JP4126114B2 - 流体の観測面内ドプラ速度分布から面内流を推定する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流体の観測面内ドプラ速度分布から面内流を推定する方法、特に二次元観測面のドプラ速度分布から、境界線あるいは境界面の流出入流量を推定して流量関数を利用しながら流速分布を流線として表示可能な改良された面内流推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波のドプラ効果を利用して観測面内の流体の流速分布を観測する方法が実用化されており、例えば心臓内の血流速度観測等に用いられている。このような血流分布は心臓の超音波断層像と重ね合わせてカラー表示され、心臓内の血管診断などに広く実用化されている。このようなドプラ速度は超音波ばかりでなく他の電磁波を用いても行うことができ、さらに、近年においてはこのような流速観測は海洋、湖水等の潮流観測あるいは空気中の雲の流れなどの観測に広く応用分野が広がっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常の場合、ドプラ速度分布は観測ビームの送受波方向における速度成分しか測定することができず、ビーム方向と直交する方向に対しての成分を推定する必要がある。
【0004】
このような直交方向の推定は流れ関数の考え方を応用して行うことが考えられたが、実際の心臓内血流あるいは潮流、雲の流れなどにおいては、三次元流であるため従来必ずしも満足のいく推定作用を行うことができなかった。
【0005】
従来において、主として観測ビームで観測することのできる面は通常の場合二次元観測面であり、超音波ビームなどをリニアあるいはセクタ走査させてこのような二次元観測面を得ている。しかしながら、実際の流体にあっては、このような二次元観測面の側方境界である境界線からの流出入があり、また観測している二次元観測面と隣接する層(三次元)との境界である境界面からも同様に流出入があり、これらのうち境界面での流体の流出入を考慮していない従来の推定方法では到底実際の流体に合致した面内流を観測及び推定することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、観測されたドプラ速度分布のみから境界線あるいは境界面からの流出入を考慮した面内流の推定を行うことのできる改良された推定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、流体の所定観測面に観測波ビームを走査しながら送波し、観測面からの反射波のドプラ周波数から流体のビーム方向をドプラ速度分布を測定する工程と、観測面内において、ビーム方向に対して直交する各直交軸に沿ってドプラ速度を線積分し、各直交軸上の各点でのドプラ流量関数を求める工程と、前記ドプラ速度分布から前記各直交軸を通る流量をそれぞれ求め、この流量のビーム方向に沿った変化を表すドプラ流量距離関数を求める工程と、前記ドプラ流量距離関数を境界条件に基づいて境界線流量距離関数と境界面流量距離関数とに分離する工程と、境界面流量関数を所定の流量(「単位流量」と呼ぶ)ごとに量子化し、ステップ状に変化する量子化境界面流量距離関数を求める工程と、前記量子化境界面流量距離関数の各ステップ位置に対応する直交軸上において、ドプラ速度の変化率に基づいて吸い込み/湧き出し点を推定する工程と、各吸い込み/湧き出し点の分布から、前記吸い込み/湧き出し点の影響による観測面各点の流量を表す流線源流量関数を求める工程と、前記流線源流量関数から平滑流線源流量関数を求める工程と、前記平滑流線源流量関数を前記ドプラ流量関数から差分し、ドプラ走査面内流量関数を求める工程と、前記ドプラ走査面内流量関数を境界条件に基づき調整することにより、面内流量関数を求める工程と、前記面内流量関数と前記流線源流量関数とを合成して量子化流量関数を求める工程と、前記量子化流量関数の等レベル線を求める工程と、を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を説明する。
【0009】
まず、本発明を原理的に説明するために、流量を考えて流れ関数を拡張した流量関数とその表現形式について説明する。
【0010】
二次元流に適用されている流れ関数は基準点との間の流量を表している。この流れ関数の等レベル線は流線を表しており、流線の接線方向から流速ベクトルの方向がわかり、流線間隔から流速ベクトルの大きさがわかる。面内の流れをこのような流線で表示すると流れ全体を定量的にとらえやすい。ここでは流れ関数とその等価な表現を示す。
【0011】
