JP4130671B2 - カルジオジラチンフラグメントの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カルジオジラチンフラグメントの調製方法、高度に精製されたカルジオジラチンフラグメント及び前記フラグメントの調製のための適切な中間体類に関する。
本発明は、下記一般式(I):
1 −ANP (105−121)−R2 (I)
〔式中、ANP (105−121)はアミノ酸配列〔配列番号1〕を表わし、
1 は配列ANP(90−104)〔配列番号2〕のアミノ酸鎖又は0〜15個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わし、
2 は配列ANP (122−126)〔配列番号3〕のアミノ酸鎖又は0〜5個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす〕で表わされる、17〜37個のアミノ酸の鎖長を有するカルジオジラチンフラグメントの調製方法に向けられ、ここで合成は少なくとも3個の部分的フラグメントの縮合を通してもたらされ、そして式Iのカルジオジラチンフラグメントを得るためのその部分的フラグメントの縮合はアミノ酸位置Gly108とArg109、及びアミノ酸位置Gly120とCys121間で実施されることを特徴とする。
カルジオジラチンはナトリウム利尿亢進性ペプチド類のペプチドである。それらのペプチドは、身体における塩及び水のバランスを調節することにおいて重要な役割を演じる。ナトリウム利尿亢進性ホルモンの原型がカルジオジラチンであり、これはまた、心房性ナトリウム利尿亢進性ペプチド(CDD/ANP)としても文献に言及されている。カルジオジラチンの単離及びカルジオジラチンの生物学的活性フラグメントの調製は、US−PS4,751,284 (W. G. Forssmannなど., Klin, Wochenschr. 1986, 64 (Suppl. VI), 4-12)から知られている。カルジオジラチン及びそのフラグメントの単離及び特性決定、並びにそれらの生理学的性質に対する総説は、Eur. J. Clin. Invest. 1986, 16 ; 439-451 (W. G. Forssmann)に公開されている。EP 0,349,545から、32個のアミノ酸の鎖長を有する特定のカルジオジラチンフラグメントが知られている。
他方、このフラグメントはまた、ウロジラチン(INN : ウラリチド)としても文献に言及されている。さらに、US 5,354,900 (サントリー)は、α−hANPとして知られている、28個のアミノ酸の鎖長を有する生理学的活性フラグメントを記載する。さらなる生物学的活性カルジオジラチンフラグメント又はそれらの誘導体類がEP 0,180,615に記載されている。そこでは、特に、N末端でのアミノ酸位置Arg102で始まり、そしてC末端でのアミノ酸位置Arg125又はArg126で終結するカルジオジラチンフラグメントが記載されている。名称カルジオジラチンの代わりに、文献はしばしば、名称“心房性ナトリウム利尿亢進性ペプチド”(ANP) を用いている。以下に使用されるカルジオジラチンアミノ酸の配列の番号づけにおいては、EP 0,349,545において ANF/CDD(1−126)ペプチド(=ANP)について使用される命名法が用いられる。
すべてのこれまで知られている生物学的活性カルジオジラチンフラグメントの共通する構造特徴は、17個のアミノ酸の安定した環をもたらす、アミノ酸Cys105とCys121との間でのジスルフィド架橋の形成である。この環の形成は、カルジオジラチン誘導体類の生物学的活性を実質的に担当すると思われる。位置Cys105で、カルジオジラチンフラグメントは、0〜15個のアミノ酸の鎖長を有するアミノ酸鎖R1 により置換され、そして位置Cys121で、0〜5個のアミノ酸の鎖長を有する鎖R2 により置換される。〔配列番号1〕において、その中央の領域ANP (105−121)は、線状化された形で表わされる。
Figure 0004130671
INN 名称ウラリチドに関してのカルジオジラチンフラグメントANP(95−126)は、利尿活性、及び平滑血管筋に対しての弛緩効果を有する、特に安定し且つ生物学的活性のヒトペプチドであり、これは32個のアミノ酸から形成され、そして下記配列を有し、ここでペプチドにおける位置11及び27でのシステインアミノ酸はジスルフィド架橋を形成している:
Figure 0004130671
ウロジラチンはヒト尿に見出される。EP 0,349,545はアルギン酸を用いて尿からウロジラチンを回収するための方法を記載しており、ここでアルギン酸に吸着されるペプチドが溶出され、その溶出物が従来の精製方法に従って分別され、そして活性画分が平滑筋に対するウロジラチンの弛緩効果の試験に基づく試験を用いて回収される。
さらに、EP 0,349,545は、Boc 手段に続いてABI 標準プログラムに従って固相で、Merrifield法(J. Am. Chem. Soc. 1963, 85 ; 2149-2156) を用いてのウロジラチンの段階的な化学合成を記載する。さらに、この特許明細書は、部分的フラグメントANP(99−126)からのウロジラチンの調製を記載している。このフラグメントは、固相に結合され、そして第2の部分的フラグメント、すなわちテトラペプチド Boc-Thr(But)-Ala-Pro-Arg(Tos)と反応せしめられる。縮合から得られるペプチドANP(95−126)が支持体から除去され、保護基の除去の後、環化にゆだねられ、そして続いて、それ自体既知の手段に従って処理され、そして精製される。
同様に、EP 0,180,615は、固体支持体を用いての化学合成を記載しており、ここでN末端の方向にC末端から開始する、そこに記載されるカルジオジラチンフラグメントの形成が好結果を伴ってもたらされている。ここで、部分的フラグメントを通しての縮合は記載されていない。
しかしながら、文献に記載される方法に従って調製されるカルジオジラチンフラグメントは、合成により、ペプチド不純物が、続く精製方法によってさえ除去され得ないで最終生成物中に導入されているので、臨床研究のために及び医薬製品としての公認のために必要な純度を有さなかった。それらの免疫原性質のために、不純物は、患者に投与される場合、不所望の副作用を生ぜしめ、その結果、治療的な適用は危険性を包含する。
さらに、その合成は適切な技術的入力下で小規模でのみ達成され、そして大規模な製造のためには経済的に適切ではなかった。さらに、合成のための既知の方法のもう1つの欠点は存在する可能性あるラセミ化の危険性であり、これのために、低い純度、低い生物学的活性及び不十分な収率を伴って、ウロジラチンが得られた。存在する合成によりときどき生じる生成物のラセミ化は、最終生成物の不十分な光学的不純性をもたらし、そしてそれらの不純物は時々、除去され得ず、又はひじょうに高い技術的な入力によってのみ除去され得る。
従って、上記欠点を含まないカルジオジラチンフラグメントの化学合成のための改良された方法を開発することが本発明の目的である。
本発明の目的は、ペプチドフラグメントの特異的選択を用いてMerrifield法に基づいてカルジオジラチンフラグメントの合成を実施することによって達成される。
驚くべき事には、合成の進行は、カルジオジラチンフラグメントが3個の部分的フラグメントを用いて形成される場合、最適であることが見出され、そして式Iのカルジオジラチンフラグメントをもたらす前記部分的フラグメントの縮合は、その形成が部分的フラグメントの縮合、及びアミノ酸位置Gly108とArg109、及びアミノ酸位置Gly120とCys121間での結合形成を通してもたらされるような態様で実施される。この方法は、式Iのカルジオジラチンフラグメントが、従来から知られている合成法に比較して、高い収率及び高い純度で得られる点において好都合である。
