JPWO2020012649A1 - 層状複水酸化物及び樹脂複合材料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型からの離型性や溶融樹脂の流動性を改善する効果、更に、衝撃強度においても優れた効果を有し、かつ、耐熱性に優れるため、高温での成形を行う樹脂においても、加熱時に物性の低下を生じることがなく、更に、使用条件下で高温条件に曝されても物性の低下を生じないような樹脂組成物が得られるような層状複水酸化物を提供する。【解決手段】下記組成式で示される構造式を有し、400℃で層構造が崩壊しないことを特徴とする層状複水酸化物。[MI1−xMIIx(OH)2][An−x/n]・mH2O (1)MIは1価の金属種としてLi、2価の金属種としてMg、Zn、Ca、Cu、Zr、Co、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される少なくとも1であり、MIIは3価の金属種としてAl、Fe及びCoからなる群より選択される少なくとも1であり、An−は、n価の有機酸のアニオンを示す。An−で表される有機酸は、層間に取り込まれている。0.20≦x≦0.500≦m<2【選択図】なし

Description

本発明は、層状複水酸化物及び樹脂複合材料組成物に関する。
汎用プラスチックやエンジニアリングプラスチックは、汎用品から、宇宙関連、メディカル、3Dプリンターなどの先端分野まで極めて広範な範囲にて使用されている。更に、将来の新たな用途への使用についても、多くの分野で検討されている。そして、用途に応じて必要とされる物性は大きく相違しており、常に新たな用途に応じた、物性向上のための試みがなされている。したがって、種々の性能を従来以上に高めることができるような添加剤が得られれば、更に新たな用途への使用や需要の拡大が期待される。
このような観点から、樹脂複合材料の分野においては、物性の改善、機能性の付与、加工性の改善などを目的として様々な添加剤が複合的に使用されている。このような添加剤の例として、例えば射出成形用の樹脂であると、金型からの離型性や溶融樹脂の流動性を改善する目的で金属石鹸やワックスを添加することが多い。更には、このような添加剤として、層状複水酸化物を使用することも知られている(特許文献1、2等)。層状複水酸化物は、力学的な性能を向上させることができる点で、好ましい添加剤である。
このような層状複水酸化物について、従来以上に耐熱性、衝撃強度等が良好とできるものが提供できれば、上述した目的を良好に達成することが期待される。
汎用プラスチックやエンジニアプラスチックにおいては、成形時に樹脂を溶融する工程を経るため、この加熱時に添加剤が樹脂物性の悪化の原因となるおそれがある。特に、成形時の熱によって添加剤の分解を生じると、添加剤の効果が得られなくなるのみではなく、生じた分解物が樹脂分解の原因となることで、性能が悪化する場合もある。
また、比較的低温で成形できる樹脂であっても、溶融状態では温度むらが発生することも多く、局所的に成型装置における設定温度以上の箇所ができてしまうこともある。このような状況で、高温となった個所で添加剤が分解することが、成型品の物性低下の原因となる場合もある。
更に、上述したような層状複水酸化物を熱硬化性樹脂組成物において使用することも知られている(特許文献3等)。このような熱硬化性樹脂組成物においても、硬化のための熱処理時に添加剤である層状複水酸化物の分解を原因とする樹脂の分解を生じると、物性の低下を生じるおそれがある。また、熱硬化性樹脂には高温条件下で使用されるようなものも多く存在する。このような場合に、添加剤の耐熱性が不充分であると、硬化後の樹脂の使用時耐熱性が不充分になってしまうおそれもある。
層状水酸化物として、層間にスルホン酸化合物が取り込まれたものが特許文献4に開示されている。しかし、当該文献においては、充分に耐熱性が改善された層状水酸化物は記載されておらず、更に、樹脂中に添加剤として配合することについても記載されていない。
特許文献5においては、有機酸のイオンが無機の層状複水酸化物の層間にインターカレートされている層状複水酸化物を樹脂に添加することが記載されている。しかし、耐熱性に優れた層状複水酸化物を得るための検討はなされていない。
特表2002−500254号公報 特開2014−9267号公報 特開2017−82027号公報 特開平6−48742号公報 特開2007−262221号公報
本発明は、上記課題に鑑み、金型からの離型性や溶融樹脂の流動性を改善する効果、更に、衝撃強度においても優れた効果を有し、かつ、耐熱性に優れるため、高温での成形を行う樹脂においても、加熱時に物性の低下を生じることがなく、更に、使用条件下で高温条件に曝されても物性の低下を生じないような樹脂組成物が得られるような層状複水酸化物を提供することを目的とするものである。
本発明は、下記組成式で示される構造式を有し、400℃で層構造が崩壊しないことを特徴とする層状複水酸化物である。
[M 1−xII (OH)][An− x/n]・mHO (1)
は1価の金属種としてLi、2価の金属種としてMg、Zn、Ca、Cu、Zr、Co、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される少なくとも1であり、
IIは3価の金属種としてAl、Fe及びCoからなる群より選択される少なくとも1であり、An−は、n価の有機酸のアニオンを示す。An−で表される有機酸は、層間に取り込まれている。
0.20≦x≦0.50
0≦m<2
上記An−で表される有機酸は、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1の化合物であることが好ましい。
