JP4129521B2 - 層状複水酸化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂用配合剤として分散性が好適な層状複水酸化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
層状複水酸化物またはハイドロタルサイトと呼ばれる化合物は、以下の一般式で表される層状化合物である。
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2][An- x/n・mH2O]
ここで M2+ は2価金属、 M3+ は3価金属、 An- は層間陰イオンで、mは適当な有理数、nは整数、xは1を超えない有理数である。一般式において前半部の[M2+ 1-xM3+ x(OH)2]は、層状複水酸化物の基本層またはホスト層と呼ばれる金属水酸化物層であり、この基本層が一般式後半部の陰イオンと水分子から成る中間層またはゲスト層と呼ばれる層と交互に積み重なっている。
【0003】
層状複水酸化物は、難燃化剤、安定剤、成型改質剤および保温性改良剤などとして樹脂に添加され利用されてきた。特に、環境への配慮から毒性のない金属より構成されているMg-Al系層状複水酸化物は、層状複水酸化物のなかでも最もよく利用されている。しかし、樹脂練り込み時の分散性は悪く、例えば特開2000-290451、特開2000-290452および特開2001-164042など様々な検討がなされてきた。過去のこうした検討は、ある程度の分散性向上を達成してはいるが、技術の進歩に伴い、分散性への要求はさらに厳しくなることは必至である。
【0004】
最近になりT. Hibino and W. Jones (2000年、Journal of Materials Chemistry、第11巻、1321-1323頁)やF. Leroux and J.-P. Besse (2001年、Chemistry of Materials、第13巻、3507-3515頁)の論文において、ナノスケールで樹脂と層状複水酸化物が混合できる可能性が示唆された。両者とも層状複水酸化物を有機溶媒中で、基本層単層にまで剥離させて分散させる技術を報告している。
【0005】
この技術を利用すれば、溶媒中で層状複水酸化物を基本層単層まで剥離・分散し、溶媒に溶かした樹脂と溶液中で分子レベルまたは分子レベルに近い状態で混合可能である。剥離・分散に要する条件は、前者は溶媒としてホルムアミドを用いて室温で即時反応、後者では、ブタノールを用いて120℃−16時間還流を必要とする。前者はMg-Al-系層状複水酸化物において、層間陰イオンとしてグリシンを用い、後者は、Zn-Al系層状複水酸化物においてドデシル硫酸を用いている。
【0006】
しかし、前者においては、グリシン以外のアミノ酸、すなわち、セリン及びアスパラギン酸を使用した場合には、層剥離が起こらないことが明らかにされている。また、後者においては、Mg-Al-ドデシル硫酸系およびNi-Al-ドデシル硫酸系層状複水酸化物は合成できなかったとF. Lerouxら(2001年、Journal of Materials Chemistry、第11巻、105-112頁)の論文で述べられている。グリシンは、ドデシル硫酸や他のアミノ酸と比較してかなり安価であるが、樹脂との親和性はドデシル硫酸及び他のアミノ酸と比較して弱い。また前述のようにドデシル硫酸系層状複水酸化物は、単層剥離の操作に還流を必要として煩雑である上、Zn-Al系以外は合成に成功していない。このような経緯から分子レベルで樹脂に分散可能な樹脂配合剤として満足できる性能を有する層状複水酸化物は未だ得られてはいない。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来の層状複水酸化物の問題点を解消することにあり、具体的には、樹脂との親和性が良好であるとともに、その基本層単層まで剥離・分散可能で、これにより分子レベルまたは分子レベルに近い状態で樹脂と混合しうる層状複水酸化物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究の結果、層状複水酸化物の層間イオンとして、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれた1種または2種以上のアミノ酸を含有せしめることにより、得られた層状複水酸化物が、樹脂配合剤として極めて優れた性能を有し、上記従来技術の問題点を解消しうることを見いだし、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は次の(1)〜(3)に関するものである。
(1)層状複水酸化物を、ホルムアミド中で基本層である金属水酸化物層に剥離、分散された形態で含有する液状物であって、上記層状複水酸化物が、金属水酸化物からなる基本層と、陰イオン及び水分子とからなる中間層が交互に積層し、該中間層を構成する層間イオンとして、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有する層状複水酸化物であることを特徴とする、上記液状物。
