JP4127737B2 - ターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置 - Google Patents

ターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ターニングセンタは、実公平6−32241号公報又は特開昭63−74534号公報に示すように、主軸に保持されているワークに対しタレット台又は工具台に取り付けられている工具で各種形状のワークを加工するものである。
工具台にツールスピンドルが設けられており、これに取り付けられた工具で旋削加工(ターニング)、穴明け(ドリリング)又はフライス加工(ミーリング)を行うことができる。ツールスピンドルは、旋削加工の場合は、ロックして回転しないようにする必要があり、穴明けやフライス加工の場合は、ロックを解除して回転させる必要がある。また、ツールスピンドルをロックする際、旋削工具をワークに対して所定の方向に向けなければならないので、ツールスピンドルを割り出して旋削工具を所定方向へ向けて固定する必要があるという問題があった。
【0003】
従来、このようなターニングセンタにおいて、ツールスピンドルをロックする方法としては、図8に示すように、ロッキングピン103を矢印Aの円周方向内側へ移動して、その内端に形成されたV字形山部104を、ツールスピンドル100に固定されている割り出し板101の外周1個所に刻まれたV溝102に挿入するものがある。軸受105は、ツールスピンドル100をツールヘッド106に回転可能に支持する。ツールスピンドル100に共軸に固定された傘歯車107は、図示しないモーターによって回転される別の傘歯車(図示せず)と噛み合ってツールスピンドル100を回転駆動する。また、ツールスピンドル100の下端に旋削工具108が取り外し可能に取り付けられている。
【0004】
このロック方法では、旋削加工時に生じる切削抵抗を軸受105が直接受けることになる。しかし、この軸受105は剛性がそれほど高くないから、加工中にツールスピンドル100に振動を発生させて、加工精度を低下させる恐れがある。
【0005】
従来、この問題を解決するには、図9に示すように、3つのカップリング片117、119及び123から成る3ピースカップリングを用いている。カップリング片117はボルト121でツールスピンドル100に共軸に固定され、これを取り巻くカップリング片119はボルト122でツールヘッド106に共軸に固定されている。両カップリング片117及び119の上面それぞれに放射状に歯118及び120が形成されている。歯118及び120を半径方向に整合させてツールスピンドル100に共軸に設けられたカップリング片123を矢印Cに示すように下降させると、その下面に形成された放射状の歯124が歯118及び120に噛合してツールスピンドル100をツールヘッド106にロックする。
【0006】
しかし、この3ピースカップリングでは、カップリング片117及び119をそれぞれツールスピンドル100及びツールヘッド106の本体に一体に作りつけておいてこれらに放射状の歯118及び120を形成することはできない。そのために、これらのカップリング片117及び119をそれぞれ別個に製造し、ボルト121及び122でツールスピンドル100及びツールヘッド106に固定する。このために、一体化した場合に比べてこれらカップリング片の剛性が劣ることになる。加えて、カップリング片117、119及び123の単品精度や取付け精度が悪いと、ツールスピンドル100をツールヘッド106にロックする場合、ツールスピンドル100とツールヘッド106との間に歪みが生じて、軸受115に負荷を掛けてこの寿命を短くするという問題がある。
【0007】
更に、歯118、120及び124は放射状に延びているために、カップリング片117、119及び123が大径・大形になり、ツールヘッド106内に大きな取付スペースを必要とし、その結果、ツールヘッド106を大きくしてしまうという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、ツールスピンドルを定位置にロックするに当たって、高剛性及び高精度を維持し、省スペースが図られる一方、軸受に負荷を与えることがないターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を達するため、本発明に基づくターