JP4128854B2 - 構造物の状態検出方法、検出装置、及び監視システム - Google Patents

構造物の状態検出方法、検出装置、及び監視システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、計測対象構造物に計測ヘッドを近接させ、計測ヘッドから発する振動、弾性波、他の信号に基づく計測対象構造物からの応答信号を検出する構造物の状態検出方法、検出装置、及び計測対象構造物の健全性や異常状態等を監視する構造物の状態監視システムに関するもので、例えば道路、鉄道などの橋梁構造物(例えば床版、壁高欄、橋脚、等)等のように、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出に適した各種の構造物の状態検出方法、検出装置、及び監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路、鉄道などの橋梁構造物(例えば床版、壁高欄、橋脚、等)等の状態検出や、診断は、例えば特開2001−124744号公報に示されているように、コンクリ−ト構造物のような計測対象物にハンマで衝撃を与え、この衝撃によって生じる計測対象物の振動を計測ヘッドで、ハンマ衝撃に対する応答信号として検出し、計測対象物の欠陥を検出・診断するものがある。
【0003】
前記特開2001−124744号公報に示されているものは、ハンマでの衝撃によって生じる計測対象物の振動を、人の聴覚に依らずに、計測ヘッドで、ハンマ衝撃に対する応答信号として検出するもの、つまり、測定ヘッドを計測対象物に近接して磁界の変化を検出するコイを面状に設けることにより、道路、鉄道などの橋梁構造物(例えば床版、壁高欄、橋脚、等)等のような計測対象構造物の表面に現れる前記衝撃による固有振動から計測対象物内部の欠陥を検出する検査装置である。
【0004】
地上面より高所にある部位の状態検出を行う場合は、足場を組んで、その足場に操作員が登り、足場上で、例えば前記特開2001−124744号公報に示された測定ヘッドを操作員が手に持って行っている現状にある。具体的には、次のような手順で、地上面より高所にある部位の状態検出を行っていた。
1.地上面より高所にある部位の計測領域に、操作員がアクセスできるように足場等を構築する。
2.予め高所にある計測対象物の計測点を選定する。計測点は、一定ピッチの計測点が格子状に配された計測点群に設定されることが一般的である。
3.操作員が計測ヘッドを手に持って足場等に登り、足場等の上で、前記計測点に計測ヘッドを位置決めする。
4.計測ヘッドに計測開始指令を出し、計測を開始する。
5.計測完了後は、足場等の上で操作員が計測ヘッドを手に持って次の計測点へ移動し、前記2.以降の作業を繰り返し、前記予め設定された計測点群の計測を完了する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−124744号公報(段落番号0007〜0009、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構造物の状態検出・診断方法は、前述のように、地上面より高所にある部位の状態検出・診断を行う場合、地上面より高所にある部位の計測領域に、操作員がアクセスできるように足場等を構築し、操作員が計測ヘッドを手に持って足場等に登り、足場等の上で、前記計測点に計測ヘッドを位置決めし、当該計測点での計測完了後は、足場等の上で操作員が計測ヘッドを手に持って次の計測点へ移動し足場等の上で計測点に計測ヘッドを位置決めし計測することを繰り返す。更に、或る領域の計測が完了し隣の領域や他の離れた領域での計測を引き続き行う場合は、足場等を解体した後、隣の領域や他の離れた領域で再び足場等を組まなければならない。従って、計測の準備に多大な時間と労力要し、操作員による計測作業も高所作業のため操作員の落下や計測ヘッドの落下等の危険が伴う上、測定に必要以上の時間を要すと共に場合によっては計測精度の信頼性が低下するなどの問題がある。
【0007】
この発明は前述のような実情に鑑みてなされたもので、地上面より高所にある部位の状態検出・診断を行う場合に、足場を組んだり、計測を足場の上での高所作業としなくて済むようにすること、ひいては危険性を伴わず計測精度の信頼性の低下を伴わないようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る構造物の状態検出方法は、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備えた構造物の状態検出装置を使い、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部を介して前記第2の機構を鉛直方向に移動させて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させ、前記第2の機構の前記ガイド部を介して前記計測ヘッドを前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせて前記計測点へ移動させ、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うものである。
【0009】
また、この発明に係る構造物の状態検出装置は、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に 設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うものである。
【0010】
また、この発明に係る構造物の状態監視システムは、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行い、この計測装置の状態検出デ−タから前記構造物の前記地上面より高所にある部位の状態を表示装置に表示し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態を監視できるようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
参考例1.
以下、参考例1を図1及び図2(a)(b)に示す一事例に基づいて説明する。図1はシステム構成全体の一例を示す図、図2(a)は第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図、図2(b)は第2の機構の構造、及び第1の機構と第2の機構との構造及び動作の関係の一例を具体的構造で示す斜視図である。
【0012】
図1において、計測対象構造物1は、道路、鉄道などの橋梁構造物(例えば床版、壁高欄、橋脚、等)他の各種の計測対象構造物の、地表面2から可成り高い部分を例示してあり、その下面が計測対象面101となっている。
【0013】
第1の機構3は、前記地表面2に載置されるものであり、前記地表面2に載置される脚部301と、この脚部301に一端部が支えられ矢印3Vのようにその長手方向に長さが伸び又矢印3Vと逆の方向に縮む構造の柱状のリフティング機構部302と、このリフティング機構部302の前記脚部301と反対側の端に設けられた移動部303と、前記リフティング機構部302を伸縮させて前記移動部303を上下に移動させる油圧源、空気圧源、水圧源、他の駆動源304とで構成されている。なお、前記駆動源304の前記移動部303の上下動の操作は、前記第1の機構3に付随の操作盤のスイッチ(図示せず)を人為的に操作することにより行う。
【0014】
第2の機構4は、前記第1の機構3の前記移動部303に装着されており、2軸構造のリンク機構部401(詳細構造及び機能は図2(a)(b)により後述する)と、このリンク機構部401に取り付けられた支持部402とで構成されている。
【0015】
前記第2の機構4の前記支持部402の前記計測対象面101側に、計測ヘッド5が搭載されている。また、前記支持部402の前記地表面2側には、操作員6によって操作される棒状の操作手段7が螺着などによって連結されている。つまり、前記第2の機構4の荷重、前記計測ヘッド5の荷重、及び前記棒状の操作手段7の荷重は、前記第1の機構3がその前記移動部303を介して全て受け、操作員6は前記各荷重を受けることなく、容易に、前記計測ヘッド5を計測したい位置に位置決めできるように構成してある。
【0016】
前記計測ヘッド5は、前記計測対象面101を打振して前記計測対象構造物1に衝撃を与える打振部501と、前記計測対象構造物1に前記衝撃で生じる固有振動や反射波などの応答信号を検出するセンサ部502と、前記計測対象構造物1の内部欠陥の有無等を判別する診断機能部503と、この診断機能部503の診断結果を表示や鳴動等により報知する報知部504と、測定済みと否とを識別できるように前記計測対象面101にマ−キングするマ−キング部505と、前記センサ部502での測定デ−タや前記診断機能部503での診断結果を外部機器(CRT等の表示器、パソコン、サ−バ、監視所、保守所等)8へ出力する出力端子506と、定圧バネや電磁石(定反発力)で保持された定圧台盤507とを備えている。
【0017】
前記打振部501は、電磁式ハンマ−や純機械的ハンマ−等、人力に依らないハンマ−である。なお、この打振部501は、図1では前記計測ヘッド5に装着した場合を例示してあるが、前記計測ヘッド5から離して前記計測ヘッド5以外の他のものに装着してもよい。
【0018】
前記センサ部502は、接触式のもの、非接触式のもの、の何れでもよいが、図1では接触式のものを例示してあり、計測時には、定圧バネや電磁石によって、計測領域9内の計測点901における計測対象面101に所定の定圧力で押圧される。
【0019】
