JPH05277110A - 超音波ドプラ装置 - Google Patents
超音波ドプラ装置Info
- Publication number
- JPH05277110A JPH05277110A JP8069592A JP8069592A JPH05277110A JP H05277110 A JPH05277110 A JP H05277110A JP 8069592 A JP8069592 A JP 8069592A JP 8069592 A JP8069592 A JP 8069592A JP H05277110 A JPH05277110 A JP H05277110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase
- doppler
- flow velocity
- ultrasonic
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速血流の流速でも高い精度で計測でき、良
好な血流速断層像を表示することが出来る。 【構成】 異なる2周波数の超音波をサンプリング時間
間隔で送信し、それら超音波による超音波エコーを受信
するプローブ2と、受信した超音波エコーについて異な
る2周波数ごとのドプラ成分の位相を検出する第1直交
検波部4,第2直交検波部5と、それらドプラ成分の位
相とドプラ位相絶対シフトの要請とにより1サンプリン
グ時間内でのドプラ成分の位相について「ドプラ成分の
n(n=自然数)周期に対応する位相部分」と「2πに
満たない位相部分」とを演算し、それら2つの位相部分
に基づいて流速を算出する演算部6とを備える。
好な血流速断層像を表示することが出来る。 【構成】 異なる2周波数の超音波をサンプリング時間
間隔で送信し、それら超音波による超音波エコーを受信
するプローブ2と、受信した超音波エコーについて異な
る2周波数ごとのドプラ成分の位相を検出する第1直交
検波部4,第2直交検波部5と、それらドプラ成分の位
相とドプラ位相絶対シフトの要請とにより1サンプリン
グ時間内でのドプラ成分の位相について「ドプラ成分の
n(n=自然数)周期に対応する位相部分」と「2πに
満たない位相部分」とを演算し、それら2つの位相部分
に基づいて流速を算出する演算部6とを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波ドプラ装置に
関し、さらに詳しくは、高速血流の流速を高い精度で計
測できる超音波ドプラ装置する。
関し、さらに詳しくは、高速血流の流速を高い精度で計
測できる超音波ドプラ装置する。
【0002】
【従来の技術】パルスドプラ法を利用した超音波ドプラ
装置では、最大検出周波数 fM=PRF/2の制約があり、計
測できる血流の流速は制限される。この制限を緩和して
高速血流の流速を計測する技術が提案されている。
装置では、最大検出周波数 fM=PRF/2の制約があり、計
測できる血流の流速は制限される。この制限を緩和して
高速血流の流速を計測する技術が提案されている。
【0003】以下は、「日本超音波医学会講演論文集:
1990年5月 p223-224」に掲載された「2周波数法による
高速血流計測」の概略である。この「2周波数法による
高速血流計測」では、異なる中心周波数f1,f2を有す
る2つの超音波パルスを等しい時間間隔ごとに送信し、
受信した超音波エコーを連続する2段の複素自己相関器
で処理してドプラシフト(f1dとf2dとの差)を得、流
速vを算出する。
1990年5月 p223-224」に掲載された「2周波数法による
高速血流計測」の概略である。この「2周波数法による
高速血流計測」では、異なる中心周波数f1,f2を有す
る2つの超音波パルスを等しい時間間隔ごとに送信し、
受信した超音波エコーを連続する2段の複素自己相関器
で処理してドプラシフト(f1dとf2dとの差)を得、流
速vを算出する。
【0004】すなわち、 v=(f1d-f2d)/(f1-f2)・c/2cosθ …式(51) として流速vが算出される。ただし、f1dは f1に対応
するドプラ周波数であり、f2dは f2に対応するドプラ
周波数である。また、cは音速であり、θは前記超音波
パルスと流速vの血流との挟角である。式(51)によ
り、f1とf2との差を小さくするのに伴って高速な血流
の流速を計測できることになる。なお、この論文では、
装置の条件がf1=3.0 MHz,f2=3.5 MHzでの実験結果が
記載されている。
するドプラ周波数であり、f2dは f2に対応するドプラ
周波数である。また、cは音速であり、θは前記超音波
パルスと流速vの血流との挟角である。式(51)によ
り、f1とf2との差を小さくするのに伴って高速な血流
