JP4123253B2 - ブラシレスオルタネータ - Google Patents
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Description
継鉄部の内周面に設けられた段差部に固着される前記プレートの円筒部の径方向厚さ寸法は、前記円筒部における少なくとも前記継鉄部の段差部に固着される部分が1ミリメートルより大きく且つ2ミリメートル以下に形成されていると共に、前記継鉄部における前記回転子との径方向対向部の内径は前記プレートの円筒部の内径との差が0.4ミリメートル以上となるように小径に設定される。
図1は、この発明の実施の形態1に係るブラシレスオルタネータが有する界磁コイルのボビン装置の軸方向断面図である。図2は、前記ボビン装置に適用されるプレートの斜視図である。図3は、前記ボビン装置の要部拡大軸方向断面図である。図4は、プレートの径方向厚さ寸法を変化させた場合のブラシレスオルタネータの出力電流値を表したグラフである。図5は、前記ボビン装置の要部拡大軸方向断面図である。図10は図1に示した界磁コイルのボビン装置を有するブラシレスオルタネータの軸方向断面図である。
まず、この発明の実施の形態1に係るブラシレスオルタネータの構造について述べる。
図10において、回転子2はシャフト17に設けられており、更にこの回転子2は磁束を伝える磁極鉄心3を有し、この磁極鉄心3は、第一磁極鉄心4及び第二磁極鉄心8から形成されている。該第一磁極鉄心4を構成する第一ボス部5は、軸心位置にシャフト17を挿通するための挿通穴(図示せず)が設けられている。また前記ボス部5の一端から径方向外方にリング状の第一継鉄部6が延設され、更にこの継鉄部6の外周から軸方向他端側に第一爪状磁極部7が延設されている。尚、シャフト17は第一磁極鉄心4の軸心に設けられている挿通穴(図示せず)に圧入されており、相対回転不能に取り付けられている。
尚、シャフト17は第二磁極鉄心8の軸心に設けられている挿通穴(図示せず)に圧入され相対回転不能に取り付けられており、前記第二ボス部9の軸方向端面を第一ボス部5の軸方向他端面に突き合わせた状態で、相対回転不能に取り付けられている。
第一ブラケット20は第二ブラケット21とともに、固定子鉄心15の軸方向両端の肩部を挟んで通しボルト23により、固定子鉄心15を挟持している。そして、第一ブラケット20が第一軸受18を介してシャフト17の一端側を回転自在に支持し、第二ブラケット21が第二軸受19を介してシャフト17の他端側を回転自在に支持している。これにより、回転子2が、第一ブラケット20及び第二ブラケット21内に回転自在に配設されている。更に、プーリ24は第一ブラケット20から外部に延出するシャフト17の一端に固着されており、エンジン(図示せず)により駆動されるようになっている。
この時、界磁コイル13は第二ブラケット21に固着された第二継鉄部10に装着されているので回転せず、第一ボス部5、第一継鉄部6及び第一爪状磁極部7が一体に形成された第一磁極鉄心4と、第二磁極鉄心8の第二ボス部9及び第二爪状磁極部11とが回転することになる。
プレート31の円筒部310の外径は、第二継鉄部10の段差部100の内径にほぼ等しく、鍔部311の外径は、第二継鉄部10の外径にほぼ等しい。また、ボビン32の筒部320の内径は、プレート31の円筒部310の外径にほぼ等しく、ボビン32の軸方向長さは、プレート31の円筒部310の軸方向長さから段差部100の軸方向長さ(p)を減じた長さにほぼ等しい。さらに、ボビン32の第一延設部321及び第二延設部322の径方向長さは、プレート31の鍔部311の径方向長さとほぼ等しい。
また、第二継鉄部10の最内径面に保持された微小空隙gの巾は0.25ミリメートルで形成されており第二磁束成分Φ12が通る微小空隙の巾よりも短いため、第1磁束成分Φ11を流れる磁束量は、Φ12を流れる磁束量よりも多い。
まず、前記厚さ寸法tがt2(t2は1.0ミリメートル以下である)の範囲内にある場合について説明する。尚、前記厚さ寸法tが1ミリメートルの時のボビン装置30を、図5に示す。
この場合、該円筒部310において第二磁束成分Φ22が軸方向に流れる部分P2の径方向断面積S2は非常に狭くなる。前記回転数に依ることなく前記断面積S2を通過する磁束のチョークが発生し、第二磁束成分Φ22の磁束量が減少する。その結果、総磁束量Φ2(図示しない)が減るために、前記出力電流iの値も減少している。
この場合、該円筒部310において第二磁束成分Φ12が軸方向に流れる部分P1の径方向断面積S1が増加するため、該部分P1における磁束のチョークが防止される。従って第二磁束成分Φ12の磁束量は増加し、それに応じて総磁束量Φ1も増加するため、前記出力電流iの値は増加している。更に、前記厚さ寸法tを厚くしたことにより、界磁コイル13にて発生する熱は、前記プレート31の円筒部310から第二継鉄部10を介してブラケットに放散されるため、界磁コイル13の熱の上昇を抑制可能となる。
この場合は、前記厚さ寸法tが増加したため、界磁コイル13の内径が大となり、界磁コイルの構成するコイル長が増加する。従って、界磁コイルの抵抗値が増加し、その結果、界磁コイルを流れる界磁電流値が減少するため、前記出力電流iの値が減少する。
尚、前記回転数が低速の場合は、前記厚さ寸法tが増加したことにより磁束量が増加した場合の前記出力電流値と、界磁コイル13の抵抗値が増えたことにより界磁電流値が減少した場合の前記出力電流値とが相殺しているため、前記厚さ寸法tが1.6ミリメートルの場合と2ミリメートルの場合の前記出力電流iの値に変化が見られない。
