JP2008301892A - 超音波診断装置及び超音波による速度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波プローブ10により超音波マルチビームを送信し、この超音波プローブ10から出力される各ドプラ信号に基づいて三次元情報取得部21によりレンジゲートRGにおける三次元流体情報として血流等の被検体13の血流速度f0、方位角θ、仰角φを取得する。
【選択図】図4
Description
ドプラ角度補正は、パルスドプラ法(PWD)を用いて超音波ビームを照射して例えば血流を計測する部位であるレンジゲート(RG)における血流速度を測定するのが通常であり、カラードプラ断層法では、ドプラ角度補正を行っていない。
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図1は超音波ドプラ診断装置の構成図を示す。超音波プローブ10は、複数のビームから成るパルスの超音波マルチビームを例えば人体等の生体11内の血管12内に流れる血流等の流体である被検体13を含む特定部位(以下、レンジゲート:RGと称する)に送波し、このレンジゲートRGからの反射波を受波する。この超音波プローブ10は、複数の超音波振動子を二次元平面上に配列して成り、これら超音波振動子により超音波マルチビームの送波と反射波の受波を行う。
ディジタル・スキャン・コンバータ(以下、DSCと称する)15は、走査送受波部14から出力されたドプラ信号をディジタル変換して画像メモリ等の記憶部16に記憶し、この記憶部16に記憶したディジタルドプラ信号をディスプレイ17の走査に従って読み出し、アナログ変換してリアルタイムで例えば人体等の生体11内の血管12内に流れる血流等の被検体13を含むレンジゲートRGの超音波画像をディスプレイ17に表示するもので、三次元画像データ作成部18と、三次元情報取得部19と表示部20とを有する。なお、DSC15には、ディスプレイ17が接続されている。
すなわち、図2及び図3に示すように超音波プローブ10は、複数の超音波振動子を二次元平面に設けたプローブ表面21を有する。レンジゲートRGからの受信ビームK1のベクトルの方位をθ1、φ1、ψ1とし、血管13の走行方向のベクトルの方位をθ2、φ2、ψ2とすると、三次元情報取得部19は、受信ビームK1のベクトルにより表される血流速度と、受信ビームK1のベクトルの方位θ1、φ1、ψ1と、血管13の走行方向の方位θ2、φ2、ψ2とに基づいて三次元流体情報としてのレンジゲートRGにおける血流等の被検体13の三次元の流れ方向及び血流等の被検体13の血流量を表す流体ベクトルデータK2を取得する。
超音波プローブ10は、走査送受波部14によって複数の超音波振動子が例えば電子的に走査され、各超音波振動子が順次駆動されて超音波マルチビームを走査する。これにより、超音波マルチビームが例えば人体等の生体11内の血管12内に流れる血流等の被検体13を含むレンジゲートRGに向けて送波される。超音波プローブ10は、レンジゲートRGを含む領域からの反射波を受波し、各超音波振動子から信号を出力する。走査送受波部14は、レンジゲートRG等からの反射波を受波したときの各超音波振動子の各出力信号からドプラ信号を検出する。
図4は超音波ドプラ診断装置の構成図を示す。超音波プローブ10は、複数のビームから成るパルスの超音波マルチビームを例えば人体等の生体11内の血管12内に流れる血流等の流体である被検体13を含む特定部位(以下、レンジゲート:RGと称する)に送波し、このレンジゲートRGからの反射波を受波する。この超音波プローブ10は、いわゆるn*mのスキャンビームを用いる。n、mはそれぞれ2以上である。ここでは2*2(2by2)スキャンビームを用いる。
この超音波プローブ10は、複数の超音波振動子(Tx、Rx)を二次元平面上に配列して成り、これら超音波振動子により超音波マルチビームの送波と反射波の受波を行う。図5は超音波プローブ10の二次元プローブ表面を模式的に示すもので、この超音波プローブ10は、二次元平面上に配列された複数の超音波振動子のうち例えば4箇所の各超音波振動子(Rx1〜Rx4)10−1〜10−4によりレンジゲートRGからの反射波を受波可能である。なお、超音波振動子10−1、10−3、10−4を用いる場合、超音波振動子10−1と超音波振動子10−4との間隔をエレベーションピッチEpとし、超音波振動子10−1と超音波振動子10−3との間隔をアジマスピッチApとする。
エレベーションとアジマスとの4方向の各角度(以下、仰角と称する)φが小さいので、超音波ビームを走査したときの振り角度によって中心Gから各受信ビームF1〜F4の反射点r1〜r4までの各距離は等しいとする。仰角φは、予め既知である。
図7は超音波プローブ10から超音波マルチビームを送信したときの各受信ビームF1〜F4とレンジゲートRGとの関係を示す。レンジゲートRGは、血管12上に設定した微小間隔の複数の部位、例えば4つの小レンジゲートRG1〜RG4から成る。各受信ビームF1〜F4は、それぞれ各小レンジゲートRG1〜RG4からの反射波である。