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置は、ターニングセンタ用ツールヘッドのハウジングに回転可能に軸支されたツールスピンドルに一体に形成され、かつ、円周方向に等間隔に等大で等傾斜角を持つテーパ面を一端面外周に形成した第1カップリング部と、該第1カップリング部を囲繞して円周方向に配設されると共に該第1カップリング部と位相が一致した時に該第1カップリング部の前記テーパ面に整合するテーパ面を有し、前記ツールヘッドに固定された第2カップリング部と、該第2カップリング部に対して回転不可に設けられ、前記位相の一致時に該第1及び第2カップリング部の該テーパ面に係合できるテーパ面を有する凹状の第3カップリング部と、該第3カップリング部材を前記第1及び第2カップリング部に対して接離させる駆動手段とから成り、前記位相が一致したときに、該第1カップリング部材の前記一端面と該第1及び第2カップリング部のテーパ面とで正多角錐台を形成して構成とされる。また、正多角形錐台は正四角錐台とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に基づく割出装置に一実施形態を備えたツールヘッドの図4乃至6のA−A線に対応して取られた縦断面で、ツールスピンドルの1実施形態の回転状態にあるものであり、図2はこのツールスピンドルが固定している状態での図1と同等のツールヘッドの縦断面図である。図3は3ピースカップリングから成る図1及び2示された割出装置の斜視図で、図4及び5は、それぞれ、第1及び第2カップリング部の平面図、図6は第3カップリング部の底面図である。
【0011】
図1及び2を参照して、1はツールヘッドで、そのハウジング2に軸受3を介してツールスピンドル4が回転自在に支持されている。ツールスピンドル4の中間より下側に円盤状のカップリングフランジ部5がこのツールスピンドル4と共軸一体に形成されている。図4に示すように、円盤状のカップリングフランジ部5の上端面(上面)54に等間隔に離間し下側へ広がるように斜めに切りそがれた同じ大きさの4個の係合テーパ面(平面)6aが形成されている。これらの係合テーパ面6aと上端面54とによって囲繞されたカップリングフランジ部5の部分は第1カップリング部6を形成する。また、カップリングフランジ部5の外周面の内、係合テーパ面6aを除く部分は円柱面7になっている。従って、カップリングフランジ部5の、係合テーパ面6aよりも下の部分は円盤部56になっている。ここで、カップリングフランジ部5は第1カップリング部材をも成す。
【0012】
図1及び2を参照して、円筒状の第2カップリング部材8はその下端の形成された取付フランジ部8aがボルト57によってハウジング2の下端に固定されており、内周面で軸受50を介してツールスピンドル4の下端部4aを支持している。第2カップリング部材8に、その上面に開放しカップリングフランジ部5の円盤部56に嵌合する環状案内孔58が形成されている。
【0013】
図1、2、3及び5を参照して、この環状案内孔58を円周方向に等間隔に取り巻き、平面図で見て概略三角状の4個の第2カップリング部9が第2カップリング部材8の上面に形成されている。これらの第2カップリング部9は、第1カップリング部6の円柱面7と相補的な形状の凹状の円弧面9aを有する。そして、この第2カップリング部9は、これらの円弧面9aに第1カップリング部6の円柱面7が摺動可能になるように配設されている。また、各第2カップリング部9の両側は、第1カップリング部6が第2カップリング部9に嵌合されて適宜回転させた時に第1カップリング部6の係合テーパ面6aに整合する案内テーパ面(平面)9bになっている。この状態を位相が一致した状態と言うことにする。隣接する第2カップリング部9の中心で第2カップリング部材8の上面外周部に4本の位置決めピン10が立設されている。第1カップリング部6を第2カップリング部9に嵌合させて、テーパ面6a及び9bを整合させる、即ち、位相を一致させると、両カップリング部6及び9は四隅が丸まった正四角錐台形になる。
【0014】
