JP3142282B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
超音波診断装置Info
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Description
たは測定することができる超音波診断装置に関する。
襲で生体内の血流速度が計測できることから、数々の装
置が開発されている。ここで実用化されているパルスド
プラ血流計測装置の1つについて構成及び動作について
説明する。この装置は、生体内の任意の設定点の血流速
度をパルスドプラ法を用いて、非観血的に測定するもの
である。すなわち、超音波ドプラ法は、超音波が移動物
体により反射されると反射波の周波数が上記物体の移動
速度に比例して偏移する超音波ドプラ効果を利用したも
のである。具体的には超音波レートパルスを生体に送波
し、その反射波エコーの位相変化よりドプラ効果による
周波数偏移を得ると、そのエコーを得た深さ位置におけ
る移動物体の運動情報を得ることができる。
での血流の流れの向き、速さ、乱流か層流かといった流
れの状態を知ることができる。
波回路を駆動して超音波探触子から被検体の生体内の血
流に対して超音波パルスを所定回数繰り返し送波する。
そうすると、送信超音波ビームの中心周波数fcは流動す
る血球により散乱され、ドプラ偏移を受けて周波数fdだ
け変化し、前記送受波回路は受信周波数f=fc+fdを受
波する。なお周波数fc,fdは次式のようになる。
ら、前記ドプラ偏移周波数fdを検出しこれを処理すれ
ば、血流速度Vを得ることができる。
度の時間的変化のうち、最大偏移周波数f dmaxから次式
のようにして最大血流速Vmaxを求める。
っている。
ムと血管とのなす角度θで角度補正しているにもかかわ
らず、第5図に示すように角度θが大きくなると、これ
に伴って最大血流速Vmaxは大きな値を示すようになる。
このため最大血流速Vmaxを過大に評価してしまうという
問題があった。
の開口によるドプラスペクトラムの広がり,周波数分析
器により一定時間で周波数分析することによるドプラス
ペクトラムの広がり,レンジゲートでの帯域制限による
エコースペクトラムの広がりなどが影響していることが
考えられる。
第7図は血流の状態を示す図である。血流には、第6図
に示す層流と第7図に示す乱流との2つの状態がある。
前記層流は、 V(x)=Vmax(1−(x/R)2) と表わされる。ここでRは管径(半径)である。
る。Rは管径(半径)である。このときの流れはV
(x)方向以外にもある。
乱流により血管に沿った方向の速度成分と、それ以外の
方向の血流成分とが合成されるため、最大血流速Vmaxが
見掛け上大きくなっていた。また第8図に示すように血
流方向への流れをV0とする。このV0は流量に寄与する速
度であり、管径方向の位置xの関数である。また層流時
の速度は、前述した如く V0=Vmax(1−(x/R)2) であり、乱流時の速度は、 V0=Vmax(1−x/R)1/n である。ここでVmaxはV0の最大値である。
量に寄与する成分V0から分離して考える。
ると、散乱体(赤血球)は任意の動きをしているが、統
計的には釣り合っているので、片寄ったりしない。すな
わちどの角度からもVrの速度で向かってくるものと見え
る。
ム上でのドプラ検出速度は、第9図に示すようにV0cos
θ+Vrとなる。
さw0を有し、通常ではドプラ信号から得られた信号を角
度補正する場合には、単一の角度(超音波探触子1の中
心O1,ある観測点における血流速度の時間的変化を得る
ために設定するためのレンジゲートGを結ぶ線と、血流
Sとのなす角度θ)を用いて角度補正している。
1の中心O1及びレンジゲートGを結ぶ線と、例えば開口
端の振動子1b及びレンジゲートGを結ぶ線とのなす角度
はαであり、開口端の振動子1b及びレンジゲートGを結
ぶ線と血流Sとのなす角度は(θ−α)である。
1の開口長w(ここでは超音波探触子に設けられた複数
の振動子のうち、駆動されるための振動子1a乃至振動子
1bの長さをいう。)を考慮し、開口端の振動子1a,1bと
レンジゲートGを結ぶ線と血流Sとのなす角度αも考慮
する必要がある。この超音波探触子の開口長wによるド
プラスペクトラの広がりfdkは、次式で表される。
音波探触子1とレンジゲートGとの距離であり、kは、