式Iのカルジオジラチンフラグメントの合成は、最初、配列R1 −ANP (105−108),ANP (109−120)、及びANP (121) −R2 を有する3個の部分的フラグメントがMerrifield法に従って調製されるような手段でもたらされる。次に、好ましくは、式Iのカルジオジラチンフラグメントを提供する3個の部分的フラグメントの縮合は、2つの部分的な段階でもたらされ、それによれば、第1段階において、部分的フラグメントANP (109−120)、及びCys121−R2 のアミノ酸位置Gly120及びCys121間での縮合がもたらされ、そして中間体フラグメントANP (109−121)−R2 が形成される。
次に、続く第2段階において、このようにして得られたフラグメントANP (109−121)−R2 と第3の部分的フラグメントR1 −ANP (105−108)との縮合がもたらされ、式Iの所望のカルジオジラチンフラグメントが形成される。本発明の方法を用いる場合、カルジオジラチンフラグメントの収率は、出発材料として使用される個々のカルジオジラチン部分的フラグメントの量に基づいて、15〜20%である。
配列R1 −ANP (105−108),ANP (109−120)、及びANP (121) −R2 を有する3個の部分的フラグメントがMerrifield法に従って調製され、ここで、前記配列に存在する官能基(ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、又はメルカプト基)を有するアミノ酸は、適切な保護基により置換される。たとえば、適切な保護基として、次の基が可能である:
ヒドロキシ基のための保護基:Boc(t−ブチルオキシカルボニル)、tBu(t−ブチルエーテル);
アミノ官能基のための保護基:Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)、Pbf(2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル)、Pmc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル)、Trt(トリチル);
カルボキシ基のための保護基:OtBu(t−ブチルエステル);
メルカプト基のための保護基:Acm(アセトアミドメチル)又はTrt 。
ここで、次の保護基が次のアミノ酸のために好ましい:アミノ酸Thr, Asn, Tyr 又はSer のためにtBu ; アミノ酸Arg のためにPbf又はPmc ; アミノ酸Cys のためにAcm ; アミノ酸Asp のためにOtBu;アミノ酸Gln, Asn又はCys のためにTrt 。
Fmoc法(B. Rinikerなど., Tetrahedron 1993, 49 ; 9307-9320)を用いる場合、保護された部分的フラグメントANP (109−120),R1 −ANP (105−108)、及びANP (121) −R2 が固体支持材料上に形成される。Merrifield合成に一般的に使用されるすべての材料は、固体支持材料として作用できる。支持材料としては、アミノメチル又はベンズヒドリルアミノ化合物などにより官能化されたポリスチレンが好ましい。4−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ)酪酸リンカーによる樹脂へのペプチドフラグメントの過酸−感受性結合は、側鎖保護を妨げないでそれらの除去を可能にする。前記フラグメントは、種々の溶媒による消化により精製される。従って、3個の出発フラグメントANP (109−120),R1 −ANP (105−108)、及びANP (121) −R2 は、C−末端遊離カルボキシル基を伴ってそして良好な純度で得られる。支持樹脂上にペプチドを形成する場合、1つのアミノ酸の付加のいずれの1段階でも収率はほぼ定量的であり、そして約97〜99%である。
図1における流れ図は、例としてウロジラチンANP(95−126)に関する合成の原理を示す。ここで、フラグメントH−15−32−OtBu(5)〔ANP (109−121)−R2 (ここで、R2 =ANP (122−126))のANP 命名に対応する〕とフラグメント Boc−1−14−OH(1)〔この命名はフラグメントR1 −ANP (105−108)(ここで、R1 =ANP(95−104))の一般名称に対応する〕との縮合がもたらされる。このフラグメント(5)は、フラグメントFmoc−15−26−OH(2)〔ANP (109−120)のANP 命名に対応する〕及びH−27−32−OtBu(3c)〔ANP (121) −R2 のANP 命名に対応する〕から合成される。図2は、保護基により合成され、そして変性されたフラグメントを表わす。
次の段階においては、フラグメント(3a)のカルボキシル基がt−ブチルエステル(3b)に転換される(Riniker など., 22nol Europ. Peptide Symposium Interlakem, September 1992 (L7))。フラグメント(3b)からのFmoc基の続く除去は、生成物(3c)を導びく。これはフラグメント(2)と融合され、フラグメント(4)がもたらされる。Fmoc保護基の除去及び得られたフラグメント(5)とフラグメント(1)との縮合は、十分に保護されたウロジラチン(6)を導びく。スカベンジャーとしてのトリフルオロ酢酸及び1,3−プロパンジチオールによる処理による保護基の除去は、ヨウ素溶液による酸化により粗ウロジラチン(8)に環化される線状ペプチド(7)を付与する。これは脱塩され、精製され、そして続いて、凍結乾燥せしめられ得る。他のカルジオジラチンフラグメントの合成は、類似する態様で行なわれる。
前記部分的フラグメントANP (109−120),R1 −ANP (105−108)及びANP (121) −R2 を包含する本発明の合成は、式Iのすべてのカルジオジラチンフラグメントに適用され得る。特に、R1 が配列ANP(90−104)のアミノ酸鎖又は0〜15個のアミノ酸を有するそのフラグメントを表わすカルジオジラチンフラグメントが可能である。1〜15又は3〜10個のアミノ酸の鎖長、特に配列ANP(95−104),ANP(99−104)及びANP (102−104)がR1 のために好ましい。特に、基R2 は配列ANP (122−126)の鎖長又は1〜5個のアミノ酸を有するそのフラグメントを表わす。しかしながら、好ましくは、配列ANP(122−126)及びANP (122−125)がR2 のために可能である。
好ましくは、カルジオジラチンフラグメントANP(95−126),ANP(99−126)及びANP (102−126)が本発明の方法に従って調製され得る。本発明の方法により調製されるカルジオジラチンフラグメント並びに縮合のために必要とされる部分的フラグメントは、約96〜99.9%、特に約98〜99%の範囲の高い光学純度を有する。
同様に、合成は、ヒトANP の配列における1又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸により置換されている、カルジオジラチンフラグメントのすべての他の誘導体類のために適切である。ここで、アミノ酸の置換は、アミノ酸の対応する置換、欠失又は挿入を包含する。たとえば、単一又は複数のアミノ酸がその対応するD−アミノ酸により置換され得る(EP 0,180,615) 。同様に、類似する構造及び15〜20個のアミノ酸の対応する環状の塩基性構造を有するペプチドがこの手段で調製され得る。そのようなペプチドの例は、BNP(脳ナトリウム利尿亢進性ペプチド)又はCNP(C−タイプのナトリウム利尿亢進性ペプチド)である。それらのペプチドの構造は、J. Hypertension 1994, 12 ; 329-336 (N. C. Davidson and A. D. Struthers) に記載されている。
同様に、本発明は、本発明の方法に従っての式Iのカルジオジラチンフラグメントの調製のために使用される、ANP の新規部分的フラグメントに向けられる。
