JP4130343B2 - 液圧固定型ブッシュ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材加工機械等の機械主軸と回転工具とを固定するのに用いる液圧固定型ブッシュの構成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材加工機械等の回転工具を工作機械の機械主軸に装着して加工を行う際、この回転工具の外周振れ精度や側面振れ精度を高精度化するための技術が求められている。そこで、回転工具と機械主軸との間に液圧固定型ブッシュを介在させ、この液圧固定型ブッシュを用いて回転工具の外周振れ精度や側面振れ精度を高精度化するという技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この液圧固定型ブッシュは、カラー部と、このカラー部から延びる円筒状のスリーブ部と、このスリーブ部に形成される液圧チャンバーとを有する。回転工具の軸穴にスリーブ部を挿入した状態で液圧チャンバーに所定の液圧を作用させると、スリーブ部が外径方向へ撓むことでその外径が拡張され、これにより回転工具がスリーブ部に同心的に固定される。
【0003】
ところが、このような構成の液圧固定型ブッシュは、カラー部とスリーブ部との境界から近い境界近傍領域においてスリーブ部の撓み量に限界があり、液圧チャンバー内の液圧を高めてもこの境界近傍領域の外周は、スリーブ部外径と回転工具の軸穴の穴径との許容隙間(スリーブ部外径の公差と、回転工具の軸穴の穴径の公差との和)を補えるほど有効的に拡張しない。従って、このような構成の液圧固定型ブッシュを用いて、厚みの小さい回転工具をカラー部に接触させてスリーブ部に同心的に固定することは難しい。そこで、従来、厚みの小さい回転工具であっても対応可能とするため、例えば図5に示すようなある程度長さを有する液圧固定型ブッシュ110を用いる構成が実施されることとなる。この液圧固定型ブッシュ110は、機械主軸(軸長さL1)150と回転工具140とを固定するのに用いる。液圧固定型ブッシュ110は、カラー部120から延びる円筒状のスリーブ部130を備え、このスリーブ部130にはその内筒部分を構成するインナースリーブ132、その外筒部分を構成するアウタースリーブ134、液圧チャンバー136等が形成される。注入ノズル122からこの液圧チャンバー136へグリース等の液媒体を注入し、液圧チャンバー136内の圧力を高めることでアウタースリーブ134のうち拡張幅tに対応した箇所が外径方向へ撓みスリーブ部130の外径が拡張される。このとき、境界近傍領域A2は有効的に拡張しないが、この境界近傍領域A2の長さに見合った厚みのライナー160をカラー部120と回転工具140との間に挿入することで、回転工具140の厚みが小さい場合であっても対応可能となる。すなわち、この液圧固定型ブッシュ110では、ライナー160を用いることによって回転工具140の位置を境界近傍領域A2から有効拡張領域A1へと移動させ、これにより回転工具140をスリーブ部130に同心的に固定する構成になっている。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第98/46896号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のようにカラー部120と回転工具140との間にライナー160を挿入する構成では、回転工具140の厚みが小さい場合であっても有効であるものの、回転工具140と液圧固定型ブッシュ110とを含めた全体のセット厚み(軸長さL1+飛び出し長さL2)を低減させるのに限界がある。このセット厚みが増えると、飛び出し部分が他部材と干渉し易くなるという問題や、機械主軸150の軸長さが短い場合にインナースリーブ132のうち拡張幅tに対応した箇所が機械主軸150から、はずれるという問題等がある。かといって、セット厚みを低減させるためにスリーブ部を短くすると、有効拡張領域A1の範囲がなくなり回転工具140に良好な固定力を付与できなくなるゆえ、回転工具140を液圧固定型ブッシュ110に同心的に固定するという本来の目的を全うできない。このように、ライナー160を用いた構成の液圧固定型ブッシュ110では、限られたセット厚みの範囲で回転工具140を良好に装着するのに限界がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、上記セット厚みを低減させても回転工具140を良好に装着することができる技術を見出すべく、この種の液圧固定型ブッシュの構成技術について鋭意検討した。その検討の結果、本発明者らは、カラー部120をスリーブ部130の外周に沿ってカラー部側へ凹ませた溝部を設け、有効拡張領域A1の位置を境界近傍領域A2側へ移動させることで、限られたセット厚みであっても、回転工具140をスリーブ部130に良好に装着することができることを見出すことに成功した。