ドプラスペクトラムのピーク周波数(パワーの最も大き
い周波数)のパワーと最大偏移周波数のパワーとの比で
あって、1より小さい値である。
析するために、本来のドプラスペクトラムの広がりに対
して、ドプラスペクトラムが広がってしまう。このドプ
ラスペクトラムの広がりfdtは、周波数分析を行なうた
めのハミング関数などの時間窓により決定される。
信号帯域幅BWを有することにより、エコースペクトラム
が広がることになる。
する誤差が加算されるため、周波数分析された最大偏移
周波数f dmaxは次式で表される。
を有することによる、エコースペクトラムの広がりであ
る。Kdrは、この全体のエコースペクトラムに与える割
合である。fBWは、レンジゲートで制限された信号帯域
幅である。
と、 Vmax=C・f max/(2f・cosθ) =V0+Vr/cosθ +w・(1−k)・(V0sinθ+Vr) /(2・cosθ・l) +C・(fdt+fdr)/(2f・cosθ) となる。すなわち、真の血流には、無効な成分が含ま
れ、この無効な成分が角度θと共に、1/cosθで上昇し
ていく。
値よりも大きな値を示すようになったり、あるいは角度
が異なった条件下で測定した値は真の値に対して誤差を
発生し、再現性が乏しくなっていた。
速度の測定誤差を低減することができ、これにより血流
計測の精度を向上し、且つ装置の信頼性を向上する超音
波診断装置を提供することにある。
と、前記探触子により得た受信信号からドプラ信号を抽
出し、このドプラ信号を周波数分析器で分析して得たド
プラスペクトラムから最大偏移周波数を求める手段と、
前記最大偏移周波数、開口幅、前記探触子とレンジゲー
トとを結ぶ方向と血流方向とのなす角、前記探触子から
レンジゲートまでの距離に基づいて、開口によるドプラ
スペクトラムの広がりに起因する誤差を補正した最大血
流速を求める演算手段とを備えたことを特徴とする超音
波診断装置である。
る。
最大偏移周波数が求められ、これが演算手段により補正
される。すなわち、最大偏移周波数、開口幅、前記探触
子とレンジゲートとを結ぶ方向と血流方向とのなす角、
前記探触子からレンジゲートまでの距離に基づいて、開
口によるドプラスペクトラムの広がりに起因する誤差が
演算手段により補正される。
図は本発明に係る超音波診断装置の一実施例を示す概略
ブロック図、第2図はモニタのMラスタ上の任意の観測
点における血流方向とMラスタとのなす角度設定を説明
するための図である。
触子1、送信系2としてパルス発生器2A,送信遅延回路2
B,パルサ2C、受信系3としてプリアンプ3A,受信遅延回
路3Bを有している。また前記装置は、Bモード処理系4
として包絡線検波回路4A、ドプラモード処理系として位
相検波回路5A,レンジゲート回路5B,FFT5C,演算回路5D,
表示系6としてDSC6A(ディジタル・スキャン・コンバ
ータ),TVモニタ6B、制御系としてコントローラ10を有
している。
ル)を併設してなり、第2図に示すセクタ電子走査を行
なうべく、超音波ビームの送波方向が超音波ビーム1パ
ルス毎に順次扇形に変わるように各々振動子の励振タイ
ミングを所望の方向に応じて変化させていく。
クパルスを入力すると、超音波繰り返し周波数に相当す
るレートパルスを発生し送信遅延回路2Bに出力する。
所望の方向に送波すべく、各々のチャンネルごとに所定
の遅延時間を与える。
たレートパルスから駆動パルスを生成し、超音波探触子
1の各々の振動子を駆動する。かくして超音波探触子1
は、超音波を発生し、この超音波を生体表面5を介して
生体内へ送波する。この超音波は生体内の血管及び血管
内の血流(主に赤血球)により一部反射され、そのエコ
ー信号は同一の振動子で受信される。
コー信号を増幅した後、このエコー信号を受信遅延回路
3Bに出力する。
なるような遅延時間を与え、しかるのち図示しない加算
器により各々チャンネルの信号を加算する。そして加算
された信号は、包絡線検波回路4A,位相検波回路5Aに出
力される。
信号を包絡線検波し、Bモード像データ(断層像デー
タ)をDSC6Aに出力する。
ー信号と図示しない基準信号とを入力して位相検波し、
位相情報すなわちドプラ信号とクラッタ成分とからなる
ドプラ偏移周波数を得る。そしてこの信号を図示しない
A/D変換器でディジタル信号化し、図示しないフィルタ
によりクラッタ成分を除去し、ドプラ信号を得る。
プラ信号を抽出するため、前記ドプラ信号をレンジゲー