前記診断機能部503は、前記センサ部502が検出した前記計測対象構造物1に前記衝撃で生じる固有振動や反射波などの応答信号に基づいて前記計測対象構造物1内の状態を解析し欠陥や疑欠陥を判別する。例えば空洞、ひび割れ等の有無や大きさ、存在場所、方向、数、等を演算した結果と基準値とを比較し、或いは前記計測対象構造物1の竣工当初の計測時やこれまでの計測時における前記計測対象構造物1内の状態のデ−タとの偏差を求め当該検出偏差と基準許容偏差値との比較や当該検出偏差の経時的変化度合い、等から、欠陥、準欠陥、要短期間継続測定、等を判別する。
【0020】
前記報知部504は、前記計測ヘッド5による計測結果を、地表面2の操作員6が目視判別できるように、例えば、欠陥無しの場合は青色表示、欠陥有りの場合は赤色表示、準欠陥、要短期間継続測定の場合は黄色表示したり、欠陥有りの場合のみ赤色表示やブザ−が鳴るようにしたりするものである。
【0021】
測定済みと否とを識別できるように前記計測対象面101にマ−キングする前記マ−キング部505は、インクを浸透させた印とするのが最も簡易に実現できるが、必要に応じ例えばプリンタ機能を持たせたものとして、測定日、測定企業名、測定部署名、測定者、診断結果等をマ−キングしても良い。
【0022】
定圧バネや電磁石(定反発力)で保持された定圧台盤507は、前記打振部501と前記センサ部502と前記マ−キング部505とを、その前記計測対象面101側に保持しており、前記センサ部502が前記計測対象面101に押し付けられた場合、前記センサ部502は前記計測対象面101に所定の定圧力で接触し、計測場所を変えていった場合でも常に前記計測対象面101に所定の定圧力で接触するようにして、信頼度の高い安定した精度で計測できるようにしてある。
【0023】
なお、前記定圧台盤507を設けずに、前記打振部501と前記マ−キング部505とを前記計測ヘッド5に直接取り付け、前記センサ部502のみ前記定圧バネや電磁石(定反発力)を介して前記計測ヘッド5に保持するようにしても、前記センサ部502が前記計測対象面101に押し付けられた場合、前記センサ部502は前記計測対象面101に所定の定圧力で接触し、計測場所を変えていった場合でも常に前記計測対象面101に所定の定圧力で接触するようにして、信頼度の高い安定した精度で計測できる。
【0024】
前記センサ部502として非接触式のものを前記計測ヘッド5に装着する場合は、前記定圧台盤507は不要であり、前記定圧台盤507の代わりに、前記計測ヘッド5と前記計測対象面101との間隔を計測場所を変えていった場合でも一定にするための位置決め部材を、前記計測ヘッド5に設ければ、前述の図1の接触式の場合と同様に信頼度の高い安定した精度で計測できる。
【0025】
また、前記打振部501も前記定圧台盤507に保持されているので、前記センサ部502が前記計測対象面101に接触している状態において前記計測対象面101が扁平である限り前記計測対象面101との距離(0も含む)は計測場所を変えていった場合でも常に一定であり、従って、前記打振部501が前記計測対象面101に与える衝撃力も計測場所を変えていった場合でも一定となり、計測場所を変えていった場合でも常に一定の衝撃力の下に前記センサ部502は前記計測対象構造物1の内部状態を計測できる。
【0026】
前記マ−キング部505も前記定圧台盤507に保持されているので、前記センサ部502が前記計測対象面101に接触している状態において前記計測対象面101が扁平である限り前記計測対象面101との距離(0も含む)は計測場所を変えていった場合でも常に一定であり、従って、計測場所を変えていった場合でも常に前記計測対象面101に正確にマ−キングできる。
【0027】
前記第2の機構4の前記支持部402の前記地表面2側に連結された棒状の操作手段7は、操作員6が手で操作して、前記支持部402を矢印4Hの方向及び矢印4Hと逆の方向(便宜上X軸方向とも記す)の成分および前記X軸方向と直交し且つ計測対象構造物1の計測対象面101と平行をなす方向(便宜上Y軸方向とも記す)の成分の少なくとも一方を有する方向に移動させられる。この支持部402の前記X軸方向及びY軸方向の移動(以下「2次元の動き」と略記する)を許すように前記リンク機構部401は動作する。この支持部402の前記XY軸方向の成分の少なくとも一方を有する方向の移動によって前記計測ヘッド5は、計測対象構造物1の計測対象面101に沿って前記2次元の動きをする。
【0028】
また、前記棒状の操作手段7の下端部外面には前記計測ヘッド5の計測開始・停止用のオンオフスイッチ701が例えばU形クリップ等の固定具702で着脱可能に装着されている。前記オンオフスイッチ701と前記計測ヘッド5とを接続するケ−ブル703も前記棒状の操作手段7の外面に沿って延在し前記棒状の操作手段7の長手方向の数箇所で前記棒状の操作手段7の外面に固定具704で着脱可能に保持されている。
【0029】
前記オンオフスイッチ701をオン(ON)にすれば、前記打振部501、前記センサ部502、前記診断機能部503、前記報知部504、前記マ−キング部505、及び前記定圧台盤507はオン(ON)状態となり、前記オンオフスイッチ701をオフ(OFF)にすれば、前記打振部501、前記センサ部502、前記診断機能部503、前記報知部504、前記マ−キング部505、及び前記定圧台盤507はオフ(OFF)状態となる。
【0030】
なお、前記オンオフスイッチ701は、前記棒状の操作手段7の下端部外面に凹欠を設けて当該凹欠内に嵌め込み、当該凹欠に連通して前記棒状の操作手段7の外面にその長手方向に設けられた溝内に前記ケ−ブル703を嵌め込むようにしても良い。また、前記計測ヘッド5の計測開始・停止の操作は、例えば前記外部機器8のキ−ボ−ドから入力することにより行い、当該操作入力の信号が出力端子506を介して前記計測ヘッド5へ入力されるようにしてもよい。
【0031】
前記CRT等の表示器、パソコン、サ−バ、監視所、保守所等の外部機器8は、前記センサ部502が検出した前記計測対象構造物1に前記衝撃で生じる固有振動や反射波などの応答信号をアナログ信号として表示したり、前記空洞、ひび割れ等の有無や大きさ、存在場所、方向、数、等を演算した結果と基準値とを比較し、或いは前記計測対象構造物1の竣工当初の計測時やこれまでの計測時における前記計測対象構造物1内の状態のデ−タとの偏差を求め当該検出偏差と基準許容偏差値との比較や当該検出偏差の経時的変化度合い、等から、欠陥、準欠陥、要短期間継続測定、等を判別した結果を表示したり、前記空洞、ひび割れ等の有無や大きさ、存在場所、方向、数、等の前記計測対象構造物1内の状態を画像表示したりするもので、前記各種表示は、ソフトウェアにより、自動表示したり人為的検索操作やアイコン操作により選択的に行われるようにする等、必要に応じた表示が行われる。なお、前記診断機能部503は、前記計測ヘッド5に設ける代わりに、この外部機器8に設けてもよい。
【0032】
なお、前記計測ヘッド5と前記外部機器8との機能分担は、必要に応じて設定され、例えば、前記計測ヘッド5に計測機能のみ持たせ、前記外部機器8には前記各機能のうち計測機能以外の全機能を持たせるようにして、前記計測ヘッド5の荷重を軽くし、前記第1の機構3が受ける荷重を軽減することもできる。
【0033】
次に、計測準備作業、動作について説明する。最初に要点を概念的に説明し、その後に詳細な具体例を説明する。
【0034】
図1は、実線で示す移動部303,第2の機構4,計測ヘッド5は、第1の機構3により、計測領域9aへリフトアップされ、計測ヘッド5が操作手段7により測定点9pに移動されている状態を示し、一点鎖線で示す移動部303,第2の機構4,計測ヘッド5が、計測領域9aへリフトされてなく、計測ヘッド5も測定点9pに移動されていない最初の状態を示してある。
【0035】
先ず、計測準備作業、動作について要点を概念的に説明する。
【0036】
1A) 計測領域9aへのリフト機能を有した第1の機構3を地表面2上に設置する。
この際、この第1の機構3を設置する地表面2上の位置は、計測対象構造物1の計測範囲の下方で、該第1の機構3の移動部303を上昇することにより該移動部303が計測範囲の中に入るように選定される。
【0037】
2A) 前記第1の機構3の駆動源304を操作して前記移動部303を上昇させ、該移動部303が計測対象構造物1の計測対象面101に近接する計測領域9aまで移動させる。
【0038】
3A) 次に、操作員6が、計測ヘッド5に連結された棒状の操作手段7を手元操作して前記計測ヘッド5を移動させ、その計測位置が所定の計測点9pに合うように調整する。この際、前記計測ヘッド5の水平方向の位置は、前記第1の機構3を基準として、リンク機構の機能を有した第2の移動機構4の自由度の範囲内にて任意に移動することができるため、予め計画した計測点9p,9n・・・に対し、順次、前記計測ヘッド5の位置をシフトすると共に、計測デ−タを採取・記録する。
【0039】
4A) このようにしてリンク機構の機能を有した第2の機構4の自由度の範囲内にて前記計測対象面101上の計測を完了後、一旦前記第1の機構3の移動部303を下降させて前記計測ヘッド5のセンサ部502他と前記計測対象面101との接触を解除した後、前記リフト機能を有した第1の機構3の設置位置を次の計測位置に移動する。
【0040】
5A) 以下、前記2A)〜前記4A)を前記計測対象面101の所定の計測範囲が計測完了されるまで繰り返す。前記計測対象面101の全面の計測を完了した場合は、前記第1の機構3の前記駆動源304を操作して前記移動部303を下降させ、該移動部303が地表面2上に到達するまで近づけ、作業を完了する。
【0041】
次に、計測準備作業、動作について詳細な一具体例を詳述する。
【0042】
1B) 先ず、第1の機構3を、計測対象構造物1の高所にある計測対象面101の下方の地表面2の上に設置する。この場合、第1の機構3のリフティング機構部302は伸長しておらず、その移動部303は地表面2近くの図示一点鎖線の位置にある。従って、第2の機構4及び計測ヘッド5も地表面2近くの図示一点鎖線の位置にある。
