JP4128288B2 - インクジェットプロッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布に模様付けをしたり色染をしたりするインクジェットプロッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時は、版を用いた布の模様付け作業や布の色染作業の省力化を図るために、その布の模様付け作業や布の色染作業が、版の代わりに、インクジェットプロッタを用いて行われている。
【0003】
以下に、この布の模様付け作業や色染作業に用いるインクジェットプロッタを説明する。
このインクジェットプロッタは、図3に示したように、布10を搭載するY方向(図の表裏方向)に長いプラテン20を備えている。プラテン20は、逆樋状に近い形状をしていて、その上面中央に幅広い帯状の平滑な平面部分22を有している。
プラテン20の後部内側には、複数の大径の送りローラ30をX方向に回転可能にY方向に一列に並べて支持している。送りローラ30の上端周囲面は、プラテン20の後部に設けられた穴24を通して、プラテン20後部の平面部分22に露出させている。
送りローラ30には、電動モータ等からなる駆動手段32を連結している。そして、その駆動手段32により、送りローラ30をプラテン20の前方に当たるX方向に回転させることができるようにしている。
プラテン20の後部上方には、複数の小径の押さえローラ40を送りローラ30と対向させて送りローラ30と平行に一列に並べてX方向に回転自在に支持している。押さえローラ40は、送りローラ30の上方に上昇させたり、送りローラ30上に降下させたり可能にプロッタ本体(図示せず)に支持している。そして、押さえローラ40を送りローラ30方向に降下させることにより、その押さえローラ40と送りローラ30との間に、プラテン20上に搭載した布10を挟持できるようにしている。
送りローラ30より前方のプラテン20中央の平滑な平面部分22の上方には、インクジェットヘッド50をガイドレール60を介してY方向(図の表裏方向)に移動可能に支持している。インクジェットヘッド50の下面には、図4に示したように、X方向に等ピッチpで並ぶn(nは2以上の自然数)個のノズル52をY方向に複数列並べて備えている。そして、そのインクジェットヘッド50をプラテン20の上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド50下面のY方向に並ぶ各列の所定のノズル52から、その各列毎に異なった色のインク又は同じ色のインクを、プラテン20方向に噴射させることができるようにしている。
【0004】
このインクジェットプロッタにおいては、図3に示したように、プラテン20後方の支持棒70の周囲に回転自在に支持された帯布がロール状に巻かれた巻布12から布10を巻き戻して、その布10を、その前方のプラテン20上に搭載できる。そして、押さえローラ40を送りローラ30方向に降下させて、プラテン20上に搭載した布10を、送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持できる。
次いで、駆動手段32により送りローラ30をX方向に回転させて、送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持した布10にX方向の移動力を与えることができる。そして、プラテン20上に搭載された布10を、プラテン20上をその前方のX方向に移動させることができる。そして、その布10の模様付けの開始箇所や色染の開始箇所を、インクジェットヘッド50の直下に位置させることができる。
次いで、インクジェットヘッド50をガイドレール60に沿ってプラテン20の上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド50下面のY方向に並ぶ各列の所定のノズル52から所定の色のインクを所定のタイミングでプラテン20方向に噴射させることができる。そして、そのインクにより、インクジェットヘッド50の直下に位置する布10に、npの縦幅の模様付けをしたり色染をしたりできる。
以下、駆動手段32により送りローラ30をX方向に回転させて、布10をプラテン20上をnpの距離X方向に移動させた後、インクジェットヘッド50をプラテン20の上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド50下面のY方向に並ぶ各列の所定のノズル52から所定の色のインクを所定のタイミングでプラテン20方向に噴射させる操作を繰り返し行うことにより、布10にその後方に向けて模様付けを連続して行ったり色染を連続して施したりできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のインクジェットプロッタにおいては、プラテン20上に搭載した布10を送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持して、送りローラ30をX方向に回転させることにより、プラテン20上に搭載した布10をプラテン20上をnpの距離X方向に移動させた場合に、その布10の全体がプラテン20上をX方向に円滑に移動せずに、その布10の一部がプラテン20上面に引っ掛かってしまった。そして、そのプラテン20上をX方向に移動させた腰の弱い布10の一部に歪みや皺が生じてしまった。
