JP4130602B2 - ゴムブッシュ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用サスペンションのアーム等において、車体とアームとの連結支持し、サスペンションからの挙動の抑制効果と防振効果を備えた自動車用ゴムブッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用サスペンションのアーム等において、車体とアームとの連結部分にてアームを支持するゴムブッシュは、サスペンションのアームが連結されている外筒と内筒が同心的に配置され、これら外筒と内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着しているものが知られている。この外筒と内筒との間にゴム状弾性体が持ち合わせるバネ特性にてアームからの挙動や振動を吸収緩和し抑制させる構造となっている。さらにゴムブッシュの剛性を高めるために外筒と内筒との中間に中間筒をを備えたゴムブッシュ。又はゴム状弾性体のバネ定数を一定方向に持たせるためにすぐり機構を備えたゴムブッシュがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動をゴムブッシュのゴム状弾性体のバネ特性にて吸収または緩和させているが、乗り心地を良くしようとゴムの特性を柔らかくし静的バネ定数を下げると操縦安定性が悪化してしまい、逆にゴムの特性を固くし剛性を高め静的バネ定数を上げると操縦安定性は良好となるものの乗り心地は悪化してしまう現象が生じている。ゴムブッシュのゴム状弾性体の材質を柔らかくし柔軟性を持たせると外筒を経由しサスペンションのアームから伝わってきた振動の振幅が、ゴム状弾性体内にて打ち消し合いが行われ伝達エネルギーが消費され鈍くなり内筒に到達するまでに振動の振幅が弱められるが、逆にゴム状弾性体自体に流動性を持たせているため安定性には欠ける傾向にあり、自動車の走行時の挙動により、ある一定方向からの大きな入力に関してはサスペンションのアームをしっかり支えようとする剛性の力が貧しく操縦安定性が悪くなってしまう起因となっている。本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とすることは、ゴムブッシュのゴム状弾性体自体のバネ定数を上げることなく剛性を高め操縦安定性を向上させる防振機能を備えたゴムブッシュを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の第1の発明は、サスペンションのアームが連結されている外筒と前記外筒内に設けられた内筒と、この前記外筒と前記内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着してなるゴムブッシュにおいて、前記ゴム状弾性体が対面する前記内筒の外周の2箇所に突起の形態としたストッパーを設けて、その前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの中心は、前記外筒に連結されているサスペンションアームの軸線から延び前記内筒の中心点を通過する線上に接する前記内筒の外周の2箇所とし、前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの構造は、前記外筒と前記内筒の中間帯付近の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から中央に高い突出部として、その周方向両隣に隣接して前記内筒周辺の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から低い突出部にて構成する3段構造とし、さらに前記ゴムブッシュ内でのサスペンションアーム側とサスペンションアームの反対側の負荷の違いに対応すべく、前記3段構造のストッパーの配列は、負荷が強い傾向となる前記サスペンションアーム側に設けられた前記ストッパーは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔は前記サスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させて、逆に負荷が弱い傾向となる前記サスペンションアームの反対側の前記ストッパーでは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔を前記サスペンションア−ム側に比べて広くして配置させ防振機能を備えたことを特徴としている。
【0005】
上記第1の発明によると、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力を吸収または緩和させるために設けられているサスペンションのアームと車体との連結部分のゴムブッシュ内の構造は、サスペンションのアームが連結されている外筒と外筒内に設けられた内筒と、この外筒と前記内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着または加圧挿入させている構造となっている。このような構造としたゴムブッシュにおいて、ゴム状弾性体が対面する内筒の外周の2箇所に突起の形態とした突出部を設けている。そして突出部は内筒と一体構造としている。内筒と一体構造とした一連の突出部は、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力に対して、ブッシュ内のゴム状弾性体自体に過剰な反応が起きないように抑制させ、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力を吸収または緩和させている。