM D1238−01により測定される)、の溶融流量(MFR)を有する。好ましい熱可塑性樹脂は、
− C乃至C12−、好ましくはC乃至C10−、最も好ましくはC乃至C−モノオレフィンと酢酸ビニルとのランダム又はブロックコポリマー、
− 構造においてランダム分布又は多序列(多ブロック)構造を有するC乃至C12モノオレフィンのターポリマー及び
− 前記コポリマーのブレンド
から成る群から選ばれる。
前記の酢酸ビニル含有コポリマーは、前記コポリマーの総重量に基づいて約10乃至約40重量%の、好ましくは約15乃至約35重量%の、最も好ましくは約20乃至約30重量%の、酢酸ビニルを含有する。好ましいモノオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び4−メチル−1−ペンテンから成る群から選ばれる。エチレンは、好ましいモノオレフィンである。好ましくは、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)は、一つの代替的熱可塑性樹脂(B)として用いられる。典型的には、エチレン−酢酸ビニルコポリマーは、エチレン−酢酸ビニルコポリマーの総重量に基づいて、約10乃至約40重量%の、好ましくは約15乃至約35重量%の、最も好ましくは約20乃至約30重量%の、酢酸ビニルを含有する。約28重量%の酢酸ビニルを含有する例示的EVAは、Elvax(登録商標)265の商品名でDu−Pontから入手できる。
好ましい熱可塑性ターポリマーは、エチレン、プロピレン、及びエチレンやプロピレンとは異なるα−オレフィンモノマーに基づいている。典型的には、前記ターポリマーは、その熱可塑性ターポリマーの総重量に基づいて、約0.5重量%乃至19.5重量%の、より好ましくは約2.0重量%乃至約15.0重量%の、エチレンモノマー、約80.0重量%乃至約99.0重量%の、好ましくは約96.0重量%乃至約80.0重量%の、プロピレン、及び約19.5重量%乃至約0.5重量%の、好ましくは約2.0重量%乃至約15.0重量%の、少なくとも4の炭素原子を有するα−オレフィンモノマーから成る。
ターポリマーの製造において用いられるα−オレフィンコモノマーはモノオレフィンであり、好ましくは約4乃至約12の、より好ましくは約4乃至約8の、炭素原子を有する。α−オレフィンとして、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び4−メチル−1−ペンテンが好ましい。最も好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンがα−オレフィンとして用いられる。熱可塑性ターポリマーのブレンドも同様に用いられ得る。
好ましいターポリマーの例は、エチレン−プロピレン―1―ブテンランダムターポリマーであり、BasellからAdflex(登録商標)X100Gという商品名で市販されている。
先に記載された前記熱可塑性ターポリマーの製造は、本技術分野で慣例であり、当業者に知られている。チーグラー・ナッタ触媒作用種又はメタロセン触媒作用種の重合に参照がされる。
熱可塑性樹脂(B)は、熱可塑性エラストマー組成物(A)とオレフィン可塑性物質(B)及び化学的発泡剤(C)の総量に基づいて、約1乃至約10重量部、好ましくは約3乃至約7重量部、最も好ましくは約4乃至約6重量部の量で用いられる。
化学的発泡剤(C)
「発泡剤」という用語は、典型的には、単独で他の物質と組み合わされて、ポリマー内部に気泡構造を生成することができるいずれかの物質を記載するのに用いられる。本発明に関しては、化学的発泡剤が好ましい。
発泡剤と通常呼ばれる化学的発泡剤は、加熱されたときの化学的反応又は分解によって気体を放出する一般的に固体である。それらは必ず、特定の用途又はそれらの分解温度に基づくプロセスのために選択される。これに関して、分解温度を、発泡されるポリマーの加工温度と合わせることが重要である。ポリマーを、化学的発泡剤の分解温度よりも低い温度で加工すると、発泡がほとんど又は全く起こらない。ポリマー加工温度が化学的発泡剤の温度よりかなり高いと、貧弱な(過発泡された、破断した)気泡構造及び表皮特性が生じるようである。発泡剤は、無機又は有機発泡剤であることができる。最も通常の無機発泡剤は、重炭酸ナトリウムである。重炭酸ナトリウムは、高価でなく、難燃性であり、低温で分解し始める。しかし、非常に限定された程度しか用いられない。示差熱分析により、重炭酸ナトリウムは、広範囲の温度で分解し、その範囲は、吸熱性であり、最終生成物における連続気泡に寄与し、放出された気体(二酸化炭素)は、窒素ガスよりもずっと大きい速度でポリマー中に拡散することが示された。現在用いられている吸熱性の化学的発泡又は発泡剤は、ほとんどが重炭酸ナトリウム及びクエン酸及び/又はクエン酸水素ナトリウムの混合物である。完全な酸補助分解反応を容易にし、二酸化炭素ガスを生成するために、クエン酸及び/又はクエン酸水素ナトリウムは、重炭酸ナトリウムと一緒に組み込まれる。前記混合物は、種々のポリマー(ポリエチレンのような)中での濃縮体としても入手できる。前記混合物は又、疎水化酸、及び遊離の無粉塵性の粉末であるカーボネートとしても入手できる。吸熱性の発泡又は発泡剤を用いることについての、発熱性の発泡又は発泡剤よりも優れている主要な利点には、脱泡の少時間サイクル、小さい気泡、滑らかな表面、重量減少、低減されたサイクル時間、迅速に塗装可能な表面を有する発泡生成物が含まれ、発泡プロセスが無臭であり、その発泡剤の成分が環境的に安全であると考えられていることである。
