JP4126187B2 - 梱包用バンドのシール用ヒーター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンド式梱包機に構成され、被梱包物に巻き付けられた梱包用バンドの先端部及び後側を溶融するシール用ヒーター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バンド式梱包機では、テーブル上に載せられた被梱包物を周るように梱包用バンドを環状に配置し、配置された梱包用バンドを被梱包物に巻き付けて切断・溶着することにより被梱包物を梱包している。梱包用バンドを切断・溶着するために、バンド式梱包機に構成される梱包用バンドのシール機構は、被梱包物を周るように環状に配置された梱包用バンドの先端部をシールアンビルとで挟んで固定するための第1のグリッパと、被梱包物に巻き付けた梱包用バンドの後側をシールアンビルとで挟んで固定し、梱包用バンドの巻き付き状態を維持するための第2のグリッパと、梱包用バンドの先端部及び後側を溶融するために、シールアンビルの下側に入り込み、梱包用バンドの先端部と後側との間に位置するヒータープレートと、第1のグリッパと第2のグリッパとの間に配置され、梱包用バンドの後側を切断するとともに、ヒータープレートが挿入された状態で梱包用バンドの先端部及び後側をシールアンビルとで挟んで溶融し、ヒータープレートが抜け出た後に、梱包用バンドの先端部と後側とを、シールアンビルとで挟んで溶着するためのコンプレッション部材と、を有している。第1のグリッパ、第2のグリッパ、ヒータープレート及びコンプレッション部材はモータによって回転駆動されるシール軸に取り付けられた駆動カムによって作動するように構成されている。
【0003】
ヒータープレートは通常、シール軸に取り付けられたヒーター用カムの回転によって前後方向に揺動するヒーター作動アームに、ヒーターホルダーを介して取り付けられていて、ヒーター作動アームの前方への揺動により、シールアンビルとコンプレッション部材のコンプレッションヘッドとの間に前進移動し、梱包用バンドの先端部と後側との間に挿入される。また、ヒータープレートは、ヒーター作動アームの後方への揺動により、シールアンビルとコンプレッションヘッドとの間から退却する。
【0004】
ヒーターホルダーは多くの場合、ヒーター作動アームの先端部に固定されて取り付けられている。そして、ヒータープレートを傷めることなく、梱包用バンドの先端部と後側とを十分な範囲にわたって溶融させるためには、梱包用バンドの先端部と後側との間にシールアンビルと平行にヒータープレートが挿入される必要があるが、ヒーターホルダーがヒーター作動アームに固定されていると、ヒーターホルダーに設けられたヒータープレートが円弧状に移動してシールアンビルの内側又は下側に入り込んでくる。したがって、ヒータープレートの前端部がシールアンビルに衝突しないようにするためには、ヒータープレートの入り込み位置をシールアンビルよりもかなり離して設定せざるを得ない。しかしながら、シールアンビルとヒータープレートとの間隔が大きいと、コンプレッション部材のコンプレッションヘッドに押されて梱包用バンドとともにシールアンビルにヒータープレートが押し付けられたときに、ヒータープレートが大きく変形するので、ヒータープレートが傷んでしまうおそれがある。また、ヒータプレートの入り込み位置がシールアンビルから離れていると、コンプレッション部材をシールアンビルに向けて長く移動させなければならないため、コンプレッション部材を作動させる接着用カムが大径となり、部品配置のレイアウトが規制されてしまう。
【0005】
そこで、ヒーターホルダーをヒーター作動アームに回転可能に取り付けるとともに、ヒーターホルダーの側方にホルダー用ガイドを配置し、ヒーターホルダーを前方に長く延びるように形成しておくとともに、このヒーターホルダーの前端部をホルダー用ガイドで案内するといったシール用ヒーター装置も用いられている。このようなシール用ヒーター装置を用いれば、ヒーター作動アームの揺動にともなってヒーターホルダーが移動するときのヒーターホルダーの傾きを小さく抑えることが可能なので、ヒーターホルダーに設けられたヒータープレートがシールアンビルとほぼ平行な状態で、シールアンビルとコンプレッションヘッドとの間に入ってくるようにすることができる。したがって、シールアンビルとコンプレッションヘッドとの間隔を狭く設定し、梱包用バンドの先端部と後側とが接近するように構成しておいても、ヒータープレートを支障なく梱包用バンドの先端部と後側との間に導くことが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシール用ヒータ装置では、ホルダー用ガイドに案内用の長孔を形成するとともに、この案内用の長孔に嵌り込むローラをヒーターホルダーの側方に設けるといったような案内構造を構成する必要があるため、装置が複雑となってしまう。また、ヒーターホルダーの側方に長く延びるホルダー用ガイドを配置しているので、部品配置のレイアウトがやはりかなりの程度規制されてしまう。