f1=f0*sin(π/2−θ+φ)
f2=f0*sin(π/2−θ−φ)
別な表現をすると、
f1=f0*cos(θ−φ)
f2=f0*cos(θ+φ)
となる。
上記式を展開すると、
f1=f0*(sinθ*cosφ−cosθ*sinφ)
f2=f0*(sinθ*cosφ+cosθ*sinφ)
しかるに、
tanθ={(f1+f2)/(f2−f1)}*tanφ
となり、方位角θが次式により求められる。
θ=tan−1{(f1+f2)/(f2−f1)}*tanφ
又、角度補正後の血流等の被検体13の流速f0は、次式により求められる。
この結果、三次元の血流ベクトルF0の流速f0が求められる。
図12は遅延線を用いた受信遅延加算回路22の構成図を示す。この受信遅延加算回路22は、超音波プローブ10から超音波マルチビームを送信したときの各受信ビームF1〜F4に対応する例えば4チャンネルの各受信遅延加算回路22−1〜22−4から成る。受信遅延加算回路22−1は、複数のプリアンプPA1〜PAiを備える。これらプリアンプPA1〜PAiは、超音波プローブ10の各超音波振動子に対応して設けられ、各超音波振動子から出力される各ドプラ信号をそれぞれ増幅する。すなわち、各プリアンプPA1〜PAiは、各超音波振動子の配列数iに対応する。各プリアンプPA1〜PAiの各出力端子には、それぞれ各遅延回路DL1〜DLiが接続されている。これら遅延回路DL1〜DLiは、例えばDSC15内における主制御部からの制御信号を受けて動作制御される。これら遅延回路DL1〜DLiは、超音波プローブ10における超音波マルチビームの1スキャン毎の開始時と終了時との間の遅れを補正し、1つの三次元超音波画像データを作成させるもので、それぞれ超音波マルチビームのスキャン位置に応じてそれぞれ異なる各遅延時間に設定されている。これら遅延回路DL1〜DLiの各出力端子は、加算器Sに接続されている。この加算器Sは、各遅延回路DL1〜DLiの各出力を加算して信号処理部SCに送る。
超音波プローブ10は、走査送受波部14によって複数の超音波振動子が例えば電子的に走査され、各超音波振動子が順次駆動されて超音波マルチビームを走査する。これにより、超音波マルチビームが例えば人体等の生体2内の血管12内に流れる血流等の被検体13を含むレンジゲートRGに向けて送波される。超音波プローブ10は、レンジゲートRGを含む領域からの反射波を受波し、各超音波振動子から信号を出力する。走査送受波部14は、レンジゲートRG等からの反射波を受波したときの各超音波振動子の各出力信号からドプラ信号を検出する。
しかるに、三次元情報取得部21は、かかるドプラ角度補正を用い、三次元流体情報としてレンジゲートRGを始点とする三次元の血流ベクトルF0により表される血流等の被検体13の血流速度f0、方位角θ、仰角φを取得する。この場合、三次元情報取得部21は、2by2スキャンビーム等の超音波マルチビームを用いるので、複数のビームによって複数の血流等の被検体13の血流速度f0、方位角θ、仰角φを取得する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
三次元情報取得部18は、超音波プローブ10から出力されるドプラ信号に基づいて被検体13の三次元の流れ方向及び被検体13の流量を表す各流体ベクトルデータを複数部位毎に取得し、これら流体ベクトルデータを加算平均して少なくとも被検体13の速度を求めるようにしてもよい。例えば、三次元情報取得部18は、上記図7に示す4つの小レンジゲートRG1〜RG4からの各受信ビームF1〜F4を表す各流体ベクトルを加算平均して血流等の被検体13の速度を求めるようにしてもよい。カラードプラ断層法では、血流速度に応じてカラーで表示する、例えば白黒のBモード像に血流情報をカラーで重ね合わせて表示するので、このカラーの血流情報を三次元情報取得部18により求められた血流等の被検体13の速度から取得してもよい。
バイプレーン走査を含む超音波診断装置により取得される三次元超音波画像データから求められる断層像データにおいて、アジマス情報以外に、エレベーション情報も含むので、断層像データに厚み方向の補正が入った精度の高い血流等の被検体13の血流量を表す流体ベクトルデータのノルム(血流速度)を求めることができる。又、断層像データに厚み方向に遠ざかる血流又は近づく血流であるかをカラーマッピングで表示することができる。例えば、超音波プローブ10の方向に対して遠ざかる血流を赤色に設定すると共に近づく血流を青色に表示したり、断層像データに厚み方向に対して遠ざかる血流を赤色に設定すると共に近づく血流を青色に表示する。
被検体13の血流速度f0、方位角θ、仰角φを用いれば、パイプレーンブルアイズ表示時に、交差面の例えば血流をそれぞれの面に応じた例えばベクトル量、矢印、流線による表示ができる。
Claims (13)
