JP4128789B2 - 運搬装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運搬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、山間地域等においては、自動車等の運搬車を乗り入れできないような細幅の道路で、なおかつ上り傾斜のある道路があり、このような道路では、高齢者や身体障害者等にとって移動時の肉体的疲労が大きく、場合によっては自力では移動できない場合がある。
【0003】
そのため、このような場合には、介助者に背負ってもらって移動しなければならないが、このような介助は介助者にとっても大変な労力を要することになる。
【0004】
そこで、細幅の道路で、なおかつ上り傾斜のある道路においても、高齢者や身体障害者等を運搬することができる運搬装置を設置することが考えられる。
【0005】
例えば、運搬装置として、細幅の道路上に軌道を敷設して、同軌道上にて運搬車を走らせるようにして、同運搬車にて高齢者や身体障害者を運搬することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した運搬装置では、細幅の道路上に軌道を敷設しているため、運搬装置を必要としない健常者等が歩行する際に、同運搬車の軌道が道路が細幅である分だけ却って邪魔になるという不具合がある。
【0007】
特に、運搬装置を必要とする高齢者や身体障害者等の人数よりも、同運搬装置を必要としない健常者等の人数が多い場合には、上記した不具合の度合が大きくなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、運搬路に沿って多数の運搬用レール支柱を前後方向に間隔を開けて立設し、これらの運搬用レール支柱の上部間に運搬用レールを架設し、同運搬用レールに運搬装置本体を移動可能に取り付け、同運搬装置本体に運搬台を垂設した運搬装置であって、前記運搬用レールは、地表面の形状に略沿わせて敷設し、同運搬用レールに略沿わせて給電用レールを敷設して、同給電用レールに沿わせて配線した給電用架線より運搬装置本体に給電可能としており、運搬装置本体の下部に枢支・連結軸を介して運搬台を枢支・連結すると共に、同枢支・連結軸の軸線を運搬用レールの伸延方向と略直交する左右方向に向けて配置して、同枢支・連結軸の軸線回りに運搬台を前後揺動自在となし、同運搬台より上方かつ上記枢支・連結軸の前方若しくは後方に向けて集電シュー支持アームを延設し、同集電シュー支持アームに集電シューを取り付けて、同集電シューを前記給電用架線に摺接させると共に、集電シュー支持アームに給電用レールの上面にて転動する転動ローラを取り付けて、同転動ローラにより運搬台を略鉛直方向の吊り下げ姿勢に保持するようにしたことを特徴とする運搬装置を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
すなわち、本発明に係る運搬装置は、運搬路に沿って多数の運搬用レール支柱を前後方向に間隔を開けて立設し、これらの運搬用レール支柱の上部間に運搬用レールを架設し、同運搬用レールに運搬装置本体を移動可能に取り付け、同運搬装置本体に運搬台を垂設している。
【0014】
そして、運搬用レールは、地表面の形状に略沿わせて敷設し、同運搬用レールに略沿わせて給電用レールを敷設して、同給電用レールに沿わせて配線した給電用架線より運搬装置本体に給電可能としている。
【0015】
しかも、運搬装置本体の下部に枢支・連結軸を介して運搬台を枢支・連結すると共に、同枢支・連結軸の軸線を運搬用レールの伸延方向と略直交する左右方向に向けて配置して、同枢支・連結軸の軸線回りに運搬台を前後揺動自在となし、同運搬台より上方かつ上記枢支・連結軸の前方若しくは後方に向けて集電シュー支持アームを延設し、同集電シュー支持アームに集電シューを取り付けて、同集電シューを前記給電用架線に摺接させると共に、集電シュー支持アームに給電用レールの上面にて転動する転動ローラを取り付けて、同転動ローラにより運搬台を略鉛直方向の吊り下げ姿勢に保持するようにしている。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1〜図3に示すAは、本発明に係る運搬装置であり、同運搬装置Aは、運搬路1に沿って多数の運搬用レール支柱2を前後方向に間隔を開けて立設し、これらの運搬用レール支柱2の上部間に運搬用レール3を架設し、同運搬用レール3に運搬装置本体4を移動可能に取り付け、同運搬装置本体4に運搬台5を垂設して構成している。
