JP2006087244A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機の体格を大きくすることなく、ステータコアの円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる回転電機を提供する。
【解決手段】ステータ10は、円筒部11及び該円筒部11の内側に配置された複数のティース部12よりなるステータコア13と、該ティース部12に巻線が巻回されてなる複数のコイル14とから構成されている。円筒部11は、ティース部12が固定されるティース固定部15と、該ティース固定部15の軸方向両端部から軸方向に沿って延設された延長部16,17とから構成されている。延長部16,17は、その軸方向の長さL1がコイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しくなるように形成されている。ステータコア13は、延長部16の内周面に形成された嵌入溝19からティース部12を嵌挿し、該ティース部12をティース固定部15の内周面に形成された固定溝18まで差し込むことにより形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】ステータ10は、円筒部11及び該円筒部11の内側に配置された複数のティース部12よりなるステータコア13と、該ティース部12に巻線が巻回されてなる複数のコイル14とから構成されている。円筒部11は、ティース部12が固定されるティース固定部15と、該ティース固定部15の軸方向両端部から軸方向に沿って延設された延長部16,17とから構成されている。延長部16,17は、その軸方向の長さL1がコイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しくなるように形成されている。ステータコア13は、延長部16の内周面に形成された嵌入溝19からティース部12を嵌挿し、該ティース部12をティース固定部15の内周面に形成された固定溝18まで差し込むことにより形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は回転電機に係り、詳しくは該回転電機に備えられたステータコアに関する。
インナロータ型の回転電機は、例えば、特許文献1にて開示されているものがある。特許文献1にて開示されている回転電機は、有底円筒状をなすケースを備えている。そして、ケースの内周面にはステータコアが固定されている。ステータコアは、円筒部と、該円筒部の内周面から径方向内側に向かって延設されたティース部とから構成されている。円筒部とティース部とは、軸方向の長さが等しく形成されている。ティース部には巻線が巻回されてなるコイルが備えられている。
近年、このような回転電機には小型化及び高効率化が望まれている。例えば、特許文献1にて記載の回転電機を小型化するために、単純にステータコアを小さくすると、ティース部及び円筒部における断面積が小さくなってしまうため、ステータコアにおいて磁気飽和が生じやすくなってしまう。ステータコアの磁気飽和が生じると、漏れ磁束が生じて回転電機の効率が低下されてしまう。
そこで、特許文献2にて開示されている回転電機では、巻線が巻回されるティース部の周方向の幅をティース部間に形成されるスロット部の周方向幅よりも大きく形成することにより、ティース部の断面積を大きくしてティース部における磁気飽和が起きないようにしている。
特開2000−134842号公報
特開平8−182274号公報 (第1図)
しかしながら、特許文献2にて開示されている回転電機では、ティース部における磁気飽和は生じ難くなるが、円筒部における磁気飽和は生じ難くならない。回転電機の効率を低下させることなく回転電機の小型化を実現するためには、ステータコアの円筒部における磁気飽和を生じ難くすることも望まれる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転電機の体格を大きくすることなく、ステータコアの円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる回転電機を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、円筒部、及び該円筒部の内側に周方向に沿って配置された複数のティース部を有するステータコアと、前記ティース部に巻線が巻回されてなり前記ティース部の軸方向両端部に位置するコイルエンド部を有する複数のコイルと、前記ステータコアの内側に回転可能に配設され、前記コイルに駆動電流が供給されることにより発生される回転磁界に応じて回転するロータとを備えた回転電機であって、前記円筒部は、前記ティース部が固定され軸方向の長さが前記ティース部の軸方向の長さと等しく形成されたティース固定部と、前記ティース固定部の軸方向端部の少なくとも一方から軸方向に沿って延設されると共に前記コイルエンド部の軸方向の長さと同等の長さに形成された延長部とから構成され、前記円筒部の内周面には前記ティース部を固定するための溝が形成されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機において、前記延長部は前記ティース固定部の軸方向両端部に設けられ、前記溝は、前記ティース固定部の内周面に前記ティース固定部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成された固定溝と、2つの前記延長部のうち少なくとも一方の延長部の内周面に該一方の延長部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成され前記固定溝と連通する嵌入溝とから構成されている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転電機において、2つの前記延長部のいずれか一方の延長部における前記ティース固定部側の端面が前記固定溝の一端部から露出している。