ト回路5Bに入力する。
層像と血流情報とが同時に表示され、血流Sと交差する
ごとくラスタMを設定する。また前記交差点付近にはサ
ンプルボリュームSV(レンジゲート位置)を設定し、中
心Oを中心として回転するようにマークRを表示する。
このマークRは図示しないエンコーダを回転して、中心
Oを中心として任意の角度θだけ回転するものとなって
いる。そして血流方向を推定してマークRをこれに合わ
せることにより、角度θを決定する。
方向に回転すると、これに連動してマークRを回転させ
その角度θを計算しこの角度を演算回路5Dに出力するも
のとなっている。
に表示された任意のラスタM上のサンプリングボリュー
ムSV(レンジゲート位置ともいう。)にレンジゲートを
かけ、この範囲内のドプラ信号のみを抽出する。
からのドプラ信号を周波数分析し血流速度の時間的な変
化を求め最大偏移周波数f dmaxを求める。
実施例が特徴とするところは、前記FFT5Cにより求めた
最大偏移周波数fmaxに基づき、超音波ビーム方向と血流
Sの方向とのなす角度を補正した最大血流速を求め、前
記角度が補正された最大血流速に対して、超音波測定条
件によるドプラスペクトラムの広がりに起因する誤差を
補正する演算回路5Dを設けた点にある。
明する。
流の乱流成分の補正を行なわない時には、演算回路5Dに
より以下のようにして最大血流速Vmaxを求める。
た最大血流速に対して、超音波測定条件、例えば計算で
求めることが可能な超音波探触子の開口によるドプラス
ペクトラムの広がりや一定時間で周波数分析することに
よるドプラスペクトラムの広がりや演算すべき受信信号
が所定の信号帯域幅を有することによるエコースペクト
ラムの広がりに起因する誤差が補正されるので、角度が
大きくなっても、測定誤差の少ない真の最大血流速Vmax
を求めることができ、装置の信頼性を向上し得る。
のようにして最大血流速Vmaxを求める。
偏移周波数f dmax1を求める。また超音波探触子の開口
長w2にて最大偏移周波数f dmax2を求める。
dmaxの値を代入した式に基づき、真の最大流速Vdmaxを
求めると、 となる。
超音波を送受信し、各開口長w1,w2で最大偏移周波数f m
axを求め、演算回路5Dにより各開口長w1,w2と最大偏移
周波数f maxと前記スペクトラムの広がりとに基づき、
血流速度を求めるので、ビーム角度が大きくなっても測
定誤差を低減した最大血流速Vmaxを求めることができ
る。
Vmaxと、包絡線検波回路4AからのBモード像データと
は、DSC6Aを介してTVモニタ6Bに同時に表示される。
大血流速の角度異存誤差を低減し、あるいはなくすこと
ができる。これにより血流計測の精度を向上することが
できる。
音波ビーム角度θが大きい場合でも、流量測定誤差が大
きくなることなく、真の最大血流速度を求めることがで
きる。
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能
であるのは勿論である。
最大血流速に対して、超音波測定条件、例えば計算で求
めることが可能な超音波探触子の開口によるドプラスペ
クトラムの広がりや一定時間で周波数分析することによ
るドプラスペクトラムの広がりや演算すべき受信信号が
所定の信号帯域幅を有することによるエコースペクトラ
ムの広がりに起因する誤差を補正し、また血流の乱流成
分による誤差も補正することができるので、角度が大き
くなっても、測定誤差の少ない最大流速値を求めること
ができ、装置の信頼性を向上し得る超音波診断装置を提
供できる。
概略ブロック図、第2図は第1図に示す装置の作用を説
明するための図、第3図乃至第9図は従来の超音波診断
装置による血流速度のビーム角度に対する上昇変化を説
明するための図、第10図は超音波探触子の開口によるド
プラスペクトラムの広がりを説明するための図、第11図
はレンジゲートによる帯域制限でのエコースペクトラム
の広がりを説明するための図である。 1……超音波探触子、2A……パルス発生器、2B……送信
遅延回路、2C……パルサ、2D……送受波回路、2E……送
信回路、3A……プリアンプ、3B……受信遅延回路、3C,3
D……受信回路、4A……包絡線検波回路、5A……位相検
波回路、5B……レンジゲート回路、5C,5C1,5C2……FF
T、5D……演算回路、6A……DSC、6B……TVモニタ、10…