さらに特定には、対応するペプチドフラグメントは、タイプR1 −ANP (105−108)(ここで、R1 は配列ANP(90−104)のアミノ酸鎖又は0〜15個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす)のもの、及び保護基により変性されたそれらの誘導体類である。ここで、特に、R1 は上記意味を有する。もう1つの新規のペプチドフラグメントは、アミノ酸配列ANP (109−120)を有するフラグメント、並びに保護基により変性されたその誘導体類であり、これは部分的フラグメントANP (121) −R2 との縮合において出発材料として使用される。
同様に、その対応するANP (121) −R2 タイプのペプチドフラグメントは、本発明の新規性及び対象物、並びに保護基により変性されたそれらの誘導体類を表わし、ここでR2 は配列ANP (122−126)のアミノ酸鎖又は0〜5個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす。特に、R2 は前で言及された意味を有する。さらに、本発明は、第1反応段階においてもたらされた部分的フラグメントANP (109−120)及びANP (121) −R2 の縮合反応から形成される中間体ANP (109−121)−R2 にも向けられる。
さらに、本発明は、高い純度の式Iのカルジオジラチンフラグメントの調製方法にも関する。カルジオジラチンフラグメントに対する従来の合成方法及び続く精製方法は、多くの場合、単に97〜98%の範囲のペプチド純度が達成される欠点を有した。
EP 0,349,545は、ウロジラチンの場合、約98%の純度レベルを記載しており;そこにおいて、調製されるウロジラチンの量は数mgの範囲での小さな実験室規模に単に基づかれていた。そこにおいて例5に記載される精製方法は、LHカラムクロマトグラフィー(溶離剤:1% AcOH,1% TFEtOH)及び続くTSK カラムクロマトグラフィー(Fractogel TSK-HW 40)(ここで、10% AcOH 及び1% TFEtOH の水溶液が溶離剤として使用されている)に基づかれている。最終精製段階においては、分離用HPLCを用いての精製がもたらされ、溶離剤に対するさらなる指摘はされていない。臨床試験を実施するために数グラムの範囲での多量のウロジラチンの調製に対するのちの実験の範囲内では、複数の精製段階にもかかわらず、合成された材料は98%以上の純度レベル以上には精製されていないことが決定された。
比較できる情況が、EP 0,180,615に記載されるカルジオジラチンフラグメントの事例をもたらした。たとえば、ここにおいては、タイプG25F Sephadex カラムクロマトグラフィーによるフラグメントANP (102−126)(例III .A.3においては、hANVP (127−151)として言及されている)の精製が記載されており、ここで 0.5MのAcOHが溶離剤として使用されていた。0.01MのNH4OAc/300mM のNH4OAc,pH4.5 の溶媒グラジエントを用いてのCM Sepharose又はCM Celluloseイオン交換クロマトグラフィーによる続く精製段階においては、ペプチドは約97%の純度で得られる。同様に、この達成された純度は、薬剤製剤にかける必要条件のためには満足のいくものではない。
驚くべきことには、粗生成物が逆相HPLCカラムを用いて精製され、そしてカルジオジラチンフラグメントがトリエチルアンモニウムホスフェート(TEAP)及びアセトニトリルを含む緩衝システムを用いて溶出される場合、高い純度の式Iのカルジオジラチンフラグメントが調製され得ることが見出された。ここで、好ましくは、溶出緩衝液のpH値は2〜5、より特定には2〜3の値に調節される。好ましくは、タイプC18カラム、たとえばYMC C18により充填されたBiotage モジュールタイプが逆相HPLCカラムとして使用される。このカラムは、精製されるべきカルジオジラチンフラグメントを負荷する前、トリエチルアンモニウムホスフェート緩衝液により平衡化される。
たとえば、10〜200mM のTEAP、好ましくは50mMのTEAPの溶液が適切な緩衝溶液として使用される。カラム平衡化のための緩衝液の量はカラムサイズに依存し、そしてこれはまた、精製されるべきペプチドの量にも依存する。経験によれば、75×300mm(直径×長さ) のカラム体積が、3〜8gの粗ペプチド中のペプチドの量を精製するために必要とされる。この場合、50mMのTEAP緩衝溶液約300ml が平衡化のために必要とされる。続いて、カルジオジラチンフラグメントの濃縮された粗生成物の溶液が適用される。たとえば、溶媒として、10%酢酸が適切である。その後、ペプチドが、溶離剤(2:3の体積比での10〜200mM のTEAP水溶液及びアセトニトリルの混合物)の連続した充填により連続したグラジエントで溶離される。
ペプチドの溶出は、溶離剤の連続したグラジエントが適用される場合に特に好都合であり、ここで、22〜28%の溶媒グラジエントが90分間にわたって使用され、続いて28%の溶媒グラジエントが10分間、そして最後に、28〜40%のグラジエントが20分間使用される。好ましくは、流速は 100〜200ml/分、より特定には約140ml/分である。本発明の精製方法においては、1:3〜2:1(v/v)、より特定には約2:3(v/v)の混合比での水中、トリエチルアンモニウムホスフェート及びアセトニトリルの緩衝液混合物が溶出緩衝液として使用される。
緩衝溶液のpH値は、2〜5、好ましくは2〜3及びより特定には約2.25である。TEAPは、10〜200mM 、好ましくは20〜100mM 、及びより特定には約50mMの濃度で使用され得る。本発明によれば、50mMのTEAP(pH2.25) を用いてカラムを平衡化し、そして2:3の比で50mMのTEAP(pH2.25) 及びアセトニトリルを含む緩衝液によりペプチドを溶離することによって、逆相HPLCにおいて、最適な分離が達成される。
たとえば、水性の 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を用いての従来の精製方法は、ウロジラチンの例において図5に示されるように、粗生成物に含まれる極性不純物をさらに分離することができない(図6)。対照的に、本発明で使用される溶離剤の場合、両不純物の有意な分離が存在する(図5を参照のこと)。さらに、本発明の溶離剤の使用は、HPLCクロマトグラムにおける基線が絶対的に定常な進路を取り、ところがTFA の場合、強いドリフトが観察されることにおいて好都合である。さらに、TFA の使用は、高い背圧がHPLCカラム上に形成する欠点を有するが、これは本発明の溶離剤の場合、存在しない。
本発明の方法を用いる場合、高純度の式Iのカルジオジラチンフラグメントが少なくとも99%そして好ましくは99.9%までの純度で得られる。場合によっては、カルジオジラチンフラグメントは続いて、それらの生理学的に許容できる塩、たとえば酢酸塩又はクエン酸に転換され得る。得られるカルジオジラチンフラグメントは、逆相HPLCが単一のピークを示すのみならずまた、細管電気泳動(CE)のより感度の高い方法が単一の移動ピークを提供するよう、ペプチド不純物を実質的に有さない。ウロジラチンの場合、後者は、MS分析において3505.9±1の質量を示し、副生成物は検出されない。
細管電気泳動の使用は、従来技術に従って得られるカルジオジラチンフラグメントと本発明のカルジオジラチンフラグメントとの間の差異の卓越した例示を可能にする。図3は、従来技術に従って生成されたウロジラチン生成バッチのCEクロマトグラムを示す。ここで、生成物はまだ不純物を含むことが明白に見られる。対照的に、図4は本発明の方法に従って生成され、そして相応して精製されたウロジラチン生成バッチのCEクロマトグラムを示す。その生成は、他のペプチド不純物を実質的に含まず、そして細管電気泳動において単一の移動ピークを示すことが明白に明らかである。