これは、プラテン20上をX方向に移動させる布10の一部とプラテン20上面との間に、何らかの原因で大きな摩擦力が働いたからである。
その結果、その歪みや皺が生じた布10にインクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射させるインクにより模様付けをしたり色染をしたりした場合に、その布10に施した模様や色染にずれや歪みやむらが生じてしまった。
【0006】
本発明は、このような課題を解消可能な、プラテン上に搭載した布を歪みや皺を生じさせずにプラテン上をX方向に常に円滑に移動させることのできるインクジェットプロッタを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のインクジェットプロッタは、プラテン上に搭載した布を送りローラと押さえローラとの間に挟持して、送りローラをX方向に回転させることにより、前記布をプラテン上をその前方のX方向に移動させたり、インクジェットヘッドを前記送りローラより前方のプラテンの上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド下面のノズルからインクを噴射させたりして、そのインクにより前記布に模様付けをしたり色染をしたりするインクジェットプロッタにおいて、
前記インクジェットヘッドより前方に、プラテン上に搭載した布の前端を乗せるテンションローラを前記送りローラと平行に並べて備えると共に、そのテンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速くなるようにテンションローラを送りローラと同一方向に同期回転させる回転手段を備えて、該回転手段によりテンションローラをその周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速くなるように送りローラと同一方向に同期回転させることにより、テンションローラの周囲面とそれに乗せた布の前端との間に働く摩擦力を利用して、送りローラとテンションローラとの間のプラテン上をX方向に移動させる布にX方向のテンションを加えることができるようにしたことを特徴としている。
【0008】
このインクジェットプロッタにおいては、プラテン上に搭載した布を送りローラと押さえローラとの間に挟持して、送りローラをX方向に回転させることにより、布をプラテン上をX方向に移動させる際に、その布の前端をインクジェットヘッドより前方に備えられたテンションローラの周囲面に乗せることがきる。そして、回転手段により、テンションローラを、その周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速くなるように送りローラと同一方向に同期回転させることができる。そして、そのテンションローラの周囲面とそれに乗せた布の前端との間に働く摩擦力を用いて、テンションローラの周囲面に乗せた布の前端を、送りローラと押さえローラとの間に挟持してプラテン上をX方向に移動させる布の後端の速度より速く移動させようとすることができる。そして、その送りローラとテンションローラとの間に位置する布に、テンションローラの周囲面からプラテンの前方を向くX方向のテンションを加え続けることができる。そして、その送りローラとテンションローラとの間のプラテン上をX方向に移動させる布がプラテン上面に引っ掛かって、その布に歪みや皺が生ずるのを防ぐことができる。そして、その送りローラとテンションローラとの間に位置する布の全体を、平滑なプラテン上面の形状に倣って、常に歪みや皺のない平面状に展開させた状態に保持できる。そして、その皺や歪みのない平面状に展開された布にインクジェットヘッド下面のノズルから噴射させるインクによりずれや歪みやむらのない模様や色染を施すことができる。
【0009】
送りローラ及びテンションローラを同一方向に同期回転させて、布をプラテン上をX方向に移動させる際には、送りローラとテンションローラとの間に位置する布にテンションローラの周囲面からX方向に適度なテンションを加え続けながら、テンションローラの周囲面に乗せた布の前端を、その周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速いテンションローラの周囲面でスリップさせることができる。そして、プラテン上に搭載された布にテンションローラの周囲面からX方向の過度のテンションが加わって、その布がX方向に無理に引き伸ばされた状態となるのを防ぐことができる。そして、そのプラテン上に搭載された布にインクジェットヘッド下面のノズルから噴射させるインクにより施す模様や色染にX方向の歪みやずれが生ずるのを防ぐことができる。
【0010】
本発明のインクジェットプロッタにおいては、テンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より1〜3%速くなるようにテンションローラを送りローラと同一方向に同期回転させる回転手段を備えた構造とすることを好適としている。
