JP4123462B2 - 光ピックアップ装置および光ディスク記録/再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD,DVDなどの光ディスクに対して記録および/または再生を行う光ディスクドライブに適用される光ピックアップ装置、およびその光ピックアップ装置を用いた光ディスク記録/再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2種類の波長をサポートした光ピックアップにおいて、2つの光源を単一のパッケージに収納して、各光源からの出射光を略共通の光路へ導くことにより、光学部品を兼用化し、部品点数を削減した構成が提案されている。
【0003】
2つの光源は互いに近接配置されているが、発光点を一致させることができないため、少なくとも一方の光源からの出射光は最適な光路から外れ、コマ収差が生じてしまう。
【0004】
この不具合を解消するために、2つの光源の光軸を一致させる技術が提案されている。例えば特開2000−99983号公報に記載された装置においては、第1の波長の光束を反射して第2の波長の光束を透過する反射膜を第1面にコーティングし、第2の波長の光束を反射する反射膜を第2面にコーティングした平行平板により、近接配置された2つの光源からの光束を共通の光路へ合成するようにしている。
【0005】
また、特開平10−149559号公報に記載された装置においては、光源モジュール内に小型の偏光ビームスプリッタを設け、2つの光源からの出射光路を合成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2000−99983号公報に記載された装置では、第2の波長の光束は平行平板の内部を通過するが、発散光が平行平板を通過すると非点収差が生じ、光ディスク面の集光スポットの品質が劣化してしまうという問題がある。
【0007】
また、特開平10−149559号公報に記載された装置では、小型の偏光ビームスプリッタの光学精度あるいは位置精度が厳しく、製作が困難であるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、複数の光源を使い分けることにより複数種類の基板厚の光ディスクに対応し、異なる光源による対物レンズ入射角の違いから生じるコマ収差を焦点合わせ制御に連動して自動的に補正することを可能にし、しかも、複数の光源を単一のパッケージに収めた光源モジュールにおける発光点間隔の許容値を拡大することができるようにした光ピックアップ装置を提供し、さらに、この光ピックアップ装置を用いて、使用波長の異なる複数種類の基板厚の光ディスクに対応し、異なる基板厚の光ディスクに対してもコマ収差の少ない良好な光スポットにて再生/記録が可能な光ディスク記録/再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記弾性部材の長手方向における推力作用中心が前記対物レンズをレンズ光軸方向へ平行に変位させたときに前記弾性部材に生じる曲げモーメントがゼロになる点から外れた位置になるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、弾性部材の長手方向が光ディスクの円周方向と一致するように構成しているので、弾性部材が撓むことで対物レンズを光ディスクの垂直方向と半径方向との2方向へ変位させることができる。また、推力発生位置に対する弾性部材の両端位置を適宜設定することにより、フォーカス変位量に対する傾き量の比率を任意に設定することができるので、正確なコマ収差補正を実現できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記弾性部材の長手方向における推力作用中心が前記対物レンズをレンズ光軸方向へ平行に変位させたときに前記弾性部材に生じる曲げモーメントがゼロになる点から外れた位置になるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、光源切替えにより生じる対物レンズ入射角の変動方向が半径方向となり、各光源の光ディスク上の集光点を同一半径に位置させることができるので、良好な信号が得られる。また、推力発生位置に対する弾性部材の両端位置を適宜設定することにより、フォーカス変位量に対する傾き量の比率を任意に設定することができるので、正確なコマ収差補正を実現できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記推力発生手段を前記対物レンズを挟んで両側に光ディスクの円周方向へ配列して設置し、一方の前記推力発生手段を他方の前記推力発生手段よりも発生推力が大きくなるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、弾性部材の長手方向が光ディスクの円周方向と一致するように構成しているので、弾性部材が撓むことで対物レンズを光ディスクの垂直方向と半径方向との2方向へ変位させることができる。