図1及び2を参照して、環状ピストン12は、ハウジング2内でカップリングフランジ部5の上方にあってツールスピンドル4を取り巻いており、油圧により上下されるようになっている。図6はこの環状ピストンの12の底面図である。図1、2及び6を参照して、環状ピストン12の下面外周部に、円周方向に等間隔に4個の円弧状係合部13を設けている。各円弧状係合部13の内面に、第1カップリング部6の係合テーパ面6a及び第2カップリング部9の案内テーパ面9bと等しい角度で同じ向きに傾斜しているロックテーパ面(平面)13aが形成され、かつ、相対するロックテーパ面13aの間隔が、第1カップリング部6の相対する係合テーパ面6a間の間隔に実質的に等しく設定されている。円弧状係合部13を除く下面部とこれらのロックテーパ面13aとで第1カップリング部6を受け得る凹状の受け部14が形成されている。そして、この受け部14は、第1カップリング部6と第2カップリング部9によって形成される正四角錐台と相補的な逆正四角錐台の凹部になっている。ただし、この逆正四角錐台の高さは、第1及び第2カップリング部6及び9で形成される正四角錐台の高さよりも大きくして、後述するように、ツールスピンドル4をロックするのに当たって、正四角錐台に逆四角錐台を嵌装させたときに、係合テーパ面6a及び案内テーパ面9bのみがロックテーパ面13aに係合接触し、正四角錐台の上面と逆四角錐台の底面とが接触しないようになっている。なお、これらの円弧状係合部13及び受け部14のロックテーパ面13aによって第3カップリング部15が構成される。又、以上の構成から環状ピストン12は第3カップリング部材をも成す。環状ピストン12には、その軸方向に延び下面に開放する4個の位置決め孔16が円周方向に等配形成されて、位置決めピン10を受けて環状ピストン12が回転するのを常時阻止している。
【0015】
図1及び2を参照して、中間部に環状フランジ部17を有する第1環状部材18がツールスピンドル4を囲繞している。第1環状部材18を、環状フランジ部19及びその下の環状胴部20とから成る第2環状部材21が取り巻いている。第2環状部材21は、第1環状部材18の環状フランジ部17の外周面とこの環状フランジ部17の上方の環状の胴部分の外周面とに相補的な形状の内壁面を有してこれらに液体密に圧接されている。また、第1環状部材18の環状フランジ部17の上面外周部と、これに対向する、第2環状部材21の内周面の肩部22との間に環状の第1シリンダ室23が形成されている。
【0016】
円筒部材24は、第2環状部材21の胴部20の外周面と液密に圧接する内壁と第2環状部材21の環状フランジ部19の下面に接している上面とを有する上部25と、この上部25の内径よりも若干小さな内径の内壁を有する中間部26と、更に中間部26の内径よりも若干小さな内径の内壁を有する下部27とを有する。第2環状部材21の胴部20の下面に、ディスク状のストッパ部材28を取り付ける。このように配設された第2環状部材21及び円筒部材24はボルト59によって第2カップリング部材8に固定される。
【0017】
第1環状部材18の下側の環状胴部29の外周面及び環状フランジ部17の下面と、円筒部材24の中間部26の内壁面及び下部27の内壁面と、ストッパ部材28によって円筒状の第2シリンダ室30が規定される。この第2シリンダ室30に環状ピストン12が液密に上下に摺動可能に挿入される。円筒部材24の下部27の内周部上部は段部60になっていて、これと環状ピストン12の外周中間部に形成された肩部61との間に環状の第3シリンダ室31が形成される。ここで、環状ピストン12、第1環状部材18、第2環状部材21、円筒部材24及び次に述べる切換弁は駆動手段乃至は駆動装置を構成する。
【0018】
図1及び2において、32は、2ポート2位置切換弁で、Pは油圧源(図示せず)から圧油を送るPポート、Tは圧油をドレン(図示せず)に返すTポートである。この切換弁32はパイプ33によって第1シリンダ室23と第3シリンダ室31に、また、パイプ34によって第2シリンダ室30に接続されている。切換弁32が図1の状態になっていると、圧油が油圧源からPポートPを経て第1シリンダ室23と第3シリンダ室31に流入し、環状ピストン12を押し上げてストッパ部材28に当接させる。他方、切換弁32が切り換えられて図2に示す状態になると、PポートPからの圧油がパイプ34を経て第2シリンダ室30に流入し、他方、第1シリンダ室23及び第3シリンダ室31からの圧油はパイプ33から切換弁32のTポートTを経てドレンへ排出され、ピストン12は下方に移動する。
【0019】
図1及び4乃至6を参照して、切換弁32が図1の状態にあるときは、環状ピストン12は上昇していて、第3カップリング部15は第1カップリング部6にも第2カップリング部9にも係合しておらず、第1カップリング部6は第2カップリング部9の円弧面9aに沿って自由に回転できる。
【0020】