【0011】
このインクジェットプロッタにあっては、回転手段により、テンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より1〜3%速くなるようにテンションローラを送りローラと同一方向に同期回転させることができる。そして、テンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度に近過ぎて、送りローラとテンションローラとの間に位置する布に加わるX方向のテンションが小さ過ぎたり、逆にテンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度に比べて早過ぎて、布の前端がそれを乗せたテンションローラの周囲面でスリップしてしまい、布の前端にテンションローラの周囲面から充分な摩擦力が加わらなかったりするのを防ぐことができる。そして、送りローラとテンションローラとの間に位置する布に、送りローラの周囲面の速度よりその周囲面の速度が1〜3%速いテンションローラの周囲面からほど良い大きさのX方向のテンションを加え続けることができる。
【0012】
本発明のインクジェットプロッタにおいては、テンションローラの周囲面を微細な凹凸を持つ梨地状又は砥石表面に似た形状に形成した構造とすることを好適としている。
【0013】
このインクジェットプロッタにあっては、その微細な凹凸を持つ梨地状又は砥石表面に似た形状に形成されたテンションローラの周囲面と、そのテンションローラの周囲面に乗せた布の前端との間に、充分な摩擦力を発生させることができる。
【0014】
本発明のインクジェットプロッタは、テンションローラを、その上端周囲面をプラテンの前部上面に露出させて、プラテンの前部内側に備えた構造とすることを好適としている。
【0015】
このインクジェットプロッタにあっては、プラテン上に搭載した布の前端を、プラテンの前部上面に露出したテンションローラの上端周囲面に乗せて、その布の前端に続く布の後部を、プラテンの上方に浮き上がらせずに、プラテン上面にほぼ密着させて搭載できる。そして、その布の後部を、プラテン上面の形状に倣って平滑な平面状に展開させた状態とすることができる。そして、その平滑な平面状に展開させた布表面に、インクジェットヘッド下面のノズルから噴射させるインクによりずれや歪みやむらのない模様や色染を施すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
図1と図2は本発明のインクジェットプロッタの好適な実施の形態を示し、図1はその概略構造説明図、図2はそのテンションローラの一部拡大斜視図である。以下に、このインクジェットプロッタを説明する。
【0017】
図のインクジェットプロッタでは、インクジェットヘッド50より前方に位置するプラテン20の前部内側に、長尺のテンションローラ100を、その上端周囲面をプラテン20の前部上面のY方向に長く露出させて、送りローラ30と平行に並べてX方向に回転可能に備えている。テンションローラ100の上端周囲面は、プラテン20の前部に設けたY方向に長い長穴26を通して、プラテン20の前部上面に露出させている。そして、そのプラテン20の前部上面近くに位置するテンションローラ100の上端周囲面にプラテン20上に搭載した布10の前端を乗せることができるようにしている。そして、その布10の前端に続く布10の後部を、プラテン20の上方に浮き上がらせずに、プラテン20上面にほぼ密着させて搭載できるようにしている。そして、その布10の後部を、プラテン20上面の形状に倣って平滑な平面状に展開させた状態とすることができるようにしている。そして、その平滑な平面状に展開させた布10表面に、インクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射させるインクによりずれや歪みやむらのない模様や色染を施すことができるようにしている。
【0018】
テンションローラ100の周囲面は、図2に示したように、微細な凹凸101を多数持つ梨地状又は砥石表面に似た形状に形成している。そして、その微細な凹凸101を持つ梨地状又は砥石表面に似た形状に形成されたテンションローラ100の周囲面とそれに乗せた布10の前端との間に、充分な摩擦力を発生させることができるようにしている。
【0019】
テンションローラ100には、その周囲面の速度が送りローラ30の周囲面の速度より速くなるように、テンションローラ100を送りローラ30と同一方向に同期回転させる回転手段110を連結している。回転手段110は、例えば電動モータ(図示せず)と該電動モータを駆動制御する電子回路(図示せず)とから構成している。
【0020】
その他は、図3と図4に示した従来のインクジェットプロッタと同様に構成している。
【0021】
次に、このインクジェットプロッタの使用例並びにその作用を説明する。
プラテン20後方の支持棒70の周囲に回転自在に支持した巻布12の周囲から布10を巻き戻して、該布をその前方のプラテン20上に搭載する。そして、その布10の後端を送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持する。それと共に、その布10の前端を、プラテン20の前部上面に露出したテンションローラ100の上端周囲面に乗せた状態とする。