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機において、前記延長部は、前記ティース固定部の軸方向両端部に設けられ、前記溝は、前記ティース固定部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成され、前記円筒部は前記ティース固定部で軸方向に2つに分割されている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回転電機において、2つの前記延長部の少なくとも一方の延長部における前記ティース固定部側の端面が前記固定溝の端部から露出している。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機において、前記ステータコアは、モータハウジングの内周面と前記円筒部の外周面との間を軸方向に空気が流通可能な間隙を有して前記モータハウジング内に配置され、前記延長部の外周面には、該延長部の表面積を大きくする放熱部が備えられている。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機において、前記ステータコアは、前記延長部における外周面の少なくとも一部がモータハウジングの外部に露出するように前記モータハウジングに固定され、前記モータハウジングの外部に露出した前記延長部の外周面の少なくとも一部には、該延長部の表面積を大きくする放熱部が備えられている。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の回転電機において、前記放熱部は、放熱凹部と放熱凸部とが軸方向に沿って交互に形成されてなる。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、円筒部は、ティース固定部の軸方向端部の少なくとも一方から軸方向に沿って延設された延長部を備えている。従って、円筒部は、従来の回転電機に備えられたステータコアの円筒部よりも延長部の分だけ軸方向に沿った断面積が増加する。その結果、延長部によって断面積が増加した分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる。また、延長部の軸方向の長さは既存のコイルにおけるコイルエンド部の軸方向の長さと同等の長さに形成されていることから、回転電機の体格を大きくする必要がない。従って、回転電機の体格を大きくすることなく、ステータコアの円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、円筒部は、ティース固定部の軸方向端部の少なくとも一方から軸方向に沿って延設された延長部を備えている。従って、円筒部は、従来の回転電機に備えられたステータコアの円筒部よりも延長部の分だけ軸方向に沿った断面積が増加する。その結果、延長部によって断面積が増加した分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる。また、延長部の軸方向の長さは既存のコイルにおけるコイルエンド部の軸方向の長さと同等の長さに形成されていることから、回転電機の体格を大きくする必要がない。従って、回転電機の体格を大きくすることなく、ステータコアの円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる。
しかも、ステータコアは、延長部を備えない従来の回転電機のステータコアと比べて体積が増加しているため、回転電機の出力が増大される。また、ステータコアは、延長部を備えたことにより該ステータコアの表面積が延長部の分だけ大きくなっている。従って、回転電機の駆動時に、コイル及びステータコアから発生された熱が従来のステータコアより効率よく放熱される。
また更に、ステータコアは、円筒部に形成された溝にティース部を嵌挿することにより形成されるため、ティース部における径方向内側の先端面にて形成される円の真円度を良好に維持することができる。従って、ステータコアと該ステータコアの内側に配設されたロータとのエアギャップにおける径方向の幅を一定にしやすい。
請求項2に記載の発明によれば、円筒部にステータコアを組付ける際に、ティース部は、円筒部の一端に位置する嵌入溝の開口部から嵌入され、軸方向に沿って該嵌入溝を通過して容易に固定溝に固定される。
請求項3に記載の発明によれば、ティース部は、固定溝の一端部から露出した延長部の端面に当接するまで挿入されることにより、軸方向に位置決めされてティース固定部に固定される。また、固定溝の一端部から端面が露出するように形成された延長部の軸方向に沿った断面積は、固定溝と連通する嵌入溝が形成された延長部における嵌入溝が形成された部分の軸方向に沿った断面積よりも大きい。従って、断面積が大きい分だけ、円筒部は磁束の増加を許容することでき、磁気飽和がより生じ難くなる。
請求項4に記載の発明によれば、ティース固定部で軸方向に2つに分割された円筒部は、ティース部の軸方向両側から該ティース部を溝に挿入しながら嵌合される。従って、分割された円筒部のそれぞれにおいてティース部とティース固定部との間の摺動抵抗が小さく、ティース部は容易に溝に固定される。
請求項5に記載の発明によれば、ティース部は、固定溝の端部から露出した延長部の端面に当接するまで挿入されることにより、軸方向に位置決めされてティース固定部に固定される。更に、固定溝の両端部から延長部の端面が露出している場合には、固定溝の両端部から露出した延長部の端面によってティース部が円筒部から軸方向に脱落することが防止される。また、固定溝の端部から端面が露出するように形成された延長部の軸方向に沿った断面積は、固定溝と連通する嵌入溝が形成された延長部における嵌入溝が形成された部分の軸方向に沿った断面積よりも大きい。従って、断面積が大きい分だけ、円筒部は磁束の増加を許容することができ、磁気飽和がより生じ難くなる。
請求項6に記載の発明によれば、放熱部によって延長部の表面積が増大されるため、回転電機の駆動時にステータコア及びコイルから発生された熱が更に効率よく放熱される。
請求項7に記載の発明によれば、モータハウジングの外部に露出した延長部の外周面の少なくとも一部には放熱部が形成されているため、該放熱部によって延長部の表面積が増大される。従って、回転電機の駆動時にステータコア及びコイルから発生された熱が更に効率よく放熱される。また、ステータコアは、延長部の外周面の少なくとも一部がモータハウジングの外部に露出しているため、露出した延長部の外周面は外気に直接触れることになる。従って、回転電機の駆動時にステータコア及びコイルから発生された熱がより一層効率よく放熱される。