これに対して、図2及び3乃至6を参照して、後述のように、第1カップリング部6の係合テーパ面6aを第2カップリング部9の対応の案内テーパ面9bに整合させた状態にして位相を一致させた後、切換弁32を図2の状態にすると、第2シリンダ室30内に流入した圧油によって環状ピストン12が下降し、第1カップリング部6と第2カップリング部9で形成される正四角錐台は第3カップリング部15の凹状のこの正四角錐台と相補的な形状の逆正四角錐台形の受け部14に受けられ、第1及び第2カップリングのテーパ面6a及び9bは、位相が一致した状態で、第3カップリング部15のロックテーパ面13aに係合する。前述の通り、環状ピストン12は位置決めピン10によって第2カップリング部材8に対して回転することが阻止されているから、第3カップリング部15によって第1カップリング部6が第2カップリング部9に固定され、ツールスピンドル4の回転がロックされることになる。他方、切換弁32を図1の状態に切り換えれば、後に詳述するように、第2シリンダ室30内から圧油が流出し、環状ピストン12が上昇して、第3カップリング部15が第1及び第2カップリング部6及び9から離間し、ツールスピンドル4をアンロックする。
【0021】
第1カップリング部6を第2カップリング部9にこれらのテーパ面を未加工の状態で組み付けた上でこれらテーパ面を加工するのが好ましく、こうすることによって加工の簡易化を図ると共に、両カップリング部間のテーパ面の整合精度を高めることができる。図3において、35は第2シリンダ室30へ圧油を流入又はこれから流出させるためにピストン12の上面に放射状に形成された4個の油圧用溝である。
【0022】
次に、ツールスピンドル4を定位置へ割り出す方法について説明する。
【0023】
図1の状態では、第3カップリング部15が第1カップリング部6及び第2カップリング部9から離間しているため、ツールスピンドル4はロックされておらず、回転可能になっている。他方、第2カップリング部9はハウジング2に固定されており、第3カップリング部15は4本の位置決めピン10によって、第2カップリング部9と同じ位相を保持している、即ち、常に、両カップリング部は正確に係合できる位置にある。従って、ツールスピンドル4をロックするためには、ツールスピンドル4と一体になっている第1カップリング部6も第2カップリング部9及び第3カップリング部15と同位相にする必要がある。そのために、公知のオリエンテーション機構によってツールスピンドル4を第1カップリング部6が第2カップリング部9及び第3カップリング部15と同位相になるまで回動して同位相位置に停止させる。
【0024】
次に、図2に示すように切換弁32を切り換えて、PポートPからの圧油をパイプ34を経て第2シリンダ室30に接続し、第1シリンダ室23及び第3シリンダ室31をパイプ33を経て切換弁32を経てドレンにつながるTポートTに接続する。このため、圧油が第2シリンダ室30へ流入し、第1環状部材18を押し上げる一方、環状ピストン12を押し下げる。圧油は、第1環状部材18に押し上げる力P2を作用し、環状ピストン12に押し下げる力P1を作用する。そして、P1>P2である。力P1によってピストン12は下降し、先端の第3カップリング部15は、位相が一致している第1カップリング部6と第2カップリング部9を押しつけてこれに嵌合し、第1カップリング部6がロックされる。かくして、ツールスピンドル4を定位置でロックする。
【0025】
他方、力P2によって第1環状部材18は上昇して、第1環状部材18の上方にあってツールスピンドル4を囲繞しこれに固定された円筒状カラー36に当たり、ツールスピンドル4を上方へ押し上げる。この際、油圧の下向きの力P1によって第3カップリング部15が下方に押圧され、油圧の上向きの力P2によって第1カップリング部6が上方に押圧されるので、両カップリングの係合が強まる方向に力が働き、ツールスピンドル4のロックを確実にする。
【0026】
以上の割出装置は、工具をその切刃の刃先が所望の位置と所望の方向を向くように割り出すように構成されていることが必要である。例えば、この割出装置によれば、複数の旋削工具を割り出すようになっている場合、割り出された旋削工具の切刃の刃先は旋削されるべきワークに対して所望の切削位置を取りかつ所定の切削方向を向くように設定される。
【0027】