ところで、三次元流中に設定された二次元観測面内では一般に流体の湧き出しや吸い込みがおきており、観測面内の流れは二次元流とは見なせない。本発明では、このような二次元観測面でも流れを擬似的に流線表示できるように流れ関数を拡張した。このように拡張した流れ関数を流量関数と呼ぶ。
【0012】
ドプラ速度とドプラ流量
送受波器から超音波などの観測波のビームを送波すると、ビーム上にある物体によりその観測波が反射され、その反射波が送受波器で検出される。一般に、物体からの反射波のドプラ効果は、送受波器と物体との距離rの時間的な変化により生じる。そのため図1に示すように送受波器を基準とした物体の速度V(→)で、送受波器方向の速度成分ud(→) のみが送波信号の周波数f0 に対する受波信号の周波数変化fd として観測される。この周波数変化fd をドプラ周波数と呼んでおり、距離rが近くなるとき(すなわち反射体が送受波器に近づいているとき)増加する。また、この速度成分ud(→)をドプラ速度と呼び、観測波の伝搬速度をcとするとドプラ速度(の大きさ)ud は次のように表せる。
【0013】
【数1】
ところで、図2のように送受波器から見て距離rが一定の所は、観測領域が三次元のときには面Sとなる。これに対してドプラ速度ud(→)は、この面Sの法線方向となるので、ドプラ速度(の大きさ)ud を面S内で積分するとその面を通過する流体の量すなわち流量Qd(r)となる。
【0014】
【数2】
これを(三次元)ドプラ流量と呼ぶこととする。
【0015】
図3のように、観測領域が二次元のときは、距離rが一定の所は線lになるので、(二次元)ドプラ流量Qd(r)は次のようになる。
【0016】
【数3】
そこで、観測波ビームの方向をx方向とするカーテシアン座標x,y,zの三次元空間において、観測面をあるz0に対するx−y面(すなわちz=z0の平面)内に設定する。このとき観測されるドプラ速度ud(x, y, z0)は、観測流体の速度成分u(x, y, z0) の符号を反転した速度である。すなわち、
【数4】
ここで、速度成分ud(x, y, z0)を、xをパラメータとして、y方向の観測範囲であるy0 からy1 まで線積分する。これは、x−y面内でxが一定の場合における区間[y0,y1] のドプラ流量Qd(x)である。すなわち、
【数5】
流体の基本性質である連続の式
時刻tと位置r(→)における速度ベクトルV(→)(t, r(→))の流れの場において、流体の質量が保存されることは、密度をρとして、次の連続の式が成り立つことである。
【0017】
【数6】
流体を非圧縮性であるとして扱えば、密度ρは一定であるから、連続の式は、次のようになる。
【0018】
【数7】
これを直角座標x, y, zで表せば、それぞれの速度成分をu,v,wとして、次のようになる。
【0019】
【数8】
非圧縮性流体の二次元流について
流れ関数を拡張する前に、二次元流に適用されている流れ関数の要点を示す。z方向に流れのないx−y面内の非圧縮性流体の二次元流について考えよう。x, y方向の速度成分をそれぞれu,vで表すと、流れ関数S(x,y)は次のように定義される。
【0020】
【数9】
【数10】
この関係から、次の式が得られる。
【0021】
【数11】
これは、二次元の連続の式を満たすことになり、このように定義された流れ関数は一般の三次元流に適用できないことも意味している。
【0022】
ここで、二次元非圧縮流の中に2つの点を選び、その2点を結ぶ経路を横切る流量を考えた場合、連続の式が満足される場合にはその流量は一定であり、このときの流量の値は、それら2点における流れ関数の値の差に等しいことはよく知られている。すなわち、流れ関数はこの流量に対応させることができ、二次元流の流れ関数はある点を基準とする流量を表している。
【0023】
次に、流れ関数の等レベル線が流線であることを示す。いま、流れ関数S(x,y)の値は一定(Const)であると仮定する。すなわち、次のようになる。
【0024】
【数12】
これを微分すると次のようになる。
【0025】
【数13】
すなわち、
【数14】
この式から、等レベル線の接線方向が流速ベクトルの方向と一致することがわかる。すなわち、流れ関数の等レベル線は二次元流の流線である。
【0026】
三次元流中の観測面の流線と流量関数
三次元流速ベクトルV(→)(x,y,z)場をx−y面内で観測し、面内の流速ベクトル成分U(→)(x,y)場の情報を得ることを考えよう。ここで、x方向に観測波ビームを放射し、ドプラ効果により、x方向の流速ベクトル成分をドプラ速度ud として観測できるとする。さらに、この観測波ビームをy方向に走査して、観測面内のドプラ速度ud の分布が観測できるようにする。このような制約のもとで、三次元流中の観測面内の流線が描けるように拡張した流れ関数である流量関数を求めよう。