請求項7に記載の発明によれば、モータハウジングの外部に露出した延長部の外周面の少なくとも一部には放熱部が形成されているため、該放熱部によって延長部の表面積が増大される。従って、回転電機の駆動時にステータコア及びコイルから発生された熱が更に効率よく放熱される。また、ステータコアは、延長部の外周面の少なくとも一部がモータハウジングの外部に露出しているため、露出した延長部の外周面は外気に直接触れることになる。従って、回転電機の駆動時にステータコア及びコイルから発生された熱がより一層効率よく放熱される。
請求項8に記載の発明によれば、延長部の外周面に、放熱凹部と放熱凸部とを軸方向に沿って交互に形成するだけで、容易に延長部の表面積が増大される。
本発明によれば、回転電機の体格を大きくすることなく、ステータコアの円筒部における磁気飽和が生じ難くされる回転電機を提供することができる。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に回転電機としてのモータ1の断面図を示す。本実施形態のモータ1は埋込磁石型モータ(IPMモータ)である。モータ1は、モータハウジング2とステータ10とロータ25とを備えている。
図1に回転電機としてのモータ1の断面図を示す。本実施形態のモータ1は埋込磁石型モータ(IPMモータ)である。モータ1は、モータハウジング2とステータ10とロータ25とを備えている。
モータハウジング2は、有底筒状のケース3と、ケース3の開口部(図1中、下端部)を閉塞する蓋部4とを備えている。ケース3の内周面には、ステータ10が固定されている。
ステータ10は、円筒部11及び該円筒部11の内側に配置された複数(本実施形態では12個)のティース部12(図1では2つのみ図示している)よりなるステータコア13と、該ティース部12に巻線が巻回されてなる複数(本実施形態では12個)のコイル14(図1では2つのみ図示している)とから構成されている。尚、図1においては、コイル14は、ティース部12の軸方向両端部に位置するコイルエンド部14aのみを図示している。コイルエンド部14aは、コイル14においてティース部12の軸方向両端面よりも軸方向に突出した部分である。
ステータコア13の円筒部11は、円環状のコアシート(図示しない)を軸方向に複数枚積層させて形成されるか、若しくは磁性金属粉体を圧縮成形してなる。円筒部11は、ティース部12が固定されるティース固定部15と、該ティース固定部15の軸方向両端部から軸方向に沿って延設された延長部16,17とから構成されている。図3に示すように、ティース固定部15は円筒状に形成されている。そして、図1に示すように、ティース固定部15の軸方向の長さは、ティース部12の軸方向に沿った長さと等しく形成されている。図3に示すように、ティース固定部15の内周面15aには、ティース部12を固定するための複数(本実施形態では12個)の固定溝18が形成されている。12個の固定溝18は周方向に等角度間隔の位置に形成されている。固定溝18は、ティース固定部15の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って延びており、円筒部11の軸方向から見ると、径方向内側に向かうに連れて周方向の幅が徐々に狭くなるような略矩形状をなしている。
延長部16,17は円筒部11の軸方向両端部から軸方向に沿って延設されており、ティース固定部15と内径及び外径が等しい円筒状をなしている。図1に示すように、延長部16,17の軸方向の長さL1は、コイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しく形成されている。従って、円筒部11は、延長部16,17を備えることにより、その円軸方向の長さL3がコイル14の軸方向の長さL4と等しくなるように形成されている。
図3に示すように、2つの延長部16,17のうちティース固定部15の軸方向一端(図3においてティース固定部15の上側)から延設された延長部16の内周面16aには、ティース固定部15の内周面15aに形成された固定溝18と連通する複数(本実施形態では12個)の嵌入溝19が形成されている。嵌入溝19は、延長部16の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って延びており、円筒部11の軸方向から見ると、径方向内側に向かうに連れて周方向の幅が徐々に狭くなるような略矩形状をなしている。また、延長部17(図3においてティース固定部15の下側)のティース固定部15側の端面17aは、その一部が固定溝18の延長部17側の一端部から露出している。
図2に示すように、12個のティース部12は軸方向から見ると略長方形状をなしている。そして、ティース部12の径方向外側の基端部には、前記固定溝18に係合する係合部12aが形成されている。係合部12aは、固定溝18に対応した形状をなしており、径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が徐々に広くなるような略矩形状をなしている。また、ティース部12の径方向内側の先端部には、該先端部から周方向両側に向かって突出した突出部12bが形成されている。更に、ティース部12の径方向内側の先端面12cは、12個の先端面12cにて略円筒状をなすように円弧状に形成されている。隣接するティース部12間に形成された空間は、巻線が巻回されるためのスロット部20となっている。このようなティース部12は、前記円筒部11と同様に、ティース部12形成用のコアシート(図示しない)を複数枚積層させて形成されるか、磁性金属粉体を圧縮成形してなる。
ステータコア13は、ティース部12の係合部12aが嵌入溝19を通ってティース固定部15の固定溝18に係合されることにより組み立てられる。詳しくは、ティース部12は、該ティース部12の係合部12aが円筒部11の一端に位置する嵌入溝19の開口部から挿入される。そして、ティース部12は、軸方向に沿って移動されて嵌入溝19を通過し、係合部12aにおける延長部17側の端面が固定溝18の一端部から露出した端面17aに当接するまで挿入される。これにより、ティース部12は軸方向に位置決めされてティース固定部15に固定される。