本発明では、カラー部と、このカラー部から延びる円筒状のスリーブ部と、このスリーブ部に形成される液圧チャンバーとを有する液圧固定型ブッシュにつき、限られたセット厚みにおいて回転工具をスリーブ部に良好に装着するのに有効な構成技術を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の液圧固定型ブッシュは請求項1,2に記載の通りに構成される。なお、これら各請求項に係る発明は、カラー部をスリーブ部の外周に沿ってカラー部側へ凹ませた溝部を設け、この溝部の溝深さに対応して有効拡張領域の位置を可変とすることで、限られたセット厚みにおいて、回転工具をスリーブ部に同心的に確実に固定することができるようにした技術である。すなわち、本発明における溝部は、スリーブ部の外周をスリーブ部外径と回転工具の軸穴の穴径との許容隙間以上に拡張させる有効拡張領域の形成と密接な関連性を有するものであり、従って本発明は、スリーブ部とカラー部との境界近傍領域に有効拡張領域の形成とは関連性の小さい研磨逃がし溝を単に設けるという技術とはその技術思想が根本的に異なるものである。
【0008】
請求項1に記載の液圧固定型ブッシュには、カラー部、スリーブ部、液圧チャンバー、溝部等が設けられている。スリーブ部は円筒状に形成され、カラー部から延びる構成になっている。このスリーブ部に液圧チャンバーが形成される。液圧チャンバーには例えばグリース等の液媒体が注入され、これにより液圧チャンバー内が所定の圧力(液圧)へと高められる。この液圧上昇に伴って、例えばスリーブ部の外周がその外径方向へほぼ均一に撓み、スリーブ部の外周が同心的に拡張される。このスリーブ部の拡張量は液圧チャンバー内の設定圧力に応じて変更可能である。この拡張箇所のうち、スリーブ部の外周がスリーブ部外径と回転工具の軸穴の穴径との許容隙間以上に同心的に拡張する有効拡張領域を用いてスリーブ部に対し回転工具を同心的に固定する。なお、ここでいう「許容隙間」とは、スリーブ部外径の公差と、回転工具の軸穴の穴径の公差との和をいう。回転工具としては、鋸、粉砕刃、カッター等を備え、軸穴を有する各種の構成のものを用いることができる。
【0009】
本発明では、カラー部をスリーブ部の外周に沿ってカラー部側へ凹ませた溝部を設けたことを特徴とする。この溝部の溝深さを変えることによって、スリーブ部の外周面に形成される有効拡張領域の位置を変更することができる。このような溝部を設けることで、溝部を設けない場合に比して有効拡張領域の位置をカラー部側へ移動させることが可能となり、また溝部の深さを変えることで有効拡張領域を、回転工具の厚み等に対して好適な位置に設定することができる。有効拡張領域の位置をカラー部側へ移動させることによりカラー部と回転工具との距離を近づけても回転工具をスリーブ部に同心的に固定する固定力を確保することができる。すなわち、本発明は回転工具の位置や厚みに対応して有効拡張領域自体の位置を変更可能とするものであり、これにより従来の如く有効拡張領域の位置に対応して回転工具の位置を変更する場合に比してセット厚みを極力抑えることができる。セット厚みを抑えることで、飛び出し部分が他部材と干渉するのを防止することができる。また、ライナー等を用いないためその分スリーブ部の軸長さを短くすることができ、液圧固定型ブッシュ全体のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、限られたセット厚みにおいて回転工具をスリーブ部に良好に装着することが可能となる。
【0010】
また、請求項2に記載の液圧固定型ブッシュでは、液圧チャンバーに所定の液圧を作用させることで、更に、スリーブ部の内周が同心的に縮小する構成になっている。このスリーブ部の内周は、スリーブ部内径と回転工具の駆動源を構成する駆動軸の軸径との許容隙間以上に縮小される。なお、ここでいう「許容隙間」とは、スリーブ部内径の公差と、駆動軸の軸径の公差との和をいう。このとき、溝部を形成させることでセット厚みが抑えられているため駆動軸の軸長さが短い場合であっても、スリーブ部の内周の拡張幅に対応した箇所が駆動軸からずれるのを極力防止することができる。
以上のように、請求項2に記載の発明によれば、液圧チャンバーに所定の液圧を作用させるに際し、スリーブ部の内周に駆動軸を嵌合させることで、回転工具のみならず、回転工具の駆動源を構成する駆動軸をもスリーブ部に良好に装着することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。本実施の形態は、木材加工装置のひとつで、比較的軸長さの短いテノーナーの機械主軸50と、鋸(チップソー)42および粉砕カッター44を備えた回転工具40との間に介在する液圧固定型ブッシュ10について説明する。機械主軸50(軸長さL1)は回転工具40の駆動源を構成するものであり、本発明の駆動軸に対応している。