の流速を計測できることになる。なお、この論文では、
装置の条件がf1=3.0 MHz,f2=3.5 MHzでの実験結果が
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記「2周波数法によ
る高速血流計測」では、エリアシングを生じない流速を
|f1/(f1-f2)|倍程度にアップすることが出来る。
前記装置の条件 f1=3.0MHz,f2=3.5 MHzでは|3.0/
(3.0-3.5)|=6倍程度にアップする。つまり、(f1-
f2)の圧縮が好適に作用している。
る高速血流計測」では、エリアシングを生じない流速を
|f1/(f1-f2)|倍程度にアップすることが出来る。
前記装置の条件 f1=3.0MHz,f2=3.5 MHzでは|3.0/
(3.0-3.5)|=6倍程度にアップする。つまり、(f1-
f2)の圧縮が好適に作用している。
【0006】ところが、f1d,f2d を推定する際に
は、(f1-f2)の圧縮が誤差を前記6倍程度に増幅させ
ることになり、流速vの誤差を大きくしてしまう問題点
がある。例えばf1d,f2d の誤差を現行の5%とする
と、流速vの誤差は f1d,f2dの誤差と同程度である
ため、{流速vの誤差}=(5%+5%)・6=60%である。そこで、
この発明の目的は、高速血流の流速でも高い精度で計測
でき、良好な血流速断層像を表示することが出来るよう
な超音波ドプラ装置を提供することにある。
は、(f1-f2)の圧縮が誤差を前記6倍程度に増幅させ
ることになり、流速vの誤差を大きくしてしまう問題点
がある。例えばf1d,f2d の誤差を現行の5%とする
と、流速vの誤差は f1d,f2dの誤差と同程度である
ため、{流速vの誤差}=(5%+5%)・6=60%である。そこで、
この発明の目的は、高速血流の流速でも高い精度で計測
でき、良好な血流速断層像を表示することが出来るよう
な超音波ドプラ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の超音波ドプラ
装置は、流速に応じたドプラ成分から流速を算出して血
流速断層像を表示する超音波ドプラ装置において、異な
る2以上の周波数の超音波をサンプリング時間間隔で送
信する送信手段と、それら超音波による超音波エコーを
受信する受信手段と、受信した超音波エコーについて前
記異なる2以上の周波数ごとのドプラ成分の位相を検出
するドプラ位相検出手段と、それらドプラ成分の位相と
ドプラ位相絶対シフトの要請とにより1サンプリング時
間内でのドプラ成分の位相について「ドプラ成分のn
(n=自然数)周期に対応する位相部分」と「2πに満
たない位相部分」とを演算するドプラ位相演算手段と、
演算された2つの位相部分に基づいて流速を算出する流
速算出手段とを具備したことを構成上の特徴とするもの
である。
装置は、流速に応じたドプラ成分から流速を算出して血
流速断層像を表示する超音波ドプラ装置において、異な
る2以上の周波数の超音波をサンプリング時間間隔で送
信する送信手段と、それら超音波による超音波エコーを
受信する受信手段と、受信した超音波エコーについて前
記異なる2以上の周波数ごとのドプラ成分の位相を検出
するドプラ位相検出手段と、それらドプラ成分の位相と
ドプラ位相絶対シフトの要請とにより1サンプリング時
間内でのドプラ成分の位相について「ドプラ成分のn
(n=自然数)周期に対応する位相部分」と「2πに満
たない位相部分」とを演算するドプラ位相演算手段と、
演算された2つの位相部分に基づいて流速を算出する流
速算出手段とを具備したことを構成上の特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】この発明の超音波ドプラ装置では、送信手段が
サンプリング時間間隔で送信する異なる2以上の周波数
の超音波による超音波エコーを、受信手段で受信する。
ドプラ位相検出手段は、前記異なる2以上の周波数ごと
のドプラ成分の位相を検出する。
サンプリング時間間隔で送信する異なる2以上の周波数
の超音波による超音波エコーを、受信手段で受信する。
ドプラ位相検出手段は、前記異なる2以上の周波数ごと
のドプラ成分の位相を検出する。
【0009】ドプラ位相演算手段は、それらドプラ成分
の位相とドプラ位相絶対シフトの要請とにより、1サン
プリング時間内でのドプラ成分の位相について、「ドプ
ラ成分のn(n=自然数)周期に対応する位相部分」と
「2πに満たない位相部分」とを演算する。即ち、ドプ
ラ位相絶対シフトの要請に基づき、位相検出系の検出精
度が良いことを利用して、1サンプリング時間内でのド
プラ成分の位相について、「2πに満たない位相部分」
まで厳密に確定する。流速算出手段は、演算された2つ