従って、本発明は、高純度の式Iのカルジオジラチンフラグメントが細管電気泳動及びMS分析により検出できる実質的なペプチド不純物を含まず、そして細管電気泳動を用いての純度分析が単一の移動ピークを示すことにおいて注目すべきである前記高純度のペプチドフラグメントに向けられる。
同様に、本発明の精製方法はまた、類似する高純度のペプチド化合物、たとえばBNP(脳ナトリウム利尿亢進性ペプチド)、CNP(C−タイプのナトリウム利尿亢進性ペプチド)又はその誘導体の調製のためにも適切である。ANP の環状構造は、17個のアミノ酸の環状の環を形成する、アミノ酸配列内の2つのシステイン残基の酸化に基づかれている。15〜20個のアミノ酸、特に17個のアミノ酸の特徴的な環状構造をまた形成する他のペプチド、たとえばBNP 又はCNP は、本発明の精製方法を用いて同じ態様で高純度形に転換され得る。
次の態様においては、本発明が選択された代表的なカルジオジラチンフラグメントANP(95−126),ANP(99−126)及びANP (102−126)を用いて示されるであろう。
例1Merrifield方法に従っての固相合成の一般的な方法
a)支持樹脂上での固相合成
合成されるべきペプチドのC−末端から開始して、N−末端でFmoc基により保護された第1アミノ酸(AA)を、支持樹脂に結合する(Fmoc−OHMPB −支持樹脂)。0.66mモルの標準バッチにより、続いて、Fmoc保護基を、ピペリジン及びN−メチルピロリジンの溶媒混合物(1:4v/v)100ml を添加することによって除去する。次に、樹脂緩衝液を10分間撹拌し、続いて濾過し、そして再び、ピペリジン及びNMP 溶媒混合物100ml を添加する。次に、この懸濁液を、10分間撹拌し、濾過し、そして続いて、NMP 及びイソプロパノールにより洗浄し、そして反応の完全性をKaiser試験を用いて調べる。
その後、次のアミノ酸を樹脂に結合する。初めに、NMP 中、ジイソプロピルエタニルアミン(DIPEA)の 0.5M溶液20mモルを樹脂に添加し、次にNMP 中、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(OHBT)の 0.5M溶液 2.5mモル、続いてNMP 25mlに結合されるべきアミノ酸10mモルを添加する。その後、NMP 中、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)の0.25M溶液11mモルを添加し、そして10分間撹拌する。反応の完結性をKaiser試験を用いて調べる。続いて、樹脂を濾過し、そしてNMP により洗浄する。
この方法を、所望の鎖長のアミノ酸のペプチド鎖が樹脂上に形成されるまで、同じ手段で続ける。合成が完結した場合、樹脂を40℃で一定重量に乾燥せしめる。
b)支持樹脂からの保護されたペプチドの除去
10個の吸引漏斗の各々を、メタノール75ml及びピリジン3mlにより充填する。段階a)に従って調製された支持樹脂50gを、吸引漏斗上で1分間、無水塩化メチレン中、1% TFAの溶液250ml と共に10度撹拌し、そしてそれぞれの吸引漏斗中に直接的に濾過する。それらの10個の濾液を薄層クロマトグラフィーを用いて調べる。生成物を含む画分を組合し、そして蒸発乾燥せしめる。樹脂を脱イオン水と共に粉砕し、そして結晶性残留物を濾過し、そして乾燥せしめる。
例2フラグメントANP (109−120)の調製
例1の一般方法に従って、及びFmoc−Gly −OHMPB −支持樹脂 273g(130mモルに対応する)から出発して、十分に保護されたカルジオジラチンフラグメントANP (109−120) 170.3gを得る。
例3フラグメントANP (121−126)の調製
例1の一般方法に従って、及びFmoc−Tyr −OHMPB −支持樹脂 264g(115mモルに対応する)から出発して、十分に保護されたカルジオジラチンフラグメントANP (121−126) 150.7gを得る。ここで、そのフラグメントのN−末端はFmoc基により保護されている。
続いて、前記フラグメントのC−末端での末端ヒドロキシ基を、OtBu保護基に転換する。エステル化のために、十分に保護されたフラグメント 149gを、トリフルオロエタノール 500ml及びクロロホルム 4.1lに溶解する。これに、続いてTBTA(t−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート)141ml を添加し、そしてその溶液を還流下で1時間加熱する。反応が完結した後、その溶液を濃縮し、結晶性−油状性残留物を得、ジイソプロピルエーテル 6.8lを添加し、そしてその懸濁液を室温で14時間撹拌する。生成物を濾過し、そして一定の質量に乾燥せしめる。図2に示されるフラグメント3b(136.7g)を得る。
続いて、フラグメントのN−末端でのFmoc保護基を除去し、そして図2に示されるフラグメント3cへの転換をもたらす。そのためには、 DMF 1.8l/及びジエチルアミン74ml中、フラグメント3b(135.7g)の溶液を、室温で3時間撹拌する。その溶液を真空下で蒸発し、完全に乾燥せしめる。残留物を脱イオン水 1.4lにより消化し、そして濾過する。湿った生成物をMTBE(メチルt−ブチルエーテル)3lに取る。その溶液を飽和Nacl溶液(2×100ml)により抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥せしめる。溶液を500ml の体積に濃縮する。イソプロピルエーテル 1.5lの添加に続いて、2時間の撹拌をもたらす。生成物を濾過し、そして乾燥せしめる。収量は、図2に示されるフラグメント3c(104.6g)である。
例4フラグメントANP (121−125)の調製
例3に記載されるのと類似する態様で、Fmoc−Arg (Pbf) −OHMPB −支持樹脂 264gから出発し、そして前記方法に従って、カルジオジラチンフラグメントANP (121−125) 115.1gを得る。
例5フラグメントANP(95−108)の調製
例1の一般方法に従って、及びFmoc−GLy −OHMPB −支持樹脂 210gから出発して、十分に保護されたカルジオジラチンフラグメントANP(95−108) 151.5gを得る。
例6フラグメントANP(99−108)の調製
例1の一般方法に従って、及びFmoc−GLy −OHMPB −支持樹脂 190gから出発して、十分に保護されたカルジオジラチンフラグメントANP(99−108) 145.1gを得る。
例7フラグメントANP (102−108)の調製
例1の一般方法に従って、及びFmoc−GLy −OHMPB −支持樹脂 220gから出発して、十分に保護されたカルジオジラチンフラグメントANP (102−108) 165.3gを得る。
例8中間生成物への部分的フラグメントの縮合
フラグメントANP (109−120)を、次の一般方法に従って、C−末端フラグメントANP (121) −R2 との縮合により中間フラグメントANP (109−121)−R2 に転換する。
フラグメントANP (109−120)(このアミノ末端はFmoc基により保護される)を、N−メチルピロリドンに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びジイソプロピルエチルアミンを、前記溶液に撹拌しながら、室温で添加する。その後、C−末端で適切な保護基を付与され、そしてN−メチルピロリドンに溶解されたフラグメントANP (121) −R2 を前記溶液に添加する。次に、反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。約2時間後、反応は完結する。