上記ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物は、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される化合物の群から選択される少なくとも1の化合物であることが好ましい。
R1−CSOH (2)
R1−C10SOH (3)
R1−C1412SOH (4)
R1−C14SOH (5)
(式中、R1は、アルキル基(C2n+1 n=1〜18)、アルケニル基(C2n n=2〜18)のいずれかの基を示す)
上記層状複水酸化物は、層状複合水酸化物全量に対する炭酸イオンの量が2重量%以下であることが好ましい。
本発明は、上述した層状複水酸化物を0.05〜5重量部と樹脂100重量部とを含有することを特徴とする樹脂複合材料組成物でもある。
本発明は、M及びMIIの炭酸塩でない塩化合物及び/又は水酸化物を溶解した水溶液(1)及び有機酸の水溶液(2)をpH8〜10を維持しつつ混合する工程(A)、並びに、
工程(A)によって得られた混合物を、100〜180℃の加熱加圧下で加熱熟成する工程(B)
を有することを特徴とする上述した層状複水酸化物の製造方法でもある。
本発明の層状複水酸化物は、熱可塑性樹脂の溶融粘度を低くし、それの成形加工性を高めることができ、成形時の金型からの離型性を高め耐衝撃強度も向上させることができる。更に、耐熱性に優れ、400℃でも層構造が崩壊しないため、成形時に高温に加熱することが必要な樹脂への添加剤として好適に使用することができる。更に、耐熱性に優れることから、高温条件で使用される場合にも樹脂組成物の物性の低下を生じにくい。
実施例1によって得られた本発明の層状複水酸化物のX線回折の測定結果を示す図である。 実施例2によって得られた本発明の層状複水酸化物のX線回折の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明は、下記組成式で示される構造式を有し、400℃で層構造が崩壊しないことを特徴とする層状複水酸化物である。
[M 1−xII (OH)][An− x/n]・mH
は1価の金属種としてLi、2価の金属種としてMg、Zn、Ca、Cu、Zr、Co、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される少なくとも1であり、
IIは3価の金属種としてAl、Fe及びCoからなる群より選択される少なくとも1であり、An−は、n価の有機酸のアニオンを示す。An−で表される有機酸は、層間に取り込まれている。
0.20≦x≦0.50
0≦m<2
層状複水酸化物は、樹脂の溶融時に、樹脂間の相互作用が抑制され樹脂同志が絡みにくくなることで、樹脂の流動性が向上するという効果を奏すると推測されている。更に、本発明においては、このような層状複水酸化物として、400℃でも層構造が崩壊しないものを使用することで、より優れた効果を得るものである。
本発明の層状複水酸化物は、400℃でも層構造が崩壊しない層状複水酸化物である。なお、本明細書において、「400℃でも層構造が崩壊しない」とは、実施例に記載した方法で測定した400℃加熱時の結晶構造保持率が15%以上であることを意味する。
このように、400℃でも層構造が崩壊しない層状複水酸化物とすることで添加剤として使用した際に、樹脂の流動性向上等の効果を得るできるものである。400℃以下で層構造が崩壊すると、その構造が変化することで添加剤としての効果が得られなくなるとともに、構造変化によって発生する分解ガスによって、樹脂の組成が変化するということによる問題も生じると推測される。また、加工温度が400℃未満であっても、溶融工程においては、部分的に400℃程度になってしまう部分が存在し得る。このため、成型温度が400℃以下であるような樹脂であっても、このような高い耐熱性を有する層状複水酸化物を使用すると、顕著に優れた効果が得られる。
更に、溶融熱成型工程のみに限らず、成型品が得られた後、その成型品の使用条件が高温や多湿等の過酷な条件となる用途が存在する。このような用途において、層状複水酸化物を使用する場合、上述した400℃でも層構造が崩壊しない層状複水酸化物を使用すると、使用時の樹脂の劣化を生じにくいという利点が存在する。
更に、本発明の層状複水酸化物は、実施例で記載した方法によって測定した熱重量減少測定による10重量%の重量減少が測定される温度は、300℃以上であることが好ましい。このように、高温でもその化学構造の変化が少なく、耐熱性に優れた層状複水酸化物とすることが好ましい。
上記10重量%の重量減少が測定される温度は、380℃以上であることが好ましく、400℃以上であることが更に好ましい。このようなものとすることで、上述した本発明の効果を好適に得ることができる。
上記一般式において、
0.20≦x≦0.50
である。このような範囲内のものとすることで、良好な性質を有する層状複水酸化物を得ることができる。
xの下限は、0.23であることがより好ましく、0.25であることが更に好ましい。
xの上限は、0.4であることがより好ましく、0.33であることが更に好ましい。
上記一般式において、
0≦m<2
である。すなわち、一定割合で水を含むものであってもよいし、含まないものであってもよい。
mの上限は、1.0であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましい。
本発明においては、層間に有機酸が取り込まれたものである。すなわち、上記一般式において、An−で表される構造として、有機酸が取り込まれたものである。このような有機酸は、陰イオンの状態で、上述した複水酸化物の層と層との間に存在するものである。
すなわち、本発明の層状複水酸化物は、n価の有機酸のアニオンが層間に取り込まれた構造をしている。なお、An−で表される構造である有機酸が層間に取り込まれていることは、X線回折測定によって確認することができる。
上記一般式におけるn(すなわち、有機酸の価数)は、特に限定されるものではないが、1であることがより好ましい。