【0007】
そこで本発明は、ヒータープレートをほぼ水平な状態を保って前後方向に移動させることができ、かつ、構造が簡単で、しかも部品配置間スペースを有効に利用して構成することができる梱包用バンドのシール用ヒーター装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明の梱包用バンドのシール用ヒーター装置は、シール軸に取り付けられたヒーター用カムと、前記ヒーター用カムに接触し、このヒーター用カムの回転にしたがって前後方向に揺動するヒーター作動アームと、前記ヒーター作動アームに取り付けられ、このヒーター作動アームの揺動にしたがい前後方向に移動するヒーターホルダーと、このヒーターホルダーに設けられたヒータープレートと、を有し、前記ヒータープレートは、前記ヒーターホルダーの前方への移動により、シールアンビルとコンプレッションヘッドとの間に入り込んで、梱包用バンドの先端部と後側との間に位置し、前記ヒーターホルダーの後方への移動により、前記シールアンビルと前記コンプレションヘッドとの間から退却する、梱包用バンドのシール用ヒーター装置であって、前記ヒーターホルダーは、前記ヒーター作動アームに回転可能に取り付けられ、かつ、前端側が回転可能な支持ローラ上に載せられてこの支持ローラに支えられていて、前記支持ローラに支持されてほぼ水平状態で前後方向に移動するものである。ヒーターホルダーは例えば、後端部がヒーター作動アームの先端部に回転可能に取り付けられ、垂直面に沿って揺動できるように構成される。そして、このようなヒーターホルダーをほぼ水平状態に維持する支持機構として、ヒーターホルダーの前端側を載せて支える支持ローラを設けただけの構成を採用している。本発明の梱包用バンドのシール用ヒーター装置は、例えば、梱包用バンドを案内するアーチをテーブル上に有するバンド式梱包機に適用できる。
【0009】
ヒーターホルダーが前後方向に移動するときのヒーターホルダーの傾き、したがってヒーターの傾きをできるだけ抑えるためには、ヒーターホルダーを前方に長く延びるように形成しておき、ヒーターホルダーの回転中心と支持ローラによる支持位置との距離を長く設定しておく必要がある。そこで、ヒーターホルダーを、コンプレッションヘッドを越えて前方に延びるように形成しておき、支持ローラが、コンプレッションヘッドの前側に配置されてヒーターホルダーの前端側を支えるように構成することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明に係る梱包用バンドのシール用ヒーター装置を備えたバンド式梱包機を概略的に示す全体図、図2はシール機構部分の拡大図、図3は係合爪部材部分を示す側面図である。
【0012】
バンド式梱包機1は、テーブル3上に載せられた被梱包物5を、シール機構7から適当な長さだけ送り出された梱包用バンド9で梱包するためのものであり、まず、作業者が手作業で、予め送り出されている梱包用バンド9を被梱包物5の周りに配置し、この梱包用バンド9の先端部をシール機構7内に、より具体的には図2で詳細に示すシール本体13内に挿入する(図1の状態)。シール機構7内に挿入された梱包用バンド9の先端部は自動的に固定されるが、梱包用バンド9の先端部が固定されると、梱包用バンド9は被梱包物5に巻き付くように引き戻される。梱包用バンド9が被梱包物5に巻き付くと、梱包用バンド9の切断・溶着が行われ、被梱包物5の梱包が完了する。
【0013】
シール機構7は、梱包用バンド9を送り出し操作及び引き戻し操作するバンド駆動ローラ装置11と、梱包用バンド9の固定及び梱包用バンド9の切断・溶着を行うシール本体13と、シール本体13及びバンド駆動ローラ装置11間に、梱包用バンド9の移動路に沿って、あるいは先端爪部15が梱包用バンド9の移動路に沿って動くように、支持軸17を中心として揺動可能に設けられた係合爪部材19と、から構成され、バンド駆動ローラ装置11は、バンド駆動ローラ21と、ソレノイドプランジャ23の作動(プランジャ収縮作動)によってバンド駆動ローラ21の下側とで梱包用バンド9を挟み付けるようにバンド駆動ローラ21側に位置し、ソレノイドプランジャ23の開放(プランジャ伸長開放)によってバンド駆動ローラ21から離れて位置するロッカーローラ25と、を有していて、バンド駆動ローラ21側に位置しているロッカーローラ25を通過し、バンド駆動ローラ21に巻き付くようにしてシール本体13側に延びている梱包用バンド9は、バンド駆動ローラ21の図上反時計回り方向の回転作動(矢印A参照)により、シール本体13を通過してテーブル3上に所定長さ送り出される。