図1に示すように、ステータ10の内側には、回転軸22と、該回転軸22に固定されたロータコア23と、複数の永久磁石24とから構成されたロータ25が収容されている。このロータ25は、ステータコア13との間に所定のエアギャップを有して配設されている。詳しくは、ロータ25は、ティース部12における径方向内側の先端面12cと、ロータコア23の外周面23aとの間に一定の間隙(エアギャップ)を有して配設されている。
回転軸22は、一端を前記ケース3の底部に設けられた軸受26に支持されると共に、他端を前記蓋部4の中央に設けられた軸受27にて支持され、回転可能となっている。
ロータコア23は、コアシート(図示しない)を軸方向に複数枚積層させて形成されるか、若しくは磁性金属粉体を圧縮成形してなる。図2に示すように、ロータコア23は円柱状をなしており、その中央に軸方向に貫通する貫通孔23bが形成されている。そして、ロータコア23は、貫通孔23bに回転軸22が嵌挿されることにより回転軸22に対して固定されている(図1参照)。また、ロータコア23には、一対で径方向内側に凸の略V字状をなす収容孔23cが周方向に8対並んで形成されている。永久磁石24は、このような収容孔23cに収容保持されることにより、一対で径方向内側に凸の略V字状をなすように配置されている。そして、永久磁石24は略V字状をなす一対の永久磁石24毎に1つの界磁極を構成し、隣接する対の永久磁石24と異極となるように着磁が施されている。
ロータコア23は、コアシート(図示しない)を軸方向に複数枚積層させて形成されるか、若しくは磁性金属粉体を圧縮成形してなる。図2に示すように、ロータコア23は円柱状をなしており、その中央に軸方向に貫通する貫通孔23bが形成されている。そして、ロータコア23は、貫通孔23bに回転軸22が嵌挿されることにより回転軸22に対して固定されている(図1参照)。また、ロータコア23には、一対で径方向内側に凸の略V字状をなす収容孔23cが周方向に8対並んで形成されている。永久磁石24は、このような収容孔23cに収容保持されることにより、一対で径方向内側に凸の略V字状をなすように配置されている。そして、永久磁石24は略V字状をなす一対の永久磁石24毎に1つの界磁極を構成し、隣接する対の永久磁石24と異極となるように着磁が施されている。
上記のように構成されたモータ1に駆動電流が供給されると、コイル14にて回転磁界が発生される。その回転磁界に基づいてロータ25が回転される。この時、ステータコア13の円筒部11を通過する磁束の一部は、図4に矢印Aにて示すように、延長部16,17を通過する。即ち、ティース固定部15の両端部に延長部16,17が形成されていることにより、円筒部11の軸方向に沿った断面積が、延長部16,17を備えない従来の円筒部と比べて増大しているため、円筒部11を通過する磁束は、ティース固定部15だけでなく、延長部16,17も通過することができ、円筒部11における磁気飽和が生じ難くなる。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)円筒部11は、ティース固定部15の両側に該ティース固定部15から軸方向に沿って延設された延長部16,17を備えている。従って、円筒部11は、従来の回転電機に備えられたステータコアの円筒部よりも延長部16,17の分だけ軸方向に沿った断面積が増加する。その結果、延長部16,17によって断面積が増加した分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部11における磁気飽和を生じ難くすることができる。また、延長部16,17は、その軸方向の長さL1がコイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しく形成されていることから、モータ1の体格を大きくする必要がない。即ち、延長部16,17は、従来の回転電機のモータハウジング内においてデッドスペースとなっていた部分に形成されているため、延長部16,17を収容するためにモータハウジング2を大きくする必要がない。従って、モータ1の体格を大きくすることなく円筒部11における磁気飽和を生じ難くすることができる。しかも、ステータコア13は、延長部16,17を備えない従来の回転電機のステータコアと比べて体積が増加しているため、モータ1の出力が増大される。
(1)円筒部11は、ティース固定部15の両側に該ティース固定部15から軸方向に沿って延設された延長部16,17を備えている。従って、円筒部11は、従来の回転電機に備えられたステータコアの円筒部よりも延長部16,17の分だけ軸方向に沿った断面積が増加する。その結果、延長部16,17によって断面積が増加した分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部11における磁気飽和を生じ難くすることができる。また、延長部16,17は、その軸方向の長さL1がコイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しく形成されていることから、モータ1の体格を大きくする必要がない。即ち、延長部16,17は、従来の回転電機のモータハウジング内においてデッドスペースとなっていた部分に形成されているため、延長部16,17を収容するためにモータハウジング2を大きくする必要がない。従って、モータ1の体格を大きくすることなく円筒部11における磁気飽和を生じ難くすることができる。しかも、ステータコア13は、延長部16,17を備えない従来の回転電機のステータコアと比べて体積が増加しているため、モータ1の出力が増大される。
また、モータ1の駆動時に円筒部11における磁気飽和が生じていない場合には、延長部16,17による体積増加の分だけ円筒部11の外径が小さくなるように該円筒部11の径方向の厚さを薄くすることができる。このようにすると、ステータコアの外径を小さくすることができ、引いてはモータ1の体格を小さくすることができる。
更に、モータ1の駆動時に円筒部11における磁気飽和が生じていない場合には、延長部16,17による体積増加の分だけ円筒部11の内径が大きくなるように該円筒部11の径方向の厚さを薄くして、スロット部20の面積を大きくすることができる。このようにすると、より太い巻線を使用したり、巻線の巻数を増加させたりすることができるため、銅損を低減させることができる。その結果、モータ1の効率を向上させることができる。