上記n価の有機酸は、特に限定されるものではなく、カルボン酸、スルホン酸等を使用することができる。上述したように、本発明の層状複水酸化物は、400℃でも層構造が崩壊しないものである。このような耐熱性において、使用する有機酸の種類も影響を与える。より具体的には、有機酸は芳香環を有するものであることが好ましく、カルボン酸よりスルホン酸のほうが、優れた耐熱性が得られる傾向にある。
上記有機酸がスルホン酸化合物である場合、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1の化合物であることがより好ましい。
スルホン酸化合物は、上述した1種の化合物のみであってもよいし、2種以上の化合物が取り込まれたものであってもよい。
本発明において、このような「400℃でも層構造が崩壊しない」層状複水酸化物とするためには、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸を骨格とする有機酸を層間にインターカレートされた層状複水酸化物とすることが好ましい。これらの芳香族炭化水素基を有するスルホン酸を層間に取り込むことで、容易に耐熱性を向上させることができ、上述したような耐熱性が要求されるような樹脂組成物に好適に添加することができるものである。
上述したような芳香族環を有するスルホン酸化合物をAn−として使用すると、スルホン酸化合物自体の耐熱性が高く、且つ層に対してベンゼン環の相互作用により垂直配向性を保つため、衝撃に対してクッション性(バネ効果)を発現すると推測される。このために、衝撃強度に優れたものとすることができると推測される。
また、層間に取り込まれたアニオンとして、耐熱性に悪影響を及ぼすイオンが存在すると、これによって高温で層状構造を維持することが困難となる。よって、層間に取り込まれたアニオンとしては、その97重量%以上が上記ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物であることが好ましい。
上記ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸を骨格とする有機酸は、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物の群から選択される少なくとも1の化合物であることが好ましい。
(R1)−CSOH (2)
(R1)−C10SOH (3)
(R1)−C1412SOH (4)
(R1)−C14SOH (5)
(式中、R1は、アルキル基(C2n+1 n=1〜18)、アルケニル基(C2n n=2〜18)のいずれかの基を示す。
式中、pは、1〜5の整数を表す)
上記R1基は、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状で不飽和基を一つ又は複数有するアルケニル基のいずれかの基であることが好ましい。
より好ましくは、R1としてn=1〜14のアルキル基又はn=2〜14アルケニル基を有する有機酸であり、より好ましくはR1としてn=10〜14のアルキル基又はアルケニル基を有する有機酸である。
なお、上記(2)〜(5)の構造で表される化合物を使用する場合、スルホン酸基及びアルキル基の置換様式は特に限定されず、任意の置換位置で置換されたものとすることができる。
更に、R1による置換数pは、1〜5とすることができ、1であることが最も好ましい。
上記スルホン酸がこのような置換基を有するスルホン酸であると、より耐熱性に優れた層状複水酸化物とすることができる点で好ましい。なお、このような効果が得られる作用は、スルホン酸と金属複水酸化物の金属との相互作用により発現されると推測される。
上述したR1として表される置換基として、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、ヘキサデセニル基、オレイル基などが挙げられる。
層構造を形成する[M 1−xII (OH)]構造は、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
上記一般式中、Mは1価の金属種としてLi、2価の金属種としてMg、Zn、Ca、Cu、Zr、Co、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される少なくとも1である。上記Mは、なかでも、Mg,Znであることがより好ましい。なお、Mは、主として2価の金属種を主体とするものであることが好ましい。
は、金属種として1価の金属であるLiを含むものであってもよいが、その場合、Liの含有量は、MIIの全モル量に対して、50モル%以下であることが好ましい。
上記一般式中、MIIは3価の金属種としてAl、Fe及びCoからなる群より選択される少なくとも1である。上記MIIは、Alが特に好ましい。
上記M,MIIは、上記一般式中のxについて、
0.20≦x≦0.50
を満たす割合で存在することが好ましい。このような割合であることで、層状の複水酸化物として上述した本発明の目的を達成するものである。
本発明の層状複水酸化物は、上記一般式において0≦m<2となる範囲で層中に水分子を含有するものであってもよい。
更に、本発明の層状複水酸化物は、上述した効果を阻害しない範囲内で、その他のアニオンを層間に含むものであってもよい。層状複水酸化物は通常、層中に各種陰イオンを含むものであり、上記一般式においては、An−が陰イオンとして存在するものとして一般式を記載しているが、本発明の効果を阻害しない範囲内で、そのうちの一部が有機酸以外のアニオンに置換されたものであっても差し支えない。置換されていてもよいアニオンとしては、例えば、硫酸イオン、リン酸イオン等を挙げることができる。
