JP4128519B2 - 着火装置 - Google Patents
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Description
また、着火装置がバス線に接続されて制御装置から通信による点火制御を受けるには、着火装置側に、制御装置と通信するための通信回路と、補助拘束装置を作動させる火薬に点火するための着火素子に電力を供給する点火回路とを備える必要がある(例えば、特許文献3参照。)。
従って、自己診断により点火回路に備えられた蓄電手段の電気容量値診断を精度良く実行し、点火回路の動作を保証する着火装置を実現することができるという効果が得られる。
従って、自己診断により点火回路に備えられた蓄電手段の電気容量値診断を精度良く実行し、点火回路の動作を保証する着火装置を実現することができるという効果が得られる。
図1は、本発明の第1の実施例の着火装置を備えた乗員保護装置における点火システムの概要を示すブロック図である。なお、本実施例の着火装置を備えた乗員保護装置は、特に自動車等の車両に搭載して利用することが有用であり、一例として、乗員保護装置が自動車に搭載された場合について説明する。
図1において、コントロールユニット1は、車両に加わった衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の中心をなす制御装置であって、乗員を保護するために車両の適所に設けられた複数の補助拘束装置(図示せず)に1対1で備えられる該補助拘束装置の着火装置2a、2b、2c・・・が、例えば2対の線材が両方とも接地されない平衡型のバス線3を用いて並列に接続されている。なお、着火装置2a、2b、2c・・・は点火剤(補助拘束装置のガス発生剤に火をつける火薬)を利用して補助拘束装置を作動させる装置であって、内部に点火剤(後述する点火剤54)を内蔵しており、コントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・の通信アドレスを指定して送出された点火指令信号(点火指令コマンド)を受信して点火剤に点火することで補助拘束装置を作動させる。
ここで、通信回路14と着火装置2a、2b、2c・・・との間のバス線3を介した電力供給と制御信号の通信に関して説明する。図2は、通信回路14と着火装置2a、2b、2c・・・との間でバス線3を介して送受信される信号の仕様を、横軸を「時刻t」、縦軸を「電圧V」として示した図である。コントロールユニット1によってバス線3は、図2に示すように、コントロールユニット1と着火装置2a、2b、2c・・・との間で通信アドレスを指定して制御信号を送受信する「通信フェーズ」と、コントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・へ電力を供給する「電力供給フェーズ」とを交互に繰り返すように制御される。具体的には、例えば「通信フェーズ」では、バス線3を構成する2本の線間の電位差が6[V]でデータ"High"(=1)、同様に2本の線間の電位差が3[V]でデータ"Low"(=0)を示し、更に「電力供給フェーズ」では、2本の線間の電位差が11[V]の電力がコントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・へ供給される。
一方、図3は、本実施例の着火装置の点火回路の詳細を示すブロック図であって、一例として、着火装置2aについて詳細に示す。なお、バス線3に接続された他の着火装置2b、2c・・・は、全て着火装置2aと同じ構成を備えているものとする。
図3において、着火装置2aの点火回路には、バス線3による通信の診断とコントロールユニット1からの指示に基づく点火制御を実行する制御回路21が備えられており、バス線3との間で制御信号の送受信を行うための受信バッファや送信バッファを含む通信回路22を介してバス線3と接続されている。
また、昇圧回路25の出力には、スイッチング素子26を介して、コンデンサ27が接続されており、着火装置2aが点火剤に点火して補助拘束装置を作動させるために必要な、昇圧回路25により昇圧された電力を蓄電できるように構成されている。
発振回路31aは、オペアンプOP1を利用した発振器であって、具体的には、オペアンプOP1の出力は、カップリングコンデンサC1を介して、正帰還抵抗R1と分割抵抗R2とにより分割されてオペアンプOP1のプラス入力に帰還されている。また、オペアンプOP1の出力は、負帰還抵抗R3を介してオペアンプOP1のマイナス入力に帰還されている。