(2)ステータコア13は、延長部16,17を備えたことにより、該ステータコア13の表面積が延長部16,17の分だけ大きくなっている。従って、モータ1の駆動時に、コイル14及びステータコア13にて発生された熱は、延長部16,17を備えない従来のステータコアよりも効率よく放熱される。
(3)円筒部11にステータコア13を組付ける際、ティース部12は、ティース部12の係合部12aにおける延長部17側の端面が固定溝18の一端部から露出した端面17aに当接するまで挿入される。即ち、ティース部12は端面17aに当接することにより軸方向に位置決めされてティース固定部15に固定される。このように、延長部17の端面17aにてティース部12の位置決めを容易に行うことができる。
(4)延長部17は、ティース固定部15の内径と等しい内径に形成されており、その内周面には嵌入溝19は形成されていない。また、延長部17の軸方向に沿った断面積は、延長部16における嵌入溝19が形成された部分の軸方向に沿った断面積よりも大きい。従って、円筒部11は、延長部17に嵌入溝19が形成されている場合よりも軸方向に沿った断面積を大きく確保することができ、その分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部11における磁気飽和をより生じ難くすることができる。
(5)嵌入溝19は、2つの延長部16,17のうち一方の延長部16にのみ形成されている。従って、円筒部11の軸方向一端に位置する嵌入溝19の開口部が上向きとなるようにモータ1が使用された場合には、ティース部12が固定溝18から脱落することを固定溝18の一端部から露出した延長部17の端面17aにて防止することができる。
(6)ステータコア13は、円筒状をなすティース固定部15の内周面15aに形成された固定溝18にティース部12の係合部12aを嵌入することにより形成される。従って、ティース部12における径方向内側の先端面12cにて形成される円(先端面12cを通る円)の真円度を良好に維持してステータコア13を形成することができる。その結果、ステータコア13とロータコア23との間のエアギャップにおける径方向の幅を一定にしやすい。よって、モータ1におけるトルク変動を少なくすることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に本実施形態のモータ30を示す。モータ30は、上記第1実施形態のモータ1と同様に、埋込磁石型モータ(IPMモータ)である。本実施形態のモータ30と上記第1実施形態のモータ1とは円筒部の形状が異なる。
本実施形態のステータコア31の円筒部32は軸方向に2つに等分割されて、第1円筒部33及び第2円筒部34を構成している。第1円筒部33は、第1ティース固定部35と、該第1ティース固定部35の一端(図5において第1ティース固定部35の上端)から軸方向に沿って延設された第1延長部36とから構成されている。また、第2円筒部34は、第2ティース固定部37と、該第2ティース固定部37の一端(図5において第2ティース固定部37の下端)から軸方向に沿って延設された第2延長部38とから構成されている。第1円筒部33及び第2円筒部34が組付けられて円筒部32を形成している状態では、第1ティース固定部35と第2ティース固定部37とはティース固定部39を構成する。即ち、円筒部32は、ティース固定部39で軸方向に2つに分割されている。
第1ティース固定部35は円筒状に形成されており、その軸方向の長さはティース部12の軸方向の長さの半分である。図6に示すように、第1ティース固定部35の内周面35aには、ティース部12を固定するための複数(本実施形態では12個)の第1固定溝41が形成されている。12個の第1固定溝41は周方向に等角度間隔の位置に形成されている。第1固定溝41は、第1ティース固定部35の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って延びており、円筒部32の軸方向から見ると、径方向内側に向かうに連れて周方向の幅が徐々に狭くなるような略矩形状をなしている。
第1円筒部33の第1延長部36は第1ティース固定部35と内径及び外径が等しい円筒状に形成され、その軸方向の長さはコイルエンド部14aの軸方向の長さL2(図1参照)と等しく形成されている。第1延長部36の第1ティース固定部35側の端面36aは、第1固定溝41の第1延長部36側の端部からその一部が露出している。
第2ティース固定部37は、第1円筒部33と内径及び外径が等しい円筒状に形成されており、その軸方向の長さはティース部12の軸方向の長さの半分である。第2ティース固定部37の内周面37aには、ティース部12を固定するための複数(本実施形態では12個)の第2固定溝42が形成されている。第2固定溝42は、第1固定溝41と同様の形状をなしており、第2ティース固定部37の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って延びている。この第2固定溝42と第1固定溝41とは組付けられた際に連通し、固定溝を構成する。
第2円筒部34の第2延長部38は第2ティース固定部37と内径及び外径が等しい円筒状に形成され、その軸方向の長さはコイルエンド部14aの軸方向の長さL2(図1参照)と等しく形成されている。また、第2延長部38の第2ティース固定部37側の端面38aは、第2固定溝42の第2延長部38側の端部からその一部が露出している。
上記のように構成された第1円筒部33と第2円筒部34とは面対称となっている。そして、第1円筒部33及び第2円筒部34は、複数枚のコアシートを軸方向に積層させて形成されるか、若しくは磁性金属粉体を圧縮成形してなる。