【0014】
シール本体13は、ライトグリッパ27(第1のグリッパ)、レフトグリッパ29(第2のグリッパ)、ライトグリッパ27とレフトグリッパ29との間に配置されたコンプレッション部材31、シールアンビル又はシール用受け部材33及びヒータープレート35を有して構成されているが、テーブル3上に所定長さ送り出されている梱包用バンド9の先端部がシール本体13内に挿入されたこと、具体的には、シールアンビル33の下側に形成されている挿入路内に、ライトグリッパ27側からコンプレッション部材31のコンプレッションヘッド位置に至るまで挿入されたことを先端検出スイッチ(図示せず)が検出すると、シール本体13を作動させるためのシール軸37が多少回転し(図3の矢印B参照)、このシール軸37の回転にともなって回転した、シール軸37に取り付けられている固定用カム39のカム面に押されてライトグリッパ27が上昇作動して、梱包用バンド9の先端部がこのライトグリッパ27とシールアンビル33とで挟まれて固定される。ライトグリッパ27、レフトグリッパ29及びコンプレッション部材31はケース40内に収容されている。
【0015】
また、シール軸37には係合爪用カム41が取り付けられ、この係合爪用カム41のカム面には係合爪作動アーム43の従動リング45が接触し又は支持されていて、梱包用バンド9の送り出し時には、係合爪作動アーム43は先端部が上昇した開放状態となっている。係合爪作動アーム43の先端部には、係合爪部材19の後端部47が接触し又は支持されていて、係合爪部材19は、開放状態の係合爪作動アーム43の先端部に後端部47が押し上げられて後方に揺動した状態となっているが、係合爪部材19が後方に揺動したこの状態では、先端爪部15は梱包用バンド9の移動路から外れていて、梱包用バンド9のテーブル3上への送り出しに支障は生じない。そして、ここでのシール軸37の回転にともなって、係合爪用カム41のカム面の凹部49が、係合爪作動アーム43の従動リング45に一致して位置し、係合爪作動アーム43は先端部が下降した係合状態に変位するが、係合爪部材19は、引張りコイルスプリング51に引っ張られて揺動方向前方に付勢されているので、前方に揺動し、係合爪部材19の先端爪部15が梱包用バンド9に押し付けられる(矢印C参照)。
【0016】
梱包用バンド9の先端部がライトグリッパ27によって固定され、かつ、係合爪部材19が前方に揺動して先端爪部15が梱包用バンド9に押し付けられると、バンド駆動ローラ21が図上時計回り方向に回転作動する(矢印D参照)。引張りコイルスプリング51のバネ力は比較的弱く、先端爪部15に引き戻し方向の力が作用すると、係合爪部材19は先端爪部15が梱包用バンド9の移動路から外れるように後方に容易に揺動するので、梱包用バンド9は先端爪部15に接触しながらも円滑に引き戻され、被梱包物5に巻き付く(図4参照:矢印Eは梱包用バンド9の移動方向を示す)。ここでは、係合爪部材19の後端部47は係合爪作動アーム43の先端部から浮き上がっている。
【0017】
梱包用バンド9の被梱包物5への巻き付けが完了したことが検出されると、バンド駆動ローラ21は回転を停止し、ソレノイドプランジャ23の開放によりロッカーローラ25がバンド駆動ローラ21から離れた状態となる。ロッカーローラ25がバンド駆動ローラ21から離れると、梱包用バンド9はテンションをかけられて被梱包物5に巻き付けられているので、送り出し方向に移動しようとする。しかしながら、梱包用バンド9には引張りコイルスプリング51に引っ張られて係合爪部材19の先端爪部15が押し付けられて係合しているので、先端爪部15が、梱包用バンド9に引きずられ、梱包用バンド9の送り出し方向への移動にともなって前方に移動して、係合爪部材19が前方に揺動する。ところが、梱包用バンド9の移動路を挟んで反対側には、バンド駆動ローラ21からシール本体13まで延びる固定用ガイド53が設けられていて、この固定用ガイド53の内面又は下面は梱包用バンド9の移動路に接するように、あるいは梱包用バンド9の移動路を形成するように位置している。