【0043】
2B) 次に、駆動源304を操作盤のスイッチ(図示せず)を上げ方向に操作し、前記リフティング機構部302を伸長させ、前記移動部303を、前記地表面2近くの図示一点鎖線の位置から、矢印3Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって移動させ、計測領域9aの図示一点鎖線の位置へリフトする。この移動部303の計測領域9aの図示一点鎖線の位置へのリフトに伴って第2の機構4及び計測ヘッド5も、地表面2近くの図示一点鎖線の位置から、矢印4Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって移動し計測領域9aの図示一点鎖線の位置へリフトされる。なお、この計測領域9aの図示一点鎖線の位置においては、計測ヘッド5の打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れも、計測対象面101には接触しておらず、図示のように、計測対象面101から離間している。
【0044】
3B) 次に、前記計測領域9aの図示一点鎖線の位置へリフトされた第2の移動機構4の支持部402に、操作手段7を螺着などによって図示一点鎖線のように連結する。また、図示一点鎖線のようにオンオフスイッチ701を固定具702で着脱可能に装着し、前記オンオフスイッチ701と前記計測ヘッド5とを接続するケ−ブル703も前記棒状の操作手段7の外面に沿わせて前記棒状操作手段7の固定具704内に保持させる。
【0045】
4B) 次に、操作員6は前記棒状の操作手段7を手に持って、一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで矢印7Vで示すように動かすことによって、前記計測ヘッド5の打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れもが計測対象面101から離間している状態のままで、第2の移動機構4の支持部402を、前記計測領域9aの図示一点鎖線の位置から実線の位置、即ち前記計測ヘッド5が最初の計測点9pに対応する位置、まで矢印4Hで示すように移動させる。
【0046】
5B) 然る後、操作員6は前記棒状の操作手段7を、矢印7Bで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって押し上げて、前記打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れもが計測対象面101から離間している状態の計測ヘッド5を、矢印5Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって押し上げ、前記打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れをも計測対象面101に当接させる(図示実線の状態)。
【0047】
6B1) 定圧台盤507が定圧バネを使用したものである場合は、それまでより若干強
い力で更に前記棒状の操作手段7を矢印5Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって押し上げ、つまり前記棒状の操作手段7を介して計測ヘッド5を矢印5Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって更に押し上げ、定圧台盤507で定まる定圧力で前記打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れをも計測対象面101に押し付ける。なお、前記計測対象物1の方へ上方に向かって更に押し上げる操作は、前記第1の機構3を駆動源304を操作して行うことは、該駆動源304に空気圧、油圧、水圧等を利用したものでは、該空気圧、油圧、水圧等を微妙に制御して大きなショック無しに前記センサ部502等を前記計測対象面101に押し付けることは一般には難しい。
【0048】
6B2) 前記定圧台盤507が電磁石(反発力)を使用したものである場合は、計測開
始時にオンオフスイッチ701をオン(ON)にすることにより電磁石を付勢するようにすることにより前記センサ部502等を前記計測対象面101に押し付けるようにできるので、前記棒状の操作手段7をそれまでより若干強い力で更に矢印5Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって押し上げる操作は必ずしも必要ではない。
【0049】
7B1) 次に、操作員6はオンオフスイッチ701をオン(ON)にし、計測点9pにおける計測対象構造物1の内部状態の計測を開始する。即ち、前記打振部501、センサ部502、診断機能部503、報知部504、及びマ−キング部505がオン(ON)状態となり、前記計測点9pにおいて前記打振部501はハンマ−機能で前記計測対象構造物1へ衝撃を与え始め、前記センサ部502は前記計測対象構造物1からの前記衝撃に対する前記応答信号を計測し始め、前記診断機能部503は前記センサ部502で計測した計測信号に基づいて前記計測対象構造物1内の状態を診断し始め、前記報知部504は前記計測対象構造物1内に異常が有った場合に報知できるようにスタンバイ状態となり、前記マ−キング部505は、計測対象面101への前記マ−キングを開始する。また、前記センサ部502で計測した計測信号及び前記診断機能部503による前記計測対象構造物1内の状態診断結果は出力端子506から外部機器8へ出力される、或いは該外部機器8から出力端子506を介して読み出される。
【0050】
7B2) 前記定圧台盤507が電磁石(反発力)を使用したものである場合は、前記オンオフスイッチ701をオン(ON)にした時点で、電磁石(反発力)が作動し、該電磁石(反発力)が前記定圧台盤507を矢印5Vで示すように計測対象物1の方へ上方に向かって押し上げ、前記定圧台盤507を介して、前記打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れをも計測対象面101に所定の力で押し付けると共に、前記7B1)の動作が行われる。
【0051】
8B) 次に、前記計測点9pでの計測を終え、次の計測点9pnでの計測を引き続き行う場合は、操作員6は、前記オンオフスイッチ701を一旦オフ(OFF)にし、前記棒状の操作手段7を矢印5Vと反対の方向に前記計測対象物1から離れる方向に下方に若干引き下げ、つまり前記棒状の操作手段7を介して計測ヘッド5を矢印5Vと反対の方向に計測対象物1から離れる方向に引き下げ、前記計測ヘッド5の前記打振部501とセンサ部502とマ−キング部505の何れをも計測対象面101から離間させた後、前記棒状の操作手段7を矢印7Hの方向に引き、前記計測ヘッド5を、前記計測対象面101に非接触で前記次の計測点9pnに対応させる。
【0052】
前記計測ヘッド5を前記次の計測点9pnに対応させた後は、前記5B)〜前記7B2)までの操作及び動作を行う。
【0053】
9B) 前記計測ヘッド5の前記計測対象面101と平行な面(図1では水平な面)内での前記2次元の移動は、前記リンク機構部401の自由度の範囲内で、自由にできる。従って、前記リンク機構部401の自由度の範囲内で前記計測ヘッド5を移動させて当該範囲内での計測が終了した場合は、前記駆動源304により前記第1の機構3のリフティング機構部302を矢印3Vと反対の方向に図示下方に縮ませ、前記移動部303、前記第2の機構4、前記計測ヘッド5を地表面2近くの図示一点鎖線の位置まで降ろし、次の計測領域9bの直下の地表面2上へ前記第1の機構3を移動して設置し、以降、前述と同様な計測準備作業及び計測作業を行う。
【0054】
次に、前述の計測準備作業、動作の根拠となる第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構3と第2の機構4との動作関係、を示す概念を示す図2(a)及び、第2の機構4の構造、及び第1の機構3と第2の機構4との構造及び動作の関係を示す具体的構成を示す図2(b)によって、第2の機構4の構造、及び第1の機構3と第2の機構4との構造及び動作の関係を詳細に説明する。
【0055】
図2(a)及び図2(b)において、前記第2の機構4の前記リンク機構部401は、第1の腕部4011と、第2の腕部4012と、これら第1及び第2の腕部4011,4012を枢着する中間軸構造部4013と、前記第1の腕部4011の前記中間軸構造部4013と反対側の端部を前記第1の機構3の移動部303に枢着する基幹軸構造部4014と、を有していると共に、前記第2の腕部4012の前記中間軸構造部4013と反対側の自由端に前記支持部402を有している。
【0056】
前記操作手段7の計測対象面側の先端は自由継手(ユニバ−サルジョイント)403の地表面側結合部に着脱自在に螺着され、前記自由継手403の計測対象面側の結合部は、計測対象面側の端部に前記計測ヘッド5が搭載された結合部材404の地表面側の端部に結合されている。前記自由継手403は、前述の図1において、操作員が地表面2上から棒状の操作手段7を操作する際、自由な位置から操作できるように操作上の余裕を持たせるものである。
【0057】
前記結合部材404の中間部分は、前記第2の腕部4012の自由端の前記支持部402を貫通し該支持部402に所定の結合力で嵌合してあり、従って、前記計測ヘッド5の荷重と前記操作手段7の荷重と前記自由継手403の荷重と前記結合部材404の荷重との総和の荷重では、前記結合部材404は、前記支持部402から地表面側に自然下降しないようになっており、また、前記操作手段7を矢印7Vのように計測対象面側へ、前記所定の結合力での嵌合に打ち勝つ所定の力で押し上げた場合は、前記結合部材404が前記自由継手403を介して矢印7Vのように計測対象面側へ押し上げられ、従って前記計測ヘッド5も矢印5Vのように計測対象面側へ押し上げられる。