ステータコア31は、ティース部12の軸方向両側から第1円筒部33及び第2円筒部34をティース部12に対して嵌め合わせることにより形成される。この時、ティース部12の係合部12aは、その軸方向一端(図5及び図6において上側)から軸方向の中央までを第1円筒部33の第1固定溝41に挿入されて係合され、軸方向の中央から軸方向他端(図5及び図6において下側)までを第2円筒部34の第2固定溝42に挿入されて係合される。そして、係合部12aの軸方向一端面が第1固定溝41から露出した第1延長部36の端面36aに当接すると共に、係合部12aの軸方向他端面が第2固定溝42から露出した第2延長部38の端面38aに当接することにより、ティース部12は軸方向に位置決めされてティース固定部39に固定される。
上記のように構成された円筒部32を備えたモータ30は、駆動電流が供給されるとコイル14にて回転磁界が発生される。その回転磁界に基づいてロータ25が回転される。この時、ティース固定部39の両端部に第1延長部36及び第2延長部38が形成されているため、円筒部32の軸方向に沿った断面積が、第1延長部36及び第2延長部38を備えない従来の円筒部と比べて増大している。従って、円筒部32を通過する磁束は、ティース固定部39だけでなく、第1延長部36及び第2延長部38も通過することができ、円筒部32における磁気飽和が生じ難くなる。
上記したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果の(1),(2)と同様の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)円筒部32は、ティース固定部39にて軸方向に2つに分割されている。そのため、ステータコア31の組立て時に、第1円筒部33及び第2円筒部34のそれぞれにおいてティース部12と第1固定溝41及び第2固定溝42との間の摺動抵抗が、ティース部12と前記第1実施形態の固定溝18との間の摺動抵抗よりも小さい。従って、ティース部12を容易にティース固定部39に固定することができる。
(1)円筒部32は、ティース固定部39にて軸方向に2つに分割されている。そのため、ステータコア31の組立て時に、第1円筒部33及び第2円筒部34のそれぞれにおいてティース部12と第1固定溝41及び第2固定溝42との間の摺動抵抗が、ティース部12と前記第1実施形態の固定溝18との間の摺動抵抗よりも小さい。従って、ティース部12を容易にティース固定部39に固定することができる。
(2)ステータコア31の組立て時に、ティース部12の係合部12aにおける軸方向の両端面が、第1固定溝41から露出した第1延長部36の端面36a及び第2固定溝42から露出した第2延長部38の端面38aに当接することにより、ティース部12は軸方向に容易に位置決めされる。また、第1固定溝41及び第2固定溝42の端部から露出した端面36a,38aによって、ティース部12が円筒部32から軸方向に脱落することが防止され、ティース部12を確実に固定することができる。
(3)第1延長部36及び第2延長部38は、ティース固定部39と等しい内径に形成されており、その内周面には前記第1実施形態の嵌入溝19のような溝は形成されていない。従って、円筒部32は、第1延長部36及び第2延長部38が形成されている場合よりも軸方向に沿った断面積を大きく確保することができ、その分だけ磁束の増加を許容することができるため、円筒部32における磁気飽和をより生じ難くすることができる。
(4)第1円筒部33と第2円筒部34とは面対称であるため、円筒部32が軸方向に2分割されていても、ステータコア31における磁気バランスを良好に維持することができる。従って、ロータ25の回転を安定させることができる。
(5)ステータコア31は、円筒状をなす第1ティース固定部35の内周面35aに形成された第1固定溝41と円筒状をなす第2ティース固定部37の内周面37aに形成された第2固定溝42とにティース部12の係合部12aを嵌入することにより形成される。従って、ティース部12における径方向内側の先端面12cにて形成される円(先端面12cを通る円)の真円度を良好に維持してステータコア31を形成することができる。その結果、ステータコア31とロータコア23との間のエアギャップにおける径方向の幅を一定にしやすい。よって、モータ30におけるトルク変動を少なくすることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、2つの延長部16,17のうち一方の延長部16にのみ嵌入溝19が形成されているが、両方の延長部16,17に嵌入溝19が形成されてもよい。このように構成すると、ステータコア13の磁気バランスが向上して、ロータ25の回転を安定させることができる。また、上記第2実施形態においては、第1延長部36及び第2延長部38の少なくとも一方に嵌入溝を形成してもよい。
○上記第1実施形態では、2つの延長部16,17のうち一方の延長部16にのみ嵌入溝19が形成されているが、両方の延長部16,17に嵌入溝19が形成されてもよい。このように構成すると、ステータコア13の磁気バランスが向上して、ロータ25の回転を安定させることができる。また、上記第2実施形態においては、第1延長部36及び第2延長部38の少なくとも一方に嵌入溝を形成してもよい。
○上記第1実施形態では、円筒部11を構成するティース固定部15及び延長部16,17は一体に形成されている。また、上記第2実施形態では、円筒部32は第1円筒部33と第2円筒部34とに軸方向に2分割されている。しかしながら、例えば、図7に示すように、円筒部51はティース固定部52と2つの延長部53,54とに軸方向に3分割されていてもよい。尚、ティース固定部52の内周面52aには固定溝52b(図7では2つのみ図示)が軸方向に沿って形成されており、該固定溝52bにティース部12が嵌挿されている。このような円筒部51は、例えば、ティース固定部52及び延長部53,54の外周面に軸方向に沿って延びるように形成された溶接溝55に溶接を施すことにより一体的に形成されている。また、円筒部51は、軸方向にかしめることによりティース固定部52及び延長部53,54を一体的に形成してもよい。
○上記第2実施形態では、第1円筒部33と第2円筒部34とは面対称に形成されているが、面対称に形成されなくてもよい。例えば、第1円筒部33と第2円筒部34とは、ティース固定部39の軸方向中央から軸方向に変位した位置で2つに分割されていてもよい。