ここで、図1は本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10の斜視図である。図2は液圧固定型ブッシュ10の部分断面図であって、この液圧固定型ブッシュ10に回転工具40および機械主軸50が装着された状態を示す。図3は図2の部分拡大図であって、液圧チャンバー36にグリース圧が作用していない状態を示す。図4は図2の部分拡大図であって、液圧チャンバー36にグリース圧が作用している状態を示す。なお、図2では断面の半分を省略して示している。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10は、フランジ形状のカラー部20と、このカラー部20から延びる円筒状のスリーブ部30を備えている。カラー部20の側部には、後述する液圧チャンバー36へグリースを注入する注入ノズル22、この液圧チャンバー36からグリースを排出する排出孔(図示省略)等が設けられている。また、カラー部20の複数箇所(注入ノズル22を避けた位置)には、液圧固定型ブッシュ10と後述する回転工具40および機械主軸50と一体のフランジとをボルト固定するのに用いるボルト穴(図示省略)が軸に平行に設けられている。カラー部20とスリーブ部30との境界には、後述する逃がし溝26が設けられている。
【0013】
図2に示すように、スリーブ部30はその内筒部分を構成するインナースリーブ32と、その外筒部分を構成するアウタースリーブ34とを備え、これらインナースリーブ32とアウタースリーブ34とで囲まれる箇所に中空の液圧チャンバー36が形成されている。この液圧チャンバー36は、連通孔24を通じて注入ノズル22に接続されており、グリースガン等によって加圧されたグリースがこの注入ノズル22から液圧チャンバー36に注入されるようになっている。
【0014】
カラー部20には、基準面21(スリーブ部30との境界)の一部をスリーブ部30の外周30a(アウタースリーブ34の外周)に沿ってカラー部20側へ凹ませた構成の逃がし溝26(溝深さM)がスリーブ部30の全周にわたって形成されている。この逃がし溝26は、その断面形状が略直角三角形になっており、スリーブ部30の外周30aに沿った部分と、この部分に対し傾斜したテーパー部分とを有する構成になっている。この逃がし溝26が本発明における溝部に対応している。
【0015】
次に、図2〜図4を参照しながら、上記構成の液圧固定型ブッシュ10によって回転工具40およびテノーナーの機械主軸50を装着する場合の作用について説明する。
まず、回転工具40の軸穴40aにスリーブ部30の外周30aを嵌合させ回転工具40の端面40bを基準面21に当接させる一方、スリーブ部30の内周30b(インナースリーブ32の内周)に機械主軸50を嵌合させる。このときのセット厚みは、機械主軸50の軸長さL1と、この機械主軸50に対する飛び出し長さL2との合計となる。
【0016】
回転工具40およびテノーナーの機械主軸50を装着した状態で、グリースガン等によって加圧されたグリースを注入ノズル22から液圧チャンバー36に注入する。これにより、インナースリーブ32およびアウタースリーブ34は、図3に示す状態から図4に示す状態へと変化する。すなわち、グリースの液圧作用によって液圧チャンバー36内の圧力が高められ、液圧チャンバー36の径方向長さは、例えば図3に示すd1から図4に示すd2へと増大する。そして、アウタースリーブ34のうち拡張幅tに対応した箇所が外径方向へ撓みスリーブ部30の外径が拡張される。
【0017】
図4に示すように、このときスリーブ部30の外周30aには、回転工具40の軸穴40aに対応した位置に有効拡張領域A1が形成される。この有効拡張領域A1は、スリーブ部30の外径がスリーブ部外径と回転工具40の軸穴40aの穴径との許容隙間(スリーブ部外径の公差と、軸穴40aの穴径の公差との和)以上に拡張する領域である。一方、スリーブ部30の外周30aのうち逃がし溝26に対応した箇所、すなわちカラー部20とスリーブ部30との境界から近い境界近傍領域A2は、有効拡張領域A1のように外径側へは拡張しない領域となる。なお、この有効拡張領域A1の位置は、逃がし溝26の溝深さMを変えることで可変とされる。有効拡張領域A1が形成されることで、スリーブ部30の外周30aが回転工具40の軸穴40aに密着し、これにより回転工具40はスリーブ部30に同心的に固定されることとなる。
【0018】