(2)上記層状複水酸化物が、1種または2種以上の2価金属塩、及び/または1種または2種以上の3価金属塩と、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸とをアルカリ条件下、溶液状態で混合することにより共沈殿させて得られたものである(1)に記載の液状物。
(3)アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれた1種または2種以上のアミノ酸の使用量が、使用する金属塩中の陰イオン成分の合計モル数の2倍未満である(2)に記載の液状物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の液状物を含有する樹脂用配合剤。
【0010】
本発明の層状複水酸化物は、1種または2種以上の2価金属塩、及び/または1種または2種以上の3価金属塩と、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸とをアルカリ条件下、溶液状態で混合することにより共沈殿させることにより得られ、金属水酸化物からなる基本層と、陰イオン及び水分子とからなる中間層が交互に積層した層状複水酸化物において、中間層を構成する層間イオンとして、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有するものである。
【0011】
本発明の層状複水酸化物を一般式で表すと、以下のとおりである。
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2][ΣAn− y・mH2O]
式中、M2+ は、使用した金属塩由来の2価金属イオン、 M3+ は、使用した金属塩由来の3価金属イオンであり、 一般式において前半部の[M2+ 1-xM3+ x(OH)2]は、層状複水酸化物の基本層またはホスト層と呼ばれる金属水酸化物層である。同後半部の[ΣAn− y・mH2O]は、は陰イオン群と水分子からなる中間層であり、An−は、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンから選ばれるいずれか1種または2種以上のアミノ酸、金属塩由来の陰イオン、及びその他上記共沈殿溶液中に含まれる水酸化物イオン等の各陰イオンを表し、yは各陰イオンの上記一般式における組成比、nはイオン価数を示す。したがって、ΣAn− y、は各陰イオンを合わせたイオン群の総体を示し、各陰イオンにおけるyに価数nを掛けたものは全陰イオンに対する各陰イオンの電荷量としての割合(電荷占有率)を意味し、合計した数(Σy×n)はxに一致する。また、xは1を越えない有理数であり、mは、不定な有理数を示す。
【0012】
本発明の層状複酸化物をさらに具体的に説明すると、上記2価金属イオンは、具体的には、Mg2+、Zn2+、Co2+、Ni2+及びCu2+等であり、同3価金属イオンは、Al3+、Fe3+、Cr3+及びCo3 +等である。また、上記金属塩由来の陰イオンには、Cl−、NO3 −及びSO4 2−等が挙げられる。 本発明の層状酸化物としては、Mg-Al系層状複酸化物、Ni-Al系層状複酸化物、Co-Al系層状複酸化物あるいはZn-Al系層状複酸化物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、上記構造式中xは0.167〜0.250が好ましい。また上記アミノ酸の電荷占有率y×nは、高々20%でも単層剥離を起こすのに十分である。
【0013】
本発明に用いる層状複水酸化物の製造手段は、すでに公知となっている他の層状複水酸化物の共沈殿による合成法、例えばS. Miyata (1980年、Clays and Clay Minerals、第28巻、50-56頁)などに報告されている方法と類似するが、空気中に存在する二酸化炭素由来の炭酸イオンが生産物に混入すると、基本層単相への剥離現象が起きにくくなるので、合成およびその後の洗浄・乾燥は工程は、二酸化炭素及び/または炭酸イオンの非存在下、例えば窒素気流中で行うことがよく、また、使用する水は、予め炭酸イオンを除去しておくことが好ましい。
【0014】
本発明における共沈殿による合成法は、例えば、マグネシウム、亜鉛、コバルト、ニッケル等の2価金属、及び/またはアルミニウム、鉄、クロム等の3価金属の硝酸塩、塩化物あるいは硫酸塩を溶かした水溶液と、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンから選ばれるいずれか1種または2種以上のアミノ酸を溶かした水溶液を調整し、この2つの水溶液をゆっくりと混合する方法が好適である。
【0015】