【0018】
ここで、本発明にかかる運搬装置Aを設置する運搬路1としては、自動車等の運搬車を乗り入れできないような細幅の道路で、なおかつ上り傾斜のある道路等が好ましい。
【0019】
運搬用レール支柱2は、図3にも示すように、上下方向に伸延させて形成して運搬路1の側縁部に立設した支柱本体10と、同支柱本体10の上部より運搬路1の内方側に向けて略水平に伸延させて形成した運搬用レール支持アーム11と、同運搬用レール支持アーム11の下方位置において支柱本体10の上部より運搬路1の内方側に向けて略水平に伸延さえて形成した給電用レール支持アーム12とを具備している。
【0020】
運搬用レール3は、図1に示すように、運搬路1に沿わせて前後方向に伸延させて形成し、図3及び図7に示すように、前後方向に間隔を開けて立設した上記運搬用レール支柱2,2の各運搬用レール支持アーム11, 11の先端部間に架設すると共に、運搬路1の地表面の形状に略沿わせて敷設している。
【0021】
すなわち、運搬用レール3は、運搬路1の地表面の形状に略沿わせるべく、部分的に上下方向若しくは左右方向に屈曲させて形成している。
【0022】
そして、前記した給電用レール支持アーム12,12の先端部間には、図1に示すように、運搬路1に沿わせて前後方向に伸延させて形成した給電用レール13を架設しており、同給電用レール13は、図3及び図7に示すように、前記した運搬用レール3と略平行させて敷設して、同給電用レール13の天井部13aの下面に給電用架線14を給電用レール13の伸延方向に沿わせて配線している。
【0023】
運搬装置本体4は、図6〜図11に示すように、支持機枠体20と、同支持枠体20に取り付けた移送車体21と、同移送車体21を駆動する駆動体22と、上記移送車体21を非常停止させる非常停止体23とを具備している。
【0024】
支持機枠体20は、図9〜図11に示すように、運搬用レール3の上方に配置した上部支持枠形成片24と、同運搬用レール3の下方に配置した下部支持枠形成片25と、同運搬用レール3の左側方に配置した左側方支持枠形成片26とを具備して、正面視コ字状に形成している。
【0025】
移送車体21は、上記した支持枠体20の上・下部支持枠形成片24,25の前部に配置した従動側移送部27と、同支持枠体20の上・下部支持枠形成片24,25の後部に配置した駆動側移送部28とを具備している。
【0026】
そして、従動側移送部27は、図8及び図10に示すように、上部支持枠形成片24から上下方向に軸線を向けた従動側上部支軸30を垂設し、同従動側上部支軸30の下端部に従動側上部転動輪支持片31を上下方向の軸線廻りに回動自在に取り付け、同従動側上部転動輪支持片31に、運搬用レール3の上面3a上にて転動する従動側上部転動輪32と、同運搬用レール3の左右側面3b,3b上にて転動する従動側左右側転動輪33,33とを取り付けている。34は上部転動輪支軸、35は側方転動輪支軸である。
【0027】
また、下部支持枠形成片25から上下方向に軸線を向けた従動側下部支軸36を上記従動側上部支軸30と同一軸線上にて突設し、同従動側下部支軸36の上端部に従動側下部転動輪支持片37を上下方向の軸線廻りに回動自在に取り付け、同従動側下部転動輪支持片37に、運搬用レール3の左右側角部3c,3c上にて転動する左右一対の従動側下部転動輪3 8,38を、左右方向に一定の間隔を開けて下部転動輪支軸39を介して同軸的に取り付けている。40は緩衝兼弾性付勢体としての皿バネである。
【0028】
ここで、運搬用レール3の下面3dの中央部にはラック41を運搬用レール3の伸延方向に沿わせて敷設しており、上記した左右一対の従動側下部転動輪38,38は、同ラック41の左右側方に配置して、同ラック41と干渉しないようにしている。
【0029】
このようにして、従動側移送部27は、運搬用レール3に従動側上・下部転動輪32,38,38が上下方向から当接すると共に、同運搬用レール3に従動側左右側転動輪33,33が左右側方から当接した状態にて、同運搬用レール3に沿って前後方向に移動可能としている。
【0030】
しかも、従動側上部・左右側転動輪32,33,33は、上部支持枠形成片24に従動側上部転動輪支持片31を介して従動側上部支軸30を中心に一体的に揺動自在に支持されている。
【0031】