次に、図面を参照して、本実施例の着火装置の物理的配置構成について説明する。図4は、本実施例の着火装置の物理的配置構成を示す、着火装置の縦方向断面図であって、一例として、着火装置2aについて詳細に示す。なお、バス線3に接続された他の着火装置2b、2c・・・は、全て着火装置2aと同じ物理的配置構成を備えているものとする。
そして、これら点火剤54、IC基板53、ピン51a、ヘッダ52を、上部が閉塞された円筒状のキャップ56で覆い、更にキャップ56で覆われた点火剤54、IC基板53、ピン51a、ヘッダ52を、モールド成型によりピン51a、51bの部分にまたがって樹脂モールド57で覆うことで一体化させる。なお、上記の説明において各部の材質は一例であって、例えばキャップ56に金属製のものを使用することができるなど種々の対応が採用可能である。
次に、図面を参照して、本実施例の着火装置の診断処理部31bによるコンデンサ27の診断手順について詳細に説明する。図5は、本実施例の着火装置の診断処理部31bによるコンデンサ27の診断手順を示すフローチャートである。
図5において、まず診断処理部31bは、スイッチング素子26を遮断させてコンデンサ27を診断用回路31のみに接続させると共に、発振回路31aのスイッチング素子SW1を導通させてコンデンサ27を発振回路31aのオペアンプOP1へ接続する(ステップS1)。
次に、診断処理部31bは、入力抵抗R4を介して電圧VinをオペアンプOP1のマイナス入力に印加することにより発振回路31aを作動させて診断用信号を発振させる(ステップS2)。
そして、診断処理部31bは、ステップS3で測定した信号の電圧振幅値と、コンデンサ27の仕様上の電気容量値と正帰還抵抗R1の抵抗値とに基づいて算出される基準振幅値とを比較して(ステップS4)、コンデンサ27の電気容量値が正常か、または異常かを診断する(ステップS5)。
すなわち、コンデンサ27の電気容量値の診断は、発振回路31aの出力側のB点の信号の電圧振幅値をAi、例えば正帰還抵抗R1とコンデンサ27とで形成するフィルタの理論上の振幅周波数特性を、入力に対して出力が0.7[倍]とした場合、下記(2)式のように、測定された「電圧振幅値Ao」と算出された基準振幅値「電圧振幅値Ai×0.7」との差分の絶対値が所定値α以下の場合には、ステップS5においてコンデンサ27の電気容量値は正常と判断する。
一方、ステップS5において、コンデンサ27の電気容量値が異常と判定された場合(ステップS5のNO)、診断処理部31bは、通信回路22を介してコントロールユニット1へ警報信号を出力する(ステップS6)。
また、本実施例では、診断処理部31bが振幅測定手段と、診断手段とを含んでいる。より具体的には、図5のステップS3の処理が振幅測定手段に相当し、図5のステップS4及びステップS5の処理が診断手段に相当する。
従って、自己診断により点火回路に備えられたコンデンサ27の電気容量値診断を精度良く実行し、点火回路の動作を保証する着火装置を実現することができるという効果が得られる。
具体的には、上述のコンデンサ27の仕様上の電気容量値C=22[μF]、正帰還抵抗R1の仕様上の抵抗値R=100[Ω]、基準周波数F=1/(2×π×R×C)≒72.34[Hz]、Ai=4[V]とし、所定値α=0.16[V]とすると、約10[%]の電気容量値変動を検出し、コンデンサ27の電気容量値が正常か否かを診断することができる。
(全体構成)
本実施例の着火装置が第1の実施例で説明した着火装置と異なる部分は、コンデンサ27の電気容量値の診断方法のみである。従って、本実施例の着火装置を備えた点火システムの構成、本実施例の着火装置の回路構成(装置構成)、本実施例の着火装置の物理的配置構成は、全て第1の実施例と同一であるので、ここでは説明を省略し、コンデンサ27の電気容量値の診断方法のみを説明する。
次に、図面を参照して、本実施例の着火装置の診断処理部31bによるコンデンサ27の診断手順について詳細に説明する。図6は、本実施例の着火装置の診断処理部31bによるコンデンサ27の診断手順を示すフローチャートである。
図6において、まず診断処理部31bは、スイッチング素子26を遮断させてコンデンサ27を診断用回路31のみに接続させると共に、発振回路31aのスイッチング素子SW1を導通させてコンデンサ27をオペアンプOP1へ接続する(ステップS11)。
