JP4128748B2 - 髄内骨固定装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、髄内骨固定装置および髄内装置を骨に固定する方法に関するものである。本発明の装置および方法は、特に骨折部を安定させるため、および人工股関節、膝またはその他の関節などプロテーゼを骨に固定するために適している。
【０００２】
骨折部の固定および安定は、特に長骨の場合難しい可能性がある。これには、通常２つの技法が使用される。第一の技法は、骨の一方のサイドにプレートを当て、複数のねじで骨折部の両側でプレートを骨に留める方法である。この技法は、骨の一方のサイドからだけねじを通じて骨に力が加えられるため、骨への負荷が不均等になる可能性があるという不利点がある。
【０００３】
骨折部を固定し安定するための第二の技法は、骨の髄管に髄内ピンを挿入する方法である。固定ピンは使用する場合もしない場合もある。固定ピンを使用しない場合、骨折部の両側の骨が髄内ピンの周りで回転して骨の不整合を引き起こす可能性がある。固定ピンが使用される場合、骨折部の両側の骨に穴を穿ち、骨の穴および髄内ピンに形成される穴に固定ピンを挿入する必要がある。骨の穴と髄内ピンの穴とを整合させるのは困難であることが多く、そのため、手術手順が複雑化して、患者の術後回復時間を長くする可能性がある。
【０００４】
人工股関節および人工膝などのプロテーゼの固定も同様の困難に直面している。例えば、人工股関節を患者に取り付けるためには、一般に、大腿上部を処置して、大腿の髄管に股関節プロテーゼのステム部分を挿入する。ステムは骨セメントによりまたは外部ピンを大腿に穿たれた穴および人工股関節のステム部分の穴に挿入することによって、大腿に固定される。外部ピンを使用することの難しさについては、上に説明した通りである。骨セメントが使用される場合、セメントが骨に適切に付着しない場合プロテーゼの不整合および移動を生じる可能性がある。
【０００５】
先行技術の上記の不利点の一つまたはそれ以上を克服するまたは少なくとも改善する装置および方法を提供することが、本発明の目的である。
【０００６】
第一の態様において本発明は、髄内骨固定装置であって、その側壁に少なくとも一つの開口を有し骨の髄管へ挿入するようにされた中空細長部材と、前記中空細長部材内に滑動可能に受容され得るサイズであり、少なくとも一本のピンを担持し、その外面に一つ以上の溝を有する内側部材と、を備え、前記少なくとも一本のピンは該少なくとも一本のピンが収縮位置にある時に前記一つ以上の溝内に位置せしめられ、少なくとも一本のピンはその一方の端で前記内側部材に旋回可能に接合され、前記少なくとも一本のピンは収縮位置から該少なくとも一本のピンが前記中空細長部材の少なくとも一つの開口のそれぞれを通って伸びる伸張位置へと移動可能であり、前記少なくとも一本のピンは、該少なくとも一本のピンの自由端を前記一つ以上の開口と整合させて配置し、前記内側部材を回転させてそれによって前記ピンが前記一つ以上の開口を通って伸びるようにすることによって前記伸張位置に移動される、装置を提供する。
【０００７】
もう一つの態様において本発明は、髄内骨固定装置であって、その側壁に少なくとも一つの開口を有し骨の髄管へ挿入するようにされた中空細長部材と、前記中空細長部材内に滑動可能に受容され得るサイズであり、少なくとも一本のピンを担持している内側部材と、を備え、前記少なくとも一本のピンは収縮位置から該少なくとも一本のピンが前記中空細長部材の少なくとも一つの開口のそれぞれを通って伸びる伸張位置へと移動可能であり、前記少なくとも一本のピンはその一方の端に拡大部を有し、該拡大部は前記内側部材に形成されるそれぞれの穴または窪みに収まり、前記少なくとも一本のピンは収縮位置にある時に前記内側部材に形成されるそれぞれの溝に沿って伸び、前記一本以上のピンは前記中空細長部材の内壁によって所定の位置に保持されると共に、前記一本以上のピンはその自由端を前記中空細長部材の前記少なくとも一つの開口と整合させ前記内側部材を回転させることにより伸ばされる、装置を提供する。