但し、An−として、特に熱安定性を阻害するようなイオンは含まれないことが好ましい。本発明の層状水酸化物の熱安定性は、層間に含まれる陰イオンの種類によって影響される。したがって、炭酸イオンのように、加熱によって揮散しやすい陰イオンを含有しないことが好ましい。炭酸イオンは加熱時に炭酸ガスとして揮散しやすく、このため、炭酸イオンが存在すると高温でも層構造を維持することが困難となってしまう。
より具体的には、炭酸イオンの含有量が2重量%以下であることが好ましい。炭酸イオン含有量はX線回折測定によって確認した。評価方法は回折角度2θ=3.0°のスルホン酸を取り込んだ結晶相の回折強度(IS)と回折角度2θ=11.7°の炭酸イオンを取り込んだ結晶相の回折強度(Ic)の強度比(Ic/Is)により含有量を確認した。上記炭酸イオンの含有量は、1重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%以下であることが更に好ましい。
本発明の層状複水酸化物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、層状複水酸化物を構成する金属塩の水溶液を調整し、これを有機酸の水溶液と混合し、同時に水酸化ナトリウム等の塩基性溶液を添加してpHを調整しながら撹拌させる。そして、滴下終了後、100〜180℃オートクレーブ中で加熱し、その後濾過・洗浄・乾燥させることで、本発明の層状複水酸化物を得ることができる。反応中のpHは、8〜10の範囲内に維持することが好ましい。
層状複水酸化物の製造に関して、原料として金属イオンの炭酸塩化合物を使用することは好ましくない。炭酸イオンが層間に存在することとなって、高温で層構造が崩壊する可能性が高いためである。また、特許文献3においては、一旦、炭酸イオンが層間に保持されたような化合物を製造し、その後、熱処理した固体を使用して有機酸をインターカレートする方法で層状複水酸化物を製造している。しかし、このような方法で製造すると、この熱処理で得た固体が強塩基性を示すため、水に分散した場合、強アルカリ性となり大気中の二酸化炭素の溶け込みが避けられず、ある程度の量の炭酸イオンが残存した状態となる。このような状態のものであると、炭酸イオンが層間に存在することとなって、400℃で層構造が崩壊する可能性が高いため、好ましくない。
本発明の樹脂複合材料は、有機酸を層間にインターカレートした層状複水酸化物の0.05〜5.0重量部と、樹脂の100重量部とを含有している。好ましくは有機酸を層間にインターカレートした層状複水酸化物の0.05〜2.0重量部と、樹脂の100重量部とを含有したものである。より好ましくは有機酸を層間にインターカレートした層状複水酸化物の0.05〜1.0重量部と、樹脂の100重量部とを含有したものである。樹脂は、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂等の合成樹脂や天然樹脂のようなプラスチック、合成ゴム、エラストマーが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリシクロヘキシレン−ジメチレン−テレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、スチレン系樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上からなるポリマーアロイとして使用してもよい。
より具体的には、ポリオレフィン樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロンMXD6、ナイロン610、ナイロン612(ナイロンは登録商標)等が挙げられ、芳香族系ポリアミドであってもよい。ポリエステル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、芳香族ポリエステルであってもよい。ポリフェニレンオキサイド樹脂としては、2,6−ジメチルフェノールの重合体、2,6−ジフェニルフェノールの重合体、及びこれらの重合体にスチレン系樹脂又は他の樹脂をグラフトした重合体が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン−プロピレンゴム強化スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。ABS樹脂は、α−メチル変性及びN−フェニルマレイミド変性等の耐熱性ABS樹脂を含む。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体のようなスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。
更に、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等のスーパーエンプラに対して使用することもできる。スーパーエンプラは、一般的に高温で成形されることが多いため、本発明の層状複水酸化物による効果が期待される。
本発明の樹脂複合材料は、上述した層状複水酸化物及び樹脂以外に、任意の公知の成分を含有するものであってもよい。このような成分としては特に限定されず、例えば、染料・顔料、有機・無機フィラー、安定剤等の他の添加剤等を挙げることができる。このような他の添加剤の配合量は特に限定されるものではないが、50重量%以下であることが好ましい。
本発明の樹脂複合材料は、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。熱硬化性樹脂組成物は、高温・高湿等の過酷な条件下で使用されることが多い。このような場合に、本発明の層状複水酸物を含有する樹脂複合材料は、高い耐熱性を有するものであることから、樹脂の劣化を生じにくいものである。
熱硬化性樹脂組成物である本発明の樹脂複合材料は、樹脂として公知の任意の熱硬化性樹脂を使用することができる。具体的には、水酸基含有樹脂やエポキシ樹脂を各種硬化剤と組み合わせた樹脂等を挙げることができる。