【0058】
一方、前記操作手段7を操作し、計測対象面101(図1に図示)と平行をなすX軸方向7X1(図1における矢印7H方向(この参考例1においては水平方向))に移動させると、前記自由継手403及び前記結合部材404を介して、前記支持部402がX軸方向4X1(図1における矢印4H方向(この参考例1においては水平方向))に移動し、前記操作手段7のX軸方向7X1の移動及び前記支持部402のX軸方向4X1の移動に伴い、前記計測ヘッド5も、X軸方向5X1(この参考例1においては水平方向)に移動する。同様にして、前記操作手段7を操作し、前記計測対象面と平行をなすX軸方向7X2(前記X軸方向7X1と反対の方向、即ち図1における矢印7Hと反対の方向(この参考例1においては水平方向))に移動させると、前記計測ヘッド5は、X軸方向5X2(前記X軸方向5X1と反対の方向。この参考例1においては水平方向)に移動する。
【0059】
また、前記操作手段7を前記計測対象面と平行をなすY軸方向7Y1(前記X軸方向7X1,7X2と直交する方向、即ち図1における矢印7Hと直交する方向(この参考例1においては水平方向))に移動させると、前記計測ヘッド5は、Y軸方向5Y1(前記X軸方向5X1,5X2と直交する方向。この参考例1においては水平方向)に移動し、前記操作手段7を前記計測対象面と平行をなすY軸方向7Y2(前記Y軸方向7Y1と反対の方向)に移動させると、前記計測ヘッド5は、Y軸方向5Y2(前記Y軸方向5Y1と反対の)に移動する。
【0060】
また、前記操作手段7は、前記X軸方向7X1と前記Y軸方向7Y1との間、前記Y軸方向7Y1と前記X軸方向7X2との間、前記X軸方向7X2と前記Y軸方向7Y2との間、及び前記Y軸方向7Y2と前記X軸方向7X1との間、の任意の方向に前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして移動できる。即ち、前記操作手段7は、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この参考例1においては水平方向)2次元の移動ができる。同様に、前記支持部402及び前記計測ヘッド5も、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この参考例1においては水平方向)2次元の移動ができる。
【0061】
なお、前記第2の機構4の前記リンク機構部401の基本機能、即ち、前記基幹軸構造部4014による前記第1の機構3の移動部303を軸とした前記第1の腕部4011の枢動(矢印4014R)、及び中間基幹軸構造部4013による該中間基幹軸構造部4013を軸とした前記第1及び第2の腕部4011,4012の各々の枢動(矢印4013R)、により、前記基幹軸構造部4014を固定軸とした前記第1及び第2の腕部4011,4012の各々の長さによって制限される範囲内で、前記第2の腕部4012の自由端、即ち前記支持部402は、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この参考例1においては水平方向)2次元の移動が自由にできる。従って、前記操作手段7は、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この参考例1においては水平方向)2次元の移動が自由にでき、前記計測ヘッド5も、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この参考例1においては水平方向)2次元の移動が自由にできる。
【0062】
前述の図2(a)及び(b)の説明から、図1における前述の操作、各部の動きが可能であることが分り、ひいては前記高所の計測対象構造物1の内部状態の計測が可能であることが分る。
【0063】
実施の形態
この発明の実施の形態は、前述の図2(a)(b)のような中間軸構造部や基幹軸構造部を設けない他の構造の第2の機構の事例を示すものであり、以下、図3(a)(b)に基づいて説明する。図3(a)は第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図、図3(b)は第2の機構の構造、及び第1の機構と第2の機構との構造及び動作の関係の一例を具体的構造で示す斜視図である。
【0064】
図3(a)(b)において、第2の機構4は、対をなす棒状の枠部4051,4052と、対をなす棒状の第1のガイド部4061,4062と、対をなす棒状の第2のガイド部4071,4072と、対をなす第1の移動台4081,4082と、第2の移動台409とから構成されている。
【0065】
前記対をなす棒状の枠部4051,4052は計測対象面(図1における101)に平行な面内において互いに平行をなし、一方の枠部4051はその中央部で前記第1の機構3の移動部303に結合されている。
【0066】
前記第1のガイド部4061,4062は、前記計測対象面101に平行な面内において相互に平行をなすと共に前記枠部4051,4052と直交し、一方の第1のガイド部4061はその両端で前記対をなす棒状の枠部4051,4052の各々の一端を連結し、他方の第1のガイド部4062はその両端で前記対をなす棒状の枠部4051,4052の各々の他端を連結している。
【0067】
前記対を成す棒状の第2のガイド部4071,4072は、計測対象面(図1における101)に平行な面内において相互に平行をなすと共に前記第1のガイド部4061,4062と直交し、各々の一端は前記一方の第1のガイド部4061に支持され、各々の他端は前記他方の第1のガイド部4062に支持されている。
【0068】
一方の前記第1の移動台4081は、一方の前記棒状の第1のガイド部4061に前記第1のガイド部4061の長手方向(矢印4081Xの方向)に移動自在に装着され前記第2のガイド部4071,4072の各々の一端を支持している。他方の前記第1の移動台4082は、他方の前記棒状の第1のガイド部4062の長手方向(矢印4082Xの方向)に移動自在に装着され前記第2のガイド部4071,4072の各々の他端を支持している。
【0069】
前記第2の移動台409は、前記第2のガイド部4071,4072の両者に跨って該第2のガイド部4071,4072に該第2のガイド部4071,4072の長手方向(矢印409Yの方向)に移動自在に装着され、その中央部で、前記支持部402と結合し、該支持部402を介して前記計測ヘッド5を支持している。
【0070】
前記操作手段7を操作し、計測対象面101(図1に図示)と平行をなすX軸方向7X1(図1における矢印7H方向(この実施の形態1においては水平方向))、或いはX軸方向7X2(前記X軸方向7X1と反対の方向)に移動させると、前記自由継手403,前記結合部材404,前記第2の移動台409,及び前記第2のガイド部4071,4072を介して、前記第1の移動台4081,4082が、前記ガイド部4061,4062に沿って矢印4081X,4082X(図1における矢印7H方向(この実施の形態においては水平方向)或いは矢印7Hと反対の方向)の方向に移動できる。
【0071】
前記操作手段7を前記計測対象面と平行をなすY軸方向7Y1(前記X軸方向7X1,7X2と直交する方向、即ち図1における矢印7Hと直交する方向(この実施の形態においては水平方向))或いはY軸方向7Y2の方向に移動させると、前記自由継手403,及び前記結合部材404を介して、前記第2の移動台409が、前記第2のガイド部4071,4072に沿って矢印409Y(前記矢印4081X,4082Xと直交する方向(この実施の形態においては水平方向))の方向に移動できる。
【0072】
また、前記操作手段7は、前述の参考例1の場合と同様に、前記X軸方向7X1と前記Y軸方向7Y1との間、前記Y軸方向7Y1と前記X軸方向7X2との間、前記X軸方向7X2と前記Y軸方向7Y2との間、及び前記Y軸方向7Y2と前記X軸方向7X1との間、の任意の方向に前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして移動できる。即ち、前記操作手段7は、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この実施の形態においては水平方向)2次元の移動ができる。
【0073】
従って、前記支持部402及び前記計測ヘッド5も、前述の参考例1の場合と同様に、前記計測対象面101(図1に図示)と平行をなして(この実施の形態においては水平方向)2次元の移動ができる。
【0074】
なお、計測準備作業、動作についての概念的説明は、前述の1A)〜5A)と同じであり、計測準備作業、動作についての詳細な具体例の説明は、前記1B)〜9B)と同じであるので、何れも省略する。
【0075】
実施の形態
なお、前述の図3(b)において、前記第1の移動台4081,4082を、電動機で前記矢印4081X,4082Xの方向(前記X軸方向)に移動させ、前記第2の移動台409を、前記第1の移動台4081,4082とは別の電動機で前記矢印409Yの方向(前記Y軸方向)に移動させるように構成しても前記計測ヘッド5を前記計測対象面(図1における101)に平行な面内で2次元に移動させることができ、その場合は、操作手段7は設けずに、図1のオンオフスイッチ701や前記第1の機構3に付随の操作盤のスイッチ(図示せず)に、前記電動機の制御用スイッチを設ければよいし、場合によっては、マイクロプロセッサを使い計測用電動機自動制御プログラムにより、第1の機構3で前記計測領域にリフトされた前記計測ヘッド5の前記2次元の移動及び前記計測・診断を、計測開始操作後、自動的に行うようにすることも可能である。
【0076】