【０００８】
中空細長部材は、その遠位端に、中空細長部材を髄管に挿入しやすいように尖端または閉鎖端を持つことができる。中空細長部材の遠位端は、円錐形の尖端を備えることが望ましく、尖端は中空細長部材と一体で形成するか、中空細長部材に後から取り付けられる別個の部品として備えることができる。
【０００９】
内側部材は中実部材であることが望ましいが、中空部材とすることもできる。内側部材は、中空細長部材にぴったりと合うが密着しすぎないサイズとすることにより、中空細長部材内で内側部材が容易に移動できるようにしながら、内側部材と中空細長部材の間にゆるみまたは「ルーズさ」が生じないようにすることが望ましい。内側部材および中空細長部材は共に、その長さの大部分が円筒形であることが望ましい。
【００１０】
内側部材は少なくとも一本のピンを持つ。内側部材は、複数のピンを持つことが望ましい。中空細長部材は、少なくとも内側部材のピンと同じ数の開口をその側壁に持たなければならない。その代わりに、２本またはそれ以上のピンが通るように開口を形成することができる。例えば、中空細長部材は２本以上のピンが突き出せるスロットを備えることができる。
【００１１】
一本またはそれ以上のピンは、本発明の装置を骨に対して相対的な所定の位置に保持する手段である。本発明の装置を使用する際、装置は骨の髄内管に挿入される。目標位置に達したら、ピンは収縮位置から伸張位置に移動する。伸張位置においては、各ピンは、中空細長部材の側壁の穴を通って骨の中まで伸びることによって、装置と骨の相対的位置を固定する。この装置は、外部固定ピンに合わせて骨に穴を穿つ必要がないので、使い方が単純である。また、骨を装置に対して相対的な位置にしっかりと保持する。
【００１２】
本発明の望ましい実施態様においては、装置を骨にしっかりと固定または接合するために内側部材は複数のピンを持つ。説明の便宜上、本発明については、以後複数のピンを持つものとして説明する。しかし、本発明の目的は一本のピンによっても達成することができ、そのような実施態様も本発明の範囲内にあるものとする。
【００１３】
収縮位置においては、ピンは、中空細長部材の外径または周辺を越えて伸びないことが望ましい。伸張位置においては、ピンは、中空細長部材の側壁の穴を通って骨の中まで伸びる。
【００１４】
本発明の好ましい実施形態においては、内側部材は、その外面に一本またはそれ以上の溝を備える。この溝は、概ね横方向の溝が適切である。ピンは、溝に配置され、一端でまたはその付近で内側部材に旋回可能に接合される。各ピンの他方の端は、内側部材の面を僅かに越えて伸びることができる。ピンを伸張位置に移動させるために、内側部材は、ピンの自由端が中空細長部材の側壁の穴と整合すると回転させることができる。ピンの自由端は、この穴を通って伸びる。内側部材の回転が続く間、旋回可能に取り付けられたピンの端と中空細長部材の穴の間の距離は小さくなるので、ピンは完全に伸びるまで穴を通って外側に向かって動く。
【００１５】
ピンが骨の中まで伸びるために必要な力で内側部材を回転させることができるように、内側部材の近位端は、ハンドルまたはトルクを与えるための手段と係合するための係合面を備えることができる。中空細長部材の回転を防止するためにまたはこれを最小限に抑えるために、中空細長部材を所定の位置に保持するための保持面も備えることができる。保持面は、中空細長部材の近位端の正方形、長方形、六角形またはその他の多角形面とすることができる。その代わりに、中空細長部材は、中空細長部材を所定の位置に保持するために適切なツールと係合するキー溝を備えることができる。
【００１６】