従って、従動側移送部27は、図10に示すように、運搬用レール3が左右方向に屈曲して伸延している場合でも、また、図11に示すように、運搬用レール3が上下方向に屈曲して伸延している場合でも、同運搬用レール3に追従させて円滑に移送させることができる。
【0032】
駆動側移送部28は、図9及び図10に示すように、上部支持枠形成片24から上下方向に軸線を向けた駆動側上部支軸42を垂設し、同駆動側上部支軸42の下端部に駆動側上部転動輪支持片43を上下方向の軸線廻りに回動自在に取り付け、同駆動側上部転動輪支持片43に、運搬用レール3の上面3a上にて転動する駆動側上部転動輪44と、同運搬用レール3の左右側面3b,3b上にて転動する従動側左右側転動輪45,45とを取り付けている。46は上部転動輪支軸、47は側方転動輪支軸である。
【0033】
また、下部支持枠形成片25から上下方向に軸線を向けた駆動側下部支軸48を上記従動側上部支軸30と同一軸線上にて突設し、同駆動側下部支軸48の上端部に駆動軸支持枠片49を上下方向の軸線廻りに回動自在に取り付け、同駆動軸支持枠片49に左右方向に軸線を向けた駆動軸50を横架し、同駆動軸50に、運搬用レール3の左右側角部3c,3c上にて転動する左右一対の駆動側下部転動輪51,51を、左右方向に一定の間隔を開けて同軸的に回転自在に取り付け、両駆動側下部転動輪51,51間にて駆動軸50の中央部にピニオンギヤ52を取り付けて、同ピニオンギヤ52を運搬用レール3の下面3dに敷設したラック41に噛合させている。53は緩衝兼弾性付勢体としての皿バネ、54はストッパー体である。
【0034】
このようにして、駆動側移送部28は、運搬用レール3に駆動側上・下部転動輪44,51,51が上下方向から当接すると共に、同運搬用レール3に従動側左右側転動輪45,45が左右側方から当接した状態にて、同運搬用レール3に沿って前後方向に移動可能としている。
【0035】
しかも、駆動側上部・左右側転動輪44,45,45は、上部支持枠形成片24に駆動側上部転動輪支持片43を介して駆動側上部支軸42を中心に一体的に揺動自在に支持されている。
【0036】
従って、駆動側移送部28は、図10に示すように、運搬用レール3が左右方向に屈曲して伸延している場合でも、また、図11に示すように、運搬用レール3が上下方向に屈曲して伸延している場合でも、同運搬用レール3に追従させて円滑に移送させることができる。
【0037】
駆動体22は、図9〜図11に示すように、電動モータ60と、同電動モータ60の出力軸(図示せず)に連動連設した減速部61とを具備しており、前記した支持機枠体20の左側方支持枠形成片26にステー62を介して減速部61を取り付け、同減速部61の上部に電動モータ60を連動連設している。63は回転速度検出手段である。
【0038】
そして、減速部61には、前記した駆動軸50の左側端部を連動連結して、同駆動軸50を減速部61を介して電動モータ60により回転駆動させるようにしている。64は化粧カバー体である。
【0039】
非常停止体23は、図10〜図12に示すように、前記した支持機枠体20の上部支持枠形成片24に支持部65を取り付けると共に、同支持部65を従動側移送部27と駆動側移送部28との間において、運搬用レール3の直上方位置に配置し、同支持部65の左右側部に上下方向に軸線を向けた筒状支持片66,67を取り付けて、各筒状支持片66,67中に上下方向に伸延する狭圧片支軸68,69を挿通し、同挟圧片支軸68,69の上端部を伝動機構70を介して電動式の停止駆動用モータ71に連動連結する一方、各狭圧片支軸68,69の下端部に左右一対の狭圧片72,73を取り付けている。
【0040】
そして、伝動機構70は、支持部65上に横軸ステー74,74を介して左右方向に伸延する伝動横軸75を横架し、同伝動横軸75の左右側端部にそれぞれ伝動用ベベルギヤ76,77を取り付けて、左側のベベルギヤ76を左側の狭圧片支軸68の上端部に取り付けた左側入力側ベベルギヤ78に噛合させる一方、右側の伝動用ベベルギヤ77を右側の狭圧片支軸69の上端部に取り付けた右側入力側ベベルギヤ79と、停止駆動用モータ71の出力軸80に取り付けた出力側ベベルギヤ81の両方に噛合させている。
【0041】
また、停止駆動用モータ71は、支持部65の右側端部にモータステー82を介して取り付けており、同停止駆動用モータ71より出力軸80を下方へ向けて突出させて、同出力軸80を前記した伝動機構70を介して狭圧支軸68,69に連動連結している。