このストッパーが設けられている箇所の条件としておのおののストッパーの中心軸線は、ゴムブッシュの外筒に連結されているサスペンションのアームの中心軸線から延び、ゴムブッシュの内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周上2箇所とした構造としている。この構造により、ゴムブッシュにかかる負荷に対してバランスを崩すことなくゴムブッシュ自体の剛性を高める構造としている。ゴムブッシュの内筒の外周上2箇所に設けられたストッパーは3段構造となっている。構成としては中央に背の高い突出部として、その周方向両隣に隣接して背の低い突出部にて構成されている。このようにストッパーを3段構造とすることにより、外部からゴムブッシュにかかるあらゆる負荷に対して、その負荷にゴムブッシュのゴムが耐えバランスが崩れることがないように突出部分にてゴムブッシュのゴムを食い止めるストッパー的役割を担う構造としている。さらに3段構造の突出部にて構成される一連のストッパーは、外筒に連結されているサスペンションのアームの軸線から延び内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周の2箇所に設けられている。内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアーム側に設けられた方の3段構造としたストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させている。逆に内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアームの反対側の3段構造としたストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔をサスペンションのアーム側に比べて広くして配置させている。ゴムブッシュにかかる負荷はサスペンションのアーム側とその反対側では負荷の質に違いがあるが、このように内筒の外周の2箇所に設置されたストッパーにおいて各ブロックごとに突出部の配列を変える事によってそれぞれの負荷に適したストッパー構造としている。
【0006】
請求項2に記載の第2の発明は、サスペンションのアームが連結されている外筒と前記外筒内に設けられた内筒と、さらに前記外筒と前記内筒との中間に中間筒を設け、この前記外筒と前記中間筒との間と前記中間筒と前記内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着してなるゴムブッシュにおいて、前記ゴム状弾性体が対面する前記内筒の外周の各2箇所に突起の形態としたストッパーを設けて、その前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの中心は、前記外筒に連結されているサスペンションアームの軸線から延び前記内筒の中心点を通過する線上に接する前記内筒の外周の2箇所とし、前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの構造は、前記中間筒と前記内筒の中間帯付近の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から中央に高い突出部として、その周方向両隣に隣接して前記内筒周辺の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から低い突出部にて構成する3段構造とし、さらに前記ゴムブッシュ内でのサスペンションアーム側とサスペンションアームの反対側の負荷の違いに対応すべく、前記3段構造のストッパーの配列は、負荷が強い傾向となる前記サスペンションアーム側に設けられた前記ストッパーは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔は前記サスペンションア−ムの反対側と比べて狭めて配置させて、逆に負荷が弱い傾向となる前記サスペンションアームの反対側の前記ストッパーでは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔を前記サスペンションア−ム側に比べて広くして配置させ防振機能を備えたことを特徴としている。
【0007】
上記第2の発明によると、サスペンションのアームが連結されている外筒と外筒内に設けられた内筒と、さらに外筒と内筒との中間に中間筒を設け、この外筒と中間筒との間と中間筒と内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着または加圧挿入させている構造となっている。このような構造としたゴムブッシュにおいて、ゴム状弾性体が対面する内筒の外周の2箇所に突起の形態とした突出部を設けている。そして突出部は内筒と一体構造としている。内筒と一体構造とした一連の突出部は、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力に対して、ブッシュ内のゴム状弾性体自体に過剰な反応が起きないように抑制させ、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力を吸収または緩和させている。このストッパーが設けられている箇所の条件としておのおののストッパーの中心軸線は、ゴムブッシュの外筒に連結されているサスペンションのアームの中心軸線から延び、ゴムブッシュの内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周上2箇所とした構造としている。この構造により、ゴムブッシュにかかる負荷に対してバランスを崩すことなくゴムブッシュ自体の剛性を高める構造としている。ゴムブッシュの内筒の外周上2箇所に設けられたストッパーは3段構造となっている。構成としては中央に背の高い突出部として、その周方向両隣に隣接して背の低い突出部にて構成されている。