の位相部分に基づいて流速を算出する。
の位相とドプラ位相絶対シフトの要請とにより、1サン
プリング時間内でのドプラ成分の位相について、「ドプ
ラ成分のn(n=自然数)周期に対応する位相部分」と
「2πに満たない位相部分」とを演算する。即ち、ドプ
ラ位相絶対シフトの要請に基づき、位相検出系の検出精
度が良いことを利用して、1サンプリング時間内でのド
プラ成分の位相について、「2πに満たない位相部分」
まで厳密に確定する。流速算出手段は、演算された2つ
の位相部分に基づいて流速を算出する。
【0010】こうして、ドプラ位相絶対シフトの要請に
基づきドプラ成分を厳密に確定することにより高速な血
流の流速を計測できるようになる。また、算出された流
速の誤差は、ドプラ成分の誤差と同程度であり、極めて
小さくなる。
基づきドプラ成分を厳密に確定することにより高速な血
流の流速を計測できるようになる。また、算出された流
速の誤差は、ドプラ成分の誤差と同程度であり、極めて
小さくなる。
【0011】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図1は、この発明の超音波ドプ
ラ装置の一実施例のブロック図である。この超音波ドプ
ラ装置1において、プローブ2は、異なる周波数f1,
f2の成分を含む超音波f(t)を1サンプルボリュー
ムについてサンプリング時間Tごとに複数(=サンプリ
ングナンバk(k=1,2,…))回だけ繰り返して送信す
る。そして、生体内の血流により反射される超音波エコ
ーを受信する。
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図1は、この発明の超音波ドプ
ラ装置の一実施例のブロック図である。この超音波ドプ
ラ装置1において、プローブ2は、異なる周波数f1,
f2の成分を含む超音波f(t)を1サンプルボリュー
ムについてサンプリング時間Tごとに複数(=サンプリ
ングナンバk(k=1,2,…))回だけ繰り返して送信す
る。そして、生体内の血流により反射される超音波エコ
ーを受信する。
【0012】前記サンプリングナンバkだけ繰り返して
送信される超音波f(t)は、異なる周波数f1,f2の
成分をαsin(2πf1t+δ1),βsin(2πf2t+δ2)とする
と f(t)=αsin(2πf1t+δ1)+βsin(2πf2t+δ2) …(1) である。ただし、αは周波数f1の成分の振幅であり、
βは周波数f2の成分の振幅であり、tは時間である。
δ1は周波数f1の成分の初期位相であり、δ2 は周波数
f2の成分の初期位相である。
送信される超音波f(t)は、異なる周波数f1,f2の
成分をαsin(2πf1t+δ1),βsin(2πf2t+δ2)とする
と f(t)=αsin(2πf1t+δ1)+βsin(2πf2t+δ2) …(1) である。ただし、αは周波数f1の成分の振幅であり、
βは周波数f2の成分の振幅であり、tは時間である。
δ1は周波数f1の成分の初期位相であり、δ2 は周波数
f2の成分の初期位相である。
【0013】送信された超音波f(t)と流速vの血流
との挟角をθとし,音速をcとすると、その超音波f
(t)の異なる周波数f1,f2の成分についてのドプラ
周波数f1d,f2dは、 f1d=(2v・cosθ/c)・f1 …(2) f2d=(2v・cosθ/c)・f2 …(3) である。すなわち、プローブ2で受信される超音波は、
前記超音波f(t)の周波数f1の成分ではドプラ周波
数f1dだけシフトし,周波数f2の成分ではドプラ周波
数f2dだけシフトしたものである。
との挟角をθとし,音速をcとすると、その超音波f
(t)の異なる周波数f1,f2の成分についてのドプラ
周波数f1d,f2dは、 f1d=(2v・cosθ/c)・f1 …(2) f2d=(2v・cosθ/c)・f2 …(3) である。すなわち、プローブ2で受信される超音波は、
前記超音波f(t)の周波数f1の成分ではドプラ周波
数f1dだけシフトし,周波数f2の成分ではドプラ周波
数f2dだけシフトしたものである。
【0014】また、ドプラ位相絶対シフトは、 2πf1d・kT=nk・2π+S1,k …(4) 2πf2d・kT=mk・2π+S2,k …(5) である。ただし、nk=自然数,mk=自然数である。
S1,k (0<S1,k<2π)はドプラ周波数f1d の成分の
位相であり、S2,k (0<S2,k<2π)はドプラ周波数
f2d の成分の位相である。
S1,k (0<S1,k<2π)はドプラ周波数f1d の成分の
位相であり、S2,k (0<S2,k<2π)はドプラ周波数
f2d の成分の位相である。
【0015】図1に戻り、プローブ2で受信された超音
波は、ビームフォーマ3を経て、受信信号G(t)とし
