JP4129413B2 - 微細多孔質セラミックス素材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の構造材料や高温用フイルター、電極材料、含浸用母材など、各種産業の基礎材料として使用する多孔質セラミックスに関するものであって、特に、形成された気孔の大きさ(サイズ)とその分布とが均一である微細多孔質セラミックス素材、および、形成させる気孔サイズの制御が容易である微細多孔質セラミックス素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔質セラミックスは、フイルター、触媒担体、センサー、耐火物、軽量用構造材、含浸用母材等、各種産業の基礎材料として広範囲に使用されている素材である。ところが、このような多孔質セラミックス素材に形成された気孔の大きさや分布が不均一(偏差が大きい)である場合、素材に加えられた応力が素材全体にわたって均一に分散せず、力学的に脆弱である気孔の密集部分などに応力が集中するため、素材上の強度分布が不均一となる。すなわち、応力に対する多孔質セラミックス素材の強度を極度に低下させないためには、気孔の分布および大きさを制御することが、素材の品質向上のための重要な課題である。
【0003】
ここで一般に、多孔質セラミックス素材の製造方法は、次のような大きく2種類の方法に分けられる。
【0004】
まず第1の方法は、セラミックスに熱分解性物質または揮発性物質を添加して混合した後、この混合物中の揮発性成分を揮発させることにより、気孔を形成する方法である。具体的には、米国特許第5,358,910号に開示されている方法があげられる。ここで開示された方法では、まずセラミックと高分子とをボールミーリング等により混合した後、前記混合物から所定形状の成形体を作る。次に、前記成形体に熱を加えることにより、成形体の高分子成分に含まれた燃焼性物質の燃焼や、揮発性物質の揮発などの、いわゆる熱分解反応を生じさせる。
【0005】
このとき、熱を受けた成形体中のセラミック成分は焼結されるため、前記高分子成分の揮発性物質が揮発した部分(揮発跡)には気孔が形成され、多孔質セラミックスとなる。
【0006】
しかしこの方法では、セラミックスと熱分解性物質または揮発性物質とを混合する過程が必須となるが、この混合過程で原料物質を100%均一に混合することが不可能であることや、熱分解性物質や揮発性物質の物性が多様であるため、目的とする素材特性に合うような、大きさや分布が均一な気孔(すなわち、揮発性物質の揮発跡)を形成させることが困難である。
【0007】
次に、第2の方法として、セラミックスの焼結性を低下させることにより、多孔質セラミックス素材を製造する方法があげられる。
【0008】
ここで、この第2の方法は、さらに2つのサブ方法に分けることができる。1つ目のサブ方法は、例えば焼結温度を適正焼結温度以下にして焼結するなど、セラミックスの焼結条件を変更して、セラミックスの相対密度を下げることにより、より多くの気孔を形成させる方法である。しかしながら、この方法で製造された多孔質セラミックスは、最適焼結条件で焼結されていないため、強度等の機械的特性が顕著に低下してしまう。
【0009】
2つ目のサブ方法は、米国特許第6,214,078号に記載された方法であり、セラミックス原料の粒子サイズの差異に起因した焼結性の低下を利用して、多孔質セラミックスを製造する方法である。この方法では、まずサイズが大きい粒子からなるセラミックス原料とサイズが小さい粒子からなるセラミックス原料とを混合させた後、前記混合物から所定形状の成形体を作り、前記成形体に熱を加えて焼結させる。ここで、サイズが大きい粒子の表面エネルギーが、サイズの小さい粒子のそれと比べて相対的に低いため、加熱時にサイズが大きい粒子の振動が顕著となる。これにより焼結作用の進行が妨害されて、セラミックスの相対密度が低下する結果、気孔が形成される。
【0010】
しかしながらこの方法であっても、上述した原料混合の不均一性により、気孔の大きさおよび分布が不均一となることや、大きさの制御が困難となることなどの問題がある。
【0011】
一方、セラミックスに関する発明ではないが、米国特許第5,158,986号では、多孔性高分子プラスチック材料を製造する方法が開示されている。上記方法では、超臨界流体状態(supercritical state)の二酸化炭素(CO2)を利用してプラスチック材料を飽和させた後、圧力を急激に下げることにより多数の気泡を発生させ、微細多孔質プラスチック材料を製造する方法が開示されている。すなわち、気孔形成の媒介体としての二酸化炭素(CO2)を超臨界状態で使用することにより、材料全体にわたって気孔が比較的均一に分布した微細多孔質プラスチック材料を製造できるとされている。
【0012】