次に、その反応混合物を、撹拌しながらジイソプロピルエーテル上に滴下し、そして続いて約30分間、撹拌する。沈殿物を硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテルにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリルに懸濁し、そして撹拌しながら室温で消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリルにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。このようにして得られた粗生成物は、Fmoc保護基によりアミノ末端で保護されたカルジオジラチンフラグメントFmoc−ANP (109−121)−R2 を表わす。その後、Fmoc基を既知の方法に従って除去し、中間生成物H−ANP (109−121)−R2 を得る。
例9フラグメントANP (109−120)とANP (121−126)との縮合によるANP (109−126)の生成
例8に記載される一般方法に従って、Fmoc−ANP (109−120)21.6gをN−メチルピロリドン 650mlに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) 3.2g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 1.5g及びジイソプロピルエチルアミン 3.5mlを、室温で撹拌しながら前記溶液に添加する。その後、N−メチルピロリドン 150mlに溶解されたH−ANP (121−126)−OtBuの溶液を添加する。続いて、その反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。
約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、ジイソプロピルエーテル4l上に撹拌しながら滴下し、そして続いて、約30分間、撹拌する。沈殿物を、硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテル 500mlにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリル 600mlに懸濁し、そして室温で撹拌しながら消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリル 300mlにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。続いて、32.3gの量でこのようにして得られた粗生成物Fmoc−ANP (109−126)を、ジエチルアミンの添加により、保護されていないANP (109−126)に転換する。その収量は30.2gである。
例10フラグメントANP (109−120)とANP (121−125)との縮合によるANP (109−125)の生成
例8に記載される一般方法に従って、Fmoc−ANP (109−120)18.6gをN−メチルピロリドン 600mlに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) 3.0g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 1.2g及びジイソプロピルエチルアミン 3.0mlを、室温で撹拌しながら前記溶液に添加する。その後、N−メチルピロリドン 150mlに溶解されたH−ANP (121−125)−OtBuの溶液を添加する。
続いて、その反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、ジイソプロピルエーテル4l上に撹拌しながら滴下し、そして続いて、約30分間撹拌する。沈殿物を、硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテル 450mlにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリル 500mlに懸濁し、そして室温で撹拌しながら消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリル 250mlにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。続いて、29.1gの量でこのようにして得られた粗生成物Fmoc−ANP (109−125)を、ジエチルアミンの添加により、保護されていないANP (109−125)に転換する。その収量は28.2gである。
例11部分的フラグメントの縮合による最終生成物の生成
中間ANP (109−121)−R2 を、次の一般方法に従って、アミノ末端フラグメントR1 −ANP (105−108)との縮合により最終生成物R1 −ANP (105−121)−R2 に転換する。
1 −フラグメントANP (105−108)(このアミノ末端は適切な保護基により保護される)を、N−メチルピロリドンに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びジイソプロピルエチルアミンを、前記溶液に撹拌しながら、室温で添加する。その後、C−末端で適切な保護基を付与され、そしてN−メチルピロリドンに溶解されたフラグメントANP (109−121)−R2 を前記溶液に添加する。次に、反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、撹拌しながらジイソプロピルエーテル上に滴下し、そして続いて約30分間、撹拌する。
沈殿物を硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテルにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリルに懸濁し、そして撹拌しながら室温で消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリルにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。このようにして得られた粗生成物は、適切な保護基によりアミノ末端及びC−末端で保護されたカルジオジラチンフラグメントR1 −ANP (105−121)−R2 を表わす。その後、保護基を既知の方法に従って除去し、中間生成物H−ANP (109−121)−R2 を得る。保護基の完全な除去に続いて、その得られるカルジオジラチンフラグメントを、酸化により及び既知の方法に従って、たとえばヨウ素を用いて、環化された誘導体に転換する。
例12フラグメントANP (109−126)とANP(95−108)との縮合によるANP(95−126)の生成
a)ANP(95−126)の調製
例11に記載される一般方法に従って、 Boc+ANP(95−108)20.6gをN−メチルピロリドン 400mlに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) 2.7g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 1.3g及びジイソプロピルエチルアミン 2.7mlを、室温で撹拌しながら前記溶液に添加する。その後、N−メチルピロリドン 400mlに溶解されたH−ANP (109−126)−OtBu 29.4gの溶液を添加する。続いて、その反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。