【0022】
次いで、駆動手段32により送りローラ30をX方向に回転させる。そして、送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持した布10の後端にX方向の移動力を与える。そして、プラテン20上に搭載した布10を、プラテン20上をX方向に移動させて、その布10の模様付けの開始箇所や色染の開始箇所をインクジェットヘッド50の直下に位置させる。
【0023】
次いで、インクジェットヘッド50をガイドレール60に沿ってプラテン20の上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド50下面のY方向に並ぶ各列の所定のノズル52から所定の色のインクを所定のタイミングでプラテン20方向に噴射させる。
【0024】
すると、そのインクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射させたインクにより、インクジェットヘッド50の直下の布10に、npの縦幅の模様付けがなされたり色染が施されたりする。
【0025】
以下、駆動手段32により送りローラ30をX方向に回転させて、布10をプラテン20上をその前方に当たるX方向にnpの距離移動させた後、インクジェットヘッド50をプラテン20の上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド50下面のX方向に並ぶ各列のn個のノズル52の所定のノズル52から所定の色のインクを所定のタイミングでプラテン20方向に噴射させる操作を繰り返し行う。
【0026】
すると、プラテン20上に搭載された布10に、その後方に向けて模様付けが連続して行われたり色染が連続して施されたりする。
【0027】
送りローラ30をX方向に回転させて、送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持した布10の後端にX方向の移動力を与え、プラテン20上に搭載された布10をX方向に移動させる際には、回転手段110により、プラテン20の前部内側に備えられたテンションローラ100を、その周囲面の速度が送りローラ30の周囲面の速度より速くなるように、送りローラ30と同一方向に同期回転させる。
【0028】
すると、テンションローラ100の周囲面とそれに乗せた布10の前端との間に働く摩擦力により、テンションローラ100の周囲面に乗せた布10の前端が、送りローラ30と押さえローラ40との間に挟持されてプラテン20上をX方向に移動する布10の後端の速度より速くプラテン20の前方に当たるX方向に移動しようとする。そして、その布10の前端と布10の後端との間に位置する布10に、テンションローラ100の周囲面からプラテン20の前方を向くX方向のテンションが加え続けられる。そして、その送りローラ30とテンションローラ100との間のプラテン20上をX方向に移動する布10がプラテン20上面に引っ掛かって、その布10に歪みや皺が生ずるのが防止される。そして、その送りローラ30とテンションローラ100との間のプラテン20上に搭載された布10の全体が、平滑なプラテン20上面の形状に倣って、歪みや皺のない平面状に展開された状態に保持される。そして、その皺や歪みのない平面状に展開された布10にその直上のインクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射されるインクによりずれや歪みやむらのない模様や色染が施される。
【0029】
送りローラ30及びテンションローラ100を同一方向に同期回転させて、布10をプラテン20上をX方向に移動させた際には、送りローラ30とテンションローラ100との間に位置する布10にテンションローラ100の周囲面からX方向に適度なテンションが加え続けられながら、テンションローラ100の周囲面に乗せられた布10の前端が、その周囲面の速度が送りローラ30の周囲面の速度より速いテンションローラ100の周囲面でスリップする。そして、送りローラ30とテンションローラ100との間のプラテン20上に搭載された布10にテンションローラ100からX方向の過度のテンションが加わって、その布10がX方向に無理に引き伸ばされた状態となるのが防止される。そして、そのプラテン20上に搭載された布10にインクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射されるインクにより施される模様や色染にX方向の歪みやずれが生ずるのが防止される。
【0030】
上述のインクジェットプロッタにおいては、テンションローラ100の周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より1〜3%速くなるようにテンションローラ100を送りローラと同一方向に同期回転させる回転手段110を備えると良い。そして、その回転手段110により、テンションローラ100の周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より1〜3%速くなるようにテンションローラ100を送りローラと同一方向に同期回転させることができるようにすると良い。そして、送りローラ30とテンションローラ100との間に位置する布10に、送りローラ30の周囲面の速度よりその周囲面の速度が1〜3%速いテンションローラ100の周囲面からほど良い大きさのX方向のテンションを加え続けることができるようにすると良い。