また、対物レンズ両側に設置された推力発生手段の推力バランスを崩すことによって対物レンズをフォーカシング動作に連動して傾かせているので、可動部支持機構の変更なしにフォーカス変位量に対する傾き量比率の設定を変更することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記推力発生手段を前記対物レンズを挟んで両側に光ディスクの半径方向へ配列して設置し、一方の前記推力発生手段を他方の前記推力発生手段よりも発生推力が大きくなるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、光源切替えにより生じる対物レンズ入射角の変動方向が半径方向となり、各光源の光ディスク上の集光点を同一半径に位置させることができるので、良好な信号が得られる。また、対物レンズ両側に設置された推力発生手段の推力バランスを崩すことによって対物レンズをフォーカシング動作に連動して傾かせているので、可動部支持機構の変更なしにフォーカス変位量に対する傾き量比率の設定を変更することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記固定部が前記弾性部材の長手方向へ弾性変形するように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、弾性部材の長手方向が光ディスクの円周方向と一致するように構成しているので、弾性部材が撓むことで対物レンズを光ディスクの垂直方向と半径方向との2方向へ変位させることができる。また、固定部の弾性率を操作することによってフォーカス変位量に対する傾き量比率を変更することができるので、設定の自由度あるいは容易性が向上する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記固定部が前記弾性部材の長手方向へ弾性変形するように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、光源切替えにより生じる対物レンズ入射角の変動方向が半径方向となり、各光源の光ディスク上の集光点を同一半径に位置させることができるので、良好な信号が得られる。また、固定部の弾性率を操作することによってフォーカス変位量に対する傾き量比率を変更することができるので、設定の自由度あるいは容易性が向上する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記対物レンズのレンズ光軸方向における前記弾性部材同士の距離が前記対物レンズ側と前記固定部側とで異なるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、弾性部材の長手方向が光ディスクの円周方向と一致するように構成しているので、弾性部材が撓むことで対物レンズを光ディスクの垂直方向と半径方向との2方向へ変位させることができる。また、弾性部材同士の平行度を崩すことにより対物レンズをフォーカシング動作に連動して傾かせているため、可動部重心と駆動中心とを一致させやすく、しかも可動部あるいは推力発生手段の構成を変更することなしにフォーカス変位量に対する傾き量比率を変更することができるので設定変更が容易になる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記対物レンズのレンズ光軸方向における前記弾性部材同士の距離が前記対物レンズ側と前記固定部側とで異なるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み方向とが一致しているので、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。また、光源切替えにより生じる対物レンズ入射角の変動方向が半径方向となり、各光源の光ディスク上の集光点を同一半径に位置させることができるので、良好な信号が得られる。また、弾性部材同士の平行度を崩すことにより対物レンズをフォーカシング動作に連動して傾かせているため、可動部重心と駆動中心とを一致させやすく、しかも可動部あるいは推力発生手段の構成を変更することなしにフォーカス変位量に対する傾き量比率を変更することができるので設定変更が容易になる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、棒状または板状をなす弾性部材により固定部と対物レンズとを接続する支持手段を有する対物レンズ駆動手段を備えた請求項1〜9記載のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、基板厚の薄い光ディスクに用いられる光源ほど、対物レンズへ向かう光束が前記固定部側へ傾斜するように構成したことを特徴とし、対物レンズを傾かせる方向と弾性部材の撓み角方向とを一致させているため、フォーカシング動作と傾き動作とを容易に連動させることができる。
【0022】