…コントローラ。
Claims (3)
- 【請求項1】被検体に対して超音波を送受波する探触子
と、 前記探触子により得た受信信号からドプラ信号を抽出
し、このドプラ信号を周波数分析器で分析して得たドプ
ラスペクトラムから最大偏移周波数を求める手段と、前
記最大偏移周波数、開口幅、前記探触子とレンジゲート
とを結ぶ方向と血流方向とのなす角、前記探触子からレ
ンジゲートまでの距離に基づいて、開口によるドプラス
ペクトラムの広がりに起因する誤差を補正した最大血流
速を求める演算手段とを備えたことを特徴とする超音波
診断装置。 - 【請求項2】前記演算手段は、前記手段により求められ
た最大偏移周波数をf dmaxとするとき、乱流成分を考慮
しない場合の最大血流速Vmaxを Vmax=(f dmax−fdt)/ [{1+fBW・Kdr/(2・f)}・Kd・ {cosθ+w・(1−k)・sinθ/(2・l)}] ただし、 fdtは周波数分析によるドプラスペクトラムの広がり、 fBWは信号帯域幅BWによるドプラスペクトラムの広が
り、 Kdrは受信信号のドプラスペクトラムの広がりが全体に
占める割合、 Kdは2f/C、 fは受信周波数、 Cは音速、 wは探触子の開口幅、 kはドプラスペクトラムのピーク周波数のパワーと最大
偏移周波数のパワーとの比、 lは探触子とレンジゲートとの距離とする、 により求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波
診断装置。 - 【請求項3】前記演算手段は、開口幅w1にて前記手段に
より求められた最大偏移周波数をf dmax1とし、開口幅w
2にて前記手段により求められた最大偏移周波数をf dma
x2とするとき、乱流成分を考慮した場合の最大血流速Vm
axを ただし、 fdtは周波数分析によるドプラスペクトラムの広がり、 fBWは信号帯域幅BWによるドプラスペクトラムの広が
り、 Kdrは受信信号のドプラスペクトラムの広がりが全体に
占める割合、 Kdは2f/C、 fは受信周波数、 Cは音速、 kはドプラスペクトラムのピーク周波数のパワーと最大
偏移周波数のパワーとの比、 lは探触子とレンジゲートとの距離とする、 により求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波
診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920890A JP3142282B2 (ja) | 1990-08-29 | 1990-08-29 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920890A JP3142282B2 (ja) | 1990-08-29 | 1990-08-29 | 超音波診断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04108435A JPH04108435A (ja) | 1992-04-09 |
JP3142282B2 true JP3142282B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=16888513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22920890A Expired - Lifetime JP3142282B2 (ja) | 1990-08-29 | 1990-08-29 | 超音波診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3142282B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4928886B2 (ja) * | 2006-09-25 | 2012-05-09 | 株式会社東芝 | 超音波診断装置及び超音波計測方法 |
-
1990
- 1990-08-29 JP JP22920890A patent/JP3142282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04108435A (ja) | 1992-04-09 |
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