更に、本発明の樹脂複合材料は、紫外線硬化型の樹脂組成物であってもよい。紫外線硬化型の樹脂もまた、過酷な環境下で使用されることが多いため、本発明のような安定性の高い樹脂複合材料は良好に使用することができる。紫外線硬化型の樹脂としては、不飽和基を含有する化合物及び光重合開始剤を主成分とした公知の樹脂を使用することができる。
以下に、本発明の層状複水酸化物及びこれを含有する複合樹脂材料を試作した例を示す。
(参考実験:層状複水酸化物中の炭酸イオン測定方法の確認)
まず、以下の参考例1~3の実験により、層状複水酸化物中の炭酸イオン量の測定方法が妥当なものであることを確認する。
参考例1:炭酸イオン及びドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製1
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、62%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬)230gと炭酸ナトリウム1.5gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムの混合水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで粉砕した。これにより、ドデシルベンゼンスルホン酸と炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を参考例1と略記する。
参考例2:炭酸イオン及びドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製2
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、62%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬)200gと炭酸ナトリウム3gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムの混合水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで粉砕した。これにより、ドデシルベンゼンスルホン酸と炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を参考例2と略記する。
参考例3:炭酸イオン及びドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製3
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、62%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬)130gと炭酸ナトリウム15gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムの混合水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで粉砕した。これにより、ドデシルベンゼンスルホン酸と炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を参考例3と略記する。
参考例1〜3の方法で得た層状複水酸化物の炭酸イオン量とドデシルベンゼンスルホン酸イオンをインターカレートした回折強度(Is)と炭酸イオンをインターカレートした回折強度(Ic)の強度比(Ic/Is×100)をまとめると以下表の結果となる。
Figure 2020012649

上述した結果から、炭酸イオン含有量に従い強度比が上昇する傾向が得られ、これらは比例の関係であることが認められる。したがって、上述した方法によって層状複水酸化物中の炭酸イオンの量を分析できることが明らかである。
以下に、本発明の層状複水酸化物及び比較例となる層状複水酸化物の合成及び物性評価を行う。
(調製実施例1:ドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製)
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、62%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬)250gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで3回繰り返し、平均粒子径30μmに調整した。これにより、ドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を実施例1と略記する。
(調製実施例2:トルエンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製)
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、p−トルエンスルホン酸(和光純薬)80gをイオン交換水3000gに水酸化ナトリウム18gを溶解した水溶液に投入し溶解させp−トルエンスルホン酸ナトリウム水溶液とし反応釜に投入する。p−トルエンスルホン酸ナトリウム水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで3回繰り返し、平均粒子径30μmに調整した。これにより、トルエンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物からなる樹脂改質剤が得られた。以下この固体を実施例2と略記する。
(調製比較例1:炭酸イオンをインターカレート層状複水酸化物の調製)
