JP4126142B2 - 野菜移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は苗トレイから1株分の玉ネギ、葉ネギ、白ネギなどの野菜苗を取出して圃場に植付けるようにした野菜移植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、苗載台の苗トレイから1つの苗取出爪によって取出した苗を1つの苗植付爪に受継いで1条分の苗植付けを行っているが、これら爪の作業速度には限界があって速くできないため、玉ネギなどのような植付株間(8〜10cm)の短い作物の場合、車速を遅くして(例えば0.2m/s前後)植付株間の短い作物に対応させる必要があるなどして、作業能率が極めて悪いという不都合があった。
【0003】
このため、同一軌跡上で180度位相を異ならせる2つの苗植付爪を設け、これら2つの苗植付爪を1組として従来1つの爪で苗を1株植付けるのに対し、同一時間内に苗を2株植付けるようにした手段があるが、2つの苗植付爪をそれぞれ動作させる2つの爪駆動機構を必要とするなど構造が極めて複雑なものとなる不都合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、同一軌跡上で180度位相を異ならせる2つの開孔型苗植付爪を1組として1条分の苗植付けを行うようにした野菜移植機において、ロータリケース内にロータリケースの回転に関係なく取付位置を一定維持させる遊星ギヤと、該遊星ギヤと同一軸芯上にロータリケースと一体に固設する固定ギヤとを設けると共に、固定ギヤに対向状に且つ前後に取付位置を偏位させて結合させる2つの出力ギヤを遊星ギヤの一側に回転自在に支持させ、これら2つの出力ギヤのギヤ軸に苗植付爪を先端に支持する2つのクランクアームの基端をそれぞれ取付けて、単一のロータリケースの中央回転軸を中心とした両端側の各遊星ギヤに苗植付爪を連結支持させる簡潔構造によって重量やコストの低減を図ると共に、狭い植付条間にも良好に適応させて、作業能率を向上させるものである。
【0005】
また、一方のクランクアーム先端のアーム軸を苗植付爪一方の開閉支点軸に設けて、苗植付爪の支持構造と開閉構造の簡潔化を図って構成をコンパクトとさせるものである。
【0006】
さらに、他方のクランクアーム先端に開閉カムを取付けて、開閉カムで開閉ロッド部材を押動して苗植付爪の開閉を行って、クランクアームに直接的に開閉カムを取付けて、苗植付爪の開閉構造のコンパクト化を図ると共に、苗植付爪の植付動作に正確に連動させた爪の開閉を行って植付精度を向上させるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は移植機の全体側面図、図2は同全体平面図、図3は移植部の側面説明図、図4は移植部の平面説明図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載する移動機体、(3)は前後スライドフレーム(4)(5)に機体(1)を左右スライド自在に支持する固定フレーム、(6)はスライドアーム(7)を介して機体(1)をスライド動作させる油圧式スライドシリンダ、(8)はミッションケース(9)からの駆動横軸(10)に左右伝動ケース(11)を介し上下揺動自在に支持する左右の後車輪、(12)は前記固定フレーム(3)の前端側にアクスルフレーム(13)を介し上下揺動自在に支持する左右の前車輪、(14)は固定フレーム(3)後端側のスイング軸(15)を介し前後車輪(12)(8)を上下揺動させる油圧式スイングシリンダ、(16)は機体(1)の後方にシャーシフレーム(17)を介し装設する苗供給装置、(18)は左右の後車輪(8)間に装設してミッションケース(9)に植付駆動ケース(19)を介して連結させる苗植付装置、(20)は畝面(M)を鎮圧する左右1対の鎮圧ローラであり、前記苗供給装置(16)の左右往復移動する苗載台(21)上の苗トレイ(22)より1株分のポット苗(N)を箸形苗取出爪(23)でもって取出し、この取出されたポット苗(N)を前記苗植付装置(18)のマルチカッタ(24)と連動して上下動するホッパ開孔形苗植付爪(25)に放出供給して、操向ハンドル(26)操作による機体(1)の走行中畝面(M)に一定間隔毎のポット苗(N)の植付け(移植)を行うように構成すると共に、機体(1)の左右スライド調節によって植付条位置の変更などを行うように構成している。