て、第1直交検波部4と第2直交検波部5とに入力され
る。第1直交検波部4では、前記受信信号G(t)を2
チャンネルに分けて前記超音波f(t)の周波数f1 と
等しい第1基準信号4aにより直交検波する。そして、
第1LPF4b,4b、A/D変換器4c,4c、第1
MTI4d,4d、位相算出器4e、符号判別器4g,
4gを経て、第1位相判定部4hからドプラ周波数f1d
の成分についての位相S1,kを出力する。
波は、ビームフォーマ3を経て、受信信号G(t)とし
て、第1直交検波部4と第2直交検波部5とに入力され
る。第1直交検波部4では、前記受信信号G(t)を2
チャンネルに分けて前記超音波f(t)の周波数f1 と
等しい第1基準信号4aにより直交検波する。そして、
第1LPF4b,4b、A/D変換器4c,4c、第1
MTI4d,4d、位相算出器4e、符号判別器4g,
4gを経て、第1位相判定部4hからドプラ周波数f1d
の成分についての位相S1,kを出力する。
【0016】第2直交検波部5では、前記受信信号G
(t)を2チャンネルに分けて前記超音波f(t)の周
波数f2 と等しい第2基準信号5aにより直交検波す
る。そして、第2LPF5b,5b、A/D変換器5
c,5c、第2MTI5d,5d、位相算出器5e、符
号判別器5g,5gを経て、第1位相判定部5hからド
プラ周波数f2dの成分についての位相S2,kを出力す
る。
(t)を2チャンネルに分けて前記超音波f(t)の周
波数f2 と等しい第2基準信号5aにより直交検波す
る。そして、第2LPF5b,5b、A/D変換器5
c,5c、第2MTI5d,5d、位相算出器5e、符
号判別器5g,5gを経て、第1位相判定部5hからド
プラ周波数f2dの成分についての位相S2,kを出力す
る。
【0017】さて、サンプリングナンバkのドプラ周波
数f1d,f2dの成分について着目すると、前記ドプラ位
相絶対シフトの制限は図2の如くである。T1はドプラ
周波数f1dの周期であり、T2はドプラ周波数f2dの周
期である。
数f1d,f2dの成分について着目すると、前記ドプラ位
相絶対シフトの制限は図2の如くである。T1はドプラ
周波数f1dの周期であり、T2はドプラ周波数f2dの周
期である。
【0018】ここで、ドプラ周波数f1dの成分とf2dの
成分とでサンプリング時間Tが等しいことから、 (nk・2π+S1,k)/2πf1d=(mk・2π+S2,k)/2πf2d …(6) である。同様に次のサンプリングについては、 (nk+1・2π+S1,k+1)/2πf1d=(mk+1・2π+S2,k+1)/2πf2d …(7) である。これら式(6),(7)から nk=[{(mk・2π+S2,k)f1d/f2d}-S1,k]/2π …(8) nk+1=[{(mk+1・2π+S2,k+1)f1d/f2d}-S1,k+1]/2π …(9) である。さらに、{式(8)}-{式(9)}から Δn=nk+1-nk =[{(Δm・2π+S2,k+1-S2,k)f1d/f2d}-(S1,k+1-S1,k)]/2π 但し、Δn=自然数,Δm=mk+1-mk=自然数 …(10) である。
成分とでサンプリング時間Tが等しいことから、 (nk・2π+S1,k)/2πf1d=(mk・2π+S2,k)/2πf2d …(6) である。同様に次のサンプリングについては、 (nk+1・2π+S1,k+1)/2πf1d=(mk+1・2π+S2,k+1)/2πf2d …(7) である。これら式(6),(7)から nk=[{(mk・2π+S2,k)f1d/f2d}-S1,k]/2π …(8) nk+1=[{(mk+1・2π+S2,k+1)f1d/f2d}-S1,k+1]/2π …(9) である。さらに、{式(8)}-{式(9)}から Δn=nk+1-nk =[{(Δm・2π+S2,k+1-S2,k)f1d/f2d}-(S1,k+1-S1,k)]/2π 但し、Δn=自然数,Δm=mk+1-mk=自然数 …(10) である。
【0019】この式(10)は、1サンプリング時間T
について、前記ドプラ位相絶対シフトの式(4),
(5)を一般化したものに相当する。そこで、式(1
0)中の (S1,k+1-S1,k) はドプラ周波数f1dの成分
についての位相S1,kの平均値に相当し,(S2,k+1-S
2,k)はドプラ周波数f2dの成分についての位相S2,kの
平均値に相当する。
について、前記ドプラ位相絶対シフトの式(4),
(5)を一般化したものに相当する。そこで、式(1
0)中の (S1,k+1-S1,k) はドプラ周波数f1dの成分
についての位相S1,kの平均値に相当し,(S2,k+1-S
2,k)はドプラ周波数f2dの成分についての位相S2,kの
平均値に相当する。