中空細長部材および内側部材は、固定長さ部材でも、可変長さまたは調節可能長さの部材でもよい。可変長さまたは調節可能長さの部材は、装置が骨折部の固定に使用され骨折部の回復中装置の長さを調節することが望ましい場合、特に有益である。
【００１７】
本発明は、その側壁に少なくとも一つの開口を有し骨の髄管に挿入するのに適する中空細長部材、およびこの中空細長部材内で滑動して受け入れられるサイズであり、少なくとも一本のピンを持ち、この少なくとも一本のピンが収縮位置から中空細長部材の少なくとも一つの開口のうちそれぞれ該当の開口を通って伸びる伸張位置に移動可能である内側部材を備える髄内骨固定装置を提供するステップ、髄内装置を骨の髄管に挿入するステップ、および少なくとも一本のピンを収縮位置から中空細長部材の側壁の少なくとも一つの開口のうちそれぞれ該当の開口を通って伸びる伸張ポジジョンまで伸ばすことにより装置と骨の相対的位置を固定するステップを含む、髄内装置を骨に固定する方法も含む。
【００１８】
装置は複数のピンを備えることが望ましい。
【００１９】
一つの実施態様においては、装置を骨の髄管に挿入するステップは、中空細長部材を髄管に挿入し、その後内側部材を中空細長部材に挿入するステップを含む。その代わりに、このステップは、内側部材を中空細長部材に挿入し、その後中空細長部材を髄管に挿入するステップを含むことができる。さらに代替実施態様として、このステップは、内側部材を中空細長部材に一部挿入し、中空細長部材を髄管に挿入し、その後内側部材を中空細長部材に完全に挿入するステップを含むことができる。
【００２０】
収縮位置から伸張位置にピンを移動させるステップは、内側部材を回転させて、それによりピンが中空細長部材の側壁の少なくとも一つの穴を通って伸びるようにピンを動かすステップを含むことができる。中空細長部材は、内側部材が回転する間所定の位置に保持されることが望ましい。
【００２１】
装置が骨折部を安定または固定するために使用される場合、装置が取り付けられたら、ピンは、骨折部の両側で骨の中まで伸びることが望ましい。
【００２２】
本発明について、さらに、本発明の望ましい実施態様を示す添付図面を参照して説明する。添付図面は、本発明を例示するために提供されており、本発明は図面に示される特定の実施態様に限定されるとみなされるべきでないことが分かるだろう。
【００２３】
図１は、本発明に従った装置１０を示している。装置１０は、閉鎖円錐尖端が形成される遠位端１２および開放近位端を有する中空細長部材１１を含む。内側部材には複数のピン１５ａ、１５ｂ、…．１５ｈが取り付けられる。ピン１５ａ−１５ｈは、それぞれの穴１６ａ−１６ｂを通って伸びる。穴１６ａ−１６ｄについては、図２にさらにはっきりと示されている。
【００２４】
次に本発明の装置の内側部材の細部を示す図３および４を見ると、内側部材１４は、中実ピンを備え、例えば機械加工により形成される横方向に伸びる複数の溝１７ａ、１７ｂ、１７ｃ、１７ｄを持つ。溝１７ａ−１７ｄは、ピンが収縮位置のときそれぞれのピン１５ａ−１５ｄを収める。ワイヤまたは釘１８が内側部材１４の長さの大部分に沿ってピン１５ａ−１５ｄの各々の一端を貫いて伸び、これによりピン１５ａ−１５ｄを内側部材１４に旋回可能に取り付ける。
【００２５】
図４において最もよく示される通り、ピン１５ａの自由端は、内側部材１４の外面を越えて伸びる。ピンの自由端が中空細長の内面に引っかからずに内側部材１４を中空細長部材１１に挿入できるようにするために、中空細長部材１１は、ピンの自由端の先端が伸びることのできる長手方向に伸びる一本またはそれ以上の溝１９（図２を参照のこと）を備えることができる。長手方向に伸びる溝１９は、穴１６ａ−１６ｄの列と同じ線に沿って伸びることが分かるだろう。
【００２６】
溝１９に対する固定ピン１５ａの相対的位置決めについては、図５においてより明確に示される。