○上記各実施形態では、ステータコア13,31は、ケース3の内周面に固定されているが、これに限らない。図8に示すように、ステータコア61は、ケース3の内周面3aと円筒部62の外周面62aとの間を軸方向に空気が流通可能な間隙を有してケース3の内側に配置されるものであってもよい。この時、図9に示すように、ティース部12が固定されたティース固定部63の外周面63a及び延長部64,65の外周面64a,65aには、放熱凹部66と放熱凸部67とが軸方向に沿って交互に形成された放熱部68が備えられている。放熱凹部66と放熱凸部67とは周方向にも交互に配置されている。このような放熱部68が備えられることにより、ティース固定部63及び延長部64,65の表面積は、放熱部68を備えない上記第1及び第2実施形態のティース固定部15,39及び延長部16,17,第1延長部36,第2延長部38の表面積よりも増大される。その結果、このようなモータ60の駆動時にステータコア61及びコイル14にて発生された熱を効率よく放熱することができる。
また、延長部64,65の外周面64a,65aに形成される放熱部68は、軸方向のみに交互に配置されるものであってもよい。更に、放熱部68は、放熱凹部66と放熱凸部67とが軸方向に沿って交互に配置されるものだけでなく、軸方向に沿って延びる溝状に形成されてもよいし、周方向に沿って延びる溝状に形成されてもよい。また、放熱部68は、延長部64,65のみに形成されてもよい。尚、図8では、モータ60は、円筒部62が軸方向に3分割されたステータコア61を備えているが、放熱部68を備えた上記第1実施形態のステータコア13や、放熱部68を備えた上記第2実施形態のステータコア31を備えてもよい。
○上記実施形態では、モータ1,30,60は、有底筒状のケース3と、ケース3の開口部を閉塞する蓋部4とから構成されたモータハウジング2を備えているが、図10に示すようなモータハウジング71を備えたモータ70としてもよい。尚、図10において、上記各実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。図10に示すように、モータ70のモータハウジング71は、2枚の固定板72,73から構成されている。固定板72,73は、ステータコア31の外径よりも大きい直径を有する略円板状をなしている。そして、固定板72はステータコア31の軸方向一端(図10においてはステータコアの上側)を覆い、固定板73はステータコア31の軸方向他端(図10においてステータコアの下側)を覆うように配置されている。また、固定板72,73のステータコア31側の面にはステータコア31の外径と等しい内径を有する円環状の固定部72a,73aが突設されており、該固定部72a,73aにはステータコア31の軸方向端部がそれぞれ係合されている。この固定部72a,73aはステータコア31の径方向の移動を規制している。このような固定板72,73は径方向外側の複数箇所(図10では2箇所のみ図示)をボルト74及びナット75にて軸方向に固定されている。このように構成すると、円筒部32の外周面32a(ティース固定部39の外周面39b、第1延長部36の外周面36b、及び第2延長部38の外周面38b)がモータハウジング71から外部に露出するため、ステータコア31は外気に直接触れることになる。従って、モータ70の駆動時にステータコア31及びコイル14から発生された熱をより効率よく放熱させることができる。尚、図10においては、モータ70は上記第2実施形態のステータコア31を備えているが、上記第1実施形態のステータコア13を備えても同様の効果を得ることができる。
また、モータ70において、円筒部32の外周面32aに図9に示すような放熱部68を備えると、円筒部32の外周面32aの表面積が増大されるため、モータ70の駆動時にステータコア31及びコイル14から発生された熱が更に効率よく放熱される。この時、放熱部68は、第1延長部36の外周面36b及び第2延長部の外周面38bのみに形成してもよい。
更に、モータハウジング71を備えることにより第1延長部36の外周面36b及び第2延長部38の外周面38bをモータハウジング71の外部に露出させる以外に、第1延長部36の外周面36b及び第2延長部38の外周面38bの少なくとも一部がモータハウジング2の外部に露出するようにケース3に1つ若しくは複数の窓を設けてもよい。更に、延長部16,17の外周面16b,17b(図1参照)の少なくとも一部がモータハウジング2の外部に露出するようにケース3に1つ若しくは複数の窓を設けても良い。このように構成しても、モータハウジング71を備えた場合と同様の効果を得ることができる。
○上記第1実施形態では、延長部17は、その内径及び外径がティース固定部15の内径及び外径と等しく形成されているが、これに限らない。延長部17の内径は、ティース固定部15の内径と等しく形成されなくてもよい。上記第2実施形態の第1延長部36及び第2延長部38も同様に、第1円筒部33及び第2円筒部34の内径と等しく形成されなくてもよい。
○上記各実施形態では、延長部16,17,53,54,64,65、及び第1延長部36,第2延長部38は、その軸方向の長さがコイルエンド部14aの軸方向の長さL2と等しく形成されている。しかしながら、各延長部16,17,16,17,53,54,64,65、及び第1延長部36,第2延長部38の軸方向の長さは、コイルエンド部14aの軸方向の長さL2と同等の長さであればよい。ここで、同等の長さとは、延長部16,17,53,54,64,65、若しくは第1延長部36,第2延長部38を形成したことにより、円筒部11,32,51,62を通過する磁束量を多くすることができると共に、モータハウジング2の体格を大きくする必要がない範囲内の長さを意味する。従って、延長部16,17,53,54,64,65及び第1延長部36,第2延長部38の軸方向の長さL1は、円筒部11,32,51,62を通過する磁束量を多くすることができると共に、モータハウジング2の体格を大きくする必要がない範囲内において、コイルエンド部14aの軸方向の長さL2より長くてもよいし、短くてもよい。
○上記各実施形態では、ティース固定部15,39,52,63の両端部に延長部16,17,53,54,64,65、若しくは第1延長部36,第2延長部38が形成されているが、延長部は、ティース固定部15,39,52,63の軸方向端部の少なくとも一方から延設されるものであってもよい。