【0008】
また、(27)は前記スイングシリンダ(14)を動作させて機体(1)を昇降操作する昇降レバー、(28)は植付クラッチの入切を行う植付クラッチレバー、(29)は走行速度を変速する主変速レバー、(30)は機体(1)を左右方向に位置調節するスライド調節レバー、(31)は左右後車輪(8)の駆動を停止させて機体(1)を旋回操作する左右サイドクラッチレバーである。
【0009】
図3乃至図16に示す如く、前記苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)は、1つの苗載台(21)の苗トレイ(22)に対し一定の間隔を有して左右に並設させ、同位相駆動して1つの苗トレイ(22)から2条分の苗取りと同時2条の苗植付けを行うと共に、各苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)における各1条分の同一爪運動軌跡(A)(B)上で180度位相を異ならせて、1つの運動軌跡(A)(B)中で2回の苗取り及び苗植付けを行うように設けて、苗取速度及び苗植付速度を略2倍に増速させるように構成している。
【0010】
図3乃至図7に示す如く、前記苗取出爪(23)は、前記シャーシフレーム(17)側の固定ブラケットに位相調節板(32)を固定させ、一方向に等速回転させるロータリケース(33)を取出爪駆動軸(34)を介して調節板(32)に支持させ、駆動軸(34)を中心としたロータリケース(33)の180度対称位置に2つの爪ケース(35)の基端爪ケース軸(36)を取付け、これら爪ケース(35)の先端に苗取出爪(23)をそれぞれ取付けている。
【0011】
また、前記ロータリケース(33)内の取出爪駆動軸(34)にサンギヤ(37)を遊嵌させ、調節板(32)にサンギヤ(37)を位相調節自在に固定させると共に、サンギヤ(37)と同一歯数のアイドルギヤ(38)及びプラネタリギヤである遊星ギヤ(39)を中間軸(40)及びケース軸(36)を介してロータリケース(33)内に支持させるもので、各ギヤ(37)(38)(39)を不等速ギヤに設け、中央のサンギヤ(37)に2つのアイドルギヤ(38)を介し2つの遊星ギヤ(39)を一列且つ対称に常噛させ、ロータリケース(33)の等速1回転中に同一爪運動軌跡(A)で180度位相を異ならせて、交互に苗トレイ(22)より2株分の苗(N)の取出しを行うように構成している。
【0012】
さらに、前記苗取出爪(23)を左右に開閉する爪開閉カム(41)を爪ケース(35)に設けるもので、爪ケース軸(36)を貫挿させロータリケース(33)に位置調節自在に固定させる駆動カム軸(42)に、連結用ギヤ(43)(44)(45)を介して開閉カム(41)のカム軸(46)を連結させると共に、開閉支点軸(47a)(47b)を中心として苗取出爪(23)の左右爪体(23a)(23b)を開閉する開閉アーム(48a)(48b)のローラ(49)に前記開閉カム(41)の両側カム面(41a)(41b)を摺接させて、ロータリケース(33)と爪ケース(35)の相対位置の変化によって爪体(23a)(23b)を開閉させ、苗トレイ(22)内への苗取出爪(23)の突入時に爪体(23a)(23b)を閉とさせて苗(N)を挾持する一方、苗取出爪(23)を苗植付爪(25)との受継ぎ位置まで下動させるとき爪体(23a)(23b)を開とさせて苗(N)を下方に落下させるように構成している。
【0013】