【００２７】
図６−９は、固定ピン１５ａを収縮位置（図６に示される）から伸張位置（図９に示される）に移動する方法を示している。特に、内側部材１４は、固定ピン１５ａが穴１６ａと整合するまで（図６に示される通り）ピン１５ａの先端が溝１９の中を移動して、中空細長部材１１の内径に沿って滑動する。図６から分かるとおり、固定ピン１５ａの先端は穴１６ａの中まで短い距離だけ伸びているが、収縮位置においては、固定ピン１５ａの先端は中空細長部材１１の外周を越えて伸びない。
【００２８】
固定ピン１５ａを収縮位置から動かすために、一般には内側部材１４の近位端に回転力を与えることにより内側部材１４を回転させる。内側部材１４が回転すると、固定ピン１５ａの先端は穴１６ａの縁に捕らえられる。内側部材１４の回転が続くと、固定ピン１５ａがワイヤ１８に旋回可能に取り付けられる点２０は、穴１６ａに向かって近づく。これにより、ピン１５ａは、穴１６ａを通って外側に向かって伸びる。図８および９に示される通り、さらに回転すると、ピンは、図９に示される完全伸張位置になるまでさらに伸びる。
【００２９】
図１０は、固定ピン３１、３２が直径方向に相対する位置に取り付けられる内側部材３０の略図を示している。ピン３１、３２は、溝３３、３４にはめ込まれて、ピン３１、３２を内側部材３０に旋回可能に接合するそれぞれの釘３５、３６によって保持される。
【００３０】
本発明の装置を髄管に固定しやすくするために、内側部材および中空細長部材は共に、その近位端に、ツールまたは保持手段を付けることを可能にする特徴を持つまたはそのように成形されることが望ましい。これは、図１１にもっとも良く示されており、この図において、内側部材３０は、その近位端に、トルクまたは回転力を与えることのできるハンドル（図には示されていない）を有する相補的な形状のツール３８と係合するように正方形または六角形の突出３７が形成される。ツール３８は、回転力を与えやすくするためにラチェット・ハンドルが取り付けられることが望ましい。
【００３１】
ピンを伸ばすために回転力が内側部材に与えられるとき中空細長部材が回転するのを防ぐために、外側の中空細長部材の近位端に保持手段が形成されることが望ましい。保持手段は、安定化ツール３９と係合することのできる正方形、長方形、六角形またはその他の多角形の末端を含むことができる。図１２にさらに明確に示される通り、安定化ツール３９は、ハンドル４０および中空細長部材の近位端と係合する係合部分を含む。
【００３２】
図１３は、本発明のもう一つの実施態様を示しており、この実施態様においては、髄内骨固定装置は、伸縮可能の長さを持つ。特に、図１３に示される装置は、内側部材５０、および第一の部分５２および第二の部分５３を含む外側部材を含む。内側部材５０も、第一の部分５４および第二の部分５５を含む。第一の部分５４は、少なくとも小さいねじきり部分を持つボア５６を含む。内側部材５０の第二の部分５５にもボア５７があり、ボア５７は、ブラインド・エンドで終結する。ねじ５９が、ボア５６、５７にねじ込まれる。ねじが完全に挿入されると、ねじの端はブラインド・エンドにぶつかる。ねじをさらに回転させると、２つの部分５４、５５を押し離すことにより、内側部材５０の長さを伸張することになる。ピンが髄管の周りの骨に挿入され、内側部材５０の長さが伸張されると、外側部材５１の長さも伸張する。
【００３３】
内側部材の整合を簡単に確認できるようにするために、内側部材の近位端に何らかの印を付けることも、望ましい。
【００３４】
次に、本発明のもう一つの実施態様を示す図１４および１５を見てみると、ピンまたは釘３０は一端に球形部分３１を持ち、釘の軸部３２が球形部分３１から伸びて尖端３３まで先細となる。図１４に示されるピンまたは釘３０は、本発明の装置に使用される複数のピンまたは釘のうちの一本である。