このようにストッパーを3段構造とすることにより、外部からゴムブッシュにかかるあらゆる負荷に対して、その負荷にゴムブッシュのゴムが耐えバランスが崩れることがないように突出部分にてゴムブッシュのゴムを食い止めるストッパー的役割を担う構造としている。さらに3段構造の突出部にて構成される一連のストッパーは、外筒に連結されているサスペンションのアームの軸線から延び内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周の2箇所に設けられている。内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアーム側に設けられた方の3段構造としたストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させている。逆に内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアームの反対側の3段構造としたストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させている。ゴムブッシュにかかる負荷はサスペンションのアーム側とその反対側では負荷の質に違いがあるが、このように内筒の外周の2箇所に設置されたストッパーにおいて各ブロックごとに突出部の配列を変える事によってそれぞれの負荷に適したストッパー構造としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明である第1の発明に関して具体化したゴムブッシュについての一実施形態を、図1に基づいて説明する。
【0009】
自動車に搭載されるタイヤと車体とをつなぐ緩衝装置であるサスペンションは幾つかのサスペンションアームによって構成されている。このサスペンションアーム15はゴムブッシュ12を介して車体に連結されている。図1では、便宜上、1つのゴムブッシュ12しか図示されていないが各サスペンションアーム15と車体の連結部分にはゴムブッシュ12が備え付けられ各サスペンションアーム15を車体に連結固定させている。
【0010】
ゴムブッシュ12の構造としてサスペンションアーム12が連結されている外筒14と外筒内に設けられた内筒13と、この外筒14と内筒13との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着または加圧挿入させている構造となっている。この内筒13の外周にはゴム状弾性体が対面するように2箇所に突起の形態としたストッパー20を設けている。
これらのストッパー20は内筒13と一体構造としている。
【0011】
内筒13と一体構造とした2箇所に設置した一連のストッパー20は、設置する条件として各ストッパー20の中心軸線は、ゴムブッシュ12の外筒14に連結されているサスペンションアーム15の中心軸線から延び、ゴムブッシュ12の内筒13の中心点を通過する線上に接する内筒の外周上2箇所に設けている。
【0012】
内筒13の外周上の2箇所に設置された一連の各ストッパー20は3段構造となっている。構成としては中央に背の高い突出部21,23として、その周方向両隣に隣接して背の低い突出部22,24にて構成されている。
【0013】
サスペンションアーム側に設けられた3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部23と周方向両隣に隣接する低い突出部24との間隔はサスペンションア−ム 反対側に比べて狭めて配置させている。
【0014】
逆に内筒13の中心軸30からみて、外筒14に連結しているサスペンションアーム15の反対側の3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部21と周方向両隣に隣接する低い突出部22との間隔をサスペンションアーム側に比べて広くして配置させている。
【0015】
ところで、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動をゴムブッシュ12のゴム状弾性体のバネ特性を利用して吸収または緩和させているが、乗り心地を良くしようとゴムの特性を柔らかくし静的バネ定数を下げる設計にすると操縦安定性が悪化する傾向となる。逆にゴムの特性を固くし剛性を高め静的バネ定数を上げる設計にすると操縦安定性は良好となるものの乗り心地は悪化してしまう傾向へと傾く。一般的に自動車の走行時の挙動変化は路面の変化などの走行条件により常に変化している。ゴムブッシュ12ではサスペンションアーム15に余分な負荷を抱えずかつサスペンションアーム15からの振動を吸収し車体への振動の伝わりを抑制する事の相反する事を同時に両立しなければならない。
【0016】
従って、自動車の走行に伴うサスペンションアーム15の挙動変化に対応するべくゴムブッシュ12をゴム16の材質を固くすることなくゴムブッシュ自体12の剛性を高めてゴムブッシュ12ののぐらつきを防ぐ手段が必要となってくる。そこでゴムブッシュ内において、本実施形態ではゴムブッシュ12の内筒13の外周上の2箇所に内筒13と一体構造のストッパー20を設けている。この内筒13と一体構造のストッパー20は3段構造とし、中央には背の高い突出部21,23として、その周方向両隣に隣接して背の低い突出部22,24とすることによってゴムブッシュ内12のゴム16が必要以上変化しないようゴム16を支えゴムブッシュ12の剛性を高めさせている。
【0017】