【0020】図1に戻って、演算部6では、第1算出部
6aが、第1直交検波部4から出力されるk個の位相S
1,kの数列{S1,k}についてFFTを施して重心ドプラ周
波数(f1d)Fを算出する。また、第2直交検波部5から
出力されるk個の位相S2,kの数列{S2,k}についてFF
Tを施して重心ドプラ周波数(f2d)Fを算出する。
6aが、第1直交検波部4から出力されるk個の位相S
1,kの数列{S1,k}についてFFTを施して重心ドプラ周
波数(f1d)Fを算出する。また、第2直交検波部5から
出力されるk個の位相S2,kの数列{S2,k}についてFF
Tを施して重心ドプラ周波数(f2d)Fを算出する。
【0021】ここで、 2π(f1d)FT=S1(=S1,kの平均値) …(11) 2π(f2d)FT=S2(=S2,kの平均値) …(12) により、前記式(10)は、 Δn=[{(Δm・2π+S2)f1d/f2d}-(S1)]/2π =[{(Δm・2π+S2)f1/f2}-(S1)]/2π …(13) である。
【0022】第2算出部6bは、図3に示すように、前
記式(13)を満たすΔn,Δmを求めて(ステップS
t3)、流速vを算出する(ステップSt5)。なお、
ステップSt3におけるεは、R=INT(R) または R=INT
(R)+1と判断できる範囲を示す。また、流速vの算出
は、式(2)および式(4)より v1=(f1d/f1)・c/2cosθ =[{Δn+(f1d)FT}/f1T]・c/2cosθ としてv1を算出し、式(3)および式(5)より v2=(f2d/f2)・c/2cosθ =[{Δn+(f2d)FT}/f2T]・c/2cosθ としてv2 を算出して、それらの平均をとる。こうし
て、算出された流速vは、後段の画像メモリに出力され
る。
記式(13)を満たすΔn,Δmを求めて(ステップS
t3)、流速vを算出する(ステップSt5)。なお、
ステップSt3におけるεは、R=INT(R) または R=INT
(R)+1と判断できる範囲を示す。また、流速vの算出
は、式(2)および式(4)より v1=(f1d/f1)・c/2cosθ =[{Δn+(f1d)FT}/f1T]・c/2cosθ としてv1を算出し、式(3)および式(5)より v2=(f2d/f2)・c/2cosθ =[{Δn+(f2d)FT}/f2T]・c/2cosθ としてv2 を算出して、それらの平均をとる。こうし
て、算出された流速vは、後段の画像メモリに出力され
る。
【0023】この超音波ドプラ装置1では、ドプラ位相
絶対シフトの要請に基づきドプラ周波数f1d,f2dを厳
密に確定することにより高速血流の流速を高い精度で計
測でき、良好な血流速断層像を表示することが出来る。
絶対シフトの要請に基づきドプラ周波数f1d,f2dを厳
密に確定することにより高速血流の流速を高い精度で計
測でき、良好な血流速断層像を表示することが出来る。
【0024】次に、従来例との比較のために、この超音
波ドプラ装置1による流速vの誤差について検討する。
従来例の装置の条件と同様にf1=3.0 MHz,f2=3.5 MHz
とし、例えばc=1540 m/s,v=1.54 m/s,θ=0 とする
と、f1d=6 KHz,f2d=7 KHzである。これらf1d,f2d
を用い、式(13)を変形して S2=(7/6)S1+(7/6)・2π{Δn−Δm・(6/7)} …(14) である。この式(14)は、図4に示すように、勾配(7
/6)で S1軸の切片とS2軸の切片とがΔn,Δmの値に
応じて変わる直線群である。
波ドプラ装置1による流速vの誤差について検討する。
従来例の装置の条件と同様にf1=3.0 MHz,f2=3.5 MHz
とし、例えばc=1540 m/s,v=1.54 m/s,θ=0 とする
と、f1d=6 KHz,f2d=7 KHzである。これらf1d,f2d
を用い、式(13)を変形して S2=(7/6)S1+(7/6)・2π{Δn−Δm・(6/7)} …(14) である。この式(14)は、図4に示すように、勾配(7
/6)で S1軸の切片とS2軸の切片とがΔn,Δmの値に
応じて変わる直線群である。
【0025】また、前記Δn,Δmの値は、ドプラ位相
絶対シフトの要請により取り得る範囲は図4の如くに制
限されている。そして、式(14)に対応する直線L
(図5参照)は、ステップSt3(図3参照)にてΔ
n,Δmが求まったところで唯一に決定される。
絶対シフトの要請により取り得る範囲は図4の如くに制
限されている。そして、式(14)に対応する直線L
(図5参照)は、ステップSt3(図3参照)にてΔ
n,Δmが求まったところで唯一に決定される。
【0026】ここで、S1の誤差範囲をΔ1,S2の誤差