しかしながら、上記米国特許で開示された方法では、気孔形成の媒介体である二酸化炭素(CO2)を超臨界状態とするために、加熱装置等の追加的な設備が必要となるので、製造コストが増大してしまうという問題がある。また、二酸化炭素(CO2)を超臨界状態とするためには、飽和状態の二酸化炭素(CO2)を冷却して比体積を減らし、さらに加圧または加熱する等の予備的な工程が必要となるので、作業工程が増加してしまうという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、気孔が素材全体に均一に分布し、かつ、気孔の大きさが均一である微細多孔質セラミックス素材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術における問題を克服するために検討した結果、
(1)高分子セラミック前駆体(polymer ceramic precursor)が含まれた成形体に、気孔形成の媒介体としての亜臨界状態の流体を導入した後、これを溶出させ、
(2)急激に圧力を下げるか熱を加えることによる熱力学的不安定性を利用して多数の気泡を形成し、
(3)微細多孔質セラミックス材料の熱分解により、微多孔性成形体を硬化変形させることで、
素材全体にわたって均一に分布し、かつ、その大きさが比較的均一である気孔が形成されることを見出した。
【0015】
ところで、この高分子セラミック前駆体とは、セラミック成分と揮発成分とからなり、熱処理によって究極的にセラミックに変換される高分子材料である。本発明者らは、上述したように、超臨界状態の流体を気孔形成の媒介体として用いる代わりに、上記高分子セラミック前駆体に亜臨界状態の流体を導入することにより、目的とする素材の特性に合う機械的特性を有する微細多孔質セラミックス素材を作り得ることを見出した。
【0016】
ここで流体とは、その臨界状態を基準として、亜臨界流体、臨界流体、超臨界流体に区分される。ここにおける臨界状態とは、液体と気体の性質が同じであるため相変化を観察できない状態であり、このときの温度、圧力は、それぞれ臨界温度、臨界圧力と呼ばれる。つまり、臨界温度とは気体−液体の平衡が生じ得る最高温度であり、このときの圧力が臨界圧力である。また、超臨界流体とは、このような臨界状態以上の状態、すなわち超臨界状態にある流体であり、この場合、流体は液体でも気体でもない第3の状態であるいわゆるフルイド(fluid)状態である。なお、このような超臨界流体は液体と気体の性質を同時に有するため、液体状の溶解力と気体状の拡散性をあわせ持つ。
【0017】
しかしながら、上記米国特許第5,158,986号で開示されたように、超臨界流体を用いて多孔性高分子プラスチック材料を製造する技術では、上述したように、流体を超臨界流体状態に作るための追加的な装置および工程が必須となるため、製造コストが増大してしまう。
【0018】
本発明者らはこれら従来の技術にかかる問題について鋭意検討した結果、一般的な状態である亜臨界状態の流体を用いながらも、その圧力を調節することにより、十分な強度特性を有した微細多孔性材料を作製できることを見出した。また、この方法はセラミックス素材に対して一層適合することを見出した。
【0019】
本発明は上記のような技術的思想に基づいたものであって、上記目的を達成するために、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造方法は、高分子セラミック前駆体(polymer ceramic precursor)粉末とセラミック粉末とからなる出発原料を混合し、これを成形して成形体を製造する工程と、圧力容器から前記成形体に亜臨界状態の流体を導入させて飽和させる工程と、前記圧力容器の圧力を調節して前記成形体に飽和された亜臨界状態の流体を過飽和状態に作る工程と、前記圧力容器の圧力を突然下げる、または、前記成形体を加熱することによる熱力学的な不安定性を利用して、前記成形体を前記高分子セラミック前駆体のビカット軟化温度と溶融温度との間の範囲の温度で加熱して、前記成形体から亜臨界状態の流体を溶出させて前記成形体に微細な気孔を形成する工程と、前記微細な気孔が形成された成形体を硬化する工程と、前記硬化された成形体を加熱して熱分解する工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造方法は、上記出発原料の混合および成形工程にて、セラミック粉末を含まない純粋な高分子セラミック前駆体だけを出発原料とした構成とすることができる。
【0021】
ここで、従来のように、超臨界流体を気孔形成の媒介体として使用する場合には、圧力条件を調整するだけで流体を超臨界状態とすることが困難であるため、温度を上昇させることが必須となる。このため、温度および圧力を調節するための設備および付加的な工程を設けなければならない。しかしながら、本発明では、超臨界状態の流体を使用しないため、例えば、常温条件下で、圧力だけを調整することにより、微細多孔性材料の気孔の数、気孔率、気孔密度等が制御できる。これにより、微細多孔質セラミックス素材をより簡便に製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造方法およびその素材について詳しく説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造工程を示す図である。ここで示すように、本発明の微細多孔質セラミックス素材を製造するための第1番目の工程は、出発原料を混合して成形する工程である、