【0027】
面内流速速度分布とその情報を表示する面内流線
二次元面内の流速ベクトル成分U(→)(x,y)の面内での分布の特徴を把握しやすくするために流線を考えよう。そこで、三次元空間での流速場における流線と同様に、観測面内の流線を次のように定義する。図4に示すように曲線の接線の方向が面内の流速ベクトル成分U(→)(x,y)の方向と一致しているとき、この曲線を面内流線と呼ぶことにする。この面内流線により、観測面内の流れの様子を表す。
【0028】
流れ関数の拡張としての流量関数
三次元流内の観測面では一般に三次元的な流出入があるが、この場合にも適用できるように流れ関数を拡張しよう。二次元流で定義された流れ関数の流線に関する次の2つの特徴に着目する。それは、(1)流れ関数の等レベル線が流線であることと、(2)流線間の流量を一定にすることにより定量的に表示できることである。流れ関数の特徴(2)を観測面に流出入がある場合にも適用できるようにするために、一般には観測面内に連続的に分散して起こっている三次元的な流出入を、予め定めた単位流量q毎にまとめて量子化する。すなわち、本実施形態では、観測面内に単位流量qの湧き出し及び吸い込みを配置させることにより、観測面内に分散して起こっている三次元的な流出入を近似する。このような単位流量qの湧き出し及び吸い込みを、流線源と呼ぶことにする。
【0029】
流線源流量関数と階層構造
図5のように、x−y面内の曲線Cに沿った線積分で流量Qを求めよう。流量をベクトルの内積で表現できるように、面内でベクトルを90°回転させるオペレータをR90とし、流速ベクトル面成分U(→)(x,y)を90°回転したベクトルG(→)(x,y)を流量勾配ベクトルと考える。この流量勾配ベクトルG(→)(x,y)は次のように表せる。
【0030】
【数15】
その結果、図5の点Pr と点Pの間の曲線Cを横切る流量Qは、「・」をベクトルの内積として線積分により次のように求められる。
【0031】
【数16】
ここで、図5の基準点Pr に関する流量関数Q(x,y)を基準点Pr と任意の点P(x,y)とを結ぶ任意の経路Cについての流量として定義する。すなわち、
【数17】
図6のような点P1 から点P2 への2つの経路C1 ,C2 について、曲線C1 の経路での流量Q1 と曲線C2 の経路での流量Q2 の関係を考える。この二つの曲線で囲まれた領域内に単位流量qの湧き出しがnp 個、単位流量qの吸い込みがnk 個存在するとすると、
【数18】
このnの値は経路に依存する。
【0032】
流れ関数が流量を表すものとして一般化し、これを流量関数とすると、観測面内のある点P(x,y)の流量関数Q(x,y)は、ある値を基準として単位流量q毎の離散的な値をとる多価関数として定義することができる。この流量関数Q(x,y)が表す観測領域の流量の元になる流体は、観測面内の流線源(すなわち湧き出し、吸い込み)と観測領域の境界線から供給される。そこで流量関数Q(x,y)は、湧き出しや吸い込みの点源(流線源)による流量を表す多価関数である流線源流量関数Qp(x,y) と境界線からの流出入のみを考える一価関数の境界線流量関数Qb(x,y)とに分けられる。すなわち、
【数19】
ここで、境界線流量関数は二次元流の流れ関数である。
【0033】
この結果、拡張した流れ関数である流量関数を用いると二次元流での流れ関数の特徴(1)を流出流のある面内でも活用できる。このとき点源(流線源)の流量関数は図7及び図8に示すように図示できる。
【0034】
まず、図7は湧き出しの点源(流線始点)の流量関数を説明するための図である。(a)の湧き出し点源の位置では流量が単位流量qだけ変化し、これを右まわりする経路では流量が増加し、左まわりの経路では流量が減少する。このとき同じ到達点でも点源を挟んだ経路では異なる流量になり、その差は単位流量qである。このように、湧き出し点を含む面では、流量は多価となり、流量を高さに取ると、湧き出し点周りの流量の様子は、(b)のような螺旋スロープが上下に無限に続く階層構造になる。このような点源におけるスロープ構造の流量関数を流線源流量関数Qp(x,y)とする。
【0035】
図8は吸い込みの点源の流量関数を説明するための図である。この場合も、上述の湧き出しと同様に扱える。すなわち、(a)の吸い込みの点源を右まわりする経路では流量は減少し、左まわりの経路では流量は増加する。したがって、吸い込み点周りの流量の様子は、(b)のスロープが上下に無限に続く階層構造となる。これも流線源流量関数Qp(x,y)である。
【0036】
なお、観測面内に点源(流線源)がないときは流線源流量関数Qp(x,y)はゼロとなる。