請求項11に記載の発明は、光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、光ディスクの半径方向において前記推力発生手段の推力作用中心と前記複数の弾性部材の支持中心とが一致しないように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とし、この構成によって、基板厚に応じたフォーカシング動作に伴って対物レンズが傾き、この対物レンズの傾斜方向が光源切替えで生じる対物レンズ入射角の変動方向と逆方向となるので、光源を切替えて基板厚の異なる光ディスクへ対応させる際に、フォーカシング動作を行うだけで入射角変動に起因するコマ収差を自動的に補正することができる。また、弾性部材の長手方向が光ディスクの円周方向と一致するように構成しているので、弾性部材が撓むことで対物レンズを光ディスクの垂直方向と半径方向との2方向へ変位させることができ、しかも、対物レンズがフォーカシング動作に伴い弾性部材と平行な軸周り傾くことになるため、各光源の光ディスク上の集光点を同一半径に位置させることができ良好な信号が得られる。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、複数の前記光源を近接して単一のパッケージ内に収納したことを特徴とし、コマ収差補正機能をフォーカシング機構に組み入れている構成になるため、コマ収差補正機構あるいは光軸間隔補正機構を別途設けることなく、光源モジュールの発光点間隔の許容値を拡大することができる。
【0025】
請求項13に記載の発明は、光ディスクに対して光学的に記録および/または再生を行う光ディスク記録/再生装置において、請求項1〜12いずれか1項に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とし、コマ収差補正機能をフォーカシング機構に組み入れている構成の光ピックアップ装置を採用することにより、コマ収差補正機構を別途設ける必用がなく、安価な光ディスク記録/再生装置を提供することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1〜図5は本発明の実施形態を説明するための光ピックアップ装置におけるコマ収差補正原理の説明図である。ハウジング2にはレーザモジュール6とカップリングレンズ5と立上げミラー4とが固定されており、対物レンズ3がレンズ光軸方向(z方向)へ移動自在に支持されている。レーザモジュール6の内部には2つのレーザダイオード7a,7bが収納されている。
【0028】
レーザダイオード7a,7bから出射されたレーザ光Lはカップリングレンズ5を透過し、立上げミラー4で反射され、対物レンズ3を透過し、ターンテーブル(図示しない)に搭載された基板厚さの異なる光ディスク1a,1bに照射される。光ディスク1a,1bに照射される光が光ディスク1a,1bの基板を透過して、対物レンズ3の対向面と逆のディスク面(以下、記録面という)に集光するように、図示しないフォーカシング用の制御手段により対物レンズ3のz方向位置が制御される。
【0029】
基板厚の薄い光ディスク1aに対して記録/再生を行う場合には、図1に示すように、第1のレーザダイオード7aが発光する。この状態において、対物レンズ3へ向かうレーザ光Lの光束の光軸8a、および対物レンズ3のレンズ光軸31はディスク面と垂直になっており、光ディスク1aの記録面には、図3に示すようなコマ収差の少ない良好な光スポットが集光する。
【0030】
一方、基板厚の厚い光ディスク1bを記録/再生する場合には、図2に示すように、第2のレーザダイオード7bが発光する。第2のレーザダイオード7bは第1のレーザダイオード7aとは発光点が異なるため、対物レンズ3へ向かうレーザ光Lの光束の光軸8bはディスク面と垂直にならず、図1に示す状態に対し図示の矢印Aへと逆方向へ傾く。このとき対物レンズ3のレンズ光軸31がディスク面と垂直である場合(図示しない)、光ディスク1bの記録面には、図4に示すようなコマ収差の生じた光スポットが集光する。
【0031】
前記基板厚の厚い光ディスク1bは基板厚の薄い光ディスク1aとは記録面のz方向位置が異なるため、対物レンズ3は、図1に示す状態に対して光ディスク1bへ近づく方向へ移動させられる。そこで、対物レンズ駆動手段9によって、対物レンズ3を光ディスク1b方向へ移動させると共に、対物レンズ3を矢印A方向へ傾ける。このとき対物レンズ3へ向かう光束の光軸8bが光ディスク1b面と垂直である場合(図示しない)、光ディスク1bのディスク面には、図5に示すようなコマ収差の生じた光スポットが集光する。
【0032】
図2に示す状態では、前記光源切換え動作と対物レンズ駆動手段9の前記動作により、対物レンズ3へ向かう光束の光軸8bと対物レンズ3の光軸31とが光ディスク1bの面における垂線に対して互いに逆向きに傾いているため、図4に示す収差と図5に示す収差とが同時に発生して打ち消し合い、図6に示すような収差の低減された光スポットが集光する。
【0033】
図6に示すスポットは図4あるいは図5に示すスポットよりは良好であるが、図3に示すスポットには及ばない。したがって、記録/再生条件がより厳しい光ディスクに対しては、図1に示すような、光ディスク1aの垂線と対物レンズ3の光軸31と対物レンズ3へ向かう光束の光軸8aとを一致させた状態に設定するのがよい。なお、光ディスク1a,1bの厚さの関係は逆でも構わない。
【0034】