【0023】
出発原料には、微細多孔質セラミックス素材の原料となる高分子セラミック前駆体が必ず含まれている。この高分子セラミック前駆体としては、例えば、ポリカーボシラン(polycarbosilane)、ポリシロキサン(polysiloxane)、ポリシラザン(polysilazane)等があげられる。
【0024】
ここで、上記高分子セラミック前駆体には、全てケイ素(Si)が含まれているという共通点がある。また、上記高分子セラミック前駆体は粉末状態で出発原料中に含まれており、通常1〜200μmの粒度分布を有する体積平均粒径50μm以下の微細な粉末であることが望ましい。
【0025】
この出発原料には、さらにセラミックス粉末を添加することができる。勿論、上述したように、セラミック粉末を添加せず、純粋な高分子セラミック前駆体だけを出発原料とすることができる。このときは、出発原料の混合工程が必要とならないため、直ちに成形することができる。
【0026】
上記セラミック粉末は、焼結添加剤として、または、微細多孔質セラミックスの組成物を変化させることを目的とした物質として添加される。ところで、焼結添加剤として添加される主要なセラミック粉末成分としては、酸化アルミニウム(Al2O3)や酸化イットリウム(Y2O3)があり、微細多孔質セラミックスの組成を変化させる目的で添加されるセラミック粉末成分としては、ケイ素(Si)が含まれた粉末、すなわち炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN4)等があげられる。また、目的とする素材の特性に従って、このような2種類のセラミック粉末を全て添加することもできる。
【0027】
上記出発原料には、その全体質量の少なくとも50質量%以上の高分子セラミック前駆体が含まれていることが好ましい。これは、出発原料に含まれる高分子セラミック前駆体が50質量%以下であると、亜臨界状態の流体を導入させる工程で、成形体内部へ入った流体が、高分子セラミック前駆体と異なる成分との界面から成形体外へと拡散されやすくなるため、成形体を亜臨界状態流体で飽和することが困難となり、気孔を形成する工程で目標とする微細気孔を作成できなくなることによる。なお、上記高分子セラミック前駆体は、出発原料の全体質量のうち80質量%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0028】
他方、出発原料に含まれる上記セラミック粉末は、その全体質量の50質量%以下であることが好ましい。これは、上述したように、出発原料に添加された高分子セラミック前駆体以外の成分が50質量%を超えると、導入された流体が外部へ拡散されやすくなるため、気孔形成が抑制されてしまうことによる。ところが、セラミック粉末を焼結添加剤として添加する場合(すなわち、Al2O3やY2O3を用いる場合)には、その添加量が出発原料の20質量%を超えることは好ましくない。この理由は、その添加量が出発原料の20質量%を超えると、以後の焼結工程において、セラミック粉末が溶け出しやすくなり、液状となって気孔を塞いでしまうことで、気孔構造が変形される結果、気孔の数や密度が減少してしまうためである。したがって、目的とする素材の特性に応じて2種類のセラミック粉末、例えば、焼結添加剤としてのAl2O3と、セラミック成分調整のためのSiCとを一緒に添加する場合には、セラミック粉末の添加量は出発原料の50質量%以下としなければならない。また、この場合、焼結添加剤成分(Al2O3)の添加量は出発原料の20質量%を超えることは好ましくない。
【0029】
ところで、高分子セラミック前駆体によっては、硬化剤(交差結合剤)の添加が必要となる場合がある。前記高分子セラミック前駆体が、大気中の酸素によって硬化されるポリカーボシランや、ポリシラザンであれば硬化剤の添加を必須としないが、例えば、酸素による硬化だけでは十分に硬化されないポリシロキサンであると、硬化剤の添加が必須となる。ここで、高分子セラミック前駆体の硬化剤として、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminumacetyl acetonate)またはトリエチレンジアミン(trietylene diamine)等があげられる。
【0030】
硬化剤を添加する場合には、高分子セラミック前駆体とセラミック粉末とからなる出発原料または高分子セラミック前駆体のみからなる出発原料に硬化剤を添加した後、これを混合および成形する。ここで、硬化剤の添加量は高分子セラミック前駆体の全体質量の5質量%以下であることが好ましい。この理由としては、硬化剤の添加量が5質量%を超えると、以後の硬化工程で成形体が度を過ぎて急速に硬化してしまうため、形成された微細気孔の構造が損傷しやすくなることがあげられる。