【0037】
流量関数と流線
上述のように、三次元的な流出入がある観測面内の一般の流れは、連続的に分散している流出入を単位流量毎に集中させて点源(流線源)として扱うことにより離散的な流量関数で表現できる。この離散的な流量関数は階層毎に単位流量間隔で変化するので、単位流量毎の等レベル線は全ての階層で一致することになり、これらの等レベル線をまとめて観測面上に流線として表示できることになる。
【0038】
すなわち、単位流量間隔の流線は離散的な流量関数の各階層間で一致する等レベル線で表現できることになる。以下では離散的な流量関数も単に流量関数と呼ぶことにする。
【0039】
流量関数を表現する一価関数である走査流量関数
点源(流線源)を表現できる流量関数は一般に多価である。これは実際の数値データを扱うには不便である。そこで、流量関数の値が単位流量毎の離散的な値をとる多価であることを念頭において、流量関数を単位流量と一価関数との組合せで表すことを考える。基準点から関数値を求めようとする点までの経路を一通りに指定すれば一価関数となる。これを実現するため、基準点からの経路が一通りとなり、しかも観測領域全体を走査できる方法を指定し、各点の関数値を定める。このようにして求めた一価関数を走査流量関数と呼ぶことにしよう。この走査流れ関数の不連続な部分が階層の違いを表しており、単位流量だけ調整することにより、連続性のある同一階層の流量関数値が得られる。
【0040】
カーテシアン座標において線形走査による線形走査流量関数を求める経路の例を図9に、極座標においてセクタ走査によるセクタ走査流量関数を求める経路の例を図10に示す。線形走査流量関数を求める積分経路は、図9に示すx=k(定数)の矢印付きの各ラインである。またセクタ走査流量関数を求める積分経路は、図10に示すr=k(定数)の矢印付きの各円弧である。
【0041】
流量関数法と流線表示
流線表示を考えて、観測面外からの流出入がある場合にも流れ関数を適用できるように拡張し、流量関数とした。この流量関数を実測されたドプラデータから求め、これから導出される流線をドプラ画像に重ねて表示する方法を流量関数法と呼ぶことにしよう。なお、観測領域内の流速ベクトル成分は流線から推定できる。以下の流量関数法の説明では心臓内の血流を観測する場合を想定して、超音波探触子の位置を原点とする極座標を用いることにする。
【0042】
ドプラ流量と面への流出入の量子化
まず、観測面内の観測領域を図11のように直線境界と円弧境界で囲まれた領域としよう。この領域内のドプラ速度分布から図12のようなドプラ流量距離関数Qd(r)が求められる。ドプラ流量距離関数Qd(r)は、観測領域において、原点Oからの距離がrである円弧状経路を通過する流量を示す。すなわち、ドプラ流量距離関数は、円弧上の各点のドプラ速度を、当該円弧の一方端から他方端まで線積分することにより求められる。このうちドプラ流量Qd(r1) は円弧境界A1 (原点からの距離r1)から流出する流量を表し、ドプラ流量Qd(r2) は円弧境界A2 (原点からの距離r2)から流出する流量を表す。また、距離r1 からr2 間のドプラ流量距離関数Qd(r)の変化は、観測領域の側方境界L1 ,L2 と面外からの観測領域への流出入を表している。
【0043】
観測領域の側方境界線L1,L2からの流出入に起因する流量は、境界線流量距離関数Qb(r)で記述される。境界線流量距離関数Qb(r)は、観測領域の境界条件から求めることができる。境界線流量距離関数Qb(r) をドプラ流量距離関数Qd(r)から除外した流量を、境界面流量距離関数Qs(r)と呼ぶことにする(図13)。境界面流量距離関数は、円弧境界A1 ,A2 と面外からの三次元的な流出入を表している。次に、この境界面流量距離関数Qs(r)を量子化する(図14)。量子化の単位流量をqとすると、量子化境界面流量距離関数Qqs(r) は図14の階段状のグラフで近似することになる。この階段状グラフのステップが点源(流線源)に対応する。下りステップは湧き出しの点源(流線始点)であり、上りステップが吸い込みの点源(流線終点)である。
【0044】
点源(流線源)の位置の推定と流線源流量関数
以上のような手順により、観測領域に対する湧き出し・吸い込みを代表する流線源の種類(流線始点、流線終点)と、それら各流線源の原点からの距離が求められる。次に、それら各流線源が、求められた距離の円弧のどの位置にあるかを推定する。流線源(湧き出し又は吸い込み)の位置付近ではドプラ速度の距離変化率が大きいはずである。そこで、流線源が湧き出しの場合は、円弧上においてドプラ速度のビーム方向変化率が負で大きさが最大となる位置を流線源の位置と推定する。一方、流線源が吸い込みの場合は、ドプラ速度のビーム方向変化率が正の最大となる位置を流線源の位置と推定する。このようにすると観測領域内の点源(流線源)の位置を推定できる(図15)。