また説明の簡略化のため、図1に示す状態において、対物レンズ3へ向かう光束の光軸8aおよび対物レンズ3の光軸31を光ディスク1aのディスク面に垂直として説明したが、傾いていても構わない。
【0035】
第1のレーザダイオード7aから出射され対物レンズ3へ向かう光束の光軸8aと第2のレーザダイオード7bから出射され対物レンズ3へ向かう光束の光軸8bとがディスク垂線に対して互いに逆向きに傾くように設定すれば、第1のレーザダイオード7aを使用するときにおけるスポット品質は劣化するが、第2のレーザダイオード7bを使用するときのスポット品質は向上する。
【0036】
図7は前記説明中のコマ収差補正に係る対物レンズ駆動手段の具体例を示す第1実施例の斜視図であり、レンズホルダー11には対物レンズ3とフォーカシング制御用とトラッキング制御用のコイル12と中継基板13とが固定されている(以下、このレンズホルダーのユニットを可動部と呼ぶ)。ベース14には前記コイル12と対向させて磁石15が固定されており、固定基板16がねじ17により固定されている。中継基板13と固定基板16とは4本の略平行に配置された弾性部材である棒ばね(板状ばねであってもよい)18により接続されている。ベース14は図1,図2に示したハウジング2に固定される。
【0037】
そして、コイル12に電流を流すことにより磁石15との電磁作用により、z方向と平行な推力がコイル12に発生し、棒ばね18が撓んでレンズホルダー11がベース14に対してz方向へ移動する。
【0038】
図8〜図10は第1実施例の対物レンズ駆動手段9の具体例の構成およびその動作を示す構成図である。
【0039】
可動部を平行にz方向へ移動させたときに棒ばね18の断面に作用する曲げモーメントがゼロになるx方向位置とコイル12による推力Fが発生する推力発生位置12aとが一致している場合に、可動部は平行に駆動される。つまり、一致していない場合、可動部はz方向へ平行に駆動されずz方向の駆動に伴い傾く。なお、棒ばね18の断面形状が均一の場合、曲げモーメントがゼロとなるx方向位置は棒ばね18を二等分する点である。
【0040】
コイル12の推力発生位置12aがモーメントがゼロになるx方向位置よりも可動部接続側にあるとき、図8に示すように、可動部はz方向上側に駆動されるに連れて矢印a側に傾く。これは、上側の棒ばね18には圧縮応力が、下側の棒ばね16には引っ張り応力が作用し、上下の棒ばね18の変形曲線が異なったり、固定基板16が棒ばね18の軸方向へ引張られたり押されたりして変形するためである。z方向変位量に対する傾き量の比率は、コイル12の推力発生位置のずれ量あるいは固定基板16におけるx方向の弾性率を操作することによって自由に設定することができる。図9の構成において可動部をz方向下側へ駆動した場合には、可動部は矢印aと逆側へ傾く。
【0041】
また、コイル12の推力発生位置12aがモーメントがゼロになるx方向位置よりも固定基板16における棒ばね18との接続側にあるとき、図10に示すように、可動部はz方向上側に駆動されるに連れて矢印a側と逆側に傾く。これは、上側の棒ばね18には引っ張り応力が、また下側の棒ばね18には圧縮応力が作用し、上下の棒ばね18の変形曲線が異なったり、固定基板16が棒ばね18の軸方向へ引張られたり押されたりして変形するためである。z方向変位量に対する傾き量の比率は、コイル12の推力発生位置12aのずれ量あるいは固定基板16のx方向弾性率を適宜設定することによって任意に設定することができる。図10に示す構成において可動部をz方向下側へ駆動した場合には、可動部は矢印a側へ傾く。
【0042】
慣性力による可動部の回転を防止するために、コイル12の推力発生位置12aは可動部重心のx方向位置とも一致していることが望ましい。図9と図10とを比較すれば明白なように、図9に示す構成の方が、コイル12の推力発生位置12aが可動部中心に近いため、可動部重心と一致させやすい。図9に示す構成においては、基板厚の薄い光ディスク用の光束の方が、厚い光ディスク用の光束よりも矢印a側へ傾いて対物レンズ3へ向かう設定である。
【0043】
図11〜図13は対物レンズ駆動手段の第2実施例の構成およびその動作を示す構成図である。第1実施例と異なり、コイル12および磁石15が対物レンズ3を挟んで両外側に設置されている。固定基板16側のコイル12に発生する推力F2を他方のコイル12に発生する推力F1よりも小さくした場合、図12に示すように、可動部はz方向上側に駆動されると共に矢印a側へ傾けられる。逆に固定基板16側のコイル12に発生する推力F2を他方のコイル12に発生する推力F1よりも大きくした場合、図13に示すように、可動部はz方向上側に駆動されると共に矢印aとは逆側へ傾けられる。
【0044】
第2実施例では、可動部の部品配置が対称に近いので、どちらに傾かせる設定であっても推力発生中心を可動部重心と一致させやすい。z方向変位量に対する傾き量の比率は、コイル12あるいは磁石15を適宜変えて両コイル12に発生する推力のバランスを変えることにより、任意に設定することができる。可動部の部品配置が対称に近いので、どちらに傾かせる設定でも推力発生中心を可動部重心と一致させやすい。