【0042】
狭圧片72,73は、図13にも示すように、運搬用レール3を間に挟んで左右対向状態に配置して、左側の狭圧片72は運搬用レール3の左側面3bに押圧状態に当接する一方、右側の狭圧片73は運搬用レール3の右側面3bに押圧状態に当接するようにしている。
【0043】
すなわち、各狭圧片72,73は、それぞれ平面視略扇形の板状に形成すると共に、運搬用レール3の左右側面3b,3bに当接する当接縁部72a,73aの始端部72b,73b側から終端部72c,73cに向けて漸次回転半径が大きくなるように形成している。
【0044】
このようにして、後述する緊急停止信号により停止駆動用モータ71が作動し、伝動機構70を介して狭圧片支軸68,69が、図13に示すように、それぞれa方向とb方向に回転されると、各狭圧片支軸68,69に取り付けた左右一対の狭圧片72,73の始端部72b,73bから順次連続的に終端部72c,73cが運搬用レール3の左右側面3b,3bに当接し始めて、両左右側面3b,3bに作用する両狭圧片72,73の狭圧力が徐々に増大されて、運搬装置本体4を緩やかにかつ確実に緊急停止させることができるようにしている。cは運搬方向である。
【0045】
運搬台5は、図2〜図7に示すように、天井部85と床部86と前後壁部87,88と右側壁部89とを具備して、前方が開放した縦長の箱型に形成しており、天井部85に左右一対の連結体90,90を上方へ向けて突設し、同連結体90,90と、前記した支持機枠体20の下部支持枠形成片25の下面に設けた背面視門型の連結ブラケット91とを、枢支・連結軸92により枢支・連結すると共に、同枢支・連結軸92の軸線を運搬用レール3の伸延方向と略直交する左右方向に向けて配置して、同枢支・連結軸92の軸線回りに運搬台5を前後揺動自在となしている。
【0046】
そして、図6及び図7に示すように、運搬台5の天井部85の前部より上方かつ上記枢支・連結軸92の前方に向けて集電シュー支持アーム93を延設し、同集電シュー支持アーム93の上端部に上下方向に伸延する前後揺動片94の上端部を枢軸95を介して枢支連結して、同前後揺動片94を枢軸95を中心に前後揺動自在となし、同前後揺動片94の下部に前後一対の集電シュー96,96を取り付けて、両集電シュー96,96を前記給電用架線14に下方から摺動自在に接触(摺接)させると共に、前後揺動片94の上端部に前後方向に伸延する上下揺動片9 7の中央部を直交状態に連設し、同上下揺動片97の前端部と後端部とに給電用レール13の天井部13aの上面にて転動する前後一対の転動ローラ98,98を転動ローラ支軸99,99を介して転動自在に取り付けている。
【0047】
このようにして、図5に示すように、運搬用レール3や給電用レール13が上り傾斜状に敷設されている場合でも、前後一対の転動ローラ98,98が給電用レール13に当接して、両転動ローラ98,98を支持している上下揺動片97を給電用レール13と略平行状態となすと共に、同上下揺動片97と直交状態の前後揺動片94を給電用レール13と略直交状態となして、同前後揺動片94に取り付けた前後一対の集電シュー96,96が確実に給電用架線14に下方から摺動自在に接触するようにしている。
【0048】
従って、給電用レール13に沿わせて配線した給電用架線14に接触している集電シュー96,96を介して運搬装置本体4に確実に給電することができる。
【0049】
しかも、図5に示すように、運搬装置本体4が傾斜姿勢になった場合に、運搬台5が自重により枢支・連結軸92を中心に鉛直方向に垂下された姿勢を保つべく回動するが、転動ローラ98,98が枢支・連結軸92の位置よりも前方へオフセットされた位置にて給電レール13に当接されているため、同転動ローラ98,98が集電シュー支持アーム93を介して運搬台5を鉛直方向に垂下された姿勢(吊り下げ姿勢)に確実に規制・保持することができる。
【0050】
なお、本実施例では、転動ローラ98,98を枢支・連結軸92の位置よりも前方へオフセットさせた位置に配置しているが、同転動ローラ98,98を枢支・連結軸92の位置よりも後方へオフセットさせた位置に配置することにより、運搬台5を鉛直方向へ垂下された姿勢に規制・保持することもできる。
【0051】
右側壁部89には、図2〜図4に示すように、前側下部に座席ステー100を介して座席101を取り付け、同座席101の後側上方位置に制御部102を設け、同制御部102の上方位置に取っ手部117を取り付けている。Mは、高齢者や身体障害者等の運搬装置Aの利用者である。