電動機を使用した場合は、図3(b)の構造のものに比し、操作性は良いが、若干高価になり、また、マイクロプロセッサを使い計測用電動機自動制御プログラムにより、第1の機構3で前記計測領域にリフトされた前記計測ヘッド5の前記2次元の移動及び前記計測・診断を、計測開始操作後、自動的に行うようにすれば、更に至便であるが、更に高価にもなる。
【0077】
前述の参考例1及び実施の形態は、電動機を使わずに安価なものにするため、第2の機構4における支持部402に、棒状等の操作手段7で外力(人力)を加えることにより、計測ヘッド5を、容易に計測対象面101に平行な面内で任意の方向に前記2次元に移動させることができる具体的構造を例示するものであるが、操作の容易性、至便性は、前述の実施の形態の方が優る。
【0078】
実施の形態
以下、この発明の実施の形態をシステム構成全体を例示す図4に基づいて説明する。この発明の実施の形態は、第1の機構3の軽量化を図る一事例を示すもので、図4において、図1〜図3と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明は省略し、図1〜図3と異なる部分についてのみ説明する。
【0079】
図4において、前記第1の機構3の移動部303の計測対象面101側の先端に、摩擦性の緩衝材からなる固定部材305が装備されており、計測準備作業の当初、前記第1の機構3を伸長させて前記固定部材305の計測対象面101側の面を該計測対象面101に当接させる。
【0080】
前記第1の機構3は、前記第2の機構4、前記計測ヘッド5、及び前記操作手段7の重量を支えるため、前記計測対象面101に当接させる固定部材305を設けなかった場合は、前記第1の機構3の重量を転倒しないだけの重量にする必要があるが、前記第1の機構3の移動部303の前記計測対象面101側の先端の摩擦性の固定部材305を、前記計測対象面101に当接して固定することにより、前記第2の機構4、前記計測ヘッド5、及び前記操作手段7の重量が前記第1の機構3にもたらす転倒方向への回転モ−メントに拮抗させることが可能となり、前記第1の機構3の自重を軽くすることができ、前記第1の機構3の設置作業や次の計測範囲の場所への運搬作業が容易になる。
【0081】
又、前記固定部材305は緩衝材で形成されているので、前記固定部材305の計測対象面101側の面を該計測対象面101に当接させた場合に、前記計測対象面101や前記移動部303に取り付けた第2の機構4や第2の機構4に搭載の計測ヘッド5への前記当接によるショックが軽減される。
【0082】
以下、計測準備作業、動作について要点を概念的に説明する。
【0083】
1C) 計測領域9aへのリフト機能を有した第1の機構3を地表面2上に設置する。
この際、この第1の機構3を設置する地表面2上の位置は、計測対象構造物1の計測範囲の下方で、該第1の機構3の移動部303を上昇することにより該移動部303が計測範囲の中に入るように選定される。
【0084】
2C) 前記第1の機構3の駆動源304を操作して前記移動部303を上昇させ、前記固定部305が計測対象構造物1の計測対象面101に近接する計測領域9aまで移動させ、更に、前記固定部305が該計測対象面101に当接し、所定の応力が前記固定部305に加わるまで前記第1の機構3を上昇させる。ここで、前記所定の応力とは、前記計測対象面101に対し過大な応力ではなく、前記固定部305の許容応力内に設定されており、また、前記所定の応力の確認は、前記第1の機構3の駆動源304の圧力計(図示せず)等を監視することにより行える。
【0085】
3C) 次に、操作員6が、計測ヘッド5に連結された棒状の操作手段7を手元操作して前記計測ヘッド5を移動させ、その計測位置が所定の計測点9pに合うように調整する。この際、前記計測ヘッド5の水平方向の位置は、前記第1の機構3を基準として、前記第2の機構4の支持部402の動き得る自由度の範囲内にて任意に移動することができるため、予め計画した計測点9p,9n・・・に対し、順次、前記計測ヘッド5の位置をシフトすると共に、計測デ−タを採取・記録する。
【0086】
4C) このようにして第2の機構4の支持部402の動き得る自由度の範囲内にて前記計測対象面101上の計測を完了後、一旦前記第1の機構3の移動部303及び前記固定部305を下降させて前記固定部305と前記計測対象面101との接触を解除した後、前記第1の機構3の設置位置を次の計測位置に移動する。なお、前記固定部305と前記計測対象面101との接触を解除した場合、前記計測ヘッド5のセンサ部502他も、前記計測対象面101との接触が解除されるようにしてある。
【0087】
5C) 以下、前記2C)〜前記4C)を前記計測対象面101の所定の計測範囲が計測完了されるまで繰り返す。前記計測対象面101の全面の計測を完了した場合は、前記第1の機構3の前記駆動源304を操作して前記移動部303を下降させ、該移動部303が地表面2上に到達するまで近づけ、作業を完了する。
【0088】
実施の形態
計測対象構造物1が橋脚と橋脚との間の高架の部分である場合、大型車両や電車の通過時に当該高架の部分は上下に揺れる。つまり図1の実線の状態や図4の状態で、橋脚と橋脚との間の高架の部分を計測いる際中に、大型車両や電車が通過した場合、前記高架部分の上下の揺れは、その揺れ幅が小さい場合は、計測ヘッド5の定圧台盤507や第2の機構4の撓み等で追従できるが、当該揺れ幅が大きい場合は、追従できるように、第2の機構1のリフティング機構部302と地表面2との間や、前記リフティング機構部302と移動部303との間にスプリング(つる巻きバネ)を介在させて前記追従ができるようにすれば、車両が通る時間帯や電車の運行時間帯でも計測が可能である。
【0089】
実施の形態
前述の図1及び図4は、高架橋の床版底面のような高所に存在する水平な計測対象面101を対象にした場合の実施形態の例であるが、例えば、壁高欄や橋脚側面の高所側面を計測するケ−スも存在する。このような場合は、前述の図1及び図4のように第1の機構3に対し計測ヘッド5の向きが固定関係であればそのままでは対処しにくく、何らかの工夫が必要になる。そこで、例えば、第1の機構3と第2の機構4との接続部に、第1の機構3の伸縮方向(前述の上下へのリフト方向)に対して第2の機構4を傾斜、或いは垂直に屈曲できる機構等の手段を追加すれば、例えば、壁高欄や橋脚側面の高所側面を計測するケ−スにも対処できる装置を実現でき、その一例がこの発明の実施の形態である。
【0090】
以下、この発明の実施の形態をシステム構成全体を例示す図5に基づいて説明する。図5において、図1〜図4と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明は省略し、図1〜図4と異なる部分についてのみ説明する。
【0091】
図5において、第1の機構3と第2の機構4との接続部に、第1の機構3の伸縮方向(前述の上下へのリフト方向)に対して第2の機構4を傾斜、或いは垂直に屈曲できる機構等の手段、換言すれば前記第1の機構3に対して前記計測ヘッド5の向きを変更できる向き変更手段306は、前記第1の機構3のリフティング機構部302の地表面2と反対側の先端に設けられた第1の接続腕3061と、前記移動部303の前記リフティング機構部302側の先端に設けられた第2の接続腕3062と、前記第1の接続腕3061と前記第2の接続腕3062とをボルト等で枢着する枢着部3063とで構成され、前記第1の接続腕3061と前記第2の接続腕3062とがなす角度を、矢印306Rで示すように、任意に変更設定できる、即ち前記第1の機構3と前記第2の機構4とがなす角度を任意に変更設定できる、即ち前記第1の機構3に対して前記計測ヘッド5の向きを任意に変更設定できるようにしてある。
【0092】
なお、前記枢着部において3063ボルト等で枢着する場合、波形座金等を介在することにより、前記第1の接続腕3061と前記第2の接続腕3062とがなす角度は、前記任意設定後に振動等により変わる可能性を防止できる。
【0093】
図5において、計測対象構造物1は、例えば前述の壁高欄や橋脚等であり、その計測対象面101は、地表面2に対して垂直をなしており、この垂直の計測対象面101に前記計測ヘッド5の打振部501,センサ部502,及びマ−キング部505が当接するように、前記図1及び図4で水平であった第2の機構4は垂直にしてある。
【0094】
以下、計測準備作業、動作について要点を概念的に説明する。
【0095】
1D) 計測領域9aへのリフト機能を有した第1の機構3を地表面2上に設置する。
この際、この第1の機構3を設置する地表面2上の位置は、計測対象構造物1の計測範囲の下方で、該第1の機構3の移動部303を上昇することにより該移動部303が計測範囲の中に入るように選定される。
【0096】
2D) 前記第1の機構3の駆動源304を操作して前記移動部303を上昇させ、該移動部303が計測対象構造物1の高所の計測領域9aまで移動させる。
【0097】
3D) 次に、操作員6が、計測ヘッド5に連結された棒状の操作手段7を手元操作して前記計測ヘッド5を移動させ、その計測位置が所定の計測点9pに合うように調整する。この際、前記計測ヘッド5の鉛直方向の位置は、前記第1の機構3を基準として、前記第2の機構4の支持部402の動き得る自由度の範囲内にて任意に移動することができるため、予め計画した計測点9p,9n・・・に対し、順次、前記計測ヘッド5の位置をシフトすると共に、計測デ−タを採取・記録する。
【0098】
4D) 計測ヘッド5が前記接触方式の場合は、操作員6は、操作手段7で前記計測ヘッド5を計測対象面101の計測点9aに対向させた後、更に、前記操作手段7で前記計測ヘッド5を計測対象面101に向けて押し出し、計測ヘッド5の打振部501,センサ部502,及びマ−キング部505を計測対象面101に接触させ圧接させる。
【0099】