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、炭酸ナトリウム(和光純薬)30gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。炭酸ナトリウム水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで3回繰り返し、平均粒子径30μmに調整した。これにより、炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を比較例1と略記する。
(調製比較例2:ステアリン酸をインターカレート層状複水酸化物の調製)
硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬)170g、硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬)240gを、イオン交換水1000gに溶解し混合金属水溶液を調製する。
一方、工業用ステアリン酸120gをイオン交換水3000gに水酸化ナトリウム18gを溶解した水溶液に投入し溶解させステアリン酸ナトリウム水溶液とし反応釜に投入する。ステアリン酸ナトリウム水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、混合金属水溶液を滴下速度30ml/minで滴下する。これと同時に3Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH8〜10となるように滴下する。混合金属水溶液の滴下完了後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで3回繰り返し、平均粒子径30μmに調整した。これにより、ステアリン酸をインターカレートした層状複水酸化物が得られた。以下この固体を比較例2と略記する。
(比較調製例3及び4)
比較例3は、モンタン酸ワックス(クラリアント製 商品名:リコワックスE)のみを秤量したものであり、比較例4は、ステアリン酸カルシウム(和光純薬)のみを秤量したものである。
(比較例5:複合酸化物を使用したドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の調製)
比較例1の固体を500℃の電気炉にて2時間熱処理を行った。この複合酸化物固体をL-500と略記する。
一方、62%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬)250gをイオン交換水3000gに溶解し反応釜に投入する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を250〜300rpmで攪拌させながら、L−500を50g添加する。L−500を添加後、オートクレーブにて130℃で3時間加熱熟成を行う。3時間後、液体と固体に分別して、固体を1000gのイオン交換水にて洗浄した。洗浄後の固体を100℃以上の乾燥機にて24時間乾燥を行った。乾燥後の固体をジェットミルにて粉砕を行なった。ジェットミルの条件は粉砕圧0.5MPa、試料投入速度1メモリで粉砕した。これにより、複合酸化物を使用したドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレートした層状複水酸化物の固体を得た。以下この固体を比較例5と略記する。
(物性評価: 有機酸をインターカレートした層状複水酸化物の結晶構造の確認)
実施例1、2の夫々の有機酸をインターカレートした層状複水酸化物及び比較例1,2について、X線回折(XRD)により、結晶構造の確認を行なった。
実施例1のX線回折の測定結果を図1に、実施例2のX線回折の測定結果を図2にそれぞれ示した。
X線回折は、X線回折装置を使用して測定した。その測定条件として、対陰極に銅(Cu Kα λ=1.54Å)を採用し、管電圧40kV,管電流100mA、スキャンスピード2.00°/minとした。そして、測定角度範囲2θ=2〜65°の範囲内でX線を照射し、回折図を得るとともに、ピークの先端から2θを求め、面間隔dをBraggの式(nλ=2dsinθ)に従い算出した。
実施例1のドデシルベンゼンスルホン酸をインターカレート層状複水酸化物は、格子定数c0=29Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付けすると、図1に示すように(001)〜(003)といった、連続する(00l)による回折線が観測されることから、c軸方向に積層した層構造を有していることが分かった。また、格子定数a0の値は一般的に報告されている値(3.0Å)と一致しているから、この化合物は、層状複水酸化物様化合物であると分かった。層間距離の値から層の厚みを差し引いた値が、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンの分子サイズとほぼ一致することから、この化合物はドデシルベンゼンスルホン酸イオンが層間で、層に対して垂直にインターカレートしている構造を有していると考えられる。その上層と下層とは、層間のドデシルベンゼンスルホン酸同士の分子間力により保たれていると考えられる。
更に、比較例1の炭酸イオンをインターカレート層状複水酸化物は、格子定数c0=7.8Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付けすると(001)〜(002)といった、連続する(00l)による回折線が観測されることから、c軸方向に積層した層構造を有していることが分かった。また、格子定数a0の値は一般的に報告されている値(3.0Å)と一致しているから、この化合物は、層状複水酸化物様化合物であると分かった。層間距離の値から層の厚みを差し引いた値が、炭酸イオンの分子サイズとほぼ一致することから、この化合物は炭酸イオンがインターカレートした層状複水酸化物と考えられる。