また、前記取出爪駆動軸(34)は、ミッションケース(9)に連動連結する植付クラッチケースからの伝動チェン(50)に連結させて、植付クラッチのオン時に左右2組(2条分)の苗取出爪(23)を同位相で駆動して、1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行うと共に、苗植付爪(25)に同時受継ぎを行うように構成している。
【0014】
さらに前記苗載台(21)は、シャーシフレーム(17)に固設する左右サイドフレーム(51)間のガイドレール(52)と横送り駆動軸(53)に左右往復動自在に支持させると共に、苗載台(21)に縦送り駆動軸(54)を介し支持する駆動スプロケット(55)と、遊転軸(56)を介し支持する遊転スプロケット(57)間に張架する縦送りチェン(58)の所定間隔毎の縦送りピン(59)を苗トレイ(22)のポット底部間に掛合させて、苗載台(21)が左右移動終端に到達したとき縦送り軸(60)の縦送りカム(60a)を介して苗トレイ(22)を1ピッチ分縦送りするように構成している。
【0015】
図4、図8乃至図16に示す如く、前記苗植付爪(25)は、ミッションケース(9)左右両側の植付駆動ケース(19)内側にそれぞれ取付ける単一のロータリケース(61)の両端側に2つの苗植付爪(25)を設けるもので、前記駆動ケース(19)の植付駆動軸(62)に一体的にロータリケース(61)を取付け、該ケース(61)内の駆動軸(62)にサンギヤ(63)を遊嵌させると共に、サンギヤ(63)を位相調節板(64)を介し位相調節自在に植付駆動ケース(19)に固定させ、サンギヤ(63)に小径のアイドルギヤ(65)を介しプラネタリギヤである遊星ギヤ(66)を常噛させ、ロータリケース(61)にアイドルギヤ(65)のギヤ軸(67)を、またロータリケース(61)の固定ケース軸(68)に遊星ギヤ(66)をそれぞれ回転自在に支持させ、前記サンギヤ(63)と遊星ギヤ(66)を同一歯数の伝達比が1のギヤ構成に設けて、ロータリケース(61)の回転時にも遊星ギヤ(66)を定常姿勢に保つように構成している。
【0016】
また、前記ケース軸(68)に小径の固定ギヤ(69)を一体的に取付け、該ギヤ(69)と同一歯数で180度対向位置でギヤ(69)に常噛させる2つの出力ギヤ(70)(71)と、前記ケース軸(68)を中心としてロータリケース(61)に回転自在に支持するギヤケース(72)とを設け、遊星ギヤ(66)とギヤケース(72)との間に単一の固定ギヤ(69)と2つの出力ギヤ(70)(71)とを一列状に配設させ、2つの出力ギヤ(70)(71)のギヤ軸(73)(74)を遊星ギヤ(66)とギヤケース(72)に回転自在に支持させて、ロータリケース(61)の1回転中に2つの出力ギヤ(70)(71)のギヤ軸(73)(74)をロータリケース(61)の回転方向と逆方向に1回転させるように構成している。
【0017】
そして、前記苗植付爪(25)の前後爪体(25a)(25b)を開閉するアーム軸である開閉ロッド(75)(76)を植付アームである爪支持アーム(77)に支持させ、前記ギヤ軸(73)(74)に基端を固着するクランクアーム(78)(79)先端に枢軸(80)及びロッド(76)を介して支持アーム(77)を連結支持させて、クランクアーム(78)(79)を平行リンクに形成して、前記ギヤ軸(73)(74)を中心としたクランクアーム(78)(79)の回転中も支持アーム(77)を一定姿勢に保持して、苗植付爪(25)を常に略垂直姿勢で上下動させるように構成している。
【0018】
また、前記開閉ロッド(75)(76)に基端を固設する開閉アーム(81)(82)の一端側を係合軸(83)及び係合ローラ(84)を介し相互に連結させ、開閉アーム(81)(82)の他端側間に引張バネ(85)を張架して常時は前後爪体(25a)(25b)を閉保持させると共に、一方の開閉アーム(82)の固定片(86)に突出長さ調節自在に開閉ロッド部材(87)を設け、前記支持アーム(77)の枢軸(80)を支持するクランクアーム(78)先端の軸ボス(78a)に爪開閉カム(88)を固設させ、該開閉カム(88)の外周カム面(88a)に前記ロッド部材(87)先端を摺接させて、クランクアーム(78)(79)による苗植付爪(25)の下動時にはカム面(88a)によってロッド部材(87)を押し下げて爪体(25a)(25b)を開放状態とさせて、爪体(25a)(25b)内に保持する苗(N)の放出を行うように構成している。