範囲をΔ2とすると、Δ1とΔ2とによる誤差の最大値d
は、 d=(7/6)Δ1+Δ2<2π/6 …(15) である(図5参照)。S1の誤差範囲とS2の誤差範囲と
が同程度(ΔS=Δ1=Δ2)として、式(15)からΔS
<2π/13である。
範囲をΔ2とすると、Δ1とΔ2とによる誤差の最大値d
は、 d=(7/6)Δ1+Δ2<2π/6 …(15) である(図5参照)。S1の誤差範囲とS2の誤差範囲と
が同程度(ΔS=Δ1=Δ2)として、式(15)からΔS
<2π/13である。
【0027】仮にΔS1=2π/13とすると、式(11)か
ら Δ(f1d)F=ΔS1/(2πT)=1/(13T)=fT/13 である。例えばfT=6 KHzとすると、Δ(f1d)F=461.5 H
z である。すなわち、ドプラ周波数f1dの誤差は大きく
見積もっても7%程度である。
ら Δ(f1d)F=ΔS1/(2πT)=1/(13T)=fT/13 である。例えばfT=6 KHzとすると、Δ(f1d)F=461.5 H
z である。すなわち、ドプラ周波数f1dの誤差は大きく
見積もっても7%程度である。
【0028】したがって、流速vの誤差も大きく見積も
って7%程度であり、従来例に比較して飛躍的に向上し
ている。なお、ΔS<2π/13 即ち「ドプラ周波数 f1d
の誤差は大きく見積もって7%程度」は、直線Lを唯一
に決定するための必要条件であり、これは従来技術にて
既に達成されている。
って7%程度であり、従来例に比較して飛躍的に向上し
ている。なお、ΔS<2π/13 即ち「ドプラ周波数 f1d
の誤差は大きく見積もって7%程度」は、直線Lを唯一
に決定するための必要条件であり、これは従来技術にて
既に達成されている。
【0029】
【発明の効果】この発明の超音波ドプラ装置によれば、
高速血流の流速でも高い精度で計測でき、良好な血流速
断層像を表示することが出来るようになる。
高速血流の流速でも高い精度で計測でき、良好な血流速
断層像を表示することが出来るようになる。
【図1】この発明の超音波ドプラ装置の一実施例の要部
ブロック図である。
ブロック図である。
【図2】図1の装置に係るドプラ位相絶対シフトについ
ての説明図である。
ての説明図である。
【図3】図1の装置の第2算出部の処理についてのフロ
ー図である。
ー図である。
【図4】図1の装置の第2算出部の処理についての説明
図である。
図である。
【図5】図1の装置の第2算出部の処理に係る「2πに
満たない位相部分」の誤差についての説明図である。
満たない位相部分」の誤差についての説明図である。
1 超音波ドプラ装置 2 プローブ 3 ビームフォーマ 4 第1直交検波部 5 第2直交検波部 6 演算部 6a 第1算出部 6b 第2算出部 f1d ドプラ周波数 f2d ドプラ周波数
Claims (1)
- 【請求項1】 流速に応じたドプラ成分から流速を算出
して血流速断層像を表示する超音波ドプラ装置におい
て、 異なる2以上の周波数の超音波をサンプリング時間間隔
で送信する送信手段と、それら超音波による超音波エコ
ーを受信する受信手段と、受信した超音波エコーについ
て前記異なる2以上の周波数ごとのドプラ成分の位相を
検出するドプラ位相検出手段と、それらドプラ成分の位
相とドプラ位相絶対シフトの要請とにより1サンプリン
グ時間内でのドプラ成分の位相について「ドプラ成分の
n(n=自然数)周期に対応する位相部分」と「2πに
満たない位相部分」とを演算するドプラ位相演算手段
と、演算された2つの位相部分に基づいて流速を算出す
る流速算出手段とを具備したことを特徴とする超音波ド
プラ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069592A JPH05277110A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 超音波ドプラ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069592A JPH05277110A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 超音波ドプラ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05277110A true JPH05277110A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13725468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8069592A Pending JPH05277110A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 超音波ドプラ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05277110A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009261539A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Aloka Co Ltd | 超音波診断装置 |