【0045】
このようにして求められた各流線源に対して、螺旋スロープ構造を考慮して流線源流量関数を定める。さらに、これら各流線源についての流線源流量関数を全て重ね合わせたものは、観測領域の流線源流量関数Qqs(r,θ)となる。
【0046】
ドプラ流量関数とそれに対応する流線源流量関数の表現
次に、ドプラ流量関数Qd(r,θ)を定義しよう。超音波探触子を原点Oとしたセクタ状の観測領域において、一方の側方境界線を基準線とする。そして、ドプラ流量距離関数Qd(r)を計算したときの円弧(原点からの距離r)を考え、その円弧の前記基準線上の点を基準点とする。基準点からその円弧に沿って任意の点(基準線からの角度θ)までドプラ速度を積分した時の積分結果を、その点(r,θ)におけるドプラ流量関数Qd(r,θ)と定義する。
【0047】
流線源についてもドプラ流量関数と同じ走査でドプラ走査流線源流量関数Qds(r,θ)を求められる。すなわち、前述の方法で求められた観測面内の流線源分布の下で、ドプラ流量関数を求める際と同じ円弧経路に沿って線積分を行うことにより、ドプラ走査線流線源流量関数Qds(r,θ)が求められる。
【0048】
このドプラ走査流線源流量関数を用いると、多価関数である流線源流量関数を一価関数として表示できる。すなわち、ドプラ走査流線源流量関数では、積分経路(走査経路)が一意に定められているので、各点の関数値が一意に定まる。このとき、極座標表示では、流線源流量関数Qqs(r,θ)は、ドプラ走査流線源流量関数Qds(r,θ)と片側境界線流量関数Qbo(r)と単位流量qで次のように表せる。
【0049】
【数20】
ただし、nは任意の整数である。また、片側境界線流量関数Qb0(r)は、観測領域の2つの側方境界線のうち、ドプラ流量関数Qd(r,θ)を求める際に基準線とした側方境界線での流量を表す、原点からの距離rの関数である。片側境界線流量関数Qbo(r,θ)は、観測波ビームの送受により得られた観測領域のリアルタイム断層画像から推定することができる。
【0050】
流量関数の量子化流量関数による二次元表示
観測されるドプラ速度分布ud(r,θ)をもとにドプラ流量関数Qd(r,θ)を算出できる。これは、面流出入を表す平滑流線源流量関数<Qqs(r,θ)>と二次元流としての境界からの流出入を考慮したドプラ走査面内流量関数Qd2(r,θ)との和で表せる。すなわち、
【数21】
面流出入の平滑流線源流量関数<Qqs(r,θ)>の流出入量を量子化して点源(流線源)で表し、流量を求めたものが流線源ドプラ流量関数Qqs(r,θ)である。逆に、平滑流線源流量関数<Qqs(r,θ)>は、流線源流量関数Qqs(r,θ)を平滑して求められる。このとき、ドプラ走査面内流量関数Qd2(r,θ)は次の式で算出する。
【0051】
【数22】
ドプラ走査面内流量関数Qd2(r,θ)は、その求め方から分かるように、観測領域の側方境界(すなわち基準線)上の一点からその点を通る円弧経路に沿って求めた値であり、rが異なれば関数を求める際の基準点が異なる。この関数の基準点を観測領域の原点に統一するために、バイアスC(r)を導入する。バイアスC(r)は、原点から基準線上の距離rの点までの経路を通過する流量を表す。バイアスC(r)は、観測波ビームの送受により得られる観測領域のリアルタイム断層画像から推定することができる。例えば、心臓の超音波断層画像では、バイアスC(r)は、2フレームの断層画像における心臓内壁各点の位置変化とその2フレーム間の時間間隔とに基づき求めることができる。そこで、ドプラ走査面内流量関数Qd2(r,θ)を、境界条件を考慮して、各距離rごとのバイアスC(r)を調整することにより、面内流量関数Q2(r,θ)を求める。すなわち、
【数23】
ここで、このバイアスC(r)を、境界面流量距離関数の量子化の際の量子化誤差を打ち消すように予め調整しておくこともできる。
【0052】
この結果、流量関数Q(r,θ)の様子を平面表示できる量子化流量関数Qq(r,θ)は次のように表せる。
【0053】
【数24】
この量子化流量関数Qq(r,θ)の等レベル線を求めることにより、観測領域における面内流線の表示が可能となる。
【0054】
量子化流量関数を用いた流線表示
二次元流の流線は流れ関数の等レベル線で表せる。ここで、二次元流の観測面に対する三次元的な流出入がある場合でも適用できる流量関数は多価である。これを関数を求める際の積分経路を指定することにより一価関数で表示できる。この関数のデータは二次元データとして扱える。階層構造はデータの不連続性で判定される。