次に、診断処理部31bは、入力抵抗R4を介して電圧VinをオペアンプOP1のマイナス入力に印加することにより発振回路31aに診断用信号を発振させる(ステップS12)。
そして、診断処理部31bは、ステップS3で測定された信号の周波数と、コンデンサ27の仕様上の電気容量値と正帰還抵抗R1の抵抗値とに基づいて算出される基準周波数とを比較して(ステップS14)、コンデンサ27の電気容量値が正常か、または異常かを診断する(ステップS15)。
すなわち、下記(6)式のように、測定された「周波数Fo」と算出された基準周波数Fとの差分の絶対値が所定値α以下の場合には、ステップS15においてコンデンサ27の電気容量値は正常と判断する。
一方、ステップS15において、コンデンサ27の電気容量値が異常と判定された場合(ステップS15のNO)、診断処理部31bは、通信回路22を介してコントロールユニット1へ警報信号を出力する(ステップS16)。
また、本実施例では、診断処理部31bが周波数測定手段と、診断手段とを含んでいる。より具体的には、図5のステップS13の処理が周波数測定手段に相当し、図5のステップS14及びステップS15の処理が診断手段に相当する。
従って、自己診断により点火回路に備えられたコンデンサ27の電気容量値診断を精度良く実行し、点火回路の動作を保証する着火装置を実現することができるという効果が得られる。
具体的には、上述のコンデンサ27の仕様上の電気容量値C=22[μF]、正帰還抵抗R1の仕様上の抵抗値R=100[Ω]、基準周波数F=1/(2×π×R×C)≒72.34[Hz]とし、所定値α=7[Hz]とすると、約10[%]の電気容量値変動を検出し、コンデンサ27の電気容量値が正常か否かを診断することができる。
26 スイッチング素子
27 コンデンサ(蓄電手段)
29 着火素子
31a 発振回路
31b 診断処理部
54 点火剤(火薬)
S3 振幅測定手段
S13 周波数測定手段
S4、S5 診断手段(実施例1)
S14、S15 診断手段(実施例2)
Claims (2)
- 電力及び制御信号を供給するバス線に接続されると共に、前記バス線から受信した点火指令信号に基づいて、点火回路が乗員保護装置の補助拘束装置を作動させるための火薬に点火する着火装置であって、
前記点火回路が、
前記バス線から供給された電力を蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄電された電力を用いて前記火薬に点火する着火素子と、
前記蓄電手段の診断時に、前記蓄電手段と前記バス線及び前記着火素子との間の接続を切断するスイッチング素子と、
前記蓄電手段の診断時に、前記蓄電手段の実際の電気容量値に基づいて算出される周波数の信号を発振する発振回路と、
前記蓄電手段の診断時に、前記発振回路によって前記蓄電手段に印加される信号の電圧振幅値を測定する振幅測定手段と、
前記振幅測定手段により測定された前記蓄電手段に印加される信号の電圧振幅値と、前記蓄電手段の仕様上の電気容量値に基づいて算出される基準振幅値とを比較して、前記蓄電手段が正常か、または異常かを診断する診断手段と
を備えたことを特徴とする着火装置。 - 電力及び制御信号を供給するバス線に接続されると共に、前記バス線から受信した点火指令信号に基づいて、点火回路が乗員保護装置の補助拘束装置を作動させるための火薬に点火する着火装置であって、
前記点火回路が
前記バス線から供給された電力を蓄電する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄電された電力を用いて前記火薬に点火する着火素子と、
前記蓄電手段の診断時に、前記蓄電手段と前記バス線及び前記着火素子との間の接続を切断するスイッチング素子と、
前記蓄電手段の診断時に、前記蓄電手段の実際の電気容量値に基づいて算出される周波数の信号を発振する発振回路と、
前記蓄電手段の診断時に、前記発振回路が出力する信号の周波数を測定する周波数測定手段と、
前記周波数測定手段により測定された前記発振回路が出力する信号の周波数と、前記蓄電手段の仕様上の電気容量値に基づいて算出される基準周波数とを比較して、前記蓄電手段が正常か、または異常かを診断する診断手段と
を備えたことを特徴とする着火装置。
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