【0045】
図14〜図17は対物レンズ駆動手段9の第3実施例の構成と動作を示す構成図である。可動部は、第1実施例あるいは第2実施例と同様の構成であって、レンズホルダー11が4本の棒ばね18により固定基板16と接続されている。z方向における棒ばね18の対向間隔が可動部接続側と固定基板16接続側とで異なるようにしている。
【0046】
図14は棒ばね18の対向間隔が可動部接続側の方が固定基板16接続側よりも広い構成例であって、この場合、図15に示すように、コイル12の推力発生位置12aに発生する推力Fにより可動部をz方向上側へ変位させると、可動部は矢印a方向へ傾く。図16は棒ばね18の対向間隔が固定基板16接続側の方が可動部接続側よりも広い構成例であって、この場合、図17に示すように、コイル12による推力Fにより可動部をz方向上側へ変位させると、可動部は矢印aと逆の方向へ傾く。このように棒ばね18の対向間隔を可動部接続側と固定基板16接続側との調整することにより、z方向変位に対する傾き方向および量を任意に設定することができる。
【0047】
第3実施例では、可動部の構成によらず傾き方向および量を設定することができるため、第2実施例と同様に推力発生位置12aを可動部重心と一致させやすく、第2実施例とは異なり可動部構成の制約がない。
【0048】
第1実施例と第2実施例と第3実施例とは、いずれか複数を組み合わせて実施しても構わない。
【0049】
図7〜図17に示す第1〜第3実施例に示した4本の棒ばね18で可動部を支持する対物レンズ駆動手段は、可動部を棒ばね18の長手方向に対して垂直な方向へ変位させることが可能であり、例えば図7に示すようにz方向以外にy方向へも変位させることができる。
【0050】
図18,図19は対物レンズ駆動手段9の第4実施例の構成と動作を示す構成図である。可動部は、第1〜第3実施例と同様に、レンズホルダー11,対物レンズ3、および図示しないコイルおよび中継基板などからなるユニットにて構成されており、4本の棒ばね18により固定基板16と接続されている。4本の棒ばね18は2本づつ対物レンズ3を挟んで距離をおいて設置されており、本例では一方側(図の右側)の棒ばね18bは他方側(図の左側)の棒ばね18aよりも直径が細い。またyz平面において、棒ばね18a,18bの4つの可動部支持点を結ぶ四角形の図心と可動部重心と推力Fが発生する推力発生位置12aとは一致している。
【0051】
図19に示すように、コイル12による推力Fにより可動部をz方向上側へ変位させると、径の細い右側の棒ばね18bの方が、径の太い左側の棒ばね18aよりも多く撓み、よって、可動部は矢印b側へ傾く。
【0052】
図20,図21は対物レンズ駆動手段9の第5実施例の構成と動作を示す構成図である。第5実施例における可動部は、第1〜第4実施例と同様にレンズホルダー11,対物レンズ3、および図示しないコイル,中継基板などからなるユニットにて構成されており、4本の棒ばね18により固定基板16と接続されている。4本の棒ばね18はy方向へオフセット配置されており、yz平面において、棒ばね18の4つの可動部支持点を結ぶ四角形の図心と可動部重心と推力Fが発生する推力発生位置12aとは一致していない。4本の棒ばね18の径は全て等しい。
【0053】
図21に示すように、推力により可動部をz方向上側へ変位させると、推力発生位置12aに近い棒ばね18の方が遠い棒ばね18よりも多く撓み、よって、可動部は矢印b側へ傾く。
【0054】
なお、第4実施例と第5実施例を組合わせて実施しても構わない。
【0055】
図22は前記第1〜第3実施例のいずれかの対物レンズ駆動手段9を備えた光ピックアップ装置を搭載した本発明に係る光ディスク記録/再生装置の実施形態を示す平面図であり、対物レンズ3が光ディスク1a(1b)の半径Rに沿って移動可能であるように、光ピックアップ装置のハウジング2が相対向する一対のレール20により支持されており、棒ばね18の長手方向が光ディスク1a(1b)の半径Rと直交する向きで対物レンズ駆動手段9が設置されている。
【0056】
図22において、図示しない粗動機構によりハウジング2を動かすことにより、対物レンズ3の長距離の移動を低精度にて行い、対物レンズ3の高精度で高周波数な制動には、ハウジング2に対して対物レンズ3を半径R方向に動かすことにより対応することができるようになっている。
【0057】
ここで、対物レンズ3へ向かう光束の光源によるずれが対物レンズ3上のディスク円周方向Tとなるため、光ディスク上の集光点は半径Rと直交する方向へ配列され、少なくともどちらか一方の集光点は光ディスクの半径R上から外れることになる。
【0058】
図23は図22に示す光ディスク記録/再生装置の変形例であって、図22と異なり、棒ばね18の長手方向が光ディスクの半径Rと平行な向きで対物レンズ駆動手段9が搭載されている。
【0059】
図23に示す構成では、対物レンズ3へ向かう光束の光源によるずれが対物レンズ上のディスク半径方向Rとなるため、光ディスク上の集光点は半径Rと平行に配列され、異なる光源両方の集光点を同一半径R上に位置させて、どちらの集光点からも良好な信号を得ることができる。
【0060】