そして、係合爪部材19が前方に揺動するにつれて、先端爪部15が梱包用バンド9の移動路に突出し、固定用ガイド53の内面と先端爪部15との間隔が狭まるように構成されているので、係合爪部材19の前方への揺動により梱包用バンド9は固定用ガイド53の内面と先端爪部15とに挟み付けられて固定され、その結果、梱包用バンド9の送り出し方向への移動は阻止されることとなる(図5参照:矢印Fは梱包用バンド9の移動方向を示す)。ここでも、係合爪部材19の後端部47は係合爪作動アーム43の先端部から僅かに浮き上がっている。なお、係合爪部材19が後方に揺動すると、先端爪部15は固定用ガイド53の内面から離れる方向に移動する。また、係合爪部材19の先端爪部15の移動範囲の前方では、固定用ガイド53に下側プレート54が固定されていて、固定用ガイド53の内面とこの下側プレート54との間に狭いバンド通路が形成されている。
【0018】
梱包用バンド9が係合爪部材19と固定用ガイド53とに挟み付けられ、送り出し方向に対して固定されると、シール軸37が一定速度で継続して再び回転し、シール軸37に取り付けられた保持用カム55、バンド抜け用カム57、ヒーター用カム59及び接着用カム61が回転作動する。そして、保持用カム55の回転によりレフトグリッパ29が作動し、バンド抜け用カム57の回転によりシールアンビル装置(シールアンビル33)が作動し、ヒーター用カム59の回転によりシール用ヒーター装置(ヒータープレート35)が作動し、接着用カム61の作動によりコンプレッション部材31が作動する。まず、シール軸37が再び回転を開始した直後に保持用カム55のカム面に押されてレフトグリッパ29が上昇作動し、梱包用バンド9の後側をシールアンビル33とで挟んで固定する。レフトグリッパ29が梱包用バンド9の後側を固定すると、係合爪用カム41のカム面の凸部59が、係合爪作動アーム43の従動リング45位置に到達し、係合爪作動アーム43は先端部が上昇した開放状態に復帰する。開放状態に復帰した係合爪作動アーム43の先端部は、係合爪部材19の後端部47に当接して後端部47を押し上げ、係合爪部材19を、先端爪部15が梱包用バンド9の移動路から外れるように、後方に揺動させる。シール軸37がさらに回転すると、シールアンビル装置及びシール用ヒーター装置が作動を開始する。
【0019】
図6は梱包用バンドのシール用ヒーター装置の構成を示す側面図、図7乃至図11は梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図である。
【0020】
シールアンビル装置は、シール軸37に取り付けられたバンド抜けカム57と、バンド抜けカム57に接触する従動リング65を有し、後端部又は下端部が支持軸67に回転可能に取り付けられて、支持軸67を中心として前後方向に揺動可能なバンド抜けアーム69と、このバンド抜けアーム69を後方に付勢する引張りコイルスプリング71と、バンド抜けアーム69の先端部に回転可能に取り付けられた挿入路形成部材73と、この挿入路形成部材73が、裏面凹部内に嵌り込んで接続されているシールアンビル33と、から構成されていて、挿入路形成部材73は、シールアンビル33の裏面とともに梱包用バンド9の先端部の挿入路を形成し、シールアンビル33に対して、所定距離だけ前方にスライドできるように、かつ上下方向に多少の遊びを有するようにシールアンビル33に接続されている。梱包用バンドのシール用ヒーター装置は、シール軸37に取り付けられたヒーター用カム59と、ヒーター用カム59に接触する従動リング75を有し、後端部又は下端部が支持軸77に回転可能に取り付けられて、支持軸77を中心として前後方向に揺動可能なヒーター作動アーム79と、このヒーター作動アーム79を前方に付勢する引張りコイルスプリング81と、後端部がヒーター作動アーム79の先端部に回転可能に取り付けられ、前端部が、レフトグリッパ29と、コンプレッション部材31のコンプレッションヘッドとの間を通過してコンプレッション部材31の前側に延びるヒーターホルダー83と、後端部が断熱基板85を介してヒーターホルダー83の後端部上に固定され、このヒーターホルダー83と平行に、かつヒーターホルダー83の長さ方向中央まで前方に延びるヒータープレート35と、ケース40の前面部に固定されたブラケットに回転可能に取り付けられ、ヒーターホルダー83の前端側を載せて支持する、コンプレッション部材31の前方に位置する支持ローラ87と、から構成されている。なお、図6中符号89は導電コードである。
【0021】