【0031】
出発原料に硬化剤を添加する場合、成形を容易にするために、出発原料に有機バインダー(例;ポリエチレングリコール、ポリビニールアルコール)と溶媒とを添加して原料混合物を作成した後、通常の混合工程、例えばボールミーリング工程によって十分に混合させる。このとき、高分子セラミック前駆体、有機バインダーおよび硬化剤は溶媒(例;エタノール、メタノール)に溶解されるため均一な混合体が得られる。なお、出発原料が純粋な高分子セラミック前駆体の粉末である場合には、上述したように混合工程を省略できるが、硬化剤を添加する場合には混合工程が必要となるのは勿論である。
【0032】
混合工程において均一に混合された原料混合物は、通常の成形工程で所定形状の成形体に成形される。すなわち、上記原料の混合物を、公知の一軸加圧成形工程および/または定水圧成形工程を用いて成形する。しかし、このような成形方法以外にも、必要に応じて押出成形または射出成形のような成形工程を使用できるのは勿論である。
【0033】
本発明による微細多孔質セラミックス素材を製造するための第2番目の工程は、上記混合および成形工程で所定の形状に成形した成形体を圧力容器に入れた後、亜臨界状態の流体を導入して飽和させる工程である。
【0034】
ここで本発明において、気孔形成の媒介体として使用しうる流体としては、低廉でありながらも、毒性がなく、浸透力に優れた流体が好ましく、例えば二酸化炭素(CO2)があげられる。このCO2の臨界温度および圧力は、31℃、75×101325Pa(75気圧)であり、31℃以下の温度ではいくら圧力を高めてもCO2を超臨界状態とすることができない。また、25℃(常温)においてCO2は、85×101325Pa(85気圧)未満では気体として、85×101325Pa(85気圧)以上では液体として存在するものである。
【0035】
本発明では、上記臨界温度および臨界圧力未満の状態である亜臨界状態の二酸化炭素(CO2)を用いるが、その圧力条件および温度条件としては、目的とする素材の特性に応じて、臨界状態未満の範囲で選択できるのは勿論である。
【0036】
ここで、気孔形成の媒介体としてのCO2の圧力範囲は、臨界温度未満(すなわち、31℃未満)で20×101325Pa〜400×101325Pa(20〜400気圧)の範囲であることが好ましい。この理由として、まず、CO2が20×101325Pa(20気圧)未満の圧力下にある(気体状態)場合、CO2分子の高分子セラミック前駆体への拡散速度が遅く、成形体をCO2気体で飽和させるのが困難となることがあげられる。さらに、400×101325Pa(400気圧)を超えた圧力下では、超高圧容器が必要となるなど装置や費用面での負担が増えてしまう上、気孔率、気孔大きさ、気孔分布などの気孔特性の向上効果が十分に得られないことがあげられる。ところで、0℃以下の温度下であっても微細多孔質セラミックス素材を作成できるが、流体の拡散速度が劣るので好ましくない。なお、本明細書中では『〜』は以上・以下を示し、例えばA〜Bであるとは、A以上B以下であることを示す。
【0037】
第3番目の工程は、圧力容器から高圧の亜臨界状態の流体(例えば、臨界温度未満で、20×101325Pa〜400×101325Pa(20〜400気圧)の圧力下のCO2)で飽和された成形体に対し、突然圧力を下げて、高分子セラミック前駆体を熱力学的に不安定化させ、非臨界状態の流体を過飽和状態とする工程である。
【0038】
上記圧力容器の圧力を20×101325Pa(20気圧)から、突然減圧する、好ましくは101325Pa(大気圧)まで減圧すると、成形体内のCO2気体が過飽和状態となる。ここで、目的とする素材特性に応じて、このときの温度を臨界温度以下の温度範囲内で変化させることができるが、例えば20℃や25℃などの一定温度に固定しておき、圧力のみを変化させることによりCO2を過飽和状態とすることができる。つまり、本発明によれば、通常の温度条件である常温下で、気孔形状の媒介体であるCO2の圧力のみを調節することにより、目的とする素材の特性に合った気孔の大きさや分布を有する微細多孔質セラミックス素材を作成できる。
【0039】
第4番目の工程は、上記成形体を加熱してCO2を成形体から急速に溶出させることにより、成形体に微細な気孔を形成する工程である。ここで、常温下で圧力のみを低下させることにより亜臨界流体を過飽和させる場合には、流体の拡散速度が遅いため、成形体の表面においては若干の流体の溶出がおこるが、成形体内部から流体を溶出させることは非常に難しい。さらに、成形体が室内温度で(ビカット軟化温度より低い)軟化されず、固い状態である場合には、気孔も殆ど形成されない。したがって、この第4の工程により、上記成形体を所定温度で加熱する必要がある。
【0040】