約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、ジイソプロピルエーテル 6.5l上に撹拌しながら滴下し、そして続いて、約30分間、撹拌する。沈殿物を、硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテル 500mlにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリル 600mlに懸濁し、そして室温で撹拌しながら消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリル 500mlにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。続いて、42.5gの量でこのようにして得られた粗生成物 Boc−ANP(95−126)−OtBuを、保護されていないANP(95−126)に転換する。その収量は27.5gである。
b)保護された線状ANP(95−126)の環化
保護されていないANP(95−126)60gを、脱イオン水中、5%酢酸16l(v/v)に溶解し、そして0.02Mのメタノール性ヨウ素溶液 570mlの添加により酸化する。反応は5分後に完結する。過剰のヨウ素を、 0.1Mのチオ硫酸ナトリウム溶液の添加により破壊する。得られる環化溶液を、さらなる処理に直接的にゆだねる。
例13フラグメントANP (109−126)とANP(99−108)との縮合によるANP(99−126)の生成
例12に記載される方法に従って、 Boc−ANP(99−108)22.5gをN−メチルピロリドン 400mlに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) 2.9g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 1.4g及びジイソプロピルエチルアミン 2.8mlを、室温で撹拌しながら前記溶液に添加する。その後、N−メチルピロリドン 400mlに溶解されたH−ANP (109−126)−OtBu 30.6gの溶液を添加する。続いて、その反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。
約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、ジイソプロピルエーテル 6.5l上に撹拌しながら滴下し、そして続いて、約30分間、撹拌する。沈殿物を、硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテル 500mlにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリル 600mlに懸濁し、そして室温で撹拌しながら消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリル 500mlにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。続いて、44.7gの量でこのようにして得られた粗生成物 Boc−ANP(99−126)−OtBuを、保護されていないANP(99−126)に転換する。その収量は28.1gである。
例14フラグメントANP (109−126)とANP (102−108)との縮合によるANP (102−126)の生成
例12に記載される方法に従って、 Boc−ANP (102−108)20.4gをN−メチルピロリドン 360mlに溶解する。続いて、TBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート) 2.7g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 1.4g及びジイソプロピルエチルアミン 2.6mlを、室温で撹拌しながら前記溶液に添加する。その後、N−メチルピロリドン 400mlに溶解されたH−ANP (109−126)−OtBu 30.1gの溶液を添加する。続いて、その反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターする。
約2時間後、反応は完結する。次に、その反応混合物を、ジイソプロピルエーテル 6.5l上に撹拌しながら滴下し、そして続いて、約30分間、撹拌する。沈殿物を、硬質フィルター上の磁製吸引漏斗上で濾過し、そしてジイソプロピルエーテル 500mlにより2度洗浄する。その後、残留物をアセトニトリル 600mlに懸濁し、そして室温で撹拌しながら消化する。続いて、生成物を磁製吸引漏斗上で濾過し、アセトニトリル 500mlにより再洗浄し、そして40℃で真空チャンバーにおいて一定重量に乾燥せしめる。続いて、41.2gの量でこのようにして得られた粗生成物 Boc−ANP (102−126)−OtBuを、保護されていないANP (102−126)に転換する。その収量は26.9gである。
例15ANP(95−126)の精製及び高純度形の調製
a)環化されたウロジラチン〔ANP(95−126)〕の濃縮
環化溶液(脱イオン水中、5% AcOH 約17l(v/v)は約60gの環化されたウロジラチンを含む)を、緩衝液A3(脱イオン水中、 0.1%のTFA(v/v)1000mlにより平衡化されたガラス製カラム(直径:70mm、長さ:900mm, Vydac 218 TPB 2030 により充填される
)に適用する(流速 130ml/分)。
ポンプによる適用が終った後すぐに、ペプチドを、連続したグラジエント(40分間、0%の緩衝液B;90分間、15〜35%の緩衝液B;10分間、35%の緩衝液B;流速 130ml/分)での緩衝液B3(脱イオン水中、 0.1%の TFA/ACN,2:3,v/v)の連続的充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて75%以上の純度を示すウロジラチン画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール(直径:75mm、長さ:300mm, YMC C18により充填される、120A,10μm)上に適用する(流速 140ml/分)。
続いて、濃縮されたペプチドを、 100%の緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
90%以上の純度を有するウロジラチン17〜20gを得る。
b)濃縮されたウロジラチンの精製
濃縮されたウロジラチン 4.5gを、脱イオン水中、10% AcOH(v/v)250ml に溶解し、そして 300mlの緩衝液A4(脱イオン水中、50mMのTEAP, pH2.25) により平衡化されたBiotage モジュール(直径:75mm、長さ:300mm, YMC C18により充填される、120A,10μm)上に適用する。
ペプチドを、連続的グラジエント(90分間、22〜28%のB;10分間、28%のB;20分間、28〜40%のB;流速 140ml/分)での緩衝液B4(脱イオン水中、50mMのTEAP(pH2.25) /ACN,2:3,v/v)の連続的充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて99%以上の純度及び 0.5%よりも低い不純物を示すウロジラチン画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして1000mlの緩衝液B3により前もって清浄され、そして続いて 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール上にポンプで適用する。
純粋な生成物を、1500mlの緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、 2.3〜2.7 gの高純度のウロジラチンである。
c)ウロジラチン×TFA のウロジラチンアセテートへの再塩化