シール軸37の回転にしたがって、まずシールアンビル装置が作動する。すなわち、バンド抜けカム57のカム面の第1凸部91に従動リング65が押されてバンド抜けアーム69が多少前方に揺動し、挿入路形成部材73が多少前方に移動する。このとき、挿入路形成部材73はシールアンビル33に対してスライドして前方に移動するので、シールアンビル33は移動しない。挿入路形成部材73が前方に移動を開始すると、又は前方に移動すると、ヒーター用カム59の凹部93が従動リング75に一致して位置し、ヒーター作動アーム79は引張りコイルスプリング81に引っ張られて前方に揺動を開始して、ヒーターホルダー83は、支持ローラー87に支えられて前方に移動する(図7の矢印G参照)。ヒーターホルダー83は、後方待機位置では、水平に、すなわちシールアンビル33と平行に延びているが、ヒーター作動アーム79は先端部が多少上昇しながら前方に揺動するので、前方への移動を開始すると、前方に向かってやや下降傾斜した状態となる。
【0022】
シール軸37がさらに回転すると、ヒータープレート35の前端部が、梱包用バンド9の先端部95と後側97との間に入り込む。ヒーター作動アーム79は、先端部が一旦上昇し、続いて下降するように前方に揺動するので、ヒーターホルダー83は、入り込み位置に到達すると水平状態に復帰する。そして、コンプレッション部材31は、従動リング99が接着用カム61のカム面の第1凸部101に押されて上昇し、梱包用バンド9の後側97を切断するとともに、梱包用バンド9の先端部95と後側97とをヒータープレート35が挿入された状態でシールアンビル33に押し付け、梱包用バンド9の先端部95と後側97とを溶融させる(図8参照)。
【0023】
シール軸37がさらに回転すると、コンプレッション部材31は引張りコイルスプリング103に引っ張られて接着用カム61のカム面の第1凹部105に沿って下降し(図9の矢印I参照)、また、ヒーター用カム59のカム面の凸部107に押されてヒーター作動アーム79が後方に揺動して、ヒータープレート35の前端部が梱包用バンド9の先端部95と切断された後側97との間から抜け出るように、ヒーターホルダー83が支持ローラー87に支えられて後退を開始する(図9の矢印J参照)。
【0024】
シール軸37がさらに回転すると、ヒータープレート35が梱包用バンド9の先端部95及び後側97の間から抜け出る。そして、接着用カム61のカム面の第2凸部109に押されてコンプレッション部材31は再び上昇し、溶融した梱包用バンド9の先端部95と後側97とを、シールアンビル33とで挟んで押し付け、溶着する(図10参照)。
【0025】
シール軸37がさらに回転すると、ライトグリッパ27(引張りコイルスプリング111によって下降方向へ引っ張られている)、レフトグリッパ29(引張りコイルスプリング112によって下降方向へ引っ張られている)及びコンプレッション部材31がそれぞれ、固定用カム39のカム面、保持用カム55のカム面及び接着用カム61のカム面に沿って下降する。そして、バンド抜けカム57のカム面の第2凸部113に沿ってバンド抜けアーム69がさらに前方に揺動し、挿入路形成部材75も前方に移動するが、挿入路形成部材75はシールアンビル33と係合するので、シールアンビル33も前方に移動する(図11の矢印M参照)。これにより、被梱包物5を梱包している梱包用バンド9はシール本体13から開放される。その後、シール軸37がさらに回転すると、バンド抜けカム57のカム面に沿ってバンド抜けアーム69が後方に揺動し、挿入路形成部材75がシールアンビル33に対して後方にスライドする。そして、挿入路形成部材75がシールアンビル33と係合してシールアンビル33が後方に移動し、シール軸37が360度回転したときには、シールアンビル33が後方のシール位置に移動して復帰している(図6参照)。
【0026】
図12はバンド駆動ローラ装置11及びシール本体13の駆動機構を示す平面図である。
【0027】
バンド駆動ローラ21は、出力軸115の前端にプーリ117が取り付けられた直流モータ119に、減速機121を介して取り付けられている。ケース123内に収容されたシール用駆動軸(図示せず)の前端部にはプーリ125を有する電磁クラッチ127が設けられ、シール用駆動軸の後端部はケース123内でシール軸37に接続されていて、プーリ117とプーリ125とには駆動ベルト129が掛け渡されている。
【0028】