本発明によると、吸熱性又は発熱性の有機又は無機熱分解性発泡剤は、化学的発泡剤(C)として用いられ得る。
本発明により用いられ得る熱分解性発泡剤の例には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムのような無機発泡剤;N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド及びN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラアミンのようなニトロソ化合物;アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン及びアゾジカルボン酸バリウムのようなアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)及びジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジドのようなスルホニルヒドラジド化合物;並びに、アジドカルシウム、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド及びp−トルエンスルホニルアジドのようなアジド化合物が含まれる。
好ましくは、有機カルボン酸及び無機カーボネートの混合物を含有する吸熱性化学的発泡剤が用いられる。前記カルボン酸は、有機のモノ−、ジ−又はポリ−カルボン酸の群から選ばれ得る。典型的には、有機カルボン酸は、室温において固体である。好ましいポリカルボン酸はクエン酸である。しかし、本発明の目的のために、他の適するカルボン酸には、式、HOOC−R−COOH(式中、Rは約1乃至約8の炭素原子を有する炭化水素であり、一つ以上のヒドロキシル基及び/又はケト基により置換され得て、少なくとも炭素−炭素二重結合を有し得る)の化合物が含まれる。又、塩及び半塩が含まれる。好ましいポリカルボン酸には、クエン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸水素ナトリウム及びクエン酸二ナトリウムが含まれる。本発明において用いられる好ましい無機カーボネートは、ナトリウムアルミニウムヒドロキシカーボネートである。しかし、容認できる結果は、又、重炭酸ナトリウム並びに炭酸アルカリ金属塩及び炭酸アルカリ土類金属塩及び一般的にカーボネートを用いることによっても達成される。
化学的発泡剤(C)は、架橋された熱可塑性エラストマー組成物(A)及びオレフィン可塑性物質(B)及び発泡剤(C)の合計の100重量部に基づいて約0.4乃至約4重量部、好ましくは約0.4乃至約3.2重量部、最も好ましくは約0.4乃至約1.2重量部、の活性成分の量で用いられる。
商業化発泡剤では、約4乃至約40重量%の活性成分が、ポリエチレン又はLLDPEのようなポリマーマスターバッチ(担体)中に含有され得る。
必要に応じて、発泡助剤が添加され得る。発泡助剤の例には、亜鉛、カルシウム、鉛、鉄及びバリウムのような種々の金属の化合物、サリチル酸、フタル酸及びステアリン酸のような有機酸、並びに尿素、又はそれらの誘導体が含まれる。それらの発泡助剤は、発泡剤の分解温度を低減させ、発泡剤の分解を促進し、均一な気泡を生成する機能を有する。
例示的な化学的発泡剤は、Hydrocerol(登録商標)BIH 40(Clariantにより供給される)、Palmarole(登録商標)BA.M4.E(ADEKA Palmadoleから)又はTracel(登録商標)(Tramacoから)の商品名で市販されている。
本発明の発泡性熱可塑性エラストマー組成物は、特定の先に記載した量の完全に硬化された熱可塑性ゴム(A)、熱可塑性樹脂(B)及び化学的発泡剤(C)をドライブレンド又はタンブルブレンドすることにより製造される。
他の態様において、熱可塑性ゴム(A)及び熱可塑性樹脂(B)をドライブレンドして予備ブレンドを生成し、押出機の供給ホッパーに挿入する前に、その予備ブレンドを十分な量の化学的発泡剤(C)と混合する。
ロボットによる押出し