本発明の割出装置は、旋削工具39(図2)のような非回転工具を割り出すためのものであって、ツールスピンドル4を回転して使用されるドリルのような回転工具37(図1)には用いられない。従って、今まで回転工具37がツールスピンドル4に取りつけられていたものを割り出し可能な旋削工具39に交換するには、回転工具37をツールスピンドル4から取り外し、これに旋削工具39を取り付けなければならない。また、互いに異なる旋削工具間の交換についても同様である。
【0028】
そこで、次に、回転工具37を旋削工具39に交換する場合を例にとって、これらの工具を交換することについて述べる。
【0029】
まず、回転工具37を次のようにして外す。図1に示すように、回転工具37を通り付けた回転工具ホルダ44は、鋼球43がこの回転工具ホルダ44のシャンク47の孔45とツールスピンドル4の下端部4a内に設けられた工具ホルダ保持用スリーブ42の孔48に係合することによって、スリーブ42にロックされている。ここで、スリーブ42内に設けられたドローバー40を下降させると、鋼球43が孔45及び48からドローバー40の窪み41に落ち込み、シャンク47をスリーブ42から開放する。しかる後、回転工具37はその回転工具ホルダ44と共にツールスピンドル4から外される。
【0030】
次に、図2を参照して旋削工具39をツールスピンドル4に取り付ける手順にについて説明する。旋削工具39を取り付けた旋削工具ホルダ44Aのシャンク49をドローバー40を下降させたままの状態でツールスピンドル4内に挿入する。ついで、ドローバー40を上昇させると、ドローバー40の窪み41に嵌っていた鋼球43が窪み41の円弧面に沿って半径方向外側へ移動され、図2に示すように、スリーブ42の孔48及びシャンク49の孔51に押し込まれ、孔48の内壁と孔51の内壁とによって挟持され、スリーブ42にシャンク49が固定され、旋削工具39がツールスピンドル4に取り付けられる。しかる後、上述の位相合わせを行い、切換弁32を図2の状態に切り換えて環状ピストン12を下降させ、第1乃至第3カップリングを係合させて工具割り出しを完成する。
【0031】
図7は、本発明に基づく割出装置を用いて効果的に割り出される旋削工具ホルダ46の実施形態を示す。ツールヘッド1のツールスピンドル4に取り付けられる旋削工具ホルダ46に、中心位置を円周方向に90°ずつずらしかつそれぞれが第3カップリング部15のロックテーパ面13aに対応するように4個の旋削工具39がボルト52によって固定されている。これら旋削工具は、それらの使用目的に応じて選択され、本発明の割出装置により、図示しないターニングセンタの主軸(図示せず)に把持されているワークWに対してその切刃53の刃先が適切な旋削準備位置において適切な旋削方向に向くように割り出し固定される。割り出された旋削工具39の切刃53の刃先が最適な切削条件になるようにするために、ツールヘッド1を角度β(例えば5°)だけ図示のように傾けることができる。矢印Gは、旋削工具39によってワークWを加工する道順を示す。
【0032】
この場合、1つの旋削工具ホルダ46につき順次に4回別々の旋削工具に割り出すことができる。従って、例えば、4種類の旋削工具をそれらの加工順序に応じて順番に旋削工具ホルダ46に取り付け、順次に割り出しをする事によって旋削工具ホルダ46を交換することなく4種類の旋削加工ができ、工具交換の時間を大きく減少させることができるから、加工時間を大幅に短縮できる。また、4個の旋削工具39を同じ加工を行うものにして、前の旋削工具が摩耗した場合にはこれを順次に新しい旋削工具を割り出して使用するようにしてもよい。これによっても工具交換の時間が非常に短縮できる。その他にも種々の用途が考えられる。
【0033】
旋削加工を行う場合、切削抵抗によってツールスピンドル4に強い力が作用するが、これは第1カップリング部6、第2カップリング部9及び第3カップリング部15によってハウジング2に作用することになり、軸受3及び50に作用することはない。このことは図2に示すように切削抵抗等の外力Fbがロックする力(P1−P2)より小さくなるように油圧力及びピストン12等の径を設定することにより可能である。また、ピストン12を押し下げる力P2は下向きの外力Faより大きくなければならない。更に、上述の通り、第1環状部材18を押し上げる力P2によりツールスピンドル4には前記したように上向きの力が作用し、ツールスピンドル4は確実にロックされることになる。
【0034】
旋削工具39を取り外して回転工具37に交換した場合は、切換弁32を図1に示す状態にしてツールスピンドル4のロックを解除する。即ち、切換弁32を切り変えて圧油を第1シリンダ室23と第3シリンダ室31に流入させ、ピストン12をストッパ部材28に当たるまで上昇させ、第1環状部材18をストッパ部材28に当たるまで下降させることによりツールスピンドル4のロックが解除される。