【0031】
また、テンションローラ100の周囲面は、ゴムから形成しても良い。そして、そのテンションローラ100のゴムからなる周囲面とそれに乗せた布10の前端との間に充分な摩擦力を発生させることができるようにしても良い。
【0032】
また、テンションローラ100は、その上端周囲面がプラテン20上面とほぼ同一かそれより低い位置となるように、プラテン20の前方に備えても良い。その場合にも、プラテン20上に搭載した布10の前端を、プラテン20の前方に備えられたテンションローラ100の周囲面に乗せて、その布10の前端に続く布10の後部を、プラテン20の上方に浮き上がらせずに、プラテン20上面にほぼ密着させて搭載できる。そして、その布10の後部を、プラテン20上面の形状に倣って平滑な平面状に展開させた状態とすることができる。そして、その平滑な平面状に展開させた布10表面に、インクジェットヘッド50下面のノズル52から噴射させるインクによりずれや歪みやむらのない模様や色染を施すことができる。
【0033】
本発明のインクジェットプロッタは、合成樹脂シートや紙シートに模様付けをしたり色染をしたりする場合にも、利用可能である。その場合にも、そのプラテン20上をX方向に移動させる合成樹脂シートや紙シートに皺や歪みが生じて、該シートに施す模様や色染に歪みやずれやむらが生ずるの防ぐことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェットプロッタによれば、送りローラとテンションローラとの間のプラテン上をX方向に移動させる布に歪みや皺が生ずるのを確実に防ぐことができる。そして、その布に、インクジェットヘッド下面のノズルから噴射させるインクを用いて、ずれや歪みやむらのない模様付けをしたり色染をしたりできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプロッタの概略構造説明図である。
【図2】本発明のインクジェットプロッタのテンションローラの一部拡大斜視図である。
【図3】従来のインクジェットプロッタの概略構造説明図である。
【図4】インクジェットプロッタのインクジェットヘッドの拡大下面図である。
【符号の説明】
10 布
12 巻布
20 プラテン
22 プラテン上面中央の平滑な平面部分
30 送りローラ
32 駆動手段
40 押さえローラ
50 インクジェットヘッド
52 ノズル
60 ガイドレール
70 支持棒
100 テンションローラ
101 微細な凹凸
110 回転手段

Claims (4)

  1. 帯布がロール状に巻かれた巻布から巻き戻すことによりプラテン上に搭載した布を、送りローラと押さえローラとの間に挟持して、駆動手段により送りローラをX方向に回転させることにより、前記布をプラテン上をその前方のX方向に移動させたり、インクジェットヘッドを前記送りローラより前方のプラテンの上方をY方向に移動させながら、そのインクジェットヘッド下面のノズルからインクを噴射させたりして、そのインクにより前記布に模様付けをしたり色染をしたりするインクジェットプロッタにおいて、
    前記インクジェットヘッドより前方に、プラテン上をX方向に移動させる布の前端を乗せるテンションローラを前記送りローラと平行に並べて備えると共に、そのテンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速くなるようにテンションローラを送りローラと同一方向に同期回転させる回転手段を備えて、該回転手段によりテンションローラをその周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より速くなるように送りローラと同一方向に同期回転させ、前記テンションローラの周囲面に乗せた布の前端を前記テンションローラの周囲面でスリップさせることにより、テンションローラの周囲面とそれに乗せた布の前端との間に働く摩擦力を利用して、送りローラとテンションローラとの間のプラテン上をX方向に移動させる布にX方向のテンションを加えることができるようにしたことを特徴とするインクジェットプロッタ。
  2. テンションローラの周囲面の速度が送りローラの周囲面の速度より1〜3%速くなるようにテンションローラを送りローラと同一方向に同期回転させる回転手段を備えた請求項1記載のインクジェットプロッタ。
  3. テンションローラの周囲面を微細な凹凸を持つ梨地状又は砥石表面に似た形状に形成した請求項1又は2記載のインクジェットプロッタ。
  4. テンションローラを、その上端周囲面をプラテンの前部上面に露出させて、インクジェットヘッドより前方のプラテンの前部内側に備えた請求項1、2又は3記載のインクジェットプロッタ。
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