【００３５】
中空細長部材３５（図１５を参照のこと）には少なくとも一つの穴３６が形成され、この少なくとも一つの穴３６の直径は、ピンまたは釘３０の球形部分３１の直径より僅かに大きい。内側部材３７は同様のサイズの穴３８を含み、溝３９が内側部材３７の長さを横切ってこの穴を貫通する。装置にピンまたは釘３０を装着するために、穴３６および３８は整合され、ピンまたは釘３０の球形部分３１が穴３８に収まるまでピンまたは釘が穴から挿入される。ピンまたは釘３０の尖端３３は、穴３６のほぼ反対側のスロットまたは孔４０の中に突き出す。
【００３６】
ピンまたは釘３０が装着されたら、内側部材の穴３８が外側管によって覆われるまで外側管を右回りに回転させる。スロット４０が同時に移動して、ピンまたは釘３０の尖端の遠位端に丁度接触する。ピンまたは釘３０はこうして挿入の準備を完了する。
【００３７】
装置が髄管に挿入されたら、ピンまたは釘３０が完全に伸びるまで内側部材３７を右回りの方向に回転させる。この点に関してピンまたは釘の伸張は、図６−９に示されるものと同様である。
【００３８】
図１４および１５に示される実施態様において、ピンまたは釘３０は、内側部材に接合または取り付けされない。そうではなく、ピンまたは釘は、外側管（すなわち中空細長部材）と内側部材の間の相互作用により所定の位置に保持される。この意味で、内側部材と少なくとも一本のピンまたは釘の間に物理的取り付けはなくても、内側部材は少なくとも一本のピンまたは釘を持っていることが分かるだろう。
【００３９】
当業者は、本文書において説明される発明に、特に説明されるもの以外の変形および変更態様が可能であることがわかるだろう。本発明は、その精神および範囲内にあるこれら全ての変形および変更態様を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、ピンが伸張位置のときの本発明に従った装置の側面断面図を示している。
【図２】 図２は、図１の装置の中空細長部材の斜視図を示している。
【図３】 図３は、ピンが収縮位置のときの図１の内側部材の上面図である。
【図４】 図４は、図３の線４−４に沿って見た断面図である。
【図５】 図５は、中空細長部材に挿入された内側部材を示す端面断面図である。
【図６】 図６から９までは、収縮位置から伸張位置に移動するピンを示す端面断面図である。
【図７】 図６から９までは、収縮位置から伸張位置に移動するピンを示す端面断面図である。
【図８】 図６から９までは、収縮位置から伸張位置に移動するピンを示す端面断面図である。
【図９】 図６から９までは、収縮位置から伸張位置に移動するピンを示す端面断面図である。
【図１０】 図１０は、本発明の別の実施態様の側面断面図である。
【図１１】 図１１は、本発明に従った装置の近位端の一部断面とした側面図である。
【図１２】 図１２は、図１１に示される中空細長部材保持手段の略図である。
【図１３】 図１３は、可変長さを持つ本発明のさらに別の実施態様の断面略図である。
【図１４】 図１４は、本発明の別の実施態様に使用するのに適するピンまたは釘の側面図である。
【図１５】 図１５は、本発明の別の実施態様の端面断面図である。

Claims (17)

1. 髄内骨固定装置であって、
   その側壁に少なくとも一つの開口を有し骨の髄管へ挿入するようにされた中空細長部材と、
   前記中空細長部材内に滑動可能に受容され得るサイズであり、少なくとも一本のピンを担持し、その外面に一つ以上の溝を有する内側部材と、を備え、