ここで上記成形体は、微細気孔を形成させるために、成形体中の高分子セラミック前駆体成分を軟化させる必要があるため、高分子セラミック前駆体のビカット軟化温度(VST:Vicat Softening Temperature、測定規格:ASTM D1525)と溶融温度との間の温度範囲で加熱することが好ましい。この理由としては、まず、拡散速度を上げて、成形体の内外部の全てにわたって亜臨界流体を流出させるために、成形体をビカット軟化温度以上に加熱する必要があることがあげられる。さらに、高分子セラミック前駆体が溶融すると形成された気孔の構造が損傷してしまう、つまり溶融された高分子セラミック前駆体によって気孔が埋まってしまうため、上記成形体を高分子セラミック前駆体の溶融温度以下の温度で加熱する必要があることがあげられる。
【0041】
上記の微細気孔形成工程では、成形体全体を均一に加熱するため、グリセリンや高温用油で満たした高温槽に成形体を入れ、成形体全体を間接的に加熱することが好ましい。
【0042】
また、加熱時間を制御することにより、気孔の大きさを望むとおりに調節することができる。例えばポリカーボシランを使用する場合の加熱条件としては、180〜260℃の温度範囲で、1〜300秒間の加熱であることが好ましい。
【0043】
第5番目の工程は、気孔が形成された成形体を硬化する工程である。成形体を硬化する理由は、以後の熱処理または熱分解工程において、高分子セラミック前駆体が溶融して高分子セラミック前駆体に形成された気孔構造を損傷させることを防止するためである。つまり、一旦、高分子セラミック前駆体が硬化されてしまえば、以後の熱処理工程で高分子セラミック前駆体の溶融温度以上に加熱しても高分子セラミック前駆体は溶融されないが、硬化されていないと熱処理工程で高分子セラミック前駆体が溶融し、気孔構造を損傷させたり、気孔を埋まらせたりするため、目標とする気孔特性や強度等の機械的特性が得られなくなるため、硬化させる必要がある。
【0044】
ここで、この硬化工程は、大気または不活性気体雰囲気下にて、所定温度以下の温度および所定の時間で成形体を熱処理する工程であって、加熱温度および時間は高分子セラミック前駆体の種類によって異なる。
【0045】
例えば、高分子セラミック前駆体としてポリカーボシランを使用する場合には、大気中で160〜220℃の温度範囲で1〜12時間熱処理するのが好ましい。また、例えばポリシラザンを使用する場合には、アルゴン(Ar)のような不活性気体雰囲気下で250〜350℃の温度範囲で1〜24時間熱処理するのが好ましい。一方、高分子セラミック前駆体としてポリシロキサンを使用する場合には、上述のとおり、アルミニウムアセチルアセトネートまたはトリエチレンジアミンの一つ以上を硬化剤として添加した上で、大気中でビカット軟化温度以下である50〜110℃の温度範囲で1〜100時間熱処理することが好ましい。
【0046】
第6番目の工程は、上記硬化された成形体を大気または不活性気体雰囲気下で加熱して熱分解させる工程である。この熱分解工程により、成形体中の硬化剤成分と高分子セラミック前駆体中の揮発成分、例えば炭素(C)の一部、水素(H)等が揮発され、セラミック成分(たとえば、ケイ素(Si)、炭素(C)、窒素(N)等)のみが残るようになる。この熱分解工程において、微細多孔質セラミックス素材の骨格をなすセラミック成分がある程度焼結させることができるが、通常はこの熱分解工程以後に焼結工程を追加して焼結を完結させる。勿論、熱分解時の熱処理時間や温度を増加させて、熱分解とともに最終的な焼結まで同時に行うこともできる。
【0047】
上記熱分解工程では、目的とする組成によって、大気または不活性気体雰囲気下で1600〜1900℃の温度範囲で1〜12時間熱処理することが好ましい。この理由は、1600℃未満の温度で熱処理するとセラミック部分の焼結が十分に進行せず、1900℃以上の温度では焼結添加剤が蒸発されて焼結性が低下するため、この温度範囲外であるとセラミックス素材の強度が低下してしまうことがあげられる。
【0048】
ここで、熱分解工程での昇温速度を、1000℃以下までは5℃/分未満に設定することが好ましい。これは、昇温速度を5℃/分以上に速めると、高分子セラミック前駆体が急激に熱分解されて、成形体内に亀裂が発生してしまう可能性が大きくなるためである。
【0049】
ここで以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
1〜60μm範囲の粒度分布を有し、体積平均粒径が約20μmである平均分子量1390のポリカーボシラン(高分子セラミック前駆体)粉末、または、1〜70μm範囲の粒度分布を有し、体積平均粒径が約28μmである平均分子量1650のポリシラザン粉末を80質量%以上と、この高分子セラミック前駆体粉末に、1〜12質量%の酸化アルミニウム(Al2O3)と1〜14質量%の酸化イットリウム(Y2O3)中から選ばれた、合計2〜20質量%の焼結添加剤(セラミック粉末)とからなる出発原料を準備した。この出発原料に、これと同一質量%のエタノールを溶媒として添加した後、ポリエチレンボールミル内に装入し、炭化ケイ素ボールを使用して12時間ボールミーリングした。