【0052】
そして、制御部102の側面には操作パネル部103を設けており、同操作パネル部103には、前進方向への始動操作スイッチである前進操作スイッチ104と、後進方向への始動操作スイッチである後進操作スイッチ105と、停止スイッチ106と、非常事態発生を音や音声等により報知するための非常スイッチ107を設けている。
【0053】
また、床部86には超音波センサ等の前・後部対人・対物検出センサ108,109を設けており、前部対人・対物検出センサ108を前上方へ向けて配置して、上り傾斜状の運搬路1において、運搬台5の前方の人や物を検出することができるようにする一方、後部対人・対物検出センサ109を後方へ向けて配置して、運搬台5の後方の人や物を検出することができるようにしている。Z1は前方の対人・対物検出ゾーン、Z2は後方の対人・対物検出ゾーンである。
【0054】
ここで、制御部102には、図14に示すように、入力側に前進操作スイッチ104と後進操作スイッチ105と停止スイッチ106と非常スイッチ107と前部対人・対物検出センサ108と後部対人・対物検出センサ109とを接続する一方、出力側に電動モータ60と停止駆動用モータ71とを接続している。
【0055】
このようにして、前・後進操作スイッチ104,105を操作することにより、制御部102を介して電動モータ60を正・逆回転駆動させて、運搬装置本体4を前・後進移動させることができるようにしている。
【0056】
そして、非常スイッチ107を操作することにより、制御部102を介して非常事態報知ブザー(図示せず)等を鳴動させることができるようにしている。
【0057】
また、前・後部対人・対物検出センサ108,109が人や物を検出した際には、その検出結果を制御部102に出力し、同制御部102がその検出結果に基づいて電動モータ60と停止駆動用モータ71を制御、すなわち、運搬装置本体4が始動する前であれば、電動モータ60の駆動を停止状態に保持して、運搬装置本体4が移動しないようにし、また、運搬装置本体4が始動開始した後であれば、電動モータ60の駆動を停止させると共に、停止駆動用モータ71を駆動させて、狭圧片72,73により運搬用レール3を狭圧して運搬装置本体4を緊急停止させるようにしている。
【0058】
また、後壁部88の左側端部中途部には、前後方向に伸延する遮断体110の後端部を枢支ピン111を介して枢支して、同遮断体110を略垂直上方へ起立させた左側方非遮断位置と、略水平に横臥させた左側方遮断位置との間で回動自在となす一方、前壁部87の左側端部中途部に遮断体受体112を設けて、同遮断体受体112に遮断体110の前端部を係止させることにより、遮断体110を左側方遮断位置に保持させることができるようにしている。
【0059】
なお、遮断体110を遮断体受体112に係止させて、左側方遮断位置に保持させた状態にて前・後進操作スイッチ104,105を操作しなければ、運搬装置本体4は始動しないようにしている。
【0060】
後壁部88は、下半部を開口すると共に、下部に開閉壁部113を蝶番114を介して開閉自在に取り付けて、同開閉壁部113を略垂直に起立させた閉塞位置と略水平に倒伏させた開放位置との間で開閉自在となしている。
【0061】
このようにして、図2及び図4に示すように、開閉壁部113を開放位置に開放して、折り畳んだ車椅子K等を収納して、利用者Mと一緒に運搬することができるようにしている。
【0062】
また、運搬用レール3と給電用レール13は略平行させて配置しているが、前記したように転動ローラ98,98が従動側移送部27よりも前方に位置して、先行して移動することより、図1に示すように、運搬用レール3の屈曲部115に対応する給電用レール13の屈曲部116を、転動ローラ98,98と従動側移送部27との前後間隔分だけ前方へ偏倚させて形成して、運搬台5が略鉛直方向に垂下された姿勢を保持することができるようにしている。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0064】
本発明では、運搬路に沿って多数の運搬用レール支柱を前後方向に間隔を開けて立設し、これらの運搬用レール支柱の上部間に運搬用レールを架設し、同運搬用レールに運搬装置本体を移動可能に取り付け、同運搬装置本体に運搬台を垂設している。
【0065】