- 超音波マルチビームを特定部位に流れる被検体に送波し、前記被検体における微小間隔の各部位からの各反射波を受波する超音波プローブと、
前記超音波プローブから出力される各ドプラ信号に基づいて前記特定部位における前記被検体の少なくとも三次元の流れ方向を含む三次元流体情報を取得する三次元情報取得部と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記三次元情報取得部は、前記超音波プローブから出力される各ドプラ信号に基づいて少なくとも前記超音波プローブにより受波する前記各反射波の大きさと方位とに基づいて前記三次元流体情報を取得することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 超音波マルチビームを特定部位に流れる被検体に送波し、前記被検体からの前記特定部位内に有する互いに隣接する複数部位からの各反射波を受波する超音波プローブと、
前記超音波プローブから出力される各ドプラ信号に基づいて前記特定部位における前記被検体の少なくとも三次元の流れ方向を含む三次元流体情報を取得する三次元情報取得部と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波プローブは、前記複数部位からの前記各反射波を受波する縦横方向に等ピッチで複数配置された複数の超音波振動子を有し、
前記複数の超音波振動子は、前記複数部位からの前記各反射波をそれぞれ同一の仰角で受波する、
ことを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。 - 前記複数の超音波振動子は、互いに隣接する4箇所の前記部位からの前記各反射波をそれぞれ同一の仰角で受波することを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
- 前記複数の超音波振動子は、前記各反射波を受波する前記仰角が可変であることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
- 前記三次元情報取得部は、前記超音波プローブから出力される前記ドプラ信号に基づいて前記被検体の三次元の流れ方向及び前記被検体の流量を表す流体ベクトルデータを取得し、この流体ベクトルデータに基づいて前記三次元流体情報として前記被検体の流れる速度、方位角、仰角を取得することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
- 前記三次元情報取得部は、前記超音波プローブから出力される前記複数部位に対応する前記各ドプラ信号に基づいて少なくとも前記超音波プローブにより受波する前記複数部位からの前記各反射波の各大きさと各方位とに基づいて前記三次元流体情報を取得することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
- 前記三次元情報取得部は、前記超音波プローブから出力される前記ドプラ信号に基づいて前記被検体の三次元の流れ方向及び前記被検体の流量を表す各流体ベクトルデータを前記複数部位毎に取得し、これら流体ベクトルデータを加算平均して少なくとも前記被検体の速度を求めることを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
- 前記三次元情報取得部は、前記超音波プローブから出力される前記ドプラ信号に基づいて前記被検体の三次元の流れ方向及び前記被検体の流量を表す各流体ベクトルデータを前記複数部位毎に取得し、これら流体ベクトルデータを前記各超音波振動子が配置された縦横方向の各ピッチで正規化して速度変化を求め、この速度変化に基づいて前記被検体の速度分布をカラーマッピングすることを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
- パルスドプラ法又はカラードプラ断層法のいずれか一方により前記被検体を含む領域の三次元超音波画像を取得することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
- 超音波プローブによって超音波マルチビームを特定部位に流れる被検体に送波し、かつ前記被検体における微小間隔の各部位からの各反射波を受波し、
前記超音波プローブから出力されるドプラ信号に基づいて前記特定部位における前記被検体の少なくとも三次元の流れ方向を含む三次元流体情報を取得する、
ことを特徴とする超音波による速度測定方法。 - 超音波プローブによって超音波マルチビームを特定部位に流れる被検体に送波し、かつ前記被検体からの前記特定部位内に有する互いに隣接する複数部位からの各反射波を受波し、
前記超音波プローブから出力される各ドプラ信号に基づいて前記特定部位における前記被検体の少なくとも三次元の流れ方向を含む三次元流体情報を取得する、
ことを特徴とする超音波による速度測定方法。
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