2.5gの高純度ウロジラチン×TFA 塩を、脱イオン中、5%のAcOH 80ml(v/v)に溶解し、そして5% AcOH により洗浄されたクロマトグラフィーカラム(直径:20mm、長さ:300mm, 40ml のMerck イオン交換体III アセテート形により充填される)に適用する。5% AcOH 40mlによる洗浄を行なう。約 125mlの溶離剤を、同じイオン交換カラムにさらにもう1度適用する。5% AcOH 55mlによる洗浄を行なう。溶離剤約 180mlを、ポリスルホン膜(直径47mm, 0.2μm)上で濾過する。その溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、2.05〜2.30gの高純度ウロジラチンアセテートである。
例16ANP(99−126)の精製及び高純度形の調製
a)環化されたカルジオジラチンフラグメントANP(99−126)の濃縮
例15a)と同様に、環化溶液(約50gのペプチド含有量を有する、脱イオン水中、5% AcOH 約15l(v/v)を、1000mlの緩衝液A3(脱イオン水中、 0.1%のTFA(v/v))により平衡化されたガラス製カラム上に適用する(流速 130ml/分)。ポンプによる適用の完結後すぐに、ペプチドを、連続的グラジエント(40分間、0%の緩衝液B;90分間、15〜35%の緩衝液B;10分間、35%の緩衝液B;流速 130ml/分)での緩衝液B3(脱イオン水中、 0.1%の TFA/ACN,2:3,v/v)の連続的な充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて75%以上の純度を示すペプチド画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール上に適用する(流速 140ml/分)。続いて、濃縮されたペプチドを、 100%の緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、90%以上の純度を有するカルジオジラチンフラグメントANP(99−126)14〜17gである。
b)濃縮されたANP(99−126)の精製
例16a)に従って濃縮されたカルジオジラチンフラグメント 3.5gを、脱イオン水中、10% AcOH(v/v)200ml に溶解し、そして 300mlの緩衝液A4(脱イオン水中、50mMのTEAP, pH2.25) により平衡化されたBiotage モジュール上に適用する(流速 140ml/分)。ペプチドを、連続的グラジエント(90分間、22〜28%のB;10分間、28%のB;20分間、28〜40%のB;流速 140ml/分)での緩衝液B4(脱イオン水中、50mMのTEAP(pH2.25) /ACN,2:3,v/v)の連続的充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて、99%以上の純度及び 0.5%よりも高くない不純物を示すペプチド画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして1000mlの緩衝液B3により前もって清浄され、そして続いて、 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール上にポンプで適用する。
純粋な生成物を、1500mlの緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、 1.7〜2.2 gの高純度カルジオジラチンフラグメントANP(99−126)である。例14c)に記載される方法に類似して、このフラグメントを、その対応する酢酸塩に転換する。その結果は、 1.3〜1.7 gの高純度ANP(99−126)酢酸塩である。
例17ANP (102−126)の精製及び高純度形の調製
a)環化されたカルジオジラチンフラグメントANP (102−126)の濃縮
例15a)と同様に、環化溶液(約65gのペプチド含有量を有する、脱イオン水中、5% AcOH 約18l(v/v))を、1000mlの緩衝液A3(脱イオン水中、 0.1%のTFA(v/v))により平衡化されたガラス製カラム上に適用する(流速 130ml/分)。ポンプによる適用の完結後すぐに、ペプチドを、連続的グラジエント(40分間、0%の緩衝液B;90分間、15〜35%の緩衝液B;10分間、35%の緩衝液B;流速 130ml/分)での緩衝液B3(脱イオン水中、 0.1%の TFA/ACN,2:3,v/v)の連続的な充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて75%以上の純度を示すペプチド画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール上に適用する(流速 140ml/分)。続いて、濃縮されたペプチドを、 100%の緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、90%以上の純度を有するカルジオジラチンフラグメントANP (102−126)19〜23gである。
b)濃縮されたANP (102−126)の精製
例17a)に従って濃縮されたカルジオジラチンフラグメント 4.8gを、脱イオン水中、10% AcOH(v/v)200ml に溶解し、そして 300mlの緩衝液A4(脱イオン水中、50mMのTEAP, pH2.25) により平衡化されたBiotage モジュール上に適用する(流速 140ml/分)。ペプチドを、連続的グラジエント(90分間、22〜28%のB;10分間、28%のB;20分間、28〜40%のB;流速 140ml/分)での緩衝液B4(脱イオン水中、50mMのTEAP(pH2.25) /ACN,2:3,v/v)の連続的充填により溶出する。
HPLC分析によるモニターに基づいて、99%以上の純度及び 0.5%よりも高くない不純物を示すペプチド画分を一緒にする。それらの一緒にされた画分を、1体積当量の脱イオン水により希釈し、そして1000mlの緩衝液B3により前もって清浄され、そして続いて、 300mlの緩衝液A3により平衡化されたBiotage モジュール上にポンプで適用する。
純粋な生成物を、1500mlの緩衝液B3によるカラムの洗浄により溶出し、そしてアセトニトリルを蒸発する。残る溶液を凍結乾燥せしめる。
その結果は、 1.9〜2.4 gの高純度カルジオジラチンフラグメントANP (102−126)である。例14c)に記載される方法に類似して、このフラグメントを、その対応する酢酸塩に転換する。その結果は、 1.5〜1.9 gの高純度ANP(99−126)酢酸塩である。
例18ANP(95−126)の例を用いての分析用HPLC試験
a)TEAP緩衝液(pH2.25)による溶出
ANP(95−126)50μgを、分析用HPLCカラム上に注入する。20分間の25〜45%の緩衝液Bの線状グラジエント(緩衝液A:50mMのTEAP,pH2.25;緩衝液B:2:3の体積比でのA及びアセトニトリルの混合物)が溶離剤として作用した。図5におけるクロマトグラムは、使用される溶離剤による分離され得る2つの極性不純物を含むことを示す。
図5に関する説明:
20分で25〜45%
緩衝液A:50mMのTEAP,pH2.25
緩衝液B:A:ACN(2:3)
215nm 1.0ml/C−Nr. 4040465C
M+N 250/1/4°/3 Nuc 300 A5 u C18
D−2500
方法:50μg;TAG243 CH : 1 ; ピーク不良:5000
ファイル:1;計算方法:領域%;表:0;濃度:領域
Figure 0004130671
b) 0.1% TFA(トリフルオロ酢酸)による溶出
例18a)に類似して、同じ生成バッチのANP(95−126)50μgを、分析用HPLCカラム上に適用する。20分間の30〜50%の緩衝液Bの線状グラジエント(緩衝液A:水中、 0.1% TFA;緩衝液B:2:3の体積比でのA及びアセトニトリルの混合物)が溶離剤として作用した。図6におけるクロマトグラムは、この溶離剤による含まれる不純物の分離がもたらされないことを示す。例a)におけるクロマトグラムと比較する場合、主要ピークは広く、そして単離された生成物は、図5のクロマトグラムにおいて認識され得る極性不純物の両者を含む。
図6に関する説明:
20分で30〜50%
緩衝液A:水中、 0.1% TFA
緩衝液B:A:ACN(2:3)
215nm 1.0ml/C−Nr. 4011079C
M+N 250/1/4°/3 Nuc 300 LA 5u C18
D−2500
方法:50μg;TAG 142 ; CH : 1;ピーク不良:5000
ファイル:2;計算方法:領域%;表:0;濃度:領域
Figure 0004130671
例19細管電気泳動による純度調べ
例15〜17のカルジオジラチンフラグメントの最終生成物の凍結乾燥されたサンプルを、1mg/mlの濃度で水に溶解し、そしてすぐに分析する。細管電気泳動を、次の条件下でBeckman P/ACE 2100システムを用いて行なった。
細管:Supelco による融合シリカ、分離の長さ50cm、内径75μm
検出皮長:200nm
注入期間:1秒
分離緩衝液:100mM のリン酸ナトリウム、pH2.5 ; 0.02%のヒドロキシプロピルメチルセ ルロース
分離パラメーター:25℃,80μA,30分
図3は、従技術のウロジラチンについて得られたクロマトグラムを示す。
図4は、例15に従って得られた高純度ウロジラチンについてのクロマトグラムを示す。
両クロマトグラムの比較は、本発明のウロジラチンが従来技術のウロジラチンとは有意に異なることを示す。本発明のウロジラチンは、ペプチド不純物を含まない。
略語の見出し
アミノ酸
Ala L−アラニン
Asn L−アスパラギン
Asp L−アスパラギン酸
Arg L−アルギニン
Cys L−システイン
Gln L−グルタミン
Gly グリシン
Ile L−イソロイシン
Leu L−ロイシン
Met L−メチオニン
Phe L−フェニルアラニン
Pro L−プロリン
Ser L−セリン
Thr L−トレオニン
Tyr L−チロシン
保護基
Boc t−ブチルオキシカルボニル
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
OtBu t−ブチルエステル
Pbf 2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニ ル
Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル
tBu t−ブチルエーテル
Acm アセトアミドメチル
Trt トリチル
試薬/溶媒
ACN アセトニトリル
TFA トリフルオロ酢酸
TEAP トリエチルアンモニウムホスフェート
図1は、本発明のペプチドの合成経路を示す図である。 図2は、本発明に係るペプチドの構造を示す図である。 図3は、従来技術のウロジラチンについて得られたクロマトグラムを示す。 図4は、例15に従って得られた高純度ウロジラチンについてのクロマトグラムを示す。 図5は、例17において得られたANP(99−126)を、例18において、分析用HPLCにより分析した結果を示すチャートである。 図6は、例19において、例18とは異なる養離剤を用いて得た、分析用HPLCにより分析した結果を示すチャートである。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I):
    1−ANP (105−121)−R2 (I)
    〔式中、ANP (105−121)はアミノ酸配列〔配列番号1〕を表わし、
    1は、配列ANP(90−104)〔配列番号2〕のアミノ酸鎖又は0〜15個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わし、
    2は、配列ANP (122−126)〔配列番号3〕のアミノ酸鎖又は0〜5個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす〕
    で表わされる、17〜37個のアミノ酸の全鎖長を有する、少なくとも99%の純度を有するカルジオジラチンフラグメントの調製方法であって、合成が少なくとも3個の部分的フラグメントの縮合を通して行われ、ここで、
    (a)第1段階において、前記部分的フラグメントの縮合が、部分的フラグメントANP (109−120)とCys121−R2からのアミノ酸位置Gly120とCys121との間でもたらされ、そして
    (b)第2段階において、前記部分的フラグメントの縮合が、段階(a)に従って得られた部分的フラグメントANP (109−121)−R2と部分的フラグメントR1−ANP (105−108)からのアミノ酸位置Gly108とArg109との間でもたらされる、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記R1がANP(95−104)、ANP(99−104)及びANP(102−104)から成る群から選択されたアミノ酸配列を表わし、そしてR2がANP (122−125)及びANP (122−126)から成る群から選択されたアミノ酸配列を表わす、請求項1に記載の方法。
  3. 粗生成物の精製を逆相HPLCカラムを用いて行い、そしてカルジオジラチンフラグメントの溶出を、トリエチルアンモニウムホスフェート及びアセトニトリルを含む緩衝系を用いて行なう、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 下記のペプチド:
    (a)R1−ANP (105−108)〔式中、R1は、ANP(90−104)のアミノ酸鎖又は0〜15個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす〕、
    (b)ANP(109−120)、
    (c)ANP(109−121)−R2〔式中、R2は、ANP (122−126)のアミノ酸鎖又は0〜5個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす〕、及び
    (d)Cys121−R2〔式中、R2は、ANP (122−126)のアミノ酸鎖又は0〜5個のアミノ酸の鎖長を有するそのフラグメントを表わす〕、並びに
    (e)上記(a)、(b)又は(c)の保護されたペプチド、
    から成る群から選択されたペプチドを出発物質又は中間体として使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 下記の構造を有するペプチド:
    (1)Boc-Thr(tBu)-Ala-Pro-Arg(Pbf)-Ser(tBu)-Leu-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Ser(tBu)-Ser(tBu)-Cys(Acm)-Phe-Gly-Gly-OH
    (2)Fmoc-Arg(Pbf)-Met-Asp(OtBu)-Arg(Pbf)-Ile-Gly-Ala-Gln(Trt)-Ser(tBu)-Gly-Leu-Gly-OH
    (3)R1-Cys(Trt)-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Phe-Arg(Pbf)-Tyr(tBu)-O-R2
    (3a)R1=Fmoc; R2=OH
    (3b)R1=Fmoc; R2=tBu
    (3c)R1=H; R2=OtBu
    (4)及び(5)R3-Arg(Pbf)-Met-Asp(OtBu)-Arg(Pbf)-Ile-Gly-Ala-Gln(Trt)-Ser(tBu)-Gly-Leu-Gly-Cys(Trt)-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Phe-Arg(Pbf)-Tyr(tBu)-OtBu
    (4)R3=Fmoc
    (5)R3=H
    から成る群から選択される、保護基により保護されたANP(95−126)のフラグメント。
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