【0035】
以上に、第1カップリング部の係合テーパ面と、第2カップリング部と、第3カップリング部のロックテーパ面、位置決めピン、位置決め孔、油圧用溝をそれぞれ4個として説明してきたが、これらは使用目的に応じてそれぞれ3個又は5個以上にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明に基づくターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置は上述のように構成されているものであり、3ピースのカップリング部の内の1つをツールスピンドルと一体構造としたために、割出装置の剛性を高めると共に、カップリングを小型化して装置の省スペース化を行うことができるという効果がある。また、3ピースのカップリング部の内の2つを組み合わせたものと残りの1つを正四角錐台にしたものについては、正四角錐台は容易にしかも高精度に加工することができるため、ツールスピンドルの割り出しを精度良く行うことができるという効果もある。更に、3ピースカップリング構造にも拘わらず、ツールスピンドルをロックした場合は、切削抵抗等の外力はツールスピンドルとハウジングにかかり、軸受にはかからないので、軸受の寿命を長くするという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づく割出装置に一実施形態を備えたツールヘッドの図4乃至6のA−A線に対応して取られた縦断面図で、ツールスピンドルの1実施形態の回転状態にあるものである。
【図2】ツールスピンドルが固定している状態での図1のツールヘッドの図4乃至6のA−A線に対応して取られた縦断面図である。
【図3】3ピースカップリングから成る図1及び2示された割出装置の斜視図である。
【図4】図3のカップリングの第1カップリング部の平面図である。
【図5】図3のカップリングの第2カップリング部の平面図である。
【図6】図3のカップリングの第3カップリング部の底面図である。
【図7】図1及び2のツールスピンドルに複数の旋削工具を取り付けた旋削工具ホルダを取り付けた状態を示す正面図である。
【図8】従来のツールスピンドルのロック方法を示す縦断面図である。
【図9】従来のツールスピンドルの別のロック方法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ツールヘッド
2 ハウジング
3 軸受
4 ツールスピンドル
5 カップリングフランジ部
6 第1カップリング部
6a 係合テーパ面
8 第2カップリング部材
9 第2カップリング部
9b 案内テーパ面
12 環状ピストン
13 円弧状係合部
13a ロックテーパ面
14 受け部
15 第3カップリング部
23 第1シリンダ室
30 第2シリンダ室
31 第3シリンダ室
32 切換弁
39 旋削工具
46 旋削工具ホルダ
53 切刃

Claims (2)

  1. ターニングセンタ用ツールヘッドのハウジングに回転可能に軸支されたツールスピンドルに一体に形成され、かつ、円周方向に等間隔に等大で等傾斜角を持つテーパ面を一端面外周に形成した第1カップリング部と、
    該第1カップリング部を囲繞して円周方向に配設されると共に該第1カップリング部と位相が一致した時に該第1カップリング部の前記テーパ面に整合するテーパ面を有し、前記ツールヘッドに固定された第2カップリング部と、
    該第2カップリング部に対して回転不可に設けられ、前記位相の一致時に該第1及び第2カップリング部の該テーパ面に係合できるテーパ面を有する凹状の第3カップリング部と、
    該第3カップリング部材を前記第1及び第2カップリング部に対して接離させる駆動手段と
    から成り、
    前記位相が一致したときに、該第1カップリング部材の前記一端面と該第1及び第2カップリング部のテーパ面とで正多角錐台を形成することを特徴とするターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置。
  2. 前記正多角錐台は正四角錐台であることを特徴とする請求項1に記載のターニングセンタ用ツールスピンドルの定位置割出装置。
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