さらに本実施形態では、ゴムブッシュ12の内筒13の中心軸30からみて、サスペンションアーム側15とサスペンションアーム15の反対側ではゴムブッシュ12のゴム16にかかる負荷の違いに着目している。サスペンションの挙動変化に伴いどうしてもサスペンションアーム側の方が、ゴムブッシュ内のゴム16に対して力(負荷)のかかり方が強い傾向となっている。この同じゴムブッシュ内において負荷の違いに対応すべく本実施形態では、内筒13と一体構造としたストッパー20の機能をさらに発展すべく、サスペンションアーム側に設けられた3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部23とその周方向両隣に隣接する低い突出部24との間隔はサスペンションアームの反対側に比べて狭めて配置させている。逆に内筒13の中心軸30からみて、外筒14に連結しているサスペンションアーム15の反対側の3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部21と周方向両隣に隣接する低い突出部22との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させる構造としている。この構造を採用することによってゴムブッシュ12かかる負荷に対して一箇所に集中させて処理することなくゴムブッシュ全体負荷を処理させる機能を持たせることが可能となり、負荷の処理量を向上させる事ができる。即ちこれはゴムブッシュ12の対負荷へのキャパシティを向上させることにつながる。
【0018】
このように本実施形態よると、ゴムブッシュ内の内筒13の外周にストッパー20を設けゴムブッシュ自体の剛性を高める事に伴い、従来のゴムブッシュ12の問題点であったサスペンションアーム15をしっかり固定させて操縦安定性を確保することとサスペンションアーム15からの振動を吸収し車体への振動の伝わりを抑制する振動吸収機能が同時に両立し、ゴムブッシュ12における対負荷へのキャパシティを向上させてサスペンションアームに余分な負荷を与えることなく、サスペンション全体の剛性を同時に確保され、サスペンションの性能は向上する。
【0019】
(第2実施形態)
以下、本発明である第2の発明に関して具体化したゴムブッシュについての一実施形態を、図2に基づいて説明する。
【0020】
自動車に搭載されるタイヤと車体とをつなぐ緩衝装置であるサスペンションは幾つかのサスペンションアームによって構成されている。このサスペンションアーム15はゴムブッシュ12を介して車体に連結されている。図2では、便宜上、1つのゴムブッシュ12しか図示されていないが各サスペンションアーム15と車体の連結部分にはゴムブッシュ12が備え付けられ各サスペンションアームを車体に連結固定させている。
【0021】
ゴムブッシュ12の構造としてサスペンションアーム15が連結されている外筒14と外筒内に設けられた内筒13と、この外筒14と内筒13との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着または加圧挿入させている構造となっている。さらにゴムブッシュ12のバネ特性を高めるため外筒14と内筒13との中間に中間筒19を設けている。従って外筒14と中間筒19との間と中間筒19と内筒13との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着または加圧挿入させている構造となっている。このような構造としたゴムブッシュにおいて、この内筒の外周にはゴム状弾性体が対面するように2箇所に突起の形態としたストッパー20を設けている。これらのストッパー20は内筒13と一体構造としている。
【0022】
内筒13と一体構造とした2箇所に設置した一連のストッパー20は、設置する条件として各ストッパー20の中心軸線は、ゴムブッシュ12の外筒14に連結されているサスペンションアームの中心軸線から延び、ゴムブッシュの内筒13の中心点30を通過する線上に接する内筒13の外周上2箇所に設けている。
【0023】
内筒13の外周上の2箇所に設置された一連の各ストッパー20は3段構造となっている。構成としては中央に背の高い突出部21,23として、その周方向両隣に隣接して背の低い突出部22,24にて構成されている。
【0024】
サスペンションアーム側15に設けられた3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部23と周方向両隣に隣接する低い突出部24との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させている。
【0025】
逆に内筒の中心軸30からみて、外筒14に連結しているサスペンションアーム15の反対側の3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部21と周方向両隣に隣接する低い突出部22との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させている。
【0026】
ところで、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動をゴムブッシュ12のゴム状弾性体のバネ特性を利用して吸収または緩和させているが、乗り心地を良くしようとゴムの特性を柔らかくし静的バネ定数を下げる設計にすると操縦安定性が悪化する傾向となる。逆にゴムの特性を固くし剛性を高め静的バネ定数を上げる設計にすると操縦安定性は良好となるものの乗り心地は悪化してしまう傾向へと傾く。一般的に自動車の走行時の挙動変化は路面の変化などの走行条件により常に変化している。ゴムブッシュ12ではサスペンションアーム15に余分な負荷を抱えずかつサスペンションアーム15からの振動を吸収し車体への振動の伝わりを抑制する事の相反する事を同時に両立しなければならない。
【0027】