本発明による熱可塑性エラストマー組成物は、押出機及び加熱された耐圧ホースにより加熱された押出しダイに供給される。そのダイは、ロボットにより案内され、エラストマーは押し出され、押出しダイによりその表面に配置される。このように、本発明は、熱可塑性エラストマーが適用される物品の表面に、必要な場合、その表面の適切な予備処理の後に、熱可塑性エラストマーを供給することから成る。そのダイは、自動取扱い装置により案内され、そのエラストマーは押し出され、押出しダイにより物品の表面に適用される。
本発明による方法のために、通常のスクリュー押出機が用いられ得て、その押出機は熱可塑性エラストマー物質を、外部シリンダーヒーターにより必要な加工温度に加熱する。溶融されたエラストマーは、適するヒーターも装備した、熱可塑性エラストマーの粘度に相当する高圧に耐えることができなくてはならないフレキシブルホースを経て押出しダイに供給される。押出しダイは又、適するヒーターにより、そのエラストマーの必要な加工温度に加熱され、ロボットにより、例えば物品の縁に沿って案内される。ロボット押出しについてのさらなる詳細のためには、Cornilsらへの米国特許第5,336,349号が参照され、その開示は引用によりその全体を本明細書に組み込む。
発泡された押出物を生成するために、そのドライブレンドは、典型的には、約2.5:1より大きい圧縮比及びバレル内の溶融体において実質的に一定の圧力を与えるスクリューを取り付けた、約24:1乃至約60:1の範囲のバレル長さ/直径(L/D)比を有する長バレル押出機において加工される。一つの態様では、そのバレルの直径は、約2.54cm乃至約15.24cmの範囲である。押出物は、タンデム型押出機又は二軸スクリュー押出機においても生成され得る。
先に特定された溶融させたブレンドの低粘度により、約30乃至約150バールの、好ましくは約50乃至約120バールの、最も好ましくは約60乃至約100バールの、範囲の圧力が、本発明による発泡された押出物の押出しのために十分である。溶融体が押出しダイに到達する前の発泡を阻止するために、その圧力は、押出機のバレル及び加熱されたホース全体で維持される。
用いられる発泡剤は、好ましくは、押出機の供給域で活性化される。押出機のバレル内で温度逆プロファイルが維持される。その温度逆プロファイルにおいて、供給ホッパーに近い供給域における温度は、約190℃乃至約220℃、好ましくは約210℃以下、最も好ましくは約200℃、であり、排出域(ダイ)における温度は、約150℃乃至約180℃、好ましくは約170℃、である。
本発明によるロボットによる押出しの特別な目的のために、溶融されたエラストマー組成物は、押出機の排出域から、適するヒーターも装備した、熱可塑性エラストマーの粘度に相当する高圧に耐えることができなくてはならないフレキシブル耐圧ホースを通り押出しダイに供給される。押出しダイも、適するヒーターにより、エラストマーの必要な加工温度に加熱され、加工物の縁に沿って、ロボットにより案内される。必要により、耐圧ホースは約20cm乃至約6.0mの長さ及び約5mm乃至約50mmの直径を有し得る。
一つの態様において、押出しダイは、上流面及び下流面を有し、横部分においてさえぎるチョーク型漏斗形状部分を有する段付きランドを有するテーパーコニカルダイであり、その横部分は、約3:1乃至1:3の範囲の長さ(L)対直径(D)比を有し、そのチョーク型漏斗形状部分は、約60乃至120の範囲のコニカル角度を有し、そのバレルの直径の約0.25乃至1.5倍の範囲に縦に伸び、その漏斗形状部分の長さは、前記横のランドの前記上流面から上流末端まで測定される。
一つの態様において、前記の横のランドの長さは、チョーク型漏斗形状部分の寸法に関係なく、約0.60mm乃至約5mmである。好ましい態様では、前記の横のランドは、約1.225mm乃至約2.5mmの軸方向長さであり、チョーク型漏斗形状部分は、前記バレルの直径の約0.5乃至1.0倍である。
発泡性エラストマーの押出しについての更なる詳細については、PCT出願公開WO99/58314(PCT/US99/10220)及び米国特許第6,329,439号を参照し、その開示を引用により本明細書に組み込む。
本発明の方法により、優れた性質を有する発泡された物品が加工物、例えば窓ガラス、の表面に直接適用され得る。状況により、その表面を適する粘着促進剤で予備処理することが必要であり得る。
本発明による発泡された押出物は、フォームラバーのような性質を有する。その発泡体は、約0.9g/cm未満、好ましくは約0.8g/cm未満、最も好ましくは約0.7g/cm未満、の比重を有する。得られる最も低い比重は、少なくとも0.3g/cmである。