実施例2のトルエンスルホン酸をインターカレート層状複水酸化物は、格子定数c0=17Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付けすると、図2に示すように(001)〜(005)といった、連続する(00l)による回折線が観測されることから、c軸方向に積層した層構造を有していることが分かった。また、格子定数a0の値は一般的に報告されている値(3.0Å)と一致しているから、この化合物は、層状複水酸化物様化合物であると分かった。層間距離の値から層の厚みを差し引いた値が、トルエンスルホン酸イオンの分子サイズとほぼ一致することから、この化合物はトルエンスルホン酸イオンが層間で、層に対して垂直にインターカレートしている構造を有していると考えられる。その上層と下層とは、層間のトルエンスルホン酸同士の分子間力により保たれていると考えられる。
比較例2のステアリン酸をインターカレートした層状複水酸化物は、格子定数c0=29Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付けすると、(001)〜(007)といった、連続する(00l)による回折線が観測されることから、c軸方向に積層した層構造を有していることが分かった。また、格子定数a0の値は一般的に報告されている値(3.0Å)と一致しているから、この化合物は、層状複水酸化物様化合物であると分かった。層間距離の値から層の厚みを差し引いた値が、ステアリン酸イオンの分子サイズとほぼ一致することから、この化合物は、ステアリン酸イオンを層間にインターカレートした層状複水酸化物であると考えられる。
比較例5の方法で得られた層状複水酸化物についても、同様にX線回折による分析を行った。比較例5は、実施例1と同様に格子定数c0=29Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付けできる回折パターンの他に、格子定数c0=7.8Å、a0=3.0Åの六方晶系として指数付できる回折パターンが混在していることが解った。 比較例5はドデシルベンゼンスルホン酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物の他に炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が混在していると考えられる。次に、比較例6、7及び8の方法で得られた層状複水酸化物について、X線回折による分析を行った結果、比較例5と同様の回折パターンが得られ、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物の他に炭酸イオンをインターカレートした層状複水酸化物が混在した固体を得た。
Figure 2020012649


比較例5で観測されるIc/Isが7.6であることから、比較例6〜8の傾向より比較例5の炭酸イオン含有量は3.0重量%であると考えられる。
一方、実施例1で観測されるIc/Isが0.7であることから、炭酸イオン含有量は0.3重量%であることが確認できた。
(物性評価: 有機酸をインターカレートした層状複水酸化物の熱的特性の確認)
実施例1、2の夫々の有機酸をインターカレートした層状複水酸化物及び比較例1〜4について、熱重量示差熱分析装置(RIGAKU製 Thermo Plus TG-8120)を使用して熱重量減少測定を行い10w.t%の重量減少が観測される温度を測定した。
測定条件は雰囲気:窒素(50ml/min) 昇温速度:20℃/min 測定温度:室温〜450℃ 標準物質:α-アルミナ とした。
実施例1、2の夫々の有機酸をインターカレートした層状複水酸化物及び比較例1,2を各々るつぼに1g秤とり400℃で3時間加熱を行った。400℃加熱後の固体をX線回折(XRD)により、結晶構造の確認を行なった。層状複水酸化物の結晶構造保持率について加熱前後の基本面を示す回折ピーク強度を比較することで算出した。
加熱前回折強度 I0
加熱後回折強度 Ia
結晶構造保持率 Irc = Ia/I0 ×100
以下表3に実施例1,2及び比較例1〜4の10%の重量減少率が生じる温度結果を記載した。
Figure 2020012649

先の400℃加熱後XRD結果を示唆するように比較例1〜4は400℃未満で10重路油%の重量減少が生じている傾向が認められる。一方、実施例1,2は400℃以上で重量%重量減少が生じており、実施例1,2は比較例1〜4よりも耐熱性が高いことがわかる。
実施例1,2、比較例1,2,5及び参考例1,2,3の層状複水酸化物を400℃で3時間加熱処理した固体の結晶構造保持率を以下表4に記載した。
Figure 2020012649

比較例1,2は400℃加熱により結晶構造が崩壊し基本面の回折ピークが消失している。
一方、実施例1,2は結晶構造が残存していることが認められる。
同時に回折角度が高角度側にシフトしていることから層間の収縮が認められる。これはベンゼン環の相互作用により配向性が変化せず、層間水の脱離により不安定になったスルホン酸基が近接する金属水酸化物の水酸基と置き換わることで有機酸と層が疑似的な架橋構造となり耐熱性が向上したと考えられる。
また、炭酸イオンが層間に保持されたような化合物を製造し、その後、熱処理した固体を使用して有機酸をインターカレートする方法で得た比較例5の層状複水酸化物は、400℃で層構造が崩壊するものであり、本発明の層状複水酸化物のような優れた耐熱性を有するものではない。
(実施例1〜2、及び比較例1〜4の樹脂混練評価)
実施例1,2の有機酸をインターカレートした層状複水酸化物からなる樹脂複合材料及び比較例1〜4の化合物を使用した、樹脂複合材料を作製した。