JP2010082425A (ja) * | 2008-09-03 | 2010-04-15 | Fujifilm Corp | 超音波診断装置 |
JP2015084978A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | フクダ電子株式会社 | カラードプラ超音波診断装置 |
-
1992
- 1992-04-02 JP JP8069592A patent/JPH05277110A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009261539A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Aloka Co Ltd | 超音波診断装置 |
JP2010082425A (ja) * | 2008-09-03 | 2010-04-15 | Fujifilm Corp | 超音波診断装置 |
JP2015084978A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | フクダ電子株式会社 | カラードプラ超音波診断装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5454372A (en) | Angle independent doppler in ultrasound imaging | |
US5097836A (en) | Untrasound diagnostic equipment for calculating and displaying integrated backscatter or scattering coefficients by using scattering power or scattering power spectrum of blood | |
US20200037994A1 (en) | Device and method for generating ultrasound vector doppler image using plane wave synthesis | |
US5183047A (en) | Doppler flow velocity meter | |
US5107466A (en) | Ultrasonic doppler flow meter | |
JPH04231031A (ja) | 導管内の血流の生理的パラメータを測定表示する装置 | |
US6142944A (en) | Doppler motion detection with automatic angle correction | |
JPH03173551A (ja) | 血流の測定及び表示装置 | |
JPH05277110A (ja) | 超音波ドプラ装置 | |
JPS6096232A (ja) | 超音波血流測定装置 | |
JPH06245932A (ja) | 超音波ドプラ診断装置 | |
JP2008212746A (ja) | 超音波診断装置 | |
JP2004222754A (ja) | 超音波診断装置 | |
Peronneau et al. | Structure and performances of mono-and bidimensional pulsed Doppler systems | |
JPH0368694B2 (ja) | ||
JP2953083B2 (ja) | 高限界速パルスドプラ計測装置 | |
JP3142282B2 (ja) | 超音波診断装置 | |
JPH0567287B2 (ja) | ||
JPH06277218A (ja) | 超音波診断装置 | |
JP2667850B2 (ja) | 超音波ドプラ装置 | |
JP2714042B2 (ja) | パルスドプラ計測装置 | |
JPH0622956A (ja) | 超音波ct装置および超音波の伝搬時間の計測方法 | |
JP2594959B2 (ja) | 超音波ドプラ計 | |
JP2719706B2 (ja) | 超音波ドプラ分析装置 | |
JPH0216138B2 (ja) |