○上記各実施形態では、ティース部12は12個備えられているが、12個より多くてもよいし、12個より少なくてもよい。また、ロータ25には、8対の永久磁石24が備えられているが、永久磁石24は8対より多くてもよいし、8対より少なくてもよい。更に、永久磁石24は、対で1つの界磁極を構成するもの以外に、1つで1つの界磁極を構成するようにしてもよい。
○上記各実施形態では、延長部16,17,53,54,64,65、及び第1延長部36,第2延長部38は円筒状に形成されているが、これに限らない。例えば、延長部は、従来の回転電機のケースの内周面とコイルエンド部との間のスペースを埋めるように、内周面がコイルエンド部側に向かって径方向内側に迫り出した形状としてもよい。このように構成しても、円筒部における磁気飽和を生じ難くすることができる。
○上記各実施形態では、モータ1,30,60,70は、埋込磁石型モータ(IPMモータ)であるが、埋込磁石型モータ以外のモータ、及び回転電機であってもよい。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項7に記載の回転電機において、前記放熱部は、前記放熱凹部と前記放熱凸部とが周方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする回転電機。このように構成すると、延長部の表面積がより増大されるため、回転電機の駆動時に、ステータコア及びコイルにて発生された熱が更に効果的に放熱される。
2,71…モータハウジング、3a…モータハウジングの内周面としてのケースの内周面、11,32,51,62…円筒部、12…ティース部、13,31,61…ステータコア、14…コイル、14a…コイルエンド部、15,39,52,63…ティース固定部、16,17,53,54,64,65…延長部、15a…円筒部の内周面を構成するティース固定部の内周面、16a…円筒部の内周面を構成する延長部の内周面、16b,17b,64a,65a…延長部の外周面、17a,36a,38a…端面、18…溝を構成する固定溝、19…溝を構成する嵌入溝、25…ロータ、36…延長部としての第1延長部、36b…延長部の外周面としての第1延長部の外周面、38…延長部としての第2延長部、38b…延長部の外周面としての第2延長部の外周面、41…溝及び固定溝を構成する第1固定溝、42…溝及び固定溝を構成する第2固定溝、62a,32a…円筒部の外周面、66…放熱凹部、67…放熱凸部、68…放熱部、L1…延長部の軸方向の長さ、L2…コイルエンド部の軸方向の長さ。
Claims (8)
- 円筒部、及び該円筒部の内側に周方向に沿って配置された複数のティース部を有するステータコアと、
前記ティース部に巻線が巻回されてなり前記ティース部の軸方向両端部に位置するコイルエンド部を有する複数のコイルと、
前記ステータコアの内側に回転可能に配設され、前記コイルに駆動電流が供給されることにより発生される回転磁界に応じて回転するロータと
を備えた回転電機であって、
前記円筒部は、前記ティース部が固定され軸方向の長さが前記ティース部の軸方向の長さと等しく形成されたティース固定部と、前記ティース固定部の軸方向端部の少なくとも一方から軸方向に沿って延設されると共に前記コイルエンド部の軸方向の長さと同等の長さに形成された延長部とから構成され、
前記円筒部の内周面には前記ティース部を固定するための溝が形成されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記延長部は前記ティース固定部の軸方向両端部に設けられ、
前記溝は、前記ティース固定部の内周面に前記ティース固定部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成された固定溝と、2つの前記延長部のうち少なくとも一方の延長部の内周面に該一方の延長部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成され前記固定溝と連通する嵌入溝とから構成されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
2つの前記延長部のいずれか一方の延長部における前記ティース固定部側の端面が前記固定溝の一端部から露出していることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記延長部はティース固定部の軸方向両端部に設けられ、
前記溝は、前記ティース固定部の内周面に前記ティース固定部の軸方向一端から軸方向他端まで軸方向に沿って形成された固定溝であり、
前記円筒部は前記ティース固定部で軸方向に2つに分割されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項4に記載の回転電機において、
2つの前記延長部の少なくとも一方の延長部における前記ティース固定部側の端面が前記固定溝の端部から露出していることを特徴とする回転電機。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記ステータコアは、モータハウジングの内周面と前記円筒部の外周面との間を軸方向に空気が流通可能な間隙を有して前記モータハウジング内に配置され、
前記延長部の外周面には、該延長部の表面積を大きくする放熱部が備えられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記ステータコアは、前記延長部における外周面の少なくとも一部がモータハウジングの外部に露出するように前記モータハウジングに固定され、
前記モータハウジングの外部に露出した前記延長部の外周面の少なくとも一部には、該延長部の表面積を大きくする放熱部が備えられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項6又は請求項7に記載の回転電機において、
前記放熱部は、放熱凹部と放熱凸部とが軸方向に沿って交互に形成されてなることを特徴とする回転電機。
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Legal Events
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