従って、自動車の走行に伴うサスペンションアーム15の挙動変化に対応するべくゴムブッシュ12をゴム17の材質を固くすることなくゴムブッシュ自体の剛性を高めてゴムブッシュ12ののぐらつきを防ぐ手段が必要となってくる。そこで本実施形態は外筒14と内筒13との中間に中間筒19を設け、さらにゴムブッシュ12の内筒13の外周の2箇所に内筒と一体構造のストッパー20を設ける併用法を採用しいる。内筒13と一体構造のストッパー20は3段構造とし、中央には背の高い突出部21,23として、周方向両隣に隣接して背の低い突出部22,24とすることによってゴムブッシュ内のゴム17が必要以上変化しないようゴム17を支えゴムブッシュ12の剛性を高めさせている。
【0028】
また本実施形態では、ゴムブッシュ12の内筒13の中心軸30からみて、サスペンションアーム側15とサスペンションのアーム15の反対側ではゴムブッシュ12のゴム17にかかる負荷の違いに着目している。サスペンションの挙動変化に伴いどうしてもサスペンションアーム側15の方が、ゴムブッシュ内のゴム17に対して力(負荷)のかかり方が強い傾向となっている。この同じゴムブッシュ内において負荷の違いに対応すべく本実施形態では、内筒と一体構造としたストッパー20の機能をさらに発展すべく、サスペンションアーム側15に設けられた3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部23とその周方向両隣に隣接する低い突出部24との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させている。逆に内筒13の中心軸30からみて、外筒14に連結しているサスペンションアーム15の反対側の3段構造としたストッパー20の配列は、中央の高い突出部21とその周方向両隣に隣接する低い突出部22との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させる構造としている。
【0029】
外筒14と内筒13との中間に中間筒19を設け、さらにゴムブッシュの内筒13の外周2箇所に内筒と一体構造のストッパー20を設ける併用法を採用することによってゴムブッシュ12かかる負荷に対して一箇所に集中させて処理することなくゴムブッシュ全体負荷を処理させる機能を持たせることが可能となり、負荷の処理量を向上させる事ができる。即ちこれはゴムブッシュ12の対負荷へのキャパシティを向上させることにつながる。
【0030】
このように本実施形態よると、外筒14と内筒13との中間に中間筒19を設け、ゴムブッシュ内の内筒13の外周にストッパー20を設ける併用法とすることによってゴムブッシュ自体の剛性を高める事に伴い、従来のゴムブッシュ12の問題点であったサスペンションアーム15をしっかり固定させて操縦安定性を確保することとサスペンションアーム15からの振動を吸収し車体への振動の伝わりを抑制する振動吸収機能が同時に両立し、ゴムブッシュ12における対負荷へのキャパシティを向上させてサスペンションアーム15に余分な負荷を与えることなく、サスペンション全体の剛性を同時に確保され、サスペンションの性能は向上する。
【0031】
【発明の効果】
第1の発明によれば、内筒の外周の2箇所に突起の形態とした突出部を設け、内筒と一体構造とすることにより、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力に対して、ブッシュ内のゴム状弾性体自体に過剰な反応が起きないように抑制させ、サスペンションのアームから伝わってくる挙動や振動等の入力を吸収または緩和させることができ、さらにゴムブッシュの内筒の外周に2箇所設置するストッパーの中心軸線は、ゴムブッシュの外筒に連結されているサスペンションのアームの中心軸線から延 び、ゴムブッシュの内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周上2箇所とした構造とすることにより、ゴムブッシュにかかる負荷に対してバランスを崩すことなくゴムブッシュ自体の剛性を高める構造とすることができ、またゴムブッシュの内筒の外周に2箇所設置するストッパーを3段構造とし、その構成を中央に背の高い突出部として、周方向両隣に隣接して背の低い突出部にて構成することによって、外部からゴムブッシュにかかるあらゆる負荷に対して、その負荷にゴムブッシュのゴムが耐えバランスが崩れることがないように突出部分にてゴムブッシュのゴムを食い止めるストッパー的役割を担う構造とすることができ、そして内筒の中心軸からみて、サスペンションアーム側に設けられた方のストッパーの配列を中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させ、逆に内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアームの反対側のストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させることによって、ゴムブッシュかかる負荷に対して一箇所に集中させて処理することなくゴムブッシュ全体負荷を処理させる機能を持たせることが可能となり、負荷の処理量を向上させる事ができる。
【0032】