【0050】
ボールミーリングした原料混合物のスラリーをドラフト内で乾燥した後、その寸法が30×30×5mmのプレート形状金型を用いて、約300×98066.5Pa(約300kg/cm2)の圧力で一軸加圧成形した後、シリンダー形のラテックス(ゴムモールド)に入れ、このラテックス内部を真空度0.1×133.322Pa(0.1mmHg)で維持するように密封して、約2000×98066.5Pa(約2000kg/cm2)の圧力にて定水圧成形し、高分子セラミック前駆体を含む成形体を作成した。
【0051】
上記プレート形状の成形体を、下の表1に示すCO2飽和条件、気孔形成条件、硬化条件、熱処理(熱分解)条件でそれぞれ飽和、気孔形成、硬化および熱分解し、微細多孔質セラミックスを作成した。
【表1】
【0052】
ここで、表1に示す発明例3〜8(試片3〜8)および比較例1〜2(試片1〜2)は、CO2飽和を20℃で行い、気孔形成、硬化および熱処理を全て大気圧(101325Pa)下で行い、熱処理工程における昇温速度を、1200℃までは2℃/分、1200℃以上では5℃/分に調整して作成したものである。また、発明例8は出発原料として純粋な高分子セラミック前駆体粉末(ポリカーボシラン)だけを使用し、上述の混合工程を省略して作成したものである。
【0053】
また、表1にしめす比較例1〜2は、従来の微細多孔質セラミックス素材製造方法(米国特許第5,358,910号に記載のセラミックスに熱分解性物質または揮発性物質を混合し、この混合物中の揮発性成分を揮発させて気孔を形成して製造する方法)を使用して作成したものである。この比較例1および2は、表1に示すように、出発原料としてセラミックス成分である炭化ケイ素(SiC)にポリカーボシランおよびセラミック粉末成分(Al2O3、Y2O3)を添加したものを使用し、上記出発原料をボールミーリングして混合し、成形した後、熱を加えて熱分解して作成したものである。なお、ここで用いたボールミーリング条件および成形条件は、表1に示す発明例3〜8と同一であり、その熱処理条件も発明例と同一または類似である。
【0054】
これら発明例3〜8と比較例1〜2の電子顕微鏡写真から、気孔の大きさ、気孔密度(単位体積当たりの気孔の個数)、気孔率(素材全体の平均体積に対する気孔の平均体積分率)および強度を測定した。なお、本明細書でいう気孔の大きさとは、イメージアナライザー(メディアサイバネティクス(Media Cybernetics)社製、イメージプロ・プラス(Image−Pro Plus))によって計測された、孔の直径である。これらの計測結果を表2に示す。
【表2】
【0055】
表2に示すように、発明例3〜8の微細多孔質セラミックス素材は、従来の方法で製造された比較例1〜2と比べて、形成される気孔大きさの範囲(分散)が狭く、強度がより大きいことが判った。これは、本発明の微細多孔質セラミックス素材では、従来の多孔質セラミックス素材と比べて比較的均一な大きさの気孔が形成されたことを意味する。
【0056】
また、比較例1と発明例7、比較例2と発明例5のように、同一ないしは類似な気孔率を有する場合であっても、その強度は発明例の方が2倍以上大きくなることが判った。
【0057】
以上、表1および表2で示されたように、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、従来の多孔質セラミックス素材と比べて、均一な大きさ範囲の気孔を有し、かつ、同一な気孔率であってもその強度がより優れることが判った。
【0058】
図2は、本発明の微細多孔質セラミックス素材と従来の多孔質セラミックス素材の破断面を300倍の倍率で撮影した電子顕微鏡(SEM)写真である。図2(a)は表1で示された比較例1、図2(b)は表1で示された発明例3の多孔質セラミックス素材を撮影したものである。また、図3は発明例3の微細多孔質セラミックス素材を600倍の倍率で撮影した電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0059】
図2(a)において背景の黒い部分が気孔である。図2の比較例1と発明例3の電子顕微鏡写真から、本発明のセラミックス素材の気孔は一層均一に分布しており、その気孔の大きさの偏差も少ないことが確認できた。なお、図3からは、その均一性を一層明確に認めることができた。
【0060】
したがって、表2、図2および図3の結果から、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、従来の多孔質セラミックス素材と比べて、気孔の大きさや分布が均一であり、強度に優れることが判った。
【0061】
[実施例2]