この場合、混合するときは、NaOH水溶液等を適宜加えて常にpHがアルカリ性側にあるようにする、これにより、上記アミノ酸は、水溶液中では一価の陰イオンとして存在し、合成される層状複水酸化物の層間陰イオン成分の一部として中間層を形成する。
【0016】
一方、層間陰イオン成分として、本発明のアスパラギン、グルタミンおよびアルギニンから選ばれるいずれか1種または2種以上のアミノ酸を使用する場合、Mg-Al系層状複水酸化物の剥離・分散は非常に効果的であるが、Mg系では塩基性が強すぎるため、樹脂の種類によっては、樹脂の安定化剤として使用する場合、十分な特性が得られないことがある。
【0017】
すなわち、理由は明らかではないが、例えば、特開平11−255973号公報においては、ポリオレフィン樹脂の耐熱劣化性と成形加工機の発錆防止性を向上させるには層状複水酸化物を添加物とした場合、Mg系層状複酸化物からZn系層状複水酸化物に切り替えると良好な結果が得られる旨の記載がある。しかし、Mg以外の2価金属で同様な層状複水酸化物を作製しようとした場合アミノ酸類はキレート効果があり、Mg以外の2価金属はMgよりもキレート化され易いため、水酸化物合成時のアミノ酸と金属イオンとの一部キレート化により可溶化してしまい、Mg以外の金属系層状複水酸化物を効率的に得るのが難しくなることがある。
【0018】
これに対しては、アミノ酸と水酸化物イオン以外の陰イオン、すなわち使用する金属塩における陰イオン成分の総モル数に対し、総モル数でその2倍未満の量で、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンを使用することにより、水酸化物合成時のアミノ酸と金属イオンのキレート化を防ぐことができる。さらにアミノ酸の使用量について具体的にいうと、 アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンの使用量は、好ましくは使用する金属塩における陰イオン成分の総モル数に対し、総モル数で2倍未満、さらに好ましくは0.1倍前後である。
【0019】
得られた本発明の層状複水酸化物は、適当な溶媒、例えばホルムアミドを用いることにより、極めて容易に各基本層が剥離し、溶媒中に分散する。本発明による層状複水酸化物は、ホルムアミドに投入すれば、室温において単に攪拌するだけで剥離現象が発現する。
【0020】
したがって、本発明の層状複水酸化物を上記ホルムアミド等の適当な溶媒に分散した液状物は、樹脂配合剤として、分子レベルまたは分子レベルに近い状態で樹脂と混合することができる。また、このような予め溶媒に分散させて用いずとも、本発明の層状複水酸化物を樹脂に直接添加したのち上記適当な溶媒を添加し、混練してもよい。
【0021】
本発明の層状複水酸化物が配合される樹脂としては、極性基を適当に導入して変性したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びそれらのポリマーアロイなどが挙げられる。
【0022】
また、本発明の層状複水酸化物は、樹脂との親和性に極めて優れている。例えば、従来のMg-Al−グリシン系層状複水酸化物は、層間陰イオンとして、グリシンを使用するものであり、グリシンはアミノ酸類のなかで、最も簡単な構造を有し、炭素原子は2つしかなく、またアルキル基がないため、樹脂との親和性は劣る。これに対して、本発明において使用するアスパラギン、グルタミンおよびアルギニンは、側鎖にアルキル基を有するため、グリシンと比較して樹脂に対しはるかに高い親和性を有する。
【0023】
したがって、本発明の層状複水酸化物は、樹脂に対する難燃化剤、安定剤、成型改質剤、透明性および保温性改良剤等の配合剤として極めて有用なものである。
【0024】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は特にこれにより限定されるものではない。
【実施例1】
L-アスパラギン1水和物8.45gを、水に溶かした後、2N-NaOH水溶液を適量加えてpHを10に調整した。これとは別に、硝酸マグネシウム6水和物4.81gと硝酸アルミニウム6水和物2.34gを溶かした水溶液を用意し、上述のL-アスパラギン水溶液に50ml/hの速度で加えた。このとき、混合溶液は常にpHが10となるように、2N-NaOH水溶液を適宜加えた。以上により得られた共沈殿物を、水洗・風乾後、メノウ乳鉢により摩砕して粉末試料を得た。これら一連の実験は、空気中からの炭酸イオンの混入を避けるため、合成および洗浄・乾燥は、すべて窒素気流中で行い、使用する水も脱イオン・蒸留処理の後、JIS K 0102に従って炭酸を除去した。得られた粉末試料はX線回折装置によって測定され、底面間隔が8.04Åの層状複水酸化物単相であることが確認された。この層状複水酸化物に適量のホルムアミドを加えたところ、基本層の剥離により、容器下部に沈殿してくる固相のない半透明な液状物が得られた。