得られる発泡体は、実質的に独立気泡の発泡体である。「実質的に独立気泡の発泡体」により、示された順に優先で、約95%より多くの、約96%より多くの、約97%より多くの、約98%より多くの又は約99%より多くの、独立気泡を有する発泡体を意味し、独立気泡含量は、水吸収と相関して、発泡体表面の視覚による検査により決定される。理想的には、得られた発泡体は、100%の独立気泡構造を有する。このことにより、非常に低い水吸収を有する発泡された物品がもたらされる。水吸収は、ASTM D570−98の方法により決定され、約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、最も好ましくは約2重量%未満である。
本発明による発泡体の平均気泡サイズは、視覚より決定して約0.01乃至1mm、好ましくは約0.02乃至約0.5mm、の範囲である。
有利には、発泡体は、顕微鏡による視覚検査により決定された約0.05乃至約2.0mm、より好ましくは約0.1乃至1.0mm、最も好ましくは約0.15乃至約0.5mm、の平均気泡サイズを有する。
本発明はさらにロボット押出しにより製造されたガラスモジュールの縁に沿って又は縁に封止用形材を有する自動車用スクリーンに関する。窓ガラスが自動車の車体の窓枠内に配置される場合、この弾性物質は、窓ガラスの周縁表面の周りに曲がり、従って、窓開けにおいて窓ガラスの自動迫枠を確保する。さらに、リップは、窓ガラスの周縁面と、その周縁面と反対の窓枠のフランジとの間の間隙を埋める。そのリップの代わりに、ホース様中空形材が備えられ得て、同じ目的を達成する。
形作られた発泡された枠を有する自動車用窓ガラスの場合において先に例示した方法及び装置が形作られた発泡されたガスケット又はバンドが直接いずれかの物品の表面に又はその表面のどこかに押し出される場合に同様に用いられ得る。それらは、ドア、トランク、フード又は移動屋根用シール又は形材として自動車工業において、冷蔵庫ドア、洗濯機シール用のような家庭用機器において、組立断熱窓ガラス、ドア、窓シールのための建設工業において、並びに蓋又は覆いシール、パイプガスケット又はケーシングシール、ケーブル又はホースのための一般工業において、衣類用シール、補強用弾性体バンド、ブーツシール等のための衣類工業において、有用性が見出される。
本発明の方法により、縁に沿ってシール化形材を有する、木、金属、プラスチック、コンクリート石のようないずれかの硬質の支持体が製造され得る。
各々の場合において、その支持体の性質により、良好な接着を保障するためにプライマーの使用が必要であり得る。当業者は、各支持体、例えばプラスチック又は塗装された物質上に、所定のポリマーの接着を促進するためにどのプライマーが最も適切であるか見出すことができる。
下記の実施例は、本発明を例示するために示されており、それらに限定されると考えるべきであることを意図していない。実施例において、そして全体において、%は、他に示されていなければ、重量による。
特許法により、最良の態様及び好ましい態様を記載したが、本発明の範囲は、それらに限定されず、特許請求の範囲により特定される。
実施例
実施例において下記の成分を用いた。
熱可塑性エラストマー(A):Santoprene(登録商標)8211−35W237;EPDM及びポリプロピレンの動的に完全に硬化されたブレンド
ショアーA硬度=35(5秒遅れにおいてASTM D2240−02)
Advanced Elastomer Systems L.P.(米国、アクロン)から市販されている
約3.0重量%のカーボンブラック[Cabot(登録商標)PE2272]を添加
熱可塑性ポリオレフィン(B):
B1:Elvax(登録商標)265;約28%の酢酸ビニルを含有し、約3.7g/10分の溶融流量(213℃/2.16kgにおけるASTM D1238−01)を有するエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)
B2:Elvax(登録商標)360;約25%の酢酸ビニルを含有し、約2.0g/10分の溶融流量(213℃/2.16kgにおけるASTM D1238−01)を有するエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)
B3:Adflex(登録商標)X100G;約8.0g/10分の溶融流量(213℃/2.16kgにおけるASTM D1238−01)を有するエチレン/プロピレン/1−ブテンターポリマー
B4:Kraton(登録商標)G 1650(Shell);30重量%のスチレンを含有し、約0.1g/10分未満の溶融流量(200℃/5.0kgにおけるASTM D1238−01)を有するスチレン−エチレン−ブテン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー
化学的発泡剤(C):
C1:Hydrocerol(登録商標)BIH 40(Clariantから);ポリエチレン中クエン酸/重炭酸塩の40%分散体
C2:Tracel(登録商標)IM 7200(Tramacoから)