1〜50μm範囲の粒度分布を有し、体積平均粒径が約15μmである平均分子量6500のポリシロキサン粉末に、2〜14質量%のAl2O3と、1〜12質量%のY2O3中から選ばれた、合計3〜20質量%の焼結添加剤を添加した出発原料を準備し、さらにこの出発原料に、ポリシロキサン粉末の全体質量の1質量%に該当するアルミニウムアセチルアセトネートを硬化剤として添加した。その後、この原料混合物をポリエチレンボールミルに装入し、炭化ケイ素(SiC)ボールを使用して乾式ボールミーリングを12時間行った。
【0062】
ボールミーリングした原料混合物を、その寸法が30×30×5mmのプレート形状金型を用いて、約300×98066.5Pa(約300kg/cm2)の圧力で一軸加圧成形した後、シリンダー形のラテックス(ゴムモールド)に入れ、ラテックス内部を真空度0.1×133.322Pa(0.1mmHg)で維持するように密封して、約1500×98066.5Pa(約1500kg/cm2)の圧力で定水圧成形することにより、高分子セラミック前駆体を含む成形体を製造した。
【0063】
上記プレート形状の成形体を、以下の表3に示すCO2飽和条件、気孔形成条件、硬化条件、熱処理(熱分解)条件でそれぞれ飽和、気孔形成、硬化および熱分解し、微細多孔質セラミックスを作成した。
【表3】
【0064】
ここで、表3に示す試片9〜13(発明例9〜13)は、CO2飽和を20℃で行い、気孔形成、硬化および熱処理を全て大気圧(101325Pa)下で行い、熱処理工程における昇温速度を、1200℃までは1℃/分、1200℃以上では5℃/分として作成したものである。
【0065】
表3に示す条件で作成した発明例の電子顕微鏡写真から、それぞれの気孔率、気孔の大きさ、気孔密度(単位体積当たり気孔の個数)および強度を測定した結果を表4に示す。
【表4】
【0066】
表2および表4で示されたように、発明例9〜13(試片9〜13)の微細多孔質セラミックス素材は、従来の方法で製造された表1の比較例1および2に比べて、形成された気孔の大きさの範囲(分散)が狭く、強度が一層大きいことが判った。これは、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、従来の多孔質セラミックス素材に比べて、気孔の大きさや分布が均一であり、強度に優れることを意味する。
【0067】
また、比較例2と発明例10のように、気孔率が同一である場合であっても、その強度は発明例が2倍以上大きくなることが判った。
【0068】
以上、表2および表4で示したように、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、従来の多孔質セラミックス素材と比べて、均一な大きさ範囲の気孔を有し、かつ、同一な気孔率であってもその強度により優れることが判った。
【0069】
以上、実施例1および実施例2の結果から、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、従来の多孔質セラミックス素材と比べ、優れた気孔特性と強度を有する。これは、試片全体において過飽和されたCO2が均一に溶出することにより、試片全体に均一な大きさの気孔が均一に分布されて形成されるため、同一の気孔率を有する従来の多孔質セラミックス素材と比べて、素材の破壊を引き起こす臨界欠陥の大きさが顕著に減少するためである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造方法であると、亜臨界状態の流体を気孔形成の媒介体に使用しながらも、素材全体にわたって、均一な大きさと分布を有する気孔が形成され、強度が優れた微細多孔質セラミックス素材が提供される。
【0071】
さらに、亜臨界状態の圧力を調整して望む素材特性に合うように気孔の大きさ等の気孔特性を容易に制御できるため、超臨界状態の流体を用いる必要がなく、追加的な工程や装置を必要としないため製造コストが引き下がる。
【0072】
また、本発明による微細多孔質セラミックス素材は、通常の多孔質セラミックス素材と比べて臨界欠陥の大きさが小さくなるため、より高い強度が得られる。したがって、各種の構造用材料および高温用フイルター、電極材料等の分野に適合して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の微細多孔質セラミックス素材の製造方法を表す工程図である。
【図2】図2は、本発明の微細多孔質セラミックス素材と従来の多孔質セラミック素材との電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明の微細多孔質セラミックス素材の電子顕微鏡写真の拡大図である。
Claims (16)
- 高分子セラミック前駆体粉末とセラミック粉末とからなる出発原料を混合し、これを成形して成形体を製造する工程と、
圧力容器から前記成形体に亜臨界状態の流体を導入させて飽和させる工程と、
前記圧力容器の圧力を調節して前記成形体に飽和された亜臨界状態の流体を過飽和状態にする工程と、
前記成形体を前記高分子セラミック前駆体のビカット軟化温度と溶融温度との間の範囲の温度で加熱して、前記成形体から亜臨界状態の流体を溶出させることにより、前記成形体に微細な気孔を形成する工程と、