【0019】
そして図15に示す如く、ロータリケース(61)の1回転中に該ケース(61)の両端側に取付ける2つの苗植付爪(25)を縦長の同一楕円植付軌跡(B)上で180度位相を異ならせて上下運動させるもので、図8に示す如くロータリケース(61)が横長姿勢となるとき、先端側を内方向に各クランクアーム(78)(79)を水平とさせて、2つの苗植付爪(25)をケース(61)中心部の略同一高さ位置で近接させ、ロータリケース(61)が縦長姿勢となるとき、先端側を外方向に各クランクアーム(78)(79)を起立させて、2つの苗植付爪(25)の一方を植付軌跡(B)の最上動位置に位置させて苗取出爪(23)からの苗(N)の受継ぎを行う一方、他方の苗植付爪(25)を植付軌跡(B)の最下動位置に位置させて受継ぎ苗(N)の放出を行って、1条分の苗(N)の植付けを行うように構成している。
【0020】
なお、(89)は爪体(25a)(25b)の閉保持用の規制ストッパ、(90)は苗植付爪(25)の内面に付着する泥土などを掻き落すゴム板製のスクレーパである。
【0021】
上記からも明らかなように、同一軌跡上で180度位相を異ならせる2つの開孔型苗植付爪(25)を1組として1条分の苗植付けを行うようにした野菜移植機において、中央の駆動軸(62)を中心として回転するロータリケース(61)と、駆動軸(62)と同一軸芯上でロータリケース(61)に一体に設けるサンギヤ(63)と、ロータリケース(61)の両端側に回転自在に内設してサンギヤ(63)にアイドルギヤ(65)を介し連結させる遊星ギヤ(66)とを設け、苗植付爪(25)を開閉自在に取付ける2つのクランクアーム(78)(79)を遊星ギヤ(66)に連結支持させたことによって、ロータリケース(61)の駆動軸(62)を中心とした回転時には、ロータリケース(61)の両端側に装備する2つの苗植付爪(25)を適正姿勢を保った状態で楕円運動させて、高速による良好な植付作業を可能とさせることができる。
【0022】
また、遊星ギヤ(66)と同一軸芯上のロータリケース(61)の固定軸(68)に設ける固定ギヤ(69)と、遊星ギヤ(66)の一側面に回転自在に支持して固定ギヤ(69)に対向状に結合させる2つの出力ギヤ(70)(71)とを設け、これら2つの出力ギヤ(70)(71)の固定ギヤ軸(73)(74)に2つのクランクアーム(78)(79)基端を取付けたことによって、ロータリケース(61)の入力軸を中心とした回転時には、遊星ギヤ(66)を同一姿勢を維持させた状態で公転させると共に、出力ギヤ(71)をロータリケース(61)の回転方向とは反対方向に同一回転数で回転させて、苗植付爪(25)に同一植付姿勢の楕円植付軌跡(B)を描かせて、良好な高速植付を可能とさせることができる。
【0023】
さらに、2つのクランクアーム(78)(79)先端に単一の植付アーム(77)を支持させ、該植付アーム(77)に開閉ロッド(78)(79)を介し苗植付爪(25)を取付けたことによって、ロータリケース(61)の回転中には苗植付爪(25)を常に同一植付姿勢に維持させて、苗を受継いでから苗植付が終了するまでの苗姿勢を安定且つ適正に保って高速植付での植付精度を向上させることができる。
【0024】