5D) このようにして前記第2の機構4の支持部402の動き得る自由度の範囲内にて前記計測対象面101上の計測を完了後、一旦前記第1の機構3の移動部303を下降させて前記計測ヘッド5のセンサ部502他と前記計測対象面101との接触を解除した後、前記リフト機能を有した第1の機構3の設置位置を次の計測位置に移動する。
【0100】
6D) 以下、前記2D)〜前記4D)を前記計測対象面101の所定の計測範囲が計測完了されるまで繰り返す。前記計測対象面101の全面の計測を完了した場合は、前記第1の機構3の前記駆動源304を操作して前記移動部303を下降させ、該移動部303が地表面2上に到達するまで近づけ、作業を完了する。
【0101】
なお、図5では計測対象面101と地表面2とのなす角度が90°(垂直)の場合について例示してあるが、前記この発明の実施の形態においては、前述のように、前記枢着部3063により、前記第1の接続腕3061と前記第2の接続腕3062とがなす角度を任意に変更設定できるので、計測対象面101と地表面2とのなす角度が90°以外の各種角度の場合であっても対処できる。
【0102】
実施の形態
前述のこの発明の実施の形態においては、前記向き変更手段306を、前記第1の機構3のリフティング機構部302と前記移動部303との間に設けた場合を例示したが、前記向き変更手段306は前記移動部303と前記第2の機構4との間に設けても、また、前記第2の機構4の支持部402と前記計測ヘッド5との間に設けても、前述の実施の形態と同等の機能を呈す。更に、前述の実施の形態に追加して、前記第2の機構4の支持部402と前記計測ヘッド5との間にも向き変更手段306を設けたり、前記向き変更手段306を前記移動部303と前記第2の機構4との間に設けしかも前記第2の機構4の支持部402と前記計測ヘッド5との間に設け設けたりすれば、測定対象構造物の水平面や垂直面に溝や小径部などの複雑な形状の部分の計測も可能となる。
【0103】
実施の形態
この発明の実施の形態は、前述の図1〜図5における第2の機構4に代えて該第2の機構4より簡易で安価な構造のガイド構造体を採用した事例を示すものであり、以下、図6及び図7に基づいて説明する。図6はシステム構成全体の一例を示す図、図7はガイド構造体の構造及び動作、及び第1の機構とガイド構造体との動作関係の一例を示す概念図であり、これら図6及び図7において、図1〜図5と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明は省略し、図1〜図5と異なる部分についてのみ説明する。
【0104】
図6及び図7において、第1の機構3の移動部303に、ガイド構造体10が固定して設けられている。このガイド構造体10は外枠1001が四角形の閉曲構造を有しており、前記外枠1001内には、図示のように枝構造1002〜1007が設けられている。前記外枠1001と枝構造1002〜1007との間には、ガイド溝となる連続する複数の小空間区画10sd1〜10sd9を形成してある。また、前記前記外枠1001、前記枝構造1002〜1007、及び前記小空間区画10sd1〜10sd9は、前記ガイド構造体10が前記第1の機構3で計測領域9aへリフトされた状態において、何れも前記計測対象面101と平行をなして延在している状態となるように構成されている。
【0105】
これら複数の小空間区画10sd1〜10sd9の何れも閉曲せず、図示のように前記小空間区画10sd1と前記小空間区画10sd5とは直接連通し、同様に前記小空間区画10sd2と前記小空間区画10sd6、前記小空間区画10sd3と前記小空間区画10sd7、前記小空間区画10sd4と前記小空間区画10sd8とはそれぞれ直接連通している。また、前記小空間区画10sd9は、前記小空間区画10sd1と前記小空間区画10sd2と前記小空間区画10sd3と前記小空間区画10sd4と
を連通する小空間区画である。
【0106】
前記ガイド溝となる連続する複数の小空間区画10sd1〜10sd9を形成することにより、棒状の操作手段7を操作して四角柱状の支持部材402を、前記連続する複数の小空間区画10sd1〜10sd9内の任意の位置に移動でき、従って前記支持部材402に搭載された計測ヘッド5も、前記操作手段7を操作して前記連続する複数の小空間区画10sd1〜10sd9内の任意の位置に対応した計測対象面101に対向する位置に移動できる。
【0107】
前記四角柱状の支持部材402は、第1の機構3及び前記ガイド構造体10とは独立した構造体で、その先端面に結合部材404を介して計測ヘッド5を搭載しており、前記計測ヘッド5と反対側の面(図6における下端面)に棒状の操作手段7が着脱自在に螺着などにより連結される。
【0108】
前記外枠1001や前記枝構造1002〜1007は、前記任意の位置で前記四角柱状の支持部材402と面接触して支持する支点として利用され、棒状の操作手段7の操作時における該操作手段7の傾斜の方向の力を軽減できる。従って、操作員6は、前記計測ヘッド5と前記支持部材402と前記操作手段の垂直方向の重量を支えるだけで、前記ガイド構造体10の前記連続する複数の小空間区画10sd1〜10sd9の範囲内で自由に、前記計測ヘッド5により、前述の参考例1及びこの発明の実施の形態1〜4と同等の計測が出来る。
【0109】
実施の形態
この発明の実施の形態は、前述の図1〜図7に比べ小さな操作力で計測ヘッド5を計測点へシフトできる第2の機構4を採用した事例を示すものであり、以下、図8及び図9に基づいて説明する。図8はシステム構成全体の一例を示す図、図9は第2の機構4の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構4との動作関係の一例を示す概念図であり、これら図8及び図9において、図1〜図7と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明は省略し、図1〜図7と異なる部分についてのみ説明する。
【0110】
図8及び図9において、第2の機構4は、第1の機構3の移動部303に固定された四角形の支持枠部4100と、この支持枠部4100の各辺部の中央部に取り付けられ夫々計測対象面101に平行な面内に配設された4台の巻上機4101〜4104と、これら巻上機4101〜4104から繰り出された各ワイヤ4101W〜4104Wで吊り下げられた支持部402とで構成されている。
【0111】
前記巻上機4101〜4104は、夫々巻上トルクが同じで何れも定トルクの自動巻上機構を採用し、前記各ワイヤ4101W〜4104Wの張力がバランスするようにしてある。前記支持部402は、前述の図1〜図7と同様に、計測対象面101側に結合部材404を介して計測ヘッド5を搭載し、地表面2側には棒状の操作手段7が自由継手403を介して着脱自在に螺着などにより連結されている。つまり、前記支持部402、前記計測ヘッド5、及び操作手段7は、前記ワイヤ4101W〜4104Wで吊り下げられており、前記支持部402、前記計測ヘッド5、及び操作手段7の全重量を前記各ワイヤ4101W〜4104Wが均等に分担して支えている。
【0112】
従って、前記支持部402は、前記各巻上機4101〜4104の相対的位置関係で決まる自由度の範囲内で前記計測対象面101に平行な面ないで前述の2次元の移動ができ、前記操作手段7で前記支持部402を移動させた場合、操作員は前記支持部402、前記計測ヘッド5、及び操作手段7の重量を支えることなく、しかも前記各ワイヤ4101W〜4104Wの張力バランスの下に、大きな力を加えることなく前記支持部402を介して前記計測ヘッド5を計測点9pへ移動させることができる。
【0113】
実施の形態
この発明の実施の形態は、前述の図1〜図9に比べ計測ヘッド5の移動範囲を広くすることができる一事例を示すものであり、以下、システム構成全体を示す図10に基づいて説明する。なお、図10において、図1〜図9と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明は省略し、図1〜図9と異なる部分についてのみ説明する。
【0114】
図10において、第2の機構4は、図示のように前述のX軸方向に互いに所定間隔を隔てて地表面2に可移動に設置された対を成す第1の機構3001及び3002に跨って架設されており、この第2の機構4に支持部402が該第2の機構4に沿って可移動に装着されている。
【0115】
前記第1の機構3001及び3002は前述の図1〜図9における第1の機構3と同じ機能を有した同じ機構であり、図示のように各々、脚部3011,3012と、リフティング機構部3021,3022と、移動部3031,3032とを有し、各々、共通の駆動源304及び共通のスイッチ(図示せず)によって、各リフティング機構部3021,3022は計測対象面101の高さに対応した所望の同じ長さに同時に調整される。
【0116】
なお、この第1の機構3001及び3002は、前述のX軸方向のみでなく、前述のY軸方向にも対を成して設置して計2対の第1の機構を配設し、前記第2の機構4をそれら2対の第1の機構に跨って装着してもよい。また、前記駆動源304及びスイッチ(図示せず)は、前記各第1の機構3001及び3002の各々に対して個別に設けて、第1の機構3001を設置の地表面2と第2の機構3002を設置の地表面2との垂直方向のレベルの差に応じて、第1の機構3001及び3002の長さを個々に調整できるようにすれば、状態検出装置の使用個所が、第1の機構3001及び3002を設置する地表面が同一レベルの場合のみ特定されず至便である。
【0117】
前述の第2の機構4は、その具体的構造を、好ましくは前述の実施の形態や実施の形態のようにした方がよいが、実施の形態や実施の形態以外の実施の形態のようにしてもよい。また、この第2の機構4は、前述のX軸方向及び前述のY軸方向の少なくとも一の方向に長さを調整できるようにしてもよい。
【0118】