なお、対物レンズ3の高精度でかつ高周波数な動きに対応するために、別途、ハウジング2上に駆動機構を設けるか、粗動機構の応答性あるいは精度を強化する必要がある。
【0061】
図24は図18,図19に示す第4実施例の対物レンズ駆動手段9を搭載した光ディスク記録/再生装置を示す平面図であり、対物レンズ駆動手段9を棒ばね18の長手方向が光ディスクの半径Rと直交する向きに搭載している。図22に示す光ディスク装置と同様に棒ばね18が撓むことによりハウジング2に対して対物レンズ3をディスク半径R方向へ精密移動させることができ、また図23に示す光ディスク装置と同様に両方の集光点を同一半径(R)上に位置させて、どちらの集光点からも良好な信号を得ることができる。
【0062】
なお、図20,図21に示す第5実施例の可動部の傾き軸(傾き方向)は第4実施例と同一であり、図24に示す光ディスク記録/再生装置において、第4実施例の対物レンズ駆動手段の代わりに第5実施例の対物レンズ駆動手段を搭載することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ピックアップ装置によれば、異なる光源による対物レンズ入射角の違いから生じるコマ収差をフォーカシング制御に連動して自動的に補正することができ、しかも、複数の光源を単一のパッケージに収めた光源モジュールにおける発光点間隔の許容値を拡大することができるなど、複数の光源を使い分けることにより複数種類の基板厚の光ディスクに良好に対応することができるようになる。
【0064】
また、本発明の光ディスク記録/再生装置によれば、前記光ピックアップ装置を使用することによって、使用波長の異なる複数種類の基板厚の光ディスクに対応し、異なる基板厚の光ディスクに対してもコマ収差の少ない良好な光スポットにより正確な再生/記録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための光ピックアップ装置の構成と動作を説明する説明図
【図2】本発明の実施形態を説明するための光ピックアップ装置の構成と動作を説明する説明図
【図3】本実施形態におけるレンズ収差とスポット半径との関係を示す図
【図4】本実施形態におけるレンズ収差とスポット半径との関係を示す図
【図5】本実施形態におけるレンズ収差とスポット半径との関係を示す図
【図6】本実施形態におけるレンズ収差とスポット半径との関係を示す図
【図7】本実施形態における対物レンズ駆動手段の具体例を示す第1実施例の斜視図
【図8】対物レンズ駆動手段の第1実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図9】対物レンズ駆動手段の第1実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図10】対物レンズ駆動手段の第1実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図11】対物レンズ駆動手段の第2実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図12】対物レンズ駆動手段の第2実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図13】対物レンズ駆動手段の第2実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図14】対物レンズ駆動手段の第3実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図15】対物レンズ駆動手段の第3実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図16】対物レンズ駆動手段の第3実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図17】対物レンズ駆動手段の第3実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図18】対物レンズ駆動手段の第4実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図19】対物レンズ駆動手段の第4実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図20】対物レンズ駆動手段の第5実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図21】対物レンズ駆動手段の第5実施例の構成およびその動作を示す構成図
【図22】第1〜第3実施例のいずれかの対物レンズ駆動手段を備えた光ピックアップ装置を搭載した本発明の光ディスク記録/再生装置の実施形態を示す平面図
【図23】図22に示す光ディスク記録/再生装置の実施形態における変形例を示す平面図
【図24】第4実施例の対物レンズ駆動手段を搭載した光ディスク記録/再生装置を示す平面図
【符号の説明】
1a,1b 光ディスク
3 対物レンズ
4 立上げミラー
5 カップリングレンズ
6 レーザモジュール
7a,7b レーザダイオード