【0025】
【実施例2】
L-グルタミン8.22gを、水に溶かした後、2N-NaOH水溶液を適量加えてpHを10に調整した。これとは別に、硝酸マグネシウム6水和物4.81gと硝酸アルミニウム6水和物2.34gを溶かした水溶液を用意し、上述のL-グルタミン水溶液に50ml/hの速度で加えた。このとき、混合溶液は常にpHが10となるように、2N-NaOH水溶液を適宜加えた。以上により得られた共沈殿物を、水洗・風乾後、メノウ乳鉢により摩砕して粉末試料を得た。これら一連の実験は、空気中からの炭酸イオンの混入を避けるため、合成および洗浄・乾燥は、すべて窒素気流中で行い、使用する水も脱イオン・蒸留処理の後、JIS K 0102に従って炭酸を除去した。得られた粉末試料はX線回折装置によって測定され、底面間隔が8.11Åの層状複水酸化物単相であることが確認された。この層状複水酸化物に適量のホルムアミドを加えたところ、基本層の剥離により、容器下部に沈殿してくる固相のない半透明な液状物が得られた。
【0026】
【実施例3】
L-アルギニン9.80gを、水に溶かした後、2N-NaOH水溶液を適量加えてpHを10に調整した。これとは別に、硝酸マグネシウム6水和物4.81gと硝酸アルミニウム6水和物2.34gを溶かした水溶液を用意し、上述のL-アルギニン水溶液に50ml/hの速度で加えた。このとき、混合溶液は常にpHが10となるように、2N-NaOH水溶液を適宜加えた。以上により得られた共沈殿物を、水洗・風乾後、メノウ乳鉢により摩砕して粉末試料を得た。これら一連の実験は、空気中からの炭酸イオンの混入を避けるため、合成および洗浄・乾燥は、すべて窒素気流中で行い、使用する水も脱イオン・蒸留処理の後、JIS K 0102に従って炭酸を除去した。得られた粉末試料はX線回折装置によって測定され、底面間隔が8.19Åの層状複水酸化物単相であることが確認された。この層状複水酸化物に適量のホルムアミドを加えたところ、基本層の剥離により、容器下部に沈殿してくる固相のない半透明な液状物が得られた。
【0027】
【比較例1】
L-アスパラギン酸7.49gを、水に溶かした後、2N-NaOH水溶液を適量加えてpHを10に調整した。これとは別に、硝酸マグネシウム6水和物4.81gと硝酸アルミニウム6水和物2.34gを溶かした水溶液を用意し、上述のL-アスパラギン酸水溶液に50ml/hの速度で加えた。このとき、混合溶液は常にpHが10となるように、2N-NaOH水溶液を適宜加えた。以上により得られた共沈殿物を、水洗・風乾後、メノウ乳鉢により摩砕して粉末試料を得た。これら一連の実験は、空気中からの炭酸イオンの混入を避けるため、合成および洗浄・乾燥は、すべて窒素気流中で行い、使用する水も脱イオン・蒸留処理の後、JIS K 0102に従って炭酸を除去した。得られた粉末試料はX線回折装置によって測定され、底面間隔が12.35と7.82Åの層状複水酸化物混合相であることが確認された。この層状複水酸化物に適量のホルムアミドを加えたが、分散は悪く、層状複水酸化物は容器下部に沈殿した。
【0028】
【比較例2】
実施例1〜3および比較例1に準拠して作製した炭酸イオン型層状複水酸化物に、適量のホルムアミドを加えたが、分散は悪く、層状複水酸化物は容器下部に沈殿した。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る層状複水酸化物は、基本層単層までに容易に剥離・分散し、樹脂用配合剤として分散性が好適であるばかりでなく、樹脂との親和性が高く、樹脂に対する配合剤として極めて有用なものである。
Claims (4)
- 層状複水酸化物を、ホルムアミド中で基本層である金属水酸化物層に剥離、分散された形態で含有する液状物であって、上記層状複水酸化物が、金属水酸化物からなる基本層と、陰イオン及び水分子とからなる中間層が交互に積層し、該中間層を構成する層間イオンとして、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸を含有する層状複水酸化物であることを特徴とする、上記液状物。
- 上記層状複水酸化物が、1種または2種以上の2価金属塩、及び/または1種または2種以上の3価金属塩と、アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸とをアルカリ条件下、溶液状態で混合することにより共沈殿させて得られたものである請求項1記載の液状物。
- アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンからなる群から選ばれた1種または2種以上のアミノ酸の使用量が、使用する金属塩中の陰イオン成分の合計モル数の2倍未満である請求項2に記載の液状物。
- 請求項1〜3のいずれか一に記載の液状物を含有する樹脂用配合剤。
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