この発明の実施の形態の場合は、前述のように、対を成す第1の機構3001及び3002を、互いに所定間隔を隔てて地表面2に設置し、これら対を成す第1の機構3001及び3002に跨って第2の機構4を架設した構成としてあるので、その構成上、前述のこの発明の他の実施の形態に比べて第1の機構3001及び3002が安定し、全体的に機械的強度が大きくなるので、前記第1の機構3001及び3002の間隔を大きくできる。従って、計測ヘッド5の移動範囲を広くでき、例えば、計測領域9bについては、他の実施の形態では、第1の機構3を移動しなければ計測できなかったものが、この実施の形態では、第1の機構3001及び3002を移動することなく、計測ヘッド5を移動させるだけで計測可能となり、計測作業を効率的に行うことが出来る。
【0119】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は前述のように、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記 移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備えた構造物の状態検出装置を使い、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部を介して前記第2の機構を鉛直方向に移動させて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させ、前記第2の機構の前記ガイド部を介して前記計測ヘッドを前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせて前記計測点へ移動させ、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うようにしたので、計測対象構造物の状態検出を行うに当たり、地上面より高所にある部位の状態検出・診断を行う場合に、足場を組んだり、計測を足場の上での高所作業としなくて済み、ひいては危険性を伴わず計測精度の信頼性の低下を伴わない状態検出が可能となる効果がある。
【0120】
また、請求項3に記載の発明は前述のように、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うようにしたので、請求項1に記載の発明の方法を実施する構造物の状態検出装置を実現できる効果がある。
【0121】
また、請求項14に記載の発明は前述のように、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記第1の機構の前記移動部に取り付けられた枠部と、この枠部の各辺部の中央部に取り付けられ夫々前記構造物の下面の前記計測対象面に平行な面内に配設された4台の巻上機と、これら巻上機から繰り出された各ワイヤに吊り下げられ前記計測ヘッドを搭載した支持部とを備えた第2の機構を備え、
前記巻上機は、前記各ワイヤの張力がバランスするように夫々巻上トルクが同じで何れも定トルクの自動巻上機構が採用され、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部と前記第2の機構と前記各巻上機から繰り出された各ワイヤに吊り下げられ前記計測ヘッドを搭載した支持部とを介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記支持部に依存して前記計測ヘッドが前記各巻上機の相対的位置関係で決まる自由度の範囲内で前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うので、前記請求項1及び3に記載の発明の効果に加え 、大きな力を加えることなく前記支持部を介して前記計測ヘッドを前記計測点移動させることができる効果がある。
0122
また、請求項15に記載の発明は前述のように、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
夫々、鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有し、互いに間隔を隔てて配設された対をなす第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記各第1の機構に跨って前記移動部を介して装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
前記各第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行うので、前記請求項1及び3に記載の発明の効果に加え、全体的に機械的強度が大きくなるので、前記対をなす第1の機構の間隔を大きくでき、従って、前記計測ヘッドの移動範囲を広くでき、例えば、第1の機構が1個の場合は当該1個の第1の機構を移動しなければ計測できなかったものが、この発明では、対をなす第1の機構を移動することなく、計測ヘッドを移動させるだけで広範囲の計測が可能となり、計測作業を効率的に行うことが出来る効果がある。
0123
また、請求項16に記載の発明は前述のように、計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行い、この計測装置の状態検出デ−タから前記構造物の前記地上面より高所にある部位の状態を表示装置に表示するようにしたので、請求項1に記載の発明の方法を実施する構造物の状態監視システムを実現できると共に、計測現場及び遠隔地の少なくとも一方で、例えば計測中の計測対象構造物の状態をリアルタイムに監視したり、計測デ−タに基づいて計測対象構造物の状態を自動診断した結果を確認する等の、計測対象構造物の状態の画面上で監視することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1のシステム構成全体の一例を示す図。
【図2】 参考例1を示す図で、(a)は第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図、(b)は第2の機構の構造、及び第1の機構と第2の機構との構造及び動作の関係の一例を具体的に示す斜視図。
【図3】 この発明の実施の形態を示す図で、(a)は第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図、(b)は第2の機構の構造、及び第1の機構と第2の機構との構造及び動作の関係の一例を具体的構造で示す斜視図。
【図4】 この発明の実施の形態のシステム構成全体の一例を示す図。
【図5】 この発明の実施の形態のシステム構成全体の一例を示す図。
【図6】 この発明の実施の形態のシステム構成全体の一例を示す図。
【図7】 この発明の実施の形態を示す図で、第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図。
【図8】 この発明の実施の形態のシステム構成全体の一例を示す図。
【図9】 この発明の実施の形態を示す図で、第2の機構の構造及び動作、及び第1の機構と第2の機構との動作関係、の一例を示す概念図。
【図10】 実施の形態のシステム構成全体の一例を示す図。
【符号の説明】
1 計測対象構造物、 2 地表面、
3,3001,3002 第1の機構 4 第2の機構、
5 計測ヘッド、 6 操作者、
7 操作手段、 8 外部機器、
9a 計測領域、 9p 計測点、
10 ガイド構造体、 101 計測対象面、
305 固定部材、 306 向き変更手段、
4101〜4104 巻上機。

Claims (16)

  1. 計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
    鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
    前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備えた構造物の状態検出装置を使い、
    前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部を介して前記第2の機構を鉛直方向に移動させて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させ、前記第2の機構の前記ガイド部を介して前記計測ヘッドを前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせて前記計測点へ移動させ、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行う構造物の状態検出方法。
  2. 請求項1に記載の構造物の状態検出方法において、
    前記計測ヘッドを前記計測点へ移動させた後に前記構造物の下面の前記計測対象面に当接させて当該計測ヘッドにより前記状態検出をし
    当該計測点での計測後に前記構造物の下面の他の計測点での状態検出をする場合は、前記当接を解除した後に前記第2の機構の前記ガイド部を介して前記計測ヘッドを前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に移動させて前記他の計測点へ移動させ、当該計測ヘッドを前記構造物の下面の前記計測対象面に当接させて当該計測ヘッドにより前記状態検出をす
    ことを特徴とする構造物の状態検出方法。
  3. 計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
    鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
    前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