   前記少なくとも一本のピンは該少なくとも一本のピンが収縮位置にある時に前記一つ以上の溝内に位置せしめられ、少なくとも一本のピンはその一方の端で前記内側部材に旋回可能に接合され、前記少なくとも一本のピンは収縮位置から該少なくとも一本のピンが前記中空細長部材の少なくとも一つの開口のそれぞれを通って伸びる伸張位置へと移動可能であり、前記少なくとも一本のピンは、該少なくとも一本のピンの自由端を前記一つ以上の開口と整合させて配置し、前記内側部材を回転させてそれによって前記ピンが前記一つ以上の開口を通って伸びるようにすることによって前記伸張位置に移動される、装置。
2. 髄内骨固定装置であって、
   その側壁に少なくとも一つの開口を有し骨の髄管へ挿入するようにされた中空細長部材と、
   前記中空細長部材内に滑動可能に受容され得るサイズであり、少なくとも一本のピンを担持している内側部材と、を備え、
   前記少なくとも一本のピンは収縮位置から該少なくとも一本のピンが前記中空細長部材の少なくとも一つの開口のそれぞれを通って伸びる伸張位置へと移動可能であり、前記少なくとも一本のピンはその一方の端に拡大部を有し、該拡大部は前記内側部材に形成されるそれぞれの穴または窪みに収まり、前記少なくとも一本のピンは収縮位置にある時に前記内側部材に形成されるそれぞれの溝に沿って伸び、前記一本以上のピンは前記中空細長部材の内壁によって所定の位置に保持されると共に、前記一本以上のピンはその自由端を前記中空細長部材の前記少なくとも一つの開口と整合させ前記内側部材を回転させることにより伸ばされる、装置。
3. 前記少なくとも一本のピンの自由端が前記内側部材の表面を僅かに越えて伸びる、請求項１または２に記載の装置。
4. 前記一つ以上の溝が概ね横方向に伸びる溝である、請求項１から３の何れか一項に記載の装置。
5. 前記少なくとも一本のピンの自由端が収縮位置にある時に前記開口のそれぞれの中へ伸びる、請求項３に記載の装置。
6. 前記中空細長部材の内壁に溝が設けられ、該溝は前記少なくとも一本のピンの自由端を受容しそれによって前記中空細長部材内への前記内側部材の長手方向の挿入を可能とする、請求項３に記載の装置。
7. 前記内側部材の回転により、前記少なくとも一本のピンの旋回可能に取り付けられた端とそれぞれの開口との距離が減少し、それによって前記少なくとも一本のピンがそれぞれの開口を通って外側へ移動する、請求項１に記載の装置。
8. 前記内側部材の回転により、前記少なくとも一本のピンの拡大された端とそれぞれの開口との距離が減少し、それによって前記少なくとも一本のピンがそれぞれの開口を通って外側へ移動する、請求項２に記載の装置。
9. 前記中空細長部材を髄管に挿入しやすくするために、前記中空細長部材がその遠位端に尖端または閉鎖端を有する、請求項１または２に記載の装置。
10. 前記中空細長部材の遠位端が円錐形尖端を備える、請求項９に記載の装置。
11. 前記内側部材を前記中空細長部材にぴったりと合うが密着しすぎないサイズとすることにより、前記中空細長部材内で前記内側部材が容易に動けるようにしながら、前記内側部材と前記中空細長部材の間にゆるみが生じないようにする、請求項１から１０の何れか一項に記載の装置。
12. 前記内側部材および前記中空細長部材が共に、その長さの大部分において円筒形である、請求項１から１１の何れか一項に記載の装置。
13. 前記内側部材が複数のピンを有する、請求項１から１２の何れか一項に記載の装置。
14. 前記内側部材の近位端が、ハンドルまたはトルクを与える手段と係合するための係合面を備える、請求項１から１３の何れか一項に記載の装置。
15. 前記中空細長部材が、前記中空細長部材を所定の位置に保持しその回転を防止するための保持面を備える、請求項１から１４の何れか一項に記載の装置。
16. 前記中空細長部材および前記内側部材が固定長さを有する、請求項１から１５の何れか一項に記載の装置。
17. 前記中空細長部材および前記内側部材が調節可能な長さを有する、請求項１から１５の何れか一項に記載の装置。

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