8a,8b レーザ光(光束)の光軸
9 対物レンズ駆動手段
11 レーザホルダー
12 コイル
12a 推力発生位置
13 中継基板
15 磁石
16 固定基板
18 棒ばね
Claims (13)
- 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記弾性部材の長手方向における推力作用中心が前記対物レンズをレンズ光軸方向へ平行に変位させたときに前記弾性部材に生じる曲げモーメントがゼロになる点から外れた位置になるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記弾性部材の長手方向における推力作用中心が前記対物レンズをレンズ光軸方向へ平行に変位させたときに前記弾性部材に生じる曲げモーメントがゼロになる点から外れた位置になるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記推力発生手段を前記対物レンズを挟んで両側に光ディスクの円周方向へ配列して設置し、一方の前記推力発生手段を他方の前記推力発生手段よりも発生推力が大きくなるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応 可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状の弾性部材により前記対物レンズを弾性支持する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、前記推力発生手段を前記対物レンズを挟んで両側に光ディスクの半径方向へ配列して設置し、一方の前記推力発生手段を他方の前記推力発生手段よりも発生推力が大きくなるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記固定部が前記弾性部材の長手方向へ弾性変形するように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記固定部が前記弾性部材の長手方向へ弾性変形するように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記対物レンズのレンズ光軸方向における前記弾性部材同士の距離が前記対物レンズ側と前記固定部側とで異なるように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの円周方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの半径方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段を有し、前記対物レンズのレンズ光軸方向における前記弾性部材同士の距離が前記対物レンズ側と前記固定部側とで異なるように構 成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 棒状または板状をなす弾性部材により固定部と対物レンズとを接続する支持手段を有する対物レンズ駆動手段を備えた請求項1〜9記載のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
基板厚の薄い光ディスクに用いられる光源ほど、対物レンズへ向かう光束が前記固定部側へ傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源から出射される光束を光ディスクへ集光する対物レンズを備え、複数の前記光源を選択的に発光させることにより、複数種類の基板厚の光ディスクに対応可能な光ピックアップ装置において、
光ディスクの円周方向へ長手方向が延びる棒状または板状をなす複数の弾性部材により前記対物レンズと固定部とを接続する支持手段と、前記対物レンズのレンズ光軸と平行な推力を前記対物レンズに作用させる推力発生手段とを有し、光ディスクの半径方向において前記推力発生手段の推力作用中心と前記複数の弾性部材の支持中心とが一致しないように構成することにより、前記対物レンズをレンズ光軸方向へ変位させると共に、この変位に連動して前記対物レンズを光ディスクの半径方向へ傾斜させる対物レンズ駆動手段を備え、
前記対物レンズが光ディスクへ近づくにつれて傾く方向をA方向としたとき、基板厚の厚い光ディスクに用いられる前記光源ほど前記対物レンズへ向かう光束がA方向とは逆向きに傾斜するように構成したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 複数の前記光源を近接して単一のパッケージ内に収納したことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 光ディスクに対して光学的に記録および/または再生を行う光ディスク記録/再生装置において、
請求項1〜12いずれか1項に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスク記録/再生装置。
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