    前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行う構造物の状態検出装置。
  4. 請求項3に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記計測ヘッドが前記計測点へ移動した後に前記構造物の下面の前記計測対象面に当接して前記状態検出をし
    前記計測ヘッドが、当該計測点での状態検出後の前記構造物の下面の他の計測点での状態検出に先立って前記当接が解除された後に、前記第2の機構の前記ガイドに依存して前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に移動して前記他の計測点へ移動し、当該計測ヘッドが当該前記他の計測点で前記構造物の下面の前記計測対象面に当接して前記状態検出する
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  5. 請求項3および請求項4の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記ガイド部が、前記枠部に前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して装着された一対の第1のガイド部と、この一対の第1のガイド部に移動自在に装着された一対の第2のガイド部と、この第2のガイド部に移動自在に装着された移動台とを備え、
    前記計測ヘッドが、前記移動台に支持され前記移動台に依存して前記構造物の下面の前記計測対象面に対して2次元の動きをして前記計測点へ移動する
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  6. 請求項3および請求項4の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記計測ヘッドに連結の棒状の操作手段を有し、
    この操作手段の操作に応じて前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記計測対象面に対して2次元の動きをして前記計測点へ移動する
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  7. 求項6に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記計測対象面側に前記計測ヘッドが搭載され地表面側に自由継手を有する結合部材を備え、
    前記棒状の操作手段の前記計測対象面側の先端が前記自由継手に着脱自在に螺着されている
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  8. 請求項3〜請求項の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記第2の機構の前記枠部が、その中央部で前記第1の機構の前記移動部に結合されている
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  9. 請求項6〜請求項8の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、前記第1の機構が、前記第2の機構と前記計測ヘッドと前記操作手段の合計荷重に耐える耐荷重能力を有していることを特徴とする構造物の状態検出装置。
  10. 請求項9に記載の計測装置において、
    前記計測ヘッドが前記計測点へ移動した後に前記構造物の下面の前記計測対象面に当接して当該計測ヘッドにより前記状態検出をし
    当該計測点での計測後の前記構造物の下面の他の計測点での計測に先立って前記当接が解除された後に、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な計測対象面と平行をなして水平方向に移動して前記他の計測点へ移動し、当該計測ヘッドが当該他の計測点で前記計測対象面に当接して当該計測ヘッドにより前記状態検出をする
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  11. 請求項3〜請求項10の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記第1の機構の前記構造物側の端部に、前記第1の機構の長さが伸びることによって前記構造物の下面の前記計測対象面に当接する固定部材が設けられており、
    前記固定部材を、前記構造物の下面の前記計測対象面に当接して固定することにより、前記第2の機構および前記計測ヘッドの重量が前記第1の機構にもたらす転倒方向への回転モーメントに拮抗させる
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  12. 請求項3〜請求項11の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記第1の機構と前記第2の機構とを枢着する枢着部を有し前記第1の機構に対する前記計測ヘッドの向きを変える向き変更手段を備えている
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  13. 請求項3および請求項4の何れか一に記載の構造物の状態検出装置において、
    前記第2の機構の前記枠部が四角形の閉曲構造を有し
    前記枠部内には、枝構造が設けられ、
    前記枠部と前記枝構造との間には、ガイド溝となる連続する複数の小空間区画が形成され、
    前記枝構造、及び前記小空間区画は、前記第1の機構によって前記計測領域へリフトされた状態において、何れも前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなして延在している状態であり、
    前記計測ヘッドが、前記ガイド溝となる連続する複数の小空間区画に依存して前記構造物の下面の前記計測対象面に対して2次元の動きをして前記計測点へ移動する
    ことを特徴とする構造物の状態検出装置。
  14. 計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
    鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
    前記第1の機構の前記移動部に取り付けられた枠部と、この枠部の各辺部の中央部に取り付けられ夫々前記構造物の下面の前記計測対象面に平行な面内に配設された4台の巻上機と、これら巻上機から繰り出された各ワイヤに吊り下げられ前記計測ヘッドを搭載した支持部とを備えた第2の機構を備え、
    前記巻上機は、前記各ワイヤの張力がバランスするように夫々巻上トルクが同じで何れも定トルクの自動巻上機構が採用され、
    前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部と前記第2の機構と前記各巻上機から繰り出された各ワイヤに吊り下げられ前記計測ヘッドを搭載した支持部とを介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記支持部に依存して前記計測ヘッドが前記各巻上機の相対的位置関係で決まる自由度の範囲内で前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行う構造物の状態検出装置。
  15. 計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
    夫々鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とをし、互いに間隔を隔てて配設された対をなす第1の機構、及び
    前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記各第1の機構に跨って前記移動部を介して装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
    前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行う構造物の状態検出装置。
  16. 計測領域における計測点の構造物の下面の扁平な計測対象面に計測面が対向した状態で前記構造物の状態検出・診断を行う機能を有する計測ヘッドを備えた計測装置、
    鉛直方向に伸縮する柱状のリフティング機構部と、このリフティング機構部の下端部に設けられた脚部と、前記リフティング機構部の上端部に設けられ前記リフティング機構部の伸縮に伴って鉛直方向に移動する移動部とを有する第1の機構、及び
    前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記第1の機構の前記移動部中央部で装着された枠部と、前記構造物の下面の前記計測対象面と平行をなす面内に位置して前記枠部に設けられ前記計測ヘッドの2次元の移動を許容するとともに前記計測ヘッドの2次元の移動範囲を制限するガイド部とを備えた第2の機構を備え、
    前記第1の機構の前記リフティング機構部により前記移動部および前記第2の機構を介して前記計測ヘッドが鉛直方向に移動させられて地上面より高所にある前記計測領域へ位置させられ、前記第2の機構の前記ガイド部に依存して前記計測ヘッドが前記構造物の下面の前記扁平な前記計測対象面と平行をなして水平方向に2次元の移動をさせられて前記計測点へ移動し、前記構造物の地上面より高所にある部位の状態検出・診断を前記計測装置が行い、この計測装置の状態検出デ−タから前記構造物の前記地上面より高所にある部位の状態を表示装置に表示する構造物の状態監視システム。
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