【0055】
流線を描出するには、直接流量関数を用いるのではなく、走査法(すなわち積分経路の取り方)を推定した量子化流量関数を表す二次元データを用いるのが実用的である。階層構造を考慮して、データ値に不連続性が予測される場合には単位流量を加減した補正値を用い、同一階層のデータとみなせる状況で等レベル線である面内流線を描く。既に述べたように、階層間の流量差は単位流量であるのですべての階層の単位流量間隔の等レベル線は同一の面内流線として表示される。
【0056】
以上のように、観測面内の流出入を単位流量の流線源の分布で近似すると、面内の流れを(量子化)流量関数で表現できる。この(量子化)流量関数の等レベル線を単位流量間隔で描くと流線表示が得られる。
【0057】
これを応用すると、大気の流れを観測する気象用ドプラレーダや心臓内の血流を観測する医用超音波カラードプラ装置などで得られる観測面内の流れの情報から推測した流れを流線表示することもできる。
【0058】
詳細な実施の形態
以上説明したように、本発明の原理によれば、観測面からの反射波のドプラ速度分布から境界線流量関数及び境界面流量関数を推定して、これに基づいて面内流量関数と流線源流量関数とを合成して面内流を推定することが可能となるが、以下に、さらに詳細な本発明に係る推定方法を説明する。
【0059】
図16はx−y平面を観測面としたときの送受波器から送波した観測波ビームに基づいて求められたドプラ速度分布が一例として示されている。前述した原理説明においては、セクタ走査を例として説明したが、以下の実施形態においては、リニア走査される観測波ビームを用いている。
【0060】
図から明らかなように、送受波器による観測波ビームはx方向に送波され、この結果ドプラ速度ud(→) はx方向成分のみしか得られない。図のリニア走査はy方向に対して行われており、y方向の走査軸に沿って観測面はy0 〜y1 まで設定されている。説明を簡略化するために、図16においては、x方向におけるドプラ速度はx1,x2,x3の3軸上のドプラ速度のみを示している。
【0061】
まず、観測面x−y内において、ビーム方向に対して直交方向に沿ったすなわちy方向のドプラ流量及びドプラ流量関数を求める。このために、ビーム方向に直交するx=x1、x2、x3・・・の各軸に沿ってy0からyまでドプラ速度が線積分され、この結果ドプラ流量関数Qd(x,y)が求められる。また、送受波器から距離xの位置においてビーム方向に直交する軸に沿ってドプラ速度をy0からy1まで積分することによりその距離xにおけるドプラ流量距離関数Qd(x)が求まる。
【0062】
図17はドプラ流量をx軸方向に沿って表示したものであり、ドプラ流量距離関数Qd(x)が実線で示されている。このQd(x)は観測領域の境界線からの二次元的な流出入を表す境界線流量距離関数Qb(x)及び観測領域に対する観測面外からの三次元的な流出入を表す境界面流量距離関数Qs(x)を含んでいる。
【0063】
すなわち、前述のように求められたドプラ流量距離関数は、観測面における境界条件に基づいて境界線流量距離関数と境界面流量距離関数とに分離される。この境界条件は観測面の性質によって大きく異なるが、境界線流量距離関数Qb(x)は断層像の境界線の経時変化により決定できる。例えば心臓の超音波画像診断では、心臓の内壁を境界線として捉え、リアルタイム診断画像における心臓内壁の位置の経時的変化から、境界線流量距離関数Qb(x)を求める。境界面流量距離関数Qs(x)は、ドプラ流量距離関数Qd(x)と境界線流量距離関数Qb(x)との差として求めることができる。
【0064】
このようにして、x軸に沿って観測面から二次元方向すなわち側方境界から流出入する流量(境界線流量距離関数Qb(x))と三次元方向の層間に流出入する流量(境界面流量距離関数Qs(x))とが定量化されると、これを基にして面内流量関数と流線源流量関数とをそれぞれ別個に求めることができる。
【0065】
流線源流量関数は三次元方向における湧き出し/吸い込みを意味する。図17に示される境界面流量距離流関数Qs(x)を用いて流線源流量関数Qqsを求めることができる。
【0066】
図18は境界面流量距離関数Qs(x)から観測面における湧き出し/吸い込みの分布を推定する手順を示す。この手順では、まず前記境界面流量距離関数Qs(x)を単位流量qによって量子化する。この単位流量qは、観測面における面内流を表示する際の流線間隔である。単位流量qごとの量子化によって、流線間隔と対応した湧き出し及び吸い込みの分布を知ることができる。図18の右側に示された階段状のグラフが、境界面流量距離関数を量子化した状態(量子化境界面流量距離関数)を示している。前述した原理説明の図13から図15で示したように、湧き出し点あるいは吸い込み点の点源の位置はドプラ速度の距離変化率が大きいところに定められる。この結果、図18に示すように4個の湧き出し点(流線始点)と、同じく4個の吸い込み点(流線終点)が観測面上に推定されている。