また、ロータリケース(61)内にロータリケース(61)の回転に関係なく取付位置を一定維持させる遊星ギヤ(66)と、該遊星ギヤ(66)と同一軸芯上にロータリケース(61)と一体に固設する固定ギヤ(69)とを設けると共に、固定ギヤ(69)に対向状に且つ前後に取付位置を偏位させて結合させる2つの出力ギヤ(70)(71)を遊星ギヤ(66)の一側に回転自在に支持させ、これら2つの出力ギヤ(70)(71)のギヤ軸(73)(74)に苗植付爪(25)を先端に支持する2つのクランクアーム(78)(79)の基端をそれぞれ取付けたことによって、単一のロータリケース(61)の中央回転軸(62)を中心とした両端側の各遊星ギヤ(66)に苗植付爪(25)を連結支持させる簡潔構造によって重量やコストの低減を図ることができると共に、狭い植付条間にも良好に適応させて、作業能率を向上させることができる。
【0025】
さらに、一方のクランクアーム(79)先端のロッド(76)を苗植付爪(25)一方の開閉支点軸に設けたことによって、苗植付爪(25)の支持構造と開閉構造の簡潔化を図って構成をコンパクトとさせることができる。
【0026】
またさらに、他方のクランクアーム(78)先端に開閉カム(88)を取付けて、開閉カム(88)で開閉ロッド部材(87)を押動して苗植付爪(25)の開閉を行うことによって、クランクアーム(78)に直接的に開閉カム(88)を取付けて、苗植付爪(25)の開閉構造のコンパクト化を図ることができると共に、苗植付爪(25)の植付動作に正確に連動させた爪(25)の開閉を行って植付精度を向上させることができる。
【0027】
図18に示す如く、左右に一定間隔を有して並設する2条用の苗取出爪(23)は、ミッションケース(9)に連動連結する植付クラッチケース(91)の出力軸(92)端に左右のロータリケース(33)の取出爪駆動軸(34)をチェン(50)を介しそれぞれ連結させ、植付クラッチケース(91)内の植付クラッチ(94)の入時に左右2条分の苗取出爪(23)を同位相で駆動して1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行うように構成している。
【0028】
また、前記ミッションケース(9)はエンジン(2)の出力軸(95)にベルト(96)を介し連動連結させるミッション入力軸(97)と、該入力軸(97)に植付タイミング用回転クラッチ(98)を介して連動連結させる植付出力軸(99)とを備え、左右2条分の苗植付爪用ロータリケース(61)の植付駆動軸(62)に植付出力軸(99)をチェン(100)を介しそれぞれ連結させて苗植付爪(25)の駆動を行う一方、前記ミッション入力軸(97)に無段変速ベルト(101)を介し苗取変速プーリ軸(102)を連動連結させると共に、該プーリ軸(102)にチェン(103)を介し植付クラッチケース(91)の入力軸(104)を連動連結させて、苗載台(21)や苗取出爪(23)などの駆動を行うように構成している。
【0029】
そして図17にも示す如く、前記回転クラッチ(98)の上部停止カム(105)を操作するクラッチホーク(106)にアーム(107)・植付タイミングロッド(108)・タイミングアーム(109)を介して前記出力軸(92)のタイミングアーム(110)を連動連結させて、苗取出爪(23)の苗取出し動作にタイミングを合わせた苗植付爪(25)の間欠植付動作を行うように構成している。
【0030】
また、前記タイミングカム(110)は植付入用のカム溝(110a)を180度位相を異ならせて対向2箇所に設けて、カム(110)の1回転で2回の植付入信号を出力するように設ける一方、前記停止カム(105)にも180度位相の異なる上部停止カム溝(105a)を設けて、停止カム(105)の1回転中に植付出力軸(99)の駆動を2回停止させるように設けて、従来停止カム(105)及びタイミングカム(110)の1回転で1行程の苗植付動作を行うのに対し、2行程の苗植付動作を行って、従来の1行程の機種にあって2つのカム(105)(110)を交換するだけで高速の苗取り及び苗植付けに対応させるように構成している。