前記微細な気孔が形成された成形体を硬化する工程と、
前記硬化された成形体を加熱して熱分解する工程とを含むことを特徴とする微細多孔質セラミックス素材の製造方法。 - 高分子セラミック前駆体粉末を成形して成形体を製造する工程と、
圧力容器から前記成形体に亜臨界状態の流体を導入させて飽和させる工程と、
前記圧力容器の圧力を調節して前記成形体に飽和された亜臨界状態の流体を過飽和状態にする工程と、
前記成形体を前記高分子セラミック前駆体のビカット軟化温度と溶融温度との間の範囲の温度で加熱して、前記成形体から亜臨界状態の流体を溶出させることにより、前記成形体に微細な気孔を形成する工程と、
前記微細な気孔が形成された成形体を硬化する工程と、
前記硬化された成形体を加熱して熱分解する工程とを含むことを特徴とする微細多孔質セラミックス素材の製造方法。 - 前記高分子セラミック前駆体が、ポリカーボシラン、ポリシロキサンおよびポリシラザンからなる群より選択された1以上の物質であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記亜臨界状態の流体が、臨界温度未満にある20×101325Pa〜400×101325Paの二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記原料混合物は、一軸加圧成形または定水圧成形によって成形されることを特徴とする請求項1または2に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記熱分解工程は、不活性気体または大気中で1600℃〜1900℃の範囲で前記成形体を加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記出発原料が、前記高分子セラミック前駆体粉末を、全体質量の50%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記セラミック粉末が、炭化ケイ素または窒化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記出発原料が、前記高分子セラミック前駆体粉末を、全体質量の80%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記セラミック粉末が、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、炭化ケイ素および窒化ケイ素からなる群から選択された1以上の物質であることを特徴とする請求項1に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記出発原料に、前記高分子セラミック前駆体粉末の5質量%以下である硬化剤を添加して混合および成形することを特徴とする請求項1に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記高分子セラミック前駆体粉末と、前記高分子セラミック前駆体粉末の5質量%以下である硬化剤とを混合し、これを成形することを特徴とする請求項2に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 前記硬化剤が、アルミニウムアセチルアセトネートまたはトリエチレンジアミンであることを特徴とする請求項12に記載の微細多孔質セラミックス素材の製造方法。
- 請求項1に記載の方法によって製造された微細多孔質セラミックス素材であって、
高分子セラミック前駆体を出発原料中に50質量%以上含んで製造され、
前記気孔の直径は、下記(1)〜(10)に列挙されるいずれか1つの範囲内で分散しており、
かつ、その気孔密度が104〜1012個/cm3であり、その気孔率が5〜90%であり、その強度が1000×98066.5Pa〜3800×98066.5Paであることを特徴とする微細多孔質セラミックス素材。
(1) 40〜55μm
(2) 260〜300μm
(3) 10〜25μm
(4) 6〜15μm
(5) 2〜9μm
(6) 100〜140μm
(7) 15〜30μm
(8) 150〜200μm
(9) 120〜150μm
(10) 1〜5μm - 請求項2に記載の方法によって製造された微細多孔質セラミックス素材であって、
前記気孔の直径は、5〜20μmの範囲内で分散しており、
かつ、その気孔密度が104〜1012個/cm3であり、その気孔率が5〜90%であり、その強度が1000×98066.5Pa〜3800×98066.5Paであることを特徴とする微細多孔質セラミックス素材。 - 前記高分子セラミック前駆体が、ポリカーボシラン、ポリシロキサンおよびポリシラザンからなる群から選択された1以上の物質であることを特微とする請求項15に記載の微細多孔質セラミックス素材。
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