【0067】
図19は前記推定された流線源に起因する流速分布を示しており、これによって三次元的な層間流出入量による流線源流量関数が求められることとなる。
【0068】
以上の説明から明らかなように、図18に基づいた面内流量関数と、図19に示した流線源分布による流線源流量関数と、が求められると、この両者を合成することによって面内流を推定することが可能となり、図20にはこのようにして合成された面内流の一例が示されている。図20に示すような面内流線表示により、観測面内の流れの様子が把握可能となる。例えば超音波画像診断においては、この面内流線表示を、従来のドプラ法による血流表示やBモード法による組織断層像表示などと重畳して表示すれば、総合的診断のために極めて有効となる。
【0069】
処理手順
以上説明した本実施形態の処理手順をまとめると、図21に示すフローチャートのようになる。この例はセクタ走査の場合を示す。
【0070】
まず観測波ビームの送波により、ドプラ法に基づき、観測領域におけるドプラ速度ud(r,θ)の分布が求められる(S1)。次に、この速度udをビーム方向に直交する経路(セクタ走査の場合は円弧)に沿って各点(r,θ)まで積分することにより、ドプラ流量関数Qd(r,θ)が求められる(S2)。
【0071】
次に、この分布に基づき、各距離rごとに、観測領域の基準線である側方境界からもう一方の側方境界まで、ビーム方向に直交する円弧状経路に沿ってドプラ速度udを線積分することにより、距離rの関数としてのドプラ流量距離関数Qd(r)が求められる(S3)。次に、境界条件から、観測領域における二次元的な流れの様子を示す境界線流量距離関数Qb(r)を求め、これをドプラ流量距離関数Qd(r)から引くことにより、観測領域に対する三次元的な流出入を表す境界面流量距離関数Qs(r)が求められる(S4)。そして、この境界面流量距離関数Qs(r)を、単位流量qごとに変化するステップ状の関数で近似することにより、量子化境界面流量距離関数Qqs(r)が求められる(S5)。この量子化境界面流量距離関数Qqs(r)に基づき、観測領域に対する三次元的な流出入を代表する吸い込み及び湧き出しの位置が求められる(S6)。S6においては、まず、Qqs(r)のステップの位置に基づき、流線源の原点からの距離が推定される。そして、その距離におけるビーム方向に対する直交軸(セクタ走査の場合は円弧)上でのドプラ速度の変化率の最大の点から、その流線源の直交軸方向についての位置が推定される。次に、流線源の分布から、流線源に起因する流量を表す流線源流量関数Qqs(r,θ)が求められる(S7)。各点での流線源流量関数の値は、その点に対する各流線源からの流量の寄与を足し合わせることにより求められる。次に流線源流量関数Qqs(r,θ)を平滑化することにより、平滑化流線源流量関数<Qqs(r,θ)>が求められる(S8)。
【0072】
次に、平滑化流線源流量関数<Qqs(r,θ)>をドプラ流量関数Qd(r,θ)から減算することにより、ドプラ走査面内流量関数Qd2(r,θ)が求められる(S9)。このドプラ走査面内流量関数にバイアスC(r)を加えることにより、原点を基準点とした各点の面内流量関数Q2(r,θ)が求められる(S10)。この面内流量関数Q2(r,θ)と流線源流量関数Qqs(r,θ)とを足し合わせることにより、量子化流量関数Qq(r,θ)が求められる(S11)。そして、この量子化流量関数Qq(r,θ)の等レベル線を、観測領域内の面内流線として求める(S12)。
【0073】
以上のような手順により、ドプラ法による測定結果に基づき、二次元の観測領域の中の流れの様子を表す流線を求めることができる。
【0074】
なお、以上では、S3〜S8(平滑流線源流量関数の算出)をS2(ドプラ流量関数の算出)の後に実行したが、これら両者はいずれを先に実行してもよい。また、以上の手順は、観測波ビームをセクタ走査する場合の例であったが、リニア走査の場合も同様の手順で観測領域内の流線を求めることができる。
【0075】
なお、以上の手順のうちS2〜S12は、ディジタルコンピュータにおいてそれら各ステップの処理内容を記述したプログラムを実行することにより、実現することができる。
【0076】