【0031】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、同一軌跡上で180度位相を異ならせる2つの苗植付爪(25)を1組として1条分の苗植付けを行うようにした野菜移植機において、ロータリケース(61)内にロータリケース(61)の回転に関係なく取付位置を一定維持させる遊星ギヤ(66)と、該遊星ギヤ(66)と同一軸芯上にロータリケース(61)と一体に固設する固定ギヤ(69)とを設けると共に、固定ギヤ(69)に対向状に且つ前後に取付位置を偏位させて結合させる2つの出力ギヤ(70)(71)を遊星ギヤ(66)の一側に回転自在に支持させ、これら2つの出力ギヤ(70)(71)のギヤ軸(73)(74)に苗植付爪(25)を先端に支持する2つのクランクアーム(78)(79)の基端をそれぞれ取付けたものであるから、単一のロータリケース(61)の中央回転軸(62)を中心とした両端側の各遊星ギヤ(66)に苗植付爪(25)を連結支持させる簡潔構造によって重量やコストの低減を図ることができると共に、狭い植付条間にも良好に適応させて、作業能率を向上させることができるものである。
【0032】
また、一方のクランクアーム(79)先端のアーム軸(76)を苗植付爪(25)一方の開閉支点軸に設けたものであるから、苗植付爪(25)の支持構造と開閉構造の簡潔化を図って構成をコンパクトとさせることができる。
【0033】
さらに、他方のクランクアーム(78)先端に開閉カム(88)を取付けて、開閉カム(88)で開閉ロッド部材(87)を押動して苗植付爪(25)の開閉を行うものであるから、クランクアーム(78)に直接的に開閉カム(88)を取付けて、苗植付爪(25)の開閉構造のコンパクト化を図ることができると共に、苗植付爪(25)の植付動作に正確に連動させた爪(25)の開閉を行って植付精度を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】移植機の全体側面図。
【図2】移植機の全体平面図。
【図3】移植部の側面図。
【図4】移植部の平面説明図。
【図5】苗取出爪部の側面説明図。
【図6】苗取出爪の駆動停止説明図。
【図7】苗取出爪部の断面説明図。
【図8】苗植付爪部の側面図。
【図9】苗植付爪部の断面説明図。
【図10】苗植付爪部の側面説明図。
【図11】苗植付爪部の側面説明図。
【図12】苗植付爪の駆動ギヤ部の説明図。
【図13】苗植付爪のロータリケースの断面説明図。
【図14】苗植付爪の平面説明図。
【図15】苗植付爪の駆動説明図。
【図16】苗植付爪の駆動系の説明図。
【図17】タイミング部の説明図。
【図18】移植駆動系の説明図。
【符号の説明】
(25) 苗植付爪
(61) ロータリケース
(66) 遊星ギヤ
(69) 固定ギヤ
(70)(71) 出力ギヤ
(73)(74) ギヤ軸
(76) ロッド(アーム軸)
(78)(79) クランクアーム
(87) ロッド部材
(88) 開閉カム
Claims (3)
- 同一軌跡上で180度位相を異ならせる2つの開孔型苗植付爪を1組として1条分の苗植付けを行うようにした野菜移植機において、ロータリケース内にロータリケースの回転に関係なく取付位置を一定維持させる遊星ギヤと、該遊星ギヤと同一軸芯上にロータリケースと一体に固設する固定ギヤとを設けると共に、固定ギヤに対向状に且つ前後に取付位置を偏位させて結合させる2つの出力ギヤを遊星ギヤの一側に回転自在に支持させ、これら2つの出力ギヤのギヤ軸に苗植付爪を先端に支持する2つのクランクアームの基端をそれぞれ取付けるように構成したことを特徴とする野菜移植機。
- 一方のクランクアーム先端のアーム軸を苗植付爪一方の開閉支点軸に設けたことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
- 他方のクランクアーム先端に開閉カムを取付けて、開閉カムで開閉ロッド部材を押動して苗植付爪の開閉を行うように構成したことを特徴とする請求項1及び2記載の野菜移植機。
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