ベース樹脂となる樹脂は、ポリカーボネート(出光興産株式会社製 商品名:タフロンIR2200)を使用した。混練機は二軸溶融混練機(株式会社東洋精機製作所製;商品名ラボプラストミル:容量60ml)を使用した。ポリカーボネートを混練機に投入して、280℃、30rpmで、実施例1,2の樹脂改質剤又は比較例1〜4の化合物を、0.2wt%となるように投入して、混練するという方法で行なった。混練後の樹脂を撹拌羽根より取り除く際に、羽根に残存する割合により離型性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2020012649

*離型性の判定は、○ブランクよりも撹拌羽根への残存が少ない。×ブランクよりも撹拌羽根への残存が多いとした。
実施例1,2及び比較例1,3は離型性が向上することが認められる。
次に、この混練物を、押出し成形機に、10g投入して320℃で再度溶融させて、76mm×10mm×2.5mmとし中心部に2mmのノッチを付けた試験片を作製した。
(物性評価:樹脂複合材料の溶融流動性評価)
溶融流動性の評価を、JIS K7210に準じて行った。
実施例1,2及び比較例1〜4の樹脂複合材料をメルトインデクサーに5g程度投入し、完全に溶解させた。 押出し棒に重りを取り付け、装置シリンダー内より溶融した樹脂を押出し、押し出された重量を評価した。数値は10分間に押し出された重量として換算した。
<条件>
荷重:1.2kg オリフィス径:2mm カット間隔:10秒 測定温度:300℃
(物性評価:樹脂複合材料の衝撃強度評価)
衝撃強度の評価を、JIS K7111に準じて行った。
実施例1,2及び比較例1〜4の樹脂複合材料のシャルピー衝撃強度評価を行った。試験片は、室温23℃、相対湿度50%の恒温室内に12時間以上放置した後に評価を行った。測定に使用したハンマータイプは2Jとした。
以下表に実施例1,2及び比較例1〜4のメルトマスフローレート(MFR)及びシャルピー衝撃強度結果を記載した。
Figure 2020012649

実施例1,2及び比較例1〜4はブランクよりも流動性が向上することが認められる。
これは樹脂間に層状複水酸化物又は溶融物や分解物が介在することで樹脂間の相互作用を抑制し樹脂同士が絡み難くなったことに起因していると考えられる。
一方、衝撃強度において比較例1,2,4はブランクよりも著しく低下した。
これは比較例1,2,4が試験片の加工温度により分解が生じ効果が消失すると同時に、分解ガスなどによりPC樹脂組成に影響が生じたと考えられる。
実施例1,2においては、衝撃強度低下の度合いが低いことが認められる。実施例1においてはブランクと同等若しくはそれ以上の傾向となり衝撃強度の向上が認められる。
実施例1は耐熱性が高く且つ層に対してベンゼン環の相互作用により垂直配向性を保つ為、衝撃に対してクッション性(バネ効果)を発現していることに起因していると考えられる。実施例2より実施例1の効果が高いのは、実施例1の方が実施例2よりも層間拡張が大きいためと考えられる。
本発明の層状複水酸化物は、樹脂、とりわけ加工温度が高温であるエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックに対して溶融粘度を低くし、それの成形加工性を高め、且つ耐衝撃強度を向上させる樹脂添加剤として有用である。

Claims (6)

  1. 下記組成式で示される構造式を有し、400℃で層構造が崩壊しないことを特徴とする層状複水酸化物。
    [M 1−xII (OH)][An− x/n]・mHO (1)
    は1価の金属種としてLi、2価の金属種としてMg、Zn、Ca、Cu、Zr、Co、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される少なくとも1であり、
    IIは3価の金属種としてAl、Fe及びCoからなる群より選択される少なくとも1であり、An−は、n価の有機酸のアニオンを示す。An−で表される有機酸は、層間に取り込まれている。
    0.20≦x≦0.50
    0≦m<2
  2. n−で表される有機酸は、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1の化合物である請求項1記載の層状複水酸化物。
  3. 前記ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸を骨格とするスルホン酸化合物は、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される化合物の群から選択される少なくとも1の化合物である請求項2に記載の層状複水酸化物。
    R1−CSOH (2)
    R1−C10SOH (3)
    R1−C1412SOH (4)
    R1−C14SOH (5)
    (式中、R1は、アルキル基(C2n+1 n=1〜18)、アルケニル基(C2n n=2〜18)のいずれかの基を示す)
  4. 層状複合水酸化物全量に対する炭酸イオンの量が2重量%以下である請求項1,2又は3記載の層状複水酸化物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の層状複水酸化物を0.05〜5重量部と樹脂100重量部とを含有することを特徴とする樹脂複合材料組成物。
  6. 及びMIIの炭酸塩でない塩化合物及び/又は水酸化物を溶解した水溶液(1)
    及び有機酸の水溶液(2)をpH8〜10を維持しつつ混合する工程(A)、並びに、
    工程(A)によって得られた混合物を、100〜180℃の加熱加圧下で加熱熟成する工程(B)
    を有することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の層状複水酸化物の製造方法。

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