梱包用バンド9を送り出す場合には、直流モータ119が回転してバンド駆動ローラ21を回転作動させる。ここでは、係合爪部材19は後方に揺動して移動していて、係合爪部材19の先端爪部15は梱包用バンド9の移動路から外れている。また、電磁クラッチ127は切断されている。ライトグリッパ27及び係合爪部材19を作動させるためのシール軸37の回転は、直流モータ119から、接続された電磁クラッチ127を介してシール用駆動軸に回転力を伝達することにより行われる。梱包用バンド9を引き戻す場合には、直流モータ119が回転してバンド駆動ローラ21を回転作動させる。ここでは、電磁クラッチ127は切断されている。梱包用バンド9の被梱包物5への巻き付けの完了が直流モータ119のトルクにより検出されると、直流モータ119は回転を停止する。梱包用バンド9の切断・溶着は、直流モータ119から、接続された電磁クラッチ127を介して回転力をシール用駆動軸、したがってシール軸37に伝達することにより行われる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の梱包用バンドのシール用ヒーター装置は、簡単な構造で、ヒータープレートをシールアンビルとコンプレッションヘッドとの狭い隙間に支障なく入り込ませることができるものであり、しかも、狭い配置スペース内に収めることが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る梱包用バンドのシール用ヒーター装置を備えたバンド式梱包機を概略的に示す全体図である。
【図2】シール機構部分の拡大図である。
【図3】係合爪部材部分を示す側面図である。
【図4】係合爪部材の作動状態を示す図であり、係合爪部材が梱包用バンドの引き戻し方向への移動を許容している場合を示す図である。
【図5】係合爪部材の作動状態を示す図であり、係合爪部材が梱包用バンドと係合した状態を示す図である。
【図6】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の構成を示す側面図である。
【図7】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図であり、ヒータープレートが前進移動を開始した状態を示す図である。
【図8】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図であり、梱包用バンドの先端部と後側とを溶融させる場合を示す図である。
【図9】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図であり、ヒータープレートが梱包用バンドの先端部と後側との間から抜け出る場合を示す図である。
【図10】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図であり、梱包用バンドの先端部と後側とを溶着する場合を示す図である。
【図11】梱包用バンドのシール用ヒーター装置の作動過程を説明する図であり、梱包用バンドをシール本体から抜き出す場合を示す図である。
【図12】バンド駆動ローラ装置及びシール本体の駆動機構を示す平面図である。
【符号の説明】
9 梱包用バンド
33 シールアンビル
35 ヒータープレート
37 シール軸
59 ヒーター用カム
79 ヒーター作動アーム
83 ヒーターホルダー
87 支持ローラー
Claims (1)
- シール軸に取り付けられたヒーター用カムと、前記ヒーター用カムに接触し、このヒーター用カムの回転にしたがって前後方向に揺動するヒーター作動アームと、前記ヒーター作動アームに取り付けられ、このヒーター作動アームの揺動にしたがい前後方向に移動するヒーターホルダーと、このヒーターホルダーに設けられたヒータープレートと、を有し、前記ヒータープレートは、前記ヒーターホルダーの前方への移動により、シールアンビルとコンプレッションヘッドとの間に入り込んで、梱包用バンドの先端部と後側との間に位置し、前記ヒーターホルダーの後方への移動により、前記シールアンビルと前記コンプレションヘッドとの間から退却する、梱包用バンドのシール用ヒーター装置であって、
前記ヒーターホルダーは、前記ヒーター作動アームに回転可能に取り付けられ、かつ、前端側が回転可能な支持ローラ上に載せられてこの支持ローラに支えられ、前記支持ローラに支持されてほぼ水平状態で前後方向に移動するように構成されていて、
さらに、前記ヒーターホルダーは、前記コンプレッションヘッドを越えて前方に延び、前記支持ローラは、前記コンプレッションヘッドの前側に配置されて、前記ヒーターホルダーの前端側を支えている、ことを特徴とする梱包用バンドのシール用ヒーター装置。
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