また、液圧チャンバー36内の圧力が高められると、インナースリーブ32のうち拡張幅tに対応した箇所が内径方向へ撓みスリーブ部30の内径が縮小される。すなわち、スリーブ部30の内周30bがスリーブ部内径と機械主軸50の軸径との許容隙間(スリーブ部内径の公差と、機械主軸50の軸径の公差との和)以上に同心的に縮小する。これにより、スリーブ部30の内周30bが機械主軸50の軸周50aに密着することによって、機械主軸50はスリーブ部30に同心的に固定される。そして、回転工具40および機械主軸50をスリーブ部30に対して同心的に固定した状態で、これらは更にボルトによってボルト固定される。
【0019】
上記のような液圧固定型ブッシュ10の作用効果を、更に実用面における具体例1および2を参照して説明する。
〔具体例1〕
テノーナーにおいて、例えば、軸長さが30mmの機械主軸50と、厚みが10mmの回転工具40を使用し、カラー部20の厚みを標準で20mmとする場合を想定する。このとき、図5に示すような従来の液圧固定型ブッシュ110を用いると、図5中の境界近傍領域A2(例えば、境界から10mm程度の範囲)において有効的なグリップ力が作用せず、このため10mmのライナー160を挟み込む必要がある。その結果、全体のセット厚み(カラー部+スリーブ部)が40mmとなる。これに対し、本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10を用いると、逃がし溝26によって有効拡張領域A1をカラー部20側へずらしライナー等を省略することで全体のセット厚みを30mmとすることができる。これにより、全体のセット厚みを例えば機械主軸50の軸長さ内におさめることが可能となる。全体のセット厚みが増え機械主軸50の軸長さよりも飛び出すと、この飛び出し部分が他の部材等と干渉することが懸念されるが、本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10を用いることでこのような問題を解消することができる。
【0020】
〔具体例2〕
テノーナーにおいて、例えば、軸長さが30mmの機械主軸50と、厚みが18mmの回転工具40を使用し、カラー部20の厚みを標準で20mmとする場合を想定する。このとき、図5に示すような従来の液圧固定型ブッシュ110において厚みが10mmのライナー160を挟み込み、全体のセット厚み(カラー部+スリーブ部)を48mmとした場合、拡張幅tのうち機械主軸50から外れた箇所の飛び出し長さL2がおよそ18mmとなり、これでは回転工具40の刃物の安定的な振れ精度が出にくい。これに対し、本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10を用い全体のセット厚みを38mmとした場合、拡張幅tのうち機械主軸50から外れた箇所の飛び出し長さL2をおよそ8mmにまで抑えることができ、これにより回転工具40の刃物の安定的な振れ精度を得ることができる。
【0021】
以上のように、本実施の形態によれば、カラー部20をスリーブ部30の外周30aに沿ってカラー部20側へ凹ませた逃がし溝26を設けたため、逃がし溝26を設けない場合に比して有効拡張領域A1の位置をカラー部20側へ移動させることができ、限られたセット厚みにおいて回転工具40をスリーブ部30に良好に装着することができる。なお、この逃がし溝26は、その断面形状が略直角三角形でありその作用効果を喪失しない形状の中では比較的加工が容易である。
また、上記実施の形態によれば、回転工具40のみならず、回転工具40の駆動源を構成する機械主軸50をもスリーブ部30に良好に装着することができる。とりわけ、回転工具40と液圧固定型ブッシュ10とを含めたセット厚みを抑えることで、その飛び出し部分が他部材と干渉するのを防止することができ、また、テノーナーのように機械主軸50の軸長さが短い場合にインナースリーブ32のうち拡張幅tに対応した箇所が機械主軸50からずれるのを極力防止することができる。
また、上記実施の形態によれば、ライナー等を用いないためその分スリーブ部30の軸長さを短くすることができ、液圧固定型ブッシュ全体のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
【0022】
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0023】
(A)上記実施の形態では、断面形状が略直角三角形である逃がし溝26をカラー部20に形成する場合について記載したが、この逃がし溝26は基準面21の一部をカラー部20側へ凹ませた構成であればよく、その形状は必要に応じて種々変更可能である。逃がし溝26の断面形状を、例えば四角形状や扇形状とすることもできる。
【0024】
(B)また、上記実施の形態では、スリーブ部30の液圧チャンバー36にグリース圧が作用することで、スリーブ部30の外径が拡張しその内径が縮小する場合について記載したが、スリーブ部30の外径が拡張するのみの構成であってもよい。
【0025】