この場合は、前記厚さ寸法tが増加したため、界磁コイル13の内径が更に大となり、界磁コイルを構成するコイル長が更に増加する。従って、界磁コイルの抵抗値が増加し、その結果、界磁コイルを流れる界磁電流値が減少するため、前記出力電流iの値が減少する。
本実施の形態では、この発明によるブラシレスオルタネータの一例として、前記継鉄部と前記円筒部とを接着材で固着したブラシレスオルタネータについて述べる。
図6は、この発明の実施の形態2に係るブラシレスオルタネータ用界磁コイルのボビン装置の軸方向断面図である。以下図中において実施の形態1と同一の部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態では、この発明によるブラシレスオルタネータの一例として、前記継鉄部と前記円筒部とを螺合して固着したブラシレスオルタネータについて述べる。
図7は、この発明の実施の形態3に係るブラシレスオルタネータ用界磁コイルのボビン装置の軸方向断面図である。以下図中において実施の形態1又は実施の形態2と同一の部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態では、この発明によるブラシレスオルタネータの一例として、前記の予めナイロン樹脂で構成したボビンを用いないブラシレスオルタネータについて述べる。
図8はこの発明の実施の形態4に係るブラシレスオルタネータに設けられたボビン装置周りの軸方向断面図である。以下図中において実施の形態1又は実施の形態3と同一の部分には同一符号を付して説明は省略する。
図8に示すように、エポキシ樹脂からなる絶縁材が前記プレート31の円筒部310の径方向外側と前記第二継鉄部10の端面及び前記プレート31の鍔部311の他端面に塗布されている。こうすることで、該ブラシレスオルタネータの部品数を削減でき、ナイロン樹脂で構成されたボビンの熱劣化を抑制することが可能となる。更に、塗布された絶縁材の厚みを抑えることができ、前記界磁コイル13で発生した熱の伝導性が向上し、且つ該界磁コイル13を巻回するスペースを大きく取ることが可能となる。
本実施の形態では、この発明によるブラシレスオルタネータの一例として、前記プレートの円筒部の形状を変更したブラシレスオルタネータについて述べる。
図9はこの発明の実施の形態5に係るブラシレスオルタネータに設けられたボビン装置周りの軸方向断面図である。以下図中において実施の形態1乃至実施の形態4と同一の部分には同一符号を付して説明は省略する。
図9において、プレート31は、磁束Φ42のチョークが発生する部分P4、即ち該プレート31の円筒部310において段差部100に固着される部分のみを部分的に大径化して形成されており、このようなプレートを用いることにより、磁束Φ42のチョークを回避して総磁束となる磁束Φ4の値を向上させることができる。
Claims (8)
- シャフトに設けられた回転子と、前記シャフトを回転自在に支持するブラケットの内壁に固定され、前記回転子と径方向微小空隙0.25ミリメートルを介して対向するリング形状を成す継鉄部と、
この継鉄部の軸方向端部の内周の側面に設けられた段差部と、この段差部に固着され磁性体で構成された円筒部を有するプレートと、
界磁コイルを巻回するために前記プレートの円筒部径方向外側を囲繞するように配設されたボビンと、
前記回転子の外側に空隙を保持して設けられ前記界磁コイルにより発生した磁束が伝播する固定子とを備え、
前記プレートの円筒部の径方向厚さ寸法は、前記円筒部における少なくとも前記継鉄部の段差部に固着される部分が1ミリメートルより大きく且つ2ミリメートル以下に形成されていると共に、前記継鉄部における前記回転子との径方向対向部の内径は前記プレートの円筒部の内径との差が0.4ミリメートル以上となるように小径に設定されていることを特徴とするブラシレスオルタネータ。 - プレートは、前記円筒部の軸方向一端に鍔部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスオルタネータ。 - ボビンは、筒状に形成された筒部を有し、該筒部の両端部には径方向へ延設部が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレスオルタネータ。 - プレートは、スポット溶接で前記段差部に固着される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のブラシレスオルタネータ。 - プレートは、接着材で前記継鉄部に固着される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のブラシレスオルタネータ。 - プレートは、前記継鉄部に螺合され固着される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のブラシレスオルタネータ。 - 絶縁材が、前記プレートの円筒部の径方向外側と前記継鉄部の軸方向端面及び前記プレートの鍔部の他端面に塗布されることによりボビンを構成してなる
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一に記載のブラシレスオルタネータ。 - プレートの円筒部の径方向厚さ寸法は、1.6ミリメートルに形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載のブラシレスオルタネータ。
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