発泡性熱可塑性エラストマー組成物を、電気により加熱(175℃)された2mの耐高圧ホース、及び背圧を有する押出しのための3mm直径のロッド及び背圧なしの押出しのための10mm直径のロッドを生成するダイから選ばれる2つの異なるダイを装備した30mmの一軸スクリュー押出機に供給することにより押出しを行った。それらの異なるダイの結果として、押出し速度(押出機の分あたりスクリュー回転数として測定された)は、約60乃至75rpmのレベル、すなわち小さい直径ダイには低速度そしてより大きい直径ダイにはより高い速度、に達した。
背圧なしの(ダイ出口から自由に流動する)そして背圧ありの(ダイをガラスプレート上に圧することにより、適切な背圧が与えられる)押出し。
得られた発泡された押出物をその密度、表面特性、独立気泡含量、圧縮永久歪について試験した。
押出適正:
「+」は良好(独立気泡、滑らかな表面)。
「0」は容認できる。
「−」は容認できない(例えば、連続気泡及び粗い表面)。
気泡密度:ISO 1183により決定された。
表面平滑性:未加工物質を標準条件下でストリップに押出した。その押し出されたストリップの表面平滑性を、200mgの針力を有する自在プローブを含む針プロフィロメーター[Model EMD−04000W5 Surfanalyzer System 4000(Federal Products Corp.、1144 Eddy St.,P.O.Box 9400,Providence、RI 02940−9400)又は同等物]で測定した。表面平滑性を量化するために表面不規則性の算術平均(R)が用いられる。3つの測定のメジアン値を報告した。
独立気泡/連続気泡含量:ASTM D570−98による水吸収の結果として。
硬度(ショアー)硬度:ASTM D2240−02
圧縮永久歪:ASTM D 395−01:25%の圧縮で室温、70℃及び100℃において24時間
平均気泡サイズ:押し出された発泡体の気泡サイズは、下記のように、Image−Pro Plus Software(MediaCyberneticsから、http:/www.mediacy.com)を有する顕微鏡により決定される:発泡体の写真を公知の拡大図と比較して測定する。公知のサイズを及び同じ倍率を有する断片の像を較正として用いる。
外観:押し出された発泡体の外観を視覚により評価し、下記のようにランク付けした。
「+」は良好。
「0」は容認できる。
「−」は容認できない。
Figure 0004131502
Figure 0004131502

Claims (2)

  1. (A)(i).完全に硬化されたゴム及び
    (ii).熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー
    を含有し、35乃至85のショアーA硬度(ASTM D2240−02により測定される)を有する、熱可塑性ゴム、
    (B)C乃至C12モノオレフィンと酢酸ビニルとのランダム又はブロックコポリマー、C乃至C12モノオレフィンのターポリマー及びそれらの混合物から成る群から選ばれ、 . 2乃至5 . の流量(230℃/2.16kg荷重においてASTM D1238−01により測定される)を有する熱可塑性樹脂及び
    (C)化学的発泡剤
    を含有することを特徴とし、且つ、(A)と、(B)と、(C)との総重量に基づいて、(A)を80−98重量%、(B)を1−10重量%、及び(C)を1−10重量%含むことを特徴とする、押出し成形用発泡性熱可塑性エラストマー組成物。
  2. (1) 供給域、転移域、計量域、前部域及び排出域を含む複数の温度域を有する押出機のバレルに、
    (A)(i).完全に硬化されたゴム及び
    (ii).熱可塑性ポリオレフィンホモポリマー又はコポリマー
    を含有し、35乃至85のショアーA硬度(ASTM D2240−02により測定される)を有する、熱可塑性ゴム、
    (B)C乃至C12モノオレフィンと酢酸ビニルとのランダム又はブロックコポリマー、C乃至C12モノオレフィンのターポリマー及びそれらの混合物から成る群から選ばれ、 . 2乃至0 . の流量(230℃/2.16kg荷重においてASTM D1238−01により測定される)を有する熱可塑性樹脂及び
    (C)化学的発泡剤
    を含有し、且つ、(A)と、(B)と、(C)との総重量に基づいて、(A)を80−98重量%、(B)を1−10重量%、及び(C)を1−10重量%含むことを特徴とする、発泡性熱可塑性エラストマー組成物を装入する工程、
    (2)バレル内の温度分布を供給域の温度が後の域の温度よりも低くない温度である温度分布に維持する工程、及び
    (3)加熱された押し出しダイにより押出物を出す工程
    を含む、発泡された押出物を製造する方法。
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