(C)また、上記実施の形態では、液圧固定型ブッシュ10を鋸42および粉砕カッター44を備えた回転工具40に対して用いる場合について記載したが、本発明の液圧固定型ブッシュの構成をその他の各種カッター等に対して用いることもできる。
【0026】
(D)また、上記実施の形態では、液圧固定型ブッシュ10をテノーナーの機械主軸50に対して用いる場合について記載したが、本発明の液圧固定型ブッシュの構成をその他の工作機械、例えばモールダー等の機械主軸に対して用いることもできる。
【0027】
(E)また、上記実施の形態では、液圧チャンバー36にグリースを注入する場合について記載したが、グリース以外の他の液媒体、例えば油圧シリンダ等を作動させる作動油等を用いることもできる。
【0028】
以上説明してきた実施の形態や様々な変更例に説明に鑑みた場合、本発明では、以下の構成を採り得る。すなわち、「カラー部と、このカラー部から延びる円筒状のスリーブ部と、このスリーブ部に形成される液圧チャンバーとを有し、
回転工具の軸穴に前記スリーブ部を嵌合させた状態で前記液圧チャンバーに所定の液圧を作用させ、前記スリーブ部の外周がスリーブ部外径と前記軸穴の穴径との許容隙間以上に同心的に拡張する有効拡張領域を形成することで、このスリーブ部に対し前記回転工具を同心的に固定するのに用いる液圧固定型ブッシュであって、前記カラー部を前記スリーブ部の外周に沿ってカラー部側へ凹ませた溝部を備えた構成であり、この溝部を形成することで前記有効拡張領域が前記カラー部の所定の基準面に対応した位置に設定される構成であることを特徴とする液圧固定型ブッシュ。」という構成が考えられる。この所定の基準面が本実施の形態の基準面21に対応する。
このような構成によれば、溝部を設けない場合に比して有効拡張領域の位置をカラー部側へ移動させることが可能となり、これにより請求項1と同様の作用効果を奏することとなる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カラー部と、このカラー部から延びる円筒状のスリーブ部と、このスリーブ部に形成される液圧チャンバーとを有する液圧固定型ブッシュにつき、限られたセット厚みにおいて回転工具をスリーブ部に良好に装着するのに有効な構成技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の液圧固定型ブッシュ10の斜視図である。
【図2】液圧固定型ブッシュ10の部分断面図であって、この液圧固定型ブッシュ10に回転工具40および機械主軸50が装着された状態を示す。
【図3】図2の部分拡大図であって、液圧チャンバー36にグリース圧が作用していない状態を示す。
【図4】図2の部分拡大図であって、液圧チャンバー36にグリース圧が作用している状態を示す。
【図5】従来の液圧固定型ブッシュ110の部分断面図であって、回転工具40および機械主軸50が装着された状態を示す。
【符号の説明】
10…液圧固定型ブッシュ
20…カラー部
21…基準面
26…逃がし溝(溝部)
30…スリーブ部
30a…外周
30b…内周
32…インナースリーブ
34…アウタースリーブ
36…液圧チャンバー
40…回転工具
40a…軸穴
50…機械主軸(駆動軸)
A1…有効拡張領域
A2…境界近傍領域
t…拡張幅
Claims (2)
- カラー部と、このカラー部から延びる円筒状のスリーブ部と、このスリーブ部に形成される液圧チャンバーとを有し、
該スリーブ部に形成される液圧チャンバーは、該スリーブ部の内筒部分を構成するインナースリーブと、外筒部分を構成するアウタースリーブとで囲まれる円筒状の液圧チャンバーとして形成されており、
回転工具の軸穴に前記スリーブ部を嵌合させた状態で前記液圧チャンバーに所定の液圧を作用させ、前記スリーブ部の外周がスリーブ部外径と前記軸穴の穴径との許容隙間以上に同心的に拡張する有効拡張領域を形成することで、このスリーブ部に対し前記回転工具を同心的に固定する液圧固定型ブッシュであって、
前記カラー部は、前記回転工具の装着時に前記回転工具と当接する基準面を有し、前記カラー部を前記スリーブ部の外周に沿ってカラー部側へ凹ませた溝部を備えた構成であり、この溝部を形成することで前記スリーブ部の液圧チャンバーへの液圧作用により生じる前記有効拡張領域が、前記回転工具が装着されるスリーブ部の位置から該回転工具が当接するカラー部の基準面のスリーブ部の位置まで延びて設定されることを特徴とする液圧固定型ブッシュ。 - 請求項1に記載した液圧固定型ブッシュであって、
前記液圧チャンバーに所定の液圧を作用させることで、更に、前記スリーブ部の内周がスリーブ部内径と前記回転工具の駆動源を構成する駆動軸の軸径との許容隙間以上に同心的に縮小する構成であることを特徴とする液圧固定型ブッシュ。
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