以上説明したように、本発明によれば、観測面における反射波のドプラ速度分布から観測面への流出入に関係する二次元流量及び層間流量をそれぞれ別個に求めながら最後にこれを合成して面内流を正確に推定することが可能となる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波あるいは電磁波を用いたドプラ速度分布から二次元の境界流出入量と三次元の層間流出入量とを別個に推定してこれを合成することにより、正確かつ簡単に面内流を推定することが可能となり、心臓内の血流あるいは潮流、雲などの動きを極めて簡便に観測及び推定し、広範囲の分野において広く利用可能な面内流推定方法を実現することができる。そして、前述したように、このような面内流は流量関数として示され、これを二次元ドプラ画像などと重ね合わせ表示することによって極めて認識性の高い表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドプラ速度測定を示す原理図である。
【図2】 三次元における観測対象を例としたドプラ速度とドプラ流量との関係を示す説明図である。
【図3】 二次元のドプラ速度とドプラ流量との関係を示す説明図である。
【図4】 面内流線の説明図である。
【図5】 二点間の流量の定義の説明図である。
【図6】 点源(流線源)と二点間の流量の関係を示す説明図である。
【図7】 湧き出しの場合の点源(流線始点)と流線源流量関数を表す螺旋スロープの説明図である。
【図8】 吸い込みの場合の点源(流線終点)と流線源流量関数を表す螺旋スロープの説明図である。
【図9】 リニア走査で流量関数を求める経路の一例を示す図である。
【図10】 セクタ走査で流量関数を求める経路の一例を示す図である。
【図11】 ドプラ速度観測流域と極座標の関係を示す説明図である。
【図12】 ビーム方向の関数として得られるドプラ流量距離関数の説明図である。
【図13】 ドプラ流量距離関数から境界面流量距離関数を分離した状態を示す説明図である。
【図14】 境界面流量距離関数を量子化するときの原理説明図である。
【図15】 量子化された境界面流量距離関数と点源(流線源)の位置との関係を示す説明図である。
【図16】 リニア走査されたドプラ速度の一例を示す説明図である。
【図17】 ドプラ流量距離関数を二次元面内成分と三次元流出入成分とに分配する状態を示す説明図である。
【図18】 境界面流量距離関数の量子化及び点源(流線源)の推定作用を示す説明図である。
【図19】 点源(流線源)分布の一例を示す図である。
【図20】 面内流量関数と流線源流量関数とを合成して求められた面内流線の一例を示す説明図である。
【図21】 実施形態の処理手順の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
ud ドプラ速度、Q 流量、Qb(x) 境界線流量距離関数、Qs(x) 境界面流量距離関数、q 単位流量。
Claims (2)
- 流体の所定観測面に観測波ビームを走査しながら送波し、観測面内からの反射波のドプラ周波数から流体のビーム方向のドプラ速度分布を測定する工程と、
観測面内において、ビーム方向に対して直交する各直交軸に沿ってドプラ速度を線積分し、各直交軸上の各点でのドプラ流量関数を求める工程と、
前記ドプラ速度分布に基づき前記各直交軸を通る流量をそれぞれ求め、この流量のビーム方向に沿った変化を表すドプラ流量距離関数を求める工程と、
前記ドプラ流量距離関数を境界条件に基づいて境界線流量距離関数と境界面流量距離関数とに分離する工程と、
境界面流量距離関数を所定の流量を単位として量子化し、ステップ状に変化する量子化境界面流量距離関数を求める工程と、
前記量子化境界面流量距離関数における各ステップ位置に対応する直交軸上において、ドプラ速度の変化率に基づいて吸い込み点及び湧き出し点を推定する工程と、
推定した吸い込み点及び湧き出し点の分布から、前記吸い込み点及び湧き出し点の影響による観測面内各点の流量を表す流線源流量関数を求める工程と、
前記流線源流量関数から平滑流線源流量関数を求める工程と、
前記平滑流線源流量関数を前記ドプラ流量関数から差分し、ドプラ走査面内流量関数を求める工程と、
前記ドプラ走査面内流量関数を境界条件に基づき調整し、面内流量関数を求める工程と、
前記面内流量関数を前記流線源流量関数と合成することにより、量子化流量関数を求める工程と、
前記量子化流量関数の等レベル線を求める工程と、
を含む方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記湧き出し点を前記等レベル線の始点とし、前記吸い込み点源を前記等レベル線の終点とすることを特徴とする方法。
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