第2の発明によれば、外筒と内筒との中間に中間筒を設け、さらにゴムブッシュの内筒の外周の複数箇所に内筒と一体構造のストッパーを設ける併用法を採用することによってゴムブッシュかかる負荷に対して一箇所に集中させて処理することなくゴムブッシュ全体負荷を処理させる機能を持たせることが可能となり、負荷の処理量を向上させる事ができ、さらにゴムブッシュの内筒の外周に2箇所設置するストッパーの中心軸線は、ゴムブッシュの外筒に連結されているサスペンションのアームの中心軸線から延び、ゴムブッシュの内筒の中心点を通過する線上に接する内筒の外周上2箇所とした構造とすることにより、ゴムブッシュにかかる負荷に対してバランスを崩すことなくゴムブッシュ自体の剛性を高める構造とすることができ、また外筒と内筒との中間に中間筒を設け、さらにゴムブッシュの内筒の外周の複数箇所に内筒と一体構造のストッパーを設ける併用法とし、さらにゴムブッシュの内筒の外周に複数箇所設置するストッパーを3段構造とし、その構成を中央に背の高い突出部として、周方向両隣に隣接して背の低い突出部にて構成することによって、外部からゴムブッシュにかかるあらゆる負荷に対して、その負荷にゴムブッシュのゴムが耐えバランスが崩れることがないように突出部分にてゴムブッシュのゴムを食い止めるストッパー的役割を担う構造とすることができ、そして内筒の中心軸からみて、サスペンションアーム側に設けられた方のストッパーの配列を中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔はサスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させ、逆に内筒の中心軸からみて、外筒に連結しているサスペンションのアームの反対側のストッパーの配列は、中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔をサスペンションア−ム側に比べて広くして配置させることによって、ゴムブッシュかかる負荷に対して一箇所に集中させて処理することなくゴムブッシュ全体負荷を処理させる機能を持たせることが可能となり、負荷の処理量を向上させる事ができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した第1実施形態におけるゴムブッシュの概略断面図である。
【図2】 本発明を具体化した第2実施形態におけるゴムブッシュの概略断面図である。
【符号の説明】
12.ゴムブッシュ
13.内筒
14.外筒
15.サスペンションアーム
16.ゴム
17.ゴム
18.ゴム
19.中間筒
20.ストッパー
21.中央の高い突出部
22.低い突出部
23.中央の高い突出部
24.低い突出部
30.中心軸または中心
31.サスペンションアームからゴムブッシュに向けての中心線

Claims (2)

  1. サスペンションのアームが連結されている外筒と前記外筒内に設けられた内筒と、この前記外筒と前記内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着してなるゴムブッシュにおいて、前記ゴム状弾性体が対面する前記内筒の外周の2箇所に突起の形態としたストッパーを設けて、その前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの中心は、前記外筒に連結されているサスペンションアームの軸線から延び前記内筒の中心点を通過する線上に接する前記内筒の外周の2箇所とし、前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの構造は、前記外筒と前記内筒の中間帯付近の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から中央に高い突出部として、その周方向両隣に隣接して前記内筒周辺の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から低い突出部にて構成する3段構造とし、さらに前記ゴムブッシュ内でのサスペンションアーム側とサスペンションアームの反対側の負荷の違いに対応すべく、前記3段構造のストッパーの配列は、負荷が強い傾向となる前記サスペンションアーム側に設けられた前記ストッパーは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔は前記サスペンションア−ムの反対側に比べて狭めて配置させて、逆に負荷が弱い傾向となる前記サスペンションアームの反対側の前記ストッパーでは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔を前記サスペンションア−ム側に比べて広くして配置させ防振機能を備えたことを特徴とするゴムブッシュ。
  2. サスペンションのアームが連結されている外筒と前記外筒内に設けられた内筒と、さらに前記外筒と前記内筒との中間に中間筒を設け、この前記外筒と前記中間筒との間と前記中間筒と前記内筒との間にゴム状弾性体を加硫成形により接着固着してなるゴムブッシュにおいて、前記ゴム状弾性体が対面する前記内筒の外周の各2箇所に突起の形態としたストッパーを設けて、その前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの中心は、前記外筒に連結されているサスペンションアームの軸線から延び前記内筒の中心点を通過する線上に接する前記内筒の外周の2箇所とし、前記内筒の外周の2箇所に設けられた前記ストッパーの構造は、前記中間筒と前記内筒の中間帯付近の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から中央に高い突出部として、その周方向両隣に隣接して前記内筒周辺の前記ゴム状弾性体の挙動を押さえる目的から低い突出部にて構成する3段構造とし、さらに前記ゴムブッシュ内でのサスペンションアーム側とサスペンションアームの反対側の負荷の違いに対応すべく、前記3段構造のストッパーの配列は、負荷が強い傾向となる前記サスペンションアーム側に設けられた前記ストッパーは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔は前記サスペンションア−ムの反対側と比べて狭めて配置させて、逆に負荷が弱い傾向となる前記サスペンションアームの反対側の前記ストッパーでは中央の高い突出部と周方向両隣に隣接する低い突出部との間隔を前記サスペンションア−ム側に比べて広くして配置させ防振機能を備えたことを特徴とするゴムブッシュ。
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