このようにして、高齢者や身体障害者等が移動する際には、高齢者や身体障害者等が運搬台に搭乗して、同状態にて運搬装置本体を移動させると共に、所要の場所にて運搬装置本体を停止させて、運搬台から降りることにより、楽に運搬路を移動することができる。
【0066】
この際、運搬用レールを支持する多数の運搬用レール支柱は、運搬路の側縁部に沿わせて立設しておくことにより、同運搬路上を歩行する健常者等に運搬装置が邪魔にならないようにすることができる。
【0067】
また、本発明では、運搬用レールは、地表面の形状に略沿わせて敷設し、同運搬用レールに略沿わせて給電用レールを敷設して、同給電用レールに沿わせて配線した給電用架線より運搬装置本体に給電可能としている。
【0068】
このようにして、運搬用レールを地表面から略一定の高さに架設することができて、同運搬用レールが運搬路上を歩行する健常者等の支障とならないようにすることができると共に、同運搬用レールに沿って移動する運搬台の地上高を略一定に保持することができて、高齢者や身体障害者等が運搬路の所要の場所においても運搬台に楽に乗降できるようにすることができる。
【0069】
また、本発明では、運搬装置本体の下部に枢支・連結軸を介して運搬台を枢支・連結すると共に、同枢支・連結軸の軸線を運搬用レールの伸延方向と略直交する左右方向に向けて配置して、同枢支・連結軸の軸線回りに運搬台を前後揺動自在となし、同運搬台より上方かつ上記枢支・連結軸の前方若しくは後方に向けて集電シュー支持アームを延設し、同集電シュー支持アームに集電シューを取り付けて、同集電シューを前記給電用架線に摺接させると共に、集電シュー支持アームに給電用レールの上面にて転動する転動ローラを取り付けて、同転動ローラにより運搬台を略鉛直方向の吊り下げ姿勢に保持するようにしている。
【0070】
このようにして、集電シュー支持アームに取り付けた集電シューにより確実に集電することができると共に、同集電シュー支持アームに取り付けた転動ローラにより運搬台を略鉛直方向の吊り下げ姿勢に保持することができて、運転台の乗り心地を良好に確保することができる。
【0071】
特に、運搬装置の利用者、すなわち、運転台に乗って移送されるのが高齢者や身体障害者等であるため、同身体障害者等への重力や慣性力等による身体的負担を可及的に少なくして、喜んで運搬装置を利用してもらえるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる運搬装置の側面図。
【図2】同運搬装置の要部拡大側面説明図。
【図3】同運搬装置の要部拡大正面図。
【図4】運搬台の平面説明図。
【図5】同運搬台の吊下状態説明図。
【図6】搬送装置本体の拡大側面図。
【図7】同搬送装置本体の断面正面図。
【図8】従動側移送部の断面正面図。
【図9】駆動側移送部の断面正面図。
【図10】運搬装置本体の平面説明図。
【図11】同運搬装置本体の側面説明図。
【図12】非常停止体の断面背面図。
【図13】同非常停止体の平面説明図。
【図14】制御ブロック図。
【符号の説明】
A 運搬装置
1 運搬路
2 運搬用レール支柱
3 運搬用レール
4 運搬装置本体
5 運搬台
Claims (1)
- 運搬路に沿って多数の運搬用レール支柱を前後方向に間隔を開けて立設し、これらの運搬用レール支柱の上部間に運搬用レールを架設し、同運搬用レールに運搬装置本体を移動可能に取り付け、同運搬装置本体に運搬台を垂設した運搬装置であって、
前記運搬用レールは、地表面の形状に略沿わせて敷設し、同運搬用レールに略沿わせて給電用レールを敷設して、同給電用レールに沿わせて配線した給電用架線より運搬装置本体に給電可能としており、
運搬装置本体の下部に枢支・連結軸を介して運搬台を枢支・連結すると共に、同枢支・連結軸の軸線を運搬用レールの伸延方向と略直交する左右方向に向けて配置して、同枢支・連結軸の軸線回りに運搬台を前後揺動自在となし、同運搬台より上方かつ上記枢支・連結軸の前方若しくは後方に向けて集電シュー支持アームを延設し、同集電シュー支持アームに集電シューを取り付けて、同集電シューを前記給電用架線に摺接させると共に、集電シュー支持アームに給電用レールの上面にて転動する転動ローラを取り付けて、同転動ローラにより運搬台を略鉛直方向の吊り下げ姿勢に保持するようにしたことを特徴とする運搬装置。
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